JPH09122463A - ポリスルホン系半透膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリスルホン系半透膜及びその製造方法

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JPH09122463A
JPH09122463A JP7308404A JP30840495A JPH09122463A JP H09122463 A JPH09122463 A JP H09122463A JP 7308404 A JP7308404 A JP 7308404A JP 30840495 A JP30840495 A JP 30840495A JP H09122463 A JPH09122463 A JP H09122463A
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semipermeable membrane
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thickness
porous layer
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久雄 蜂須賀
Kenichi Ikeda
健一 池田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平均厚さが5nm〜1000nm の均質スキン層部1
と、均質スキン層1と同一素材からなり前記均質スキン
層より厚い多孔質層2が連続構造を形成しているポリス
ルホン系樹脂系半透膜であって、前記多孔質層の断面は
平均孔径3μm未満のボイド構造によって形成されてい
ることにより、高い透過流束を有し、コスト面で実用的
に満足できる気体分離膜を提供する。 【解決手段】ポリスルホン18重量部に対して、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルを82重量部加え、溶解し
脱泡し調製し、この製膜溶液を25℃の温度雰囲気下でア
プリケータを用い支持体層であるポリエステル不織布上
に、厚さ200μmでキャストして、凝固液として25℃の水
中に5分間、25℃の水中に1時間浸漬し、次に100℃にて
乾燥して均質スキン層部1と多孔質層2からなる半透膜
を得る。この表面に架橋性シリコーン樹脂溶液を塗布し
て保護膜4を形成しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の膜構造を有
するポリスルホン系半透膜及び特定溶媒を用いた湿式の
相転換法にてポリスルホン系半透膜を製造する方法に関
する。さらに詳しくは、たとえば気体分離用膜、とくに
工業上の混合気体から特定の成分例えば水素、メタン、
炭酸ガス、酸素、窒素、水蒸気、酸性ガス等を分離・濃
縮したり、あるいは水処理等に用いられるポリスルホン
系半透膜、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン及びその誘導体等は、安価
でかつ化学的に安定で、機械的強度や耐性面等で種々の
特性に優れた膜分離材料として知られており、種々の分
離膜分野にて検討されている。例えば、特開平3−19
6824号公報、特開平3−72927号公報、特開平
3−154625号公報、特開平1−81823号公
報、特開平1−58324号公報、米国特許第5049
169号明細書、米国特許第5071448号明細書等
が開示されている。
【0003】更に、実用的な機械的強度を分離膜に持た
せることを考慮して、薄膜化や非対称膜化も検討されて
いる。ポリスルホン系樹脂の薄膜化は多孔質支持膜状へ
のコーティング法(例えば、米国特許第5009678
号明細書、米国特許第4941893号明細書等)、非
対称膜化(例えば、米国特許第4880441号明細
書、J.Appl.Polym.Sci.,40,1557(1990),J.Appl.Polym.S
ci.,40,1575(1990),J.Appl.Polym.Sci.,41,713(1990)
等)に開示されている。しかしながら、高性能分離係数
を有する高分子を適当な多孔質支持体膜上に薄膜として
形成させる場合、実用的な程度に気体の透過速度を大き
くするためには、薄膜の厚さを望ましくは0.1μm以
下の膜厚にしなければならなく、工業的に生産するため
には、製造工程も複雑で収率も悪くコスト高となり、工
業的実施に不向きである。また、スパッタエッチング
(特開昭57−140608号公報)や非対称膜化も前
記文献に記載されているが、必要とされる0.1μm以
下の膜厚を工業的にピンホールなしで製膜することは困
難であった。薄膜化技術として米国特許第492940
5号明細書には、水面展開法によりフッ素含有芳香族ポ
リイミド系均質膜の膜厚を必要とされる0.1μm以下
の400オングストローム(40nm)以下の薄膜に制
御することが開示されているが、工業規模での製膜は困
