JPH09124254A - エレベーターの主索取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、複数本ある主索のテンションを自
動的に均等に保つことを目的とするものである。 【解決手段】 それぞれ回転自在の滑車１３を有してい
る第１の滑車体１１を各ロープ止め６に固定し、それぞ
れ回転自在の滑車１９を有している第２の滑車体１７を
第１の滑車体１１間にそれぞれ設け、さらに両端部が上
梁８に取り付けられている張りロープ２１の中間部を第
１及び第２の滑車体１１，１７の滑車１３，１９に交互
に巻き掛けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、主索の端部をか
ごや釣合重りに取り付けるためのエレベーターの主索取
付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来のエレベーターの一例を模式
的に示す構成図である。図において、１は昇降路、２は
昇降路１の上部に設けられている機械室、３は機械室２
に設置されている巻上機、４は巻上機３の綱車３ａに巻
き掛けられている複数本の主索、５は主索４の一端部に
吊り下げられているかごであり、各主索４は、ロープ止
め６及びスプリング７を介してかご５の上梁８に取り付
けられている。９は主索４の他端部に吊り下げられてい
る釣合重りである。

【０００３】図８は図７の主索４の上梁８への取付部を
示す構成図、図９は図８のＩＸ−ＩＸ線に沿う矢視断面
図であり、この例では、上梁８に４本の主索４が取り付
けられている。ロープ止め６は、図９に示すように対角
的に配置されている。ロープ６の下端部には、ナット６
ａが螺着されており、このナット６ａを締め付けること
により各主索４のテンション（張力）が設定されてい
る。

【０００４】上記のような従来のエレベーターでは、４
本の主索４のうちの１本のみに伸びが生じると、他の主
索４との関係でテンションにアンバランスが生じること
になり、テンションの調整作業が必要となる。このテン
ション調整作業を行う場合、作業員がかご５上に乗り、
全ての主索４を手で引っ張ってみて、テンションのアン
バランスを手感で確認し、調整すべき主索４を選定す
る。

【０００５】この後、作業し易い位置にかご５を移動
し、釣合重り９側のロープ止め６のナット６ａを締める
（又は緩める）ことにより、スプリング７の圧力をほぼ
均一にして、主索４のテンションを調整する。このよう
な調整を繰り返すことにより、それぞれの主索４のテン
ションを均一にすることが可能となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
１：１ローピングのエレベーターでは、作業員の手感に
より主索４のテンションを調整するので、ばらつきが生
じ易く、また調整作業を行うまでの間はテンションがア
ンバランスな状態のままエレベーターの運転が継続され
ることになるなどの問題点があった。

【０００７】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、主索のテンシ
ョンを自動的に均等に保つことができるエレベーターの
主索取付装置を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係るエ
レベーターの主索取付装置は、一端部が主索に連結され
ているとともに他端部が上梁に対して上下動可能になっ
ている複数のロープ止め、主索を引っ張る方向へ各ロー
プ止めを付勢する複数のスプリング、各ロープ止めに固
定され、それぞれ回転自在の滑車を有している第１の滑
車体、上梁の第１の滑車体間にそれぞれ設けられ、それ
ぞれ回転自在の滑車を有している第２の滑車体、及び両
端部が上梁に取り付けられ、中間部が第１及び第２の滑
車体の滑車に交互に巻き掛けられている張りロープを備
えたものである。

【０００９】請求項２の発明に係るエレベーターの主索
取付装置は、第１の滑車体を挟み金具により着脱可能に
ロープ止めに固定したものである。

【００１０】請求項３の発明に係るエレベーターの主索
取付装置は、張りロープを引っ張る張りスプリングを、
張りロープと上梁との間に設けたものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態１．図１はこの発明の実施の形態１によるエ
レベーターの主索取付装置を示す構成図、図２は図１の
II−II線に沿う矢視断面図であり、図７ないし図９と同
一又は相当部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。

