JPH09121363A - エイリアシングを防止するための波長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

エイリアシングを防止するための波長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタおよびその製造方法

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JPH09121363A
JPH09121363A JP8203786A JP20378696A JPH09121363A JP H09121363 A JPH09121363 A JP H09121363A JP 8203786 A JP8203786 A JP 8203786A JP 20378696 A JP20378696 A JP 20378696A JP H09121363 A JPH09121363 A JP H09121363A
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filter
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Joseph F Revelli
ジョセフ・エフ・レヴェリ・ジュニア
Alan C G Nutt
アラン・シー・ジー・ナット
Eric T Prince
エリック・ティ・プリンス
John Gasper
ジョン・ガスパー
Sharlene Wilson
シャーレーン・エー・ウィルソン
Todd Jackson
トッド・エー・ジャクソン
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    • G02B5/1866Transmission gratings characterised by their structure, e.g. step profile, contours of substrate or grooves, pitch variations, materials
    • G02B5/1871Transmissive phase gratings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長選択性を有する低域通過光学フィルタ、
すなわち、異なる波長帯域に対して異なるカットオフ空
間周波数を有する低域通過光学フィルタを提供するこ
と。 【解決手段】 固体カラー撮像装置の光学的撮像システ
ムにおいて使用される波長選択性を有する低域通過光学
フィルタであって、透明な基板10と、基板10上にラ
ンダムに配置される複数の透明なスポット11とを有し
て構成されることで、スポット11を通過する波面と基
板10におけるスポット11以外の部分を通過する波面
との間に位相差が発生され、これにより、光線の波長に
基づいて変化するサンプリングカットオフ空間周波数を
有するフィルタが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色分解フィルタを
備えた電子スチールカメラあるいは単一のセンサ部材を
備えたカラービデオカメラ等の撮像装置における画像の
離散的なサンプリングにより生じるエイリアシングを最
小化するために、高い分解能を維持する一方で、選択さ
れた波長帯域に対して高い空間周波数成分を低減あるい
は除去するとともに他の波長帯域に対しては高い空間周
波数成分を通過させる低域通過光学フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】電子
スチールカメラ等の固体撮像装置は、対象物の画像を空
間的にサンプリングして、サンプル化された出力を生成
するために、離散的に配置された”フォトサイト(photo
site)”として知られる感光素子のアレイを有して構成
されている。これらの装置では、画像が離散的にサンプ
リングされるために、再生された画像には、オリジナル
の対象物には存在しない偽の信号が含まれる。この現象
は、エイリアシングあるいはモアレパターンとして知ら
れており、画像の空間周波数成分が、フォトサイトのア
レイのサンプリング空間周波数の半分の周波数、すなわ
ちナイキスト周波数以上である場合に最も生じるもので
ある。エイリアシングを防止するためには、対象物の画
像内のナイキスト周波数を越える空間周波数成分を除去
するために、光学システム内に低域通過光学フィルタを
設ける必要がある。
【0003】多くの電子的カラー撮像装置においては、
個々のフォトサイトに入射される光線が原色フィルタに
よりフィルタリングされることで、現象がより複雑にな
る。通常、3つの波長帯域のそれぞれにおいて対象物の
画像を個別的にサンプリングするために、個々のフォト
サイトを覆うようにして、例えばレッド、グリーン、ブ
ルーの異なるカラーの3つのカラーフィルタが設置され
ている。最近では、レッド、グリーン、およびブルーの
フィルタが用いられる場合には、特に、グリーンの波長
帯域のサンプリング周波数を、レッドあるいはブルーの
波長帯域のサンプリング周波数よりも大きくする必要が
ある。これは、人間の目が、可視スペクトルのなかで、
グリーン領域に対して最も大きな感度を有する事実に基
づくものである。このような設計意図に応じて形成され
たセンサに関しては、通常、レッドあるいはブルーのカ
ラーフィルタに対応するフォトサイトに関するナイキス
ト周波数は、グリーンのカラーフィルタに対応するフォ
トサイトに関するナイキスト周波数よりも小さくなって
いる。結果的に、レッドあるいはブルーのカラーフィル
タに応じたフォトサイトでサンプリングされる画像に対
しては、レッドあるいはブルーのナイキスト周波数以上
の空間周波数成分を選択的に除去するとともに、グリー
ンフィルタに関連するフォトサイトアレイ部分でサンプ
リングされる画像に対しては、レッドあるいはブルーの
ナイキスト周波数と同じ空間周波数成分を通過させるよ
うに設計された低域通過光学フィルタを設けることが望
ましい。フォトサイトに対して、レッド、グリーン、お
よびブルー以外のカラーフィルタを用いての同様な3つ
のカラーによるサンプリング方法に対しても、上記のよ
うな設計は有効である。光学的スペクトルの赤外領域に
おける画像形成も適用対象の1つであり、この場合、レ
ッド、グリーン、およびブルーの代わりに3つの赤外波
長に対してサンプリングされ、表示のためにこれらの波
長が、例えばレッド、グリーン、およびブルーである可
視波長に変換される。
【0004】アメリカ合衆国特許2,959,105号および4,4
80,896号には、カラー選択性を有する低域通過写真フィ
ルタとして用いられる位相型ブラーフィルタ(blur filt
er)が開示されている。通常の鮮鋭な写真レンズと上記
のフィルタを組み合わせることで、可視スペクトルのな
かで、光損失なしに人間の目の感度が最も高いグリーン
領域において、選択的にボカシ効果あるいはソフトフォ
ーカス(soft focus)効果を発生させることができる。こ
のような特徴は、特に肖像写真での適用において効果的
である。
【0005】また、本明細書では、”光学的ノイズフィ
ルタ("optical noise filter",K.Sayanagi, Journal of
Applied Physics (Japan), 26, No.10, 1958, pp 623-
632)”および”カラー肖像写真のための光学的位相ノイ
ズフィルタ("OpticalPhase-Noise Filter for Color Po
rtrait Photography", Y.Okano, Proceedingsof the In
ternational Commission for Optics, 13th Conference
Digest -Sapporo, Japan, 1984, pp 104-105)”と題さ
れた論文が参照される。これらの論文では、図1に示さ
れるように、ランダムに配置され、互いに離間された透
明なスポット11を備えた透明な基板10から形成され
る位相型の低域通過光学フィルタに関して記載されてい
る。この際、それぞれのスポットは、フィルタを通過す
る光線の波長の長さ程度の厚さを有している。図2およ
び図3には、位相型の低域通過光学フィルタの側面図が
示されており、ランダムに配置された透明なスポット
は、透明な基板表面の凸部として形成される場合(図
