JPH09110576A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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JPH09110576A
JPH09110576A JP30781195A JP30781195A JPH09110576A JP H09110576 A JPH09110576 A JP H09110576A JP 30781195 A JP30781195 A JP 30781195A JP 30781195 A JP30781195 A JP 30781195A JP H09110576 A JPH09110576 A JP H09110576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度差成長法やゾーン成長法などの結晶成長方
法に関し、3元以上の化合物材料を使用することなく3
元以上の化合物結晶を成長させること。 【解決手段】種結晶2の隣に該種結晶2よりも融点の低
い第1の材料3と該第1の材料3よりも融点の高い第2
の材料4とを交互に1層又は複数層配置してこれらを容
器1内に収納し、該容器1を加熱雰囲気に入れて前記第
1の材料3及び前記第2の材料4の構成元素を出発材料
として結晶2aを該種結晶表面に成長することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶成長方法に関
し、より詳しくは、IV−IV族2元結晶又はIII-V族3元
結晶のような結晶の成長法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体をはじめ、酸化物、金属等の結晶
の機能を利用した電子素子、光学素子が多く使用されて
いる。特に、化合物半導体及びその混晶は、その組成を
変化させることによりエネルギーギャップ、屈折率、移
動度、格子定数などの特性が変化するので、これを利用
した超高速素子或いは受光・発光素子のような光素子と
して広く使用されている。これらの素子は、一般に、2
元結晶の基板の上に2元以上の化合物半導体層をエピタ
キシャル成長して作成されるが、成長された結晶の格子
定数が問題になる。
【0003】基板結晶とその上の成長結晶の間で格子定
数の差が大きくなると、成長された結晶層には欠陥が発
生し易く、高性能の素子は実現できない。そこで、2元
の基板結晶と格子整合するような3元或いは4元の混晶
を成長させているのが現状であるが、混晶を選択する範
囲は自ずから狭くなる。従って、2元の基板結晶の格子
定数とその上に成長する結晶層の格子定数とを整合させ
ることを考えると、素子の効率向上や高速化を図った素
子設計を最適化することができなくなる。
【0004】このような不都合を解決し、素子特性の最
適化を行えるのが3元以上の化合物半導体基板である。
そのような化合物半導体基板の組成を変えることにより
格子定数を任意に設定できれば、欠陥の少ない結晶成長
が行え、高性能な素子を実現できる。3つ以上の元素を
含む融液又は溶液を用いて3元以上の化合物半導体結晶
を成長する過程では、融液又は溶液(液相)の組成と成
長した結晶(固相)中の組成とが相違して分配係数が
「1」にならない。このため、そのような結晶方法によ
れば成長過程において、結晶中に取り込まれ易い元素の
量が融液又は溶液内で徐々に少なくるので、成長した結
晶での成長方向の組成分布は所謂ノーマルフリージング
の状態になる。この結果、均一な組成分布をもつ3元以
上の化合物半導体を厚く成長できないことになる。
【0005】そこで、固相に析出することにより液相中
で枯渇した特定の元素をその枯渇量に応じて外部から液
相中に補給する方法が特開平4-114991号公報などに記載
されている。例えば、InGaAsの液体封止引上成長法(L
EC(liquid encapsulated czochralski) 法)では、成
長中に枯渇するGaAsをルツボ内の融液に補給する方法が
採られている。
【0006】しかし、LEC法によれば、融液の温度の
ゆらぎを防止するために精度良い温度管理が要求され
る。LEC法以外の3元結晶の成長方法として温度差成
長法やゾーンメルト成長法がある。温度差法では、まず
図18(a) に示すように、ルツボ101 内に結晶成長材料
102 と溶液104 と種結晶103 を順に隣接して封入した状
態にする。その結晶成長材料102 には溶質が含まれてい
る。また、溶液104 は、加熱炉105 の熱によって低融点
材料が溶けたものである。
【0007】その状態から加熱炉105 内のルツボ101 の
加熱温度を上げてゆくと、溶融温度の違いから、種結晶
103 及び結晶成長材料102 の溶液104 に接している表面
部分が溶解する温度に達する。それらの種結晶103 及び
結晶成長材料102 から溶けた溶質は溶液104 内で飽和状
態になる。そして、結晶成長材料102 が溶液104 よりも
高温側になるように、図18(b)に示すような温度勾配
を与えると、結晶成長材料102 の溶解度が高くなる。こ
の結果、溶液104 の溶質の濃度は、種結晶103 側よりも
結晶成長材料102 側の溶質の濃度が高くなって溶質濃度
勾配が生じる。しかし、その後に溶質濃度勾配が無くな
るように、溶質は低温側(種結晶103 側)に拡散する。
この溶質拡散によって、種結晶103 側の溶液104 では溶
質が過飽和状態になるので、種結晶103 に結晶が成長す
る。
【0008】その結晶成長の結果、溶液104 中の溶質は
未飽和となるため、結晶成長材料102 表面の溶解がさら
に進む。温度勾配を維持している状態で、この種結晶10
3 表面での成長、および結晶成長材料102 の溶解は継続
する。また、成長速度と同じ速度で加熱炉105 を結晶成
長材料102 側へ移動させて温度分布を変えれば、成長面
の温度が一定になるため成長組成を均一に保つことがで
きる。
【0009】この温度差法によれば、溶液104 から種結
晶103 に析出させる元素を結晶成長材料102 から供給す
ることになるため成長材料全体で特定元素が枯渇するこ
とはない。次に、InGaAs結晶成長を例にあげてゾーン法
を説明する。図17は、InAs−GaAs準2元系状態図であ
る。この図からわかるように、x=0.05(図17中の
a点)のInx Ga1-x As結晶を液相から析出させるために
は、融点Tg1で固相と平衡を保つ液相の組成を選択しな
けらばならない。この場合の固相の組成と液相の組成値
xは大きく異なる。
【0010】そこで、図18(a) に示す結晶材料102 と
して、図17中のa点の組成値x1を持つ材料(又は平
均としてa点の組成値x1 を持つ2種類以上の材料の集
合体)を用いるとともに、融液104 として図17中のb
点の組成値x2 を持つ材料を用いる。そして、図18
(b) に示すように、融液104 の温度を高くするととも
に、a点の組成値x1 を持つ種結晶103 が融解しないよ
うに融液104 の種結晶103側が低温になるような温度分
布を形成する。これにより、図17中のb点の組成を持
った融液104 から種結晶103 上に結晶を成長させる。
【0011】また、融液104 のうち種結晶103 側よりも
結晶材料102 側の温度を高く分布させることにより、結
晶材料102 を固相・液相界面で融解させて結晶成長によ
り不足した原料を融液104 に補給する。その結晶成長に
ともない、成長速度と同じ速度で加熱炉105 を成長材料
側に移動させると、結晶成長と融液補給の双方が進むこ
とになる。
【0012】なお、融液はIII-V族結晶を加熱溶融して
得られたもので、また、溶液は全体としてIII-V族結晶
の化学量論的組成を構成しない材料を加熱溶融して得ら
れたものである。ところで、例えば高周波特性又は発光
特性の改善を目的として、以上のような3元結晶の他
に、2元系混晶薄膜を用いたヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタ或いは量子井戸レーザへの適用が検討されてい
る。
【0013】例えば、SiGeのように全率固溶系をなす2
元系単結晶は、その組成比を任意に設定して物性を制御
できるため、非常に自由度の高い電子素子の設計が可能
になる。しかし、組成比の異なる2元系結晶は、格子定
数も相違する。このため、かかる2元系混晶薄膜の結晶
性又はヘテロ界面の特性を優れたものにするために、こ
れら2元系混晶は、同一格子定数を有する2元系単結晶
を基板として、その基板上に堆積することが望ましい。
【0014】このため、任意の一定の格子定数を有する
2元系単結晶、即ち任意に制御された組成比を有し、か
つ組成比が全体について一定である2元系単結晶の製造
方法が必要とされる。全率固溶系のように固相線と液相
線とが分離している2元系では分配係数が1と異なるた
め、チョクラルスキー法によっては均一な組成の単結晶
を製造することは難しい。かかる問題は、ゾーンメルテ
ィング法若しくはフローティング法によって解決され
る。以下、組成を均一化するための従来法について説明
する。
【0015】図19は全率固溶2元系相図であり、Si−
Ge2元系の液相線及び固相線、並びに溶液から析出する
2元系単結晶の組成を表している。図19に示すよう
に、融点の低い元素と融点の高い元素とからなる組成比
xsの2元系単結晶、例えばGeとSiからなる組成比xs
のSixsGe1-XS2元系単結晶を成長するには、組成比xs
に対応する固相線ロの温度Tg2に、その温度Tg2で組成
比xsの固相と平衡状態にある組成比xsの溶液を保持
