JPH09109412A - インクカートリッヂにおける再生処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みのインクカートリッヂを遠心力を利
用して残量インクを排出し、補充しうる再生処理装置の
提供。 【解決手段】 インク供給部を放射方向に沿って外側に
向けた状態でインクカートリッヂを装填しうる回転ディ
スクを具備し、旋回駆動手段により回転ディスクを旋回
させてインクカートリッヂ内のインクに遠心力を付与し
て排出可能に構成し、インクカートリッヂ内にインク供
給部から排気可能に加圧エアを供給可能に構成し、イン
クカートリッヂ内に遠心力によって付勢された所要のカ
ラーのインクを充填可能に構成し、インクカートリッヂ
に設けた複数のインク室内の残量インクを同数の貯溜室
を備えた貯溜槽内に互いに独立状態で収容可能に構成
し、又補充インク槽とインクカートリッヂとを密閉状に
連通させた状態で連設させて、インクの遠心力を付与し
てインクカートリッヂ内にインクを補給し、等量の空気
をインクカートリッヂから補充インク槽に還流させてイ
ンクを補給可能に構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット
タイプの印字記録装置におけるインクカートリッヂ処理
の技術分野に属するものであって、殊に使用済みのイン
クカートリッヂの再利用を可能とする処理技術分野に係
わるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、スポンジなどのインク吸蔵材に含
浸させたインクを内蔵したインクカートリッヂは、イン
クが消費され尽くされると廃棄されるか補修して再利用
されていた。

【０００３】しかしながら、廃棄処分するに当ってはそ
の処理コストを要するばかりでなく、処理法によっては
環境汚染の要因となることが指摘されており、再利用す
ることが資源の有効利用のみならず環境にも優しいこと
が認識され、殊に最近では主としてその再利用の傾向が
著しい。

【０００４】その一例としては、特開平７−６０９７９
号公報（公知例）の発明が挙げられる。

【０００５】この公知例の内容の要点は、使用済みのイ
ンクカートリッヂ内に遠心力を利用してインクを再充填
し、あるいは、洗浄液を注入してインクヘッドの洗浄化
を図りうるようにしたものであって、回転駆動源６によ
って旋回される回転センター部５をチューブ７を介して
カートリッヂ２に連通させ、当該回転センター部５内に
インク４を注入し、遠心力を利用してこのインク４をチ
ューブ７を経由させてカートリッヂ２内のスポンジ３中
にインク４を充填させるものであり、余剰のインク４を
インク通路１５内に回収すると共に、マノメータ１０に
よりスポンジ３内のインク４の充填状況を検出可能とし
たものである。

【０００６】又、インク４の代りに洗浄液を回転センタ
ー部５に供給してインクヘッド１を洗浄処理出来るよう
に構成したものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記の公知例のものに
あってもインクカートリッヂに遠心力を付与して再生処
理しうるものであるが、尚改善することが好ましい未解
決の課題が残されていた。

【０００８】即ちその第１は、残溜インクの完全な排出
処理による新鮮なインクの有効な補充を可能としなけれ
ばならない点である。

【０００９】又その第２は、インクの補充の際のオーバ
ーフローを検出するだけでなく積極的に未然防止しなけ
ればならない点である。

【００１０】更にその第３としては、別異のカラーイン
クを独立的に回収し、再生利用可能とすることが望まし
い点である。

【００１１】更に第４としては、インクカートリッヂを
残留インクの排出から新鮮なインクの再充填までの一連
の作業を一貫して遂行しなければならない点である。

【００１２】この発明の第１の目的は、前記の各課題点
を解決しうるものを提供することである。

【００１３】この発明の第２の目的は、使用済みのイン
クカートリッヂ内の残留インクを効果的に排出出来るも
のを提供することである。

【００１４】この発明の第３の目的は、インク吸蔵材を
加圧エアにより再生処理しうるようにしたものを提供す
ることである。

【００１５】この発明の第４の目的は、別異のカラーイ
ンクを独立的に充填可能としたものを提供することであ
る。

【００１６】この発明の第５の目的は、排出された残留
インクを独立的に回収可能としたものを提供することで
ある。

【００１７】この発明の第６の目的は、補充インクの充
填量を自動的に制御しうるものを提供することである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めのこの発明の対応手段は次の通りである。

