JPH09112447A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH09112447A
JPH09112447A JP29215195A JP29215195A JPH09112447A JP H09112447 A JPH09112447 A JP H09112447A JP 29215195 A JP29215195 A JP 29215195A JP 29215195 A JP29215195 A JP 29215195A JP H09112447 A JPH09112447 A JP H09112447A
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JP
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scroll
casing
orbiting scroll
thrust
spherical
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Application number
JP29215195A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Yuji Komai
裕二 駒井
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
Hiroyuki Mihara
宏之 三原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09112447A publication Critical patent/JPH09112447A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/063Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with only rolling movement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回スクロールからのスラスト荷重をスラス
ト受けで確実に受承することにより無給油式のものに対
しても適用できるようにし、耐久性や寿命を向上させ
る。 【解決手段】 ケーシング5のフランジ部6と旋回スク
ロール12の背面プレート17との間に、旋回スクロー
ル12の自転を防止するとめのオルダム継手19を設け
る。また、ケーシング5のフランジ部6には荷重受承部
30を設け、旋回スクロール12の背面プレート17に
は荷重受承部31を設ける。そして、オルダムリングの
径方向外側でX軸キー支持部とY軸キー支持部との間に
は、各柱体29および各荷重受承部30,31からなる
複数のスラスト受け28,28,…を設け、各柱体29
を斜めに傾斜させる構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、該ケーシングに
一体に設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケー
シングに回転可能に支持され先端側がクランクとなった
駆動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前
記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回
スクロールと、該旋回スクロールの自転を防止する自転
防止機構とからなるスクロール式流体機械は知られてい
る。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械では、外部から駆動軸を回転駆動して旋回スクロー
ルを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋
回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設
けた吸込口から流体(例えば空気)を吸込つつ、この流
体を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラッ
プ部との間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロール
の中心部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐
出するようになっている。
【0004】ここで、例えば特開昭62−78494号
公報等に記載された無給油式のスクロール式流体機械で
は、旋回スクロールの自転を防止するために、複数の補
助クランクを用いたものが知られている。即ち、前記ケ
ーシングと旋回スクロールの背面側との間に位置して、
該旋回スクロールに設けられる旋回軸受の外周側に複数
の補助クランクを設け、これにより、旋回スクロールの
自転を防止している。そして、この種の各補助クランク
による自転防止機構の場合、各補助クランクの潤滑性を
維持するために、各補助クランクの回動部にグリース等
の潤滑剤を付与するようにしている。
【0005】また、他の従来技術として、例えば米国特
許第3994635号明細書には、旋回スクロールの自
転を防止するオルダム継手が開示されている。そして、
この種のオルダム継手による自転防止機構の場合、オル
ダム継手の潤滑性を維持するために、オルダム継手の摺
動部等に常時潤滑油を供給する構成となっている。
【0006】さらに、別の従来技術の自転防止機構とし
て、例えば特公平5−67761号公報では、多数個の
球体と、同数のガイド円孔をもつ2枚のリング状板から
なり、前記球体は旋回スクロールの自転を防止する機能
と該旋回スクロールのスラスト荷重に対するスラスト軸
受の機能を併せ持つボールカップリング方式のものが開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、例えばスクロ
