JPH0857976A - 複合型光学素子の製造方法 - Google Patents

複合型光学素子の製造方法

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JPH0857976A
JPH0857976A JP21824194A JP21824194A JPH0857976A JP H0857976 A JPH0857976 A JP H0857976A JP 21824194 A JP21824194 A JP 21824194A JP 21824194 A JP21824194 A JP 21824194A JP H0857976 A JPH0857976 A JP H0857976A
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JP
Japan
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resin
mold
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optical surface
resin layer
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JP21824194A
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Satoshi Teramoto
諭 寺本
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材に特別な加工を施さなくても、樹脂供給
量にバラツキが生じても樹脂がはみ出さない。また、樹
脂層の有効径外の突起部に気泡等の混入による外観の劣
化を防止する。 【構成】 内型1aの光学面1cの最外周部と外型1b
の光学面1dの最内周部とをツライチの状態で押圧す
る。樹脂層の厚さが所望の値となる前に外型1bと基材
2とを離反しつつさらに押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子基材上に樹脂
層を形成する複合型光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合型光学素子の製造方法とし
て、例えば特開平5−337959号公報記載の発明が
ある。上記発明は、図1に示す様に、金型1の光学面
(樹脂層を押圧する面)の有効径より外側へ中心軸に対
して軸対称形状を有する凹溝を設けるか、または図2に
示す様に、基材2の成形面(樹脂層を載置する面)の有
効径より外側へ中心軸に対して軸対称形状を有する凹溝
を設けることにより、金型1の光学面と基材2の成形面
により形成される空間を広げ、樹脂供給量にバラツキが
発生した場合、前記凹溝において樹脂供給量のバラツキ
を吸収して樹脂3の最外周部が前記成形空間からはみ出
さないようにする方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記従来技
術の方法では、基材2の成形面上に載置した樹脂3を押
圧して所望の樹脂層を形成する工程において、図1に示
す様な金型1の光学面の有効径より外側に凹溝が設けて
ある場合、樹脂3を凹溝に充填する時に溝の最も深く、
かつ中心軸に近い部分の空気が抜けず、図3に示す様
に、樹脂3が凹溝に完全に充填されない。したがって、
製造が完了した複合型光学素子の樹脂層の有効径外の突
起部(前記凹溝を反転した形状)に前記空気が気泡4と
して残ってしまうという問題点がある。ここで、この樹
脂層に混入した気泡4は有効径外にあり光学性能には直
接関係がないものの、目視で確認できる場合は製品とし
て使用することができず、製品の歩留まりの低下につな
がる。
【0004】一方、図2に示す様に、基材2の成形面の
有効径外に凹溝が設けてある場合、樹脂層に気泡4が混
入する等の外観を劣化させる問題は発生しないが、基材
の加工コストが高くなるので、結果的に複合型光学素子
の製造コストも高くなるという問題点がある。また、金
型や基材に凹溝を設けずに基材の直径を大きくすること
により樹脂の基材外へのはみ出しを防止する方法もある
が、製品全体が大型化するのでコンパクトカメラ等の場
合は製品のメリットが失われてしまう。
【0005】請求項1の目的は、樹脂層の有効径より少