し、温度Tg2の飽和溶液からSiGe単結晶を析出させるこ
とによりなされる。
【0016】かかる飽和溶液から2元系単結晶を析出さ
せる単結晶製造方法では、溶液温度により一義的に単結
晶の組成比が定まるために、溶液温度を一定に制御、保
持することにより、組成比を精密に制御した結晶を容易
に製造できる。以下に、SixsGe1-XS単結晶の製造の従来
方法について説明する。図20は、従来例説明図であ
り、ブリッジマン炉を用いて飽和溶液から2元系単結晶
を製造する方法を表している。なお、図20(a) は、単
結晶製造工程途中のアンプルの断面を表し、図20(b)
では、その時点でのブリッジマン炉内の温度分布を表し
ている。
【0017】図20(a) に示すように、円筒状のアンプ
ル111 内にアンプル111 の先端111a部分に種結晶112
を、種結晶112 に接して結晶材料棒114 を後端部分に挿
入し、アンプル111 の先端111a及び後端111bを封止す
る。この結晶材料棒114 は通常、組成比xsのSi−Geの
焼結体として形成される。ついで、アンプル111 をブリ
ッジマン炉に挿入して結晶成長温度Tg2まで昇温して、
種結晶112 と結晶材料棒114 との界面に組成比xmの溶
液帯115aを形成する。かかる溶液帯115aは、種結晶112
と結晶材料棒114 との界面に結晶材料棒114 より低融点
の材料、例えばGeの薄片を挟み込むことで形成される。
即ち、原材料としてGeの薄片と結晶材料棒114 を用い
る。他の溶液帯115aの形成方法には、種結晶112 結晶材
料棒114 との界面近傍を局部的に加熱溶融した後、溶液
温度をTg2に降温して保持する方法もある。いずれの方
法によっても溶液帯115aの溶液は、組成xmの結晶材料
棒114 と温度Tg2で熱平衡し、飽和溶液となる。
【0018】成長開始時には、図20(b) に示すよう
に、溶液帯115a及び結晶材料棒114 は、結晶成長温度、
即ち溶液温度Tg2に保持される。他方、種結晶112 は、
溶液帯115aとの界面で温度Tg2に保持され、同時にアン
プル先端111aから冷却され、結晶成長のために必要な温
度勾配が与えられる。ついで、アンプル111 を先端111a
方向に移動する。このとき、SiGe結晶が溶液中から種結
晶112 上に析出するとともに、一方では結晶材料棒114
が溶液帯115a中に溶解して溶液帯115aの組成xmを一定
に保持しつつ、溶液帯115aは炉に対する一定位置に留ま
る。即ち、アンプル111 に対して、溶液帯115aは後端11
1bに向けて移動する。この結果、図20(a) に示すよう
に、種結晶112 からエピタキシャル成長した2元系単結
晶116aが製造される。このとき、図20(b) に示すよう
に、2元系単結晶の成長面、即ち2元系単結晶と溶液帯
115aとの界面Aの温度をTg2に保持することにより、常
に一定の組成xsを有するSixsGe1-XS単結晶が製造され
る。
【0019】他の従来の2元系単結晶の製造方法は、溶
液帯115aを形成し移動させるためにゾーンメルティング
法又はフローティングゾーン法を用いる。これらの方法
では炉内の温度分布に代えて、溶液帯115aの部分のみを
高周波加熱等により局部的に加熱することで溶液帯115a
を形成する。ところで、上述した2元系単結晶の製造方
法では、組成比xsの均質な組成を有する結晶材料棒が
必要になる。しかし、全率固溶の2元系において、均質
な組成の結晶材料棒を製造することは困難である。例え
ば、SiとGeは比重が異なるため、混合して溶融しても容
易には均一に混合された溶液にはならない。また、溶液
から析出するときの分配係数が1と異なるため、初期に
固化した部分はSiに富むために融点が高く、最後に固化
した部分はGeに富むために融点の低いものとなる。この
ため、溶液を固化して製造した結晶材料棒は、通常は不
均一な組成を有する。さらに、粉体のSi及びGeを焼結す
る方法は、不純物の汚染を生じるおそれが大きく、電子
素子材料の製造いは好ましくない。また、かかる汚染を
少なくするために、粒子の大きな粉体を用いると十分に
焼結せず、Si又はGeの粒子がそのまま残存することにな
る。
【0020】このような不均質な結晶材料棒を用いた場
合、図20(a) に示すように、本来は固体であるべき結
晶材料棒114 の内部に、Geに富む低融点部分が溶融し
て、液滴115 が発生する。この液滴115 が、結晶材料棒
114 の溶液帯115aとの界面に到達すると結晶材料棒114
の界面に凹凸が生じ、結晶成長条件を擾乱し、良質の結
晶を成長する障害となる。また、例えば液滴に至らなく
ても、組成が異なる部分が溶液に溶解する際に、溶液組
成の一時的な変動を招き、結晶組成の変動要因となる。
【0021】ゾーンメルト法又はフローティングゾーン
法では、溶液帯のみ高温に加熱されるため結晶材料棒中
の組成変動の影響は比較的小さい。しかし、溶液帯と結
晶材料棒との界面、或いは、結晶成長界面における温度
勾配が大きいため、温度変動の影響を受けやすく良質の
結晶の製造が難しい。また、小さいとはいえ、溶液帯の
界面に凹凸を生じることは避けられない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した3
元結晶成長法によれば、結晶成長を行う場合に目的とす
る結晶と同一組成で均一な結晶材料102 が必要となる
が、そのような2元以上の化合物の材料を得ることは従
来では難しい状態にある。また、上記したような2元系
単結晶の製造方法では、均一な組成の結晶材料棒114 を
製造することが難しいため、結晶材料棒内の組成不均一
に起因して溶液帯と結晶材料棒との界面に凹凸を生じ、
良質の結晶の製造ができない。
【0023】本発明は、組成が均一な結晶材料を使用せ
ずに良質の化合物結晶を成長させる結晶成長方法を提供
することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
(手 段)上記した課題は、図1,2、図5,6に例示
するように、種結晶2,12の隣に該種結晶2,12よ
りも融点の低い第1の材料3,13と該第1の材料3,
13よりも融点の高い第2の材料4,14とを交互に1
層又は複数層配置してこれらを容器1,11内に収納
し、該容器1,11を加熱雰囲気に入れて前記第1の材
料3,13及び前記第2の材料4,14の構成元素を出
発材料として結晶2a,12aを該種結晶表面に成長す
ることを特徴とする結晶成長方法によって解決する。
【0025】この結晶成長方法において、図1、図2に
例示するように、前記種結晶2が溶解せず、かつ前記第
1の材料3が溶解するような温度勾配を前記加熱雰囲気
に与え、前記第1の材料3を溶解して溶液3aとすると
ともに、該溶液3aに接する前記第2の材料4の面の少
なくとも一方を溶解して構成元素を該溶液3aに供給
し、前記温度勾配の分布を前記種結晶2側から前記第2
の材料4側に向けて移動させて前記溶液3a中の複数元
素の溶解度の温度依存性を利用して前記種結晶2上に前
記結晶2aを成長させることを特徴とする。
【0026】この場合、前記種結晶2は2成分又は3成
分からなるIII-V族の3元化合物結晶であり、前記溶液
3aは III族又はV族の元素の1、2又は3成分の元素
を含み、前記第2の材料4はIII-V族の2元化合物から
なることを特徴とする。上記した結晶成長方法におい
て、前記結晶12aはIII-V族の3元化合物からなり、
前記第1の材料13と前記第2の材料14はそれぞれ I
II族元素又はV族元素のいずれかが異なるIII-V族多元
化合物であって、前記第1の材料13の全体が融解し、
前記第2の材料14全体が融解せず、前記種結晶12側
がその融点以下になる温度分布を前記加熱雰囲気に与
え、前記温度勾配の分布を前記種結晶12側から前記第
2の材料14側に向けて移動させて、前記第2の材料1
4からの溶融元素が加わった前記第1の材料13の融液
13a内の化合物が前記種結晶12上で固相となって前
記結晶12aを成長することを特徴とする。
【0027】上記した課題は、図9に例示するように、
種結晶22及び原材料20を封入した容器31内に該原
材料20と熱平衡した溶液からなる溶液帯を形成し、該
溶液帯25を該種結晶22に接触させた後に、該溶液帯
を該種結晶22から離れる方向に該原材料20を溶解し
つつ移動させ、該溶液から該種結晶22上に2元系単結
晶26を析出する結晶成長方法において、前記種結晶2
2は、前記溶液温度で固相をなす単結晶からなり、前記
原材料20は、前記種結晶22に接して設けられた前記
溶液温度で液相をなす低融点材料からなる溶液部材部2
3と、該溶液部材部23に接して前記種結晶22の反対
側に設けられた前記溶液温度で固相をなす高融点材料か
らなるソース部24とから構成され、前記溶液材料部2
3を昇温して溶融し、前記溶液温度で前記ソース部24
と熱平衡する組成を有する前記溶液帯25を形成する工
程を有することを特徴とする結晶成長方法によって達成
する。
【0028】この結晶成長方法において、図10に例示
するように、前記ソース部24に代えて、前記溶液帯2
5の移動方向に垂直に分割された前記ソース部24の分
割面に、前記低融点材料からなる溶液形成板27を挟ん
で構成する積層ソース部24Aを用いることを特徴とす
る。また、その結晶成長方法において、前記2元系単結
晶26aは、全率固溶系をなす第一及び第二の元素から
なり、前記第一の元素より融点の高い前記第二の元素を
前記高融点材料とすることを特徴とする。
【0029】上記した課題は、図12に例示するよう
に、第一の元素及び該第一の元素よりも融点の高い第二