ール式圧縮機として用いた場合の運転時に、固定スクロ
ールと旋回スクロールとの間に形成される圧縮室内が高
圧となるため、旋回スクロールがスラスト方向に押圧さ
れる。そして、このスラスト方向(軸方向)の押圧力
は、各補助クランクに荷重となって作用し、駆動軸のク
ランクおよび各補助クランクの回転摩擦を増加させ、駆
動性能を低下させると共に、駆動軸のクランクおよび補
助クランクの異常摩耗や摩擦熱の高温化を招くという問
題がある。
【0008】一方、他の従来技術では、オルダム継手に
よって自転防止機能とスラスト軸受の機能とを併せ持つ
構成としているものの、オルダム継手の両面に旋回スク
ロールからのスラスト方向(軸方向)の押圧力が直接作
用するため、該オルダム継手は摺動時に摩耗が発生し易
くなり、これによって圧縮運転時の性能の低下等を招く
という問題がある。
【0009】さらに、この種のオルダム継手を用いた自
転防止機構は、比較的構造が単純で設計・製造も比較的
容易になるという利点があるものの、かかる自転防止機
構にあっては、オルダム継手の摺動部等に潤滑油を常に
供給しなければならず、給油式のスクロール式流体機械
には適用できるが、無給油式のものには適用が難しいと
いう問題がある。
【0010】さらにまた、別の従来技術としてボールカ
ップリング方式を用いた自転防止機構においては、径方
向の隙間寸法を精度よく調整するのが難しい上に、球体
から発生する騒音を遮断するのが難しいという問題があ
る。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、旋回スクロールからのスラス
ト荷重を確実に受承でき、旋回スクロールの旋回動作を
安定させることができると共に、無給油式のものに適用
した場合でも耐久性や寿命を確実に向上でき、信頼性を
高めることができるようにしたスクロール式流体機械を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、該ケーシングに一体的
に設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケーシン
グに回転可能に支持され先端側がクランクとなった駆動
軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記固
定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スク
ロールとからなるスクロール式流体機械に適用される。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との
間には、該旋回スクロールからのスラスト荷重を受承す
る複数のスラスト支持手段を設け、該各スラスト支持手
段を、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間
に斜めに傾斜した状態で配設され、前記ケーシング側と
旋回スクロール側とに当接する長さ方向両端側が球面状
に形成された柱体と、該各柱体の両端側がそれぞれ当接
するように、前記ケーシングおよび旋回スクロール側に
それぞれ設けられ、該各柱体を旋回スクロールの動きに
追従して揺動可能に支持する第1,第2の荷重受承部と
から構成したことにある。
【0014】このように構成することにより、旋回スク
ロールの旋回動作時にもケーシングと旋回スクロールと
の間の第1,第2の荷重受承部間で各柱体を斜めに傾斜
した状態に保持でき、該各柱体の球面状をなす端面を第
1,第2の荷重受承部間で転がり接触させて、前記旋回
スクロールからのスラスト荷重を円滑に受承し続けるこ
とができる。
【0015】この場合、請求項2に記載の発明では、前
記各柱体の両端側には、該柱体の全長寸法に対応する直
径をもって球面状に形成された球面部を形成し、前記各
荷重受承部は該各柱体の球面部と接する面を平坦面とし
て形成している。
【0016】この結果、各柱体の全長寸法を直径とする
大径の球体をケーシングと旋回スクロールとの間で転動
可能に設けた場合と同様の作用を得ることができ、各柱
体の両端側と各当接面との間に加わる接触面圧を小さく
できるから、少数の柱体によって大きなスラスト荷重を
受承することができる。
【0017】また、請求項3に記載の発明では、前記各
柱体の両端側には球面部を形成し、前記各荷重受承部に
は、該各柱体の各球面部に対応して凹球面状に形成され
た凹部を設けている。
【0018】このように構成することにより、各柱体の
両端側と各荷重受承部とを球面接触とすることができ、
両者の接触面圧をより小さくでき、大きなスラスト荷重
を確実に受承できる。
【0019】さらに、請求項4の発明が採用する構成の
特徴は、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との
間には、該旋回スクロールからのスラスト荷重を受承す
る複数のスラスト支持手段を設け、該各スラスト支持手
段は、前記ケーシング側と旋回スクロールの背面側とに
それぞれ設けられ凹球面形状をなす第1,第2の凹部
と、少なくとも該各凹部に摺動接触する面が凸球面状に
形成され、該各凹部間で前記スラスト荷重を支承する支
承体とから構成したことにある。
【0020】このように構成することにより、ケーシン
グ側と旋回スクロール側とに設けた各凹部と支承体とを
球面接触状態に保持でき、両者の接触面圧を小さくし
て、大きなスラスト荷重を確実に受承できる。
【0021】この場合、請求項5に記載の発明では、前
記各支承体は第1,第2の各凹部間に転動可能に配設さ
れ該各凹部に対応する径をもって形成された球体により
構成し、前記第1,第2の凹部のうちいずれか一方の凹
部は、前記旋回スクロールの旋回半径に対応するリング
径をもってリング状凹溝として形成している。
【0022】この結果、各球体と各凹部との接触面圧を
小さくできると共に、各リング状凹溝に沿って各球体が
