JP3129386B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP3129386B2
JP3129386B2 JP14476395A JP14476395A JP3129386B2 JP 3129386 B2 JP3129386 B2 JP 3129386B2 JP 14476395 A JP14476395 A JP 14476395A JP 14476395 A JP14476395 A JP 14476395A JP 3129386 B2 JP3129386 B2 JP 3129386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イメージスキャナやL
EDプリンタなどに用いられる画像読取りまたは画像形
成のための光学装置に関する。
【0002】画像読取りのための光学装置として、通常
の凸レンズによって原稿の縮小像をCCDなどのイメー
ジセンサー上に形成する縮小光学系のものと、屈折率分
布型レンズアレイやロッドレンズアレイを用いて原稿の
等倍像を長尺のイメージセンサー上に形成する等倍光学
系のものとが存在する。後者は原稿面とイメージセンサ
ーとが極接近した状態となるため、通常、密着光学系と
も呼称される。
【0003】装置を小型化する必要のある場合には密着
光学系が有利であるが、例えば携帯用のイメージスキャ
ナなどに利用する場合には、その密着光学系の装置にお
いてもさらに一層の小型化を図る必要がある。
【0004】
【従来の技術】従来の密着光学系の光学装置において用
いられている屈折率分布型レンズアレイやロッドレンズ
アレイでは、焦点距離を数mm程度以下にすることは困
難であり、実際の光路長として、15〜20mm程度を
必要としている。
【0005】また、基板上に多数の微小レンズを形成し
たマイクロレンズアレイは、作製プロセスなどの選択に
よって比較的容易に短距離焦点レンズの製作が可能であ
り、複数段のレンズアレイを用いることによって原稿の
正立等倍像の形成も可能である。そのため、液晶ディス
プレイの表示画像をその前面に配置した保護ガラスに投
影し、これによって見る角度の相違による視差をなくす
ことが提案されている(特開昭63−263520
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような光学装置
を小型化するには、光路長を短くすることが必要である
が、従来の密着光学系において用いられている屈折率分
布型レンズアレイやロッドレンズアレイでは、光路長が
10mm以下のものを製作することは実際上不可能であ
る。
【0007】したがって、例えば名刺サイズの原稿を読
み取るための超小型のカード型イメージスキャナに適用
するには、従来のものでは小型化が不十分であり、ま
た、屈折率分布型レンズアレイやロッドレンズアレイは
高価であるため、個人向け用の装置として十分な低価格
を実現できない、といった問題がある。
【0008】また、従来のマイクロレンズアレイでは、
隣接するレンズからのクロストーク光の除去が困難であ
り、光の利用効率を高めるためには3段以上のレンズア
レイが必要で構造が複雑になるという問題がある。
【0009】すなわち、図21(a)に示すように、中
間像の倍率を1とし、2段構成のレンズを用いた場合に
は、中間像の中央部以外の光のかなりの部分が下側のレ
ンズの開口部から外れてしまうため、結像した像の明る
さにむらが生じる。また、クロストークも避けられな
い。これを改良するため、図21(b)に示すように、
中間像の位置に3段目の中間レンズを挿入した場合(特
開昭63−263520号参照)には、像の明るさのむ
らは解決できるが、構造が複雑となり、しかも依然とし
て隣接レンズからのクロストークは避けられない。
【0010】また、従来のロッドレンズに代えて、通常
の凸レンズと、クロストークを防止するための遮光用の
筒状体とを組み合わせて用いることが考えられる。しか
し、そのようにした場合には、筒状体の内周面において
光を吸収する必要があるので、その製作が困難であり、
大量生産には不向きであるという問題がある。
【0011】本発明は、以上のような事情を考慮してな
されたものであり、2つのレンズアレイと、遮光膜をそ
の間に配置することにより、クロストークを可及的に防
止し、小型化及び低価格化を図ることのできる光学装置
を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、一層又は複数層の遮光膜
を設けて、レンズアレイと遮光膜との相対位置関係を工
夫することにより、クロストークの低減及び像の明るさ
の均一化をすることを目的とする。また、レンズアレイ
の各レンズの配置及び形状等を工夫することにより、ク
ロストークの低減を図ると共に、コントラストの向上を
図ることを目的とする。
【0013】また、この光学装置を、画像読取り装置等
に適用することにより、画像読取り装置等の小型化を図
ることを目的とする。さらに、この光学装置を大量生産
することにより、この光学装置を利用した画像読取り装
置等の低価格化を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象物に対し
て倒立した縮小実像を形成する複数のレンズからなる第
1のレンズアレイと、前記縮小実像を所定の倍率で拡大
しかつ正立像にするように、前記第1のレンズアレイの
各レンズに対応した位置に配置された複数のレンズから
なる第2のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイと
第2のレンズアレイとの間に配置され、前記第1のレン
ズアレイの各レンズからの射出光を通過させるように各
レンズに対向する位置に透孔が形成された複数の遮光膜
とを備え、前記遮光膜が、第1の遮光膜と第2の遮光膜
からなり、前記第2の遮光膜が、前記第1の遮光膜と前
記第1のレンズアレイとの間であって、第1の遮光膜と
第2の遮光膜とが所定の間隔を保持されるように配置さ
れることを特徴とする光学装置を提供するものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】前記遮光膜が第1の遮光膜と第2の遮光膜
からなる場合には、第2の遮光膜が、第1の遮光膜と第
1のレンズアレイとの間に配置される。また、このよう
に遮光膜が2つの遮光膜からなる場合には、前記第1の
遮光膜が、前記第1のレンズアレイの各レンズにより形
成される縮小実像の像面の位置に配置されるようにして
もよく、前記第1の遮光膜と前記第2のレンズアレイと
の間隔、前記第2の遮光膜と前記第1のレンズアレイと
の間隔、及び前記第1の遮光膜と前記第2の遮光膜との
間隔が、それぞれほぼ等しくなるようにしてもよい。
【0019】さらに、2つの遮光膜からなる場合に、こ
の発明は、前記第1のレンズアレイと前記第2の遮光膜
とが基板の2つの表面にそれぞれ形成され、前記第2の
レンズアレイと前記第1の遮光膜とが基板の2つの表面
にそれぞれ形成され、それぞれの基板が、遮光膜が形成
された面で対向されて、透明なスペーサ板を挟んだ状態
で固定されてなる光学装置を提供する。
【0020】また、この発明は、前記第1のレンズアレ
イと前記第2のレンズアレイとがそれぞれ基板上に形成
され、その基板表面であって第1及び第2のレンズアレ
イの各レンズが位置する部分を除いた表面が遮光性を有
する光学装置を提供する。
【0021】さらに、前記第1及び第2のレンズアレイ
の各レンズが等間隔に整列されており、第1及び第2レ
ンズアレイの少なくとも一方の各レンズの整列方向の幅
が、各レンズ間のピッチと、各レンズによって形成され
る縮小実像の縮小率との積の偶数倍であるように設定し
てもよく、また、前記第1及び第2のレンズアレイのレ
ンズは、矩形の形状からなるように構成してもよい。
【0022】ここで、遮光膜の材料としては、Cr、T
iなどの金属を用いることができるが、さらに反射防止
作用を与えるためCr23などの誘電体とこれらのうち
いずれかを重ねて多層膜として構成してもよい。また、
黒色塗料などを用いることもできる。前記第1のレンズ
アレイ及び前記第2のレンズアレイを構成する各レンズ
としては、通常用いられる屈折型の光学レンズを用いて
もよいが、特に、小型化等の面でフレネルレンズを用い
ることが好ましい。また、表面に複数段の階段状の凸面
を備えてなるバイナリレンズを用いてもよい。レンズの
材料としては、石英を用いることが好ましいが、他に、
アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMM
A樹脂)などの光学用合成樹脂を用いることができる。
また、前記第2のレンズアレイの各レンズが、その形状
の中心と光学的な中心とを偏心させて形成されるように
してもよく、さらに、光学的な中心が、レンズ形状の縁
部上又はその外部にあるようにしてもよい。
【0023】本発明は、前記第1のレンズアレイおよび