2)もあれば、透明な基板表面の凹部として形成される
場合(図3)もある。
【0006】対物レンズと画像生成システムの像面との
間に位相型低域通過光学フィルタを配置すると、フィル
タを通過する光線の波面にずれが生じ、図4に示される
ように、レンズとフィルタとを組み合わせたシステムの
変調伝達関数(以下、”MTF”と称す)が、Fci以上
の空間周波数に対して良好なカットオフ(cut-off)を示
す。ここで、図4において、有限アパチャ(finite aper
ture)の影響が無視されていることに留意する必要があ
る。スポットの総面積が、フィルタにおけるスポット以
外の部分の総面積に等しいと仮定すると、与えられた波
長λiに対するカットオフ空間周波数FciにおけるMT
F値Mciは、以下の式から与えられる。
【0007】
【数3】
【0008】ここで、φiは、波長λiにおいて、スッポ
トが存在しない部分を通過した波面部分に対しての、ス
ポットを通過した波面部分の位相差を示す。tは、スポ
ットの物理的厚さ(すなわち、高さあるいは深さ)を示
す。niは、波長λiにおけるスポットの屈折率を示す。
i’は、波長λiにおけるスポットを囲む媒体の屈折率
を示す。そして、iは、R,G,Bを示す。これらは、
それぞれ可視スペクトルのレッド、グリーン、あるいは
ブルー領域における波長に対応する。
【0009】また、数値qiは、式(2’)で定義され
るように、スポットの光学的厚さとスポットを囲む媒体
の光学的厚さとの差を、波長とスポットの物理的厚さと
の積で割った値として与えられる。そして、カットオフ
空間周波数は、式(3)より与えられる。ここで、aは
スポットの平均直径を示し、bはフィルタと像面との間
の距離を示す。
【0010】
【数4】
【0011】対物レンズの焦点距離をfで示し、b=f
の場合には、位相型低域通過光学フィルタを対物レンズ
の入射瞳に置くことも可能である。
【0012】光路差OPDが、グリーン光線の半波長に
等しいか、あるいは半波長の奇数倍に等しくなるように
スポットの厚さが選択される場合、すなわち式(4)が
成立する場合を考察する。
【0013】
【数5】
【0014】ここで、mGは整数を示す。この際、式
(2)により位相シフトφGはπの奇数倍となり、式
(1)によりMcGはゼロとなる。さらに、式(4)が成
立するようにスポットの厚さtが選定される場合には、
レッドおよびブルーの波長帯域に対するカットオフ周波
数におけるそれぞれのMTF値McR,McBは、式(1)
および式(2)により通常ゼロとはならない。別の言い
方をすれば、撮像システムにおける低域通過光学フィル
タの効果により、グリーンのカラーフィルタを通してフ
ィルタリングされた画像の高い周波数成分のコントラス
トはゼロとなり、レッドおよびブルーの画像の高い空間
周波数成分のコントラストはある程度維持される。
【0015】上記の効果は、固体撮像装置で用いられる
スペクトル的選択性を有する低域通過フィルタに対して
要求される機能とは相反するものである。固体撮像装置
のフィルタでは、グリーン波長帯域の高い周波数成分が
通され、レッドおよびブルー波長帯域の高い周波数成分
が削減されることが望まれる。上記の方法に代えて、ア
メリカ合衆国特許3,911,479号、4,009,939号、および最
近の5,280,388号では、波長選択性を有する低域通過フ
ィルタリングを実現するための位相格子の使用に関して
開示されている。この位相格子を用いることで、レッド
およびブルーの波長帯域の高い空間周波数成分が削減さ
れ、グリーンの波長帯域の高い空間周波数成分が通過さ
れる。
【0016】アメリカ合衆国特許3,911,479号では、
(主にグリーン情報を伝達する)輝度信号と(主にレッ
ドおよびブルー情報を伝達する)クロミナンス信号との
間の干渉に起因する、単一電子管のカラーTVカメラに
おけるモアレ効果に関して開示されている。この特許に
おける発明の主な目的は、クロミナンス信号に寄与する
高い空間周波数成分を低減するとともに、輝度信号に寄
与する高い空間周波数成分を通過させる低域通過光学フ
ィルタを提供することである。この低域通過光学フィル
タは、透明な基板上に形成されたランダムな幅、ランダ
ムな間隔あるいはピッチ、および種々の厚さを有する平
行な透明の細長い小片あるいは帯状体を有して構成され
ている。この際、基板に対して標準的に入射して帯状体
を通過する光線のOPDが、特定のグリーン波長λG
整数倍となるように、帯状体の厚さが選定される(すな
わち、OPDG=0λG,NλG,2NλG,・・・,(m
G−1)NλG : ここで、NおよびmGは正の整数を
示す)。この特許に記載される発明は、幾つかの短所を
有している。第1に、偽のモアレパターンを低減するこ
とに関して、帯状体は1方向にのみ有効である。このフ
ィルタは電子ビームが1方向にのみ走査されるTVビデ
ィコンに対しては有効であるが、固体撮像装置に見られ
る2次元のフォトサイトアレイに対しては有効ではな
い。第2の短所は、帯状体に関する複数の厚さに対して
精度が要求されるので、このブラーフィルタの製造が困
難なことである。さらに、この発明は、走査方向(TV
ビディコンの場合)あるいはフォトサイトアレイ(固体
撮像装置の場合)に対して、帯状体を適切に方向付けて
設置する必要があるという短所を有している。
【0017】アメリカ合衆国特許4,009,939号では、画
像の分解能を犠牲にすることなく、輝度信号とクロミナ
ンス信号との間の干渉に起因するモアレ効果を削除ある
いは低減するためにカラーテレビカメラシステムにおい
て使用される波長選択性を有する低域通過光学フィルタ
に関して開示されている。図5に示されるように、この
フィルタは、第1の透明な位相格子21と、第2の透明
な位相格子22と、第1の位相格子および第2の位相格
子を支持する透明な基板20とを有して構成されてい
る。それぞれの位相格子は複数の平行な透明の帯状体あ
るいは薄片から形成され、図5に示されるように、第1
の位相格子の帯状体と第2の位相格子の帯状体とは平行
ではなく、互いに角度αで交わっている。第1の位相格
子における帯状体の厚さt1、および第2の位相格子に
おける帯状体の厚さt2は、独立的に選定される。この
際、第1の位相格子によりレッドスペクトルにおける高
い空間周波数成分が減衰され、第2の位相格子によりブ
ルースペクトルにおける高い空間周波数成分が減衰され
るように、帯状体の厚さが選定される。帯状体の厚さに
起因して発生する第1の位相格子の帯状体の位相遅れφ
1、および第2の位相格子の帯状体の位相遅れφ2によ
り、それぞれの設計波長に対して、上記のような低域通
過光学フィルタを有する光学的撮像システムのMTF値
はゼロあるいはゼロに充分近い値をとる。これにより、
式(5)が成立する際には、McRの絶対値が0.3未満
となり、式(6)が成立する際には、McBの絶対値が
0.3未満となる。
【0018】
【数6】
【0019】ここで、それぞれの位相格子に関して、X
1およびX2は格子間隔を示し、a1およびa2は帯状体の
幅を示す。また、n1およびn2は帯状体の屈折率を示
し、λRおよびλBは、それぞれレッドスペクトル帯域お
よびブルースペクトル帯域に対する設計波長を示す。そ
して、n’は帯状体を囲む媒体の屈折率を示す。別の言
い方をすれば、レッド画像およびブルー画像における高
い空間周波数成分がカットオフされるようにそれぞれの
位相格子に関連するMTF値を設定するために、第1の
位相格子および第2の位相格子の帯状体の厚さが選定さ
れる。この際、グリーン画像における高い空間周波数成
分は、フィルタにより程度の差はあるが影響を受けるこ
とはない。しかし、この特許の発明は、アメリカ合衆国
特許3,911,479号に関して既に記載されたものと同様の
短所を有している。すなわち、この低域通過フィルタで
は、(図5の方向Dで示されるように)像面の特定の方
向に沿ってのみエイリアシング効果が低減される。しか
し、電子的撮像装置では、2次元におけるエイリアシン
グの除去が要求される。さらに、2つの位相格子のそれ
ぞれは、帯状体に関してそれぞれ別個の正確な厚さを有
するように形成される必要があるとともに、互いに位置
決めされる必要があるので、このフィルタは製造するの
が困難である。また、この発明による低域通過フィルタ
のエイリアシングが防止される軸方向(すなわち、図5
の方向D)は、撮像装置の軸方向(すなわち、テレビ電
子管の走査方向あるいは固体撮像装置のフォトサイトの