【００１９】(1) 多孔質材などからなるインク吸蔵材を
内装した使用済みのインクカートリッヂの再生処理装置
であって、インク供給部を放射方向に沿って外側に向け
た状態でインクカートリッヂを装填しうる回転ディスク
を具備し、旋回駆動手段により当該回転ディスクを旋回
させて前記インクカートリッヂ内のインクに遠心力を付
与して排出可能に構成したインクカートリッヂにおける
再生処理装置。

【００２０】(2) 前記インクカートリッヂ内に前記イン
ク供給部から排気可能に加圧エアを供給可能に構成した
前記(1) 記載のインクカートリッヂにおける再生処理装
置。

【００２１】(3) 前記インクカートリッヂ内に遠心力に
よって付勢された所要のカラーのインクを充填可能に構
成した前記(1) 又は(2) 記載のインクカートリッヂにお
ける再生処理装置。

【００２２】(4) 前記インクカートリッヂに設けた複数
のインク室内の残量インクを同数の貯溜室を備えた貯溜
槽内に、互いに独立状態で収容可能に構成した前記(1)
乃至(3) 記載のインクカートリッヂにおける再生処理装
置。

【００２３】(5) 多孔質材などからなるインク吸蔵材を
内装した使用済みのインクカートリッヂの再生処理装置
であって、補充インク槽とインクカートリッヂとを密閉
状に連通させた状態で連設させて装填しうる回転ディス
クを具備し、旋回駆動手段により当該回転ディスクを旋
回させて前記補充インク槽内のインクの遠心力を付与し
て前記インクカートリッヂ内にインクを補給し、等量の
空気をインクカートリッヂから補充インク槽に還流させ
てインクを補給可能に構成したインクカートリッヂにお
ける再生処理装置。

【００２４】

【発明の実施の形態】次に添付図面を参照しながらこの
実施の形態を説明するが、各実施の形態に共通する点は
旋回駆動される回転ディスク上に使用済みのインクカー
トリッヂを装着し、このインクカートリッヂに遠心力を
付与して残留インクを排出し、又新鮮なインクを供給し
うるように構成した点である。

【００２５】（実施の形態１） (A) 構成 図１および図２に示されており、旋回駆動手段１によっ
て強制的に旋回駆動される駆動軸２上に固設された円板
状の回転ディスク３には、その中央部分に分配室３１を
開設すると共に、当該分配室３１に放射状連通管３２を
介して連通されるインクカートリッヂＩＣ用の第１受容
部３３を当該回転ディスク３の円周方向に同心状に多数
凹設しており、当該第１受容部３３の外側には連通路３
４を設けた隔壁３５を介在させて貯溜槽３６を挿脱自在
に装填しうる第２受容部３７を凹設し、更に前記第１受
容部３３内にはスプリング３９によって付勢された加圧
板３８を前記インクカートリッヂＩＣを押圧するよう移
動自在に配設している。

【００２６】なお、前記したインクカートリッヂＩＣな
らびに貯溜槽３６の構成ならびにその装着手順について
は後述する。

【００２７】次に図１における前記回転ディスク３に連
係された他の構成についてみれば、ベアリング４により
回転可能に回転ディスク３に挿着した供給管５の内端を
前記分配室３１内に開放状とする一方、第１切換弁６１
を介装して加圧エア供給手段７０を前記供給管５に連通
自在に連結させると共に、当該第１切換弁６１に連結さ
れた第２切換弁６２をインク供給手段８０に連結してお
り、当該第２切換弁６２の操作によって前記インク供給
手段８０における第１乃至第３インク室８１〜８３から
マゼンタ，シアンもしくはイエローの各カラーのインク
を選択的に供給管５に供給しうるものである。