し大きな基材を用いた場合、基材に凹溝を設ける等の特
別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキが生じ
ても樹脂が金型の光学面と基材の成形面とにより形成さ
れる空間からはみ出すことがなく、かつ樹脂層の有効径
より外側の突起部において気泡の混入等による外観の劣
化がない複合型光学素子の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】請求項2の目的は、樹脂層の有効径より少
し大きな基材を用いた場合、基材に凹溝を設ける等の特
別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキが生じ
ても樹脂が金型の光学面と基材の成形面とにより形成さ
れる空間からはみ出すことがなく、かる粘度が高い樹脂
の場合でも樹脂層の有効径より外側の突起部において気
泡の混入等による外観の劣化がない複合型光学素子の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、所望の樹脂層
表面を形成する有効面を有した内型とこれに嵌合する外
型のそれぞれが上下自在に形成された金型と、エネルギ
ー硬化型の樹脂が供給された基材とを近接させ、樹脂を
押圧して広げることにより樹脂層を形成した後、エネル
ギーの照射により樹脂層を硬化させて複合型光学素子を
得る製造方法において、金型と接触している樹脂の最外
周部が内型の光学面から外型の光学面に移行する時に前
記内型の光学面の最外周部と外型の光学面の最内周部と
が段差のない状態で樹脂を押圧するとともに、中心軸上
の樹脂の厚さが所望の値となる前に外型と基材とを相対
的に離反させることを特徴とする複合型光学素子の製造
方法である。また、前記エネルギー硬化型の樹脂の粘度
が3000cps以上の場合、1mm/sec以下の相
対離反速度で外型と基材とを相対的に離反させることを
特徴とする複合型光学素子の製造方法である。
【0008】
【作用】請求項1の作用は、図4に示す様に、有効径よ
りも外側で互に上下動自在な内型1aと外型1bに分割
された金型1の光学面と基材2の成形面とを相対的に接
近させることにより樹脂3を押圧して中心から外側に広
げる場合、樹脂3の最外周部は内型1aの光学面1cと
基材2の成形面とに沿って外側に広がり、さらに、内型
1aの光学面1cと基材2の成形面との距離を徐々に近
づけると、やがて樹脂3の最外周部は外型1bの光学面
1dに到達する。
【0009】この時、内型1aの光学面1cの最外周部
(中心軸から最も遠い部分)より外型1bの光学面1d
の最内周部(中心軸に最も近い部分)が基材2から遠い
(嵌合部に段差がある)場合は、外型1bの光学面1d
の最内周部付近と内型1aの側面と樹脂3とにより囲ま
れた部分の空気は逃げるとができない。これは、図3に
示す様に、金型1の光学面の有効径より外側に凹溝を設
けた場合と同様であり、このまま樹脂層を硬化して複合
型光学素子を製造しても、前記空気が樹脂層内に気泡4
として残存してしまう。
【0010】ところが、樹脂3の最外周部が内型1aの
光学面1cから外型1bの光学面1dに移行する時に、
図5に示す様に、内型1aの光学面1cの最外周部と外
型1bの光学面1dの最内周部とをツライチの(段差が
無い)状態にすると、外型1bの最内周部付近の樹脂3
中にも気泡4が混入することはない。しかし、樹脂3の
最外周部が外型1bの光学面1dに到達した後も内型1
aの最外周部と外型1bの最内周部とをツライチの状態
にしたまま樹脂層の中心軸上の厚さが所望の値になるま
で金型1の下降を継続すると、樹脂供給量が予め設定し
た値よりも多い場合には樹脂3が金型1の光学面と基材
2の成形面とで形成される空間からはみ出してしまう。
【0011】そこで、樹脂3の最外周部が外型1bの光
学面1dに到達した後、中心軸上の樹脂層の厚さが所望
の値になる前に、図6に示す様に、外型1bと基材2と
を相対的に離反することにより、基材2の成形面と金型
1の光学面とにより形成される空間を広くする。この
時、外型1bの光学面1dの最内周部付近には常に樹脂
3が接触しているので、樹脂層内に気泡4が混入するこ
とはない。そして、外型1bと基材2との離反開始後、
または外型1bと基材2との離反開始と同時に、所望の
樹脂層が得られるまで内型1aと基材2とを接近させ