第2のレンズアレイが、同一ピッチで整列した2列のレ
ンズ群からなり、それぞれのレンズ群から得られる実像
が合成されて、一つの実像を形成するように構成され光
学装置を提供する。
【0024】また、本発明は、上記に記載したような光
学装置と、光照射装置と、光照射装置から照射され光学
装置を通過した光によって結像された実像を光電交換す
るイメージセンサとを備えたことを特徴とする画像読み
取り装置を提供するものである。ここで、前記光照射装
置は、前記光照射装置が、光源と、読みとるべき画像と
前記光学装置との間に配置され、かつ前記光源からの光
を前記画像へ導き照射する導光装置とから構成してもよ
い。
【0025】さらに、前記導光装置は、光透過性の物質
からなり、前記光源からの光を前記物質内へ受け入れる
ための受光口と、該受光口が受け入れた前記光源からの
光を前記物質内で反射する第1の反射体と、第1の反射
体が反射した光を前記物質内で反射する第2の反射体
と、第2の反射体が反射した光を透過させ前記画像へ照
射するための照射口と、前記画像から反射され前記照射
口を経た反射光を前記光学装置へ透過させるための透過
口とを備える導光板から構成してもよい。
【0026】また、本発明は、前記請求項1に記載した
光学装置と、所望の発光パターンを照射する光照射装置
と、光照射装置から照射され光学装置を通過した光が形
成する発光パターン像により潜像が形成される感光体
と、感光体に形成された実像を用紙に転写させる印刷機
構とを備えた光プリンタを提供するものである。
【0027】
【作用】本発明によれば、第1のレンズアレイによって
形成される倒立縮小実像を例えば正立等倍像にするよう
に、前記第1のレンズアレイの各レンズに対応した位置
に配置された複数のレンズからなる第2のレンズアレイ
と、前記第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの
間に配置され、前記第1のレンズアレイの各レンズから
の射出光を通過させるように各レンズに対向する位置に
透孔が形成された一つ又は複数の遮光膜を有しているの
で、クロストークを可及的に防止し、小型化及び低価格
化を図ることができる光学装置を提供することができ
る。
【0028】光膜を2つにした場合には、第2の遮光
膜を第1の遮光膜と第1のレンズアレイとの間に配置さ
れるようにしているので、さらにクロストークの低減を
図ることができる。また、遮光膜が、第1のレンズアレ
イの各レンズにより形成される縮小実像の像面の位置に
配置されるか、又は第1のレンズアレイと第2のレンズ
アレイとのほぼ中間に配置されるように光学装置を構成
しているので、さらにクロストークの低減をはかること
ができる。
【0029】さらに、前記遮光膜が、前記第1のレンズ
アレイの各レンズから、前記第2のレンズアレイの対応
するレンズへの光路を実質的に制限しないが、前記第1
のレンズアレイの各レンズから前記第2のレンズアレイ
の対応するレンズの隣接レンズへの光路を実質的に遮蔽
できるような開口幅の透孔を有しているので、結像され
る像の明るさを均一化することができる。
【0030】また、遮光膜が2つからなる場合に、前記
第1のレンズアレイと遮光膜とがそれぞれ別の表面に形
成される基板と、遮光膜と前記第2のレンズアレイとが
それぞれ別の面に形成される基板とを、両基板の遮光膜
が形成された表面が対向するように、透明なスペーサ板
を挟んだ状態で固定されるようにしているので、光学装
置の製作を容易にし、かつ低価格化を図ることができ
る。
【0031】また、本発明によれば、前記第1のレンズ
アレイと前記第2のレンズアレイとがそれぞれ基板上に
形成され、その基板表面であって第1及び第2のレンズ
アレイの各レンズが存在する位置を除いた表面が遮光性
を有するようにしているので、さらにクロストークを抑
えることができ、前記第1及び第2のレンズアレイの各
レンズが等間隔に整列しており、前記第1のレンズアレ
イの各レンズの整列方向の幅と、前記第2のレンズアレ
イの各レンズの整列方向の幅のうち少なくとも一方が、
そのレンズ間のピッチと、各レンズによって形成される
縮小実像の縮小率との積の偶数倍であるように調整して
いるので、結像される像の明るさをさらに均一化するこ
とができる。
【0032】上記のような光学装置において、第1のレ
ンズアレイ及び第2のレンズアレイとして、フレネルレ
ンズあるいはバイナリレンズを用いることによって、大
量生産が可能となり、従って、よりいっそうの低価格化
を図ることができる。また、バイナリレンズを用いる場
合に、前記第2のレンズアレイの各レンズが、それらの
形状の中心と光学的な中心とを偏心させて形成されるこ
と、さらに前記第2のレンズアレイの各レンズの光学的
な中心が、レンズの形状の縁部上又はその外部にあるよ
うにすることによって、光の利用効率を増し、像のコン
トラストを向上させることができる。
【0033】さらに、前記第1のレンズアレイおよび第
2のレンズアレイが、同一ピッチで整列した2列のレン
ズ群からなり、それぞれのレンズ群から得られる実像が
合成されて、一つの実像を形成するように構成すれば、
コントラストを良好に保つとともに、像の明るさを増す
ことができる。また、本発明に係る光学装置を、画像読
み取り装置又は光プリンタに利用することにより、これ
らの装置の小型化及び低価格化を図ることができる。
【0034】
【実施例】図1は本発明に係る光学装置22を用いた画
像読み取り装置1の一部を断面して示す図である。
【0035】画像読み取り装置1は、CCDなどからな
る帯状のイメージセンサー12、光学装置22、及び、
図示しない駆動機構、ハウジング、制御回路、信号処理
回路などからなっている。
【0036】イメージセンサー12と光学装置22とは
互いに一体的に連結されており、それらに原稿DMを照
明するための図示しない光源が一体的に取り付けられ、
これによって、図1の左右方向に長く延びるスキャナが
構成されている。そのスキャナが、図1の紙面に対して
垂直方向に移動することによって、光学装置22の上方
に配置された原稿DMの表面をスキャンし、原稿DMに
描かれた画像を読み取って電気信号に変換する。そのと
きに、光学装置22は、原稿DMからの反射光をイメー
ジセンサー12に導き、原稿DMの画像の正立等倍像を
イメージセンサー12上に形成する。
【0037】光学装置22の厚さL2は、例えば約1.
275mm、光学装置22と原稿DMとの間隔L1は例
えば約1.6mm、光学装置22とイメージセンサー1
2との間隔L3は例えば約1.8mmである。
【0038】実施例1:図2は本発明に係る光学装置2
2の一部を断面して示す図である。光学装置22は、第
1の基板31、スペーサ板35、及び第2の基板36
が、互いに一体的に取り付けられて構成されている。
【0039】第1の基板31の主部である基材32は、
アクリル樹脂又はPMMA樹脂などの透明な合成樹脂に
よって、厚さが300μm程度の薄い帯板状に形成され
ており、その表面には、図2の左右方向に一列に等ピッ
チで配列された複数のレンズ51,52,53…からな
る第1のレンズアレイ50が形成されている。ここで、
レンズとしては、通常用いられるような光学レンズ(op
tical lens)、フレネルレンズ(Fresnel lens)、表面
を階段状に作った薄型のレンズであるバイナリレンズを
用いることができる。
【0040】図10に各種レンズの形状を表した断面図
を示す。同図において、(a)は、通常用いられている
屈折型の光学レンズである。(b)は、回折光学素子の
一例である回折型フレネルレンズであり、屈折型レンズ
から波面変換機能に影響しない部分を取り除いて形成し
たレンズである。(c)は、後述する実施例で用いるバ
イナリレンズであり、(b)の回折型フレネルレンズの
表面球面部分を階段状のパターンで近似させて形成した
レンズである。 階段の数(レベル)によって回折の効
率が異なり、レベル数が多いほど効率がよい。この
(c)には、4レベルのバイナリレンズを示している。
第1のレンズアレイ50の各レンズ51,52,53…
は、形状が互いに同一であり、開口径は75μm、焦点
距離は基材32内(つまり合成樹脂内)において480
μmであり、レンズ間のピッチは350μmである。
【0041】第1のレンズアレイ50を有した基材32
は、例えば、ガラス板にエッチングなどを施すことによ
って原型を作製し、それを基にして金型を製作し、その
金型に合成樹脂を流し込んで成形することによって製造
される。このように、基材32の材料として合成樹脂を
用いることによって、金型による大量生産が容易であ
る。しかし、基材32の材料としてガラスを用いること
も可能である。その場合には透明度において優れるが、
基材32の厚さが小さいので、透明度の優劣は余り問題
とならない。なお、合成樹脂としてアクリル樹脂やPM
MA樹脂を用いた場合には、その屈折率は約1.5であ
る。
【0042】基材32の第1のレンズアレイ50が形成