摺動するため旋回スクロールの動きを円滑化することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0024】ここで、図1ないし図4は本発明のスクロ
ール式流体機械を無給油式のスクロール空気圧縮機に適
用した場合の第1の実施例を示している。
【0025】図において、1は当該スクロール空気圧縮
機の駆動源となる電動モータで、該電動モータ1は、そ
の外枠を形成するモータケース2と、該モータケース2
内に回転可能に設けられた回転子3と、該回転子3から
の回転を外部に出力する駆動軸4とから大略構成されて
いる。そして、該電動モータ1の駆動軸4は後述のケー
シング5内へと突出し、その先端側は図1中に示すよう
に駆動軸4の軸線に対して所定寸法δだけ偏心したクラ
ンク4Aとなっている。さらに、モータケース2は後述
の固定スクロール11との間でケーシング5を挟持する
構成となっている。
【0026】5は当該スクロール空気圧縮機の外枠を形
成する筒状のケーシングを示し、該ケーシング5は、モ
ータケース2との間に配設された環状のフランジ部6
と、該フランジ部6の内周側に設けられた筒状の軸受部
7と、前記フランジ部6の外周側から軸方向に延びた大
径筒部8とから大略構成され、ケーシング5の軸受部7
には前記電動モータ1の駆動軸4を回転可能に軸支する
軸受9が取付けられている。また、ケーシング5にはフ
ランジ部6の内側面に後述のガイド25および各スラス
ト受け28の荷重受承部30等が一体的に設けられてい
る。
【0027】10はモータケース2内に位置して駆動軸
4に固着されたバランスウェイトを示し、該バランスウ
ェイト10は後述する旋回スクロール12の旋回運動に
対して駆動軸4全体の回転バランスをとっている。
【0028】11はケーシング5の先端側に固着された
固定スクロールを示し、該固定スクロール11は、略円
板状に形成され中心が駆動軸4の軸線と一致するように
配設された鏡板11Aと、該鏡板11Aの外縁側から突
出し、外周側が前記ケーシング5の大径筒部8先端にボ
ルト等(図示せず)を介して固着された取付フランジ部
11Bと、前記鏡板11Aの表面側から軸方向に立設さ
れ、中心側が巻始め端となり外周側が巻終り端となった
渦巻状のラップ部11Cと、鏡板11Aの背面側に並列
に多数立設され、互いに平行に延びた放熱板11Dとか
ら構成されている。
【0029】12は固定スクロール11と対向してケー
シング5内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示
し、該旋回スクロール12は後述の旋回スクロール本体
13と、該旋回スクロール本体13の背面側に取付けら
れた後述の背面プレート17とから一体的に構成されて
いる。
【0030】13は旋回スクロール本体で、該旋回スク
ロール本体13は円板状に形成された鏡板13Aと、該
鏡板13Aの表面側から軸方向に立設され、中心側が巻
始め端となり外周側が巻終り端となった渦巻状のラップ
部13Bと、該鏡板13Aの背面側に並列に多数立設さ
れた放熱板13C,13C,…とから大略構成されてい
る。
【0031】ここで、前記旋回スクロール本体13のラ
ップ部13Bは図1に示すように、固定スクロール11
のラップ部11Cに対し所定角度(例えば180度)だ
けずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部
11C,13B間には複数の圧縮室14,14,…が形
成される。そして、当該スクロール空気圧縮機の運転時
には、固定スクロール11の外周側に設けた吸込口15
から外周側の圧縮室14内に空気を吸込みつつ、この空
気を旋回スクロール12が旋回運動する間に各圧縮室1
4内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室14から固定
スクロール11の中心に設けた吐出口16を介して外部
に圧縮空気を吐出する。
【0032】17は旋回スクロール本体13の背面側に
設けた背面プレートを示し、該背面プレート17は円板
状に形成され、背面プレート17の背面中央部にはボス
部17Aが軸方向に突出して形成されている。そして、
該背面プレート17は旋回スクロール本体13の各放熱
板13C先端部にボルト(図示せず)等を介して固着さ
れ、旋回スクロール本体13と共に旋回運動を行うよう
になっている。
【0033】ここで、背面プレート17のボス部17A
はケーシング5の軸受部7側に向けて軸方向に突出し、
該ボス部17Aは駆動軸4のクランク4Aに旋回軸受1
8を介して回転可能に取付けられている。また、背面プ
レート17の背面側には後述の各Y軸キー溝27および
各荷重受承部31等が一体に設けられている。
【0034】19は旋回スクロール12の自転を防止す
る自転防止機構としてのオルダム継手を示し、該オルダ
ム継手19は図2および図3に示すように、後述のオル
ダムリング20、各X軸キー22、各Y軸キー24およ
び各キー溝26,27等によって構成されている。そし
て、該オルダム継手19はオルダムリング20をX軸方
向に摺動変位させ、該オルダムリング20に対して旋回
スクロール12をY軸方向に摺動変位させることによ
り、旋回スクロール12の自転を防止すると共に、該旋
回スクロール12に前記所定寸法δの旋回半径をもった
円運動(旋回運動)を与えるようになっている。
【0035】20はオルダム継手19の可動継手を構成
するオルダムリングを示し、該オルダムリング20はそ
の内周側が背面プレート17のボス部17Aに対する逃
し穴20Aとなり、該逃し穴20Aは、オルダムリング
20がX軸,Y軸方向に摺動変位するときにボス部17
Aに衝突するのを防止すべく、比較的大きな穴径をもっ
て形成されている。そして、該オルダムリング20は高
強度の金属板等により円形リングとして形成され、その
外周側には後述の各X軸キー支持部21および各Y軸キ
ー支持部23が一体形成されている。
【0036】21,21はオルダムリング20の外周側
から径方向外向きに突出しX軸方向に延びた一対のX軸
