JPH0911350A - エネルギー硬化型樹脂を用いた光学素子の製造方法 - Google Patents

エネルギー硬化型樹脂を用いた光学素子の製造方法

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JPH0911350A
JPH0911350A JP16585495A JP16585495A JPH0911350A JP H0911350 A JPH0911350 A JP H0911350A JP 16585495 A JP16585495 A JP 16585495A JP 16585495 A JP16585495 A JP 16585495A JP H0911350 A JPH0911350 A JP H0911350A
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JP16585495A
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Hiroyuki Seki
博之 関
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学素子の成形時に樹脂に混入する気泡を簡
単に除去する。 【構成】 光学面を有した金型と金型と対向する基板と
の間にエネルギー硬化型樹脂を供給する供給工程と、金
型と基板とを相対的に接近させてエネルギー硬化型樹脂
を押圧して金型と基板との間に樹脂層を形成する工程
と、エネルギーの照射により樹脂層を硬化する工程とを
備え、エネルギー硬化型樹脂の押圧工程の一部または全
部を大気圧より低い圧力の環境下で行い、樹脂層を硬化
する硬化工程の一部または全部を大気圧より高い圧力の
環境下で行うことで、樹脂内に発生する気泡を消失させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー硬化型樹脂
を用いて光学素子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー硬化型樹脂(以下、樹脂と記
する。)を用いて、金型と基板の間に樹脂層を形成する
場合においては、形成される樹脂層の内部に気泡が混入
するという問題がある。このため特開平4−46303
号公報には金型上の樹脂に基板をセットし、この周囲を
低圧あるいは真空にして樹脂内部の気泡等の異物を除去
し、この状態で樹脂を硬化する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術には以下のような問題点があり、実用的となって
いない。すなわち未硬化の樹脂に接触する気体の圧力を
大気圧より低くすると、樹脂内部の気泡に含まれる気体
の体積は減圧される周囲の圧力に反比例して大きくな
る。この減圧の度合いがさらに、大きくなると樹脂中に
含まれる低分子量成分(モノマー等)が急激に揮発し、
体積が急増する。この時、気体が樹脂中から外部に放出
されるためには、開口部である金型と基板の押圧面以外
の場所からでなければならない。
【0004】通常、気体が金型と基板の間から放出され
るとき、気体は樹脂の表面張力によって泡となるため、
気体が樹脂と共に流出することは避けられない。流出し
た樹脂は本来、樹脂が接触する部分以外の基板と金型の
部位、さらには成形装置にも付着する。このように従来
の方法では、金型と基板のセットが完了した後において
は、気泡が混入している樹脂内から気体だけを放出させ
ることが非常に難しく、たとえ光学性能を満足しても、
外観が損なわれるため製品とすることが困難となる。
【0005】さらに、大気圧より低い状態でエネルギー
照射によって樹脂を硬化させた場合において、樹脂内の
気泡を完全に除去できないときには、気泡の体積が大気
圧での状態より大きな状態で硬化し、かえって逆効果と
なる問題も有している。
【0006】本発明はこのような従来技術の問題点を考
慮してなされたものであり、その製造工程で未硬化樹脂
内に気泡が発生しても、光学性能や外観を損ねることな
く、また樹脂の飛散、流出等も発生しない光学素子の製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の光学
素子の製造方法は、光学面を有した金型と金型と対向す
る基板との間にエネルギー硬化型樹脂を供給する供給工
程と、金型と基板とを相対的に接近させてエネルギー硬
化型樹脂を押圧して金型と基板との間に樹脂層を形成す
る工程と、エネルギーの照射により樹脂層を硬化する工
程とを備え、エネルギー硬化型樹脂の押圧工程の一部ま
たは全部を大気圧より低い圧力の環境下で行い、樹脂層
を硬化する硬化工程の一部または全部を大気圧より高い
