JPH0911674A - カード - Google Patents

カード

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JPH0911674A
JPH0911674A JP7191278A JP19127895A JPH0911674A JP H0911674 A JPH0911674 A JP H0911674A JP 7191278 A JP7191278 A JP 7191278A JP 19127895 A JP19127895 A JP 19127895A JP H0911674 A JPH0911674 A JP H0911674A
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JP
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card
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heat
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Application number
JP7191278A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Oshima
克之 大嶋
Jiro Onishi
二郎 大西
Mikiko Kudo
美紀子 工藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の品質あるいは特性を備えた画像や文
字、記号等の情報を有する偽造防止性に優れたカードで
あって高耐久性のカードを提供する。 【構成】 アクリル樹脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体およびポリエステル樹脂を主成分とした
保護層を、カード基材の少なくとも一方の面に形成され
た画像、文字、記号等の情報の少なくとも一部を覆うよ
うに設けてカードを構成し、偽造防止性に優れ、かつ、
高耐久性のカードを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカードに係り、特に
IDカードのような画像や文字、記号等の情報を有する
カードであって耐久性に優れたカードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、身分証明書、運転免許書、会員証
等の多くのカードが使用され、これらのカードには所有
者の身分等を明らかにする各種情報が記録されている。
特に、IDカード等においては、住所、氏名等の文字情
報とともに顔写真の画像が最も重要である。
【0003】各種カードに顔写真を付与する方法とし
て、顔写真をカード基材の所定の部位に接着剤を用いて
貼着する方法があるが、この方法はその操作が非常に煩
雑であり、また、カード表面に凹凸が生じて平滑性が失
われ、さらに、顔写真の貼り替えによって改ざんや偽造
が容易であるという問題があった。
【0004】このため、各種の画像や文字、記号等の形
成が簡便である熱転写方式を用いてカードに所望の情報
を記録することが行われている。熱転写方式としては、
従来より感熱昇華転写方式と感熱溶融転写方式が広く用
いられている。
【0005】このうち、感熱昇華転写方式は、色材とし
て用いる昇華性染料をバインダ樹脂に溶融あるいは分散
させた染料層を基材シ−トに担持させた熱転写シートを
カード基材に重ね、サーマルヘッド等の加熱デバイスに
画像情報に応じたエネルギーを印加することにより、熱
転写シート上の染料層中に含まれる昇華性染料をカード
基材に移行させて画像を記録する方法である。この感熱
昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量
によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、
顔写真等の階調性画像には優れるが、文字や記号等の情
報画像は濃度及びシャープさが不足し、光学的読み取り
の対象となるOCR文字、バーコード等の記録には適さ
ないものであった。
【0006】また、感熱溶融転写方式は、基材シート上
に顔料等の着色剤およびワックス等のビヒクルを含有す
る熱溶融性インキ層を設けた熱転写シートをカード基材
に重ね、サーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に
応じたエネルギーを印加することにより、軟化した熱溶
融性インキ層成分をカード基材に転写させて画像を記録
する方法である。この感熱熱溶融転写方式は、文字や記
号等のような単調な画像の形成は容易であるが、顔写真
等のような階調性画像の形成が困難であるという欠点が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような熱転写方
式を用いたカードへの画像や文字、記号等の情報記録の
問題を解決するために、感熱昇華転写方式の熱転写シー
トと感熱溶融転写方式の熱転写シートとを併用して情報
を記録すること、あるいは、連続した基材シート上に染
料層と熱溶融性インキ層とを面順次に設けた複合熱転写
シートを使用して情報を記録することが行われている。
【0008】しかしながら、感熱昇華転写方式や感熱溶
融転写方式により記録された画像や文字、記号等の情報
を有するカードは、上記の情報のうち特に感熱昇華転写
方式により記録された顔写真等のような画像情報が、耐
擦過性や可塑剤等に対する耐薬品性等の耐性に劣り、こ
のため、IDカード等の各種耐久性が要求されるカード
としての使用に供し得ないという問題があった。
【0009】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、所望の品質あるいは特性を備えた画像や
文字、記号等の情報を有する偽造防止性に優れたカード
であって高耐久性のカードを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明はカード基材と、該カード基材の少な
くとも一方の面に熱転写方式によって形成された画像、
文字、記号等の情報と、前記情報の少なくとも一部を覆
うように設けられた保護層を備え、該保護層はアクリル
樹脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およ
びポリエステル樹脂との混合物を主成分として形成され
ているような構成とした。
【0011】また、本発明は、前記情報のうち少なくと
も感熱昇華転写方式により形成された情報は前記保護層
によって覆われているような構成、前記情報のうち画像
は感熱昇華転写方式により形成され、文字、記号等の他
の情報は感熱溶融転写方式により形成されたものであ