キー支持部を示し、該各X軸キー支持部21の先端側に
はそれぞれX軸方向に延びるX軸キー22,22が一体
に設けられ、該各X軸キー22はオルダムリング20の
軸方向端面よりもケーシング5のフランジ部6側に向け
て一定の高さをもって突出し、後述のX軸キー溝26に
摺動可能に係合している。
【0037】23,23はオルダムリング20の外周側
から径方向外向きに突出しY軸方向に延びた一対のY軸
キー支持部を示し、該各Y軸キー支持部23は各X軸キ
ー支持部21と同一形状に形成され、各キー支持部2
1,23はオルダムリング20から十字形状をなして突
出している。そして、各Y軸キー支持部23の先端側に
はそれぞれY軸方向に延びるY軸キー24,24が一体
に設けられており、該各Y軸キー24はオルダムリング
20の軸方向端面よりも旋回スクロール12の背面プレ
ート17側に向けて突出し、後述の各Y軸キー溝27に
摺動可能に係合している。
【0038】25,25はケーシング5のフランジ部6
内側面に一体に設けられた平板状のガイドを示し、該各
ガイド25は図2に示す如くフランジ部6の内側面に沿
ってX軸方向へと伸長している。
【0039】26,26は各ガイド25に凹設された第
1の継手ガイドとしてのX軸キー溝を示し、該各X軸キ
ー溝26は各ガイド25に沿ってX軸方向に延びる凹溝
として形成されている。そして、各X軸キー溝26は、
オルダムリング20の各X軸キー22と摺動可能に係合
し、オルダムリング20をX軸方向にガイドする構成と
なっている。
【0040】27,27は旋回スクロール12の背面プ
レート17に形成された第2の継手ガイドとしてのY軸
キー溝を示し、該各Y軸キー溝27は背面プレート17
の背面側に位置し、Y軸方向に延びる凹溝として形成さ
れている。そして、各Y軸キー溝27は、オルダムリン
グ20の各Y軸キー24と摺動可能に係合し、旋回スク
ロール12をオルダムリング20に対してY軸方向にガ
イドする構成となっている。
【0041】28,28,…は前記旋回スクロール12
からのスラスト荷重を受承するスラスト支持手段として
のスラスト受けを示し、該各スラスト受け28は図4に
示す如く、ケーシング5のフランジ部6と旋回スクロー
ル12の背面プレート17との間に一定の傾斜角θをも
って配設され、前記スラスト荷重を受承する柱体29
と、ケーシング5のフランジ部6の内側面から軸方向に
突設され、該各柱体29の一端を外側から取囲むように
筒状に形成された荷重受承部30と、旋回スクロール1
2の背面プレート17からケーシング5側へと軸方向に
突設され、該各柱体29の他端を外側から取囲むように
筒状に形成された荷重受承部31とから構成されてい
る。
【0042】ここで、各柱体29は高い剛性を有する材
料によって円柱状に形成され、該各柱体29の長さ方向
両端側は球面部29A,29Aとなっている。そして、
該各球面部29Aは図4中に仮想円32として示す如
く、柱体29の全長寸法を直径とする球面状に形成さ
れ、ケーシング5側の各荷重受承部30と背面プレート
17側の各荷重受承部31とに一定の傾斜角θをもって
転がり接触するようになっている。
【0043】また、各荷重受承部30,31はその内径
が各柱体29の外径寸法よりも大径となったリングによ
り形成され、その先端側は開口端30A,31Aとなっ
て各柱体29の外周面に当接し、該各柱体29が傾斜角
θ以上に傾くのを規制すると共に、荷重受承部30,3
1の径方向に各柱体29が位置ずれするのを規制してい
る。
【0044】一方、各荷重受承部30,31の底面は各
柱体29の球面部29Aが転動(揺動)可能に当接する
当接面30B,31Bとなり、該当接面30B,31B
は旋回スクロール12からのスラスト荷重を柱体29を
介して受承し、該柱体29の各球面部29Aが転がり接
触するようになっている。
【0045】そして、各荷重受承部30,31は図2お
よび図3に示すように、オルダムリング20の径方向外
側で各キー支持部21,23間に配設され、各荷重受承
部30,31と各柱体29との間でオルダムリング20
が各キー支持部21,23と共にX軸,Y軸方向に変位
するのを許す構成となっている。
【0046】なお、図4は旋回スクロール12がケーシ
ング5に対して旋回動作するときの一側旋回位置とこれ
よりも180度だけ旋回した他側旋回位置とを比較対照
できるように示したものである。そして、旋回スクロー
ル12が所定寸法δの旋回半径をもって一側旋回位置か
ら他側旋回位置まで旋回動作するときに、柱体29はそ
の傾斜方向が反転し、いずれの位置にあっても荷重受承
部30,31に対して一定の傾斜角θ分だけ傾いた状態
に保持される。
【0047】本実施例によるスクロール空気圧縮機は上
述の如き構成を有するもので、次にその作動について説
明する。
【0048】まず、電動モータ1により駆動軸4を回転
させ、旋回スクロール12を旋回させると、固定スクロ
ール11のラップ部11Cと旋回スクロール12(旋回
スクロール本体13)のラップ部13Bとの間に画成さ
れた圧縮室14,14,…が連続的に縮小する。これに
より、固定スクロール11の吸込口15から吸込んだ外
気を該各圧縮室14で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を
固定スクロール11の吐出口16から外部の空気タンク
等に貯留させる。
【0049】そして、このように旋回スクロール12が
旋回運動するときには、オルダムリング20、各X軸キ
ー溝26、および各Y軸キー溝27等からなるオルダム
継手19によって旋回スクロール12の自転が防止さ
れ、該旋回スクロール12は駆動軸4を中心として所定
寸法δの旋回半径をもった円運動(旋回運動)が与えら
れる。
【0050】即ち、旋回スクロール12が固定スクロー
ル11に対して旋回運動する間に、オルダム継手19
は、オルダムリング20側の各X軸キー22がケーシン
グ5側の各X軸キー溝26に沿って摺動変位することに
よりY軸方向への変位が規制されつつ、ケーシング5に