アレイ方向)に対して適切に位置決めされる必要がある
ので、製造工程に複雑さが付加され、コストが上昇す
る。
【0020】アメリカ合衆国特許5,280,388号では、2
次元のフォトサイトアレイを備えたカラー固体撮像装置
に対するエイリアシングを防止するためのフィルタとし
て特別に設計された波長選択性を有する位相格子型低域
通過光学フィルタに関して開示されている。波長選択性
は、位相格子を形成する透明媒体、および位相格子を囲
む透明媒体の屈折率と屈折率分散とを適切に選定するこ
とで実現される。この際、これらの屈折率は、グリーン
のスペクトル帯域の波長に適合し、レッドおよびブルー
のスペクトル帯域の波長に適合しないように選定され
る。すなわち、以下の式が成立する。
【0021】
【数7】
【0022】ここで、nGおよびnG’は、それぞれグリ
ーン波長λGを中心としたスペクトル帯域における位相
格子の屈折率および位相格子を囲む媒体の屈折率を示
し、vdおよびvd’は、それぞれ位相格子のアッベ数
および位相格子を囲む媒体のアッベ数を示す。そして、
レッドおよびブルー画像に対する光学システムのMTF
値がゼロあるいはおおよそゼロとなり、グリーン画像に
対するMTF値がゼロとならないように、位相格子を形
成する帯状体の厚さが選定される。この特許では、第1
の位相格子に対して垂直方向に配置される第2の位相格
子を導入することで、固体撮像装置で発生するような2
次元のモアレ効果が、削除あるいは低減可能であること
が記載されている。しかし、この低域通過フィルタも、
効果的にモアレを削減するためには、固体撮像装置のフ
ォトサイトアレイの軸を正確に位置決めする必要がある
という短所を有している。さらに、この発明は、低域通
過フィルタを製造するために使用される材料の物理的特
性(すなわち、屈折率および分散)に関して特別な条件
が設定されるという短所を有している。このような物理
的特性の制限は、結果的に、安い製造費用等の他の要求
に相反するものとなる。また、互いに垂直となる個別の
2つの位相格子を形成することは、製造を困難とし、製
造費用が余計にかかることとなる。また、特にフィルタ
が結像レンズと像面との間に配置される場合には、低域
通過光学フィルタの規則的なレクティリニア(rectiline
ar)の格子パターンにより、像面に疑似画像が発生する
可能性がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の1つあ
るいは複数の問題点を解決するために与えられるもので
ある。本発明を簡単に要約すると、本発明の1つの特徴
によれば、固体カラー撮像装置の光学的撮像システムに
おいて使用される波長選択性を有する低域通過光学フィ
ルタは、透明な基板と、基板上にランダムに配置された
複数の透明なスポットとを有して構成されている。この
フィルタを用いれば、スポットを通して伝幡される波面
と、基板のスポット以外の部分を通して伝幡される波面
との間に位相差が発生し、これにより、光線の波長に応
じて変化するサンプリングカットオフ空間周波数を有す
るフィルタが与えられる。この際、位相差は以下の式を
満たす。
【0024】
【数8】
【0025】ここで、φα、φβ、およびφγは、光学
スペクトルの可視領域から赤外領域における特定の波長
に対しての、スポットに起因する位相差を示すものであ
る。そして、それぞれの位相差は以下の式より与えられ
る。
【0026】
【数9】
【0027】ここで、iはα、β、あるいはγを示し、
iはスポットを形成する材料の特定の波長λiにおける
屈折率を示し、ni’はスポットを囲む媒体の特定の波
長λiにおける屈折率を示し、tはスポットの物理的厚
さを示す。
【0028】このように、本発明は、波長選択性を有す
る低域通過光学フィルタ、すなわち、異なる波長帯域に
対して異なるカットオフ空間周波数を有し、また、上記
の問題点を解決する低域通過光学フィルタを提供するこ
とを目的とする。
【0029】本発明によれば、固体カメラの撮像システ
ムに使用されるのに適した安価な低域通過光学フィルタ
を製造することが可能となる。さらに、本発明によるフ
ィルタは、スペクトル的な選択性を有する低域通過フィ
ルタとして機能し、このフィルタを用いることで、βお
よびγに対応する波長帯域において高い空間周波数成分
が減衰され、一方で、αに対応する波長帯域においては
高い空間周波数成分が減衰されることはない。
【0030】本発明は、以下のような利点を有してい
る。本発明の低域通過フィルタは、固体撮像装置の高い
分解能を維持するとともに、特にカラーエイリアシング
を削減するように設計されている。光学的スペクトルの
可視領域を適用対象とする場合には、レッドおよびブル
ーの高い空間周波数成分が減衰され、グリーンの高い空
間周波数成分が伝幡される必要がある。
【0031】上記のフィルタに代えて、アメリカ合衆国
特許2,959,105号および4,480,896号では、写真システム
において使用され、本発明のフィルタと逆に設計された
低域通過フィルタに関して開示されている。すなわち、
この特許におけるフィルタは、グリーンの高い空間周波
数成分を減衰させるとともに、レッドおよびブルーの高
い空間周波数成分を伝幡させるように設計されている。
結果的に、これら2つの先願の発明は、固体撮像装置に
おける使用に適するものではない。
【0032】また、本発明は、アメリカ合衆国特許3,91
1,479号、4,009,939号、および5,280,388号に関連する
問題点を解決するものである。本発明による低域通過フ
ィルタは、ランダムに配置されランダムな直径を有する
複数のスポットから形成されている。これにより、この
フィルタは回転対称となり、電子的撮像装置に対するフ
ィルタの方向に関係なく、2次元においてエイリアシン
グを削除あるいは低減することに効果を発揮する。この
ような機能は、低域通過フィルタリングが、1つの軸方
向に沿ってのみ実行されるか、および/あるいは、電子
的撮像装置のフォトサイトアレイの軸に対するフィルタ
の正確な位置決めに応じて実行される既に述べた先願に
おける機能と対照をなすものである。
【0033】さらに、他の利点は、本発明の低域通過フ
ィルタを容易に製造できることである。ランダムなスポ
ットのパターンは、幾つかの異なる方法で、容易に製造
することが可能である。例えば、スポットパターンをマ
スターの型に形成することが可能であり、この型を用い
て、成形あるいは打ち抜きにより、プラスチックの複製
の低域通過フィルタが製造される。本発明による低域通
過フィルタを製造するための他の方法では、ガラス基板
(例えば、クォーツ)上にフォトレジストが回転塗布さ
れ、ランダムなスポットのパターンに応じて、フォトレ
ジストに対してフォトリソグラフィー的にパターンが形
成される。そして、ガラス基板は酸化物エッチング緩衝
溶液内に移され、これにより、フォトレジスト内のスポ
ットパターンが基板上に転写され、その後フォトレジス
トが除去される。また、他の方法では、PMMAのよう
な透明な有機的ポリマーの薄層が透明な基板上に形成さ
れ、その後二酸化ケイ素のような無機のエッチングスト
ップ(etch-stop)薄層が蒸着される。そして、通常のフ
ォトリソグラフィー的プロセス技術を用いて、スポット
パターンを有するエッチングストップ層のパターン形成
が終了した後に、酸素プラズマイオンエッチング技術を
用いて、エッチングストップ層のパターンがポリマーに
転写される。さらに、この方法では、透明な基板の単一
の表面上にランダムなスポットパターンが形成される。
このような構造は、アメリカ合衆国特許3,911,479号、
4,009,939号、および5,280,388号に記載されたような、
同一の基板の2つの反対方向の表面上に2つの個別の位
相格子が形成される構造、あるいは異なる基板の異なる
2つの表面上に2つの個別の位相格子が形成される構造
と対照をなすものである。さらに、本発明は、先願のア
メリカ合衆国特許5,280,388号の請求の範囲に記載され
たように、固有の光学的特性を備えた材料を必要とする
ものではない。
【0034】アメリカ合衆国特許4,009,939号および5,2
80,388号に記載されたような規則的あるいは周期的な位
相格子を備えた低域通過光学フィルタには、付加的な短
所があることに留意する必要がある。規則的な格子を通
過する光線により発生する干渉の疑似画像である偽のパ
ターンが、像面上に生成されることがある。光線におけ
