JPH09125212A - 加工性に優れた高珪素鋼及びその製造方法 - Google Patents

加工性に優れた高珪素鋼及びその製造方法

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JPH09125212A
JPH09125212A JP7306591A JP30659195A JPH09125212A JP H09125212 A JPH09125212 A JP H09125212A JP 7306591 A JP7306591 A JP 7306591A JP 30659195 A JP30659195 A JP 30659195A JP H09125212 A JPH09125212 A JP H09125212A
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silicon steel
hot
high silicon
less
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JP7306591A
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Tatsuhiko Hiratani
多津彦 平谷
Yasushi Tanaka
靖 田中
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最終的に得られる磁気特性を劣化させること
なく高珪素鋼の圧延性を改善し、高珪素鋼の冷間圧延ま
たは温間圧延を容易に行うことを可能とする 【解決手段】高珪素鋼の圧延性を鋼組織の面から改善し
たもので、その高珪素鋼スラブはC:0.01wt%以
下、Si:4〜7wt%、Mn:0.01〜0.5wt
%、Sol.Al:2.0wt%以下、N:0.01w
t%以下、P:0.1wt%以下、S:0.02wt%
以下、Zr,Nb及びTiの中から選ばれる1種または
2種以上の元素を合計で0.005〜1.0wt%、残
部が実質的にFeからなり、且つ平均結晶粒径が500
μm以下であり、また、高珪素鋼スラブの熱延板は、板
厚方向での組織層間隔が200μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加工性に優れた
高珪素鋼とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】珪素鋼板はSi含有量が多いほど軟磁気
特性が向上し、その特性はSi:6.5wt%付近でピ
ークを示すことが知られている。しかし、珪素鋼板はS
i含有量が4.0wt%を超えると伸びが低下するた
め、通常のプロセスでは圧延による製造は困難である。
従来、圧延法による高珪素鋼板の製造に関しては、以下
のような報告ないしは提案がなされている。石坂らは、
熱間鍛造後に恒温熱間圧延(600〜750℃)を施す
ことにより、Si含有量:6.5wt%付近の鋼が冷間
圧延可能になることを報告している(日本金属学会誌 V
ol.30(1966)No.6)。
【0003】特公平3−65001号では、冷間圧延性
に及ぼす冷間圧延前組織の影響について、珪素を5wt
%以上含む高珪素鋼の冷間圧延性は圧延前の組織に敏感
であり、特に圧延前組織を圧延方向に延びた繊維状組織
とした場合に最も良好な冷間圧延性が得られることを明
らかにし、熱間圧延条件の組み合せにより熱延板の組織
を制御して加工性を高め、冷間圧延を可能にする高珪素
鋼板の製造法を提案している。すなわち、この製造法は
C<0.01wt%、4.0wt%<Si<7.0wt
%、Mn<0.2wt%、Sol.Al<2.0wt
%、N<0.01wt%、残部鉄及び不可避不純物から
なる高珪素鋼のインゴット或いは連続鋳造スラブを、圧
延を開始する際の材料温度1050℃以上、圧延中の材
料温度1000℃以上、累積圧下率50%以上、1パス
当たりの圧下率10%以上で分塊圧延または粗圧延し、
次いで圧延中の材料温度1000℃以下、パス間時間1
0秒以内、累積圧下率30%以上の連続圧延を行い、7
00℃以下で巻取ることにより、冷間圧延可能な繊維状
熱延組織を有する鋼板を得る方法である。