り、前記画像は前記保護層によって覆われているような
構成、前記情報のうち画像は感熱昇華転写方式により形
成され、文字、記号等の他の情報は感熱溶融転写方式に
より形成されたものであり、前記情報は全て前記保護層
によって覆われているような構成、前記画像はフルカラ
ー画像であるような構成、あるいは前記画像は黒色画像
であるような構成とした。
【0012】さらに、本発明は、前記保護層を接着層を
介して前記カード基材上に設けた構成、前記接着層が塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とした層である
ような構成とした。
【0013】このような本発明のカードにおいて、アク
リル樹脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
およびポリエステル樹脂との混合物を主成分とする保護
層は、カード基材の少なくとも一方の面に形成された画
像、文字、記号等の情報の少なくとも一部を覆うように
設けられており、この保護層により覆われたカード基材
上の情報は外部から加わる力や薬品等に対して良好な耐
性を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0015】図1は本発明のカードの一実施例を示す概
略断面図である。図1において、カード1は、カード基
材2と、このカード基材2の一方の面に感熱昇華転写方
式により記録された情報4を有し、この情報4を覆うよ
うに接着層6を介して保護層5が設けられている。上記
の情報4は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色、ある
いは必要に応じて黒色を加えた4色のフルカラー画像4
aと、文字、記号等の他の情報4bとからなっている。
【0016】上述の図1に示されるカード1では、情報
4全体が保護層5に覆われており、カード基材2上の情
報4は外部からの力、薬品等に対して良好な耐性を有す
る。
【0017】本発明のカード1を構成する保護層5は、
アクリル樹脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体およびポリエステル樹脂との混合物を主成分とする
ものである。
【0018】アクリル樹脂は透明性に優れており、比較
的強靭な被膜を形成することができ、保護層5に硬度を
もたせ、耐擦過性や耐薬品性等の耐久性を付与すること
ができる。また、後述するような熱転写方式による保護
層形成においてカード基材上への転写時の膜切れを良好
なものとすることができる。
【0019】ワックスは、保護層5に滑り性を付与する
ために保護層5に含有される。使用されるワックスとし
ては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナ
ウバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロ
プシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、
ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワ
ックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部
変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を挙げ
ることができる。
【0020】上記のワックスの使用量は、アクリル樹脂
100重量部当り0.5〜10重量部の範囲が好まし
い。ワックスの使用量が0.5重量部未満であると、保
護層5の耐擦過性が不十分となり、また、10重量部を
超えると、保護層5の耐久性や透明性が不十分となり好
ましくない。
【0021】また、保護層5を構成する成分として上記
のアクリル樹脂やワックスとともに用いられる塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体は、保護層5に可撓性を付与
し、また、ポリエステル樹脂は、後述する熱転写による
保護層5の形成時に保護層の剥離性を調整するものであ
る。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の添加量はアクリ
ル樹脂100重量部当り5〜40重量部程度、ポリエス
テル樹脂の添加量はアクリル樹脂100重量部当り0.
01〜5重量部程度が好ましい。
【0022】さらに、保護層5には、実質的に透明な無
機または有機の微粒子を含有させることができる。この
ような微粒子を含有させることによって、後述する保護
層の転写形成時の膜切れが向上し、さらに、保護層5の
耐擦過性等を更に向上させることができるとともに、保
護層5の表面光沢を抑えてマット調の表面を得ることが
できる。上記の微粒子としては、シリカ、テフロンパウ
ダー、ナイロンパウダー等の比較的透明性の高いものが
挙げられる。微粒子の使用量はアクリル樹脂に対して1
〜30重量%が好ましく、使用量が30重量%を超える
と、保護層5の透明性および耐久性が低下してしまう。
【0023】さらに、保護層5に紫外線吸収剤、酸化防
止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることによっ
て、カード基材に転写された後の保護層5で覆われる画
像等の情報の光沢、耐光性、耐候性、白色度等を向上さ
せることができる。
【0024】また、接着層6は、保護層5とカード基材
2との接着性を良好にするためのものであり、例えば、
アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等のように、熱
溶融接着性の良好な樹脂の溶液を塗布、乾燥することに
よって形成することができる。後述するように、カード
基材2の表面がポリ塩化ビニル樹脂により構成されてい
る場合、ポリ塩化ビニル樹脂との接着性が良好で膜切れ
の良い感熱接着剤として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができ
る。この接着層6の厚みは、0.5〜10μm程度とす
ることができる。また、接着層6に紫外線吸収剤、酸化
防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることによっ
て、接着層6により覆われる画像等の情報の光沢、耐光
性、耐候性、白色度等を向上させることができる。
【0025】図2は本発明のカードの他の実施例を示す
概略断面図である。図2において、カード11は、カー
ド基材2と、このカード基材2の一方の面に感熱昇華転
写方式により記録された情報4および感熱溶融転写方式
により記録された情報8とを有し、情報4を覆うように
接着層6を介して保護層5が設けられている。上記の情