るブライトポイント(bright point)が結像された際に、
このような疑似画像は特に発生する。本発明の低域通過
フィルタを用いれば、上記のような問題も防止される。
本発明の低域通過フィルタは、ランダムに配置されたラ
ンダムな大きさの複数のスポットを有して構成され、像
面におけるスポットの干渉パターンは、明るい対象物ま
わりのおおよそ一定の強度のハローとなる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の上記の目的および他の目
的は、以下の記載および図面を参照することで、より明
確になるであろう。図面においては、複数の図面で共通
である同一の構成部材に対しては、可能である限り、同
一の参照番号が付されている。
【0036】図1は、位相型低域通過光学フィルタを示
す平面図である。図2および図3は、位相型低域通過光
学フィルタを示す側面図である。図4は、エイリアシン
グ防止用の位相型低域通過光学フィルタを備えた光学シ
ステムに関する空間周波数の関数としての変調伝達関数
(MTF)を示すグラフである。図5は、従来技術によ
る波長選択性を有する低域通過光学フィルタを示す図で
ある。図6は、本発明による波長選択性を有する低域通
過光学フィルタが、カラーフィルタアレイを用いた固体
撮像装置を有する光学システムにおいて使用されている
状態を示す概略図である。図7は、固体撮像装置のフォ
トサイトアレイに対して位置決めされたカラーフィルタ
アレイを示す概略図である。このフォトサイトアレイで
は、グリーンのフィルタに応じたフォトサイトに対する
サンプリング空間周波数が、レッドあるいはブルーのフ
ィルタに応じたフォトサイトに対するサンプリング空間
周波数よりも大きくなっている。
【0037】図8は、Ta25がスポット材料として用
いられた際のレッド光線(λR=0.640ミクロン)、グリ
ーン光線(λG=0.540ミクロン)、およびブルー光線
(λB=0.470ミクロン)に関しての、透明なスポット厚
さの関数としての変調伝達関数におけるベンディング点
(bending point)でのMTF値の変動を示す図である。
図9は、SiO2がスポット材料として用いられた際の
レッド光線(λR=0.640ミクロン)、グリーン光線(λ
G=0.540ミクロン)、およびブルー光線(λB=0.470ミ
クロン)に関しての、透明なスポット厚さの関数として
の変調伝達関数におけるベンディング点でのMTF値の
変動を示す図である。図10は、PMMAがスポット材
料として用いられた際のレッド光線(λR=0.640ミクロ
ン)、グリーン光線(λG=0.540ミクロン)、およびブ
ルー光線(λB=0.470ミクロン)に関しての、透明なス
ポット厚さの関数としての変調伝達関数におけるベンデ
ィング点でのMTF値の変動を示す図である。
【0038】図11は、本発明によるエイリアシング防
止用の波長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタ
を形成するための方法における連続的な製造工程(a−
d)を示す図である。図12は、本発明によるエイリア
シング防止用の波長選択性を有する位相型低域通過光学
フィルタを形成するための別の方法における連続的な製
造工程(a−c)を示す図である。図13は、本発明に
よるエイリアシング防止用の波長選択性を有する位相型
低域通過光学フィルタを形成するためのさらに別の方法
における連続的な製造工程(a−e)を示す図である。
図14は、本発明によるエイリアシング防止用の波長選
択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成するた
めのさらに別の方法における連続的な製造工程(a−
d)を示す図である。図15は、本発明によるエイリア
シング防止用の波長選択性を有する位相型低域通過光学
フィルタを形成するためのさらに別の方法における連続
的な製造工程(a−d)を示す図である。
【0039】図6は、エイリアシング防止用の波長選択
性を有する位相型の低域通過光学フィルタが組み込まれ
た固体撮像装置に対する光学的撮像システムを示す概念
図である。この図において、参照番号30は、結像され
る対象物を示している。また、部材31は、少なくとも
1つのレンズを有して構成されるレンズシステムであ
る。部材32は、本発明によるエイリアシング防止用の
波長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタであ
る。部材33は、固体撮像装置を構成する2次元の感光
性のフォトサイトアレイ35に対して位置決めして配置
された2次元のカラーフィルタアレイである。部材36
は、光軸である。部材34は、固体撮像装置の対象物に
向く面に一致する光学システムの像面である。そして、
bは、エイリアシング防止用の波長選択性を有する位相
型低域通過光学フィルタ32から像面34への距離を示
す。図6に示されるように、エイリアシング防止用の波
長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタ32を対
象物30と像面34との間に配置することで、波長に応
じて異なる光学的低域通過効果が得られる。しかし、低
域通過光学フィルタの位置は、図6に示される位置に限
定されるものではない。低域通過光学フィルタは、対象
物30とレンズシステム31との間に配置される場合も
あれば、レンズシステム31内のレンズ間に配置される
場合もあれば、レンズシステム31内の1つのレンズの
表面上に成膜により形成される場合もあれば、レンズの
表面上に成形により一体形成される場合もある。
【0040】カラーの固体撮像装置を構成する1つの方
法では、原色フィルタの2次元モザイクが形成され、こ
の2次元のカラーフィルタアレイ(CFA)33が、固
体撮像装置35を構成する感光性のフォトサイト素子の
2次元アレイに対して、近接し、かつ位置決めして設置
される。この際、図7に示されるように、個々の感光性
フォトサイト素子に受容される光線がCFAにおける1
つのカラーフィルタのみを通過するように、カラーフィ
ルタアレイ33が設置される。光学スペクトルの可視光
線領域においては、人間の目の感度はグリーンの波長帯
域において最も高くなるので、2次元のカラーフィルタ
アレイには、レッドフィルタあるいはブルーフィルタよ
りもより高い密度で多くのグリーンフィルタが含まれる
のが好適である。そして、このような構造が、図7に概
略的に示されている。
【0041】既に記載したように、画像における空間周
波数成分が固体撮像装置のフォトサイトアレイのナイキ
スト周波数以上である場合に、エイリアシング効果が発
生する。レッドフィルタ素子あるいはブルーフィルタ素
子よりも高い密度で配置されるグリーンフィルタ素子を
備えたCFAを有するカラー固体撮像装置においては、
グリーンフィルタに応じるフォトサイトは、レッドフィ
ルタあるいはブルーフィルタに応じるフォトサイトより
も大きなナイキスト周波数を有している。すなわち、式
(11)が成立する。
【0042】
【数10】
【0043】ここで、FNiはナイキスト周波数を示し、
iは同じカラーフィルタに対応するフォトサイト間の
間隔を示す(すなわち、iはR、G、あるいはBを示
し、それぞれは、レッドフィルタ、グリーンフィルタ、
あるいはブルーフィルタに対応する)。結果的に、FNR
とFNGとの間、あるいはFNBとFNGとの間のグリーン画
像における空間周波数成分に影響を与えることなく、レ
ッド画像およびブルー画像のそれぞれFNRおよびFNB
上の空間周波数成分がカットオフされるように、波長選
択性を有する低域通過光学フィルタが設計されることが
望ましい。この設計目的を達成するためには、適正な幾
何的スポット厚さt、および適正な平均スポット直径a
を選択する必要がある。
【0044】適正なスポット厚さの決定 既に参照されたSayanagi氏およびOkano氏による引用文
献によれば、図1に示されるような、透明な基板10
と、基板10上にランダムに配置されランダムな直径を
有する複数の透明なスポット11とを有して構成される
低域通過光学フィルタを備えた光学的撮像システムのM
TFは、与えられた波長λiに対して、空間周波数Fci
において明確なベンディング点あるいはカットオフを示
す。図4に示されるように、カットオフ空間周波数にお
けるMTF値はMciとなる。グリーン画像における分解
能に影響を与えることなく、レッド画像およびブルー画