難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の方法では安
価なポリスルホン系樹脂を用いて半透膜を実用的な工業
レベルで製造し、効率的な分離操作を行う場合、前記し
た問題があり、満足できる膜構造、特に気体分離を対象
とした膜構造を得ることが困難であるという問題があっ
た。具体的には、第1に複合膜化の場合は、多孔質支持
体膜上に薄膜を形成させるため、その界面での力学的強
度が十分でなく、多孔質支持体膜の孔を埋めて、気体分
離性を有する無欠陥の薄膜を形成するには膜厚を厚くす
る必要がある。第2に非対称膜の場合は、スキン層と多
孔質層が一体成形されてなり界面での剥離等が無く力学
的強度十分であるが、工業レベルで、気体分離性を有す
る無欠陥、且つ100nm以下のスキン層の形成が困難
であるという問題があった。本発明は、前記従来の問題
を解決するため、高い透過流束を有し、コスト面で実用
的に満足できる気体分離膜を、より簡便な製膜方法で形
成することができるポリスルホン系半透膜及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のポリスルホン系半透膜は、平均厚さが5n
m〜1000nmの均質スキン層部と、前記均質スキン
層と同一素材からなり前記均質スキン層より厚い多孔質
層が連続構造を形成しているポリスルホン樹脂系半透膜
であって、前記多孔質層は、平均孔径が3μm未満のボ
イド構造によって形成されていることを特徴とする。前
記において、平均孔径が3μm未満のボイドによって形
成されている多孔質層は、いわゆるフィンガーボイド構
造(多孔質層に存在する主に厚さ方向に存在する略円筒
状態のボイドを持った従来の膜にみられる構造)ではな
く、微細な空隙構造をいう。
【0006】前記構成においては、ボイド構造が、均質
スキン層部の厚さを(L1)としたとき、(L1×1
0)の膜厚部(L2)の多孔質層部分の少なくとも70
%の開孔部の孔の外接長方形の縦の幅(Ly)と横の幅
の(Lx)が各々10nm≦Lx≦1000nm、又は
10nm≦Ly≦1000nmであることが好ましい。
すなわち、本発明のボイドは、平均孔径が1μm以下、
より好ましくは100nmより小さいレベルの空隙であ
る。
【0007】また前記構成においては、均質スキン層部
の厚さ(L1)の均質スキン層部を、電界放出電子銃を
有する走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて5
0,000倍で観察し、モノクロの256階調での2値
画像として画像化したとき、スキン層部の256階調で
の平均輝度が100以上で、標準偏差50以下であるこ
とが好ましい。前記において、平均輝度が100以上で
標準偏差50以下であることは、スキン層部が均質で、
欠陥部(孔)がないかまたは少なく存在していることを
意味し、好適な半透膜構造であることを意味するもので
ある。
【0008】また前記構成においては、均質スキン層部
の厚さを(L1)としたとき、(L1×10)の膜厚部
(L2)の多孔質層部を電界放出電子銃を有する走査型
電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて50,000倍で
観察し、モノクロの256階調での2値画像として画像
化したとき、画像化部の256階調における平均境界値
(しきい値)以下の条件で画像解析により得られる部分
を孔部分としたとき、その孔部分の占有率が40%以上
であることが好ましい。前記において、孔部分の占有率
が40%以上であると、スキン層部の透過量が大きな場
合でも透過抵抗が低く好適な半透膜構造であることを意
味する。
【0009】また前記構成においては、均質スキン層部
の厚さ(L1)と、(L1×10)の膜厚部の多孔質層
部分(L2)の多孔質層部分を電界放出電子銃を有する
走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて50,00
0倍で観察し、モノクロの256階調での2値画像とし
て画像化したとき、L1部とL2部の256階調での平
均輝度比(=輝度(L1)/輝度(L2))が1.5以
上であることが好ましい。前記において、平均輝度比
(=輝度(L1)/輝度(L2))が1.5以上である
ということは、スキン層部と多孔質層部の構造が明確に
存在し好適な半透膜であることを意味する。
【0010】また前記構成においては、ポリスルホン系
半透膜のスキン層上にエラストマー重合体の保護薄膜が
形成されていることが、ピンホールの発生等を防ぎ膜の
保護のために好ましい。また前記構成においては、エラ
ストマー重合体の保護薄膜が架橋性シリコーン樹脂を架
橋させた膜であると強度や耐久性等から好ましい。
【0011】次に本発明のポリスルホン系半透膜の第1
番目の製造方法は、ポリスルホン系樹脂と、誘電率が3
0以下で双極子モーメントが3.0D以下である有機溶
媒(A)からなる溶液を、チューブ状、又は中空糸状に
押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記