される側の表面で、レンズ51,52,53…の形成さ
れていない部分には、遮光膜33が設けられている。こ
の遮光膜33は、外部からの光を遮断し且つ基材32の
内部での光の反射を防止するためのものであり、金属の
蒸着膜に酸化物の薄膜を重ねて反射率を数%程度に抑え
た無反射コーティング、黒色塗料の塗布又は印刷などに
よって形成されている。たとえば、金属としてはCr、
酸化物としてはCr23が用いられる。
【0043】また、基材32の他方の表面(図2の下側
の表面)には、第2の遮光膜34が、上述した遮光膜3
3と同様な材料及び方法で形成されている。第2の遮光
膜34には、レンズ51,52,53…からの射出光を
通過させるために、各レンズ51,52,53…に対向
する位置に開口径が85μmの円形のアパチャー61,
62,63…が形成されている。
【0044】第2の基板36の主部である基材37は、
基材32と同様な材料によって、厚さが675μm程度
の帯板状に形成されており、図2の下側の表面には、そ
の左右方向に一列に等ピッチで配列された複数のレンズ
81,82,83…からなる第2のレンズアレイ80が
形成されている。
【0045】第2のレンズアレイ80の各レンズ81,
82,83…は、形状が互いに同一であり、開口径は2
70μm、焦点距離は基材37内において540μmで
あり、レンズ間のピッチは上述のレンズ51,52,5
3…と同様に350μmである。第2のレンズアレイ8
0を有した基材37は、上述の基材32と同様な製法で
製造される。
【0046】基材37の第2のレンズアレイ80が形成
される下側の表面には、レンズ81,82,83…の形
成されていない部分に、第4の遮光膜39が設けられて
いる。この遮光膜39は、外部からの光を遮断し且つ基
材37の内部での光の反射を防止するためのものであ
り、第3の遮光膜33と同様に金属の蒸着膜、黒色塗料
の塗布又は印刷などによって形成されている。
【0047】また、基材37の表面(図2の上側の表
面)には、第1の遮光膜38が、上述した遮光膜39と
同様な方法で形成されている。第1の遮光膜38には、
第2の遮光膜34のアパチャー61,62,63…から
の射出光を通過させるために、各レンズ51,52,5
3…に対向する位置に開口径が87.5μmの円形のア
パチャー71,72,73…が形成されている。
【0048】スペーサ板35は、アクリル樹脂又はPM
MA樹脂などの透明な合成樹脂によって、厚さが300
μm程度の薄い帯板状に形成されている。このスペーサ
板35を介して、第1の基板31及び第2の基板36
が、接着剤により接着され、一体的に固定されている。
【0049】上述のように構成された光学装置22を用
い、図1に示すように原稿DMを光学装置22から1.
6mmの距離のところに配置した場合に、レンズ51,
52,53…によって、原稿DMの画像が4分の1に縮
小された倒立実像が、第1の遮光膜38の位置、すなわ
ちアパチャー71,72,73…の位置に形成されるこ
ととなる。このとき、アパチャー71,72,73…の
開口径(87.5μm)はレンズピッチ(350μm)
の4分の1となっているので、各アパチャー71,7
2,73…によって、レンズ51,52,53…の前面
の350μm分の画像のみが切り出される。
【0050】そして、このアパチャー71,72,73
…の位置に形成された倒立実像は、さらにレンズ81,
82,83…を通過することによって、イメージセンサ
ー12上に正立実像として結像する。このとき、レンズ
81,82,83…とイメージセンサー12との距離が
1.8mmであり、レンズ81,82,83…によって
像が4倍に拡大されるので、結局、イメージセンサー1
2上には原稿DMの等倍の正立画像が形成される。アパ
チャー71,72,73…によって、各レンズ51,5
2,53…による像が過不足なく切り出されているた
め、イメージセンサー12上には原稿DMの画像が忠実
に再現されることとなる。
【0051】このような光学装置22は、図1に示すよ
うに、原稿DMからイメージセンサー12までの全体の
距離(厚さ)が5mm以下(L1+L2+L3=約4.
675mm)となり、従来の光学装置では得られない短い
共役長となり、装置の大幅な小型化が図られている。
【0052】次に、光学装置22においてクロストーク
が防止される様子について、図3を参照して説明する。
図3を光学装置22への入射光の状態を示す図である。
【0053】原稿DMからレンズ51に入射した光RY
1は、アパチャー61及び71を通過してレンズ81か
ら出射し、イメージセンサー12上に達する。レンズ5
2,53,54から入射した光RY2,3,4は、第2
の遮光膜34によって遮光されるので、レンズ81へは
達しない。レンズ55から入射した光RY5は、アパチ
ャー64及び73を通過してレンズ81に達する可能性
があるが、その場合においても、レンズ81への入射角
θが臨界角θcを越えるため、レンズ81において全反
射し、レンズ81からは出射せず、したがってイメージ
センサー12上には到達しない。このように、レンズ5
1を例にとって見ると、レンズ51以外から入射した光
RY2,3,4…は、イメージセンサー12に全く到達
することがない。したがって、隣接レンズからのクロス
トークが零となり、イメージセンサー12上に結像する
画像のコントラストが低下することなく、原稿DMの画
像を鮮明に読み取ることができる。
【0054】次に、光学装置22の光の利用効率につい
て説明する。図3において、例えば、原稿DM上の一つ
の点PT1(点PT1はレンズ53が作る像のエッジの
部分に相当する)から出射した光はレンズ53の点PT
2から点PT3の間に入射し、点PT4で縮小された中
間像を形成した後、レンズ83の点PT5から点PT6
の間を通過し、イメージセンサー12上において結像す
る。
【0055】このように、レンズ53に入射した光のう
ち結像に寄与する全ての部分がレンズ83に入射するた
め、光の利用効率が良好であり、イメージセンサー12
上に結像する像の明るさが均一となる。なお、このよう
な光学系が成立するためには、中間像の縮小率が2分の
1未満であることが必要であり、実用的には4分の1程
度以下であることが、光の利用効率の点から望ましい。
上述したように、本実施例では中間像の縮小率は4分の
1となっている。
【0056】上述したように、レンズ51,52,53
…により形成される縮小された倒立実像の像面の位置
に、レンズピッチに対する縮小率倍の開口径のアパチャ
ー71,72,73…を有した第1の遮光膜38が設け
られているので、個々のレンズ51,52,53…によ
り形成される像間のオーバーラップを防止することがで
きる。ただし、厳密に倒立縮小実像の像面の位置に第1
の遮光膜38を設ける必要はなく、倒立縮小実像の像面
ができる近傍位置に設ければ、実質的に同様の効果を得
ることができる。ここで近傍位置としては、例えば倒立
縮小実像の像面の位置から±100μmの範囲であれば
よい。
【0057】また、レンズ51,52,53…と第1の
遮光膜38との間に第2の遮光膜34が設けられている
ので、レンズ51,52,53…による像が第1の遮光
膜38のアパチャー71,72,73…の隣接開口部に
結像するのを防止することができ、クロストークのない
正立等倍像を得ることができる。
【0058】そして、アパチャー71,72,73…の
位置に中間レンズを設けていなくとも、アパチャー7
1,72,73…の位置に縮小された中間像を形成する
ので、第1のレンズアレイ50のレンズ51,52,5
3…に入射した光の有効部分の全てを第2のレンズアレ
イ80のレンズ81,82,83…に導くことができ、
光の利用効率の低下が生じない。
【0059】実施例2:次に、レンズ51,52,53
…及びレンズ81,82,83…として、フレネルレン
ズの一形態であるバイナリレンズを用いた場合の実施例
である光学装置22aについて説明する。図4はバイナ
リレンズを用いた本発明の光学装置22aの一部を断面
して示す図である。
【0060】図4において、遮光膜34a,38a、3
3aおよび39aは、外部からの光を遮断し且つ内部で
の光の反射を防止するためのものである。レンズ51a
(レンズ51a,52a,53a…)及びレンズ81a
(レンズ81a、82a,83a…)は、バイナリレン
ズである。フレネルレンズの中で回折型フレネルレンズ
は、通常の屈折型レンズから、レンズの集光効果に影響
を及ぼさない波長の整数倍の光路差を与える部分を除い
たものであるが、バイナリレンズは、この回折型フレネ
ルレンズの表面形状を階段状に近似したものである。バ
イナリレンズは、その形状の制御が容易であり、焦点距
離の再現性も良好である。しかし、バイナリレンズは回
折タイプのレンズであるため、直通する光である非回折
光によるコントラストの低下が、クロストークによるも
の以上に問題になる。
【0061】そこで、レンズ81aにより得られる実像