の元素から2元系単結晶を成長させる結晶成長方法にお
いて、前記第二の元素からなるソース棒34Bの一端に
種結晶32を、前記第一の元素又は前記第一の元素と前
記第二の元素の化合物かなる溶液材料板33Bを介在さ
せて設ける工程と、前記溶液材料板33Bを局部的に加
熱して溶融し、前記第二の元素の飽和溶液からなる溶液
帯35を形成する工程と、前記溶液帯35を前記ソース
棒34Bの他端に向けて移動させ、前記ソース棒34B
から前記溶液帯35中へ第二の元素を補給しつつ前記溶
液帯35から前記種結晶32上へ2元系単結晶36を析
出させる工程とを有することを特徴とする結晶成長方法
によって解決する。
【0030】上記した課題は、図14に例示するよう
に、種結晶41の隣に該種結晶41よりも融点の低い第
1の材料42と該第1の材料42よりも融点の高い第2
の材料43とを交互に1層又は複数層配置してこれらを
容器44内に収納し、前記種結晶41が溶融せず且つ前
記第1の材料42の融点以上の温度で前記第1の材料4
2及び前記第2の材料43を加熱する温度分布を持つ加
熱雰囲気中に該容器44を入れ、これにより、前記第1
の材料42を溶融して液体にするとともに、前記第1の
材料42の少なくとも前記種結晶41側の面を融解し、
前記温度分布を前記種結晶41から前記第2の材料43
に向けて移動することにより前記液体中の構成元素を出
発材料として該種結晶4表面に結晶46を成長し、前記
第1の材料42は、前記種結晶41に接する前記液体4
5が前記結晶46の成長により消失した時点で同時に消
失する厚さを有することを特徴とする結晶成長方法によ
り解決する。
【0031】上記した課題は、図14に例示するよう
に、成長しようとする化合物Yx 1- X (xは組成比)
よりなる結晶46を成長するために、原子量又は分子量
がMYであって比重dY の材料Yよりなる第1の材料板
42と、原子量又は分子量がM Z であって比重dZ の材
料Zよりなる第2の材料板43を使用し、容器44内に
おいて、種結晶41の隣に、次式の関係を満たす厚さt
Y の前記第1の材料板42と厚さtZ 前記該第2の材料
板43とを順に1層又は複数層交互に配置し、 tZ ≦(MZ ・dY /MY ・dZ )・((1−x) /x)
・tY 前記種結晶41が溶融せず且つ前記材料Yの融点以上の
温度で前記第1の材料板42及び前記第2の材料板43
を加熱する温度分布を持つ加熱雰囲気中に前記容器44
を入れ、これにより、前記第1の材料板42を溶融して
液体45にするとともに、前記第2の材料板42の少な
くとも前記種結晶41側の面を融解し、前記温度分布を
前記種結晶41から前記第2の材料43に向けて移動す
ることにより前記液体45中の構成元素を出発材料とし
て該種結晶41表面に結晶46を成長することを特徴と
する結晶成長方法によって解決する。
【0032】(作 用)本発明によれば、温度差成長
法、ゾーン成長法において、種結晶の隣に配置する成長
材料として種類の異なる例えば2元化合物の第1及び第
2の成長材料を使用し、融点の低い第1の成長材料が種
結晶側になるようにそれらの成長材料を交互に1層又は
複数層配置するとともに、これらを加熱雰囲気に置いて
第1の成長材料を溶融して溶液又は融液に変え、低温の
種結晶上に化合物結晶を成長するようにしている。
【0033】この場合、種結晶上に結晶が成長する一方
で、第2の成長材料の一部が溶融して第1の成長材料か
らなる溶液又は融液中に混合するので、その液体中では
多元の成長材料が育成される。その成長材料は、結晶成
長により消費されることになる。したがって、作成の困
難な3元以上の成長材料を使用することなく、組成均一
性の高い多元材料が種結晶に供給されることになるの
で、種結晶上に組成の均一な結晶を成長できる。種結晶
上に成長する多元結晶の厚さは、第1の成長材料と第2
の成長材料を複数交互に配置することにより厚くなる。
【0034】また、別の発明によれば、種結晶の隣に配
置する成長材料として種類の異なる単元素からなる第1
及び第2の成長材料を使用し、融点の低い第1の成長材
料が種結晶側になるようにそれらの成長材料を交互に1
層又は複数層配置するとともに、これらを加熱雰囲気に
置いて第1の成長材料を溶融して融液に変え、低温の種
結晶上に2元系結晶を成長するようにしている。
【0035】この場合にも、2元系結晶が種結晶上に成
長する一方で、第2の成長材料の一部が溶融して第1の
成長材料からなる融液中に混合するので、その融液中で
は2元の成長材料が育成される。その成長材料は結晶成
長により消費されることになる。したがって、作成の困
難な2元の成長材料を使用することなく、組成均一性の
高い2元材料を種結晶に供給することができるので、種
結晶上に組成の均一な2元結晶を成長できる。種結晶上
に成長する2元結晶の厚さは、第1の成長材料と第2の
成長材料を複数交互に配置することにより厚くなる。
【0036】また、第2の成長材料としてソース棒を使
用し、第1の成長材料として溶液帯を使用して2元結晶
を成長する場合に、ソース棒は単元材料であるので、そ
のソース棒内の組成変動は存在せず、ソース棒と溶液と
の界面の凹凸の発生を防止できる。また、さらに別の発
明によれば、上記した2つの発明における第1の材料と
第2の材料の厚さを最適化しているために、第2の材料
が結晶中に残ることはなくなり、しかも、成長した結晶
の組成が不均一になることもない。
【0037】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施形態
を図面に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1(a) は、本発明の第1実施形態と
して温度差成長法を改善した3元結晶の成長方法に使用
する半導体成長装置の概要構成図、図1(b) はその半導
体成長装置の加熱炉の温度分布を説明する断面図であ
る。
【0038】まず、図1(a) に示すように、アンプル1
内の一端側に III族又はV族の元素A、B、Cのうちの
2又は3成分からなる種結晶2を入れるとともに、その
種結晶2の隣からアンプル1内の他端に向けて出発材料
である溶液材料3と第一の成長材料4とを交互に収納し
た後に、そのアンプル1の全体を閉じた状態にする。II
I族元素としてはAl、Ga、Inがあり、V族元素としてはP
、As、Abがある(第2実施形態でも同じ)。
【0039】溶液材料3は元素A、B、Cのうち少なく
とも1成分からなり、また、第一の成長材料4は元素
A、B、Cのうちの2成分からなる。溶液材料3は種結
晶2と第一の成長材料4のいずれよりも融点が低い材料
からなる。種結晶2として例えば単結晶のInGaAsを使用
し、溶液材料3として例えばInかInGa、或いはInGaリッ
チなInGaAsを使用し、第一の成長材料4として例えばGa
Asを使用する。なお、溶液材料3は、その全体がIII-V
族化合物半導体の化学量論的組成からは構成されてはお
らず、III 族又はV族元素がリッチな状態となってい
る。
【0040】この状態でアンプル1を加熱炉5に入れ
る。アンプル1を筒状の加熱炉5に入れて温度を上げる
と、まず、所定温度T1 で溶液材料3が溶けて溶液3a
となり(図2(a))、さらに温度を上げるとその溶液3a
に接触している種結晶2の表面と第一の成長材料4の表
面が溶解し、ついには溶液3aは元素A、B、Cを含む
ようになって飽和する(図2(b))。
【0041】そして、種結晶2が低温側になるように、
図1(b) に示すような温度勾配を与える。即ち、種結晶
2では、液晶材料3の融点と同じかそれよりも低い温度
に設定される。また、溶液材料3では、溶液材料3の融
点かそれよりも高い温度で加熱され、しかも種結晶2に
近い領域の温度が低くなるように設定される。また、第
一の成長材料4では、隣接する溶液材料3の加熱温度と
同じかそれよりも高い温度であって、しかも種結晶2に
近い領域の温度が低くなるように設定される。
【0042】この温度勾配によると、図2(c) に示すよ
うに、温度差成長法の原理によって種結晶2上に元素
A、B、Cよりなる3元の結晶2aが成長する。また、
溶液3aの温度の低い側に接する第一の成長材料4の表
面には元素A、B、Cよりなる第二の成長材料6が析出
する。一方、溶液3aの温度の高い側に接する第一の成
長材料4の表面では溶解が生じ、溶解した材料は溶液3
aに供給される。
【0043】なお、図2(c) は、図1(b) の温度勾配を
維持しながら、アンプル1又は加熱炉5の少なくとも一
方を僅かに移動して種結晶2表面での3元結晶2aの成
長を進めた状態を示している。このような温度勾配を維
持しながら、アンプル1と加熱炉5の少なくとも一方を
さらに移動して、成長速度と同じ速度で種結晶2を低温
側に移動させて成長を続けると図2(d) のように溶液3
aに隣接する第一の成長材料4は全て溶けて無くなる。
しかし、第一の成長材料4の表面に育成された3元素か
らなる第二の成長材料6が第一の成長材料4の代わりに
存在するので、不足した元素は第二の成長材料6から溶
液3a中に少しずつ溶ける。この結果、種結晶2表面に
は3元結晶2aがさらに成長する。
【0044】ところで、成長初期は、溶液材料3を溶解
させて溶液3aとし、この溶液3aの材料と第一の成長
材料4の表面から溶けた材料に基づいて3元結晶2aを
析出させているために、その溶液材料3に含まれる1つ
の元素が徐々に減少する。例えばGaAsを第一の成長材料
4に用い、In−Gaを溶液3aに用いてInGaAsを種結晶2
の表面に析出させる場合には、種結晶2表面でInGaAsの