ポリスルホン系樹脂を溶解しないが、前記有機溶媒
(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して膜を形
成するという構成を備えたものである。
【0012】次に本発明のポリスルホン系半透膜の第2
番目の製造方法は、ポリスルホン系樹脂と分子構造単位
中に少なくとも1つのエーテル結合を有する有機溶媒を
主成分とする有機溶媒(C)からなる溶液を、チューブ
状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで
上記ポリスルホン系樹脂を溶解しないが、前記有機溶媒
(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して膜を形
成するという構成を備えたものである。
【0013】前記第1番目の製造方法においては、有機
溶媒(A)の誘電率が10以下で、かつ双極子モーメン
トが3.0D以下であることが好ましい。
【0014】前記第1または2番目の製造方法において
は、有機溶媒(A)または(C)が、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル及びこれらの混合溶媒から選ばれる少なくとも
一つの溶媒を主成分とすることが好ましい。前記第1ま
たは2番目の製造方法においては、溶剤(B)が、水、
アルコール類及びこれらの混合液から選ばれる少なくと
も一つの溶液であることが好ましい。
【0015】前記した本発明のポリスルホン系半透膜の
構成によれば、平均厚さが5nm〜1000nmの均質
スキン層部と、前記均質スキン層と同一素材からなり前
記均質スキン層より厚い多孔質層が連続構造を形成して
いるポリスルホン系樹脂系半透膜であって、前記多孔質
層の断面には3μm未満の平均直径を有するボイド構造
が存在していることにより、高い透過流束を有し、コス
ト面で実用的に満足できる気体分離膜を提供できる。ま
た本発明の第1〜2番目の製造方法によれば、効率良く
合理的に前記本発明のポリスルホン系半透膜を得ること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明方法は、ドープ(キャスト
溶液)作製のために特定の溶媒を用いることにより、湿
式相転換製膜法にて一定値以下の気体分離性を有する均
質な薄膜スキン層と多孔質層が同一素材で一体成形され
てなることで十分な力学的強度を与え、且つ、スキン層
と多孔質層の界面が明瞭で多孔質部の孔径が段階的に大
きくなることなく、透過量が大きな場合でも透過抵抗に
ならない十分な開孔率を有するポリスルホン系半透膜構
造を得るものである。
【0017】本発明の上記半透膜の構造に関しては5n
m〜1000nmの厚さを有する均質スキン層部と均質
スキン層と同一素材から成る多孔質層が連続構造を形成
しており、その断面から見た場合、多孔質層は平均孔径
が3μm未満のボイド構造によって形成されている。更
に、その断面において、図1に示すように均質スキン層
部1の厚さ(L1)に対しL1×10の膜厚部(L2)
の多孔質層部分2の少なくとも70%の開孔部の孔の外
接長方形の縦・横の幅の(Lx×Ly)が各々10nm
≦Lx(又は、Ly)≦1000nmであり、且つ、孔
径が段階的に大きくなることなく存在している。これら
の構造決定には、非常に薄いスキン層部の観察を要する
ために、その観察と構造決定には、走査型電子顕微鏡
(SEM)、特に電界放出(FE)電子銃を有するSE
M(FE−SEM)や原子間力顕微鏡等が好適に用いら
れる。これらの装置を用い明確な構造決定にはその目的
に応じ適観察倍率を選択しなければならない。多孔質層
の3μm以上の径を有するフィンガーボイド構造の確認
には500倍以上の倍率での観察で十分であるが、スキ
ン層部、及び、多孔質部の観察には特にFE−SEMを
用い低加速電圧(好ましくは1〜3KV)にて、20,
000倍以上の倍率で行うことが、正確で明瞭な像を
得、解析する上で好ましい。FE−SEM観察の際の試
料調製に関しては公知の文献に記載の方法に準ずる。
【0018】本発明で得られた半透膜の構造をより明確
に特徴付けるために、FE−SEM像をコンピュータ上
に取込み画像解析を行う方法が好適に用いられる。画像
解析ソフトは市販のソフトを用いれば特に限定しない。
画像解析に際してはコンピュータ上に取込むFE−SE
M像のコントラスト、フォーカス、ハレーション等が像
を数値化する際に大きく影響する。
【0019】コントラスト、フォーカス、ハレーション
等の任意性を無くすためにはSEM像をSEMに装備さ
れている自動化機能を用いることが好適である。FE−
SEM像を画像解析する際、SEM像の倍率は正確で明
瞭な像を得、解析する上で20,000倍以上、好まし
くは50,000倍であることが好適である。得られた
SEM像のコンピュータ上への取込み方は特に限定しな
いが、好ましくは、直接FE−SEMの画面上から、も
しくは、FE−SEM写真をスキャナーを用いて取り込
む。
【0020】得られた像をモノクロの256階調での2
