JP2791980B2 - カードの製造方法 - Google Patents

カードの製造方法

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JP2791980B2 JP1215923A JP21592389A JP2791980B2 JP 2791980 B2 JP2791980 B2 JP 2791980B2 JP 1215923 A JP1215923 A JP 1215923A JP 21592389 A JP21592389 A JP 21592389A JP 2791980 B2 JP2791980 B2 JP 2791980B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、カード基材の表面に特別の染料受容層を形
成することなく、各種の画像を形成することができるカ
ードの製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、身分証明書、運転免許証、会員証等の多くのカ
ードが使用され、これらのカードには所有者の身分等を
明らかにする各種情報が記録されている。特にIDカード
等においては顔写真が最も重要である。
(発明が解決しようとしている問題点) 各種カード類に顔写真を付与する古典的な方法は、顔
写真をカード基材の所定の部分に接着剤を用いて貼着す
る方法であるが、この方法はその操作が非常に煩雑であ
ると共に、カード表面に凹凸が生じて平滑性が失われる
という欠点がある。
上記の顔写真の貼着方法の欠点を解決する方法とし
て、昇華転写方法による画像形成方法が開発されてい
る。
この昇華転写方法は、基材フイルムの表面に熱によっ
て昇華転写する染料を含む層を設けた昇華型熱転写シー
トとカード基材とを重ねて、昇華転写シートの背面から
サーマルヘッドにより加熱してカード基材上で顔写真を
再現する方法であり、簡便な熱転写プリンターで実施出
来るという利点がある。
しかしながら、上記昇華転写方式を用いる場合には、
カード基材は昇華性染料に対して十分な染着性を有して
いることが要求される。
これに対して従来のカード基材の大部分は昇華性染料
に対して十分な染着性を有していない為、そのままでは
画像形成が出来ない。この様な欠点を解決する方法とし
て、カード基材の表面に予め昇華性染料の染着性の良好
なポリエステル樹脂層を染料受容層として形成しておく
方法が行われているが、この様な染料受容層の形成は煩
雑であるばかりでなく、カード基材にカールの問題や染
料受容層の剥離といった問題を生じ易いという欠点があ
る。
従って本発明の目的は、染料受容層を予め設ける必要
がなく、直ちに昇華転写方式によって顔写真等の画像を
形成することができるカードの製造方法を提供すること
である。
(問題点を解決する為の手段) 上記目的は以下の本発明によって達成された。
即ち、本発明の第一の発明は、少なくとも表面の染料
受容面が樹脂100重量部当り0.1乃至10重量部の可塑剤を
含有するポリ塩化ビニルを主剤としてなるカード基材の
表面に、熱移行性染料を使用した熱転写シートを重ね、
サーマルヘッドを用いて上記カード基材表面に階調画像
を形成することを特徴とするカードの製造方法であり、
第二の発明は、上記カード基材の表面に、熱移行性染料
層及び熱溶融型インク層を基材フイルム上に面順次に設
けた複合熱転写シートを重ね、サーマルヘッドを用いて
上記カード基材表面に染料からなる階調画像と熱溶融性
インキからなる単調画像を形成することを特徴とするカ
ードの製造方法であり、第三の発明は、上記カード基材
の表面に、熱移行性染料層、熱溶融型インク層及び転写
性保護層を基材フイルム上に面順次に設けた複合熱転写
シートを重ね、サーマルヘッドを用いて上記カード基材
表面に染料からなる階調画像及び熱溶融性インキからな
る単調画像を形成し、且つ任意の画像表面にサーマルヘ
ッドを用いて保護層を転写することを特徴とするカード
の製造方法である。
(作用) ポリ塩化ビニル樹脂を主体としてなる染料受容シート
の少なくとも染料受容面を特定量の可塑剤を含むポリ塩
化ビニルによって形成することによって、何らの染料受
容層を形成することなく、そのままの状態で昇華転写方
式によって任意の画像を容易に形成することが出来る。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。
本発明において染料受容シートの形成に使用するポリ
塩化ビニル樹脂それ自体は公知のものでよい。
本発明では、常法に従ってポリ塩化ビニルからカード
基材等に有用な染料受容シートを作成するに際して、少
なくともその染料受容面にポリ塩化ビニル100重量部当
り0.1乃至10重量部の可塑剤を包含させることによっ
て、該染料受容面が昇華性染料に対して十分な染着性を
有することを見い出した。
本発明で使用する可塑剤としては、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ(2−エチル
ヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、
フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル、ア
ジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバチン酸ジ(2
−エチルヘキシル)、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