結晶成長が進むにつれて溶液3a内のInが減少し、この
結果、成長する3元結晶2aのIn組成も徐々に減少す
る。
【0045】しかし、図2(d) に示す段階まで進むと、
溶液3aの隣に成長した3元の第二の成長材料(例えば
InGaAs)6の表面が溶けて、そこから不足した元素(I
n)が途切れずに溶液3aに供給されるので溶液3aの
組成変動が少なくなり、組成の均一性が向上した3元結
晶成長が可能になる。アンプル1を加熱炉5に入れる場
合には、実際はアンプル1を石英製アンプルに収納する
ので、その具体例を図3に基づいて説明する。
【0046】本例では、内径20mm、外径24mm、長さ
14mmの円筒状のアンプル1を使用し、その中に2mm厚
のIn0.1G0.9As 単結晶よりなる種結晶2を入れ、その上
に、In0.9Ga0.1よりなる2mm厚さの溶液材料3とGaAsよ
りなる2mm厚さの第一の成長材料4を順に2層ずつ交互
に重ねる。次に、内径25mm、外径28mmの円筒状の石
英製アンプル7の1つの開放端からアンプル1をその中
に入れ、続いて真空ポンプにより石英製アンプル内を5
×10-7Torr以下に減圧する。そして、石英製アンプル
7の開放端を溶接によって閉塞すると図3(a) のように
なる。なお、図3(a) 中で符号7aは溶接部を示してい
る。
【0047】続いて、図3(b) に示す温度勾配を有する
図1(a) の加熱炉5、例えば電気加熱炉の中に石英製ア
ンプル7を入れ、種結晶2内から種結晶2と溶液材料3
の境界にかけて10℃/cmの温度勾配をつけた熱分布と
し、その境界の温度が約800℃になるようにするとと
もに、その境界及び種結晶2から遠くなるにつれて温度
が僅かずつ増えるような温度分布とする。この温度分布
で溶液材料3が溶解して溶液3aとなり、また種結晶2
及び第一の成長材料4は溶液3aに接する表面が溶解す
る。
【0048】そして、石英製アンプル7を低温側の方向
(図中矢印方向)に2.5μm/min の速度で移動させ
る。なお、石英製アンプル7を固定して加熱炉5をその
逆方向に同じ速度で移動させてもよい。このような移動
状態を続けて、図2に示すような成長を26時間行った
ところ種結晶2表面に直径20mm、長さ4mmのInx Ga
1-x As結晶2aが成長した。成長した結晶の固相成長
は、成長界面から2mm厚まではxが0.1から0.09
まで徐々に減少したが、その後の成長では0.1と一定
であった。
【0049】ところで、上記した例では、溶液材料3と
第一の成長材料4のそれぞれが交互に2層ずつ重ねられ
ているが、図4(a) に示すように交互に複数層重ねても
よい。これによれば、より長尺の結晶成長を行うことが
できる。さらに、複数の溶液材料3の組成を変えること
により、成長方向に意図的に組成分布を与えることがで
き、また、ドーピングも可能である。
【0050】ところで、溶液材料3と第一の成長材料4
を交互に複数層重ね、温度勾配を一定にすると、その試
料が長尺過ぎるために、種結晶2と反対側の端部の温度
が高くなり過ぎるので、図4(b) に示すように結晶成長
領域、例えば種結晶2の次から4層目までにのみ温度勾
配をかけ、その他の溶液材料3及び第一の成長材料4で
は平坦な温度分布となるようにすると、過熱が回避され
る。 (第2実施形態)図5(a) は、本発明の第2実施形態と
してゾーン法を改善した3元結晶の成長方法に使用する
半導体成長装置の概要構成図、図2(b) はその半導体成
長装置の加熱炉の温度分布を説明する断面図である。
【0051】まず、アンプル11内において、その一端
側に3元混晶の種結晶12を入れ、その隣から他端に向
けて出発材料である第一のIII-V族2元材料13と第二
のIII-V族2元材料14とを交互に収納した後に、その
アンプル12の全体を閉じた状態にする。種結晶12及
び後述する成長結晶は第一のIII-V族2元材料13より
も融点が高く、また、第一のIII-V族2元材料13は第
二のIII-V族2元材料14よりも融点が低い材料からな
る。第一のIII-V族2元材料13と第二のIII-V族2元
材料14は、 III族元素又はV族元素のいずれかが異な
っている。種結晶12として例えば単結晶のInGaAsを使
用し、第一のIII-V族2元材料13として例えばInAsを
使用し、第二のIII-V族2元材料14として例えばGaAs
を使用する。
【0052】この状態で、加熱炉15に入れる。アンプ
ル11を筒状の加熱炉15に入れて温度を上げゆくと、
まず、図6(a)に示すように、第一のIII-V族2元材料
13の融点で第一のIII-V族2元材料13が溶けて融液
13aとなる。さらに第一のIII-V族2元材料13の加
熱温度を例えば図17に示す種結晶12の融点Ta まで
上げると、図6(b) に示すように、融液13aに接して
いる種結晶12表面と第二のIII-V族2元材料14表面
が融解し、ついには融液13aの組成は例えば図17の
b点のものになる。
【0053】このことを考慮して、種結晶12を温度T
a 以下、第一のIII-V族2元材料13を温度Ta 又はそ
れ以上の温度で加熱するとともに、種結晶12が温度T
a で低温側になり第二のIII-V族2元材料14が高温側
になるように、図5(b) に示すような温度勾配を与え
る。その条件により、第二のIII-V族2元材料14のう
ち種結晶12側の第一面の元素が融液13a中に溶解す
る。
【0054】これにより、融液13a中における特定の
元素(例えばGa)の濃度は、種結晶12側の領域よりも
第二のIII-V族2元材料14側の領域の方、即ち温度の
高い方が高くなる。そこで、融液13a内においては、
その特定の元素は濃度分布の差によって種結晶12側
(低温側)に拡散し、ついには種結晶12寄りの温度T
a の領域で過飽和になるので図6(c) に示すように種結
晶12に3元結晶12aが成長する。また、同様な現象
によって、第二のIII-V族2元材料14のうちの種結晶
12と反対側の第二の面にはIII-V族3元材料16が析
出する。
【0055】それら3元結晶12a、III-V族3元材料
16の成長により、融液13a内の温度の高い側の領域
では特定の元素が未飽和になるため、第二のIII-V族2
元材料14の種結晶12側の第一の面はさらに融解す
る。このような温度の勾配を維持しながら、アンプル1
1又は加熱炉15の少なくとも一方を移動して、成長速
度と同じ速度で種結晶12を低温側に移動させて成長を
続けると図6(d) のように融液13aに挟まれている第
二のIII-V族2元材料14は全て溶ける。
【0056】一方、第二のIII-V族2元材料14の表面
に析出した3III-V族3元材料16が第二のIII-V族2
元材料14の代わりに存在するので、その表面から3元
材料が徐々に溶け出して融液13aに供給されるので、
種結晶12の表面にさらに3元結晶12aが成長する。
成長初期は、第一のIII-V族2元材料13を溶解させて
融液13aとし、この融液13aの材料と第二のIII-V
族2元材料14の表面から溶けた材料から3元結晶12
aを析出させるために、その溶液13aに含まれる1つ
の元素が徐々に減少する。例えば第二のIII-V族2元材
料14としてGaAsを用い、融液13aとしてIn−Asを用
いてInGaAsの3元結晶12aを析出させる場合には、結
晶成長が進むにつれて融液13aのIn組成は減少し、こ
のため、析出する3元結晶12aのIn組成も徐々に減少
する。
【0057】しかし、図6(d) の段階まで進むと、第二
のIII-V族2元材料14の代わりに成長したIII-V族3
元材料(例えばInGaAs)16の表面から不足した元素
(In)が次々に供給されるので溶液13aの組成変動が
少なくなるため、組成の均一性が向上した結晶成長が可
能になる。アンプル11を加熱炉15に入れる場合に
は、実際はアンプル11を石英製アンプルに収納するの
で、その具体例を図7(a) に基づいて説明する。
【0058】本例では、内径20mm、外径24mm、長さ
14mmの円筒状のアンプルを使用し、その中に2mm厚の
InGaAs単結晶よりなる種結晶12を入れ、その上に、In
Asよりなる1mm厚さの第一のIII-V族2元材料13とGa
Asよりなる2mm厚さの第二のIII-V族2元材料14を順
に2層ずつ交互に重ねる。次に、内径25mm、外径28
mmの円筒状の石英製アンプル17の開放された一端から
アンプル11をその中に入れ、続いて真空ポンプにより
石英製アンプル内を5×10-7Torr以下に減圧する。そ
して、石英製アンプル17の開放端を溶接によって閉塞
して溶接部17aを形成する。
【0059】続いて、図7(b) に示すような温度勾配を
有する加熱炉15、例えば電気加熱炉の中に石英製アン
プル17を入れてアンプル11を942℃で加熱する
と、InAsよりなる第一のIII-V族2元材料13が融解し
て融液13aとなり、さらに温度を上げると、融液13
aに接触しているInGaAsよりなる種結晶12表面とGaAs
よりなる第二のIII-V族2元材料14表面が融解し、さ
らに昇温して1170℃まで達すると融液13aの組成
はIn0.37Ga0.63Asになる(図17のb点)。
【0060】融解が生じた結果、種結晶12の厚さは
1.2mmとなり、また、第二のIII-V族2元材料13の
うち種結晶12に近い側の1層目が0.4mmに減少し、
種結晶12に遠い2層目側が1.2mmに減少した(図6
(b))。次に、種結晶12と融液13aの境界の温度を1
170℃に保ち、その境界から種結晶12内までの範囲
で10℃/cmの温度勾配をつけるとともに、種結晶12