値画像として画像化し、画像処理を行う。本発明で得ら
れた半透膜の構造を数値化するために以下の方法を模式
図(図2)を用い、その一例として示す。 A.スキン層部 半透膜断面をFE−SEMを用いて50、000倍で観
察し、モノクロの256階調での2値画像として画像化
する。FE−SEM画像上でスキン層部1を確認し、画
面上に見られるスキン層部1、好適には500nm〜1
500nmの長さ(W1)部分の任意の最低10箇所の
膜厚を測定し平均値としてL1を決定する。画面上で
(L1×l1)部分を指定し、その部分の輝度のヒスト
グラムを作製し、輝度の平均値、標準偏差を計算する。
スキン層部が明確に存在し、欠陥部が少ない場合、輝度
の標準偏差は小さくなる。好適な半透膜構造の場合、ス
キン層部の256階調での平均輝度が100以上で、標
準偏差50以下であることが好ましい。
【0021】一方、輝度の平均値が100未満で標準偏
差50より大きい場合は、スキン層部が均質でなく、欠
陥部(孔)が多く存在していることを意味し、好適な半
透膜構造であると言えない。 B.多孔質層部 上記の平均均質スキン層部1の厚さ(L1)に対し、L
1×10の膜厚部(L2)の多孔質層断面部分2をFE
−SEMを用いて50,000倍で観察し、モノクロの
256階調での2値画像として画像化する。この画像化
部の256階調に於ける輝度の平均を境界値(しきい
値)として、平均値以上の輝度を有する部分を非開孔部
として画像抽出し、全体に占める抽出部の割合(M1
%)をコンピュータを用い計算する。この部分以外(1
−M1)%を任意の断面における一定範囲の孔部分の占
有率(開孔率)と定義する。開孔率が大きい場合、透過
量が大きな場合でも透過抵抗になり難く、開孔率が40
%以上であることが好ましい。スキン層下の開孔率が4
0%未満であると、スキン層部の透過量が大きな場合に
透過抵抗になり好適な半透膜構造であると言えない。 C.スキン層部と多孔質層部 前記のスキン層部(L1)と多孔質層部(L2)の各々
平均輝度より、その平均輝度比(=輝度(L1)/輝度
(L2))を算出する。平均輝度比が小さくなるにつ
れ、段階的に孔が小さくなってスキン層部が形成されて
いることを意味する。スキン層部と多孔質層部の構造が
明確に存在し好適な半透膜である場合、スキン層部と多
孔質層部の平均輝度比1.5以上であることが好まし
い。
【0022】即ち本発明非対称ポリスルホン系気体分離
膜の製造方法は、ポリスルホン系樹脂と、誘電率が30
以下で双極子モーメントが3.0D以下である有機溶媒
(A)からなる溶液を、或は、分子構造単位中に少なく
とも1つのエーテル結合を有する有機溶媒を主成分とす
る有機溶媒(C)からなる溶液をチューブ状又は、中空
糸状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次い
で上記ポリスルホン系樹脂を溶解しないが、上記有機溶
媒(A)または、有機溶媒(C)と相溶性を有する溶剤
(B)中に浸漬するという構成である。
【0023】本発明に用いられるポリスルホン系樹脂は
下記式(化1)に示すように分子構造内に少なくとも1
つに(−SO2 −)部位を有するものであれば特に限定
されない。
【0024】
【化1】 (ただし、Rは2価の芳香族、脂環族若しくは脂肪族炭
化水素基、またはこれら炭化水素基が2価の有機結合基
で結合された2価の有機基を示す。) 好ましくは下記式(化2)の構造式で示されるポリスル
ホンが用いられる。
【0025】
【化2】 本発明に用いられるポリスルホン系樹脂は単独で用いら
れてもよいが、2種類以上の混合物としても用いられ
る。更には、50モル%以下であればポリイミド、フッ
素含有ポリイミド樹脂などのポリマーとの共重合体、も
しくは混合物であってもよい。
【0026】本発明で用いられる誘電率が30以下で、
双極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)、ま
たは分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)に溶解し
て製膜用ドープを調整する場合のポリイミド溶液濃度は
3〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
また、製膜用ドープを調整する場合に、必要に応じて膨
潤剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。
【0027】本発明で用いられる有機溶媒(A)の誘電
率は30以下で、双極子モーメントは3.0D以下であ
るが、上記誘電率は10以下であることがより好まし
い。本発明で用いられる有機溶媒(A)または(C)
は、極性が小さいため、凝固液として用いる溶剤(B)
と十分混合するが、その親和性が弱い。この性質に基づ
き、有機溶媒(A)または(C)と溶剤(B)が接した
とき、一時的に界面を形成する。従って、湿式相転換製
膜時のスキン層が、この界面を利用し形成されるため、
広範囲の均質スキン層にはピンホールが形成されずに工
業的規模で製膜することができる。