【００１２】図において、１１は上梁８の上方で各ロー
プ止め６に固定されている４個の第１の滑車体であり、
これらの第１の滑車体１１は、断面コ字状の滑車枠１
２、この滑車枠１２に回転自在に設けられた滑車１３、
滑車枠１２との間にロープ止め６を挟持する挟み金具１
４、締付ボルト１５及び止めナット１６をそれぞれ有し
ている。また、図３は図１の第１の滑車体１１を示す平
面図、図４は図３のＩＶ−ＩＶ線に沿う矢視断面図であ
る。

【００１３】１７は上梁８の第１の滑車体１１間にそれ
ぞれ設けられている３個の第２の滑車体であり、これら
の第２の滑車体１７は、上梁８を貫通する支柱１８、支
柱１８の上端部に回転自在に設けられた滑車１９、及び
支柱１８を下方へ付勢するスプリング２０をそれぞれ有
している。２１は両端部が上梁８に取り付けられ、中間
部が第１及び第２の滑車体１１，１７の滑車１３，１９
に交互に巻き掛けられている張りロープ、２２は張りロ
ープ２１と上梁８との間に設けられ、張りロープ２１を
引っ張る張りスプリングである。

【００１４】次に、動作について説明する。例えば図５
に示すように、４本の主索４のうちの１本（図の左から
２番目）のみに伸びが生じたとすると、その主索４にか
かる荷重が小さくなり、その小さくなった分の荷重が他
の３本の主索４に移る。これにより、４個の第１の滑車
体１１はそれぞれ図の矢印方向へ移動する。このとき、
４個の第１の滑車体１１には、張りロープ２１が張られ
ているので、４本の主索４にかかる荷重が均等になった
ところで、第１の滑車体１１の位置がバランスする。

【００１５】このような装置によれば、面倒なテンショ
ンの調整作業を頻繁に行うことなく、主索のテンション
を自動的に均等に保つことができる。また、張りロープ
２１の一端部に、張りスプリング２２を設けたので、張
りロープ２１の弛みが防止される。

【００１６】実施の形態２．なお、上記実施の形態１で
は挟み金具１４により第１の滑車体１１をロープ止め６
に固定したが、例えば図６に示すように、Ｕボルト３１
と止めナット３２により固定してもよい。この場合、挟
み金具１４よりも強固な固定が可能であるとともに、コ
ストを安くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１によるエレベーター
の主索取付装置を示す構成図である。

【図２】 図１のII−II線に沿う矢視断面図である。

【図３】 図１の第１の滑車体を示す平面図である。

【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線に沿う矢視断面図であ
る。

【図５】 図１の主索の１本に伸びが生じた状態を示す
構成図である。

【図６】 この発明の実施の形態２による第１の滑車体
を示す平面図である。

【図７】 従来のエレベーターの一例を模式的に示す構
成図である。

【図８】 図７の主索の上梁への取付部を示す構成図で
ある。

【図９】 図８のＩＸ−ＩＸ線に沿う矢視断面図であ
る。

【符号の説明】

４ 主索、６ ロープ止め、７ スプリング、８ 上
梁、１１ 第１の滑車体、１３，１９ 滑車、１４ 挟
み金具、１７ 第２の滑車体、２１ 張りロープ、２２
張りスプリング。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部が主索に連結されているとともに
   他端部が上梁に対して上下動可能になっている複数のロ
   ープ止め、 上記主索を引っ張る方向へ上記各ロープ止めを付勢する
   複数のスプリング、 上記各ロープ止めに固定され、それぞれ回転自在の滑車
   を有している第１の滑車体、 上記上梁の上記第１の滑車体間にそれぞれ設けられ、そ
   れぞれ回転自在の滑車を有している第２の滑車体、及び
   両端部が上記上梁に取り付けられ、中間部が上記第１及
   び第２の滑車体の滑車に交互に巻き掛けられている張り
   ロープを備えているエレベーターの主索取付装置。
2. 【請求項２】 第１の滑車体は、挟み金具により着脱可
   能にロープ止めに固定されていることを特徴とする請求
   項１記載のエレベーターの主索取付装置。
3. 【請求項３】 張りロープを引っ張る張りスプリング
   が、上記張りロープと上梁との間に設けられていること
   を特徴とする請求項１又は請求項２記載のエレベーター
   の主索取付装置。