JPH09110852A - γ−ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents

γ−ブチロラクトンの製造方法

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JPH09110852A
JPH09110852A JP7298806A JP29880695A JPH09110852A JP H09110852 A JPH09110852 A JP H09110852A JP 7298806 A JP7298806 A JP 7298806A JP 29880695 A JP29880695 A JP 29880695A JP H09110852 A JPH09110852 A JP H09110852A
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JP
Japan
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metal
catalyst
reaction
gel
butyrolactone
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JP7298806A
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English (en)
Inventor
Kunitoshi Wakabayashi
邦俊 若林
Etsuo Fujimoto
悦男 藤本
Hiroshi Uchida
博 内田
Kenichiro Maki
健一郎 牧
Kenichi Sano
健一 佐野
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジカルボン酸またはその無水物を固体酸を用
いた水素添加反応により、従来知られている方法よりも
反応圧力を低下させ、かつ高選択率、高収率でγ−ブチ
ロラクトンを効率よく製造できる方法を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸またはその無水物を8族金
属を担持した固体触媒の存在下に水素化するにあたり、
前記固体触媒として金属アルコキシドから誘導された該
金属を含むゲルに分散された8族金属触媒を用いること
を特徴とする。前記水素化の反応温度は100〜250
℃、反応圧力は1〜50kg/cm2 Gの範囲が好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はγ−ブチロラクトン
の効率的な製造方法に関するものである。γ−ブチロラ
クトンは、工業用溶剤や洗浄剤として有用なN−メチル
ピロリドン、または水溶性高分子としての用途の広いポ
リビニルピロリドンの原料として用いられる、有用な化
合物である。
【0002】
【従来の技術】ジカルボン酸またはその酸無水物を液相
で接触水素添加してγ−ブチロラクトンを製造すること
に関して、数多くの試みがなされている。例えば、接触
成分金属としてパラジウムやニッケルを使用した例とし
ては、活性炭に担持したパラジウム触媒(以下、Pd/
Cと略す)を使用するもの(米国特許第3,113,1
38号)、ラネーニッケル、または金属ニッケルを単独
または担持したものを使用するもの(例えば、特公昭4
3−6946号公報、特開昭43−6947号公報)な
ど、多くの方法がある。また、パラジウムとニッケルを
組み合わせたニッケル系触媒(以下、Pd−Ni系触媒
と略す)を用いる方法等(特公昭46−33030号公
報)も知られている。
【0003】そして特開平2−9873号公報には、高
比表面積をもつシリカ担体に含浸担持したNi−Pd系
触媒を用いる方法において、γ−ブチロラクトンが高収
率で得られているが、反応温度が235℃以上、反応圧
力が95barと非常に過酷な条件を用いる必要があ
る。また特開平6−145159号公報には、Pd−N
i系触媒を用い、反応系にアルカリ金属塩類を添加する
ことにより、γ−ブチロラクトンを高収率で得ている
が、反応温度が180℃以上と若干低いものの、金属担