【００２８】なお、図１中に示す９０はマニュアル操作
手段であって、旋回駆動手段１ならびに加圧エア供給手
段７０の始動もしくは停止を操作しうるものであり、更
には、前記第１および第２切換弁６１，６２の切換操作
等を可能としたものである。

【００２９】更に、前記第２受容部３７に収容される貯
溜槽３６については、箱型状の中空プラスチック製とな
し、その一側には前記連通路３４に係合され、インクカ
ートリッヂＩＣのインク供給部ＳＬに嵌合しうるアダプ
タ３６１を突設すると共に、他の一側には排出部３６２
を設け、当該排出部３６２上に開閉弁３６３を付設した
ものである。

【００３０】(B) 使用方法 残留インクの排出。 内部にスポンジなどのインク吸蔵材ＩＭを有するインク
カートリッヂＩＣ内のインクが消費された際には、イン
クの再充填を行うに先立って、残量インクを可能な限り
インク吸蔵材ＩＭから排出することが望ましい。

【００３１】しかしながら、微量に残留するインクは、
インク吸蔵材ＩＭ内に泡立ち状態で付着されていて、そ
の排出は困難視されている。

【００３２】この点の対応処理として、この実施の形態
１のものにあっては、まず、インクカートリッヂＩＣを
第１受容部３３内に装填し、その開口部ＳＨを回転ディ
スク３の放射状供給管３２に係合させ、スプリング３９
により付勢された加圧板３８によって当該インクカート
リッヂＩＣを外向きに加圧した状態とし、そのインク供
給部ＳＬを第２受容部３７に挿入した貯溜槽３６のアダ
プタ３６１に嵌合させると共に、当該貯溜槽３６の開閉
弁３６３は閉止させた状態とし、次で操作手段９０を操
作して第１切換弁６１により供給管５を外気ＡＲに連通
させる。

【００３３】次で、旋回駆動手段１を始動させることに
より回転ディスク３が旋回され、インクカートリッヂＩ
Ｃに遠心力が与えられてインク吸蔵材ＩＭ内の残量イン
クは慣性力によってインク供給部ＳＬからアダプタ３６
１を経由して貯溜槽３６内に移動され、遂にはインクカ
ートリッヂＩＣ内の残量インクが殆ど排出されうるもの
である。

【００３４】このインク排出処理が完了すれば再び操作
手段９０を操作して旋回駆動手段１により回転ディスク
３を停止させ、インクカートリッヂＩＣを新鮮なインク
の補充のために待機させればよいものである。

【００３５】インク吸蔵体の処理 前記の作業ステップの後で開閉弁３６３を開放させ、
第１切換弁６１により加圧エア供給手段７０を供給管５
に連通させ、操作手段９０により当該加圧エア供給手段
７０を始動させると、加圧エアが分配室３１を経由して
インクカートリッヂＩＣ内に注入され、インク吸蔵材Ｉ
Ｍは内部に残留する気泡が効果的に排出されると共に、
インク吸蔵材ＩＭを乾燥させ、効率的なインクの再充填
のために備えることが出来るものである。

【００３６】インクカートリッヂＩＣと貯溜槽３６の
取り外し 前記もしくはの作業ステップの後、スプリング３９
に抗して加圧板３８を移動させて、インクカートリッヂ
ＩＣを解放させ第１受容部３３から取り外し、インク供
給部ＳＬにフィルムを貼り密封する。また、貯溜槽３６
も同様に第２受容部３７から取り外し、インク自体の再
利用に供しうるものである。

