JPH0912031A - ロール状物輸送用パレット及びロール状物段積構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】表裏両面の対応位置に形成された同一軸方向に
延びた１個若しくは２個以上の横断面半円状凹部と、裏
面若しくは表裏両面に於いて横断面半円状凹部を横切っ
て形成された２個のフォーク挿入孔と、表面に形成され
た嵌合用凹部とを有するロール状物輸送用パレット及び
該パレット複数段重ね、その横断面半円状凹部にロール
状物を包囲してなるロール状物段積構造。 【効果】ロール状物を段積でき、輸送時に荷崩れを起こ
しにくく、輸送や貯蔵時のスペースを節減でき、且つロ
ール状物を傷つけない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール状に巻き取られ
た食品包装用フィルム、熱成形用シート、発泡シートの
如きロール状物を輸送する際に好適に使用することがで
きるロール状物輸送用パレット及びロール状物段積構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ロール状物を輸送する方法として、例え
ば両サイドを木等で介物をし、ロール状物を横にしてパ
レット上に俵積みして輸送する方法がある。

【０００３】しかしながら、この場合には、次のような
欠点がある。 （１）ロール状物を俵積みしたパレットを段積みするこ
とができず、輸送及び貯蔵スペースが大きくなる。

【０００４】（２）パレット上でロール状物を俵積みす
る為にロール状物を傷つけ易い。 （３）径が違う場合には、パレット上でロール状物を安
定に俵積みすることができない。

【０００５】ロール状物を輸送する他の方法として、例
えばロール状物を縦にしてパレット上に載せて輸送する
方法がある。しかしながら、この場合には次のような欠
点がある。

【０００６】（１）ロール状物の長さが一定でない場合
には、ロール状物を載せたパレットを段積みすることが
できず、輸送及び貯蔵スペースが大きくなる。 （２）ロール状物を縦にしてパレット上に載せる為にロ
ール状物の端部を傷つけ易い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ロール
状物を傷つけずに輸送することができ、径及び長さが異
なる場合にもロール状物を安定に載せることができ、且
つロール状物を載せたパレットを段積みすることができ
るロール状物輸送用パレットについて研究を進めた結
果、本発明に到達した。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、表裏両面の対
応位置に形成された同一軸方向に延びた１個若しくは２
個以上の横断面半円状凹部と、裏面に若しくは表裏両面
の対応位置に於いて横断面半円状凹部を横切って形成さ
れた２個のフォーク挿入孔と、表面に形成された嵌合用
凸部と、裏面に形成された嵌合用凹部とを有することを
特徴とするロール状物輸送用パレットに関する。

【０００９】更に、本発明は、表裏両面の対応位置に形
成された同一軸方向に延びた１個若しくは２個以上の横
断面半円状凹部と、裏面に若しくは表裏両面の対応位置
に於いて横断面半円状凹部を横切って形成された２個の
フォーク挿入孔と、表面の四隅に形成された嵌合用凸部
と、裏面の四隅に形成された嵌合用凹部とを有し、且つ
合成樹脂発泡体によって一体に成形されているロール状
物輸送用パレットを、上記嵌合用凸部と嵌合用凹部とを
嵌合させて複数段積み重ね、上下段の該パレットの横断
面半円状凹部によりロール状物の全周を包囲して支持す
ることを特徴とするロール状物段積構造に関する。

【００１０】

【実施例】以下、図面に従って本発明を説明する。図１
は本発明に係わるロール状物輸送用パレットの一例を示
す平面図、図２は図１に示したロール状物輸送用パレッ
トの底面図、図３は図１に示したロール状物輸送用パレ
ットの正面図、図４は図１に示したロール状物輸送用パ
レットの右側面図、図５は図１に於けるＡ−Ａ線断面
図、図６は図１に於けるＢ−Ｂ線断面図、図７は図１に
於けるＣ−Ｃ線断面図、図８は本発明に係わるロール状
物段積構造を説明する断面図、図９は本発明に係わるロ
ール状物輸送用パレットの他の例を示す平面図、図１０
は図９に示したロール状物輸送用パレットの底面図、図
１１は図９に示したロール状物輸送用パレットの正面
図、図１２は図９に示したロール状物輸送用パレットの
右側面図、図１３は図９に於けるＡ−Ａ線断面図、図１
４は図９に於けるＢ−Ｂ線断面図及び図１５は図９に於
けるＣ−Ｃ線断面図である。