像に関してナイキスト周波数以上の空間周波数成分をフ
ィルタリングするためには、McGを1として、McRおよ
びMcBを可能な限りゼロに近づける必要がある。式
(1)によれば、上記の条件が整うためには、以下の式
が成立する必要がある。
【0045】
【数11】
【0046】ここで、miは3つの整数を示し、qiは式
(2’)で定義される。通常、式(13)、(14)、
および(15)を同時に満たす整数miの組を見出すこ
とは不可能であるという事実を考慮して、式(14)お
よび(15)においては、”おおよそ等しい”ことを示
すサインが用いられている。また、3つの整数すべてが
等しい場合、すなわちmR=mG=mB=mの場合には、
式(13)、(14)、および(15)は以下のように
なる。
【0047】
【数12】
【0048】式(13’)と(14’)とを同時に解法
することで式(16)が得られ、式(13’)と(1
5’)とを同時に解法することで式(17)が得られ
る。
【0049】
【数13】
【0050】ここで、m1およびm2はともにゼロより大
きい整数であり、Int{}は関数の引数を最も近い整
数に丸める関数として定義されている。通常、式(1
6)および(17)により、整数mに対して2つの異な
る値が与えられる。そして、式(13’)に整数値m1
あるいはm2のいずれかを代入することで、スポット厚
さtに対する数値が与えられ、この厚さtにより、式
(1)に基づいて、McGが1に等しくなる。また、整数
値m1あるいはm2のいずれが選択されたかにかかわら
ず、通常、McRおよびMcBは正確にゼロにはならない。
式(1)に関連して以下の条件が維持される場合に、レ
ッド画像およびブルー画像における高い空間周波数成分
は充分に削減されると考察される。
【0051】
【数14】
【0052】McG=1、および式(18)および(1
9)の条件を式(1)に代入すると、それぞれ以下の等
価な条件式が得られる。
【0053】
【数15】
【0054】ここで、φG、φR、およびφBは、可視ス
ペクトルのそれぞれグリーン領域、レッド領域、および
ブルー領域内の特定波長において、それぞれ式(2)よ
り与えられるスポットに起因する位相差を示すものであ
る。McBはMcRよりも厚さおよび波長の変動に対して高
い感度を有するので、整数値m1が整数値m2よりも大き
くなるように選択を行うのが、通常は好適である。
【0055】適正な平均スポット直径の決定 式(3)には、望ましい平均カットオフ空間周波数と平
均スポット直径との間の関係が示されている。既に述べ
たように、レッド画像およびブルー画像において、ナイ
キスト周波数以上の空間周波数成分が削減されるよう
に、カットオフ空間周波数が選択されるのが好適であ
る。平均スポット直径に関して式(3)を解法すること
で、以下の式が得られる。
【0056】
【数16】
【0057】ここで、特定の波長λiにおける望ましい
カットオフ空間周波数Fciが、特定の波長λiにおける
ナイキスト周波数FNiに置き換えられている。
【0058】光学スペクトルの可視領域で動作する多く
の固体カラー撮像装置においては、レッドフィルタに対
応するフォトサイトの間隔TRは、ブルーフィルタに対
応するフォトサイトの間隔TBと同一となっている。式
(12)によれば、これは、レッドフォトサイトのナイ
キスト周波数がブルーフォトサイトのナイキスト周波数
に等しいことを意味する。すなわち、FNR=FNBとな
る。このような条件の下では、式(23)より、望まし
い平均スポット直径は、特定の波長λiに直接的に比例
することが分かる。特定の波長が小さいほど、平均スポ
ット直径は小さくなる。また、式(3)によれば、スポ
ット直径が小さいほど、低いカットオフ空間周波数が得
られる。レッド画像およびブルー画像の両方において望
ましくない空間周波数成分を削減することを保証するた
めに、可能な範囲において最も低いカットオフ空間周波
数が選定されるのが通常は望ましいことから、最小の波
長である λBに等しいλiを基にした式(23)から決
定される平均スポット直径を選択するのが好適である。
そして、式(12)を式(23)に代入することで、式
(24)が得られる。この際、FNR=FNB、すなわちT
R=TBが仮定されている。
【0059】
【数17】
【0060】この実施の形態では、透明なスポットが円
形形状を有することが仮定されているが、スポットはラ
ンダムに方向付けられるので、スポット形状に制限を設
ける必要がないことが、当業者には明らかであろう。ま
た、レンズシステムと像面との間の任意の位置に、本発
明によるブラーフィルタを設置可能であることが明らか
であろう。さらに、低域通過光学フィルタは、撮像の対
象物とレンズシステムとの間、レンズシステムの入射瞳
内、あるいはレンズシステム内のレンズ間に設置するこ
とが可能である。上記のような場合には、式(24)に
示される距離bは、レンズシステムの焦点距離fに等し
くとられる。
【0061】実施の形態 波長選択性を有する低域通過光学フィルタの上記の設計
プロセスを例示するために、透明なスポットに対して、
3つの異なる材料を考察する。表I、表II、および表III
には、それぞれTa25、SiO2、およびポリメタク
リル酸メチル(PMMA)に関して、選定された波長λ
R=0.640ミクロン、λG=0.540ミクロン、およびλB
0.470ミクロンに対する屈折率および(式(2’)で定
義される)qi値が示されている。これらの表では、
R’=nG’=nB’=1.0が仮定されている。
【0062】
【表1】
【0063】表IからTa25に対するqi値を取り出
し、これを式(16)および(17)に代入すると、そ
れぞれx1=2.74およびx2=2.80が導かれ、m1=m2
3となる。このm値を式(13’)に代入することで、
透明なスポットの厚さとして、t=1.4213ミクロンが与
えられる。そして、式(2)からcosφR=-0.976、
cosφG=1.000、およびcosφB=-0.956が得ら
れ、これに応じて、式(1)からMcR=0.012、McG
1.000、およびMcB=0.022が得られる。これにより、式
(18)から式(22)において与えられた条件が満た
される。図8には、式(1)に基づいて、フィルタ厚さ
tの関数としてのMTF値McR、McG、およびMcBを表
すグラフが示されている。tがおおよそ1.42ミクロンで
ある際には、 McGがピーク値である1をとり、レッド
フォトサイトおよびブルーフォトサイトに関する曲線は
ゼロ近傍の値をとる。また、Ta25が透明なスポット
材料として使用される場合には、フィルタ厚さの変化に
応じてMTF値が急激に変化する。これは、(表Iに示
されるように、)Ta25の屈折率が比較的大きな値を
とることに起因する。
【0064】SiO2に関しては、式(16)および
(17)、および表IIから、x1=3.15、x2=3.08が得
られ、これから、m1=m2=3が導かれる。そして、式
(13’)から、このm値に応じてt=3.520ミクロン
が導かれ、式(2)から、cosφR=-0.997、cos
φG=1.000、およびcosφB=-0.988が得られる。そ
して、式(1)に基づいて、これらの値は、それぞれM
cR=0.0015、McG=1.000、およびMcB=0.006に対応
し、式(18)から式(22)で与えられた条件が満た
される。ここで、レッドフォトサイトおよびブルーフォ
トサイトに関して、カットオフにおけるMTF値が、T
25に対して得られた値と比較して、よりゼロに近づ
いていることに留意する必要がある。図9には、式
(1)に基づいて、フィルタ厚さtの関数としてのMT
F値McR、McG、およびMcBを表すグラフが示されてい
る。SiO2が用いられる場合には、tがおおよそ3.52
ミクロンの値をとる際に、McGがピーク値1をとるとと
もに、レッドフォトサイトおよびブルーフォトサイトに
関する曲線がゼロ近傍の値をとる。図9に示されるよう
に、図8で与えられたTa25に対するグラフと比較す
ると、透明なスポット厚さtの変化に応じたMTF値の
変化はより緩やかとなっている。この特徴は、SiO2
の屈折率がTa25の屈折率よりもかなり小さいことに
起因するものである。この結果として、透明なスポット
の材料としてSiO2が選定される場合には、製造公差
がかなり緩和されるので、SiO2はこの点でより好ま
しい材料となる。また、図9に示されるように、t=3.