及びその境界から遠くなるにつれて温度が少しずつ上が
るような温度分布とする。
【0061】そして、石英製アンプル17を低温側の方
向(図中矢印方向)に30μm/min の速度で移動させ
る。なお、加熱炉をその逆方向に同じ速度で移動させて
もよい。このような移動状態を続けて、図6に示すよう
な成長を1時間行ったところ、種結晶12に直径20m
m、長さ1.6mmのInx Ga1-x Asの3元結晶12aが成
長した。この成長した3元結晶12aでは、単結晶12
との界面から厚さ1.6mmの領域で組成比xが0.05
と一定であった。
【0062】ところで、上記した例では、第一のIII-V
族2元材料13と第二のIII-V族2元材料14のそれぞ
れが交互に2層ずつ重ねられているが、図8(a) に示す
ように交互に複数層重ねてもよい。これによれば、より
長尺の結晶成長を行うことができる。さらに、第一のII
I-V族2元材料13と第二のIII-V族2元材料14の組
成を変えることにより、成長方向に意図的に組成分布を
与えることができ、また、ドーピングも可能である。
【0063】このように第一のIII-V族2元材料13と
第二のIII-V族2元材料14を交互に3層以上重ねる場
合に、温度勾配が一定であると、アンプル11が長尺な
ために端部の温度が高くなり過ぎる。そこで、図8(b)
に示すように結晶成長領域、例えば種結晶12の次から
4層目までの領域にのみ温度勾配をかけ、その他の領域
では温度変化を無くするようにすると、種結晶12の無
い側の端部での過熱が回避される。 (第3実施形態)図9は、本実施形態の原理を説明する
断面工程図であり、図9(b) 〜(e) はアンプルの断面
を、図9(a) は成長炉内の温度分布を表している。
【0064】本発明の第一の構成では、図9に示すよう
に、アンプル21内に種結晶22、溶液材料部23及び
ソース部24がこの順序で密着して封入される。溶液材
料部23及びソース部24は、ともに二元系単結晶の原
材料である第一の元素及び第二の元素からなる。溶液材
料部23は二元系単結晶の組成よりも低融点元素である
第一の元素に富み、結晶成長温度Tg3で液相をなす。他
方、ソース部24は二元系単結晶の組成よりも高融点の
第二の元素に富み、結晶成長温度Tg3で固体をなす。
【0065】従って、図9(a) に示すように、アンプル
21内の原材料20部分を結晶成長温度Tg3に保持する
ことで、図9(c) に示すように、溶液材料部23は溶融
して溶液帯25を形成する。この溶液帯25は、ソース
部24の一部を溶解して高融点の第二元素を補給しつつ
その幅を広げ、組成比xmの溶液帯25となってソース
部24と熱平衡状態に達する。
【0066】ついで、アンプル21を成長炉(不図示)
に対して相対的に先端21a方向に移動する。これによ
り、図9(d) に示すように、溶液帯25はソース部24
を溶融しつつ後端21b方向に移動し、同時に種結晶2
2上に単結晶26が成長する。本構成では、ソース部2
4は結晶成長温度Tg3で溶融しない組成の材料から形成
される。従って、ソース部24内部にその一部が溶融し
て形成される液滴が発生しない。その結果、溶液帯25
とソース部24との固相液相界面は結晶成長の間中平滑
に保たれ、結晶成長条件が擾乱されないから、組成の均
質な二元系結晶が製造される。
【0067】かかるソース部24は高融点の第二の元
素、例えばGe−Si系においては、Si単体とすることもで
きる。この方法では、ソース部24の組成分布を極めて
均一に又は高純度にすることができる。かかるソース部
24は高融点の第二の元素、例えばGe−Si系においては
Si単体にすることもできる。この方法では、ソース部2
4の組成分布を極めて均一に又高純度にすることができ
る。
【0068】他方、溶液材料部23は、結晶成長温度T
g3において確実に溶融するように、低融点の第一の元
素、例えばGe−Si系においてはGeを、組成比xmよりも
十分多く含有する組成にすることが好ましい。このよう
に溶液材料部23に低融点の元素を多量に含ませること
は、次に説明するように長尺の単結晶26を製造するた
めにも好ましい。これらの理由から、溶液材料部を低融
点の第一の元素、例えばGe−Si系においてはGe単体とす
ることがより好ましい。
【0069】単結晶と同一組成のソース部を用いる従来
の方法では、単結晶の成長により溶液帯から消費される
溶液中の元素は、単結晶と同一組成のソース部の溶解に
より消費量と同量が補給され、その結果、一定幅の溶液
帯が保持される。これに対して、本構成では、上述のよ
うにソース部24は、成長する単結晶26の組成比xs
よりも高融点の第二の元素を多く含有する。したがっ
て、結晶成長中にソース部24から溶液帯25中に補給
される低融点の第一の元素の量は、結晶成長で消費され
る第一の元素の量よりも少ない。このため、溶液帯25
に含まれる低融点の第一の元素の絶対量は結晶成長とと
もに減少する。他方、溶液帯25は結晶成長温度Tg3
常に組成比xmを保持するから、図9(d) に示すよう
に、溶液帯25は結晶成長とともにその幅が縮小し、図
9(e) に示すように、最後は溶液帯25も固化して消失
する。
【0070】即ち、本構成により製造しうる結晶の長さ
は、溶液材料部23の低融点の第一の元素の絶対量及び
ソース部24の組成比に依存する。従って、溶液材料部
23は低融点の第一の元素を多く含む組成、例えば第一
の元素単体とすることが、長い単結晶を製造するために
好ましい。なお、図9(e) に示すように、結晶成長終了
時にソース部24の一部を残すことにより、結晶終了後
に単結晶26の端面に接する溶液を固化するための急冷
を不要とし、また、溶液を結晶成長終了まで安定に保持
することができる。これにより高温において急激な熱的
又は機械的衝撃を単結晶26aに与えることが回避さ
れ、結晶品質の劣化を防止できる。なお、結晶成長終了
時にソース部24の一部を残すことは、本実施形態にお
いて必ずしも必要ではない。
【0071】本実施形態の第二の構成は、長尺単結晶を
製造するための第一の構成の改良に関する。第二の構成
では、図10(a) に示すように、ソース部24をアンプ
ル21の軸に垂直に分割し、分割面に溶液形成板27を
挟持させた積層ソース部24Aを形成する。この溶液形
成板板27は、少なくとも結晶成長温度Tg3で液体にな
る低融点材料からなる。このソース部24及び溶液形成
板27はそれぞれ第一の構成で示したソース部24及び
溶液材料部23と同じ材料から構成され、Si及びGeにす
ることが材料組成の均一性及び純度の観点から好まし
い。
【0072】かかる構成では、アンプル21を結晶成長
温度Tg3に保持したとき、図10(b) に示すように、種
結晶22に接して形成される溶液帯25aの他に、溶液
形成板27が溶融することで積層ソース部24Aの各分
割部分に溶液帯25b〜25dが形成される。これらの
溶液帯25a、25bは、図10(c) に示すように、ア
ンプル21をその先端21a方向に移動することによ
り、溶液帯25a,25bの後端21a側に接するソー
ス部24a〜24dを溶解しつつアンプル21に対して
後端21a方向に移動し、溶液帯25a,25bの先端
21b側に二元系結晶26a〜26dを析出する。この
とき、種結晶22に接した溶液帯25aからは二元系単
結晶26aが析出する。他方、ソース部24a〜24d
に挟まれた溶液帯25b〜25dからは単結晶又は多結
晶の二元系結晶26b〜26dが析出する。
【0073】このソース部24a〜24dに挟まれた溶
液帯25b〜25dから析出した二元系結晶26b〜2
6dは、各溶液帯25b〜25dの温度で定まる組成を
有する。通常は、各融液帯25b〜25dの温度は、結
晶成長温度Tg3よりも僅かに高温に保持される。従っ
て、これらの二元系結晶26b〜26dは、結晶成長温
度Tg3における結晶の平衡組成比xsより僅かに多くの
高融点の第二の元素を含有する。
【0074】他方、種結晶22に接した溶液帯25aか
ら析出した二元系単結晶26aは、結晶成長温度Tg3
おける平衡組成比xsを有する。この溶液帯25aは、
ソース部24aの組成がxsより高融点の第二の元素を
多く含むために、二元系単結晶26aの成長とともに低
融点の第一の元素が減少し、溶液帯25aの幅が短くな
る。
【0075】しかし、溶液帯25aが移動してソース部
24aの端に到達し、二元系結晶26bを溶解し始める
と、二元系結晶26bの組成比は二元系単結晶26aの
組成比xsに極めて近いため、それ以後は溶液帯25a
の幅は殆ど変化しない。このため、溶液帯25aの消失
時点が大幅に延長される。従って、単一の溶液帯25a
を用いる場合に較べ、長尺の二元系単結晶26aを製造
できる。また、この二元系結晶26bは、溶液帯25b
から析出して形成されるため、非常に均質な組成を有す
る。従って、溶液の急冷により又は粉体の焼結により製
造したソース部24に比較して、均質な組成のソース部
として機能するから、二元系単結晶26aの均質性を優
れたものにできる。
【0076】さらに、図10(a) に示すように、結晶長
をより長くするために、溶液形成板27を複数個設けて
もよい。また、溶液帯25a〜25dに挟まれるソース
部24a〜24cの幅を、各溶液帯25a〜25dが消
失することなく通過できる長さに設定してもよい。この
場合、二元系単結晶26aの成長に直接関与する溶液帯
25aが、組成変動の激変する領域を通過するのは、最
初のソース部の通過時のみに留まるから、成長中の擾乱
が少なく良質の結晶が製造される。
【0077】なお、上述の第一、第二の構成の作用をSi
−Ge系について説明したが、全率固溶する二元系であれ