【0004】特開平4−228524号では、冷間圧延
時の割れを防止する目的でAlとNをある範囲でコント
ロールすることにより、高珪素鋼板の冷間圧延性が向上
すると述べている。特開平4−365842号では、高
珪素鋼中に固溶しているCをTi、Nbを添加して析出
物の形で固定することによって靱性が向上するとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】石坂らの方法で高珪素
鋼の薄板を工業的に製造するためには、精錬後の溶鋼を
造塊法によりインゴットとし、これを再加熱後熱間鍛造
し、その後恒温で熱間圧延を行うという煩雑な工程が必
要であり、このため製造コスト及び歩留りの面から工業
規模で実施することは不可能である。
【0006】特公平3−65001号に記載の製造法で
は、Si6.5wt%の薄鋼板を製造する場合、圧延し
た際の割れ等の発生を防止するために熱延板を数百℃に
加熱して圧延(温間圧延)を実施している。しかし、こ
のように熱延板を数百℃まで加熱して温間圧延を行うこ
とは生産効率や作業の能率の点からは不利であり、熱延
板の加工性をより向上させてその加熱温度を低くするこ
とが望まれる。また、熱延板組織の微細化のため仕上熱
間圧延を低温で行った場合、ロール負荷の増大により板
の形状不良や欠陥が顕著に現れてくる。したがって、良
質な熱延板を得るにはある一定以上の温度で仕上熱間圧
延を実施する必要があり、必然的に熱延組織の微細化に
は限界がある。
【0007】一方、従来材の熱間圧延時の再結晶温度は
750〜800℃程度であるため、この温度域以上の温
度で仕上熱間圧延を行うと熱間圧延後に板の表層部に再
結晶粒が生じ、引き続き行われる冷間圧延時に表層の粒
界を起点としてクラックが進展し、板が割れ易くなって
加工性を著しく劣化させる。また、特開平4−2285
24号の方法では、熱間圧延ままでは冷間圧延または温
間圧延時にクラックの発生が避けられず、また、熱延板
焼鈍を行っても結晶粒径を板全面に亘って均一に細かく
することは困難であり、熱延組織の結晶粒径は粗大且つ
不均一なものとなり、この結果、冷間圧延性が悪化して
しまう。
【0008】また、特開平4−365842号において
は、特殊元素の添加により高珪素鋼板の加工性の向上を
試みているが、これはC含有量の増加に伴って延性温度
域での衝撃値が劣化することに着目して炭化物を形成し
やすいTi、Nbを添加し、固溶Cを減少させることに
よって再結晶組織の靱性向上を計ったものであり、熱延
板組織の面から高珪素鋼板の冷間圧延性を改善するもの
ではない。本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、最終的に得られる磁気特性を劣化さ
せることなく高珪素鋼の圧延性を鋼組織の面から改善
し、最終的に高珪素鋼の冷間圧延または温間圧延を容易
に行うことを可能とする高珪素鋼及びその製造方法を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めの本発明の構成は以下の通りである。 (1) C:0.01wt%以下、Si:4〜7wt%、M
n:0.01〜0.5wt%、Sol.Al:2.0w
t%以下、N:0.01wt%以下、P:0.1wt%
以下、S:0.02wt%以下、Zr,Nb及びTiの
中から選ばれる1種または2種以上の元素を合計で0.
005〜1.0wt%、残部が実質的にFeからなり、
且つ平均結晶粒径が500μm以下であることを特徴と
する加工性に優れた高珪素鋼スラブ。
【0010】(2) C:0.01wt%以下、Si:4〜
7wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、Sol.A
l:2.0wt%以下、N:0.01wt%以下、P:
0.1wt%以下、S:0.02wt%以下、Zr,N
b及びTiの中から選ばれる1種または2種以上の元素
を合計で0.005〜1.0wt%、残部が実質的にF
eからなり、且つ板厚方向での組織層間隔が200μm
以下であることを特徴とする加工性に優れた高珪素鋼熱
延板。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由について説明する。Cは鉄損を増大させる有害な元素