(2−エチルヘキシル)、ポリエチレングリコールエス
テル、エポキシ脂肪酸エステル等従来公知の可塑剤はい
ずれも使用出来る。
これら可塑剤の使用量は染料受容面を形成するポリ塩
化ビニル100重量部当り0.1乃至10重量部であり、特に好
ましい範囲は3乃至5重量部である。可塑剤の使用量が
少なすぎると昇華性染料に対する染着性が不十分であ
り、一方、多すぎると染料受容面の剛性が不足し柔らか
くなり、熱転写時に熱転写シートの染料層がそのまま転
写するという異常転写が発生し、又、保存中に印字画像
に滲みが生じ、鮮明な画像が得られないので好ましくな
い。
又、本発明の好ましい態様では、上記可塑剤に加え
て、更に染料受容面を形成するポリ塩化ビニル100重量
部当り0.1乃至5重量部の滑剤を包含させることによっ
て、可塑剤を比較的多量に、例えば、5乃至10重量部の
割合でポリ塩化ビニルに包含させても、転写時に熱転写
シートのブロッキングが無く、又、得られる染料受容面
の昇華性染料による染着性が更に向上することを見い出
した。
この様な滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸アミド、ワッ
クス、パラフィン等従来公知のいずれの滑剤も使用する
ことが出来る。これらの滑剤の使用量は少なすぎると添
加による効果がなく、又、多すぎると得られる染料受容
面の表面荒を生じるので好ましくない。又、これらの滑
剤を使用することによって、昇華性染料の染着性が向上
するのみならず、昇華転写時に比較的高い温度を用いて
も昇華型熱転写シートと染料受容面との融着が少なく、
より高濃度の画像を更に効率的に形成することが出来
る。
以上の如き染料受容シートの染料受容面は更に適当な
軟化点、例えば、JIS K 6734で70℃以下、好ましくは50
乃至70℃の軟化点を有する様に調製することが好まし
い。これらの軟化点は上記の可塑剤及び滑剤の添加量に
よって調製することが出来る。軟化点が70℃を越える場
合には、染料の染着性が不十分で高濃度画像が形成出来
ず、エンボス処理も困難となり、又、軟化点が低すぎる
とエンボス処理は容易であるものの画像に滲み等が生じ
画像保存性が不十分となる。
本発明の染料受容シートの染料受容面の主要成分は以
上の通りであるが、勿論本発明においては、更に着色顔
料、白色顔料、体質顔料、充填剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も任意に
使用することが出来る。
本発明の染料受容シートは上記の如き必要な成分をブ
レンドし、このブレンド物をカレンダー法、押出法等の
如き周知の形成方法によって、例えば、0.05乃至1mm程
度の厚みのシート状に成形することによって得られ、い
わゆるカードサイズに裁断する前のシート及びカードサ
イズに裁断したものの両方を本発明は包含する。
第1図及び第2図は本発明の好ましい染料受容シート
1の基本的形態を示すものであり、これは厚みが約0.1
乃至1mmのシート状である。この染料受容シート1の表
面に公知の昇華型熱転写シートAの染料層2を対向して
重ね、昇華型熱転写シートAの背面からサーマルヘッド
3等により加熱することによって、染料受容シート1の
染料受容面に所望の画像4が形成される。勿論、この様
な染料受容シートは予めその面に必要なエンボス模様5
や他の印刷模様6を予め形成しておいてもよいし、又、
昇華転写後にこれらのエンボス5や印刷模様6を設けて
もよい。
特に本発明方法より形成される画像は従来の貼着した
写真画像とは異なり、画像面に直接エンボス処理が可能
である為、偽造防止性に一層優れる。
更にこれらの画像の耐久性向上の為にその表面に透明
保護層7を全面又は一部に形成してもよいのは当然であ
る。
第3図示の例は本発明の別の好ましい態様の染料受容
シート11の断面を示すものであり、この例の染料受容シ
ート11はポリ塩化ビニルシートを複数枚(この例では3
枚)積層したもので、白色顔料を含むセンターコア12
(例えば、厚み0.1乃至0.8mmの白色硬質ポリ塩化ビニル
樹脂等であって、ポリ塩化ビニル樹脂に限定されない)
の少なくとも一方の面に透明なポリ塩化ビニル層13,1
3′をラミネートしたものである。この様に複数枚のポ
リ塩化ビニルシートを積層することによって、画像形成
時又はその他の時の染料受容シートのカールを良好に防
止することが出来、特に図示の様にセンターコア12の両
面に透明層13.13′を積層することによって良好なカー
ル防止性が得られる。又、少なくとも染料受容面を透明
層13とすることによって、画像の深み、立体感がよく、
更に顔料を含まないことから艶がよく、ザラツキを感じ
させない。
この透明層13,13′の少なくとも一方13(染料受容
面)は前述の如く特定量の可塑剤(及び滑剤)を含有し
ており、染料に対して良好な染着性を有している。この
例においてはセンターコア12は必ずしも所定量の可塑剤
を含む必要はなく、又、センターコア12と透明層13.1
3′との間に予め各種の印刷模様4を形成しておくこと
が出来る。又、この例ではセンタコア12が透明層13,1
3′によってサンドウィッチされているが、これらの透
明層は片面のみでもよい。
以上本発明の染料受容シートの特徴部分を説明した
が、本発明の染料受容シートをカード基材として使用す
る場合には、予め或は事後にその表面に他の記録、例え
ば、磁気記録層、光メモリー、サイン、ICメモリー、バ
ーコード等を設けておくことも出来る。
次に上記染料受容シートをカード基材として使用する
本発明のカード製造方法を説明する。
本発明方法は基本的には、第1乃至第3図を参照して