と非回折光とを分離するために、レンズ81aの開口部
の中心と光学的な中心OLとを大きく偏心させ、光学的
な中心OLを開口部の縁部の外部に位置させている。こ
こで、レンズ51aの光学的な中心とレンズ81aの光
学的中心とは、実施例1と同様にほぼ対向するように配
置する。その結果、レンズ81aの開口部はレンズ51
aの開口部に対してずれた位置に配置される。これによ
って、レンズ81aによる実像は、2つのレンズの光学
的中心を結ぶ軸上のイメージセンサ12a上に結像され
るものの、非回折光はイメージセンサー12a上に到達
しないので、12a上に結像する実像のコントラストが
向上する。
【0062】また、必要に応じて、レンズ51aの光学
的な中心を開口部の中心から偏心させることにより、さ
らにコントラストを改善することが可能である。このよ
うに、バイナリレンズを用いることにより、金型の製作
が容易となり、大量生産によって一層の低価格化を図る
ことができる。つまり、従来のロッドレンズアレイのよ
うに立体的なものは作製が難しいが、本発明の光学装置
22では平面素子を組み合わせて作製するので、製作が
比較的容易であり、大量生産が容易となる。本発明で用
いるバイナリレンズの製作工程の例については後述す
る。
【0063】上述の実施例においては、第1の基板31
と第2の基板36とを作製し、これらをスペーサ板35
を挟んで接着剤により固定したので、第2の遮光膜3
4、第1の遮光膜38などの形成、配置、及び位置決め
などが容易であり、光学装置22の製造が容易である。
しかし、基板の構成は種々変更することができる。例え
ば、第1のレンズアレイ50及び遮光膜33を一方の表
面に形成した第1の基板と、第2のレンズアレイ80及
び遮光膜39を一方の表面に形成した第2の基板と、第
2の遮光膜34及び第1の遮光膜38を両面に形成した
別の基板とを、2種類のスペーサ板をそれぞれの間に挟
みながら接着剤で固定することによって構成してもよ
い。
【0064】上述の実施例において、第2の遮光膜34
は、図2に示すように第1のレンズアレイ50と第1の
遮光膜38との中間位置の近傍にあることが望ましい。
第2の遮光膜34が中間位置の近傍から離れるにしたが
って、クロストークの防止効果は減少する。また、各レ
ンズの開口径、レンズピッチなどの定数は、像の形成に
不都合がないように決定すればよい。
【0065】上述の実施例において、図2の第1の遮光
膜38の各アパチャー71,72,73…の位置にそれ
ぞれレンズを配置して第3のレンズアレイとしてもよ
い。この場合には、第1のレンズアレイ50による像の
縮小率を小さくして(1に近づけて)取り込む光量を増
加させ、像の明るさを増すことができる。また、そのよ
うな第3のレンズアレイを設けることによって、出射側
の光の広がりを抑えることができる。したがって、レン
ズ81,82,83…の開口径を小さくしてその製作を
容易とすることができ、また、光の利用効率をさらに向
上させることができ、像の明るさのむらを一層少なくす
ることができる。
【0066】実施例3:次に、第1の基板31、スペー
サ板35、及び第2の基板36の厚さを、ほぼ等しくし
た場合の実施例である光学装置22bについて説明す
る。図5は光学装置22bの一部を断面して示す図であ
る。
【0067】第1の基板31b、スペーサ板35b、及
び第2の基板36bの厚さはすべて500μmである。
第1のレンズアレイ50bの各レンズ51b,52b,
53b…は、遮光膜33bの透光部がすべて同一形状の
矩形開口を持つバイナリレンズで、その開口幅はレンズ
アレイの列方向が135μm,直交方向が102μmで
ある。また焦点距離は基材32b内において607μm
であり、レンズ間のピッチは545μmである。
【0068】第2のレンズアレイ80bの各レンズ81
b,82b,83b…も、遮光膜39bの透光部がすべ
て同一形状の矩形開口を持つバイナリレンズで、その開
口幅はレンズアレイの列方向が256μm,直交方向が
192μmである。焦点距離とレンズ間のピッチは第1
のレンズアレイ50bの各レンズ51b,52b,53
b…と同一である。
【0069】第2の遮光膜34bには、レンズ51b,
52b,53b…からの射出光を通過させるために、各
レンズ51b,52b,53b…に対向する位置に、列
方向が215μm,直交方向が500μmの矩形のアパ
チャー61b,62b,63b…が形成されている。ま
た第1の遮光膜38bには、第2の遮光膜34bのアパ
チャー61b,62b,63b…からの射出光を通過さ
せるために、各レンズ51b,52b,53b…に対向
する位置に、列方向が255μm,直交方向が500μ
mの矩形のアパチャー71b,72b,73b…が形成
されている。
【0070】上述のように構成された光学装置22bを
用い、図1に示すように原稿DMを光学装置22bから
2.2mmの距離のところに配置した場合に、レンズ5
1b,52b,53b…によって、原稿DMの画像が
0.235倍に縮小された倒立実像が、第1の遮光膜3
8bと第2の遮光膜34bとの中間の近傍位置に形成さ
れることとなる。
【0071】そして、この第1の遮光膜38bと第2の
遮光膜34bとの中間の近傍位置に形成された倒立実像
は、さらにレンズ81b,82b,83b…を通過する
ことによって、イメージセンサー12上に正立実像とし
て結像する。このとき、レンズ81b,82b,83b
…とイメージセンサー12との距離が2.2mmであ
り、レンズ81b,82b,83b…によって像が元の
大きさに拡大されるので、結局、イメージセンサー12
上には原稿の等倍の正立画像が形成される。
【0072】ただし、アパチャー61b,62b,63
b…およびアパチャー71b,72b,73b…は、各
レンズ51b,52b,53b…から対向するレンズ8
1b,82b,83b…への光路を全く遮らないため、
各レンズが作る像は第1のレンズの開口幅135μmと
第2のレンズの開口幅256μmの平均値(195.5
μm)を中間像の倍率(0.235)で割った832μ
mの幅を持つ。レンズのピッチが545μmであるか
ら、各レンズによる像は互いに列方向に重なり合うこと
になる。ここで各レンズによる像の照度は、像の周辺部
で徐々に暗くなるため、合成像の列方向の照度変化は少
なく、なめらかに像が重なり合うことになる。
【0073】特に、上述の実施例においては、遮光膜3
9bによる、第2のレンズアレイ80bの各レンズ81
b,82b,83b…の列方向の開口幅(256μm)
が、レンズアレイのピッチ(545μm)と中間像の縮
小率(0.235)の積の2倍になっているため、重な
り合った像の明るさが均一になる。
【0074】ここで、この重なり合った像の明るさが均
一になることを、図6を参照して説明する。図6は遮光
膜39bによる、第2のレンズアレイ80bの各レンズ
81b,82b,83b…の列方向の開口幅が、レンズ
アレイのピッチと中間像の縮小率の積の2倍のときの、
各レンズ81b,82b,83b…によって形成される
像の照度分布を計算したものである。各レンズにより形
成される像の照度は、中心で高く、周辺に行くに従い低
くなる。各レンズによる像の列方向の照度分布の形状
は、第1のレンズアレイ50bの各レンズ51b,52
b,53b…の列方向の開口幅と、第2のレンズアレイ
80bの各レンズ81b,82b,83b…の列方向の
開口幅との大小関係により、図示する3種類のパターン
に変化するものの、重なり合った像の照度は、いずれの
場合でも列方向の場所によらず一定の値になることがわ
かる。
【0075】このように、合成された像の照度が列方向
に均一になるためには、どちらか一方のレンズアレイの
列方向の開口幅がレンズアレイのピッチと中間像の縮小
率の積の偶数倍であればよいことが、同様の計算から求
めることができる。
【0076】上述の実施例においては、レンズアレイの
各レンズが矩形開口を持つため、レンズアレイの列方向
の照度分布と、直交方向の照度分布が独立に求められ
る。列の直交方向の照度分布に関しては、第1のレンズ
アレイ50bの各レンズ51b,52b,53b…の、
列に直交方向の開口幅(h1)と、第2のレンズアレイ
80bの各レンズ81b,82b,83b…の、列に直
交方向の開口幅(h2)、との差の1/2の絶対値を、
中間像の縮小率(r)で割った値、すなわち|h1−h
2|/(2r)の均一な幅を中心付近にもつ。従って、
上述の実施例においては、|102−192|/(2×
0.235)=191、すなわち中心付近191μmの
領域で均一で、その外側では徐々に低下する照度分布を
もつことになる。
【0077】以上のように、光学装置22bにより得ら
れる原稿DMの像は、幅が191μmで、レンズアレイ
の列方向に均一な照度分布をもつことになる。したがっ
て、輝度むらがなく、明るさが一定の像を得ることがで
きる。また、上述の実施例においては、遮光膜のアパチ
ャーの幅が各レンズ51b,52b,53b…から対向
するレンズ81b,82b,83b…への光路の幅より