る。したがって、樹脂供給量が多くなっても、所望の樹
脂層の最外周部が金型1の光学面と基材2の成形面とに
より形成される空間からはみ出すことはない。
【0012】請求項2の作用は、図4に示す様に、有効
径よりも外側で互に上下動自在な内型1aと外型1bに
分割された金型1の光学面と基材2の成形面とを相対的
に接近させることにより樹脂3を押圧して中心から外側
に広げる場合、樹脂3の最外周部は内型1aの光学面1
cと基材2の成形面とに沿って外側に広がり、さらに内
型1aの光学面1cと基材2の成形面との距離を徐々に
近づけると、やがて樹脂3の最外周部は外型1bの光学
面1dに到達する。
【0013】この時、内型1aの光学面1cの最外周部
より外型1bの光学面1dの最内周部が基材2から遠い
場合は、外型1bの光学面1dの最内周部付近と内型1
aの側面と樹脂3とにより囲まれた部分の空気は逃げる
とができない。これは、図3に示す様に、金型1の光学
面の有効径より外側に凹溝を設けた場合と同様であり、
このまま樹脂層を硬化して複合型光学素子を製造して
も、前記空気が樹脂層内に気泡4として残存してしま
う。
【0014】ところが、樹脂3の最外周部が内型1aの
光学面1cから外型1bの光学面1dに移行する時に、
図5に示す様に、内型1aの光学面1cの最外周部と外
型1bの光学面1dの最内周部とをツライチの(段差が
無い)状態にすると、外型1bの最内周部付近の樹脂3
中にも気泡4が混入することはない。しかし、樹脂3の
最外周部が外型1bの光学面1dに到達した後も内型1
aの最外周部と外型1bの最内周部とをツライチの状態
にしたまま樹脂層の中心軸上の厚さが所望の値になるま
で金型1の下降を継続すると、樹脂供給量が予め設定し
た値よりも多い場合には樹脂3が金型1の光学面と基材
2の成形面とで形成される空間からはみ出してしまう。
【0015】そこで、樹脂3の最外周部が外型1bの光
学面1dに到達した後、中心軸上の樹脂層の厚さが所望
の値になる前に、図6に示す様に、外型1bと基材2と
を相対的に離反することにより、基材2の成形面と金型
1の光学面とにより形成される空間を広くする。この
時、外型1bの光学面1dの最内周部付近には常に樹脂
3が接触しているので、樹脂層内に気泡4が混入するこ
とはない。また、外型1bと基材2との相対離反速度を
1mm/sec以下としているので、高粘度の樹脂3を
用いた場合でも外型1bと基材2とを離反させる工程に
おいて、図7に示す様に、外型1bの光学面1dに近い
部分の樹脂3aと基材2の成形面に近い樹脂3bとが分
段されることはない。そして、外型1bと基材2との離
反開始後、または外型1bと基材2との離反開始と同時
に所望の樹脂層が得られるまで内型1aと基材2とを接
近させる。したがって、樹脂供給量が多くなっても、所
望の樹脂層の最外周部が金型1の光学面と基材2の成形
面とにより形成される空間からはみ出すことはない。
【0016】
【実施例1】まず、図8に示す様に、両面が凹面のガラ
ス製の基材2の成形面に紫外線硬化型樹脂11を必要量
供給する。ここで、樹脂供給量にバラツキが生じた場合
でも樹脂11の最外周部が有効直径より外側に到達する
ように予め多めに設定しておく。また、基材2は成形面
の曲率半径が18mm,外径が25mmであり、基材2
の成形面の最外周部には中心軸に対して垂直で半径方向
の幅が1.5mmの端面2aが基材2の中心軸に対して
軸対称形状になるように設けられている。
【0017】次に、図9に示す様に、所望の樹脂層12
を形成するための光学面を有し、かつ中心軸が基材2の
中心軸と同一で、樹脂層12表面(金型1で押圧した
面)の有効直径より外側を押圧する位置で互に上下動自
在な内型1a(直径19mm)と外型1b(内径D1=
19mm,外径D2=22mm)とに分割された金型1
を、内型1aと外型1bとの嵌合部がツライチの状態で
下降させて基材2に近づけることにより樹脂11を広
げ、樹脂11の最外周部を外型1bの光学面1dまで到
達させる。
【0018】ここで、金型1の下降は樹脂供給量が予め
設定した値と同じ場合に樹脂11の最外周部が外型1b
の光学面1dの直径D1+(D2−D1)/2の位置に
到達するまで行う。したがって、樹脂供給量にバラツキ
が生じた場合でも、樹脂11の最外周部が内型1aと外
型1bの嵌合部より内側に入ったり、樹脂11の最外周
部が金型1と基材2とにより形成される空間からはみ出