ばよく、さらには一方の元素又は双方の元素をコングル
エントな中間化合物に代えて適用してもよい。さらに、
本発明において、成長温度Tg3は必要な組成比xsを決
定するものであり、必ずしも一定温度である必要はな
く、必要に応じて成長途中に変動するものであっても差
し支えない。
【0078】次に、組成比xsが0.90であるSi0.90
Ge0.10単結晶の製造について説明する。図11は、図1
0に示す装置をより具体的に表した断面図であり、図1
1(a)はブリッジマン炉断面を、図11(b) はその垂直
軸に沿った炉内温度分布を示している。
【0079】まず、図11(a) に示すように、内径20
mm、外径22mm、長さ50mmの石英管からなるアンプル
21内に、種結晶22として厚さ5mmのシリコン単結晶
板と、溶液材料部23として厚さ1mmのゲルマニュウム
円板と、積層ソース部24Aとを順に挿入し、さらに真
空封入する。積層ソース部24Aは、厚さ2mmのシリコ
ン単結晶円板からなるソース部24a〜24cと厚さ1
mmのゲルマニウム円板からなる溶液形成板27a〜27
cとを交互に重畳し、さらに終端21bに最も近いソー
ス部24dとして厚さ5mmのシリコン単結晶円板を重畳
して構成される。これらの部材は、図11(a) に示すよ
うに、アンプル21内の先端21a及び後端21b部分
に設けられたカーボンブロック30により押止めされ、
互いに密着して固定される。
【0080】結晶成長には、図11(a) に示すように、
内壁にヒータ28が設けられた管状の炉体29を有する
ブリッジマン炉を用いた。部材を封止したアンプル21
を、炉体29内に吊り下げ、さらに昇温する。図11
(b) に示すように、炉体29内の温度分布は、炉入口は
低温に保たれ、炉中央から下方にかけての温度分布は下
方に僅かに高温となる温度勾配が与えられる。また、入
口から一定距離下方に離れた位置Aにおいて成長温度T
g4となるように温度勾配が与えられる。
【0081】初めに、アンプル21は、溶液材料部23
が位置Aに位置するように吊り下げられる。従って、溶
液材料部23、ソース部24a〜24d及び溶液成形板
27a〜27cは、成長温度Tg4以上の温度に加熱され
る。その結果、図10(b) に示すように、溶液材料部2
3及び溶液形成板27a〜27cは溶融し、溶液帯25
a〜25dを形成する。この溶液帯25a〜25dは、
種結晶22及びソース部24c〜24dを溶解してその
幅を広げ、熱平衡の組成に達して一定幅を維持する。こ
のとき、炉内温度は下方に高温となる温度勾配を有する
ため、各溶液帯25a〜25dは主としてその下方に接
するソース部24a〜24cの溶解は僅かに留まる。こ
のとき、ソース部24c〜24dはシリコン単体の棒か
ら構成されるため、組成の均一性は非常に優れ、ソース
部24c〜24d内部に液滴を生じることはない。
【0082】ついで、図11(a) に示すように、炉体2
9を2mm/時の速度で下方に移動する。その結果、図1
1(b) に示すように、位置Aも下方に移動するから、こ
の成長温度Tg4を保持する位置Aはアンプル21を上か
ら下に走査するようにアンプル21の後端方向に向けて
移動する。この位置Aの移動に追従して、図10(c)に
示すように、溶液帯25a〜25bはアンプル21の後
端21b方向に移動し、各溶液帯25a〜25bのアン
プル1の先端21a側の固相液相界面に二元系結晶26
a〜26dを析出する。
【0083】このうち、もっとも先端21aに近い二元
系結晶26aは、溶液温度が成長温度Tg4に保持された
溶液帯25aから析出し、成長温度Tg4における平衡組
成を有する組成比xsを有し、かつ種結晶22上に析出
した二元系単結晶26aとなる。本例では、成長温度T
g4を1350℃とし、組成比xm=0.75の溶液帯2
5aから組成比xs=0.90のSi0.90Ge0.10単結晶を
製造した。他の溶液帯25b〜25dから析出する二元
系結晶26b〜26dは、成長温度Tg4よりも僅かに高
温の各溶液帯25b〜25dと平衡する組成比、即ち組
成比xs=0.90よりも僅かに大きな組成比を有する
単結晶として成長した。
【0084】図10(d) は、アンプル1を2mm/時の速
さで結晶成長開始位置から略3mm移動したときの状況を
表している。図10(d) に示すように、溶液帯25a〜
25dの間に挟まれたソース部24a〜24cは、溶液
帯25a〜25cの通過により消失し、二元系結晶26
b〜26cに変換されている。各溶液帯25a〜25c
は、この変換された二元系結晶26b〜26cをソース
源とし、さらに続けて、種結晶22上に析出する単結晶
26aを含めて、二元系結晶26a〜26dを成長す
る。なお、アンプル21の後端21bに最接近する溶液
帯25dはGeを消耗して消失している。また、最後端の
ソース部24dは幅が広いために溶液帯25dが通過す
ることはない。
【0085】さらに、アンプル21の移動が進行する
と、図10(e) に示すように、種結晶22上に析出する
組成比xs=0.90のSi0.90Ge0.10単結晶26aは、
変換された二元系結晶26bをソース源として成長を続
ける。一方、溶液帯25a〜25cは、Geを消耗して最
高端に位置するものから順次消失する。最後の溶液帯2
5aの消失によりアンプル1内の全原料が固化し、結晶
成長は終了する。
【0086】これにより、略12mm長の結晶組成が均一
なSi0.90Ge0.10単結晶を製造することができた。本例で
は、結晶成長終了時には全原料が固化しているため、そ
の後の冷却過程で単結晶に欠陥が導入される危険が少な
いという利点がある。 (第4実施形態)本実施形態の構成は、第3実施形態の
第一の構成をフローティングゾーン法に適用したもの
で、融点の低い第一の元素、例えばGeと融点の高い第二
の元素、例えばSiとの二元系単結晶の製造方法に関す
る。
【0087】以下、SiとGeよりなる二元系の実施形態を
説明する。本実施形態では、図12(a) 〜(c) に示すよ
うに、垂下されたSiからなるソース棒34Bの下端にGe
よりなる溶液材料板33Bを挟んで種結晶32が設けら
れている。ついで、溶液材料板33B近傍を高周波コイ
ルを用いて誘導加熱し、溶液材料板33Bを溶融し、Si
とGeとの混合溶液からなる溶液帯35を形成する。つい
で、溶液帯35を上方に移動することで、種結晶32上
にSi−Ge単結晶36が成長する。
【0088】本構成では、ソース棒34Bは単体元素で
作られているから、ソース棒34Bの組成変動は実用上
無視することができる。このため、第3実施形態の第一
の構造と同様に、溶液帯35とソース棒34Bとの界面
の凹凸の発生を防止でき、品質の優れた単結晶が製造さ
れる。次に、組成比xsが0.90であるSi0.90Ge0.10
結晶の製造について説明する。
【0089】図12(a) に示すように、ソース棒34B
として直径20mm、長さ50mmのSi単結晶棒を垂下す
る。そのSi単結晶棒の下端に溶液材料板33Bとして直
径20mm、長さ5mmのSi0.5Ge0.5多結晶円板を密着し、
さらにその下端に種結晶32として直径20mm、長さ5
0mmのSi単結晶棒を下方から押圧し、密着して設けた。
まず、溶液材料板33Bをその周囲か取り巻く高周波コ
イル31により加熱し、溶融して溶液帯35を形成す
る。ついで、図12(b) に示すように、溶液帯35の温
度分布を均一にするため、種結晶32及びソース棒34
Bを反対方向に垂直軸廻りにそれぞれ3回転/分で回転
しながら、溶液帯35を温度1350℃に昇温する。こ
の結果、溶液帯35は種結晶32及びソース棒34Bを
溶融し、組成比がSi0.75Ge0.25の厚さ6.35mmの溶液
帯35となり平衡した。
【0090】ついで、種結晶32及びソース棒34Bを
下方に2mm/時の速さで移動し、即ちコイル31を相対
的に上方に移動することにより、溶液帯35の下方、種
結晶32上に析出した組成がSi0.90Ge0.10の長さ10mm
の二元系単結晶36が成長した。 (第5実施形態)上記した第1〜第3の実施形態では、
種結晶に結晶を成長させるために、種結晶に隣接して2
つの成長材料を交互に配置している。
【0091】それら2つの成長材料のうち溶液又は融液
となる第一の成長材料の厚さと、溶液又は融液に原料を
供給する第二の成長材料の厚さを適正に設定することは
重要である。即ち、第二の成長材料が厚すぎると、成長
した結晶中に第二の成長材料の分子又は原子が残っしま
う。これに対して第二の成長材料が薄すぎると、溶液又
は融液への材料の供給が途中で停止するために均一な組
成をもつ2元結晶又は3元結晶を種結晶上に成長できな
くなる。
【0092】そこで以下に、必要とされる第一の材料と
第二の材料のそれぞれを適正な厚さに設定した場合の結
晶成長について説明する。化学量論的組成を保っている
融液を用いる結晶成長法において、YとZはそれぞれ原
子又は分子とすると、Yx 1-X 結晶を成長するために
必要とされるYとZの量は次のように計算される。な
お、組成比xは、Y及びZの総原子数をYの総原子数で
割った値、またはY及びZの総分子数をYの総分子数で
割った値である。
【0093】Yの総原子数(又は分子数)は、次の式
(1)の関係がある。 (tY ・S・dY /MY )・A=(tYZ・S・x・dYZ /MYZ)・A …(1) Zの総原子数(又は分子数)は、次の式(1)の関係が
ある。 (tZ ・S・dZ /MZ )・A=(tYZ・S・(1−x)・dYZ /MYZ)・A …(2) ここに、tY は、Yの元素を有する第一の材料の厚さ
で、tZ は、Zの元素を有する第二の材料の厚さで、t