説明した通りであるが、昇華性熱転写シートで、カード
を作成する場合、顔写真や風景等の階調性画像の形成は
容易であり且つ美麗であるが、文字やバーコード等の記
号等の画像は濃度及びシャープさが不足し、赤外線で読
み取り可能なOCR文字やバーコード等が形成出来ないと
いう問題がある。
本発明ではこの様な欠点を、昇華タイプの熱転写シー
トに加えて溶融インキ転写タイプの熱転写シートを併用
することによって解決することが出来る。
昇華タイプの熱転写シート及び溶融タイプの熱転写シ
ートの構成は、夫々後述する好ましい態様の複合熱転写
シートの昇華タイプの熱転写シートの部分及び溶融タイ
プの熱転写シートの部分と同様であるのでここでは説明
は省略する。
上記2種の熱転写シートは夫々別のものを使用しても
よいが、この方法では操作が煩雑であるという問題があ
る為、連続した1枚の基材フイルム上に、昇華タイプの
熱転写層と溶融インキ転写タイプの熱転写層とを面順次
に設けた熱転写シートを使用することが好ましい。この
様な複合熱転写シートによれば、顔写真等の階調画像と
文字や記号等の単調画像が同時に良好に形成することが
可能となる。この複合熱転写シートの構成も後述の保護
層を含む複合熱転写シートの構成と同様であるので詳細
は省略する。
又、上記複合タイプの熱転写シートを使用したとして
も、例えば、IDカードの如く各種の耐久性、特に耐摩擦
性が要求される用途では、画像の耐久性が不足するとい
う問題があり、本発明では、この様な問題は第2図示の
如く画像の表面に透明保護層を積層することによって解
決することが出来る。保護層の積層は透明塗料の塗布及
び乾燥、透明フイルムのラミネート、更には保護層熱転
写シートを使用することによって行うことが出来る。保
護層熱転写シートの構成も後述の複合熱転写シートの保
護層部分と同様であるのでここでは説明は省略する。
本発明の好ましい実施態様では、基材フイルム上に、
少なくとも1色の昇華性染料層、少なくとも1色の熱溶
融性インキ層及び剥離保護層を面順次に設けてなる熱転
写シートを使用することによって、階調性画像、単調性
画像及び透明保護層を同一の熱転写シートで形成するこ
とが出来る。
次に特に好ましい実施態様を添付図面を参照して更に
具体的に説明する。第4図は好ましい1実施例の場合熱
転写シートの断面を図解的に示す図であり、第6図はそ
の平面図である。
この実施例の複合熱転写シートは、基材フイルム1上
にイエロー、マゼンタ及びシアンの各色相領域からなる
昇華性染料層2Y、2M、及び2C、黒色の熱溶融性インキ層
3及び剥離保護層4が面順次に形成されている。
共通部分について先ず説明すると、複合熱転写シート
の基材フイルム1としては、従来の熱転写シートに使用
されていると同じ基材フイルムがそのまま用いることが
出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特
に制限されない。
好ましい基材フイルム1の具体例としては、例えば、
グラシン紙、コンデンサ紙、パラフィン紙等の薄葉紙が
有用であり、その他に、例えば、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロー
ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナ
イロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマ
ー等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した
基材フイルム等が挙げられる。この基材フイルム1の厚
さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に
応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ま
しくは、3乃至100μmである。
又、6は背面層であり、プリンターのサーマルヘッド
の粘着を防止する作用を有している。この層6も基材フ
イルム1の耐熱性やスリップ性が良好である場合には不
要である。
又、7は接着改良層であって、基材フイルム1に対す
る昇華性染料層2及び剥離層5の密着性を良好にする作
用を有する。
又、接着改良層7は、剥離保護層4と基材フイルム1
との接着性を改良して剥離保護層4の箔切れを良くする
作用を有する。この層7を設けずに基材フイルム1と剥
離保護層4との接着性が悪いと、熱転写の際に加熱部分
以外の保護層4が加熱部分の保護層4とともに剥離して
しまい、箔切れが悪くなる。
接着改良層7としては、基材フイルム1と染料層2、
剥離層5及び剥離保護層4との接着をより強固にするも
のであればよく、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル
ポリオール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等を
単独若しくは混合して塗布乾燥して形成する。又、必要
に応じてポリイソシアネート等の反応性硬化剤を添加し
てもよく、更に、チタネート及びシラン系のカップリン
グ剤を使用してもよい。更に必要に応じて2層以上積層
してもよい。
又、8,8′は感熱接着剤層を示し、熱溶融性インキ層
3及び/又は剥離保護層4の染料受容シートへの転写性
を容易にする作用を有する。
この感熱接着剤層8,8′は、染料受容シートがポリ塩
化ビニル製であることから、塩化ビニル樹脂と接着性の