報4は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色、あるいは
必要に応じて黒色を加えた4色のフルカラー画像であ
る。また、情報8は文字、記号等の他の情報であり、熱
溶融性インキ層9と剥離OP層10で構成されている。
【0026】上述の図2に示されるカード11では、情
報4および情報8のうち、特に耐擦過性、可塑剤等に対
する耐薬品性等の耐久性に劣る情報4が保護層5に覆わ
れており、一方、情報8には上述のように剥離OP層1
0が設けられているため、カード基材2上の情報4およ
び情報8は外部からの力、薬品等に対して良好な耐性を
有する。
【0027】本発明のカード11の情報8を構成する熱
溶融性インキ層9は、着色剤とビヒクルとからなり、さ
らに必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。着
色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のう
ち、記録材料として良好な特性を有するもの、例えば、
十分な着色濃度を有し、光や熱等により変褪色しないも
のが好ましい。着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン
等を使用することができるが、高濃度で明瞭な文字や記
号等の情報を転写印字できる黒色の着色剤が好ましい。
【0028】ビヒクルとしては、ワックスを主成分と
し、その他ワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロース
およびゴムの誘導体等の混合物が用いられる。ワックス
としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カ
ルナウバワックス、パラフィンワックス、フィッシャー
トロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロ
ウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラッ
クワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、
一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を
挙げることができる。
【0029】このような熱溶融性インキ層9の厚みは
0.2〜10μm程度が好ましい。
【0030】剥離OP層10は、保護層5に使用するよ
うなワックス類や、シリコーンワックス、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等を用いて形成す
ることができる。このような剥離OP層10の厚さは
0.1〜5μm程度が好ましい。また、剥離OP層10
を備える情報8をマット調とする場合、剥離OP層10
中に、上述の保護層5に使用するような微粒子を含有さ
せてもよい。
【0031】尚、保護層5および接着層6は、上述のカ
ード1と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0032】図3は本発明のカードの他の実施例を示す
概略断面図である。図3において、カード21は、カー
ド基材2と、このカード基材2の一方の面に感熱昇華転
写方式により記録された情報4および感熱溶融転写方式
により記録された情報8とを有し、情報4および情報8
を覆うように接着層6を介して保護層5が設けられてい
る。上記の情報4は、イエロー、マゼンタ、シアンの3
色、あるいは必要に応じて黒色を加えた4色のフルカラ
ー画像である。また、情報8は文字、記号等の他の情報
であり、熱溶融性インキ層9と剥離OP層10で構成さ
れている。
【0033】上述の図3に示されるカード21では、情
報4および情報8が保護層5に覆われており、カード基
材2上の情報4および情報8は外部からの力、薬品等に
対して良好な耐性を有する。保護層5、接着層6、熱溶
融性インキ層9および剥離OP層10は、上述のカード
1、カード11と同様であり、ここでの説明は省略す
る。
【0034】また、図4は本発明のカードの他の実施例
を示す概略断面図である。図4において、カード31は
カード基材2と、このカード基材2の一方の面に感熱昇
華転写方式により記録された情報4とを有し、この情報
4を覆うように接着層6を介して保護層5が設けられて
いる。上記の情報4は、黒色の画像である。
【0035】上述の図4に示されるカード31では、情
報4が保護層5に覆われており、カード基材2上の情報
4は外部からの力、薬品等に対して良好な耐性を有す
る。保護層5および接着層6は、上述のカード1と同様
であり、ここでの説明は省略する。
【0036】さらに、図5は本発明のカードの他の実施
例を示す概略断面図である。図5において、カード41
はカード基材2と、このカード基材2の一方の面に感熱
昇華転写方式により記録された情報4と、他方の面に感
熱溶融転写方式により記録された情報8とを有し、上記
の情報4を覆うように接着層6を介して保護層5が設け
られている。情報4は、イエロー、マゼンタ、シアンの
3色、あるいは必要に応じて黒色を加えた4色のフルカ
ラー画像4aと、文字、記号等の他の情報4bとからな
る。また、情報8は文字、記号等の他の情報であり、熱
溶融性インキ層9と剥離OP層10で構成されている。
【0037】上述の図5に示されるカード41では、情
報4および情報8のうち、特に耐擦過性、可塑剤等に対
する耐薬品性等の耐久性に劣る情報4が保護層5に覆わ
れており、一方、情報8には上述のように剥離OP層1
0が設けられている。このため、カード基材2上の情報
4および情報8は外部からの力、薬品等に対して良好な
耐性を有する。
【0038】尚、保護層5、接着層6、熱溶融性インキ
層9および剥離OP層10は、上述のカード1、カード
11と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0039】本発明のカードは上述のような態様に限定
されるものではなく、例えば、図5に示されるようにカ
ード基材2の他の面にも情報を有する場合、感熱溶融転
写方式により記録された情報8の他に感熱昇華転写方式
により記録された情報4も有するものであってもよい。
また、このようにカード基材2の他の面に記録した情報
4および/または情報8も、保護層5で覆うようにして
もよい。
【0040】上述のような本発明のカードを構成するカ
ード基材2は、フルカラー画像のような感熱昇華転写方
式により記録される情報を有する面が染料の染着性を有
するものであれば特に制限はなく、ポリ塩化ビニル、ポ
リエステル等の樹脂製シート、金属製シート等を使用す
ることができる。また、カード基材2の厚みは、カード