圧力の環境下で行うものである。
【0008】一般に光学素子を成形するとき、樹脂中に
気泡が混入するのは、樹脂と基板または金型が接触する
時と、樹脂が基板や金型上に広がる時である。また光学
素子の成形過程において、樹脂が広がる場合、 金型または基板に樹脂を吐出し、樹脂が広がる。 吐出された樹脂と金型または基板とが接近して接触
し、さらに金型と基板が接近することにより樹脂が押圧
されて、金型及び基板の光学面に沿って所望の状態まで
広がる。 の2つに大別される。本発明はとにおける気泡混入
過程の一部または全部を、樹脂と接触する気体の圧力を
大気圧(約1013hPa)より低い状態にして、気泡
が発生した場合の気泡内の気体分子数を減少させると共
に、エネルギーを照射して樹脂層を硬化する工程の一部
または全部の気体の圧力を大気圧以上の状態にして行う
ものである。この方法により、樹脂内に入り込んだ気泡
の体積を減少でき、場合によっては気泡を消失させるこ
とが可能となる。
【0009】ここで、との気泡混入過程の未硬化樹
脂に接触している気体圧力をA hPaに保ち、A h
Paの時に未硬化樹脂中に混入する気泡の体積をBmm
3 とした場合、との過程が完了した後、未硬化樹脂
表面に接触している気体の圧力を大気圧にすると、樹脂
中に混入していたBmm3 の気泡体積を(A/101
3)×Bmm3 に減少させることができる。さらに1と
2の過程が完了した後、未硬化樹脂表面に接触している
気体圧力をC hPaに加圧した場合は、Bmm 3 の気
泡体積を(A/C)×Bmm3 に減少させることができ
る。
【0010】またとの工程で、未硬化樹脂に接触し
ている気体圧力を減圧すると、樹脂中に含まれる低分子
量成分(モノマー等)が蒸発する。これは大気圧状態で
も当然起こる現象だが、減圧を行うことにより蒸発スピ
ードが速まるため、またはの工程で減圧を行ってい
る間に、減圧された雰囲気の気体中に含まれる空気(窒
素、酸素、二酸化炭素等)が樹脂の低分子量成分に置換
された後に、樹脂中に気泡が発生することになる。この
気泡の発生があっても、気泡中に含まれる気体成分が樹
脂の低分子量成分であるためとの過程が終了した
後、樹脂の硬化を開始するまでに大気圧または加圧状態
にすることで、気泡内の気体となっている低分子量成分
が再度、樹脂中へ拡散、吸収されるため気泡を完全に消
失させることができる。このようなことは減圧された気
体成分が樹脂の低分子量成分に置換されない場合でも、
樹脂の気体拡散量によって起こる現象であり、これに対
して加圧した場合、気体が樹脂に拡散できる量が増加す
るため、気泡の完全な消失を行うことができる。
【0011】なお、説明の便宜上一定と仮定したもの
で、AやCは一定に保つ必要はなく、これらを連続的、
段階的に変化させても何等問題はない。この場合、Aの
値として樹脂製造時に行った脱泡工程の圧力以下まで急
激に低下させると、未硬化樹脂内に気泡の混入が無い場
合でも樹脂の急激な泡立ちが発生し、樹脂の飛散で樹脂
体積の減少や成形品の外観不良を招く恐れがあるため、
Aの値については注意が必要である。以上の状態で未硬
化の樹脂にエネルギーを照射し、樹脂を硬化することに
より、従来よりも気泡の小さい、または全く気泡の存在
しない成形品とすることができる。
【0012】ここで、加圧した状態のまま樹脂を硬化す
ると、耐性試験等で成形品が高温下におかれた場合、樹
脂中に除去できなかった気泡内の気体が、内圧の上昇に
より樹脂を破壊して樹脂外に放出され、これにより、外
観の悪化や樹脂表面の平滑性が損なわれる。このため光
学性能の低下や破壊時の樹脂破片が及ぼす影響が問題に
なるのではないかとの懸念がある。
【0013】しかし、例えば、の工程を約200h
Paで行い、その後約200hPaで樹脂を硬化する
と、気泡体積は約1/10、気泡直径は約1/2、表面
積は約1/4に減少し、加えて樹脂に気体が吸収され
て、さらに小さくなる。なおかつ光学素子の樹脂表面層
近くにある気泡の中心から樹脂表面までの距離Lを気泡
の直径Dで割った値も大きくなるため、相対的に高い圧
力の気体が充填されている気泡を取り囲む樹脂の強度が
向上する。さらに通常の硬化後の樹脂はわずかな通気性
があるため、気泡内の圧力は時間とともに減少する。
【0014】このようなことから加圧した状態で樹脂を
硬化することにより、成形品内に残留した気泡内の気体
が樹脂を破壊して樹脂外に放出することは起こり難い。
このとを気泡直径1mm以下、(L/D)≧0.5、ウ
レタンアクリレート系樹脂を使用して実験したところ、
約7100hPaまでの圧力では耐性試験で問題のない
ことが確認された。なお気泡が消失している場合には、
樹脂硬化等の圧力が高くても何等問題が発生することは
ない。