よい感熱接着剤、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル/
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂等の如く、熱時接着性の良好な樹脂の溶
液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは0.5乃
至10μm程度の厚みに形成する。
これらの樹脂の中では特に塩化ビニル樹脂との接着性
が良好で、箔切れが良いものは塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、アクリル/塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂である。
次に各熱転写層について説明する。
染料層2は、昇華性染料を任意のバインダー樹脂で上
記基材フイルム1(接着改良層7)上に担持させた層で
ある。
使用する染料としては、従来公知の昇華タイプの熱転
写シートに使用される染料はいずれも本発明に有効に使
用可能であり、特に限定されない。例えば、幾つかの好
ましい染料としては、赤色染料として、MS Red G、Macr
olex Red Violet R、Ceres Red 7B、Samaron Red HBS
L、SKルビンSEGL等が挙げられ、又、黄色の染料として
は、ホロンブリリアントイエロー S−6GL、PTY−52、
マクロレックスイエローS−6G等が挙げられ、又、青色
染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブル
ーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー
100、ダイトーブルーNo.1等が挙げられる。
上記の如き染料を担持する為のバインダーとしては、
従来公知のものがいずれも使用出来、好ましいものを例
示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢
酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド等のビニル系樹脂等が挙げられるが、特にポリ
ビニルアセタールやポリビニルブチラール等が耐熱性や
染料の熱移行性等の点から好ましいものである。
染料層2は基本的には上記の材料から形成されるが、
その他必要に応じて従来公知の各種の添加剤も包含する
ことが出来る。
この様な染料層2は、好ましくは適当な溶剤中に前記
の染料、バインダー樹脂、その他の任意成分を加えて各
成分を溶解又は分散させて染料層形成用インキを調製
し、これをグラビア印刷法等により上記の基材フイルム
1上に印刷及び乾燥させて形成する。
勿論、この印刷に際しては単色印刷でもよいが、本発
明の目的にはカラー画像が形成出来る様にイエロー、マ
ゼンタ及びシアンの3色又はブラックを加えた4色の多
色印刷が好ましい。
この様にして形成する染料層2は、0.2乃至5.0μm、
好ましくは0.4乃至2.0μm程度の厚さであり、又、染料
層2中の染料は、染料層の重量の5乃至90重量%、好ま
しくは10乃至70重量%の量で存在するのが好適である。
上記染料層2に隣接して熱溶融性インキ層3を必要な
材料を配合したインキから形成する。
この熱溶融性インキ層形成用のインキは、着色剤とビ
ヒクルとからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加
えたものでもよい。上記着色剤としては、有機又は無機
の顔料若しくは染料のうち、記録材料として良好な特性
を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、
熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。着色剤
としては、シアン、マゼンタ、イエロー等も使用出来る
が、本発明の目的には高濃度で明瞭な文字や記号を印字
出来るブラックの着色剤が好ましい。
ビヒクルとしては、ワックスを主成分とし、その他ワ
ックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロース及びゴムの誘
導体等との混合物が用いられる。ワックスの代表例とし
ては、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワッ
クス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャ
ートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木
ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラ
ックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタ
ム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド
等、種々のワックスが用いられる。
しかしながら、ポリ塩化ビニル製の染料受容シートへ
の接着性、耐スクラッチ性の観点から、以下の樹脂バイ
ンダーを使用することがより好ましい。
アクリル樹脂 アクリル樹脂+塩化ゴム アクリル樹脂+塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 アクリル樹脂+セルロース系樹脂 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 基材フイルム1上又はその上に予め設けた剥離層5上