【００１１】図１乃至図７に示すロール状物輸送用パレ
ットは、表裏両面の対応位置に形成された同一方向に延
びた２個の横断面半円状凹部１を有している。横断面半
円状凹部１の径は、パレット上に載せて輸送しようとす
るロール状物の径とほぼ同等若しくはそれよりも僅かに
大きくすることが好ましい。また、横断面半円状凹部１
の長さは、パレット上に載せて輸送しようとするロール
状物の長さとほぼ同等若しくはそれよりも僅かに長くす
ることが好ましい。更に、図示したロール状物輸送用パ
レットには、裏面に横断面半円状凹部１を横切って２個
のフォーク挿入孔２が形成されている。

【００１２】図９乃至図１５に示すロール状物輸送用パ
レットは、表裏両面の対応位置に形成された同一方向に
延びた２個の横断面半円状凹部１を有している。横断面
半円状凹部１の径は、パレット上に載せて輸送しようと
するロール状物の径とほぼ同等若しくはそれよりも僅か
に大きくすることが好ましい。また、横断面半円状凹部
１の長さは、パレット上に載せて輸送しようとするロー
ル状物の長さとほぼ同等若しくはそれよりも僅かに長く
することが好ましい。更に、図示したロール状物輸送用
パレットには、表裏両面の対応位置に横断面半円状凹部
１を横切って２個のフォーク挿入孔２が形成されてい
る。

【００１３】上記図１〜１２で図示したロール状物輸送
用パレットに於いては、同一軸方向に延びた横断面半円
状凹部１を表裏両面の対応位置に２個ずつ形成されてい
るが、パレット上に載せて輸送しようとするロール状物
の数に応じて１個若しくは３個以上としてもよい。尚、
段積時の安定性を考慮すると、横断面半円状凹部１を該
位置に２個以上形成することが好ましい。

【００１４】また、図示したロール状物輸送用パレット
は、表面の四隅に円筒状嵌合用凸部３を有し、且つ裏面
の四隅に円筒状嵌合用凹部４を有している。図示したロ
ール状物輸送用パレットに於いては、表面又は裏面の四
隅に円筒状嵌合用凸部３又は円筒状嵌合用凹部４を形成
しているが、必要に応じて各面に於いて隅と隅の中間等
の他の位置に隅部と同様の円筒状嵌合用凸部３又は円筒
状嵌合用凹部４を形成してもよい。尚、図示したロール
状物輸送用パレットに於いては、嵌合用凸部３及び嵌合
用凹部４の形状を円筒状としているが、必要に応じて角
筒状等の他の形状としてもよい。

【００１５】本発明に係わるロール状物輸送用パレット
は、合成樹脂発泡体により形成することが軽量化できる
ので好ましい。合成樹脂としては、例えば低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン
共重合体の如きポリオレフィン樹脂等を挙げることがで
き、強度に優れている点からポリエチレン及びポリプロ
ピレン系樹脂が好ましく、耐熱性や熱寸法安定性に優れ
ている為にポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。

【００１６】本発明に係わるロール状物輸送用パレット
は、押出発泡成形法、発泡粒子成形法等の発泡成形法に
より成形することができ、一体成形が可能で成形物の強
度が優れている為に発泡粒子成形法が好ましい。

【００１７】発泡粒子成形法によりロール状物輸送用パ
レットを成形するには、例えば合成樹脂粒子と発泡剤と
分散剤とを水中に分散させ、次いで合成樹脂粒子が軟化
する温度以上、例えば１２０〜１７０℃に加熱し、且つ
発泡剤の蒸気圧程度、例えば１０〜４０ｋｇ／ｃｍ²に
加圧して発泡剤を合成樹脂粒子に含浸させ、次いで大気
圧に放出することにより発泡嵩倍率５〜４０倍、好まし
くは５〜１５倍の合成樹脂予備発泡粒子を得る。

【００１８】ここで使用し得る発泡剤としては、例えば
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロペンタン等の
環式脂肪族炭化水素類、トリクロロフロロメタン、ジク
ロロジフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メ
チルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライ
ド等のハロゲン化炭化水素類及び二酸化炭素、窒素、空
気等の無機ガス類を挙げることができる。

【００１９】得られた合成樹脂予備発泡粒子を所定形状
の金型に充填し、加熱して発泡膨張させ、粒子相互間を
融着させてロール状物輸送用パレットを得る。合成樹脂
予備発泡粒子を発泡膨張させる為の加熱手段としては通
常２〜５ｋｇ／ｃｍ²の加圧水蒸気を加熱媒体とする加
熱手段が好ましい。

【００２０】本発明に係わるロール状物輸送用パレット
を製造するに当たっては、複数の構成部品をそれぞれ発
泡成形した後、それらを組立接着してもよいし、一体に
発泡成形してもよいが、得られるロール状物輸送用パレ
ットが強度に優れる点から一体に発泡成形することが好
ましい。