40μm程度大きいため、レンズアレイと遮光膜との位
置合わせ精度の許容度として、±20μmが確保でき
る。
【0078】実施例4:次に、第1のレンズアレイ5
0、および第2のレンズアレイ80が、いずれも2列の
レンズ列から構成される場合の実施例である光学装置2
2cについて説明する。図7は光学装置22cを構成す
るレンズアレイ50cと80c,および遮光膜34c,
38cの形状と配置を示す図である。図9は、レンズア
レイ50c、80cの一部分を拡大した配置図である。
【0079】第1の基板31c、スペーサ板35c、及
び第2の基板36cの厚さは、先の実施例と同様にすべ
て500μmである。第1のレンズアレイ50cは、2
列のレンズ51c−1,52c−1,53c−1…,お
よび51c−2,52c−2,53c−2…で構成され
る。各レンズ51c−1,52c−1,53c−1…,
および51c−2,52c−2,53c−2…は、すべ
て遮光膜33cにより、同一形状の矩形開口を持つバイ
ナリレンズで、その開口幅はレンズアレイの列方向が2
62μm,直交方向が183μmである。また焦点距離
は基材32b内において607μmであり、レンズ間の
ピッチb1は558μmである。レンズ51c−1,5
2c−1,53c−1…、および51c−2,52c−
2,53c−2…の光学的な中心は矩形開口の中心と一
致しており、2列のレンズの中心間距離a1もピッチb
1と同じ558μmとなっている。
【0080】第2のレンズアレイ80cの各レンズも、
2列のレンズ81c−1,82c−1,83c−1…,
および81c−2,82c−2,83c−2…からな
り、すべてレンズ遮光膜39cにより、同一形状の矩形
開口を持つバイナリレンズで、その開口幅はレンズアレ
イの列方向が183μm,直交方向が131μmであ
る。焦点距離とレンズ間のピッチは第1のレンズアレイ
と同一である。ただし、第2のレンズアレイのレンズ
は、開口部の中心と光学的な中心とを偏心させるため、
2列の矩形開口の内側の縁の中央に、レンズの光学的な
中心を位置させている。2列のレンズの中心間距離a2
はやはりピッチb2と同じ558μmである。
【0081】第2の遮光膜34cには、レンズ51c−
1,52c−1,53c−1…,および51c−2,5
2c−2,53c−2…からの射出光を通過させるため
に、2列のレンズの対向する2個のレンズを一組とし
て、各レンズ組:51c−1と51c−2,52c−1
と52c−2,53c−1と53c−2,…に対向する
位置に、列方向が275μm,直交方向が1000μm
の矩形アパチャー61c,62c,63c…が形成され
ている。
【0082】また第1の遮光膜38cには、第2の遮光
膜34cのアパチャー61c,62c,63c…からの
射出光を通過させるために、各レンズ組:51c−1と
51c−2,52c−1と52c−2,53c−1と5
3c−2,…に対向する位置に、列方向が249μm,
直交方向が1000μmの矩形のアパチャー71c,7
2c,73c…が形成されている。
【0083】図8は上述した光学装置22cの一部を断
面して示す図である。レンズ81c−1,81c−2の
開口部の内側の縁部に、レンズの光学的な中心があるた
め、非回折光は外側に外れ、実像がレンズ81c−1と
81c−2とから等間隔にあるイメージセンサ12c上
に結像する。それぞれのレンズ81c−1,81c−2
により形成される像の照度は、レンズから離れるに従い
低下するが、イメージセンサ12c上でレンズ81c−
1,81c−2による2つの像が合成されることによ
り、中間位置での照度低下を防ぐとともに、一様な照度
分布の領域を確保することができる。
【0084】なお、アパチャーの形状がスリット状のた
め、レンズ51c−1(51c−2)からの光がレンズ
81c−2(81c−1)に入射して、不要な像を形成
するが、これはイメージセンサ12cから十分に離れた
位置に結像するため、コントラストへの影響はない。
【0085】上述の実施例において、第1のレンズアレ
イ50、第1の遮光膜38、第2の遮光膜34、第2の
レンズアレイ80などの形状、寸法、位置、材料、個
数、その他、第1の基板31、第2の基板36、スペー
サ板35、又は光学装置22や画像読み取り装置1の全
体の構成、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って種
々変更することができる。
【0086】実施例5:また、遮光膜は第1の遮光膜3
8と第2の遮光膜34の2層で構成されていたが、これ
を一つの遮光膜で代用することも可能である。図11及
び図12に、遮光膜が一つの場合の光学装置の実施例を
示す。図11は、第1の基板31、及び第2の基板36
の厚さを、ほぼ等しくした場合の実施例であり、光学装
置22bの一部を断面して示したものである。図11に
おいて、第1の基板31b及び第2の基板36bの厚さ
はすべて500μmである。
【0087】第1のレンズレイ50bの各レンズ51
b,52b,53b…は、遮光膜33bの透光部がすべ
て同一形状の矩形開口を持つバイナリレンズで、その開
口幅はレンズアレイの列方向が100μm,直交方向が
75μmである。また焦点距離は基材32b内において
429μmであり、レンズ間のピッチは550μmであ
る。
【0088】第2のレンズアレイ80bの各レンズ81
b,82b,83b…も、遮光膜39bの透光部がすべ
て同一形状の矩形開口を持つバイナリレンズで、その開
口幅はレンズアレイの列方向が181μm,直交方向が
138μmである。焦点距離とレンズ間のピッチは第1
のレンズアレイ50bの各レンズ51b,52b,53
b…と同一である。
【0089】第1の遮光膜38bには、レンズ51b,
52b,53b…からの射出光を通過させるために、各
レンズ51b,52b,53b…に対向する位置に、列
方向が180μm,直交方向が500μmの矩形のアパ
チャー71b,72b,73b…が形成れている。
【0090】上述のように構成された光学装置22bを
用い、図1に示すように原稿DMを光学装置22bから
2.1mmの距離のところに配置した場合に、レンズ5
1b,52b,53b…によって、原稿DMの画像が
0.165倍に縮小された倒立実像が、第1のレンズア
レイ50bと第2のレンズアレイ80bとの中間の近傍
位置に形成されることとなる。
【0091】そして、この第1のレンズアレイ50bと
第2のレンズアレイ80bとの中間の近傍位置に形成さ
れた倒立縮小実像は、さらにレンズ81b,82b,8
3b…を通過することによって、イメージセンサー12
上に正立実像として結像する。このとき、レンズ81
b,82b,83b…とイメージセンサー12との距離
が2.1mmであり、レンズ81b,82b,83b…
によって像が元の大きさに拡大されるので、結局、イメ
ージセンサー12上には原稿DMの等倍の正立画像が形
成される。
【0092】ただし、アパチャー71b,72b,73
b…は、各レンズ51b,52b,53b…から対向す
るレンズ81b,82b,83b…への光路を全く遮ら
ないため、各レンズが作る像は第1のレンズの開口幅1
00μmと第2のレンズの開口幅181μmの平均値
(140.5μm)を中間像の倍率(0.165)で割
った852μmの幅を持つ。レンズのピッチが550μ
mであるから、各レンズによる像は互いに列方向に重な
り合うことになる。ここで各レンズによる像の照度は、
像の周辺部で徐々に暗くなるため、合成像の列方向の照
度変化は少なく、なめらかに像が重なり合うことにな
る。
【0093】特に、この実施例においても、遮光膜39
bによる、第2のレンズアレイ80bの各レンズ81
b,82b,83b…の列方向の開口幅が、レンズアレ
イのピッチと中間像の縮小率の積の2倍になっているた
め、重なり合った像の明るさが均一になる。
【0094】図12は、図2に説明した光学装置から第
2の遮光膜を取り除いた構成を持つ光学装置を示したも
のである。この実施例では、第1の基板32の上面に第
1のレンズアレイ50が形成され、第2の基板37の下
面に第2のレンズアレイ80が形成されると共に、上面
に第1の遮光膜38が形成されている。第1の基板31
と第2の基板32とを含めた光学装置全体の厚さは、約
1.35mmとすることができる。したがって本発明の
光学装置のより小型化が可能である。
【0095】ここで、第1のレンズアレイ50の各レン
ズ51,52,53…の開口径は100μm、焦点距離
は360μmであり、第2のレンズアレイ80の各レン
ズ81,82,83…の開口径は325μm、焦点距離
は720μmであり、各レンズ間のピッチはすべて50
0μmである。また、第1の遮光膜38のアパチャー7
1,72,73…は各レンズ51,52,53…と対向
する位置にあり、開口径は125μmである。
【0096】このように構成された光学装置を用いて、
原稿DMを光学装置から1.2mmの距離のところに配
置した場合には、原稿DMの画像の4分の1に縮小され