に熱溶融性インキ層3を形成する方法としては、ホット
メルトコートの外、ホットラッカーコート、グラビアコ
ート、グラビアリバースコート、ロールコートその他多
くの手段で上記インキを塗布する方法等が挙げられる。
形成されるインキ層の厚さは、必要な濃度と熱感度との
調和がとれる様に決定すべきであって、例えば、通常は
インキ層の厚みが約0.2乃至10μmの範囲が好ましい。
上記熱溶融性インキ層の形成に先立って、該インキ層
の剥離を容易にする為に、基材フイルム1の接着改良層
7の面に剥離層5を形成することが好ましい。かかる剥
離層5は前記の如きワックス類、シリコーンワックス、
シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂、セルロース
樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、硝化綿樹脂
等の剥離剤から形成する。形成方法は前記昇華性染料層
や熱溶融性インキ層の形成方法と同様でよく、その厚み
は0.1乃至5μm程度で十分である。又、転写後に艶消
し印字や艶消し保護層が望ましい場合には、剥離層5中
に各種の粒子を包含させて、表面マット状にすることが
出来る。
尚、前記層5乃至8は、本発明において必須ではない
が、接着改良層7を設ける場合には剥離層5を設けるこ
とが好ましい。
又、接着改良層7上にワックス含有透明樹脂層よりな
る剥離保護層4及び感熱接着剤層8′を剥離可能に設け
る。
接着改良層7上に設ける剥離保護層4は透明樹脂とワ
ックスとの混合物から形成するのが好ましい。
透明樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性セルロース樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、シリコーン樹脂、弗素
樹脂等が挙げられ、特に好ましいものは、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、弗素樹脂である。これらの樹脂は
透明性に優れており、比較的強靭な被膜を形成する。
又、転写時における膜切れも十分である。しかしなが
ら、滑性が不十分であるので表面摩擦によって傷が付き
易い。本発明ではこれらの透明樹脂にワックスを混合す
ることによって保護層4の滑性が良好になる。
本発明で使用するワックスの代表例としては、マイク
ロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフ
ィンワックス等がある。更にフィッシャートロプシュワ
ックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロ
ウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の種々のワ
ックスが用いられる。
上記ワックスの使用量は、前記透明樹脂100重量部当
り0.5乃至20重量部の範囲が好ましく、ワックスの使用
量が少なすぎると、保護層4の耐摩耗性が不十分とな
り、一方、多すぎると、保護層4の耐久性、透明性が不
十分になるので好ましくない。
上記透明樹脂とワックスとの混合方法は、両者を溶融
混合する方法や、両者を溶解する適当な有機溶剤中に溶
解して混合する方法等、その混合方法は特に限定されな
い。
特に好ましくは、透明樹脂を分散液(又は乳化液)と
して使用し、一方、ワックスを溶液又は分散液(乳化
液)として使用し、両者を混合することが好ましい。こ
の様な分散液(乳化液)を使用し、基材フイルムに塗工
した後、これらの樹脂粒子の少なくとも一部が残る様
に、比較的低温で乾燥して成膜する。この様に形成され
た被膜は樹脂粒子が残っているので表面が粗く、一部白
濁しているが、熱転写時に熱及び圧力によって表面が平
滑になり透明被膜として転写させることが出来る。
剥離保護層4を形成する方法としては、グラビアコー
ト、グラビアリバースコート、ロールコートその他多く
の手段で上記樹脂とワックスとからなるインキを塗布及
び乾燥する方法等が挙げられる。
剥離保護層4を樹脂とワックスとの混合分散液から形
成する場合には、塗工後の乾燥は樹脂粒子の溶融点以下
の温度、例えば、50乃至100℃程度の比較的低温で行う
ことが好ましい。この様な温度で乾燥することによっ
て、樹脂粒子が残ったまま成膜されるので、熱転写時の
保護層4の膜切れが著しく向上し、保護層の滑性が保持
される。
又、剥離保護層4には実質的に透明な無機又は有機の
微粒子を混合させることが出来る。この様な微粒子を混
合させることによって、剥離保護層の箔切れ、耐摩耗性
等を更に向上させることが出来る。又、保護層4の表面
光沢を抑え、マットな表面を得ることができる。この様
な微粒子の好ましい例としては、シリカ、テフロンパウ
ダー、ナイロンパウダー等の比較的透明性の高いものが
挙げられる。これら微粒子の添加量は保護層4の樹脂に
対して1乃至30重量%であることが好ましい。添加量が
多すぎると保護層の透明性及び耐久性が低下する。
又、上記剥離保護層4及び/又は感熱接着剤層8′に
は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、は蛍光増白剤等の添加
剤を含有させることによって、被覆される各種画像の光
沢、耐光性、耐候性、白色度等を向上させることが出来
る。
上記の如き保護層を含む熱転写シートを用いて保護す
る画像は、前記染料受容シート上に形成された昇華型熱