の使用目的等に応じて適宜設定することができる。
【0041】図6は本発明のカードに使用することがで
きるカード基材の一例を示す概略断面図である。図6に
おいて、カード基材2はセンターコア2aの両面にポリ
塩化ビニル層2bが積層された3層構造を有している。
センターコア2aは、例えば、厚み0.1〜0.8mm
程度の白色硬質ポリ塩化ビニル樹脂シートを使用するこ
とができる。カード基材をこのような3層構造とするこ
とにより、熱転写方式による情報の記録時等のカール発
生を有効に防止することができる。
【0042】センターコア2aの両面に積層されたポリ
塩化ビニル層2bのうち、少なくともフルカラー画像の
ような感熱昇華転写方式により記録される情報を有する
側のポリ塩化ビニル層2bに染料の染着性をもたせるた
めに、ポリ塩化ビニル100重量部当り0.1〜10重
量部、好ましくは3〜5重量部の可塑剤を含有させるこ
とができる。可塑剤の含有量が0.1重量部未満である
と、ポリ塩化ビニル層2bの染料に対する染着性が不十
分であり、熱転写時に熱転写シートの染料層がそのまま
転写するという異常転写が発生し、一方、可塑剤の含有
量が10重量部を超えると、ポリ塩化ビニル層2bの剛
性が不足し柔らかくなり、また、保存中に染料画像にに
じみが生じることがあり好ましくない。使用する可塑剤
としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジn−オクチ
ル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノ
ニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、
フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)、セバチン酸ジ(2−エチルヘキシル)、リン
酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、
ポリエチレングリコールエステル、エポキシ脂肪酸エス
テル等、従来公知の可塑剤を挙げることができる。
【0043】また、上記の可塑剤に加えて、ポリ塩化ビ
ニル100重量部当り0.1〜5重量部の滑剤を含有さ
せることによって、可塑剤を比較的多量に、例えば、5
〜10重量部の割合でポリ塩化ビニル層2bに含有させ
ても、熱転写方式による情報の記録時にカード基材と熱
転写シートとがブロッキングを生じることが防止され、
また、ポリ塩化ビニル層2bの染料の染着性が更に向上
する。滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸アミド、ワック
ス、パラフィン等の従来公知のいずれの滑剤も使用する
ことができる。さらに、ポリ塩化ビニル層2bには、着
色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も任
意に含有させることができる。
【0044】また、センターコア2aの両面に積層され
たポリ塩化ビニル層2bのうち、少なくともフルカラー
画像のような感熱昇華転写方式により記録される情報を
有する側のポリ塩化ビニル層2bを透明とすることによ
り、画像の深み、立体感を向上させることができる。
【0045】上述のようなカード基材2には、予め、あ
るいは情報を記録した後、その表面に磁気記録層、光メ
モリー、ICメモリー、バーコード等を設けることがで
きる。
【0046】カード基材2は、上述の例では3層構造で
あるが、本発明は3層以上の多層構造の基材シートを使
用することもできる。
【0047】上述のようなカード基材2上への感熱昇華
転写方式による情報4の記録、あるいは感熱溶融転写方
式による情報8の記録は、それぞれ従来公知の感熱昇華
転写方式の熱転写シート、感熱溶融転写方式の熱転写シ
ートを用いて行うことができる。
【0048】感熱昇華転写方式の熱転写シートは、色材
として用いる昇華性染料をバインダ樹脂に溶融あるいは
分散させた染料層をプラスチックフィルム等の基材シ−
トに担持させた熱転写シートである。また、感熱溶融熱
転写方式の熱転写シートは、顔料または染料等の色材と
ワックスまたは熱可塑性樹脂からなる溶融インキ層をプ
ラスチックフィルム等の基材シ−トに担持させた熱転写
シートである。
【0049】1つのカード基材2上に感熱昇華転写方式
による情報4の記録と感熱溶融転写方式による情報8に
記録を行う場合、両方式の熱転写シートを併用して記録
を行うこともできるが、基材シート上に染料層と溶融イ
ンキ層とを面順次に設けた複合熱転写シートを使用して
記録することが好ましい。このような複合熱転写シート
は、後述する保護層を備えた複合熱転写シートの昇華転
写部分、溶融転写部分と同様であるので、ここでの説明
は省略する。
【0050】上記の熱転写方式により記録された情報の
耐久性を向上させるための保護層5は、塗布・乾燥、透
明フィルムのラミネート、保護層転写シートを用いた転
写等いずれの方法によっても形成することができる。こ
の保護層5は、図示例のように少なくとも感熱昇華転写
方式により記録された情報4を覆うように形成すること
が必要であるが、カード基材の全面に形成してもよいこ
とは、上述の実施例に示したとおりである。
【0051】この保護層5の形成は、熱転写方式による
情報の記録工程と別の工程で行ってもよく、また、基材
シート上に染料層と熱溶融インキ層と保護層を面順次に
設けた複合熱転写シートを使用して、熱転写方式による
情報の記録と同時に行うこともできる。
【0052】図7は、上記の複合熱転写シートの一例を
示す概略断面図である。図7において、複合熱転写シー
ト51は、基材シート52の一方の面に保護層53と接
着層54との積層体、剥離OP層55と熱溶融性インキ
層56との積層体、および、イエロー、マゼンタ、シア
ンの各色相からなる昇華性染料を含有する染料層57
(57Y、57M、57C)とが面順次に形成され、基
材シート52の他の面には背面層58が形成された構造
である。
【0053】この複合熱転写シート51を構成する基材
シート52としては、従来の熱転写シートに使用される
基材シートを用いることができる。好ましい基材シ−ト
の具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン
紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエ
チレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチ
ルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸ある
いは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが
挙げられる。この基材シ−ト52の厚さは、強度および
耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択する
ことができるが、通常は1〜100μm程度のものが好
ましく用いられる。
【0054】複合熱転写シート51を構成する保護層5
3は、上述の保護層5と同様の層であり、アクリル樹
脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体および
ポリエステル樹脂との混合物等から形成される。
【0055】基材シート52上に保護層53を形成する
方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の公知の手段を用いて、透明樹脂と
ワックスとを混合したインキを基材シート52上に塗
布、乾燥する方法が挙げられる。
【0056】尚、基材シート52と保護層53との間に
離型層を設けてもよい。この場合の離型層は、ワックス
類、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、
酢酸セルロース等を主成分とする塗布液を用い、グラビ
アコート法、グラビアリバースコート法等の従来公知の
方法により塗布し乾燥して形成することができる。この
ような離型層の厚みは0.05〜2μm程度が好まし
い。
【0057】複合熱転写シート51を構成し、上記の保
護層53に積層される接着層54は、保護層53のカー
ド基材上への転写を容易にする作用をなすものである。
この接着層54は、上述の接着層6と同様の層として形
成することができる。
【0058】複合熱転写シート51を構成し、基材シー
ト52上に積層される剥離OP層55と熱溶融性インキ
層56は、上述の本発明のカードを構成する剥離OP層
10と熱溶融性インキ層9と同様の層として形成するこ
とができる。
【0059】剥離OP層55の形成は、ホットメルトコ
ート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビ
アリバースコート、ロールコート等の従来公知の手段を
用いて塗布、乾燥することにより行うことができる。
【0060】また、熱溶融性インキ層56には、カード
基材のポリ塩化ビニル面に転写形成される熱溶融性イン
キ層9に良好な接着性や耐スクラッチ性を付与するため
に、下記の樹脂バインダーを含有させることが好まし
い。
【0061】アクリル樹脂 アクリル樹脂+塩化ゴム アクリル樹脂+塩化ゴム/酢酸ビニル共重合体 アクリル樹脂+セルロース系樹脂 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 基材シート52に予め形成した剥離OP層55上への熱
溶融インキ層56の形成は、上述の剥離OP層55の形
成と同様の方法により行うことができる。
【0062】尚、基材シート52と剥離OP層55との
間に離型層を設けてもよい。この場合の離型層は、ワッ
クス類、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ウレタン樹
脂、酢酸セルロース等を主成分とする塗布液を用い、グ
ラビアコート法、グラビアリバースコート法等の従来公
知の方法により塗布し乾燥して形成することができる。
このような離型層の厚みは0.05〜2μm程度が好ま
しい。
【0063】複合熱転写シート51を構成する染料層5
7(57Y、57M、57C)は、バインダー樹脂に染
料を担持させた層である。
【0064】使用する染料としては、従来公知の感熱昇
華転写方式の熱転写シートに使用される染料を使用する
ことができ、特に制限はされない。具体的には、例え
ば、黄色染料として、ホロンブリリアントイエローS−
6GL、PTY−52、マクロレックスイエローS−6
G等が挙げられ、赤色染料としてMS レッド、マクロ
レックスレッドバイオレットR、セレスレッド7B、サ
マロンレッドHBSL、SKルビンSEGL等が挙げら
れ、さらに、青色染料として、カヤセットブルー71
4、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアント
ブルーS−R、MSブルー100、ダイトーブルーNo.1
等が挙げられる。
【0065】染料層57に使用するバインダーとして
は、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写シートに使用
されるバインダーを使用することができ、特に制限はさ
れない。具体的には、エチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ
ルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等の
セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル
系樹脂等が挙げられ、特にポリビニルアセタールやポリ
ビニルブチラール等が耐熱性や染料の熱移行性等の点か
ら好ましい。
【0066】また、本発明においては、上記のバインダ
ーに代えて次のような離型性グラフトコポリマーを離型
剤またはバインダーとして用いることができる。これら
の離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシ
ロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭
化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから
選ばれた少なくとも一種の離型性セグメントをグラフト
重合させてなるものである。
【0067】これらのうち、特に好ましいのはポリビニ
ルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメ
ントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーであ
る。このようなグラフトコポリマーは、例えば、官能基
を有するポリシロキサンとジイソシアネートとを反応さ
せてグラフト用のシリコーン鎖を製造し、このグラフト
用のシリコーン鎖をポリビニルアセタールにグラフトさ
せることによって得られる。具体的には、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネートと片末端に水酸基を有する
ジメチルポリシロキサンをメチルエチルケトンとメチル
イソブチルケトンとを1:1の割合で混合した溶媒中に
おいて、錫系触媒(例えばジブチル錫)を0.01〜1
00℃程度の反応温度にてグラフト用シリコーン鎖を製
造する。次に、このグラフト用シリコーン鎖とポリビニ
ルアセタール樹脂とをメチルエチルケトンとメチルイソ
ブチルケトンとを1:1の割合で混合した溶媒中におい