52ミクロン近傍におけるMcRに対する谷の幅は、McB
対する谷の幅よりも大きくなっている。この特徴は一般
的に存在するものであり、すなわち、選択された特定の
材料パラメータには影響されないものである。そして、
スポット厚さの変化に対するMTF値の感度におけるブ
ルーフォトサイトとレッドフォトサイトとの間の相対的
差異が、式(13’)でのスポット厚さの算出におい
て、m2よりm1が大きくなるように選択したことの主要
な理由となっている。
【0065】PMMAに対しては、式(16)および
(17)、および表IIIから、x1=3.105、x2=3.06
0、およびm1=m2=3が得られる。これらの値は、S
iO2に対して得られた値と同等のものであり、これ
は、PMMAとSiO2の屈折率が同様の値をとること
に起因する。さらに、PMMAに対するスポット厚さと
して与えられる数値t=3.279ミクロンも、SiO2に対
して得られた値と同等のものである。同様に、cosφ
R=-0.998、cosφG=1.000、およびcosφB=-0.9
94、そして、McR=0.0009、McG=1.000、およびMcB
=0.0028も、SiO2に対して得られた値と同等のもの
となる。図10には、式(1)に基づいて、PMMAに
対するフィルタ厚さtの関数としてのMTF値McR、M
cG、およびMcBを表すグラフが示されている。SiO2
が用いられる場合と同様に、tがおおよそ3.28ミクロン
の値をとる際に、McGがピーク値1をとるとともに、レ
ッドフォトサイトおよびブルーフォトサイトに関する曲
線がゼロ近傍の値をとる。また、PMMAに対する製造
公差も、SiO2と同等の値をとることが予想される。
【0066】固体撮像装置が、T=9ミクロンのピッチ
のフォトサイトアレイを有し、また、レッドフィルタに
応じるフォトサイト間の間隔が、ブルーフィルタに応じ
るフォトサイト間の間隔に等しく、アレイのフォトサイ
トピッチの2倍となる場合、すなわち、TR=TB=2T
であると仮定すると、レッドあるいはブルーに対するナ
イキスト周波数は、式(12)から、FNR=FNB=0.02
78μm-1となる。この値を式(23)に代入すると、b
=18ミリメータ、λB=0.470ミクロンに対して、平均
スポット直径としてa=0.235ミリメータ=235ミクロン
が与えられる。この値aは、透明なスポットを製造する
ためにどの材料が使用されるかには無関係となってい
る。
【0067】波長選択性を有する低域通過光学フィルタ
の製造 エイリアシング防止用の波長選択性を有する位相型低域
通過光学フィルタを製造するための1つの方法では、図
11に示されるような適切な金型が用いられる。この金
型の形成に関しては、第1に、フォトレジストあるいは
光によるパターン形成が可能な他の適切な材料を用いて
メタルブランク40の表面をコーティングし、そして、
(図11(a)に示されるように、)ランダムに配置さ
れる透明なスポット以外の領域に対応するパターンを有
するフォトレジストによるエッチングマスク41を形成
するために、フォトレジストを露光する。次に、メタル
ブランクの表面に対してイオンミリング工程が実施さ
れ、この際、金属表面上へミリングされるランダムに配
置される透明なスポットのパターンに対して、フォトレ
ジストによるエッチングマスク41が逆パターンを構成
する。結果として得られる表面のレリーフの深さは、ラ
ンダムに配置される透明なスポットの厚さ、あるいは適
用できる場合にはこの厚さにツーリング係数(tooling f
actor)を加えた値に等しくなるように設定される。(図
11(b)に示されるように、)残留するフォトレジス
トが除去された後に、必要である場合には、金型42を
適切な解除薬品(release agent)43でコーティングす
る。そして、この金型を用いて、(図11(c)に示さ
れるように、)熱により軟化するポリマーあるいは未硬
化のエポキシ樹脂のような透明な有機材料44にパター
ンを型打ちあるいは成形することで、ランダムに配置さ
れる透明なスポットのパターンが複製される。ランダム
に配置される透明なスポットを形成するために使用され
る有機材料としては、ポリアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリエーテル、ポリアミド、あるいはポリスルホン
が上げられる。(図11(d)に示されるように、)平
坦な透明のガラス基板45の上部に設けられた薄い有機
層に透明なスポットのパターンを形成するために成形工
程が用いられる場合もあれば、あるいはこれに代えて、
平坦な1つの表面と反対側の表面に形成されたランダム
なスポットパターンとを有する(図9には図示されな
い)モノリシック部材を形成するために、成形工程が用
いられる場合もある。
【0068】波長選択性を有する位相型低域通過光学フ
ィルタを製造するための他の方法では、図12に示され
るように、エッチングにより、クォーツの板体にパター
ンが形成される。第1の工程では、(図12(a)に示
されるように、)クォーツウエハ50がフォトレジスト
によりコーティングされ、ランダムに配置される透明な
スポットに応じたパターンを有するエッチングマスク5
1を形成するために、フォトレジストにパターン形成が
実施される。そして、(図12(b)に示されるよう
に、)酸化物エッチング緩衝溶液からなるエッチング溶
液53内にクォーツウエハが入れられる。この際、エッ
チングされるクォーツの深さが、ランダムに配置される
透明なスポットの厚さに対応するように、エッチングの
継続時間が設定される。そして、図12(c)に示され
るように、フォトレジストが除去されると、エイリアシ
ング防止用の波長選択性を有する位相型低域通過光学フ
ィルタ52が完成される。
【0069】さらに、エイリアシング防止用の波長選択
性を有する位相型低域通過光学フィルタを製造するため
の他の方法が、図13に示されている。この技術では、
まず、ランダムに配置される透明なスポットの厚さと等
しい厚さを有する透明な有機ポリマー材料61の層で、
透明なガラス基板60をコーティングする。層61を形
成するのに使用される有機材料としては、ポリアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリカーボネイ
ト、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リイミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、
あるいはポリスルホンが上げられる。そして、透明な有
機ポリマー層61上に薄い無機のエッチングストップ(e
tch-stop)層62がコーティングされ、図13(a)に
示される構造が形成される。無機のエッチングストップ
材料としては、二酸化珪素、窒化珪素、シリコン、ゲル
マニウム、チタン、あるいは有機金属化合物ガラスが使
用される。次に、薄い無機のエッチングストップ層62
上にフォトレジストの薄層が回転塗布され、図13
(b)に示されるように、ランダムに配置される透明な
スポットに応じたフォトレジストマスク63を形成する
ために、回転塗布されたフォトレジスト層にパターン形
成が行われる。そして、ウェットエッチングあるいはド
ライエッチング技術を用いて、フォトレジストマスクの
パターンが薄い無機のエッチングストップ層に転写さ
れ、図13(c)に示されるように、エッチングストッ
プマスク64が形成される。そして、次の工程では、異
方性の酸素プラズマドライエッチングプロセスが実施さ
れ、これにより、図13(d)に示されるように、ラン
ダムなスポットのパターンが透明な有機ポリマー層61
に転写される。そして、ウェットエッチングあるいはド
ライエッチング技術を用いて、薄いエッチングストップ