転写方法による階調画像又は溶融インク型熱転写方法に
よる文字やバーコード等の記号等の単調画像が好ましい
が、これらの画像に限定されない。特に昇華転写画像に
適用する場合には、該画像の保護層が形成されるととも
に、転写時の熱によって画像を形成している染料が再発
色処理されるので、画像が一層鮮明になるという効果が
ある。
以上の如くして複合熱転写シートが提供されるが、形
成方法はこれらの方法に限定されず、昇華性染料層、熱
溶融性インキ層、剥離保護層等の形成順序は特に限定さ
れない。又、昇華性染料層、熱溶融性インキ層、剥離保
護層は夫々被転写材の転写画像を形成すべき箇所に対応
する基材フイルムの特定位置にパターン状に設けてもよ
く、例えば、第7図示の様に、被転写材の転写画像を形
成すべき箇所に対応して昇華性染料層2、熱溶融性イン
キ層3及び剥離保護層4を特定位置に塗り分ることも出
来る。この様にすれば、染料受容シートの地汚れが防止
出来ると共に、これらの層の使用されない部分を除くこ
とが出来、経済的である。
上記複合熱転写シートを用いるカードの製造例を第5
図を参照して説明する。
先ず、カード基材9の表面に、熱転写シートの染料層
2Yを重ね、色分解信号に従って作動するサーマルプリン
ターによりイエロー画像2Yを転写する。同様に同一領域
にマゼンタ画像2M及びシアン画像2Cを転写して所望のカ
ラー画像10を形成する。
次に熱溶融性インキ層3を用いて同様に所望の文字、
記号等3を印字する。更に転写保護層4を用いて上記カ
ラー画像10及び/又は文字等の画像3上に保護層4を転
写して保護層4を形成する。この様にして所望のカード
が得られる。
上記の転写に際しては、サーマルプリンターは、昇華
転写用、熱溶融性インキ転写用、保護層転写用と別々に
(好ましくは連続して)設定してもよいし、又、これら
の転写は、共通のプリンターで夫々印字エネルギーを適
切に調整して行ってもよい。
以上本発明を複合熱転写シートを用いる好ましい態様
によって説明したが、本発明はこの例に限定されず、階
調性画像、単調性画像及び保護層は夫々別々に形成して
もよいのは当然である。
(効果) 以上の如き本発明によれば、ポリ塩化ビニル製染料受
容シートの染料受容面にに特定量の可塑剤(及び滑剤)
を包含させておくことによって、その表面に何ら特別の
染料受容層を形成する必要無く、昇華転写方式によって
任意の画像を形成出来るので、顔写真の貼着や染料受容
層形成の煩雑性が解消された。
又、好ましい実施態様では、染料受容シートを積層タ
イプとすることによって、優れた画像が形成できる共
に、カールを有効に防止することができる。
又、本発明の方法によれば、簡便にカードが提供でき
る共に、階調性画像と短調性画像が同時に形成でき、更
にこれらの画像に容易に透明保護層を付与することが出
来る。
(実施例) 次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。
実施例1乃至7及び比較例1乃至3 下記第1表の組成により本発明及び比較例の染料受容
シート(白色のカード基材)(厚み0.2mm、サイズ10×2
0cm)を作成した。
下記組成の3色の昇華性染料を夫々含む3色のインキ
を調製した。
イエローインキ 分散染料(Macrolex Yellow 6G、バイエル社製、C.I.
Disperse Yellow 201) 5.5部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水
化学製) 4.5部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 89.0部 マゼンタインキ 染料としてマゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red 6
0)を使用した他はイエローインキと同様。
シアンインキ 染料としてシアン分散染料(C.I.Solvent Blue 63)
を使用した他はイエローインキと同様。
上記インキ組成物をグラビアコート方法により、背面
に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、且つ表面に
ポリウレタン系樹脂からなる接着改良層(厚み0.5μ
m)を形成してある厚さ4.5μmのポリエステルフイル
ムの表面に、塗布量が約3g/m2になる様に、夫々イエロ
ー、マゼンタ及びシアンの順に面順次に幅15cmに繰返し
塗布及び乾燥して3色の昇華性染料層を含む熱転写シー
トを形成した。
前記のカード基材の面に上記昇華熱転写シートを重
ね、顔写真を色分解して得た電気信号に連結したサーマ
ルヘッドで熱エネルギーを付与し、シアン、マゼンタ及
びイエローの順に昇華転写を行い、フルカラーの顔写真
を形成した。
次に上記と同様のポリエステルフイルムの表面に下記
の組成の剥離層用インキを固形分基準で1g/m2の割合で
グラビアコート方法により塗布及び乾燥して剥離層を形
成した。
剥離層用インキ アクリル系樹脂 20部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 次に、上記剥離層の表面に塗布量が約3g/m2になる様
にグラビアコート法により下記インキを塗布及び乾燥し
て熱溶融性インキ層を形成し、熱溶融型の熱転写シート
を作成した。
熱溶融性インキ アクリル/塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂 20部 カーボンブラック 10部 トルエン 35部 メチルエチルケトン 35部 前記の顔写真を形成したカードの画像余白部分に上記