【0028】本発明で用いられる有機溶媒(A)として
は、上記条件を満足していれば特に限定されないが、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(誘電率は5.9
7、双極子モーメントは1.97D)が好ましく、その
他に1,2−ジメトキシエタン(誘電率は5.50、双
極子モーメントは1.79D)等が挙げられる。これら
は単独で用いられる以外に、2種以上の混合溶媒として
も用いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミドの溶
解度やドープの粘度を調整するために30重量%を超え
ない範囲で、誘電率が30を超え、及び/または双極子
モーメントが3.0Dを超える非プロトン系溶媒を加え
てもよい。上記非プロトン系溶媒を加える場合は、使用
する溶媒によって適宜選定されるが、本発明において特
に好ましく用いられる有機溶媒(A)としては、ジエチ
レングリコールジメチルエーテルを60重量%以上10
0重量%以下含む有機溶媒である。例えば67重量%の
ジエチレングリコールジメチルエーテルと33重量%N
−メチルピロリドン(NMP)の混合溶液が例示され
る。
【0029】ドープ用溶媒として従来用いられているN
−メチル−2−ピロリドン(誘電率は320(25
℃)、双極子モーメントは4.00D(30℃))、
N,N−ジメチルアセトアミド(誘電率は37.8(2
5℃)、双極子モーメントは3.72D)、N,N−ジ
メチルホルムアミド(誘電率は36.7(25℃)、双
極子モーメントは3.86D(25℃))、ジメチルス
ルホキシド(誘電率は48.9(20℃)、双極子モー
メントは4.30D)等の非プロトン極性溶媒を用いれ
ば、誘電率は32以上で、双極子モーメントは3.7D
以上であり、凝固液として用いる溶媒、例えば水との親
和性が強いと考えられる。この親和性の強さに起因し
て、両溶媒間で界面は形成されず、湿式相転換製膜時の
スキン層の形成よりも、ドープ用溶媒が凝固液として用
いる溶媒中へ浸出する速度の方が大きいため、広範囲の
均質スキン層にはピンホールが形成される。更に、従来
用いられている上記のような非プロトン極性溶媒であれ
ば、湿式相転換製膜時、製膜用ドープをガス透過性支持
体にキャストまたは紡糸した後、所定の温度で所定時間
放置し溶媒の一部を蒸発させるが、水との親和性が強す
ぎるために空気中の水分を吸収し、表面が白濁してピン
ホール形成を促進する。
【0030】また本発明で用いられる有機溶媒(C)と
しては、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結
合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒であれば特
に限定されないが、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン
等が挙げられる。好ましくはジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、またはこれらの混合溶媒が用いられる。これらは単
独で用いられる以外に、2種以上の混合溶媒としても用
いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミドの溶解度
やドープの粘度を調整するために30重量%を超えない
範囲で、分子構造単位中にエーテル結合を有しない非プ
ロトン系溶媒を加えてもよい。これらの有機溶媒もま
た、有機溶媒(A)と同様の性質を凝固液(B)に対し
て有する。
【0031】上記ドープを用いた湿式相転換製膜法につ
いて以下に説明する。本発明における半透膜の製膜法や
膜形態は特に限定されないが、本発明で用いられる有機
溶媒(A)または(C)のドープを押し出し法、流延法
等で凝固液即ち溶剤(B)中に浸漬させるとチューブ状
(中空糸状を含む)、平膜状等の非対称膜が得られる。
【0032】平膜状の場合はガス透過性支持体上に、ド
ープをキャスティングやディッピング等の方法で塗布
し、凝固液、即ち溶剤(B)中に浸漬し、非対称膜を複
合膜形態で得ることも機械的強度を高める点で好適であ
る。本発明に用いられる適宜の支持体としては平滑な表
面を有する硝子板や次に挙げるガス透過性支持体等が挙
げられる。上記ガス透過性支持体としては、平滑な表面
を有する有機、無機、金属の多孔体、織布、不織布等を
挙げることができる。これらのガス透過性支持体上への
ドープと塗布厚は25〜400μm、好ましくは30〜
200μmである。
【0033】本発明で用いられる有機溶媒(A)を用い
たドープは−80〜80℃好ましくは−20〜40℃の
温度範囲で製膜される。上記有機溶媒(A)を浸漬除去
する際に用いられる凝固液、即ち溶剤(B)としては用
いるフッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有
機溶媒(A)と相溶性を有するものであれば、限定され