た倒立実像が、第1の遮光膜38の近傍位置、すなわち
アパチャー71,72,73…の近傍位置に形成される
こととなる。この実施例の場合には、さらに第2のレン
ズアレイの各レンズによって、第2の基板の下面から
2.4mm離れた位置にあるイメージセンサ12上に原
稿DMの等倍の正立画像が形成される。
【0097】以上のように光学装置が一つの遮光膜から
なる場合は、クロストーク防止効果、あるいは光の利用
効率のいずれかが犠牲になるが、2枚の基板のみで構成
できるため、低価格化には有利となる。
【0098】なお、上述の実施例は、レンズのない表面
に形成される遮光膜が一つ又は二つの場合を示したが、
これに限る必要はなく、三つ又はそれ以上の数の遮光膜
を用いて光学装置を構成してもよい。この場合は、小型
化の面では不利となるが、クロストークの防止、光の利
用効率の向上の面では有利である。
【0099】実施例6:(バイナリレンズ、遮光膜の作
成工程) 次に、図13、図14、図15及び図16を用いて、こ
の発明で用いるバイナリレンズを作成する工程について
説明する。1)から16)が、レンズを作成する工程で
あり、17)から27)が遮光膜を作成する工程であ
る。
【0100】1)まず、レンズ及び遮光膜を形成するた
めの基板を、通常用いられている洗浄液で洗浄する。こ
こで、図は基板の断面図を示したものであるが、基板と
しては、直径76mmの円板状の石英基板が用いられ
る。この石英基板からは、一列に並んだ複数個のバイナ
リレンズが所定列数分だけ作成される。
【0101】2)石英基板は透明であるため、基板の表
面の位置を認識する金属としてチタン(Ti)を、一方
の表面に500Åの厚さだけ蒸着させる。 3)基板の端の一部分に、これから形成するレンズ及び
遮光膜の位置を決めるための基準点、すなわちマーカを
エッチングによって形成する。以下の工程の説明に用い
る図は、一つのバイナリレンズの一部分のみを示した拡
大図である。
【0102】4)石英基板にレンズパターンを形成する
ために、レジスト塗布、プリベーク及び露光の各工程
を、この順序で行う。レジストは、たとえば東京応化製
のTHMR−ip3000−15CPを用いることがで
きる。レジスト塗布工程は、基板を4000rpmの速
度で回転させて行う。プリベーク工程は、基板を90℃
の状態に90秒間保つものであり、これによってレジス
トを乾燥させる。次の露光工程では、所望のレンズパタ
ーンを有するマスク板を用いて、400m秒間、縮小投
影露光を行う。
【0103】5)露光された位置のレジストを取り除く
ために、ペブ、現像及びポストベークの各工程を、この
順序で行う。ペブ工程では、基板を110℃に90秒間
保つ。現像工程では、たとえば東京応化製の現像液であ
るNMD−Wを用いて60秒間基板を現像し、レジスト
を取り除く。ポストベーク工程では、基板を120℃に
20分間保ち、残ったレジストの固定化を行う。
【0104】6)RIE(Reactive Ion Eching)によ
ってレジストを取り除いた位置の石英表面の除去を行
う。このRIE工程は、100sccmのCF4ガスを
真空槽内に流入しながら150wのプラズマ放電を12
分間行うものである。 7)石英除去部分以外に残ったレジストを除去するため
に、基板の洗浄を行う。 8)次工程にもマーカを利用するため、マーカの保護用
のレジストを形成する。すなわち、保護レジスト塗布工
程とベーク工程(90℃、20分)を行う。
【0105】9)マーカ部分以外のチタン(Ti)を、
マーカ形成工程と同様にエッチング(5分)によって除
去する。以上の1)〜9)が1回目のレンズ形成工程で
あり、次の10)から16)を実行することによって、さら
に2回目のレンズの表面形状が形成される。 10)上記した2)と同様に、基板表面にTi蒸着を行
い、マーカ部の保護レジストを除去するための洗浄を行
う。 11)上記した4)と同様の工程を、別のマスク板を用い
て行う。この別のマスク板は、より深く石英を除去した
い位置が露光されるようなパターンを有するものが使わ
れる。各工程の条件は4)と同様でよい。
【0106】12)上記した5)と同様の工程(ペブ、現
象、ポストベーク)を行う。 13)上記6)と同様にしてRIE工程を20分間行う。 14)上記7)と同様にして、レジストを除去する洗浄を
行う。 15)上記8)と同様に、マーカを保護する工程(保護レ
ジスト塗布/ベーク)を行う。
【0107】16)上記9)と同様にチタン(Ti)を除
去する工程を行う。これにより図に示すように、表面が
階段状になったバイナリレンズが形成される。ここで、
画像読み取り装置の光源に緑色発光のLEDを用いる場
合には、このバイナリレンズの高さ、すなわち石英基板
表面を削る深さは0.8μmとされ、最も外周のバイナ
リレンズの山の段階の幅は0.4μm程度とされる。な
お、16)の工程に示した図は、バイナリレンズの最も外
周の2つの山だけを示した拡大図であり、一つのバイナ
リレンズは、図10に示したようにこのような複数個の
山によって形成される。したがって、図示しないが、
1)から16)までの工程によって一つの石英基板上に
は、複数個のバイナリレンズが形成されたことになる。
【0108】また、1)から16)までの工程では、2回
のレンズ形成工程によって4段の階段を有する4レベル
のバイナリレンズの表面を形成する例を示したが、さら
に段数の多いバイナリレンズを形成する場合には、レン
ズ形成工程の回数を増やせばよい。
【0109】次に、図15、図16に、遮光膜の形成工
程17)〜28)を示す。ここで、17)から21)が、さきほ
どバイナリレンズを形成した表面側に遮光膜(たとえば
図7の33c,39c)を形成する工程であり、22)か
ら27)が、バイナリレンズを形成しない反対側の表面に
遮光膜(たとえば図7の34c、38c)を形成する工
程である。また、図15に示した石英基板の断面図は、
3つのバイナリレンズを示した基板の図である。
【0110】17)まず、レンズを形成した側の基板表面
に対して、遮光膜の蒸着と表面の洗浄を行う。ここで、
遮光膜は、500ÅのCr23層とその上に形成される
1500ÅのTiとの2層からなる。Cr23層は、石
英基板内部において生じる反射光の吸収に寄与するもの
であり、Ti層は基板への入射光の遮光用の層である。
また、蒸着は、前記2)と同様に行い、洗浄は、前記
1)と同様の方法で行う。
【0111】18)次に、前記4)と同様に、レジスト塗
布工程及びプリベーク工程をこの順序で行いレジストを
表面に塗る。 19)さらに前記4)及び5)と同様に、露光、ペブ、現
像及びポストベークの各工程を同じ条件で行い、レンズ
部分のレジストを取り除く。 20)ガラス表面上に露出した遮光膜、すなわち、Cr2
3層とTi層をウェットエッチングによって除去す
る。ウェットエッチングは、Tiエッチャントに15分
間、Cr23エッチャントに1分間基板を浸すことによ
り行う。
【0112】21)この後、残存したレジストをアセトン
を利用して除去する。以上の工程により、パイナリレン
ズが形成された側の表面に遮光膜(図7の33c、39
c)が形成される。 22)これ以後、27)までの工程により、パイナリレンズ
の形成されていない他の表面(アパチャー面)へ、遮光
膜(図7の34c,38c)とアパチャー(61c〜6
6c,71c〜76c)が形成される。まず、ここで
は、前記3)で形成したマーカを基板を通して確認する
ための窓を作るために、マーカの上方部の一部分のみレ
ジストを塗布する。すなわち、保護レジスト塗布及びベ
ーク工程を行う。
【0113】23)前記17)と同様にアパーチャー面への
遮光膜の蒸着及び洗浄を行う。ここで、遮光膜は、50
0ÅのCr23層と、1500ÅのCr層と、500Å
のCr23層の3層から形成される。 24)前記18)と同様に、レジスト塗布及びプリベークの
工程を行う。ここで、レジストとしては、東京応化製の
ONPR830−10CPを用い、塗布は基板の回転速
度を5000rpmとして行う。プリベークは90℃、
30分間放置の条件で行う。
【0114】25)前記19)と同様に、露光、現像及びポ
ストベークの工程をこの順序で行う。ここで、露光は1
9)と異なり、密着露光により行うことが望ましい。露
光条件は、3.0秒、現像条件は80秒、ポストベーク
の条件は、120℃、30分である。 26)上記現像によって、露出した部分の遮光膜を除去す
るためCrエッチャントに5分間浸すことによりウェッ
トエッチングを行う。
【0115】27)最後に、前記21)と同様にして残存し
たレジストを除去する。以上により、アパチャー面の遮
光膜(図7の34c,38c)が形成される。 28)前記1)〜27)によって完成された石英基板は、図
2に示した31,36あるいは図7に示した第1、第2
の基板31c,36cとして用いられる。さらに、2枚
の完成基板とスペーサを接着剤で貼り合わせることによ
って、図2又は図7に示したこの発明で用いられる光学
装置が作成される。