であり、また加工性を低下させるためにも可能な限り低
減させること望ましく、このため0.01wt%以下と
する。なお、Cは無添加(0wt%)の場合を含む。S
iは軟磁気特性を改善させる元素であり、その含有量が
略6.5wt%で軟磁気特性がピークを示す。珪素鋼板
はSi:4wt%以上で冷間圧延性が問題となるため、
本発明ではSiの下限を4wt%とする。一方、Siが
8wt%を超えると、磁歪が上昇するとともに、飽和磁
束密度や最大透磁率が低下する等、軟磁気特性の劣化を
生じ、冷間圧延性も極めて悪くなる。このためSiは8
wt%を上限とする。
【0012】Mnは鋼中不純物としてのSを固定するた
めに添加される。しかし、Mn量が過剰になると加工性
が劣化し、また、MnS量が増加して軟磁気特性に悪影
響を与える。このためMnは0.01〜0.5wt%と
する。Pは加工性を劣化させるため0.1wt%以下と
する。なお、Pは無添加(0wt%)の場合を含む。S
はMnSを形成して軟磁気特性に悪影響を与えるため極
力低減することが望ましく、このため0.02wt%以
下とする。なお、Sは無添加(0wt%)の場合を含
む。
【0013】Alは製鋼時に脱酸のために添加される元
素であるが、軟磁気特性を劣化させる固溶Nを固定し、
また、鋼中に固溶することにより電気抵抗を上昇させる
作用があり、さらに、Alを添加することにより、析出
するAlNの大きさを磁壁の移動に対する抵抗がほとん
ど無くなる程度まで粗大化できる。しかし、Alが過剰
に添加されると加工性が劣化し、またコストも上昇する
ため、Sol.Alの上限は2.0wt%とする。な
お、上記の作用を得るために、Sol.Alの下限は
0.0005wt%とすることが好ましい。Nは軟磁気
特性を劣化させるために極力低減させることが望まし
く、このためは0.01wt%以下とする。なお、Nは
無添加(0wt%)の場合を含む。
【0014】Ti,Nb,Zrは、鋼中C、Nと反応し
て安定な炭化物(TiC,NbC,ZrC)及び窒化物
(TiN,NbC,ZrN)として析出し、組織を微細
化させる作用があり、本発明ではこれら元素の1種また
は2種以上を必須元素として添加する。また、上記のよ
うな基本的な作用に加えて、Nbにはフェライトの再結
晶温度を上げる作用があり、その適量添加によりフェラ
イトの再結晶温度を約200℃程度上昇させる。また、
Zrは鋼中でNb、Tiよりもさらに安定度の高い炭化
物及び窒化物を形成し、組織微細化に特に著しい効果を
示す。また、Zrの添加によりフェライトの再結晶温度
を著しく上昇させることができる。
【0015】Ti,Nb,Zrの添加量の合計が0.0
05wt%未満では組織微細化の効果が十分に得られな
いため、Ti,Nb,Zrの添加量は合計で0.005
wt%以上とする。一方、Ti,Nb,Zrが過剰に添
加されると却って加工性が劣化等の問題を生じるため好
ましくない。また、特にTi量が過剰になるとTiがフ
ェライトに固溶し、硬さ及び引張強さを上昇させ衝撃値
を低下させる。また、Nb量が過剰になると金属間化合
物(Fe2Nb)が析出するため加工性及び磁気特性が
著しく劣化する。さらに、Zr量が過剰になると伸びが
急激に低減し、加工性が劣化する。以上の理由からT
i,Nb,Zrの添加量の合計は1.0wt%を上限と
する。また、上述したようにZrはNb、Tiに較べて
安定度の高い炭化物及び窒化物を形成し、組織の微細化
に最も効果があるため、少なくともZrを必須の成分と
して添加するのが最も好ましく、この場合にはZrによ
る組織の微細化効果を十分に得るためにZrの添加量は
0.005wt%以上とすることが好ましい。
【0016】以上の成分組成を有する高珪素鋼を溶製し
て、インゴットまたは連鋳スラブに鋳造し、このインゴ
ットまたは連鋳スラブを分塊圧延または粗圧延して仕上
熱延に供されるスラブを得るが、本発明ではこのスラブ
の平均結晶粒径を500μm以下とする。仕上熱間圧延
に供されるスラブの平均結晶粒径が500μmを超える
と仕上熱間圧延後の組織が十分に微細化せず、本発明が
目的とする良好な冷間圧延性が得られない。また、上記
スラブを仕上熱間圧延して熱延板を得るが、本発明では