持触媒以外に添加物が必須で、かつ反応圧力が少なくと
も50kg/cm2 G以上必要であり、温和な反応条件
とは言い難い。
【0004】また、担持触媒の調製法として、ゾルゲル
法(アルコキシド法)が知られているが、この方法は、
例えば、エチレングリコールの中に担体金属アルコキシ
ドと触媒金属塩とを溶解混合し、80℃で加熱し反応さ
せた後、加水分解する方法であり、この方法を使用する
と触媒金属の粒子径を比較的均一にでき、また触媒の表
面積などを制御できるとされている[触媒、24巻58
頁(1982年)、触媒、25巻311頁(1983
年)、特開昭63−45620号公報]。
【0005】一方、ゾルゲル法で調製された金属担持触
媒は、炭酸ガスのメタノールへの水素化反応(特開平4
−124152号公報)、芳香族炭化水素の部分核水素
化反応(特開平3−29049号公報)、芳香族カルボ
ン酸類の芳香族アルコール類への水素化反応(特開平6
−92885号公報)等に応用されているが、ジカルボ
ン酸またはその酸無水物を原料として、固体触媒を用い
た液相水素添加反応によるγ−ブチロラクトンの製造法
に応用されている例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジカ
ルボン酸またはその無水物を、固体触媒を用いた水素添
加反応により、従来知られている方法よりも反応圧力を
低下させ、かつ高選択率、高収率でγ−ブチロラクトン
を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる問題
について鋭意検討した結果、いわゆるゾルゲル法と呼ば
れる手法で調製した、触媒金属と担体金属よりなる金属
酸化物を還元することにより得られる金属担持固体触媒
を用いることにより、ジカルボン酸またはその無水物、
特にマレイン酸無水物及びこはく酸無水物からγ−ブチ
ロラクトンを低温度で、かつ低圧力にて、効率よく製造
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の請求項1の発明は、ジカルボン酸
またはその無水物を、8族金属を担持した固体触媒の存
在下に水素化するにあたり、前記固体触媒として金属ア
ルコキシドから誘導された該金属を含むゲルに分散され
た8族金属触媒を用いることを特徴とするγ−ブチロラ
クトンの製造方法である。
【0009】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
のγ−ブチロラクトンの製造方法において、8族金属の
二種以上の金属を併用することを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載のγ−ブチロラクトンの製造方法にお
いて、前記固体触媒の存在下に水素化する際に、100
〜250℃の反応温度で、1〜50kg/cm2 Gの反
応圧力下にて行うことを特徴とする。
【0011】前記ゾルゲル法とは、2種類以上の金属に
ついて、各々の金属をアルコキシドとした後、混合、加
熱することにより金属酸化物のゲルを調製する方法であ
る。2種類の金属M,M′を用いた場合、各々の金属ア
ルコキシドM(OR)m 、M′(OR′)n は混合、加
熱すると、脱エーテル反応により、(OR)m-1 −M−
O−M′−(OR′)n-1 のような −M−O−M′−
結合を有する化合物が形成され、最終的には金属が原子
状に分散した、架橋構造を有する金属酸化物ゲルが得ら
れる。従って触媒金属アルコキシドと担体金属アルコキ
シドよりこのような金属酸化物ゲルを調製し、更に還元
処理を施させば、触媒金属が高分散した金属担持固体触
媒が得られる。
【0012】以下の方法により担体金属と触媒金属より
なる、ゾルゲル法による金属酸化物ゲルを調製し、そし
て、このゲルを加熱処理、還元処理して本発明で用いる
金属担持固体触媒を調製する。 (1)触媒金属の金属塩を溶媒であるアルコール類に溶
解して金属アルコキシドを調製する。 (2)前記金属アルコキシド溶液に対し、担体金属アル
コキシドを加熱混合し、均一なゾル溶液とする。このゾ
ル溶液中には、触媒金属−酸素−担体金属結合を有する
化合物が存在するとされる。 (3)前記ゾル溶液に対し水を加え、加水分解・縮重合