【0116】以上のようにして、バイナリレンズを用い
た光学装置が作成されるが、LSIを作成する場合の半
導体プロセスと同様の工程により作成できるので、大量
生産が可能となり製造の容易化、低価格化を図ることが
できる。また、レンズ及び遮光膜を一体成形しているの
で、別々に作成されたレンズと遮光膜をそれぞれ貼り合
わせるよりも、位置精度を上げることができ、したがっ
て、不良品の発生率をおさえることができる。
【0117】実施例7:次に、この発明の光学装置を応
用した実施例について説明する。図17に、画像読み取
り装置としての一応用例であるイメージスキャナを示
す。
【0118】図18は、図17の主要部を拡大した側面
断面図である。この画像読み取り装置101は、読み取
るべき原稿108へ光を照射するために原稿108の上
方に設けられた光源104と、原稿108の上方に設け
られており、重ねられた2つのレンズアレイ109を有
し、原稿108からの反射光を集光する光学装置107
と、光学装置107の上方に設けられており、光学装置
107により受光面106上に得られた実像の明暗を光
電変換する1次元のイメージセンサ105と、原稿10
8と光源104及び光学装置107との間に配置され、
光源104からの光を原稿108へ導き照射する導光板
103とを備えている。
【0119】この光学装置107に、たとえば図2、図
7に示すこの発明の光学装置を利用することができる。
レンズアレイ109は、前記したバイナリレンズを1列
にアレイ状に並べたものである。上述の光源104、レ
ンズアレイ109、イメージセンサの受光面106及び
導光板103は、それぞれ、レンズアレイ109のアレ
イ方向(紙面の奥行き方向)に、所要の原稿の読み取り
幅と同程度の奥行きを有している。
【0120】この画像読み取り装置101を、レンズア
レイ109のアレイ方向と直角方向へ移動させることに
より、画像を走査する。このとき、制御部(図示せず)
から与えられるクロックに合わせて、イメージセンサ1
05が、原稿108からの反射光を光電変換し、光電変
換された電気信号を記憶部(図示せず)に記憶すること
により、読み取りを行う。
【0121】図19は、導光板の構造を説明するための
拡大側面断面図である。導光板103は、側視断面が平
行4辺形であり、紙面の奥方向に長く平たい(厚さ1.
8mm)平行6面体形状の透明のプラスティック材又は
ガラスからなり、各面に反射体が内向きに設けられた構
造になっている。
【0122】この導光板103は、上面には、光源10
4の直下部分及び光学装置107の直下部分に、それぞ
れ光源104からの光を受け入れるための受光口115
と、原稿108からの反射光を光学装置107へ透過さ
せるための透過口117とを備えている。受光口115
に隣接する側面には、光源104からの光を反射する第
1の反射体111を備え、第1の反射体111の平行側
面には、第1の反射体111が反射した光を反射して原
稿108へ照射する第2の反射体112を備えている。
【0123】導光板103の下面には、透過口117の
直下部分に第2の反射体112が反射した光を透過させ
原稿108へ照射するための照射口116を備えてい
る。また、上面の受光口115及び透過口117以外の
部分には、第1の反射体111が反射した光が外部へ洩
れないように第3の反射体113を備え、下面の照射口
116以外の部分には、第1の反射体111が反射した
光が外部へ洩れないように第4の反射体114を備えて
いる。また、第1の反射体111及び第2の反射体11
2を備えていない側面にも、第1の反射体111が反射
した光が外部へ洩れないように反射体を備えている。
【0124】光源104からの光は、導光板103の上
面に設けられた受光口115で受け入れられ、第1、第
2の反射体111,112で反射されて進路が横方向に
変位され、導光板103の下面に設けられた照射口11
6から原稿108の表面に照射される。原稿108の表
面で反射された光は、照射口116と、照射口116の
上側(導光板103の上面)に設けられた透過口117
とを透過して、透過口117の上側に設けられた光学装
置107へ入射する。
【0125】このような構成の画像読み取り装置の光学
系では、前記したようなこの発明の光学装置を使用して
いるので、厚さを大幅に薄くすることができ、結像距離
(原稿108−イメージセンサ受光面106間距離)を
7.1mm以下にすることが可能である。具体的には、
原稿108から光学装置107までの距離が3.1mm
(原稿読取り面の保護ガラスの厚み1.0mm、導光板
103の厚み1.8mmを含む)、光学装置107の厚
みが1.5mm、光学装置107からイメージセンサ1
05までの距離が2.5mm(イメージセンサの保護ガ
ラスの厚み1.0mmを含む)である。また、一般に結
像距離を短くした場合には、原稿へ光を直接照射できる
光源の位置を確保することが困難であるが、図に示すよ
うな導光板103を光学装置107と原稿108との間
に設けて、光源104からの照射光の進路を横方向に変
位させるようにしているので、短い結像距離を保ったま
ま、照明光を原稿108の上に導くことができる。
【0126】上述の実施例では、本発明の光学装置を画
像読み取り装置に適用する場合を示したが、この光学装
置をLEDプリンタの結像系などの画像形成装置に適用
することも可能である。この場合は、原稿DMの位置に
LEDアレイを配置し、イメージセンサー12の位置に
感光ドラムを配置することにより、LEDアレイの点燈
パターンに対応した像を感光ドラム上に形成することが
できる。このように、光学装置22を画像形成装置に適
用した場合も、低クロストークで小型・低価格の装置の
実現が可能となる。
【0127】図20に、LED光プリンタの画像形成装
置にこの発明の光学装置を利用した例を示す。同図に示
すように、LED光プリンタは、用紙を入れておくカセ
ット、転写器、定着器、スタッカ、感光ドラム、現像
器、帯電器、清掃器及び消去ランプと、印刷したい発光
パターン像を感光ドラム上に形成するための光プリント
ヘッド(LEDアレイと結像用レンズを含む)とから構
成される。この光プリントヘッドの結像用レンズに、こ
の発明の光学装置を用いることによって、光プリントヘ
ッドを薄型化することができ、プリンタの小型化をはか
ることができる。なお、LEDアレイに代えて液晶シャ
ッタを用いることも可能である。上述の実施例では、対
象物に対して正立した等倍画像を得る場合を示したが、
第2のレンズアレイの倍率を代えて等倍画像よりも小さ
い正立縮小画像、または大きい正立拡大画像を得るよう
に構成することも可能である。
【0128】
【発明の効果】この発明によれば、対象物に対して倒立
した縮小実像を形成する複数のレンズからなる第1のレ
ンズアレイと、前記縮小実像を所定の倍率で拡大しかつ
正立像にするように配置された複数のレンズからなる第
2のレンズアレイと、そのレンズアレイ間に前記第1の
レンズアレイの各レンズからの射出光を通過させる透孔
が形成された遮光膜を有しているので、クロストークを
可及的に防止し、小型化及び低価格化を図ることができ
る光学装置を提供することができる。
【0129】また、一つの遮光膜のみを備えた光学装置
を構成することにより、光学装置の製作の容易化及び低
価格化を図ることができる。遮光膜を2つにした場合に
は、第2の遮光膜を第1の遮光膜と第1のレンズアレイ
との間に配置されるようにしているので、さらにクロス
トークの低減を図ることができる。
【0130】また、遮光膜が2つからなる場合に、第1
のレンズアレイと第2の遮光膜とがそれぞれ別の表面に
形成される基板と、第1の遮光膜と第2のレンズアレイ
とがそれぞれ別の表面に形成される基板とを、両基板の
遮光膜が形成された表面が対向するように、透明なスペ
ーサ板を挟んだ状態で固定されるようにしているので、
光学装置の製作を容易にし、かつ低価格化を図ることが
できる。
【0131】また、この発明に係る光学装置を、画像読
み取り装置又は画像形成装置に利用することにより、こ
れらの装置の小型化及び低価格化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学装置を用いた画像読み取り装
置の一部を断面して示す図である。
【図2】本発明に係る光学装置の一部を断面して示す図
である。
【図3】本発明に係る光学装置への入射光の状態を示す
図である。
【図4】バイナリレンズを用いた本発明の光学装置の一
部を断面して示す図である。
【図5】本発明に係る別の構成例の光学装置の一部を断
面して示す図である。
【図6】図5の光学装置により形成された像の照度分布
を示す図である。
【図7】本発明に係るさらに別の光学装置の構成例を示
す図である。
【図8】図7の光学装置の一部を断面して示す図であ
る。
【図9】図7に示したレンズアレイ(50c,80c)
の一部分の拡大配置図である。
【図10】各種レンズの形状を表した断面図を示す。