この熱延板を板厚方向での組織層間隔が200μm以下
の繊維状の微細組織とする。熱延板の組織層間隔が20
0μmを超えると良好な冷間圧延性が得られない。
【0017】次に、本発明の高珪素鋼を得るために好適
な製造条件について説明すると、まず、分塊圧延または
粗圧延段階では、インゴットまたは連鋳スラブを材料温
度1050℃以上、圧延中の材料温度1000℃以上、
累積圧下率50%以上、1パス当りの圧下率10%以上
で分塊圧延または粗圧延して仕上熱間圧延に供すべきス
ラブを得ることが好ましい。
【0018】また、仕上熱間圧延段階では、上記のスラ
ブを圧延中の材料温度1100℃以下、パス間時間10
秒以下、累積圧下率30%以上で仕上熱間圧延を行った
後、800℃以下の温度で巻取ることが好ましい。この
時形成される熱間圧延後の加工組織は、従来法よりも高
い温度で仕上熱間圧延及び巻取りを行っても再結晶組織
となることはなく、しかも先に述べたような繊維状の微
細組織となる。このようにして得られた熱延板は、酸化
層を酸洗または機械研削により除去した後、冷間圧延ま
たは温間圧延に供され薄鋼帯となる。また、冷間圧延ま
たは温間圧延前に熱延板焼鈍を施してもよい。冷間圧延
または温間圧延された薄鋼帯は、700℃以上の温度で
再結晶焼鈍した後に表面に絶縁皮膜を塗布し製品として
もよいし、圧延してそのまま絶縁皮膜を塗布した後にシ
ャーやプレス等により製品形状とし、次いで歪取り焼鈍
を兼ねて700℃以上で再結晶焼鈍を施してもよい。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕表1に示す組成の高珪素鋼インゴットを1
150℃で1時間加熱した後、5パスの粗圧延を行って
仕上熱間圧延に供すべき板厚30mmのスラブを製造し
た。この時の最終パスの板温は1050〜1100℃と
した。図1の顕微鏡拡大写真は、各スラブの圧延方向断
面組織を示している。表1及び図1によれば、Ti,N
b,Zr無添加の比較材のスラブは、平均結晶粒径が約
1200μmであるのに対し、ZrまたはNbを添加し
たスラブは再結晶粒がほとんど認められず、全体的に繊
維状組織を呈し、また平均結晶粒径がそれぞれ約150
μmおよび400μmと高珪素鋼スラブ組織としては極
めて微細であることが判る。
【0020】〔実施例2〕表2及び表3に示す組成の高
珪素鋼インゴットを1150℃で1時間加熱した後、5
パスの粗圧延を行なって板厚30mmのスラブとし、次
いで1100℃で1時間加熱後、8パスで板厚3mmま
で仕上熱間圧延した。この際、総ての熱延板が未再結晶
組織となるように仕上熱間圧延終了温度は800℃とし
た。
【0021】表2及び表3に各熱延板の熱延組織層間隔
を示す。同表によれば、Zr、Nb、Tiの添加量が増
えるにしたがって熱延組織は微細化しており、これらの
元素による熱延組織の微細化効果の大きさはZr>Nb
>Tiの順であることが判る。図2の顕微鏡拡大写真
は、Ti,Nb,Zr無添加の比較材とTi、Nb、Z
rをそれぞれ0.5wt%添加した本発明材(いずれも
6.5wt%珪素鋼熱延板)の圧延方向断面組織を示し
ている。これによれば、比較材が板厚方向に不均一な熱
延組織となっているのに対し、Ti、Nb、Zrを添加
した本発明材は微細で且つ均一な熱延組織となっている
ことが判る。これは固溶しているZr,Ti,Nbが高
温においても結晶粒界の移動を妨げること、またTi、
Nb、Zrの添加により再結晶温度が上昇したため、熱
間圧延の最終段階で比較的温度の高い板厚方向中心部に
おいても、再結晶を起こさず均一な圧延組織になること
によるものである。表2及び表3に示す各熱延板を酸洗
後、200℃に加熱して圧延率30%の温間圧延を行
い、表面割れの有無を調べた。その結果を表2及び表3
に示す。これによれば、本発明の成分条件を満足する高
珪素鋼板の冷間圧延性が優れていることが判る。
【0022】〔実施例3〕Ti,Nb,Zr無添加の
6.5%Si鋼(C:0.002wt%,Mn:0.0
5wt%,Si:6.49wt%,P<0.001wt
%,S:0.0002wt%,Sol.Al:0.04
0wt%,N:0.0006wt%)及びZrを添加し
た6.5%Si鋼(C:0.003wt%,Mn:0.