すことはない。また、内型1aと外型1bの嵌合部には
段差がないので、樹脂11が内型1aから外型1bに移
行する時に樹脂11中に気泡が混入することはない。
【0019】内型1aの光学面1cは曲率半径16mm
の凸面形状をしており、外型1bの光学面1dは中心軸
に垂直な平面形状をしている。また、エネルギーを照射
する前の所望の樹脂層12の中心軸上の厚さは0.1m
m,外型1bの最内周部における中心軸に平行な方向の
基材2との距離は0.6mmであり、金型1の下降は樹
脂3が金型1と基材2とにより形成される空間からはみ
出すことを防止するために、中心軸上の内型の光学面1
cと基材2の成形面との距離が0.15mmの時点で停
止する。したがって、この時の外型1bの最内周部と基
材2の中心軸平行な方向の距離は0.45mmとなる。
【0020】次に、図10に示す様に、外型1bを基材
2と反対方向に0.15mm離反する。この時の外型1
bと基材2の相対離反速度は6mm/secである。す
ると、外型1bの最内周部と基材2の距離は所望の値
(0.6mm)となる。この時、外型1bと基材2とに
より形成される空間は内型1aと外型1bの嵌合部に段
差がない場合に比べて広がっているので、樹脂供給量の
バラツキをこの部分で吸収して、樹脂11が前記空間か
らはみ出すことを防止することができる。また、外型1
bと基材2との離反開始直後に内型1aと基材2との相
対接近速度が2mm/secとなるようにして内型1a
の下降を再開し、中心軸上の樹脂層12の厚さも所望の
値(0.1mm)にする。
【0021】ここで、、外型1b基材2との離反は樹脂
11の最外周部を中心軸側に戻す働きがあり、内型1a
と基材2との接近は樹脂の最外周部を外側に広げる働き
をするので、両工程を同時に行うことにより、樹脂11
の最外周部が内型1aと外型1bの嵌合部より内側に入
ったり、金型1と基材2とにより形成される空間からは
み出すことはない。この後、基材2の下方より不図示の
手段により紫外線を照射して樹脂層12を硬化すると、
金型1,基材2および樹脂層12が一体となった密着体
が形成される。
【0022】次に、図11に示す様に、前記密着体を上
昇させると、予め基材2の端面2aの一部の上方に設け
られていた剥離用の部材13が基材2の端面2aと面接
触する。ここで、剥離用の部材13の下部は基材2の端
面2aと平行な平面13aが形成されている。そして、
基材2の端面2a上の剥離用の部材13の平面13aが
接触した部分にまず荷重が集中し、その後荷重が基材2
全体に分散する。ここで、前記密着体の上昇を続ける
と、図12に示す様に、容易かつ瞬時に金型1より基材
2と樹脂層3とが一体となった複合型光学素子14が剥
離される。
【0023】本実施例によれば、基材2の凹溝を設ける
等の特別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキ
が生じても樹脂層12が金型1の光学面と基材2の成形
面により形成される空間からはみ出すことがなく、かつ
樹脂層12の有効径より外側の突起部において気泡の混
入等による外観の劣化がない。
【0024】
【実施例2】まず、図13に示す様に、両面が凸面のガ
ラス製の基材2の成形面に紫外線硬化型樹脂11を必要
量供給する。ここで、基材2の成形面上に供給した樹脂
11が容易に流れ出さないように粘度が3000cps
以上の樹脂を用い、樹脂供給量はバラツキが生じた場合
でも樹脂11の最外周部が有効直径より外側に到達する
ように予め多めに設定しておく。また、基材2は成形面
の曲率半径が50mm,外径が30mmであり、基材2
の側面には幅3mm,深さ2mmのV型溝2bが基材2
の中心軸に対して軸対称形状になるように設けられてい
る。
【0025】次に、図14に示す様に、所望の樹脂層1
2を形成するための光学面を有し、かつ中心軸が基材2
の中心軸と同一で、樹脂層12表面の有効直径より外側
を押圧する位置で互いに上下動自在な内型1a(直径2
2mm)と外型1b(内径D1=22mm,外径D2=
26mm)に分割された金型1を、内型1aと外型1b
の嵌合部がツライチの状態で下降させて基材2に近づけ
ることにより樹脂11を広げ、樹脂11の最外周部を外
型1bの光学面まで到達させる。
【0026】ここで、金型1の下降は樹脂供給量が予め
設定した値と同じ場合に樹脂11の最外周部が外型の光
学面1dの直径D1+(D2−D1)/2の位置に到達