層が除去され、図13(e)に示されるように、波長選
択性を有する低域通過光学フィルタ65が形成される。
【0070】さらに、エイリアシング防止用の波長選択
性を有する位相型低域通過光学フィルタを製造するため
の他の方法が、図14に示されている。この方法は、図
13を用いて記載された方法と類似のものである。これ
ら2つの方法における主な相違点は、図13に示される
方法では透明なスポットを形成するために有機フィルム
が使用されているのに対して、図14に示される方法で
は透明なスポットを形成するために無機材料が使用され
ている点である。図14(a)に示されるように、透明
なガラス基板70が第1の薄い反応性イオンエッチング
(RIE(reac-tive ion etch))エッチングストップ層
71によりコーティングされている。この薄いRIEエ
ッチングストップ層は、通常無機ガラスを腐食する(例
えば、フレオンエッチングのような)RIEプロセスに
耐久性を有するとともに、このエッチングストップ層が
マスクする層に対して影響を与えることなく除去可能で
あるという特性を有している。好適なRIEエッチング
ストップ材料の例としては、インジウム酸化錫(IT
O)、SnO2、In23、あるいはAl23が上げら
れ、このRIEエッチングストップ材料は、CH4(メ
タン)を用いることで、下部のガラスに影響を与えるこ
となく除去される。層72は、透明な無機ガラスの厚い
層であり、ランダムに配置される透明なスポットは、最
終的にこの層に形成される。この無機ガラスは、化学蒸
着法(CVD)で形成された二酸化珪素、ガラス上に回
転塗布された二酸化珪素、あるいは成膜により形成され
た透明なガラスあるいは無機材料から形成される。ま
た、層73は第2の薄いRIEエッチングストップ層で
あり、層74はランダムな透明のスポットのパターンに
応じて既にパターンが形成されているフォトレジスト層
である。図14(b)に示されるように、腐食液として
メタンを用いることで、フォトレジストのパターンが第
2の薄いRIEエッチングストップ層に転写され、第2
の薄いRIEエッチングストップマスク75が形成され
る。次に、図14(c)に示されるように、異方性のフ
レオンRIEエッチングを用いることで、第2の薄いR
IEエッチングストップマスクのパターンが透明なガラ
ス層に転写され、ランダムな透明のスポット76が形成
される。図14(d)には、残留するレジストおよび第
2の薄いRIEエッチングストップマスクが除去された
後の完成されたデバイスが示されている。この際、第1
の薄いRIEエッチングストップ層が存在することで、
フレオンRIEエッチングによるガラス基板のエッチン
グが防止され、これにより、ランダムな透明のスポット
の厚さを正確に制御することが容易となる。ここで、留
意しなければならないのが、メタンエッチングを用いる
ことで、第2の薄いRIEエッチングストップマスク7
5が除去されるだけではなく、同時に、第1の薄いRI
Eエッチングストップ層においてランダムな透明のスポ
ットにより保護されていない部分もエッチングされるこ
とである。この結果、それぞれの透明なスポットの下部
において、第1の薄いRIEエッチングストップマスク
77が形成される。この際、ランダムな透明のスポット
76と第1の薄いエッチングストップマスク77とを組
み合わせた全体的な光学的厚さが、スポットの望ましい
光学的厚さに等しくなる必要がある。しかし、この方法
に代えて、透明なスポットの上部および下部に、それぞ
れ第2の薄いRIEエッチングストップマスク75およ
び第1の薄いRIEエッチングストップ層71を残し
て、フィルタの一部分として含むことが可能である。こ
の場合、最終的なメタンエッチングを必要としない。
【0071】さらに、エイリアシング防止用の波長選択
性を有する位相型低域通過光学フィルタを製造するため
の他の方法が、図15に示されている。この方法では、
ランダムに配置される透明なスポットを形成するため
に、いわゆる”イオン交換”あるいは”イオン拡散”プ
ロセスが用いられる。このプロセスでは、1種類あるい
は複数種類のイオンを含むガラス基板が、1種類あるい
は複数種類の異なるイオンを含む溶液中に入れられる。
この際、溶液に直接的に接するガラスの表面領域のすぐ
近傍に位置する部分に含まれるイオンが、溶液中のイオ
ンと交換される。これにより、イオン交換が行われた部
分において、ガラス基板の屈折率が変更される。このよ
うなガラスの例としては、ナトリウムイオンを含むショ
ットBK−7(Schott BK-7)ガラスが上げられる。この
際、ナトリウムイオンは、溶解したKNO3溶液あるい
はAgNO3溶液内の、それぞれカリウムイオンあるい
は銀イオンと交換され、このようなイオン交換がなされ
た領域は、マスクされた領域あるいは表面から充分に離
れた領域のガラスの屈折率と異なる屈折率を示す。図1
5(a)に示されるように、適切な透明のガラス基板8
0の表面上に、アルミニウム金属あるいは酸化アルミニ
ウム等からなる薄いイオン交換マスキング層81が形成
される。そして、薄いマスキング層上に薄いフォトレジ
スト層を回転塗布して、ランダムに配置される透明なス
ポットに応じてフォトレジストにパターン形成を実施す
ることで、フォトレジストマスク82が形成される。そ
して、標準的なウェットエッチング技術を用いること
で、フォトレジストのパターンが薄いマスキング層に転
写され、図15(b)に示されるように、イオン交換マ
スク83が形成される。そして、フォトレジストマスク
が除去された後、(図15(c)に示されるように、)
ガラス基板が溶融塩溶液85内に入れられる。そして、
溶融塩溶液がガラス基板の露出表面と直接的に接する領
域86において、イオン交換が行われる。数分から数時
間まで間の適切な時間の後、ガラス基板が溶液中から取
り出され、そして、イオン交換マスクが除去されると、
図15(d)に示されるように、波長選択性を有する低
域通過光学フィルタ87が形成される。イオン交換が実
施された領域86は、ガラスの本体領域84とは異なる
屈折率を有する。そして、このイオン交換が実施された
領域86が、ランダムに配置される透明なスポットを形
成する。
【0072】エイリアシング防止用の位相型低域通過光
学フィルタを構成するランダムに配置される透明なスポ
ットは、結像レンズシステムの1つの光学部材あるいは
光学的結像システムの他の光学部材の一方の表面上に直
接的に形成することが可能である。本発明のこのような
代替的な実施の形態は、図11、図12、図13、およ
び図14を参照して既に説明した方法を用いて実施可能
である。この際、それぞれの方法を用いた場合におい
て、透明な基板が、結像レンズ部材あるいは光学的結像
システムの他の光学部材に置き換えられる。上記の図に
関連して既に述べたように、成形プロセス、ウェットエ
ッチングプロセス、あるいは透明材料による成膜とこれ
に続く適切なマスクを用いての透明材料に対する異方性
の反応性イオンエッチングとを含むプロセスにより、ラ
ンダムに配置される透明なスポットが形成される。同様
にして、ランダムに配置される透明なスポットのパター
ンは、図15に示される方法と同様の方法により、結像
レンズシステムの光学部材あるいは光学的結像システム
の他の光学部材の一方の表面上に形成される。この際、
透明な基板が光学部材に置き換えられる。この場合、適
切なマスクを用いてのイオン拡散により、ランダムに配
置される透明なスポットに応じて、光学部材の表面の屈
折率が変更される。
【0073】特定の好適な実施の形態を特に参照して本
発明が詳細に説明されたが、本発明の範囲内において種
々の変形および修正が可能であることが解されるであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 位相型低域通過光学フィルタを示す平面図で