【００２１】本発明に係わるロール状物輸送用パレット
は、輸送及び貯蔵の際に、図８に示すロール状物段積構
造のように、横断面半円状凹部１内にロール状物５を載
せた後に、嵌合用凸部３及び嵌合用凹部４を嵌合させて
ロール状物５の全周を包囲して支持する状態で段積みす
ることにより、輸送及び貯蔵スペースを大幅に節約する
ことができ、且つその際にロール状物５が横断面半円状
凹部１内に個別に収納されることにより、ロール状物５
を傷つけることがなく、積載荷重が下段に位置するロー
ル状物５及びパレットに分散され、偏荷重により、ロー
ル状物５が変形する虞もない。また、ロール状物を下部
のパレットと上部のパレットとの横断面半円状凹部１内
に寸法的にほどよく納めると、輸送の際に多段に積んで
も振動による荷崩れを起こすことがなく、しかも下部パ
レットの嵌合用凸部３と上部パレットの嵌合用凹部４と
を嵌合させているため、一層安定した状態を維持するこ
とができる。

【００２２】尚、本発明のロール状物輸送用パレット
は、嵌合用凸部３が形成された面が上となり、嵌合用凹
部４が形成された面が下となるように通常使用される。
また、本発明のロール状物輸送用パレットが上下面にフ
ォーク挿入孔が形成された場合、嵌合用凸部３が充分に
強度が高いならば、嵌合用凸部３が形成された面を下に
して使用することもできる。

【００２３】

【発明の効果】本発明に係わるロール状物輸送用パレッ
トは、ロール状物５を載せて段積みし輸送してもロール
状物５を傷つけることがなく、しかも荷崩れがしにく
く、更に輸送及び貯蔵時にスペースを節約することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるロール状物輸送用パレットの一
例を示す平面図である。

【図２】図１に示したロール状物輸送用パレットの底面
図である。

【図３】図１に示したロール状物輸送用パレットの正面
図である。

【図４】図１に示したロール状物輸送用パレットの右側
面図である。

【図５】図１に於けるＡ−Ａ線断面図である。

【図６】図１に於けるＢ−Ｂ線断面図である。

【図７】図１に於けるＣ−Ｃ線断面図である。

【図８】本発明に係わるロール状物段積構造を説明する
断面図である。

【図９】本発明に係わるロール状物輸送用パレットの他
の例を示す平面図である。

【図１０】図９に示したロール状物輸送用パレットの底
面図である。

【図１１】図９に示したロール状物輸送用パレットの正
面図である。

【図１２】図９に示したロール状物輸送用パレットの右
側面図である。

【図１３】図９に於けるＡ−Ａ線断面図である。

【図１４】図９に於けるＢ−Ｂ線断面図である。

【図１５】図９に於けるＣ−Ｃ線断面図である。

【符号の説明】

１ 横断面半円状凹部 ２ フォーク挿入孔 ３ 嵌合用凸部 ４ 嵌合用凹部 ５ ロール状物

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表裏両面の対応位置に形成された同一軸
   方向に延びた１個若しくは２個以上の横断面半円状凹部
   と、裏面に於いて横断面半円状凹部を横切って形成され
   た２個のフォーク挿入孔と、表面に形成された嵌合用凸
   部と、裏面に形成された嵌合用凹部とを有することを特
   徴とするロール状物輸送用パレット。
2. 【請求項２】 表裏両面の対応位置に形成された同一軸
   方向に延びた１個若しくは２個以上の横断面半円状凹部
   と、表裏両面の対応位置に於いて横断面半円状凹部を横
   切って形成された２個のフォーク挿入孔と、表面に形成
   された嵌合用凸部と、裏面に形成された嵌合用凹部とを
   有することを特徴とするロール状物輸送用パレット。
3. 【請求項３】 表面の四隅に嵌合用凸部が形成されてお
   り、裏面の四隅に嵌合用凹部が形成されている請求項１
   又は２のいずれか一つに記載のロール状物輸送用パレッ
   ト。
4. 【請求項４】 合成樹脂発泡体により形成されている請
   求項１、２又は３のいずれか一つに記載のロール状物輸
   送用パレット。
5. 【請求項５】 表裏両面の対応位置に形成された同一軸
   方向に延びた１個若しくは２個以上の横断面半円状凹部
   と、裏面に若しくは表裏両面の対応位置に於いて横断面
   半円状凹部を横切って形成された２個のフォーク挿入孔
   と、表面の四隅に形成された嵌合用凸部と、裏面の四隅
   に形成された嵌合用凹部とを有し、且つ合成樹脂発泡体
   によって一体に成形されているロール状物輸送用パレッ
   トを、上記嵌合用凸部と嵌合用凹部とを嵌合させて複数
   段積み重ね、上下段の該パレットの横断面半円状凹部に
   よりロール状物の全周を包囲して支持することを特徴と
   するロール状物段積構造。