するまで行う。したがって、樹脂供給量にバラツキが生
じた場合でも、樹脂11の最外周部が内型1aと外型1
bの嵌合部より内側に入ったり、樹脂11の最外周部が
金型1と基材2とにより形成される空間からはみ出すこ
とはない。また、内型1aと外型1bとの嵌合部には段
差がないので、樹脂11が内型1aから外型1bに移行
する時に樹脂11中に気泡が混入することはない。
【0027】内型1aの光学面1cは曲率半径54mm
の凹面形状をしており、外型1bの光学面1dは中心軸
に垂直な平面形状をしている。また、エネルギーを照射
する前の所望の樹脂層12の中心軸上の厚さは0.5m
m、外型1bの最内周部における中心軸に平行な方向の
基材2との距離は0.3mmであり、金型1の下降は樹
脂11が金型1と基材2とにより形成される空間からは
み出すことを防止するために、中心軸上の内径1aの光
学面1cと基材2の成形面との距離が0.1mmの時点
で停止する。したがって、この時の外型1bの最内周部
と基材2の中心軸に平行な方向の距離は0.15mmと
なる。
【0028】次に、図15に示す様に、外型1bを基材
2と反対方向に0.15mm離反する。この時の外型1
bと基材2との相対離反速度は0.75mm/secで
ある。すると、外型1bの最内周部と基材2の距離とは
所望の値(0.3mm)となる。この時、外型1bと基
材2とにより形成される空間は内型1aと外型1bの嵌
合部に段差がない場合に比べて広がっているので、樹脂
供給量のバラツキをこの部分で吸収して、樹脂11が前
記空間からはみ出すことを防止することができる。
【0029】また、外型1bと基材2との相対離反速度
を0.75mm/secのように極めて遅くしているの
で、粘度が高い樹脂11を用いた場合でも外型1bと基
材2とを離反する時に外型1bと基材2との間の樹脂1
1が途中で分段されて樹脂11中に気泡が混入すること
はない。さらに、外型1bと基材2との離反開始直後に
内型1aと基材2との相対接近速度が0.25mm/s
ecとなるようにして内型1aの下降を再開し、中心軸
上の樹脂層12の厚さも所望の値(0.05mm)にす
る。
【0030】ここで、外型1bと基材2との離反は樹脂
11の最外周部を中心軸側に戻す働きがあり、内型1a
と基材2との接近は樹脂11の最外周部を外側に広げる
働きをするので、両工程を同時に行うことにより、樹脂
11の最外周部が内型1aと外型1bの嵌合部より内側
に入ったり、金型1と基材2とにより形成される空間か
らはみ出すことはない。この後、基材2の下方より不図
示の手段により紫外線を照射して樹脂層12を硬化する
と、金型1,基材2および樹脂層12が一体となった密
着体が形成される。
【0031】次に、図16に示す様に、予め基材2の側
面の外周部に設けられており、先端部13bが基材2の
側面のV型溝2bを反転した形状の剥離用の部材13を
中心軸に対して接近させ、剥離用の部材13の先端部1
3bを基材2の側面のV型溝2bに接触させる。ここ
で、剥離用の部材13の位置は剥離用の部材13の先端
部13bが基材2の側面のv型溝2bに挿入可能なよう
に調整されているものとする。
【0032】そして、前記密着体を上昇させると、基材
2の側面のV型溝2bの剥離用の部材13が接触する部
分にまず荷重が集中し、その後荷重が基材2全体に分散
する。ここで、前記密着体の上昇を続けると、図17に
示す様に、容易かつ瞬時に金型1より基材2と樹脂層1
2とが一体となった複合型光学素子14が剥離される。
【0033】本実施例によれば、基材2に凹溝を設ける
等の特別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキ
が生じても樹脂層12が金型1の光学面と基材2の成形
面とにより形成される空間からはみ出すことがなく、か
つ樹脂層12の有効径より外側の突起部において気泡の
混入等による外観の劣化がない。また、樹脂11の粘度
が高い場合でも樹脂11中に気泡が混入することがな
く、成形面が凸面で曲率半径が小さい場合でも同様な効
果が得られる。
【0034】
【実施例3】まず、図18に示す様に、成形面が凹面で
非成形面(樹脂層を載置しない面)が凸面のガラス製の
基材2の成形面に紫外線硬化型樹脂11を必要量供給す
る。ここで、樹脂供給量はバラツキが生じた場合でも樹
脂11の最外周部が有効直径より外側に到達するように