て反応させることによって、シリコーングラフトポリビ
ニルアセタール樹脂を製造することができる。
【0068】このようなグラフトコポリマーを染料層の
離型剤として用いる場合において、この離型剤における
離型性セグメントの含有量は、グラフトコポリマー中で
離型性セグメントの量が10〜80重量%となる割合が
好ましく、離型性セグメントの量が少なすぎると離型性
が不十分となり、一方多すぎるとバインダーとの相溶性
が低下し、染料の移行性等の問題が生じるので好ましく
ない。
【0069】また、上記の離型剤を染料層に添加する場
合は、単独でも混合物としても使用することができ、そ
の添加量はバインダー樹脂100重量部に対して1〜4
0重量部が好ましい。添加量が少なすぎると離型効果が
不十分であり、多すぎると染料層の染料の移行性や被膜
強度が低下し、また染料層中の染料の変色や熱転写シー
トの保存性の問題が生じて好ましくない。
【0070】一方、上記グラフトコポリマーを染料層の
バインダーとして使用する場合においては、このバイン
ダー樹脂における離型性セグメントの含有量は、バイン
ダー樹脂中で離型性セグメントの量が0.5〜40重量
%の割合であることが好ましく、離型性セグメントの量
が少なすぎると染料層の離型性が不十分となり、逆に多
すぎると染料層の染料の移行性や被膜強度が低下し、ま
た染料層中の染料の変色や熱転写シートの保存性の問題
が生じて好ましくない。
【0071】染料層57は、上述の染料とバインダーの
他に、必要に応じて公知の種々の添加剤を含有すること
ができる。
【0072】染料層57の形成は、例えば、適当な溶剤
中に上記の染料、バインダー、その他の添加剤を溶解ま
たは分散させて調製したインキをグラビアコート法等の
公知の手段により塗布、乾燥させることにより行うこと
ができる。染料層の厚みは0.2〜5μm程度、好まし
くは0.4〜2μm程度とすることができ、染料中の染
料は5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%程度
とする。
【0073】複合熱転写シート51を構成する背面層5
8は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シート5
2との熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で設け
られる。この背面層58に用いる樹脂としては、例え
ば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セル
ロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミ
ド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル
系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天
然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層
58の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水
酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤と
してポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とす
ることが好ましい。
【0074】さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与
するために、背面層58に固形あるいは液状の離型剤又
は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は
滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフ
ィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコー
ル、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸および
その誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タル
ク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることがで
きる。背面層58に含有される滑剤の量は5〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%程度である。
【0075】このような背面層58の厚みは0.1〜1
0μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度とすること
ができる。
【0076】また、複合熱転写シート51には、基材シ
ート52と、保護層53、剥離OP層55および染料層
57との密着性を向上させる目的で、基材シート52上
に接着層を形成してもよい。この接着層は、基材シート
52と、保護層53、剥離OP層55および染料層57
との接着をより強固とするものであればよく、例えば、
ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等を単独あるいは混合して塗
布、乾燥し形成することができる。また、必要に応じて
ポリイソシアネート等の反応性硬化剤を添加してもよ
く、さらに、チタネートおよびシラン系のカップリング
剤を使用してもよい。
【0077】
【実施例】次に、より具体的な実施例を示して本発明を
更に詳細に説明する。 (実施例1)下記の組成からなるカード基材用のセンタ
ーコア(厚み0.2mm)を準備した。
【0078】 (センターコアの組成) ・ポリ塩化ビニル(重合度800) … 100重量部 ・白色顔料(酸化チタン) … 10重量部 次に、下記組成からなる透明シート(厚み0.15m
m)を作製し、上記のセンターコアの両面に熱圧着させ
て3層構造のカード基材(54×86cm)を作製し
た。
【0079】 (透明シートの組成) ・ポリ塩化ビニル(重合度800) … 100重量部 ・可塑剤(DOP) … 3重量部 ・滑剤(ステアリン酸アミド) … 1重量部 また、下記の組成の3色の染料層用のインキを調製し
た。
【0080】 (イエローインキ) ・イエロー分散染料(マクロレックスイエロー6G バイエル社製 C.I.Disperse Yellow 201 ) … 5.5重量部 ・ポリビニルブチラール樹脂 積水化学(株)製 エスレックBX−1) … 4.5重量部 ・メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) …89.0重量部 (マゼンタインキ)分散染料としてマゼンタ分散染料C.