対してはX軸方向に摺動変位する。また、オルダムリン
グ20の各Y軸キー24は旋回スクロール12側の各Y
軸キー溝27に沿って摺動変位することによりX軸方向
への変位が規制されつつ、旋回スクロール12に対して
はY軸方向に摺動変位することになる。
【0051】また、ケーシング5のフランジ部6内側面
には、オルダムリング20の各キー支持部21,23
(各キー溝26,27)間に位置して背面プレート17
側へと向って軸方向に突出する合計4個の荷重受承部3
0,30,…を一体に形成し、旋回スクロール12の背
面プレート17側には、該各荷重受承部30と対向する
ように合計4個の荷重受承部31,31,…を軸方向に
突出形成すると共に、該各荷重受承部30,31間には
各柱体29を揺動(転動)可能に配設することにより、
旋回スクロール12からのスラスト荷重を受承する各ス
ラスト受け28を構成している。
【0052】そして、旋回スクロール12がケーシング
5に対して図4に例示する如く旋回動作するときには、
柱体29の外周面が荷重受承部30,31の開口端30
A,31Aの内周側に沿って転動(転がり接触)し続け
ると共に、柱体29の各球面部29Aは荷重受承部3
0,31の当接面30B,31Bに傾斜角θをもって転
動(転がり接触)し続けるようになり、各スラスト受け
28は各荷重受承部30,31間で各柱体29を介して
旋回スクロール12からのスラスト荷重を確実に受承で
きる。
【0053】かくして、本実施例によれば、ケーシング
5のフランジ部6と旋回スクロール12の背面プレート
17との間にオルダムリング20を摺動可能に配設し、
ケーシング5側の各X軸キー溝26と旋回スクロール1
2側の各Y軸キー溝27とによって、オルダムリング2
0の変位方向を互いに直交する2軸(X,Y軸)方向に
規制するようにしている。そして、オルダムリング20
の径方向外側で各キー支持部21,23間には、各柱体
29および各荷重受承部30,31からなる合計4個の
スラスト受け28,28,…を設ける構成としている。
【0054】この結果、各スラスト受け28の柱体29
をケーシング5(フランジ部6)と旋回スクロール12
(背面プレート17)との間で円滑に揺動させながら、
オルダムリング20のX軸,Y軸方向変位により旋回ス
クロール12の自転を防止でき、旋回スクロール12の
旋回動作を安定させることができると共に、圧縮運転時
に発生する旋回スクロール12からのスラスト荷重を各
柱体29で確実に受承でき、オルダム継手19側にスラ
スト荷重が作用するのを防止できる。
【0055】そして、オルダムリング20側の各X軸キ
ー22、各Y軸キー24と、ケーシング5側の各X軸キ
ー溝26、背面プレート17側の各Y軸キー溝27との
間で生じる摺動抵抗を小さく抑えることができると共
に、オルダムリング20の摺動時に生じる摩耗を効果的
に低減でき、該オルダムリング20の各X軸キー22お
よび各Y軸キー24を各キー溝26,27に沿ってX
軸,Y軸方向へと円滑に摺動変位させることができる。
【0056】また、各スラスト受け28の柱体29は両
端側の端面が柱体29の長さ寸法を直径とする仮想円3
2に沿った球面部29A,29Aとして形成され、ケー
シング5側の各荷重受承部30と旋回スクロール12側
の各荷重受承部31とにより各柱体29は一定の傾斜角
θをもって斜めに傾いた状態に保持されているから、図
4中に仮想円32として例示した大径の球体をケーシン
グ5と旋回スクロール12との間に転動可能に設けた場
合と全く同様に接触面圧を減らすことができ、旋回スク
ロール12からの大きなスラスト荷重を少数の柱体29
で確実に受承できる。
【0057】そして、旋回スクロール12の旋回動作時
には各柱体29の球面部29Aを各荷重受承部30,3
1の当接面30B,31Bに転がり接触させることによ
り、各柱体29を旋回スクロール12の動きに追従させ
て円滑に揺動し続けることができ、摩擦等による機械損
失を低減できると共に、オルダム継手19のオルダムリ
ング20等がX軸,Y軸方向に滑らかに摺動変位するの
を補償できる。
【0058】従って、本実施例によれば、各柱体29お
よび各荷重受承部30,31からなる各スラスト受け2
8によって旋回スクロール12からのスラスト荷重を効
果的に受承でき、オルダム継手19のオルダムリング2
0等にスラスト荷重が作用するのを防止できると共に、
オルダムリング20の各X軸キー22、各Y軸キー24
と各X軸キー溝26、各Y軸キー溝27との間の摺動抵
抗を大幅に軽減でき、オルダム継手19等の耐久性や寿
命を確実に延ばすことができる。
【0059】また、各スラスト受け28の柱体29をケ
ーシング5側の荷重受承部30と旋回スクロール12側
の荷重受承部31との間で円滑に揺動させることがで
き、摩擦等による機械損失を効果的に低減できると共
に、各荷重受承部30,31間に各柱体29を保持して
各スラスト受け28としての寿命や耐久性を確実に向上
できる。そして、当該スクロール空気圧縮機の寿命を延
ばして、性能を確実に向上でき、長期に亘って安定した
圧縮性能を確保することができる。
【0060】さらに、オルダムリング20側の各X軸キ
ー22、各Y軸キー24と各X軸キー溝26、各Y軸キ
ー溝27との間に、特別にオイル等の潤滑油を供給する
必要がなく、ケーシング5と旋回スクロール12の背面
側との間でオルダムリング20等を円滑に摺動変位させ
ることができ、無給油式の圧縮機として当該スクロール
空気圧縮機を安定して作動させることができる等の効果
を奏する。
【0061】次に、図5は本発明の第2の実施例による
無給油式のスクロール空気圧縮機を示し、本実施例では
前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施例
の特徴は、ケーシング5のフランジ部6と旋回スクロー
ル12の背面プレート17との間に設けられるスラスト
支持手段としての各スラスト受け41を、長さ方向両端
側に球面状をなす一対の球面部としての球形部42A,
42Aが一体に設けられた支承部としての柱体42と、