反応により生ずる架橋構造を有する、触媒金属と担体金
属よりなる金属酸化物ゲルを形成させる。 (4)このゲルに加熱処理、還元処理を施すことによ
り、触媒金属が均一かつ高分散な粒子状態の金属担持固
体触媒が得られる。
【0013】前記ゾルゲル法により金属酸化物ゲルを形
成するに際し、原料として硝酸ニッケル(無水物)、エ
チレングリコール、テトラエトキシシランを用いる場合
は、以下のような反応を経るものとされる。まず、硝酸
ニッケル(無水物)をエチレングリコールに溶解する
と、次式(1)のようにニッケルエチレングリコラート
が生成する。
【0014】
【化1】
【0015】これにテトラエトキシシランを加えて加熱
混合することにより次式(2)によりSi−O−Ni−
O−Si結合を有する化合物の、均一なゾル溶液が得ら
れる。
【0016】
【化2】
【0017】更に水を加えると、次式(3)のように
(EtO)3 Si−O−Ni−O−Si(EtO)3
エトキシ基が加水分解して水酸基となる。
【0018】
【化3】
【0019】このようにしてできた(EtO)3 Si−
O−Ni−O−Si(EtO)2 (OH)及び、未反応
の(EtO)3 Si−O−Ni−O−Si(EtO)
3 、Si(OEt)4 は相互に脱水、縮重合を繰り返
し、架橋構造を有する、NiとSiよりなる次式(4)
で表される金属酸化物ゲルを形成する。
【0020】
【化4】
【0021】このようにして生成したゲルに対し、加熱
処理により水分、残留有機物を除いた後に還元処理を行
うことにより、シリカ上に高分散に担持されたNi金属
担持固体触媒が得られる。
【0022】また、ゾルゲル法により金属酸化物ゲルを
形成するに際し、原料として塩化ルテニウム(水和
物)、ヘキシレングリコール、アルミニウムイソプロポ
キシドを用いる場合は、以下のような反応を経るもとさ
れる。塩化ルテニウム(水和物)を減圧下、加熱して脱
水した後、ヘキシレングリコールに溶解したときには次
式(5)のように対応するアルコラートが生成する。
【0023】
【化5】
【0024】前記アルコラートにアルミニウムイソプロ
ポキシドを加えて加熱混合することにより、次式(6)
に示すようにRu−O−Al結合を有する化合物の、均
一なゾル溶液が得られる。
【0025】
【化6】
【0026】更に水を加えると、Ru[−OAl(O
iso−C3723 のイソプロピル基が加水分解
して次式(7)に示すような水酸基を有するRu−Al
化合物が生成する。
【0027】
【化7】
【0028】このようにしてできた水酸基を有するRu
−Al化合物及び、未反応のRu[−OAl(O is
o−C3723 、Al(O iso−C37
3 は相互に脱水、縮重合を繰り返し、次式(8)に示す
ような架橋構造を有する、RuとAlよりなる金属酸化
物ゲルを形成する。
【0029】
【化8】
【0030】このようにして生成したゲルに対し、加熱
処理により水分、残留有機物を除いた後に還元処理を行
うことにより、アルミナ上に高分散に担持されたRu金
属担持固体触媒が得られる。上記の例の他にも、触媒金
属、担体金属、溶媒を選択することにより、任意の金属
担持固体触媒をゾルゲル法により調製することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明について以下に詳述する。
本発明に使用する触媒金属は、8族の金属であり、好ま
しくはニッケル、ルテニウム、パラジウム及びこれらの
組み合わせよりなる。これらの金属は、最終的に反応に
用いられるときに金属状に還元されていればよく、ゾル
ゲル法の金属触媒の原料として用いる場合には、その金
属化合物の種類、形状などは特に制限されるものではな
い。
【0032】ゾルゲル法において使用される溶媒は、原
料の金属塩などの金属化合物を溶解して、反応系中に均
一に金属成分を分散させることが出来なければならな
い。このような溶媒は、極性化合物であり、特に配位能
を持つものが望ましく、アルコール類、特に複数の金属
化合物の原子団に亙って配位して均一に混合出来る、多
座配位能を有する、多価アルコールが適している。多価
アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリ
コールなどのジオール類、グリセリン等が好ましい。
【0033】また、担体成分となる金属アルコキシドは
特に制限されるものではないが、金属は、アルミニウ
ム、珪素、ジルコニウム、ゲルマニウム、チタンなどが
好ましい。また、アルコキシド成分についても特に制限
されるものではないが、メタノール、エタノール、n−
プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、t
ert−ブチルアルコール等が好ましい。
【0034】以上のような原料を用いて行う、ゾルゲル
法による触媒を調製するにあたりその条件の例を以下に
示す。担体金属に対する触媒金属の割合は、0.1〜5
0mol%、好ましくは5〜40mol%である。この
割合は、ゾルゲル法による金属酸化物ゲルの調製時に、
触媒金属塩化合物の量と担体金属アルコキシドの量によ
り調整する。
【0035】使用される触媒金属は、8族の金属から選
択される少なくとも1つの金属であり、例えば、単独で
もよく、また二成分或いは三成分を組み合わせたもので
もよく、好ましくはNi、Ru、Pdから選択される少
なくとも1つの金属であり、例えばこれらから選択され
る成分の単独でもよく、また二成分或いは三成分を組み
合わせたものでもよく、更に好ましくは、Ni−Pdの
組み合わせ、Ni−Ruの組み合わせ、及びNi−Pd
−Ruの組み合わせを挙げることができる。
【0036】Ni−Pdの組み合わせの場合は、Niに
対するPdの割合は、例えば0.1〜20mol%が望
ましい。Ni−Ruの組み合わせの場合は、例えばNi
に対するRuの割合は0.1〜20mol%が望まし
い。Ni−Pd−Ruの組み合わせの場合は、Niに対
するPdの割合は例えば0.1〜20mol%、Niに
対するRuの割合は例えば0.1〜20mol%が望ま
しい。
【0037】本発明における触媒金属と担体金属の好ま
しい組み合わせの例としては触媒金属が8族の金属で担
体金属として珪素を用いる例、触媒金属が主成分触媒金
属としてニッケルを用い、第二成分以下の触媒金属とし
てパラジウムおよび/またはルテニウムを用い、担体金
属として珪素を用いる例、触媒金属としてニッケルを用
い、担体金属として珪素を用いる例、触媒金属としてル
テニウムを用い、担体金属として珪素を用いる例などを
挙げることができる。
【0038】使用する溶媒は、触媒金属塩1gに対し
て、1〜10倍重量が適切であり、好ましくは2〜4倍
重量を使用する。この使用量が多いと加水分解によるゲ
ル化後に、ゲルが溶媒中に浮遊した状態になったり、或
いはゲルとしての固形状態を保たずにペースト状にな
り、最終的な金属担持固体触媒の均一性を保てない。
【0039】触媒金属塩を溶媒中に溶解し、さらに担体
金属アルコキシドと混合する際の温度は、凡そ80〜1
00℃とするのが好ましい。これより温度が低いと触媒
金属塩が充分溶媒と反応しないために金属アルコキシド
とならない可能性があり、後から加える担体成分の金属
アルコキシドと均一に反応せず、得られる金属担持固体
触媒はゾルゲル法により調製された触媒とは言えなくな
る。またこれより温度が高いと、触媒金属種によっては
不溶物として沈殿してしまう場合もあり、さらに溶媒な
ど関連化合物の沸点を越える場合は反応中に飛散してし
まう場合もあり好ましくない。
【0040】次に、水を添加して加水分解・縮重合によ
るゲル形成を行うが、その時に必要な水の量は、原料に
使用した金属アルコキシド、触媒金属塩の種類により異
なるが、それらの加水分解可能な化合物に対して、2〜
10倍モル、好ましくは3〜6倍モルである。その加水
分解時の温度は凡そ80〜100℃である。
【0041】生じたゲルは完全にゲル化を行うために、
ゲル状態を呈した後も2〜6時間その温度を保持する。
その後減圧下、100〜120℃程度で乾燥させ、乾燥
品を粉砕する。しかる後に、空気焼成、水素還元を行っ
て、最終的なゾルゲル法による金属担持固体触媒を得
る。なお、触媒金属の金属塩として硝酸塩を用いた場合
は、金属に対する溶媒の配位により生じた硝酸の残留物
を除くため、空気焼成に先立ち、窒素流通下での焼成を
行う。このときの温度は、150〜200℃程度が望ま
しい。
【0042】本発明における、γ−ブチロラクトンの合