昇華熱転写シートを重ね、数字、漢字等の文字及びバー
コード等の記号画像を形成した。
上記で得られた本発明及び比較例のカードの顔写真の
発色濃度、鮮明性及び昇華転写時の転写シートのブロッ
キングの状態を調べ下記第2表の結果を得た。
実施例8乃至14及び比較例4乃至6 下記の組成により白色のカード基材コア(厚み0.2m
m、サイズ30×30cm)を作成した。
安定剤等の添加剤を約10%含有するポリ塩化ビニル
(重合度800)コンパウンド 100部 白色顔料(酸化チタン) 15部 次に下記第3表の組成により透明シート(厚み0.15m
m)を作成し、上記白色コアの両面に熱圧着させて実施
例及び比較例のカード基材を作成した。
上記のカード基材の面に実施例1と同様にして階調画
像及び単調転写画像を形成し同様な性能を調べたとこ
ろ、第2表と同様な結果が得られた。
実施例15乃至19及び比較例7乃至8 下記の組成により白色のカード基材コア(厚み670μ
m、サイズ30×30cm)を作成した。
安定剤等の添加剤を約10%含有するポリ塩化ビニル
(重合度800)コンパウンド 100部 白色顔料(酸化チタン) 15部 次に下記第4表の軟化温度(JIS K 6734)を有する透
明シート(厚み60μm)を作成し、上記白色コアの両面
に熱圧着させて実施例及び比較例のカード基材を作成
し、夫々のカード基材の面に実施例1と同様にして階調
及び単調画像を形成し、同様に性能を調べたところ、下
記第4表の結果が得られた。
実施例20 背面に耐熱スリップ層を形成し、且つ表面にポリエス
テル系樹脂からなる接着改良層(厚み0.1μm)を形成
してある厚さ4.5μmのポリエステルフイルムの表面
に、下記組成の剥離保護層用インキを用いて固形分基準
で4g/m2の割合でグラビアコート方法により塗布及び乾
燥して剥離保護層を形成した。
剥離保護層用インキ アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−83) 20部 ポリエチレンワックス 1部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 次に上記剥離保護層の表面に、下記組成の接着剤層用
インキを固形分基準で1g/m2の割合で塗工及び乾燥して
接着剤層を形成し、保護層熱転写シートを形成した。
接着剤層用インキ アクリル/塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(昭和イ
ンク(株)製、HS−32G) 20部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 次に上記保護層熱転写シートを用いて実施例1で得ら
れたカードの画像の表面に熱転写方式で保護層を転写し
た。
実施例21 実施例20の剥離保護層及び接着剤層に代えて下記イン
キを夫々使用して保護層熱転写シートを作成し、同様に
実施例1で得られたカードの画像の表面に熱転写方式で
保護層を転写した。
剥離保護層用インキ(乾燥時塗布量2g/m2) アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−85) 20部 ポリエチレンワックス 1部 微粒子シリカ(日本エアロジル(株)製、R−972) 1部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 接着剤層用インキ(乾燥時塗布量1g/m2) ナイロン樹脂(東亜合成化学(株)製、FS175) 20部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 比較例9 実施例20の剥離保護層に代えて下記インキを使用して
保護層を形成し、接着剤層を形成することなく比較例の
保護層熱転写シートを作成し、同様に実施例1で得られ
たカードの画像の表面に熱転写方式で保護層を転写し
た。
剥離保護層用インキ(乾燥時塗布量4g/m2) ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株)製、エス
レックBX−1) 20部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 比較例10 実施例20の剥離保護層及び接着剤層に代えて下記イン
キを夫々使用して保護層及び接着剤層を形成し比較例の
保護層熱転写シートを作成し、同様に実施例1で得られ
たカードの画像の表面に熱転写方式で保護層を転写し
た。
剥離保護層用インキ(乾燥時塗布量4g/m2) ポリスチレン樹脂(電気化学工業(株)製、TP−SX30
1) 20部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 接着剤層用インキ(乾燥時塗布量1g/m2) エチレン/エチルアクリレート樹脂(三井デュポンポ
リケミカル(株)製、A−704) 20部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 比較例11 保護層を設けない実施例1のカード。
以上の実施例20乃至21及び比較例9乃至11における保
護層の転写性、得られた画像の耐摩擦性を評価して下記
第5表の結果を得た。
実施例22 実施例1で使用したと同じ昇華性染料を含む3色のイ
ンキを調製し、このインキ組成物をグラビアコート方法
により、背面に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成
し、且つ表面にポリウレタン系樹脂からなる接着改良層