該柱体42の球形部42A,42Aを揺動可能に支持す
るように凹球面形状をなす第1,第2の凹部43A,4
4Aが形成された荷重受承部43,44とから構成した
ことにある。
【0062】ここで、各スラスト受け41の荷重受承部
43,44は、前記第1の実施例で述べた荷重受承部3
0,31と同様にケーシング5のフランジ部6と旋回ス
クロール12の背面プレート17とに一体に設けられて
いる。そして、各荷重受承部43,44の凹部43A,
44Aは柱体42の各球形部42Aに対応して球面形状
に形成され、該各球形部42Aとの接触(摺接)面積を
大きくでき、接触面圧を低減できるようになっている。
【0063】また、各柱体42は各球形部42A間が該
球形部42Aよりも小径の連結軸部42Bとなり、該連
結軸部42Bが荷重受承部43,44間で一定の傾斜角
θ(図4参照)を保つように、各柱体42には転倒防止
手段(図示せず)が荷重受承部43,44間に位置して
配設されている。
【0064】そして、前記第1の実施例と同様に旋回ス
クロール12がケーシング5に対して所定寸法δの旋回
半径をもって旋回動作するときには、柱体42の両端側
の球形部42A,42Aが荷重受承部43,44の凹部
43A,44A内で転動し続けると共に、柱体42は軸
方向に対して傾斜角θをもって揺動し続けるようにな
り、各スラスト受け41は各荷重受承部43,44間で
各柱体42を介して旋回スクロール12からのスラスト
荷重を確実に受承できる。
【0065】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、各スラスト受け41
の柱体42(球形部42A)と荷重受承部43,44
(凹部43A,44A)とを球面形状に形成して接触
(摺接)面積を大きくしているから、両者の接触面圧を
小さくでき、より大きなスラスト荷重を確実に受承でき
ると共に、旋回スクロールの動きを円滑化することがで
き、耐久性や寿命をより効率的に延ばすことができる。
【0066】次に、図6は本発明の第3の実施例による
無給油式のスクロール空気圧縮機を示し、本実施例では
前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施例
の特徴は、ケーシング5のフランジ部6と旋回スクロー
ル12の背面プレート17との間に設けるスラスト支持
手段としてのスラスト受け51を、支承体としての円柱
状の柱体52、ケーシング5側の荷重受承部53および
旋回スクロール12側の荷重受承部54とから構成し、
柱体52の両端側には柱体52の外径寸法に対応した球
形状をなす球面部52A,52Aを一体に形成したこと
にある。
【0067】ここで、ケーシング5側および旋回スクロ
ール12側の各荷重受承部53,54には柱体52の各
球面部52Aに対応して凹球面状をなす凹部53A,5
4Aが形成され、該凹部53A,54Aは柱体52を各
球面部52Aを介して揺動可能に保持している。そし
て、各柱体52は各荷重受承部53,54間で転倒防止
手段(図示せず)によって一定の傾斜角θ(図4参照)
を保持するように配設され、旋回スクロール12の旋回
動作に追従して各柱体52が円滑に揺動するのを補償し
ている。
【0068】かくして、このように構成される本実施例
でも前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得ること
ができるが、特に本実施例では、柱体52の各球面部5
2Aおよび荷重受承部53,54の凹部53A,54A
を比較的単純な球面形状に形成でき、製作時の加工性や
作業性を高めることができる。
【0069】次に、図7ないし図10は本発明の第4の
実施例による無給油式のスクロール空気圧縮機を示し、
本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。しか
し、本実施例の特徴は、ケーシング5のフランジ部6と
旋回スクロール12の背面プレート17との間に設けら
れるスラスト支持手段としてのスラスト受け61を、ケ
ーシング5のフランジ部6にリング状凹溝62Aをもっ
て形成された第1の凹部を有する球体ガイド62と、旋
回スクロール12の背面プレート17に第2の凹部とな
る凹球面状の凹部63Aをもって形成された球体受承部
63と、該球体受承部63と球体ガイド62との間に配
設され、スラスト荷重を支承する支承体としての球体6
4とから構成したことにある。
【0070】ここで、各スラスト受け61の球体ガイド
62は図8および図9に示すように、ケーシング5のフ
ランジ部6に一体に設けられ、該各球体ガイド62のリ
ング状凹溝62Aは、球体64に対応する径をもった円
弧状の凹溝からなり、該リング状凹溝62Aのリング径
は図7に示す如く、クランク4Aと同様に旋回半径に対
応した所定寸法δとなり、球体64が所定寸法δの円運
動を行うようにガイドしている。
【0071】また、各スラスト受け61の球体受承部6
3は図10に示すように、旋回スクロール12の背面プ
レート17に一体に設けられ、該球体受承部63の凹部
63Aは各球体64を転動可能に支持するように凹球面
状に形成され、該各球体64との接触(摺接)面積を大
きくすることによって接触面圧を低減できるようになっ
ている。
【0072】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第3の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、各スラスト受け61
を、球体64と、リング状凹溝62Aを有する球体ガイ
ド62と、凹球面状の凹部63Aをもつ球体受承部63
とから構成し、それぞれの接触(摺接)面積を大きくで
きるようにしているから、球体64、球体ガイド62お
よび球体受承部63の接触面圧を小さくでき、より大き
なスラスト荷重を少数のスラスト受け61で確実に受承
できる。
【0073】なお、前記第4の実施例では、各スラスト
受け61の球体ガイド62をケーシング5のフランジ部