成反応において使用される原料は、ジカルボン酸、及び
その酸無水物である。具体的には、コハク酸、無水コハ
ク酸、マレイン酸、無水マレイン酸、またはこれらの混
合物が好ましい。
【0043】γ−ブチロラクトンの合成反応は、水素加
圧下、加温された状態にて、反応温度は、100〜25
0℃で実施される。反応圧力は1〜50kg/cm2
G、好ましくは5〜30kg/cm2 Gで実施される。
反応圧力が大きすぎると副反応が増加してγ−ブチロラ
クトン以外の物質が生成してしまう。そのため、1,4
−ブタンジオール、テトラヒドロフラン等の選択率が大
きくなり、γ−ブチロラクトンの製造法としては適切で
はない。一方、反応圧力が小さすぎると反応速度が小さ
くなり好ましくない。反応時間は、温度、圧力、触媒添
加量などの条件により左右されるが、1〜20時間程度
である。
【0044】本発明における、γ−ブチロラクトンの合
成反応は、懸濁床、流動床、固定床など、いずれの条件
でも実施できる。また、溶媒の存在下で反応を行うこと
が望ましい。ここで用いられる溶媒としては、反応に不
活性であり、原料を反応温度で溶解するものであればよ
い。ただし、水素分圧を高く保つために沸点は反応温度
より高いことが望ましい。具体的にはエーテル類、エス
テル類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類、芳香族
炭化水素類などがある。これらは単独、または混合して
用いてもかまわない。
【0045】
【実施例】以下、本発明をより具体的に示すために実施
例、比較例を挙げて説明するが、本発明はその趣旨を逸
脱しない限り実施例に限定されるものではない。
【0046】(金属担持固体触媒調製例1)硝酸ニッケ
ル六水和物(Ni(NO32 ・6H2 O)14.9g
を秤量し、85℃で2時間減圧乾燥した。これにエチレ
ングリコールを30g加え、90℃にて4時間攪拌した
ところ、鮮緑色の透明な液体が得られた。これにオルト
ケイ酸エチル(Si(OEt)4 )34.3gを加え、
90℃にて4時間攪拌を行ったところ、緑色懸濁物が得
られた。これにジクロロテトラアンミンパラジウム−水
和物(Pd(NH34 Cl2 ・H2 O)0.77gを
純水12gに溶解させて滴下したところ数分後にゲル化
し、その後更に4時間、90℃にて放置した。これを1
10℃で減圧乾燥した後粉砕した。更に、窒素を75m
l/minで流しながら180℃にて2時間焼成した。
この時、褐色気体の発生が認められた。次に空気を75
ml/minで流しながら450℃にて4時間焼成し、
次に水素を75ml/minで流しながら450℃にて
2時間還元した。最後に二酸化炭素を流通して安定化処
理を行った後に粉体を取りだし、ゾルゲル法Ni−Pd
/シリカゲル担持触媒(Ni/Pd=22.5/2.3
wt%)とした。
【0047】(金属担持固体触媒調製例2)硝酸ニッケ
ル六水和物(Ni(NO32 ・6H2 O)13.1g
を秤量し、85℃で2時間減圧乾燥した。これにエチレ
ングリコールを30g加え、90℃にて4時間攪拌した
ところ、鮮緑色の透明な液体が得られた。これにオルト
ケイ酸エチル(Si(OEt)4 )34.3gを加え、
90℃にて4時間攪拌を行ったところ、緑色懸濁物が得
られた。これにジクロロテトラアンミンパラジウム−水
和物(Pd(NH34 Cl2 ・H2 O)0.72gと
塩化ルテニウム−三水和物(RuCl3 ・3H2 O)
0.78gを純水12gに溶解させて滴下した。そのま
ま90℃にて4時間攪拌を続けたところゲル化し、その
後更に4時間、90℃にて放置した。これを110℃で
減圧乾燥した後粉砕した。更に、75ml/minの窒
素流通下にて180℃にて2時間焼成した。この時、褐
色気体の発生が認められた。次に75ml/minの空
気流通下にて450℃にて4時間焼成し、次に75ml
/minの水素流通下にて450℃にて2時間還元し
た。最後に二酸化炭素を流通して安定化処理を行った後
に粉体を取りだし、ゾルゲル法Ni−Ru−Pd/シリ
カゲル担持触媒(Ni/Ru/Pd=22.5/2.3
/2.2wt%)とした。
【0048】(金属担持固体触媒調製例3)硝酸ニッケ
ル六水和物(Ni(NO32 ・6H2 O)14.9g