ない。たとえば水やメタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類及びこれらの混合液が
用いられ、特に水が好適に用いられる。上記有機溶媒
(A)を浸漬除去する時の凝固液、即ち溶剤(B)の温
度は特に限定されないが、好ましくは0〜50℃の温度
で行われる。
【0034】上記条件により非対称膜を製膜することに
より均質スキン層厚さを約1000nm以下でほぼ一定
で、広範囲にわたり分離性能を大きく低下させるピンホ
ールが存在しない気体分離膜を製造することができる。
【0035】本発明で得られる半透膜は、さらにそのス
キン層表面をエラストマー重合体を用いて塗布すること
が好ましい。エラストマー重合体の薄膜を形成させて積
層することは、上記気体分離膜表面の欠陥を塞ぐと同時
に表面に傷が付くことを防ぐ上で好適である。上記エラ
ストマー重合体としては、柔軟なフィルム形成能を有す
る重合体をいい、具体例としては、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、クロロプレンゴム、ポリ(4−メチル−
ペンテン−1)、ブタジエン−スチレン共重合体、イソ
プレン−イソブチレン共重合体、またはポリイソブチレ
ン等のようなエチレン性単量体又は共役ジエン系単量体
の単独重合体や共重合体、さらに上記単量体成分に加え
て、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸等のような官能基を有する単量体成
分を含有する共重合体、あるいはポリエーテルポリオー
ル、ポリウレタンポリエーテル、ポリウレタンポリエス
テル、又はポリアミドポリエーテル等のような所謂ソフ
トセグメントとハードセグメントを併せ有する共重合体
を挙げることができる。さらに、上記以外にも直鎖長鎖
状の硬化剤によって硬化されるエポキシ樹脂や、エチル
セルロース、ブトキシ樹脂等も、本発明においては前記
エラストマー重合体として用いることができる。本発明
においてエラストマー重合体としては、架橋性シリコー
ン樹脂が特に好ましく用いられる。かかる架橋性シリコ
ーン樹脂は、架橋前は有機溶剤に可溶性であるが、架橋
後には有機溶剤に不溶性の樹脂となるシリコーン樹脂で
あり、例えば、特開昭59−225705号公報に記載
されている方法にしたがって製膜することができる。
【0036】上記のポリスルホン系半透膜を用いたエレ
メント形態は特に限定されず、チューブ状に押し出した
場合は中空糸型エレメントとして、適宜の支持体上に塗
布した場合は、例えばスパイラル型、平膜型、チューブ
ラー型エレメントとしてモジュール化できる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0038】
【実施例1】前記式(化2)で表される繰り返し単位と
するポリスルホン18重量部に対して、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルを82重量部加え、60℃にて
溶解し濾過し、静置して十分に脱泡し調製した。上記製
膜溶液を25℃の温度雰囲気下でアプリケータを用い支
持体層であるポリエステル不織布上に、厚さ200μm
でキャストして、凝固液として25℃の水中に5分間、
25℃の水中に1時間浸漬した。次に100℃にて32
分間乾燥し、測定に用いた。測定は下記の純ガス(CO
2,CH4,N2)を用い、透過側を減圧(10torr以
下)にして行った。測定温度は25℃である。結果を表
1に示す。
【0039】
【表1】 表1から明らかな通り、本実施例のポリスルホン系半透
膜は、透過速度も分離性能も優れたものであった。
【0040】また図5(a)は本発明の実施例1の半透
膜のスキン層部分(L1)を画像解析により2値化(2
56階調)したときの濃度のヒストグラムと解析結果を
示す。図5(b)は本発明の実施例1の半透膜の多孔質
部(L1×10)を画像解析により2値化(256階
調)したときの濃度のヒストグラムと解析結果を示す。
【0041】
【実施例2】実施例1にて得られたポリスルホン半透膜
表面にエラストマー重合体である架橋性シリコーン樹脂
溶液(GE SiliconesのRTV615のヘキ
サン3wt%溶液)を塗布し、110℃で15分間熱処
理することにより、エラストマー重合体の薄膜を形成さ
せ、積層させた。得られた膜はFE−SEM写真の図3
に示す通りで、支持体層であるポリエステル不織布上
(図示せず)に、多孔質層2が形成され、その表面にス
キン層1が形成され、そのうえに保護層4であるエラス
トマー重合体層が形成されていた。実施例1と同様に測
定し、結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 表2から明らかな通り、本実施例のポリスルホン系半透
膜は、透過速度も分離性能も優れたものであった。
【0043】
【実施例3】実施例1で用いたポリスルホン半透膜を不
織布から剥離し、30vol.%エタノール水溶液に浸漬
後、液体窒素中で凍結破断し、その断面をFE−SEM
(HITACHI,S−4000;加速電圧3KV)で