【００３７】インクの再充填 インク供給孔ＳＬを密封したインクカートリッヂＩＣを
再度第１受容部３３に装填する。第１切換弁６１により
供給管５をインク供給手段８０に連通させると共に、第
２切換弁６２により第１乃至第３インク室８１〜８３を
選択的に開放させた状態において旋回駆動手段１により
回転ディスク３を旋回させると、供給管５により分配室
３１内に注入された所要のカラーのインクに遠心力が与
えられてインクカートリッヂＩＣ内のインク吸蔵材ＩＭ
内に効果的にインクが再充填されうるものである。

【００３８】このインク再充填処理は、図示しないタイ
マ手段などによりシーケンシャルに実行すればよいこと
は言うまでもないことである。

【００３９】なお、図３には特にカラーインクカートリ
ッヂＩＣＣが示されており、各インク室Ｒ₁ 〜Ｒ₃ には
異色のインクが収容されていることが示されているが、
この種のカラーインクカートリッヂＩＣＣについて前記
の如きインクの排出を図る際には、カラー用貯溜槽３
６’を用意すればよいものであって、その各貯溜室３６
４〜３６６内に排出された各カラーインクはそれぞれ再
利用に供しうることとなるものである。

【００４０】（実施の形態２） 構成 この実施の形態２に係るものの特徴点は、遠心力を利用
して、閉鎖空間を利用して置換方式により効果的なイン
クの充填を可能となした点であって、その説明を省略し
た部分は概ね実施の形態１と共通していると理解して差
支えないものである。

【００４１】即ち、図４および図５に示す如く回転ディ
スク３’の第１装填室１００内に中空プラスチック材か
らなる補充インク槽２００を装填可能とし、区画壁３０
０を隔てて回転ディスク３’に開設した第２装填室４０
０内には、バネ４１０によって付勢された押し板４２０
によって保持されるようインクカートリッヂＩＣ’を装
填可能に構成すると共に、当該インクカートリッヂＩ
Ｃ’の第１流通口Ｐ₁ には、前記補充インク槽２００の
インク供給針２１０を貫通可能とすると共に、補充イン
ク槽２００に併設した空気針２２０を第２流通口Ｐ₂ か
ら挿通可能となしており、それぞれ密封管２３０とその
先端のシール材２４０により補充インク槽２００とイン
クカートリッヂＩＣ’とが密閉状に連設されうるもので
ある。

【００４２】使用方法 図４および図５に示すように、第１装填室１００内に挿
入した補充インク槽２００のインク供給針２１０と、排
気針２２０とをインクカートリッヂＩＣ’内にその深さ
に差をつけた状態でインク吸蔵材ＩＭ’中に棘し通し、
バネ４１０で付勢された押し板４２０によりインクカー
トリッヂＩＣ’を補充インク槽２００方向に押し付ける
ように付勢させた状態で第２装填室４００内に挿入す
る。

【００４３】次で、予め切換弁５００および選択弁５１
０によりインク供給手段８００におけるインク室８１０
〜８１３から所要カラーのインクを補充インク槽２００
内に注入した後、選択弁５１０を閉止する。

【００４４】この状態で回転ディスク３’を旋回させる
と、補充インク槽２００とインクカートリッヂＩＣ’と
は密閉状に連通されているため、補充インク槽２００内
のインクには遠心力が与えられてインク供給針２１０に
より順次インクカートリッヂＩＣ’内のインク吸蔵材Ｉ
Ｍ’内に注入され、同時に等量の空気が空気針２２０を
経由して補充インク槽２００内に還流される。

【００４５】この状態が継続して、充填インクが空気針
２２０の先端（Ｘ）のレベルに達すると空気の還流が中
止され、充填インクの注入が完了することとなる。

【００４６】その後、回転ディスク３’の旋回駆動を中
止し、インクカートリッヂＩＣ’を第２装填室４００か
ら取り出せばよいものである。

【００４７】

【発明の効果】前記したこの発明によってもたらされる
顕著な効果は、前記の目的にも記載した如くであって、
次の点が挙げられる。

【００４８】遠心力を利用して使用済みのインクカー
トリッヂから残量インクを効果的に排出処理できる。

【００４９】インク吸蔵材を加圧エアによって再生処
理しうるので新鮮な充填インクを効率的に補給できる。

【００５０】カラーインクを独立的に排出，回収し、
又、補給できる。

【００５１】インクの補給量を完全に管理でき、無駄
を省いてコストダウンを図ることができる。

【００５２】装置が簡素でメンテナンスが容易でしか
もコンパクト化が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態１を示す機能ブロック
図。