05wt%,Si:6.51wt%,P<0.001w
t%,S:0.0002wt%,Sol.Al<0.0
01wt%,N:0.0010wt%)の各インゴット
を、1150℃で1時間加熱した後、5パスの粗圧延を
行なって板厚30mmのスラブとし、次いで1100℃
で1時間加熱後、表4に示す条件でそれぞれ仕上熱間圧
延した。図3はこの熱延板の熱延組織層間隔をZr含有
量との関係で示したものである。これによれば、Ti,
Nb,Zr無添加の比較材は、1100℃で仕上熱間圧
延を開始すると熱延組織が粗大化し易く、95%以上の
強圧下を行っても冷間圧延可能な組織微細化は困難であ
る。一方、本発明範囲内のZr量を含有する材料は90
%の圧延率で冷間圧延可能な組織が得られる。さらに、
特定量のZrを添加することにより、従来材では低温で
強圧下しても実現困難な100μm以下の微細化も可能
である。
【0023】〔実施例4〕表2及び表3に示す組成の高
珪素鋼インゴットを1150℃で1時間加熱した後、5
パスの粗圧延を行なって板厚30mmのスラブとし、次
いで1100℃で1時間加熱後8パスで板厚3mmまで
仕上熱間圧延した。この熱延板から板幅50mm、長さ
60mmの試料を切り出し、これを圧延機横に設置した
電気炉にて50〜300℃の各温度に加熱して2.0m
m→1.0mmまで冷間圧延を施し、圧延後の板性状を
調べた。その結果を図4〜図6に示す。図4〜図6によ
れば、Ti,Nb,Zr無添加の比較材では250℃の
圧延温度でも板幅方向に3分の1程度の長さのクラック
が発生したのに対し、Zr添加材は0.005wt%程
度の添加において既にその効果が現われており、特にZ
r添加量が0.1wt%以上のものは、250℃の圧延
温度ではクラックはほとんど観察されず、150℃にお
いても極めて良好な冷間圧延性を示している。また、N
b添加材、Ti添加材についても、Zr添加材よりは劣
るものの冷間圧延性の改善がみられる。
【0024】〔実施例5〕実施例2で製造した熱延板の
うちTi,Nb,Zr無添加の比較材と、Ti、Nb、
Zrの含有量がそれぞれ0.1wt%、0.3wt%、
0.5wt%近傍の本発明材について、700℃〜10
00℃で90秒間焼鈍を施した。次いで酸洗により表面
の酸化皮膜を取り除いた後、板厚0.15mmまで20
0℃にて温間圧延を行い、冷延板の表面に発生したクラ
ックの有無から圧延性を評価した。その結果を表5に示
す。同表によれば、熱延板を熱延板焼鈍した場合でも、
Ti、Nb、Zrの添加により冷間圧延性が向上してい
ることが判る。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、珪素を4w
t%以上含有する高珪素鋼板の圧延性を改善し、従来材
に較べより低い温度で温間圧延を行なうことができ、こ
のため低コスト且つ高効率に高珪素鋼板を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高珪素鋼スラブの結晶組織の顕微鏡拡大写真
【図2】高珪素鋼熱延板の結晶組織の顕微鏡拡大写真
【図3】高珪素鋼のZr添加量と熱延板組織層間隔との
関係を示すグラフ
【図4】高珪素鋼の冷間圧延性をZn添加量と冷間また
は温間圧延温度との関係で示すグラフ
【図5】高珪素鋼の冷間圧延性をNb添加量と冷間また
は温間圧延温度との関係で示すグラフ
【図6】高珪素鋼の冷間圧延性をTi添加量と冷間また
は温間圧延温度との関係で示すグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.01wt%以下、Si:4〜7
    wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、Sol.A
    l:2.0wt%以下、N:0.01wt%以下、P:
    0.1wt%以下、S:0.02wt%以下、Zr,N
    b及びTiの中から選ばれる1種または2種以上の元素
    を合計で0.005〜1.0wt%、残部が実質的にF
    eからなり、且つ平均結晶粒径が500μm以下である
    ことを特徴とする加工性に優れた高珪素鋼スラブ。
  2. 【請求項2】 C:0.01wt%以下、Si:4〜7
    wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、Sol.A
    l:2.0wt%以下、N:0.01wt%以下、P:
    0.1wt%以下、S:0.02wt%以下、Zr,N
    b及びTiの中から選ばれる1種または2種以上の元素
    を合計で0.005〜1.0wt%、残部が実質的にF
    eからなり、且つ板厚方向での組織層間隔が200μm
    以下であることを特徴とする加工性に優れた高珪素鋼熱
    延板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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