6に、球体受承部63を旋回スクロール12の背面プレ
ート17にそれぞれ設けることとしたが、球体ガイド6
2を旋回スクロール12側に球体受承部63をケーシン
グ5側に設ける構成としてもよく、この場合でも、前記
第4の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0074】また、前記各実施例では、スクロール式流
体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒
圧縮機等にも広く適用できる。
【0075】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、ケーシングと旋回スクロールの背面側との
間には、該旋回スクロールからのスラスト荷重を受承す
る複数のスラスト支持手段を設け、該各スラスト支持手
段は、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間
に斜めに傾斜した状態で配設され、前記ケーシング側と
旋回スクロール側とに当接する長さ方向両端側が球面状
に形成された柱体と、該各柱体の両端側がそれぞれ当接
するように、前記ケーシングおよび旋回スクロール側に
それぞれ設けられ、該各柱体を旋回スクロールの動きに
追従して揺動可能に支持する第1,第2の荷重受承部と
から構成しているから、旋回スクロールからのスラスト
荷重を各柱体(スラスト支持手段)によって円滑に受承
でき、旋回スクロールの旋回動作を安定させることがで
きると共に、各柱体の球面状をなす各端面をケーシング
側の荷重受承部と旋回スクロール側の荷重受承部とに転
がり接触させて前記スラスト荷重を受承し続けることが
でき、摩擦等による機械損失を軽減できる。そして、各
柱体の端面を曲率半径の大きい球面とすることにより、
荷重受承部との接触面積を広くして面圧を低減でき、少
数の柱体で大荷重を受けることができると共に、無給油
式の圧縮機等に適用した場合でも耐久性や寿命を確実に
向上でき、信頼性を高めることができる。
【0076】この場合、請求項2に記載の発明では、各
柱体の両端側には、該柱体の全長寸法に対応する直径を
もって球面状に形成された球面部を形成し、前記各荷重
受承部は該各柱体の球面部と接する面を平坦面として形
成しているから、各柱体の全長寸法を直径とする大径の
球体をケーシングと旋回スクロールとの間で転動可能に
設けた場合と同様に、各柱体の両端側と各荷重受承部の
当接面との間に加わる接触面圧を小さくすることができ
ると共に、少数の柱体によって大きなスラスト荷重を受
承することができる。そして、各スラスト支持手段に大
径の球体等を用いる必要がなくなるから、全体をコンパ
クトに形成して小型化、軽量化を図ることができる。
【0077】また、請求項3に記載の発明では、各柱体
の両端側には球面部を形成し、前記各荷重受承部には、
該各柱体の各球面部に対応して凹球面状に形成された凹
部を設ける構成としているから、各荷重受承部を球面軸
受として機能させることができ、柱体に対する接触面積
を大きくして、接触面圧を低減させることができる。そ
して、旋回スクロールの動きに追従して各柱体が揺動を
繰返すときに、該各柱体を各荷重受承部間で斜めに傾斜
した状態に保持でき、旋回スクロールの動きを円滑化さ
せてスラスト荷重を効果的に受承できると共に、摩擦等
による機械損失を大幅に軽減でき、耐久性や寿命をより
効率的に延ばすことができる。
【0078】さらに、請求項4に記載の発明では、ケー
シングと旋回スクロールの背面側との間には、該旋回ス
クロールからのスラスト荷重を受承する複数のスラスト
支持手段を設け、該各スラスト支持手段は、前記ケーシ
ング側と旋回スクロールの背面側とにそれぞれ設けられ
凹球面形状をなす第1,第2の凹部と、少なくとも該各
凹部に摺動接触する面が凸球面状に形成され、該各凹部
間で前記スラスト荷重を支承する支承体とから構成して
いるから、ケーシング側と旋回スクロール側とに設けた
各凹部の間で凸球面状に形成された支承体を摺動させる
ことにより、確実にスラスト荷重を受承でき、この場合
でも、球面軸受を構成して接触面圧を効果的に低減でき
る。
【0079】この場合、請求項5に記載の発明では、前
記各支承体は第1,第2の各凹部間に転動可能に配設さ
れ該各凹部に対応する径をもって形成された球体により
構成し、前記第1,第2の凹部のうちいずれか一方の凹
部は、前記旋回スクロールの旋回半径に対応するリング
径をもってリング状凹溝として形成しているから、各球
体と凹部との接触面圧を小さくできると共に、各リング
状凹溝に沿って各球体が摺動するため旋回スクロールの
動きを円滑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール空気圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】旋回スクロールの背面プレート等を取外した状
態でケーシング、オルダム継手および荷重受承部を示す
図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】背面プレート(旋回スクロール)の背面側から
みたオルダム継手のオルダムリングおよび荷重受承部等
を示す外観図である。
【図4】ケーシングに対して旋回スクロールが旋回動作
するときの一側旋回位置と他側旋回位置とを比較対照し
て示すスラスト支持手段の断面説明図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるスクロール空気圧
縮機を拡大して示す要部縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるスクロール空気圧
縮機を拡大して示す要部縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例によるスクロール空気圧
縮機を拡大して示す要部縦断面図である。