ある。
【図2】 位相型低域通過光学フィルタを示す側面図で
ある。
【図3】 位相型低域通過光学フィルタを示す側面図で
ある。
【図4】 エイリアシング防止用位相型低域通過光学フ
ィルタを備えた光学システムに関する空間周波数の関数
としての変調伝達関数(MTF)を示すグラフである。
【図5】 従来技術による波長選択性を有する低域通過
光学フィルタを示す図である。
【図6】 本発明による波長選択性を有する低域通過光
学フィルタが、カラーフィルタアレイを用いた固体撮像
装置を有する光学システムにおいて使用されている状態
を示す概略図である。
【図7】 固体撮像装置のフォトサイトアレイに対して
位置決めされたカラーフィルタアレイを示す概略図であ
る。
【図8】 Ta25がスポット材料として用いられた際
の透明なスポットの厚さの関数としての変調伝達関数に
おけるベンディング点でのMTF値の変動を示すグラフ
である。
【図9】 SiO2がスポット材料として用いられた際
の透明なスポットの厚さの関数としての変調伝達関数に
おけるベンディング点でのMTF値の変動を示すグラフ
である。
【図10】 PMMAがスポット材料として用いられた
際の透明なスポットの厚さの関数としての変調伝達関数
におけるベンディング点でのMTF値の変動を示すグラ
フである。
【図11】 本発明によるエイリアシング防止用の波長
選択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成する
ための方法における連続的な製造工程を示す図である。
【図12】 本発明によるエイリアシング防止用の波長
選択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成する
ための別の方法における連続的な製造工程を示す図であ
る。
【図13】 本発明によるエイリアシング防止用の波長
選択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成する
ためのさらに別の方法における連続的な製造工程を示す
図である。
【図14】 本発明によるエイリアシング防止用の波長
選択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成する
ためのさらに別の方法における連続的な製造工程を示す
図である。
【図15】 本発明によるエイリアシング防止用の波長
選択性を有する位相型低域通過光学フィルタを形成する
ためのさらに別の方法における連続的な製造工程を示す
図である。
【符号の説明】
10 基板 11 スポット 42 金型(型) 44 有機材料(有機ポリマーからなる複製) 60 ガラス基板(ガラスウエハ) 61 有機ポリマー層 62 エッチングストップ層 63 フォトレジストマスク(フォトレジスト層) 64 エッチングストップマスク 65 低域通過光学フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 エリック・ティ・プリンス アメリカ合衆国・ニューヨーク・14450・ フェアポート・ワトチェット・レーン・24 (72)発明者 ジョン・ガスパー アメリカ合衆国・ニューヨーク・14468・ ヒルトン・エヌ・グリース・ロード・465 (72)発明者 シャーレーン・エー・ウィルソン アメリカ合衆国・ニューヨーク・13148・ セネカ・フォールズ・ステイト・ルート・ 414・4483 (72)発明者 トッド・エー・ジャクソン アメリカ合衆国・ニューヨーク・14534・ ピッツフォード・ピーチトリー・レーン・ 6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体カラー撮像装置の光学的撮像システ
    ムにおいて使用される波長選択性を有する低域通過光学
    フィルタであって、 透明な基板と、該基板上にランダムに配置される複数の
    透明なスポットとを有して構成されることで、前記スポ
    ットを通過する波面と前記基板における前記スポット以
    外の部分を通過する波面との間に位相差が発生され、こ
    れにより、光線の波長に基づいて変化するサンプリング
    カットオフ空間周波数を有するフィルタが形成され、 位相差が以下の条件を満たし、 【数1】 ここで、φα、φβ、およびφγは、光学スペクトルの
    可視領域から赤外領域における特定の波長に対してのス
    ポットに起因する位相差を示し、それぞれの位相差は以
    下の式から与えられ、 【数2】 ここで、iはα、β、あるいはγを示し、niはスポッ
    トを形成する材料の特定の波長λiに対しての屈折率を
    示し、ni’はスポットを囲む媒体の特定の波長λiに対
    しての屈折率を示し、tは前記スポットの物理的厚さを
    示すことを特徴とする光学フィルタ。
  2. 【請求項2】 固体カラー撮像装置の光学的撮像システ
    ムにおいて使用される波長選択性を有する低域通過光学
    フィルタの製造方法であって、 a)レリーフの深さが、ランダムに配置される透明なス
    ポットの厚さ、あるいは適用できる場合にはこの厚さに
    ツーリング係数を加えた値に等しくなるとともに、ラン
    ダムに配置される透明なスポットと逆のパターンを有す
    るレリーフパターンが表面に形成された型を用意する工
    程と、 b)前記型を用いた打抜き、押出し、あるいは他の加工
    技術により、透明な基板と該基板上にランダムに配置さ
    れる複数の透明なスポットとを有して構成される低域通
    過光学フィルタの有機ポリマーからなる複製を形成する
    工程とを有することを特徴とする光学フィルタの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 固体カラー撮像装置の光学的撮像システ
    ムにおいて使用される波長選択性を有する低域通過光学
    フィルタの製造方法であって、 a)ランダムに配置される透明なスポットの厚さと等し
    い厚さを有する透明な有機ポリマー材料の層により、透
    明なガラスウエハをコーティングする工程と、 b)前記透明な有機ポリマー層上に薄いエッチングスト
    ップ層を形成する工程と、 c)前記薄いエッチングストップ層上にマスクを形成す
    るために、薄いフォトレジスト層をコーティングし、そ
    して、ランダムに配置される透明なスポットに応じたパ
    ターンが形成されるように、前記フォトレジストに対し
    てパターン形成を実施する工程と、 d)ウェットエッチング技術あるいはドライエッチング
    技術を用いて、前記フォトレジストに形成されたランダ
    ムに配置される透明なスポットのマスクパターンを前記
    薄いエッチングストップ層に転写する工程と、 e)前記薄いエッチングストップマスクパターンに基づ
    いて、前記透明な有機ポリマー層に対して、(例えば、
    酸素反応性イオンあるいは酸素プラズマを用いた)異方
    性のドライエッチングを実施する工程と、 f)ウェットエッチング技術あるいはドライエッチング
    技術を用いて、前記薄いエッチングストップ層を除去
    し、これにより、透明な基板と該基板上にランダムに配
    置される複数の透明なスポットとを有して構成される低
    域通過光学フィルタを形成する工程とを有することを特
    徴とする光学フィルタの製造方法。
JP8203786A 1995-08-17 1996-08-01 エイリアシングを防止するための波長選択性を有する位相型低域通過光学フィルタおよびその製造方法 Withdrawn JPH09121363A (ja)

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