予め多めに設定しておく。また、基材2は成形面の曲率
半径が18mm,外径が25mmであり、基材2の成形
面の最外周部には中心軸に対して垂直で半径方向の幅が
1.5mmの端面2aが基材2の中心軸に対して軸対称
形状になるように設けられている。
【0035】次に、図19に示す様に、所望の樹脂層1
2を形成するための光学面を有し、かつ中心軸が基材2
の中心軸と同一で、樹脂層12表面(金型1で押圧した
面)の有効直径より外側を押圧する位置で互いに上下動
自在な内型1a(直径19mm)と外型1b(内径D1
=19mm、外径D2=22mm)とに分割された金型
1を、内型1aと外型1bの嵌合部がツライチの状態で
下降させて基材2に近づけることにより樹脂11を広
げ、樹脂11の最外周部を外型1bの光学面1dまで到
達させる。また、金型1の下降は樹脂供給量が予め設定
した値と同じ場合に樹脂の最外周部が外型1bの光学面
1dの直径D1+2(D2−D1)/3の位置に到達す
るまで行う。
【0036】したがって、樹脂供給量のバラツキが大き
い場合でも樹脂11の最外周部が内型1aと外型1bの
嵌合部より内側に入ったり、樹脂11の最外周部が金型
1と基材2とにより形成される空間からはみ出すること
はない。また、内型1aと外型1bの嵌合部には段差が
ないので、樹脂11が内型1aから外型1bに移行する
時に樹脂11中に気泡が混入することはない。ここで、
内型1aの光学面1cは曲率半径16mmの凸面形状を
しており、外型1bの光学面1dは中心軸に垂直な平面
形状をしている。
【0037】また、エネルギーを照射する前の所望の樹
脂層12の中心軸上の厚さは0.1mm、外型1bの最
内周部における中心軸に平行な方向の基材2との距離は
0.6mmであり、金型1の下降は樹脂11が金型1と
基材2とにより形成される空間からはみ出すことを防止
するために、中心軸上の内型1aの光学面1cと基材2
の成形面との距離が0.15mmの時点で停止する。し
たがって、この時の外型1bの最内周部と基材2の中心
軸とに平行な方向の距離は0.45mmとなる。
【0038】次に、図20に示す様に、外型1bを基材
2と反対方向に0.15mm離反する。この時の外型1
bと基材2との相対離反速度は6mm/secである。
すると、外型1bの最内周部と基材2との距離は所望の
値(0.6mm)となる。この時、外型1bと基材2と
により形成される空間は内型1aと外型1bの嵌合部に
段差がない場合に比べて広がっているので、樹脂供給量
のバラツキをこの部分で吸収して、樹脂11が前記空間
からはみ出すことを防止することができる。また、外型
1bと基材2との離反開始直後に内型1aと基材2との
相対接近速度が2mm/secとなるようにして内型1
aの下降を再開し、中心軸上の樹脂層12の厚さを所望
の値(0.1mm)にする。
【0039】ここで、外型1bの基材2との離反は樹脂
11の最外周部を中心軸側に戻す働きがあり、内型1a
と基材2との接近は樹脂11の最外周部を外側に広げる
働きをするので、両工程を同時に行うことにより、樹脂
11の最外周部が内型1aと外型1bの嵌合部より内側
に入ったり、金型1と基材2とにより形成される空間か
らはみ出すことはない。次に、基材2の下方より不図示
の手段により紫外線を照射して樹脂層12を硬化する
と、金型1,基材2および樹脂層12が一体となった密
着体が形成される。
【0040】次に、図21に示す様に、前記密着体を上
昇させると、予め基材2の端面2aの一部の上方に設け
られていた剥離用の部材13が基材2の端面2aと面接
触する。ここで、剥離用の部材13の下部は基材2の端
面2aと平行な平面13aが形成されている。そして、
基材2の端面2a上の剥離用の部材13の平面13aが
接触した部分にまず荷重が集中し、その後荷重が基材2
全体に分散する。ここで、前記密着体の上昇を続ける
と、図22に示す様に、容易かつ瞬時に金型1より基材
2と樹脂層12とが一体となった複合型光学素子14が
剥離される。
【0041】本実施例によれば、基材2に凹溝を設ける
等の特別な下降を施さなくても、樹脂供給量にバラツキ
が生じても樹脂層12が金型1の光学面と基材2の成形
面とにより形成される空間からはみ出すことがなく、か
つ樹脂層12の有効径より外側の突起部において気泡の
混入等による外観の劣化がない。
【0042】
【発明の効果】請求項1の効果は、基材に凹溝を設ける