I.Disperse Red 60 を使用した他は上記のイエローイン
キと同様。
【0081】(シアンインキ)分散染料としてシアン分
散染料C.I.Solvent Blue 63 を使用した他は上記のイエ
ローインキと同様。
【0082】次いで、背面に背面層(厚み1μm)が形
成してあり、表面にポリエステル系樹脂からなる接着層
(厚み0.5μm)が形成してあるポリエステルフィル
ム(厚み4.5μm)を基材シートとして準備し、この
基材シートの表面にグラビアコート法により上記の各イ
ンキをイエロー、マゼンタ、シアンの順に面順次に幅1
5cmで塗布(塗布量3g/m2 )し乾燥して3色の感
熱昇華転写方式の熱転写シートを作製した。
【0083】上記のカード基材に上記の熱転写シートを
重ね、顔写真を色分解して得た電気信号に連結したサー
マルヘッドを用い、熱エネルギーを熱転写シートの背面
層側から付与し、シアン、マゼンタ、イエローの順に昇
華転写を行ってフルカラー画像の情報を記録した。
【0084】次に、背面に背面層(厚み1μm)が形成
してあり、ポリエステルフィルム(厚み4.5μm)を
基材シートとして準備し、この基材シートの表面にグラ
ビアコート法により下記の保護層用インキを塗布(塗布
量4g/m2 )し乾燥して保護層を形成し、さらに、こ
の保護層上に下記組成の接着層用のインキをグラビアコ
ート法により塗布(塗布量1g/m2 )し乾燥して接着
層を形成し、保護層転写シートを作製した。
【0085】 (保護層用インキの組成) ・アクリル樹脂 … 25重量部 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 6重量部 ・ポリエチレンワックス … 6重量部 ・ポリエステル …0.15重量部 ・トルエン … 34重量部 ・メチルエチルケトン … 34重量部 (接着層用インキの組成) ・アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 20重量部 ・メチルエチルケトン … 100重量部 ・トルエン … 100重量部 次いで、上述のように記録したフルカラー画像情報上
に、上記の保護層転写シートを用い接着層と保護層を転
写して、図1に示されるような本発明のカードを作製し
た。
【0086】このカードについて、下記のような耐擦過
性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下記の表1に示
した。
【0087】(耐擦過性試験)東洋精機(株)製ロータ
リーアブレージョンテスターを用い、摩耗輪(CS−1
00)を荷重500gの条件で100回擦り、画像の劣
化を目視評価する。
【0088】(耐可塑剤性試験)トンボ鉛筆(株)製プ
ラスチック消しゴム(MONO)をカード上に昇華画像
と重なるように載置し、荷重30g/cm2 で22.5
±2.5℃の条件下に48時間放置し、画像の劣化を目
視評価する。 (実施例2)実施例1の熱転写シートに使用したのと同
じポリエステルフィルムを基材シートとし、この基材シ
ートの表面に下記組成の剥離OP層用インキをグラビア
コート法により塗布(塗布量1g/m2 )し乾燥して剥
離OP層を形成し、さらに、この剥離OP層上に下記組
成の熱溶融性インキ層用のインキをグラビアコート法に
より塗布(塗布量3g/m2 )し乾燥して熱溶融性イン
キ層を形成し、感熱溶融転写方式の熱転写シートを作製
した。
【0089】 (剥離OP層用インキの組成) ・アクリル樹脂 … 20重量部 ・ポリエチレンワックス … 0.6重量部 ・トルエン … 40重量部 ・メチルエチルケトン … 40重量部 (熱溶融性インキ層用のインキ組成) ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 15重量部 ・カーボンブラック … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 33重量部 ・トルエン … 37重量部 ・酢酸エチル … 5重量部 次いで、実施例1と同様にしてフルカラー画像の情報を
記録したカード基材の余白部分に上記の感熱溶融転写方
式の熱転写シートを重ね、サーマルヘッドを用いて文
字、記号等の情報を記録した。その後、実施例1の保護
層転写シートを用いてフルカラー画像情報上に接着層と
保護層を転写して、図2に示されるような本発明のカー
ドを作製した。
【0090】このカードについて、実施例1と同様に耐
擦過性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下記の表1
に示した。 (実施例3)フルカラー画像情報と文字、記号等の情報
を記録したカード基材の全面に実施例1の保護層転写シ
ートを用いて接着層と保護層を転写した他は、実施例2
と同様にして図3に示されるような本発明のカードを作
製した。
【0091】このカードについて、実施例1と同様に耐
擦過性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下記の表1
に示した。 (実施例4)背面に背面層(厚み1μm)が形成してあ
り、表面にポリウレタン系樹脂からなる接着層(厚み
0.5μm)が形成してあるポリエステルフィルム(厚
み4.5μm)を基材シートとして準備し、この基材シ
ートの表面に下記の染料層用黒色インキをグラビアコー
ト法により塗布(塗布量3g/m2 )し乾燥して黒色の
感熱昇華転写方式の熱転写シートを作製した。
【0092】 (黒色インキ) ・イエロー分散染料 (マクロレックスイエロー6G(バイエル社製) … 3重量部 ・マゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red 60) … 3重量部 ・シアン分散染料(C.I.Solvent Blue 63) … 3重量部 ・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1)… 4.5重量部 ・メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) …86.5重量部 次いで、実施例1で用いたのと同様のカード基材に上記