【0015】以上のような本発明では、光学素子の外観
を損ねることなく、また樹脂の飛散等も発生せず、気泡
が混入しても、外観上問題ない大きさまで小さくした
り、完全に消失させることができる。同時に、気泡混入
防止のために従来より行われていたような樹脂と金型ま
たは基板の接触速度を遅くしたり、樹脂と接触する金型
または基板にあらかじめ樹脂を少量付着させておく等の
手段を用いなくてもよく、このためサイクルタイムの短
縮化が可能となると共に、設備が安価となる。
【0016】
【実施例1】図1から図3は本発明の実施例1を示す。
図1に示すように、金型1の直径は30mm、曲率半径
80mmの凸面で、この中央にポリエン−チオール系樹
脂からなる紫外線硬化型樹脂10が気泡混入のないよう
に必要量吐出されている。
【0017】この状態で樹脂10に接触する気体の圧力
Aを100hPaに減圧する。この後、成形面側が凹面
で曲率半径83mm、その裏側の反成形面側が平面で、
中心の厚さが8mm、直径30mmのガラス製の基板3
をその中心軸を金型1の中心軸と一致させた状態で、3
0mm/secのスピードで下降し、樹脂10を押圧す
る。
【0018】そして図2のように中心軸上の金型1と基
板3の距離が0.2mmになるように接近させて、樹脂
の最外周部が直径28mm以上29mm以下となるよう
に広げる。これにより樹脂層2となる。この時、基板3
が樹脂と接触して、押圧される工程では、樹脂層2の中
に半径約20〜50μm程度の気泡数個が発生する。図
2においては、半径50μm、気泡体積B4 =約5.2
4×10-4mm3 の気泡を気泡4とし、半径20μm、
気泡体積B5 =約3.35×10-5mm3 の気泡を気泡
5としている。なお、樹脂はこの成形以前に、80hP
aの減圧条件下での脱泡処理が予めなされるものであ
る。
【0019】金型1と基板3による樹脂の押圧が完了し
た後、樹脂に接触する気体の圧力を大気圧(約1013
hPa)に戻す。これにより気泡4の体積は(A/10
13)×B4 =5.17×10-5mm3 に減少し、半径
は約23μmになり、気泡5は(A/1013)×B5
=3.31×10-6mm3 の体積で半径は約9μmに減
少する。さらに、その後1秒静止させ、これにより図3
に示すように気泡4の半径が約15μmに減少する。こ
れは減圧中に樹脂から蒸発したモノマー成分や他の気体
成分が樹脂に拡散するため、気泡の体積がさらに減少す
るためで、気泡5を含む気泡混入時の半径が約20μm
以下の気泡内の気体は樹脂に拡散し、消滅する。なお、
樹脂からのモノマー成分の蒸発は、吐出された樹脂の成
分規格範囲内であるため問題となることはない。次に、
基板3の上方から紫外線を照射し、樹脂層2を硬化す
る。この後、金型1と樹脂層2を剥離し、光学素子の製
造工程が完了する。
【0020】このような本実施例では、従来、樹脂層2
の中に半径18μm以上の気泡が存在するものは、光学
性能および外観を満たさないため、外観検査により不良
と判定されていたが、外観検査で問題ない程度に気泡を
小さく、または消滅させることが可能となる。また金型
の下降速度を遅くすることにより、樹脂層2の中に気泡
が発生しにくい条件を設定することが可能ではあるが、
本実施例ではその必要がなく、このためサイクルタイム
を短縮することが可能となる。同時に樹脂の流出、飛散
等による成形品の外観を損ねることなく、光学素子を製
造することが可能となる。
【0021】
【実施例2】図4〜図6は本発明の実施例2を示す。図
4に示すように、金型1にはマイクロフレネルレンズを
成形するための所望の形状を反転させた光学面が形成さ
れている。この金型1の中央に対して、ニードルノズル
6からエポキシ系樹脂11を必要量吐出させる。このエ
ポキシ系樹脂11は電子線によって硬化するものであ
る。この樹脂11の吐出開始前までに気体圧力A=50
hPaとし、この状態の減圧雰囲気中で吐出を行う。こ
の時、吐出された樹脂11中に半径80μm、気泡体積
4 =2.14×10-3mm3 の気泡4が発生する。
【0022】次に、図5に示すように、金型1の上方か
ら基板3を下降し、樹脂を押圧して所定の位置まで広げ
る。これにより図5に示すように、樹脂層2が形成され
る。この工程においても、気体圧力Aが50hPaの減
圧雰囲気中で行う。この工程でも樹脂層2の中に半径約
200μm、B5 =3.35×10-2mm3 の気泡5が
混入する。
【0023】この後、減圧雰囲気を窒素ガスにより気体
圧力C=7091hPaになるまで加圧する。この時、
理論的には気泡4の体積が(A/C)×B4 =1.51
×10-5mm3 、半径約15μmで、気泡5の体積が
(A/C)×B5 =2.36×10-4mm3 、半径3.