等の特別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキ
が生じても樹脂が金型の光学面と基材の成形面とにより
形成される空間からはみ出すことがなく、かつ樹脂層の
有効径より外側の突起部において気泡の混入等による外
観の劣化がない複合型光学素子を製造可能なことであ
る。
【0043】請求項2の効果は、基材に凹溝を設ける等
の特別な加工を施さなくても、樹脂供給量にバラツキが
生じても樹脂が金型の光学面と基材の成形面とにより形
成される空間からはみ出すことがなく、かつ粘度が高い
樹脂の場合でも樹脂層の有効径より外側の突起部におい
て気泡の混入等による外観の劣化がない複合型光学素子
を製造可能なことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示す半截断面図である。
【図2】従来例を示す半截断面図である。
【図3】従来例を示す半截断面図である。
【図4】本発明を示す半截断面図である。
【図5】本発明を示す半截断面図である。
【図6】本発明を示す半截断面図である。
【図7】本発明を示す半截断面図である。
【図8】実施例1を示す断面図である。
【図9】実施例1を示す断面図である。
【図10】実施例1を示す断面図である。
【図11】実施例1を示す断面図である。
【図12】実施例1を示す断面図である。
【図13】実施例2を示す断面図である。
【図14】実施例2を示す断面図である。
【図15】実施例2を示す断面図である。
【図16】実施例2を示す断面図である。
【図17】実施例2を示す断面図である。
【図18】実施例3を示す断面図である。
【図19】実施例3を示す断面図である。
【図20】実施例3を示す断面図である。
【図21】実施例3を示す断面図である。
【図22】実施例3を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 基材 3,11 樹脂 4 気泡 12 樹脂層 13 剥離用の部材 14 複合型光学素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:20 105:32 B29L 11:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の樹脂層表面を形成する有効面を有
    した内型とこれに嵌合する外型のそれぞれが上下自在に
    形成された金型と、エネルギー硬化型の樹脂が供給され
    た基材とを近接させ、樹脂を押圧して広げることにより
    樹脂層を形成した後、エネルギーの照射により樹脂層を
    硬化させて複合型光学素子を得る製造方法において、金
    型と接触している樹脂の最外周部が内型の光学面から外
    型の光学面に移行する時に前記内型の光学面の最外周部
    と外型の光学面の最内周部とが段差のない状態で樹脂を
    押圧するとともに、中心軸上の樹脂の厚さが所望の値と
    なる前に外型と基材とを相対的に離反させることを特徴
    とする複合型光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー硬化型の樹脂の粘度が3
    000cps以上の場合、1mm/sec以下の相対離
    反速度で外型と基材とを相対的に離反させることを特徴
    とする請求項1記載の複合型光学素子の製造方法。
JP21824194A 1994-08-19 1994-08-19 複合型光学素子の製造方法 Withdrawn JPH0857976A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100906637B1 (ko) * 2007-12-17 2009-07-10 삼성전기주식회사 마스터 기판 형성용 코어 및 이를 이용한 마스터 기판제조방법
WO2018061331A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 富士フイルム株式会社 複合光学素子
JP2019164267A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 富士フイルム株式会社 複合レンズ

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