観察した。得られたFE−SEM写真をスキャナー(C
anon,IX−4015)を用いコンピュータ上に取
込み、画像処理ソフトとしてMac SCOPEを用い
て、画像解析を行った。
【0044】その結果、FE−SEM写真を図4
(a)、(b)、画像解析結果を表3に示す。図4
(a)(b)より多孔質層2に3μm以上の径を有する
フィンガーボイド構造は確認されなかった。なお、図4
(a)は500倍のFE−SEM写真であり、また図4
(b)は25,000倍のFE−SEM写真であり、1
はスキン層、2は多孔質層であり、3は写真観察のサン
プルを取り出すために支持体層であるポリエステル不織
布を取り除いた部分である。また、スキン層1の上の黒
い部分は空間である。
【0045】
【比較例1】ポリスルホンをN−メチル−2−ピロリド
ンを用いて溶解した以外は実施例1と同様に製膜し、透
過測定を実施した。CO2 とCH4 の気体分離性能(C
2/CH4 )は<1と分離性能を有していなかった。
また実施例3と同様に分析した結果を表3に併記する。
【0046】
【表3】 さらに図6(a)は本発明の比較例1の半透膜のスキン
層部分(最表層,10nm(L1)を画像解析により2
値化(256階調)したときの濃度のヒストグラムと解
析結果を示す。図6(b)は本発明の実施例1の半透膜
の多孔質部(L1×10)を画像解析により2値化(2
56階調)したときの濃度のヒストグラムと解析結果を
示す。また図7は本発明の比較例1の半透膜の構造を示
す、電界放出(FE)電子銃を有する走査型電子顕微鏡
(SEM)写真である。図7から明らかな通り、スキン
層はなく、直径が3μm以上のフィンガーボイドを有し
ていた。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のポリスルホ
ン系半透膜によれば、平均厚さが5nm〜1000nm
の均質スキン層部と、前記均質スキン層と同一素材から
なり、前記均質スキン層より厚い多孔質層が連続構造を
形成しているポリスルホン樹脂系半透膜であって、前記
多孔質層は、平均孔径が3μm未満のボイド構造によっ
て形成されていることにより、高い透過流束を有し、コ
スト面で実用的に満足できる気体分離膜を実現できる。
また本発明は、より簡便な工業レベル的方法で、気体分
離性を有する無欠陥、且つ、薄膜スキン層を形成するこ
とで、高い透過流束を有し、コスト面で実用的に満足で
きる気体分離膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の均質スキン層部の厚さ(L
1)に対しL1×10の膜厚部(L2)の多孔質層部分
を示す概念断面図。
【図2】本発明の一実施例の半透膜の構造を数値化する
ための測定説明図。
【図3】本発明の実施例2の半透膜の構造を示す、電界
放出(FE)電子銃を有する走査型電子顕微鏡(SE
M)写真。
【図4】本発明の実施例3の半透膜の構造を示す、電界
放出(FE)電子銃を有する走査型電子顕微鏡(SE
M)写真。
【図5】(a)は本発明の実施例1の半透膜のスキン層
部分(L1)を画像解析により2値化(256階調)し
たときの濃度のヒストグラムと解析結果を示す。(b)
は本発明の実施例1の半透膜の多孔質部(L1×10)
を画像解析により2値化(256階調)したときの濃度
のヒストグラムと解析結果を示す。
【図6】(a)は本発明の比較例1の半透膜のスキン層
部分(最表層,10nm(L1)を画像解析により2値
化(256階調)したときの濃度のヒストグラムと解析
結果を示す。(b)は本発明の実施例1の半透膜の多孔
質部(L1×10)を画像解析により2値化(256階
調)したときの濃度のヒストグラムと解析結果を示す。
【図7】本発明の比較例1の半透膜の構造を示す、電界
放出(FE)電子銃を有する走査型電子顕微鏡(SE
M)写真。
【符号の説明】
1 スキン層 2 多孔質層 3 支持体層を取り除いた部分 4 保護層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】追加
【補正内容】
【図7】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均厚さが5nm〜1000nmの均質
    スキン層部と、前記均質スキン層と同一素材からなり前
    記均質スキン層より厚い多孔質層が連続構造を形成して
    いるポリスルホン樹脂系半透膜であって、前記多孔質層
    は、平均孔径が3μm未満のボイド構造によって形成さ
    れていることを特徴とするポリスルホン系半透膜。
  2. 【請求項2】 ボイド構造が、均質スキン層部の厚さを
    (L1)としたとき、(L1×10)の膜厚部(L2)
    の多孔質層部分の少なくとも70%の開孔部の孔の外接
    長方形の縦の幅(Ly)と横の幅の(Lx)が各々10
    nm≦Lx≦1000nm、または10nm≦Ly≦1
    000nmである請求項1に記載のポリスルホン系半透
    膜。
  3. 【請求項3】 均質スキン層部の厚さ(L1)の均質ス