【図8】旋回スクロールの背面プレート等を取外した状
態でケーシング、オルダム継手および球体ガイドを示す
図7中の矢示VIII−VIII方向拡大断面図である。
【図9】図8中の球体ガイドに球体を配置した状態を示
す要部拡大図である。
【図10】背面プレート(旋回スクロール)の背面側か
らみたオルダム継手のオルダムリングおよび球体受承部
等を示す外観図である。
【符号の説明】
4 駆動軸 4A クランク 5 ケーシング 6 フランジ部 11 固定スクロール 11A,13A 鏡板 11C,13B ラップ部 12 旋回スクロール 13 旋回スクロール本体 14 圧縮室 17 背面プレート 17A ボス部 19 オルダム継手(自転防止機構) 20 オルダムリング(可動継手) 22 X軸キー 24 Y軸キー 26 X軸キー溝(継手ガイド) 27 Y軸キー溝(継手ガイド) 28,41,51,61 スラスト受け(スラスト支持
手段) 29,42,52 柱体 29A,52A 球面部 30,31,43,44,53,54 荷重受承部 30A,31A 開口端 30B,31B 当接面 42A 球形部 43A,44A,53A,54A,63A 凹部 62 球体ガイド 62A リング状凹溝 63 球体受承部 64 球体(支承体)
フロントページの続き (72)発明者 小林 義雄 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 三原 宏之 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに一体的に
    設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケーシング
    に回転可能に支持され先端側がクランクとなった駆動軸
    と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記固定
    スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロ
    ールとからなるスクロール式流体機械において、 前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間には、
    該旋回スクロールからのスラスト荷重を受承する複数の
    スラスト支持手段を設け、該各スラスト支持手段は、前
    記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間に斜めに
    傾斜した状態で配設され、前記ケーシング側と旋回スク
    ロール側とに当接する長さ方向両端側が球面状に形成さ
    れた柱体と、該各柱体の両端側がそれぞれ当接するよう
    に、前記ケーシングおよび旋回スクロール側にそれぞれ
    設けられ、該各柱体を旋回スクロールの動きに追従して
    揺動可能に支持する第1,第2の荷重受承部とから構成
    したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記各柱体の両端側には、該柱体の全長
    寸法に対応する直径をもって球面状に形成された球面部
    を形成し、前記各荷重受承部は該各柱体の球面部と接す
    る面を平坦面として形成してなる請求項1に記載のスク
    ロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記各柱体の両端側には球面部を形成
    し、前記各荷重受承部には、該各柱体の各球面部に対応
    して凹球面状に形成された凹部を設けてなる請求項1に
    記載のスクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 ケーシングと、該ケーシングに一体的に
    設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケーシング
    に回転可能に支持され先端側がクランクとなった駆動軸
    と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記固定
    スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロ
    ールとからなるスクロール式流体機械において、 前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間には、
    該旋回スクロールからのスラスト荷重を受承する複数の
    スラスト支持手段を設け、該各スラスト支持手段は、前
    記ケーシング側と旋回スクロールの背面側とにそれぞれ
    設けられ凹球面形状をなす第1,第2の凹部と、少なく
    とも該各凹部に摺動接触する面が凸球面状に形成され、
    該各凹部間で前記スラスト荷重を支承する支承体とから
    構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 前記各支承体は第1,第2の各凹部間に
    転動可能に配設され該各凹部に対応する径をもって形成
    された球体により構成し、前記第1,第2の凹部のうち
    いずれか一方の凹部は、前記旋回スクロールの旋回半径
    に対応するリング径をもってリング状凹溝として形成し
    てなる請求項4に記載のスクロール式流体機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110123324A1 (en) * 2009-11-25 2011-05-26 Richstone Limited Scroll fluid machine
CN104074759A (zh) * 2014-07-11 2014-10-01 湖南联力精密机械有限公司 十字环滚动运动的涡旋空气压缩机

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