を秤量し、85℃で2時間減圧乾燥した。これにエチレ
ングリコールを30g加え、90℃にて4時間攪拌した
ところ、鮮緑色の透明な液体が得られた。これにオルト
ケイ酸エチル(Si(OEt)4 )34.3gを加え、
90℃にて4時間攪拌を行ったところ、緑色懸濁物が得
られた。これに純水12gを滴下したところ数分後にゲ
ル化し、その後更に4時間、90℃にて放置した。これ
を110℃で減圧乾燥した後粉砕した。更に、窒素を7
5ml/minで流しながら180℃にて2時間焼成し
た。この時、褐色気体の発生が認められた。次に空気を
75ml/minで流しながら450℃にて4時間焼成
し、次に水素を75ml/minで流しながら450℃
にて2時間還元した。最後に二酸化炭素を流通して安定
化処理を行った後に粉体を取りだし、ゾルゲル法Ni/
シリカゲル担持触媒(Ni=22.5wt%)とした。
【0049】(金属担持固体触媒調製例4)水酸化ナト
リウムを充填した吸収管を取り付けた三口フラスコ内
に、ルテニウムアセチルアセトナート(Ru(aca
c)3 )を3.8g秤量し、これに濃硝酸(HNO3
1wt%)105gを加え、60℃にて5時間加熱攪拌
した。この間褐色気体の発生が見られた。最終的に暗赤
色の液体が得られ、85℃にて減圧乾燥したところ、暗
赤褐色固体が得られた。これにエチレングリコールを3
0g加え、90℃にて4時間攪拌したところ、暗赤紫色
の液体が得られた。これにオルトケイ酸エチル(Si
(OEt)4 )34.3gを加え、90℃にて4時間攪
拌を行ったところ、懸濁物が得られた。これに純水15
gを滴下したところ5時間後にゲル化し、その後更に4
時間、90℃にて放置した。これを110℃で減圧乾燥
した後粉砕した。更に、窒素を75ml/minで流し
ながら180℃にて2時間焼成した。この時、褐色気体
の発生が認められた。次に空気を75ml/minで流
しながら450℃にて4時間焼成し、次に水素を75m
l/minで流しながら450℃にて2時間還元した。
最後に二酸化炭素を流通して安定化処理を行った後に粉
体を取りだし、ゾルゲル法Ru/シリカゲル担持触媒
(Ru=22wt%)とした。
【0050】(金属担持固体触媒調製例5)なす型フラ
スコに、硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO32 ・6
2 O)14.9g及びジクロロテトラアンミンパラジ
ウム−水和物(Pd(NH34 Cl2 ・H2 O)0.
77gを秤量して純水12mlに溶解し、この水溶液に
対し粉末状シリカゲル(LA TYPE、触媒化成
(株)製)10.0gを加えた後にエバポレーターにて
水分を減圧留去し、得られた粉体を更に110℃で減圧
乾燥した。続いて75ml/minの窒素流通下にて1
80℃にて2時間焼成し、次に75ml/minの空気
流通下にて450℃にて4時間焼成し、次に75ml/
minの水素流通下にて450℃にて2時間還元した。
最後に二酸化炭素を流通して安定化処理を行った後に粉
体を取りだし、含浸法Ni−Pdシリカゲル担持触媒
(Ni/Pd=22.5/2.3wt%)とした。
【0051】(実施例1)200mlステンレス性オー
トクレーブに、無水こはく酸(SAHと略称)7.0
g、反応触媒として、前記触媒調製例1の触媒(ゾルゲ
ル法Ni−Pd/シリカゲル担持触媒(Ni/Pd=2
2.5/2.3wt%))0.7g、反応溶媒としてテ
トラグライム28gを仕込んだ。反応容器内部を水素で
置換し、10kg/cm2 Gで水素圧に保ったまま23
5℃に昇温し、3時間水素化反応を行った。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、水素圧を抜いて
反応液を取り出した。固形物を濾過した後、反応液をガ
スクロマトグラフィーにて分析した。生成物であるγ−
ブチロラクトンの収率は、原料であるSAHに対して、
52mol%であった。その他の反応成績については表
1に示した。
【0052】(実施例2)反応触媒として、前記触媒調
製例2の触媒(ゾルゲル法Ni−Ru−Pd/シリカゲ
ル担持触媒(Ni/Ru/Pd=22.5/2.3/
2.2wt%))0.7gを用いた以外は実施例1と同
様の操作を行った。生成物であるγ−ブチロラクトンの