【図２】図１の一部平面説明図。

【図３】図１における多色インクカートリッヂの装填部
を示す拡大図。

【図４】この発明の実施の形態２を示す一部平面図。

【図５】図４の部分拡大図。

【符号の説明】

１ 旋回駆動手段 ２ 駆動軸 ３，３’ 回転ディスク ３１ 分配室 ３２ 放射状連通管 ３３ 第１受容部 ３４ 連通路 ３５ 隔壁 ３６，３６’ 貯溜槽 ３６１ アダプタ ３６２ 排出部 ３６３ 開閉弁 ３６４〜３６６ 貯溜室 ３７ 第２受容部 ３８ 加圧板 ３９ スプリング ４ ベアリング ５ 供給管 ６１ 第１切換弁 ６２ 第２切換弁 ７０ 加圧エア供給手段 ８０ インク供給手段 ８１〜８３ 第１〜第３インク室 ９０ 操作手段 １００ 第１装填室 ２００ 補充インク槽 ２１０ インク供給針 ２２０ 空気針 ２３０ 密封管 ２４０ シール材 ３００ 区画壁 ４００ 第２装填室 ４１０ バネ ４２０ 押し板 ５００ 切換弁 ５１０ 選択弁 ８００ インク供給手段 ８１０〜８１３ インク室 ＩＣ，ＩＣ’，ＩＣＣ インクカートリッヂ ＩＭ，ＩＭ’ インク吸蔵材 ＳＨ 開口部 ＳＬ インク供給部 Ｒ₁ 〜Ｒ₃ インク室 Ｐ₁ 第１流通口 Ｐ₂ 第２流通口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 田 栄 子 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 越 野 一 夫 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多孔質材などからなるインク吸蔵材を内
   装した使用済みのインクカートリッヂの再生処理装置で
   あって、インク供給部を放射方向に沿って外側に向けた
   状態でインクカートリッヂを装填しうる回転ディスクを
   具備し、旋回駆動手段により当該回転ディスクを旋回さ
   せて前記インクカートリッヂ内のインクに遠心力を付与
   して排出可能に構成したインクカートリッヂにおける再
   生処理装置。
2. 【請求項２】 前記インクカートリッヂ内に前記インク
   供給部から排気可能に加圧エアを供給可能に構成した請
   求項１記載のインクカートリッヂにおける再生処理装
   置。
3. 【請求項３】 前記インクカートリッヂ内に遠心力によ
   って付勢された所要のカラーのインクを充填可能に構成
   した請求項１又は２記載のインクカートリッヂにおける
   再生処理装置。
4. 【請求項４】 前記インクカートリッヂに設けた複数の
   インク室内の残量インクを同数の貯溜室を備えた貯溜槽
   内に、互いに独立状態で収容可能に構成した請求項１乃
   至３記載のインクカートリッヂにおける再生処理装置。
5. 【請求項５】 多孔質材などからなるインク吸蔵材を内
   装した使用済みのインクカートリッヂの再生処理装置で
   あって、補充インク槽とインクカートリッヂとを密閉状
   に連通させた状態で連設させて装填しうる回転ディスク
   を具備し、旋回駆動手段により当該回転ディスクを旋回
   させて前記補充インク槽内のインクの遠心力を付与して
   前記インクカートリッヂ内にインクを補給し、等量の空
   気をインクカートリッヂから補充インク槽に還流させて
   インクを補給可能に構成したインクカートリッヂにおけ
   る再生処理装置。