8μmとなるはずだが、加圧による樹脂の気体拡散量の
増加により瞬間的に気泡4と気泡5は消滅し、図6に示
すように中に気泡のない樹脂層2の状態となる。この状
態を保ったまま、基板3方向から樹脂層2に電子線を照
射して硬化を行い、金型1と基板3を剥離し、マイクロ
フロネルレンズを成形する。
【0024】一般に、樹脂層2の中に半径30μm以上
の気泡が存在するものは、外観検査により不良と判定さ
れていた。このため従来では、樹脂と金型1または基板
3との接触及び押圧速度を遅くするか、樹脂の粘度を低
くすることにより樹脂層2内での気泡の発生を防止して
いるが、速度を遅くするとサイクルタイムが長くなり、
樹脂の粘度を下げるとモノマー成分が増加して、樹脂の
硬化収縮量が増加するため高精度の成形が難しくなる。
本実施例ではこれらの方法を用いないでも気泡を消滅さ
せることが可能となる。また本実施例では加圧雰囲気と
するため、窒素を用いており、酸素により重合禁止作用
を受ける嫌気性の樹脂の場合には、表面の硬化を容易に
行うことができる。このような本実施例においても、樹
脂の流出、飛散等による光学素子の外観を損ねることが
なく、製造することができる。
【0025】
【実施例3】図7から図11は本発明の実施例3を示
す。図7に示すように、基板3は成形面側が凹面で曲率
半径200mm、裏側の反成形面側が凹面で曲率半径1
20mm、中心部分の厚さ4mm、直径50mmのガラ
スによって成形されている。この基板3の成形面の中央
に対して、紫外線硬化型の変性ウレタンアクリレート系
樹脂12を大気圧雰囲気中で必要量吐出する。この吐出
の際には、半径100μm程度の気泡4が混入する。
【0026】金型1の直径は53mm、曲率半径198
mmの凸面の成形面を有している。この金型1を図8に
示すように、その中心軸を基板3の中心軸に一致させ
て、気体圧力Aを200hPaに減圧した状態で基板3
に接近させる。これにより基板3上に吐出されていた樹
脂12内から気泡がゆっくりと放出されて、図9のよう
に気泡4が消滅する。この状態では金型1が樹脂に接触
する前の段階のため、樹脂が気体に接触している面積も
大きく、また泡が発生しても基板3の中央に樹脂が吐出
されているため、周囲に飛散するようなことはない。
【0027】この後、気体圧力Aを徐々に減圧して樹脂
と金型1が接触する前に気体圧力を150hPaとす
る。また金型1と基板3の中心軸上の距離が0.1mm
になるよう樹脂を押圧することにより、所望の位置まで
広げて樹脂層2とする。この工程では、図10に示すよ
うに再び樹脂層2の内に半径約40μm以下の気泡が混
入する。このうち最も大きい半径40μm、気泡体積B
5 =約2.68×10-4mm3 の気泡を気泡5とする。
【0028】この金型1と基板3による樹脂の押圧が完
了した後、気体圧力Cを約3040hPaに加圧する。
これにより理論的には、気泡の体積が(A/C)×B5
=1.32×105 mm3 に減少し、気泡半径も約15
μmに減少するはずだが、実際には減圧中に樹脂から蒸
発した低分子量(モノマー)成分が気泡5内を満たすた
め、加圧完了と同時にモノマー成分が樹脂に拡散し、図
11のように気泡5が樹脂層2から消滅する。このと
き、樹脂からモノマー成分か蒸発しても、樹脂の成分規
格範囲内であるため何等問題は発生しない。そして、こ
の状態を保ったまま、下方から紫外線を照射し、樹脂層
2を硬化した後、金型1と樹脂層2を剥離して製造を完
了する。
【0029】従来、肉眼で確認可能な(半径10μm以
上)の気泡が樹脂層2の中に存在するものは、光学性能
および外観を満たさないため、外観検査により不良と判
定されていたが、このような本実施例により、混入時の
半径が40μm以下の気泡を消滅させることができる。
また樹脂を吐出するときに発生する気泡は、金型1と樹
脂が接触する前に樹脂外に放出させることができるた
め、樹脂吐出時の気泡対策を別途行う必要はなく、しか
も金型1の下降速度を遅くしたり、金型1の中心部に対
して樹脂を付着させるなどの気泡対策を行わなくても、
気泡のない成形品を製造することが可能である。これに