YZは、種結晶上に成長する結晶の厚さで、Sはアンプル
の断面積、dY は、Yの元素を有する第一の材料の比重
で、dZ は、Zの元素を有する第二の材料の比重で、d
YZは、種結晶上に成長した結晶の比重で、MY は、Yの
元素を有する第一の材料の原子量(又は分子量)で、M
Z は、Zの元素を有する第二の材料の原子量(又は分子
量)で、MYZは、種結晶上に成長した結晶の分子量、A
はアボガドロ数である。
【0094】従って、式(1) 及び(2) より原理的には次
の式(3) が成立し、この式を満たすようにtY とtZ
厚さを設定する。 tZ =(MZ ・dY /MY ・dZ )・((1−x) /x) ・tY …(3) 次に、第一の材料としてInAs板、第二の材料としてGaAs
板を使用してInX Ga1- X Asを結晶成長する場合について
説明する。
【0095】InAs板の厚さを1mmにした場合に、上記し
た式(3) を満たすGaAs板の厚さtZを図13に示す。そ
のような図13の関係を満たすようにGaAsの厚さtZ
設定することにより、原理的には、InAsとGaAsを交互に
複数重ねてInGaAsの成長を無限に継続することができ
る。図14(b) は、GaAs種結晶41の隣にInAsよりなる
第一の材料42a,42b,42cとGaAsよりなる第二
の材料43a,43b,43cを交互に3層ずつ配置
し、これを石英アンプル44に入れ、そして、図14
(a) に示すような温度分布を有する加熱炉(不図示)に
入れる。その温度分布によって、結晶成長開始時には図
14(b) に示すように、第一の材料42a,42b,4
2cと第二の材料43a,43b,43cの温度は、In
Asの融点Tg5以上に高く且つ一定に設定される。
【0096】これにより、図14(c) に示すように、第
一の材料42a,42b,42cが融解して融液45
a,45b,45cに変わるとともに、融液45a,4
5b,45cに接する第二の材料43a,43b,43
cの両面でGaAsが融解する。この結果、GaAsが溶け込ん
だ融液45a,45b,45cはInGaAsよりなる三元融
液となる。
【0097】その後に、図14(d) に示すように、第一
の材料42aから種結晶41に向く方向(以下、前方と
いう)に石英アンプル44を移動させると、種結晶41
の表面に単結晶のInx Ga1-x As結晶46が成長するとと
もに、最前の融液45a中の組成を一定にするように融
液45aの後方の第二の材料43aからGaAsが溶け出
し、これにより第二の材料43aは薄くなる。この時、
最前の融液45aにはInAs成分は補給されないので、そ
の融液45aも薄くなる。また、中央の融液45bは飽
和状態になるので最前の第二の材料45aのGaAsが後方
へ溶解することはない。
【0098】そして、第一の材料42aと第二の材料4
3aが式(3) を満たしていると、図14(d) に示すよう
に、最前の融液45aが無くなると同時に第二の材料4
3aが消失し、Inx Ga1-x As結晶46には二番目の融液
45bが接触して結晶成長が進むことになる。このよう
な過程が繰り返され、図14(e),(f) に示すように、最
後の融液45cに到達しての融液45cが消失した時点
で結晶成長は終了する。
【0099】以上の結晶成長過程において、成長界面の
位置は殆ど移動しないので成長したInx Ga1-x As結晶4
6の組成はほぼ一定となる。なお、第二の材料43a,
43b,43cの後方には第2実施形態に示したような
結晶は成長しない。これは、第一の材料42a,42
b,42cと第二の材料43a,43b,43cの温度
が均一になるような温度分布にしているので、融液45
b,45cが飽和状態になった時点で第二の材料43
b,43cの溶融が止まるからである。
【0100】以上のように第二の材料43a,43b,
43cの厚さを決定すると、第二の材料43a,43
b,43cを構成するGaAs化合物が成長した結晶内に残
ることはなくなり、成長する結晶の結晶性が向上する。
また、第二の材料43a,43b,43cを構成する化
合物が全て溶解するので、融液の組成が変動することも
ない。
【0101】そして、InAsよりなる第一の材料42a,
42b,42cとGaAsよりなる第二の材料43a,43
b,43cを、それぞれほぼ100%の均一組成をもつ
InGaAs結晶の成長に寄与させることができるので、材料
の無駄がなくなる。さらに、結晶成長の最終端において
第二の材料43a,43b,43cの残留物がなくなる
ので、成長した結晶46と第二の材料43a,43b,
43cとの格子不整合による歪みが生じることはなく、
成長した結晶にクラックは発生しない。
【0102】次に、InAsとGaAsを1組使用して固相組成
0.1のInGaAs結晶を成長する例を図15(a) 〜(c) に
基づいて説明する。まず、図15(a) に示すように、Ga
As種結晶51とInAs板52とGaAs板53を内径15mmの
石英アンプル54内に順に真空封止する。InAs板52の
厚さを2mm、GaAs板53の厚さを7mmとする。
【0103】式(3) によると、GaAs板53の厚さは7.
313mmとなるが、これよりも僅かに薄くして結晶成長
過程においてGaAs板53を確実になくすようにする。そ
の後に、石英アンプル54を縦型成長炉55に入れてそ
の中でArガスで3気圧に加圧する。次に、図15(b) の
実線で示すような温度分布になるように徐々に温度を上
げる。その温度分布は、成長開始時に、種結晶51とIn
As板52の界面でInAsの融点よりも僅かに低温に設定す
るとともに、InAs板52及びGaAs板53の温度をInAsの
融点以上の1122℃に設定する。また、種結晶51と
InAs板52の界面から種結晶51内に向けて加熱温度は
20℃/cmの割合で徐々に低くなるような温度分布にす
る。これにより、種結晶51の表面からGaAsが殆ど溶け
出さないようにする。
【0104】この状態を1時間保持した後に、石英アン
プル54を下方へ1mm/hourの速さで10時間移動させ
て結晶成長を終了する。これにより、図15(c) に示す
ような外径15mm、長さ8mmの均一組成を持つIn0.1Ga
0.9As単結晶56が成長する。成長した結晶内部と最終
端にはGaAsの残留がなく、結晶性の良いInGaAsが成長さ
れている。
【0105】なお、種結晶51として、成長しようとす
る結晶に格子定数が近いInGaAsを用いる方が好ましい。
図16(a) は、石英アンプル54内にInAs板52とGaAs
板53を2層ずつ交互に配置した場合を示している。こ
の場合も図16(b) に示すように前の例と同じような温
度分布と同じ製造過程を経てIn0.1Ga0.9As単結晶56が
成長する。成長中の石英アンプル54の移動時間は18
時間である。
【0106】これにより、図16(c) に示すような外径
15mm、長さ16mmの組成が均一のInGaAs結晶が成長す
る。なお、具体例としてIII-V族化合物半導体を結晶成
長する場合について説明したが、第3実施形態に示した
Si−Geのような偏析する2元系結晶を成長する場合にも
同様な関係が成立する。
【0107】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、種結
晶の隣に種類の異なる第1及び第2の成長材料を使用
し、融点の低い第1の成長材料が種結晶側になるように
それらの成長材料を交互に1層又は複数層配置するとと
もに、これらを加熱雰囲気に置いて第1の成長材料を溶
融して溶液又は融液に変えるとともに、温度分布の調整
によって、第2の成長材料の一部を溶融させて溶液又は
融液に供給して成長材料を育成し、その成長材料を種結
晶上に結晶成長するようにした。
【0108】したがって、作成の困難な2元又は3元以
上の成長材料を使用することなく、組成均一性の高い多
元材料が種結晶に供給されることになるので、種結晶上
に組成の均一な結晶を成長できる。種結晶上に成長する
2元又は多元の結晶の厚さは、第1の成長材料と第2の
成長材料を複数交互に配置することにより厚くできる。
【0109】また、第2の成長材料としてソース棒を使
用し、第1の成長材料として溶液帯を使用して2元結晶
を成長する場合に、ソース棒は単元材料であるので、そ
のソース棒内の組成変動は存在せず、ソース棒と溶液と
の界面の凹凸の発生を防止できる。また、別の発明によ
れば、上記した第1の材料と第2の材料の厚さを最適化
しているために、第2の材料が結晶中に残ることを防止
し、成長した結晶の組成の均一性を高くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に使用する結晶成長装置
の概要構成図と加熱温度分布図である。
【図2】本発明の第1実施形態の結晶成長の過程を示す
断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に使用する結晶成長装置
のより具体的な例を示す断面図とその加熱温度分布図で
ある。
【図4】本発明の第1実施形態に使用する結晶成長装置
の更に別な具体例を示す断面図とその加熱温度分布図で
ある。
【図5】本発明の第2実施形態に使用する結晶成長装置
の概要構成図と加熱温度分布図である。
【図6】本発明の第2実施形態の結晶成長の過程を示す
断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に使用する結晶成長装置
のより具体的な例を示す断面図とその加熱温度分布図で
ある。
【図8】本発明の第2実施形態に使用する結晶成長装置