【図11】本発明に係る光学装置において、遮光膜が一
つの場合の実施例の構成を示す図である。
【図12】本発明に係る光学装置において、遮光膜が一
つの場合の実施例の構成を示す図である。
【図13】本発明の光学装置に用いるバイナリレンズの
作成工程を示す図である。
【図14】本発明の光学装置に用いるバイナリレンズの
作成工程を示す図である。
【図15】本発明の光学装置の遮光膜の作成工程を示す
図である。
【図16】本発明の光学装置の遮光膜の作成工程を示す
図である。
【図17】本発明の一応用例であるイメージスキャナの
構成を示す図である。
【図18】図17の主要部を拡大した図である。
【図19】図18の導光板の拡大側面断面図である。
【図20】本発明を利用した光プリンタの構成を示す図
である。
【図21】従来のマイクロレンズアレイによる光学装置
の構成を示す図である。
【符号の説明】
22 光学装置 31 第1の基板 33 遮光膜 34 第2の遮光膜 35 スペーサ板 36 第2の基板 38 第1の遮光膜 39 遮光膜 50 第1のレンズアレイ 51,52,53… レンズ 61,62.63… アパチャー(透孔) 71,72,73… アパチャー(透孔) 80 第2のレンズアレイ 81,82,83… レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 1/036 (72)発明者 安部 文隆 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/028 - 1/036 H04N 1/04 - 1/207

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に対して倒立した縮小実像を形成
    する複数のレンズからなる第1のレンズアレイと、 前記縮小実像を所定の倍率で拡大しかつ正立像にするよ
    うに、前記第1のレンズアレイの各レンズに対応した位
    置に配置された複数のレンズからなる第2のレンズアレ
    イと、 前記第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に
    配置され、前記第1のレンズアレイの各レンズからの射
    出光を通過させるように各レンズに対向する位置に透孔
    が形成された複数の遮光膜とを備え、前記遮光膜が、第
    1の遮光膜と第2の遮光膜からなり、 前記第2の遮光膜が、前記第1の遮光膜と前記第1のレ
    ンズアレイとの間であって、第1の遮光膜と第2の遮光
    膜とが所定の間隔を保持されるように配置されることを
    特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の遮光膜が、前記第1のレンズ
    アレイの各レンズにより形成される縮小実像の像面の位
    置に配置されることを特徴とする請求項1記載の光学装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の遮光膜と前記第2のレンズア
    レイとの間隔、前記第2の遮光膜と前記第1のレンズア
    レイとの間隔、および前記第1の遮光膜と前記第2の遮
    光膜との間隔が、それぞれほぼ等しくなるように構成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の遮光膜と前記第2の遮光膜と
    が、前記第1のレンズアレイの各レンズから、前記第2
    のレンズアレイの対応するレンズへの光路を実質的に制
    限しないが、前記第1のレンズアレイの各レンズから前
    記第2のレンズアレイの対応するレンズの隣接レンズへ
    の光路を実質的に遮蔽するような開口幅の透孔をそれぞ
    れ有することを特徴とする請求項3記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のレンズアレイと前記第2の遮
    光膜とが第1の基板の2つの表面にそれぞれ形成され、 前記第2のレンズアレイと前記第1の遮光膜とが第2の
    基板の2つの表面にそれぞれ形成され、 第1の基板と第2の基板が、それぞれ遮光膜が形成され
    た面で対向され、透明なスペーサ板を挟んだ状態で固定
    されてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に
    記載の光学装置。
  6. 【請求項6】 対象物に対して倒立した縮小実像を形成
    する複数のレンズからなる第1のレンズアレイと、 前記縮小実像を所定の倍率で拡大しかつ正立像にするよ
    うに、前記第1のレンズアレイの各レンズに対応した位
    置に配置された複数のレンズからなる第2のレンズアレ
    イと、 前記第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に
    配置され、前記第1のレンズアレイの各レンズからの射
    出光を通過させるように各レンズに対向する位置に透孔
    が形成された第1及び第2の遮光膜とを備え、前記第1
    のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとがそれぞれ
    異なる基板の一方の表面に形成され、第1及び第2の遮
    光膜とが所定の間隔を保持されて前記各基板の他方の表
    面上に配置され、各基板の前記一方の表面上であって
    1及び第2のレンズアレイの各レンズが存在しない表
    部分が遮光性を有し、前記第1及び第2のレンズアレイ
    の各レンズが同一開口幅を持ち、かつ等間隔に整列され
    ており、第1レンズアレイと第2レンズアレイの少なく
    とも一方のレンズアレイの各レンズの前記開口幅が、各
    レンズ間のピッチと、各レンズによって形成される縮小
    実像の縮小率との積の偶数倍であるように設定されたこ
    とを特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のレンズアレイの各レ
    ンズが、いずれも矩形の形状からなることを特徴とする
    請求項6記載の光学装置。
  8. 【請求項8】 前記第1のレンズアレイ及び前記第2の
    レンズアレイの各レンズが、フレネルレンズであること
    を特徴とする請求項1または6に記載の光学装置。
  9. 【請求項9】 前記フレネルレンズが、表面に複数段の
    階段状の凸面を備えてなるバイナリレンズによって構成
    されることを特徴とする請求項8記載の光学装置。
  10. 【請求項10】 前記第2のレンズアレイの各レンズ
    が、その形状の中心と光学的な中心とを偏心させて形成
    されてなることを特徴とする請求項9に記載の光学装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第2のレンズアレイの各レンズの
    光学的な中心が、レンズの形状の縁部上又はその外部に
    あることを特徴とする請求項10記載の光学装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のレンズアレイおよび第2の
    レンズアレイが、同一ピッチで整列した2列のレンズ群
    からなり、それぞれのレンズ群から得られる実像が合成
    されて、一つの実像を形成するように構成されたことを
    特徴とする請求項11記載の光学装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項1または6に記載した光学
    装置と、光照射装置と、光照射装置から照射され光学装
    置を通過した光によって結像された実像を光電変換する
    イメージセンサとを備えたことを特徴とする画像読み取
    り装置。
  14. 【請求項14】 前記光照射装置が、光源と、読みとる
    べき画像と前記光学装置との間に配置され、かつ前記光
    源からの光を前記画像へ導き照射する導光装置とから構
    成されることを特徴とする請求項13記載の画像読み取
    り装置。
  15. 【請求項15】 前記導光装置は、光透過性の物質から
    なり、前記光源からの光を前記物質内へ受け入れるため
    の受光口と、該受光口が受け入れた前記光源からの光を
    前記物質内で反射する第1の反射体と、第1の反射体が
    反射した光を前記物質内で反射する第2の反射体と、第
    2の反射体が反射した光を透過させ前記画像へ照射する
    ための照射口と、前記画像から反射され前記照射口を経
    た反射光を前記光学装置へ透過させるための透過口とを
    備える導光板からなることを特徴とする請求項14記載
    の画像読み取り装置。
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