の熱転写シートを重ね、モノクロ画像の電気信号に連結
したサーマルヘッドを用い、熱エネルギーを熱転写シー
トの背面層側から付与して黒色画像の情報を記録した。
【0093】その後、実施例1と同様にして黒色画像上
に保護層を転写して図4に示されるようなカードを作製
した。
【0094】このカードについて、実施例1と同様に耐
擦過性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下記の表1
に示した。 (実施例5)実施例3と同様にして、カード基材の一方
の面にフルカラー画像情報と文字、記号等の情報を記録
し、全面に接着層と保護層を転写した。その後、カード
基材の他の面に、実施例2で用いたのと同じ感熱溶融転
写方式の熱転写シートを用いて実施例2と同様にして文
字、記号等の情報を記録して、図5に示されるような本
発明のカードを作製した。
【0095】このカードについて、実施例1と同様に耐
擦過性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下記の表1
に示した。 (比較例)保護層を形成しない他は実施例2と同様にし
てカードを作製した。このカードについて、実施例1と
同様に耐擦過性試験、耐可塑剤性試験を行い、結果を下
記の表1に示した。
【0096】
【表1】 表1に示されるように、本発明のカードである実施例1
〜5は耐擦過性、耐可塑剤性とも良好であり、特に全面
に保護層を設けた実施例2〜4は優れた耐性を備えるこ
とが確認された。しかし、比較例の耐性は不十分なもの
であった。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればカ
ード基材の少なくとも一方の面に形成された画像、文
字、記号等の情報の少なくとも一部を覆うように保護層
を設けてカードが構成され、この保護層はアクリル樹
脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体および
ポリエステル樹脂の混合物を主成分としたものであり、
カード基材上の情報は外部からの力、薬品等に対して良
好な耐性を有し、例えば、感熱昇華転写方式により形成
された顔写真等のような階調性画像と、感熱溶融転写方
式により形成され文字や記号等の情報を備えたカード
は、少なくとも上記の顔写真等のような階調性画像が保
護層により覆われるので、耐擦過性、可塑剤等に対する
耐薬品性等の耐久性に優れたカードとなり、かつ、情報
が熱転写方式によって形成されているので、カードの改
ざんや偽造が困難であるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカードの一実施例を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明のカードの他の実施例を示す概略断面図
である。
【図3】本発明のカードの他の実施例を示す概略断面図
である。
【図4】本発明のカードの他の実施例を示す概略断面図
である。
【図5】本発明のカードの他の実施例を示す概略断面図
である。
【図6】本発明のカードに使用するカード基材の一例を
示す概略断面図である。
【図7】本発明のカードの作製に使用できる複合熱転写
シートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41…カード 2…カード基材 4…情報 5…保護層 6…接着層 8…情報 9…熱溶融性インキ層 10…剥離OP層 51…複合熱転写シート 52…基材シート 53…保護層 54…接着層 55…剥離OP層 56…熱溶融性インキ層 57(57Y,57M,57C)…染料層 58…背面層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基材と、該カード基材の少なくと
    も一方の面に熱転写方式によって形成された画像、文
    字、記号等の情報と、前記情報の少なくとも一部を覆う
    ように設けられた保護層を備え、該保護層はアクリル樹
    脂、ワックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体および
    ポリエステル樹脂との混合物を主成分として形成されて
    いることを特徴とするカード。
  2. 【請求項2】 前記情報のうち少なくとも感熱昇華転写
    方式により形成された情報は前記保護層によって覆われ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のカード。
  3. 【請求項3】 前記情報のうち画像は感熱昇華転写方式
    により形成され、文字、記号等の他の情報は感熱溶融転
    写方式により形成されたものであり、前記画像は前記保
    護層によって覆われていることを特徴とする請求項1に
    記載のカード。
  4. 【請求項4】 前記情報のうち画像は感熱昇華転写方式
    により形成され、文字、記号等の他の情報は感熱溶融転
    写方式により形成されたものであり、前記情報は全て前
    記保護層によって覆われていることを特徴とする請求項
    1に記載のカード。
  5. 【請求項5】 前記画像はフルカラー画像であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカ
    ード。
  6. 【請求項6】 前記画像は黒色画像であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカード。
  7. 【請求項7】 前記保護層は、接着層を介して前記カー
    ド基材上に設けられていることを特徴とする請求項1乃
    至請求項6のいずれかに記載のカード。
  8. 【請求項8】 前記接着層は、塩化ビニル−酢酸ビニル
    共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項7に記
    載のカード。
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