の更に別な具体例を示す断面図とその加熱温度分布図で
ある。
【図9】本発明の第3実施形態の結晶成長方法における
加熱炉内温度分布図と、その温度分布下での結晶成長過
程を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の結晶成長方法におい
て、複数の溶液材料部とソース部を複数交互に配置する
場合の結晶成長過程を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の結晶成長方法に使用
する装置をより具体的に示した断面図と、その装置内の
温度分布図である。
【図12】本発明の第4実施形態の結晶成長方法を示す
断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態の結晶成長方法におい
て、InGaAs結晶を成長する際に使用するGaAs板とInAs板
の膜厚の一例を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態の結晶成長方法におけ
る加熱炉内温度分布図と、その温度分布下での結晶成長
過程を示す断面図である。
【図15】本発明の第5実施形態によりInGaAs結晶を成
長する場合の加熱炉内温度分布図と、その温度分布下で
の結晶成長過程を示す断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態によりInGaAs結晶を長
く成長する場合の加熱炉内温度分布図と、その温度分布
下での結晶成長過程を示す断面図である。
【図17】結晶成長の固相と液相の関係の一例を示すIn
As−GaAs準2元系状態図である。
【図18】従来のIII-V族化合物半導体結晶成長に使用
する装置の一例を示す概要構成図とその装置の炉内温度
分布図である。
【図19】シリコン・ゲルマの全率固溶二元系図であ
る。
【図20】従来のシリコン・ゲルマ結晶成長に使用する
装置の一例を示す概要構成図とその装置の炉内温度分布
図である。
【符号の説明】
1 アンプル 2 種結晶層 3 溶液材料層 4 成長材料層 5 加熱炉 6 第二の成長材料層 6a 3元の結晶 7 石英製アンプル 11 アンプル 12 種結晶層 13 第一のIII-V族2元材料層 14 第二のIII-V族2元材料層 15 加熱炉 16 III-V族3元材料層 16a 3元の結晶 20 原材料 21 アンプル 22 種結晶 23 溶液材料部 24、24a〜24d ソース部 25、25a〜25d 溶液帯 26、26a〜26d 単結晶(2元系結晶) 27、27a〜27d 溶液形成板 28 ヒータ 29 炉体 30 カーボンブロック 41、51 種結晶 42a、42b、42c、52 第一の材料 43a、43b、43c、53 第二の材料 44、54 アンプル 45a、45b、45c 融液 46、56 結晶 55 加熱炉
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/40 501 C30B 29/40 501D

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種結晶の隣に該種結晶よりも融点の低い第
    1の材料と該第1の材料よりも融点の高い第2の材料と
    を交互に1層又は複数層配置してこれらを容器内に収納
    し、 該容器を加熱雰囲気に入れて前記第1の材料及び前記第
    2の材料の構成元素を出発材料として結晶を該種結晶表
    面に成長することを特徴とする結晶成長方法。
  2. 【請求項2】前記種結晶が溶解せず、かつ前記第1の材
    料が溶解するような温度勾配を前記加熱雰囲気に与え、
    前記第1の材料を溶解して溶液とするとともに、該溶液
    に接する前記第2の材料の面の少なくとも一方を溶解し
    て構成元素を該溶液に供給し、 前記温度勾配の分布を前記種結晶側から前記第2の材料
    側に向けて移動させて前記溶液中の複数元素の溶解度の
    温度依存性を利用して前記種結晶上に前記結晶を成長さ
    せることを特徴とする請求項1記載の結晶成長方法。
  3. 【請求項3】前記種結晶は2成分又は3成分からなるII
    I-V族の3元化合物結晶であり、前記溶液は III族又は
    V族の元素の1、2又は3成分の元素を含み、前記第2
    の材料はIII-V族の2元化合物からなることを特徴とす
    る請求項2記載の結晶成長方法。
  4. 【請求項4】前記結晶はIII-V族の3元化合物からな
    り、前記第1の材料と前記第2の材料はそれぞれ III族
    元素又はV族元素のいずれかが異なるIII-V族多元化合
    物であって、 前記第1の材料の全体が融解し、前記第2の材料全体が
    融解せず、前記種結晶側がその融点以下になる温度分布
    を前記加熱雰囲気に与え、 前記温度勾配の分布を前記種結晶側から前記第2の材料
    側に向けて移動させて、前記第2の材料からの溶融元素
    が加わった前記第1の材料の融液内の化合物が前記種結
    晶上で固相となって前記結晶を成長することを特徴とす
    る請求項1記載の結晶成長方法。
  5. 【請求項5】種結晶及び原材料を封入した容器内に該原
    材料と熱平衡した溶液からなる溶液帯を形成し、該溶液
    帯を該種結晶に接触させた後に、該溶液帯を該種結晶か
    ら離れる方向に該原材料を溶解しつつ移動させ、該溶液
    から該種結晶上に2元系単結晶を析出する結晶成長方法
    において、 前記種結晶は、前記溶液温度で固相をなす単結晶からな
    り、前記原材料は、前記種結晶に接して設けられた前記
    溶液温度で液相をなす低融点材料からなる溶液部材部
    と、該溶液部材部に接して前記種結晶の反対側に設けら
    れた前記溶液温度で固相をなす高融点材料からなるソー
    ス部とから構成され、 前記溶液材料部を昇温して溶融し、前記溶液温度で前記
    ソース部と熱平衡する組成を有する前記溶液帯を形成す
    ることを特徴とする結晶成長方法。
  6. 【請求項6】前記ソース部に代えて、前記溶液帯の移動
    方向に垂直に分割された前記ソース部の分割面に、前記
    低融点材料からなる溶液形成板を挟んで構成する積層ソ
    ース部を用いることを特徴とする請求項5記載の結晶成
    長方法。
  7. 【請求項7】前記2元系単結晶は、全率固溶系をなす第
    一及び第二の元素からなり、 前記第一の元素より融点の高い前記第二の元素を前記高
    融点材料とすることを特徴とする請求項5又は6記載の
    結晶成長方法。
  8. 【請求項8】第一の元素及び該第一の元素よりも融点の
    高い第二の元素から2元系単結晶を成長させる結晶成長
    方法において、 前記第二の元素からなるソース棒の一端に種結晶を、前
    記第一の元素又は前記第一の元素と前記第二の元素の化
    合物かなる溶液材料板を介在させて設ける工程と、 前記溶液材料板を局部的に加熱して溶融し、前記第二の
    元素の飽和溶液からなる溶液帯を形成する工程と、 前記溶液帯を前記ソース棒の他端に向けて移動させ、前
    記ソース棒から前記溶液帯中へ第二の元素を補給しつつ
    前記溶液帯から前記種結晶上へ2元系単結晶を析出させ
    る工程とを有することを特徴とする結晶成長方法。
  9. 【請求項9】種結晶の隣に該種結晶よりも融点の低い第
    1の材料と該第1の材料よりも融点の高い第2の材料と
    を交互に1層又は複数層配置してこれらを容器内に収納
    し、 前記種結晶が溶融せず且つ前記第1の材料の融点以上の
    温度で前記第1の材料及び前記第2の材料を加熱する温
    度分布を持つ加熱雰囲気中に該容器を入れ、これによ
    り、前記第1の材料の溶融して液体にするとともに、前
    記第1の材料の少なくとも前記種結晶側の面を融解し、 前記温度分布を前記種結晶から前記第2の材料に向けて
    移動することにより前記液体中の構成元素を出発材料と
    して該種結晶表面に結晶を成長し、 前記第1の材料は、前記種結晶に接する前記液体が前記
    結晶の成長により消失した時点で同時に消失する厚さを
    有することを特徴とする結晶成長方法。
  10. 【請求項10】成長しようとする化合物Yx 1-X (x
    は組成比)よりなる結晶を成長するために、原子量又は
    分子量がMY であって比重dY の材料Yよりなる第1の
    材料板と、原子量又は分子量がMZ であって比重dZ
    材料Zよりなる第2の材料板を使用し、 容器内において、種結晶の隣に、次式の関係を満たす厚
    さtY の前記第1の材料板と厚さtZ 前記該第2の材料
    板とを順に1層又は複数層交互に配置し、 tZ ≦(MZ ・dY /MY ・dZ )・((1−x) /x)
    ・tY 前記種結晶が溶融せず且つ前記材料Yの融点以上の温度
    で前記第1の材料板及び前記第2の材料板を加熱する温
    度分布を持つ加熱雰囲気中に前記容器を入れ、これによ
    り、前記第1の材料板を溶融して液体にするとともに、
    前記第2の材料板の少なくとも前記種結晶側の面を融解
    し、前記温度分布を前記種結晶から前記第2の材料に向
    けて移動することにより前記液体中の構成元素を出発材
    料として該種結晶表面に結晶を成長することを特徴とす
    る結晶成長方法。
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