(厚み0.5μm)を形成してある厚さ6.0μmのポリエス
テルフイルム(商品名「ルミラー」東レ(株)製)(こ
の代わりの予め易接着処理してあるポリエステルフイル
ムを用いてもよい)の表面に、塗布量が約3g/m2になる
様に、夫々イエロー、マゼンタ及びシアンの順に面順次
に幅15cmに繰返し塗布及び乾燥して3色の昇華性染料層
を形成した。尚、上記3色を1セットとし、夫々のセッ
ト間は30cmの間隔を空けておいた。
次に、上記1セットの染料層に隣接して15cmの幅で、
塗布量が約0.5g/m2になる様にグラビアコート法により
実施例1で使用したと同様の熱溶融性インキを塗布及び
乾燥して熱溶融性インキ層を形成した。
次に上記基材フイルムの未塗布部分(幅15cm)に下記
インキを固形分基準で1g/m2の割合で塗工及び乾燥して
転写性保護層を形成した。
剥離保護層インキ アクリル樹脂 20部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 ポリエチレンワックス 1部 次に上記熱溶融性インキ層及び転写性保護層の表面
に、下記組成のインキを固形分基準で3g/m2の割合で塗
工及び乾燥して接着剤層を形成して、昇華染料層、溶融
性インキ層及び保護層を含む複合熱転写シートを得た。
接着剤層用インキ 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 安定剤等の添加剤を約10%含有するポリ塩化ビニル
(重合度800)コンパウンド100部、白色顔料(酸化チタ
ン)10部及び可塑剤(DOP)0.5部からなるカード基材の
面に、上記複合熱転写フイルムの昇華性染料層を重ね、
顔写真を色分解して得た電気信号に連結したサーマルヘ
ッドで熱エネルギーを付与してフルカラー顔写真を形成
し、次に熱溶融性インキ層を用いて文字及び記号を転写
形成し、更に保護層を用いて各画像部分に転写性保護層
を転写させ、顔写真と各種必要情報を有するカードを得
た。
上記カードの表面をイソプロピルアルコールを含浸さ
せたガーゼで100回擦ったところ、ガーゼは全く汚染し
なかった。これに対して保護層を転写させなかった場合
には、ガーゼが黒褐色に著しく汚染された。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図は本発明の染料受容シートの断面及び画
像形成後の断面を図解的に説明する図であり、第4図は
本発明で使用する複合熱転写フイルムの断面を図解的に
説明する図であり、第5図は本発明で作成したカードの
断面を図解的に説明する図であり、第6図は第1図の平
面図であり、第7図は他の例の複合熱転写フイルムの平
面図であり、この第7図は被転写材の転写画像を形成す
べき箇所に対応して昇華性染料層2、熱溶融性インキ層
3及び転写性保護層を特定位置に塗り分けた例を示す。 第1乃至3図: A:昇華熱転写シート 1:染料受容カード(カード基材) 2:染料層 3:サーマルヘッド 4:転写画像 5:エンボス模様 6:印刷模様 7:透明保護層 11:染料受容シート(カード基材) 12:センターコア 13,13′:透明層 第4乃至7図: 1:基材フイルム 2:昇華性染料層 3:熱溶融性インキ層 4:保護層 5:剥離層 6:背面層 7:接着改良層 8:感熱接着剤層 9:カード基材 10:カラー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−220395(JP,A) 特開 昭63−9574(JP,A) 特開 昭59−127798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42D 15/10 501 B41M 5/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面の染料受容面が樹脂100重
    量部当り0.1乃至10重量部の可塑剤を含有するポリ塩化
    ビニルを主剤としてなるカード基材の表面に、熱移行性
    染料を使用した熱転写シートを重ね、サーマルヘッドを
    用いて上記カード基材表面に階調画像を形成することを
    特徴とするカードの製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも表面の染料受容面が樹脂100重
    量部当り0.1乃至10重量部の可塑剤を含有するポリ塩化
    ビニルを主剤としてなるカード基材の表面に、熱移行性
    染料層及び熱溶融型インク層を基材フイルム上に面順次
    に設けた複合熱転写シートを重ね、サーマルヘッドを用
    いて上記カード基材表面に染料からなる階調画像と熱溶
    融性インキからなる単調画像を形成することを特徴とす
    るカードの製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも表面の染料受容面が樹脂100重
    量部当り0.1乃至10重量部の可塑剤を含有するポリ塩化
    ビニルを主剤としてなるカード基材の表面に、熱移行性
    染料層、熱溶融型インク層及び転写性保護層を基材フイ
    ルム上に面順次に設けた複合熱転写シートを重ね、サー
    マルヘッドを用いて上記カード基材表面に染料からなる
    階調画像及び熱溶融性インキからなる単調画像を形成
    し、且つ任意の画像表面にサーマルヘッドを用いて保護
    層を転写することを特徴とするカードの製造方法。
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