収率は、原料であるSAHに対して、53mol%であ
った。その他の反応成績については表1に示した。
【0053】(実施例3)反応触媒として、前記触媒調
製例3の触媒(ゾルゲル法Ni/シリカゲル担持触媒
(Ni=22.5wt%))0.7gを用いた以外は実
施例1と同様の操作を行った。生成物であるγ−ブチロ
ラクトンの収率は、原料であるSAHに対して、42m
ol%であった。その他の反応成績については表1に示
した。
【0054】(実施例4)反応触媒として、前記触媒調
製例4の触媒(ゾルゲル法Ru/シリカゲル担持触媒
(Ru=22wt%))0.7gを用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。生成物であるγ−ブチロラク
トンの収率は、原料であるSAHに対して、49mol
%であった。その他の反応成績については表1に示し
た。
【0055】(実施例5)原料として、無水マレイン酸
(MAHと略称)を用いた以外は実施例1と同様の操作
を行った。生成物であるγ−ブチロラクトンの収率は、
原料であるMAHに対して、48mol%であった。そ
の他の反応成績については表1に示した。
【0056】(比較例1)反応触媒として、前記触媒調
製例5の触媒(含浸法Ni−Pd/シリカゲル担持触媒
(Ni/Pd=22.5/2.3wt%))を用いた他
は、実施例1と同様の操作を行った。生成物であるγ−
ブチロラクトンの収率は、原料であるSAHに対して、
36mol%であった。反応成績については表1に示し
た。
【0057】(比較例2)原料として無水マレイン酸
(MAH)を用い、反応触媒として前記触媒調製例5の
触媒(含浸法Ni−Pd/シリカゲル担持触媒(Ni/
Pd=22.5/2.3wt%))を用いた他は、実施
例1と同様の操作を行った。生成物であるγ−ブチロラ
クトンの収率は、原料であるMAHに対して、28mo
l%であった。反応成績については表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明においては、いわゆるゾルゲル法
と呼ばれる手法で調製した、触媒金属と担体金属よりな
る金属酸化物を還元することにより得られる金属担持固
体触媒を用いることにより、ジカルボン酸またはその無
水物、特にマレイン酸無水物及びこはく酸無水物から水
素添加反応により、従来知られている方法よりも反応圧
力を低下させ、かつ高選択率、高収率でγ−ブチロラク
トンを効率よく製造できる。
フロントページの続き (72)発明者 牧 健一郎 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分工場内 (72)発明者 佐野 健一 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸またはその無水物を、8族
    金属を担持した固体触媒の存在下に水素化するにあた
    り、前記固体触媒として金属アルコキシドから誘導され
    た該金属を含むゲルに分散された8族金属触媒を用いる
    ことを特徴とするγ−ブチロラクトンの製造方法。
  2. 【請求項2】 8族金属の二種以上の金属を併用するこ
    とを特徴とする請求項1記載のγ−ブチロラクトンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記固体触媒の存在下に水素化する際
    に、100〜250℃の反応温度で、1〜50kg/c
    2 Gの反応圧力下にて行うことを特徴とする請求項1
    あるいは請求項2記載のγ−ブチロラクトンの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100344962B1 (ko) * 2000-04-10 2002-07-20 한국에너지기술연구원 무수말레인산을 원료로 한 감마 부티로락톤 제조방법
JP2008525189A (ja) * 2004-12-29 2008-07-17 ポステック・ファウンデーション 担持された遷移金属触媒の製造方法

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