よりサイクルタイムの短縮や設備費の削減ができると共
に、樹脂の流出、飛散等による成形品の外観を損ねるこ
ともなくなる。
【0030】
【発明の効果】本発明は金型または基板が樹脂を押圧す
る工程において、気泡が発生する時の気体圧力を大気圧
より低くするため、気泡内の気体分子数を減少させるこ
とができる。また、樹脂の硬化開始前に大気圧または加
圧するため、気泡混入時の気体の体積を(気泡混入時の
気体圧力/樹脂硬化時の気体圧力)に小さくすることが
可能となる。
【0031】さらに未硬化樹脂に接触している気体圧力
を大気圧より低くすることで、樹脂中に含まれる低分子
(モノマー等)量成分が蒸発し、減圧された雰囲気の気
体中に含まれる空気(窒素、酸素、二酸化炭素等)が樹
脂の低分子量成分に置換されて、樹脂中に気泡が発生し
ても、その気泡中に含まれる気体成分が樹脂の低分子量
成分であるとともに樹脂の硬化を開始するまでに大気圧
または加圧状態にするため、気泡内の気体となっている
低分子量成分が再度、樹脂中へ拡散、吸収される。この
ため気泡を完全に消失させることができる。このような
ことは減圧された気体成分が樹脂の低分子量成分に置換
されない場合でも、気体拡散量によっては気泡を完全に
消失させることができる。
【0032】また従来より行っている樹脂と金型または
基板の接触速度を低下させたり、樹脂と接触する金型ま
たは基板にあらかじめ樹脂を少量付着させておく等の気
泡混入防止対策に対して、本発明は真空または加圧する
という極めて容易な手段であり、サイクルタイムを短縮
できると共に、設備が簡単で安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の工程の正面図。
【図2】本発明の実施例1の工程の正面図。
【図3】本発明の実施例1の工程の正面図。
【図4】本発明の実施例2の工程の正面図。
【図5】本発明の実施例2の工程の正面図。
【図6】本発明の実施例2の工程の正面図。
【図7】本発明の実施例3の工程の正面図。
【図8】本発明の実施例3の工程の正面図。
【図9】本発明の実施例3の工程の正面図。
【図10】本発明の実施例3の工程の正面図。
【図11】本発明の実施例3の工程の正面図。
【符号の説明】
1 金型 2 樹脂層 3 基板 4 気泡 5 気泡

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学面を有した金型と金型と対向する基
    板との間にエネルギー硬化型樹脂を供給する供給工程
    と、金型と基板とを相対的に接近させてエネルギー硬化
    型樹脂を押圧して金型と基板との間に樹脂層を形成する
    工程と、エネルギーの照射により樹脂層を硬化する工程
    とを備え、前記エネルギー硬化型樹脂の押圧工程の一部
    または全部を大気圧より低い圧力の環境下で行い、前記
    樹脂層を硬化する硬化工程の一部または全部を大気圧よ
    り高い圧力の環境下で行うことを特徴とするエネルギー
    硬化型樹脂を用いた光学素子の製造方法。
JP16585495A 1995-06-30 1995-06-30 エネルギー硬化型樹脂を用いた光学素子の製造方法 Pending JPH0911350A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5908826A (en) * 1991-03-08 1999-06-01 Mitsui Toatsu Chemicals Inc. Freeze-dried preparation containing monoclonal antibody

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5908826A (en) * 1991-03-08 1999-06-01 Mitsui Toatsu Chemicals Inc. Freeze-dried preparation containing monoclonal antibody

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