    キン層部を、電界放出電子銃を有する走査型電子顕微鏡
    (FE−SEM)を用いて50,000倍で観察し、モ
    ノクロの256階調での2値画像として画像化したと
    き、スキン層部の256階調での平均輝度が100以上
    で、標準偏差50以下である請求項1に記載のポリスル
    ホン系半透膜。
  4. 【請求項4】 均質スキン層部の厚さを(L1)とした
    とき、(L1×10)の膜厚部(L2)の多孔質層部を
    電界放出電子銃を有する走査型電子顕微鏡(FE−SE
    M)を用いて50,000倍で観察し、モノクロの25
    6階調での2値画像として画像化したとき、画像化部の
    256階調における平均境界値(しきい値)以下の条件
    で画像解析により得られる部分を孔部分としたとき、そ
    の孔部分の占有率が40%以上である請求項1に記載の
    ポリスルホン系半透膜。
  5. 【請求項5】 均質スキン層部の厚さ(L1)と、(L
    1×10)の膜厚部の多孔質層部分(L2)の多孔質層
    部分を電界放出電子銃を有する走査型電子顕微鏡(FE
    −SEM)を用いて50,000倍で観察し、モノクロ
    の256階調での2値画像として画像化したとき、L1
    部とL2部の256階調での平均輝度比(=輝度(L
    1)/輝度(L2))が1.5以上である請求項1に記
    載のポリスルホン系半透膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のポリスルホン系半透
    膜のスキン層上にエラストマー重合体の保護薄膜が形成
    されているポリスルホン系半透膜。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエラストマー重合体の保
    護薄膜が架橋性シリコーン樹脂を架橋させた膜であるポ
    リスルホン系半透膜。
  8. 【請求項8】 平均厚さが5nm〜1000nmの均質
    スキン層部と、前記均質スキン層と同一素材からなり前
    記均質スキン層より厚い多孔質層が連続構造を形成し、
    前記多孔質層は平均孔径が3μm未満のボイド構造によ
    って形成されているポリスルホン系半透膜の製造方法で
    あって、ポリスルホン系樹脂と、誘電率が30以下で双
    極子モーメントが3.0D以下である有機溶媒(A)か
    らなる溶液を、チューブ状、又は中空糸状に押し出すか
    或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記ポリスルホ
    ン系樹脂を溶解しないが、前記有機溶媒(A)と相溶性
    を有する溶剤(B)中に浸漬して前記半透膜を形成する
    ことを特徴とするポリスルホン系半透膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 平均厚さが5nm〜1000nmの均質
    スキン層部と、前記均質スキン層と同一素材からなり前
    記均質スキン層より厚い多孔質層が連続構造を形成し、
    前記多孔質層は平均孔径が3μm未満のボイド構造によ
    って形成されているポリスルホン系半透膜の製造方法で
    あって、ポリスルホン系樹脂と分子構造単位中に少なく
    とも1つのエーテル結合を有する有機溶媒を主成分とす
    る有機溶媒(C)からなる溶液を、チューブ状に押し出
    すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記ポリス
    ルホン系樹脂を溶解しないが、前記有機溶媒(A)と相
    溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して膜を形成すること
    を特徴とするポリスルホン系半透膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 有機溶媒(A)の誘電率が10以下
    で、かつ双極子モーメントが3.0D以下である請求項
    8に記載のポリスルホン系半透膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶媒(A)または(C)が、ジエ
    チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールジエチルエーテル及びこれらの混合溶媒から選ばれ
    る少なくとも一つの溶媒を主成分とする請求項8または
    9に記載のポリスルホン系半透膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 溶剤(B)が、水、アルコール類及び
    これらの混合液から選ばれる少なくとも一つの溶液であ
    る請求項8または9に記載のポリスルホン系半透膜の製
    造方法。
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