JPH09106537A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09106537A
JPH09106537A JP28684995A JP28684995A JPH09106537A JP H09106537 A JPH09106537 A JP H09106537A JP 28684995 A JP28684995 A JP 28684995A JP 28684995 A JP28684995 A JP 28684995A JP H09106537 A JPH09106537 A JP H09106537A
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JP
Japan
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recording medium
magnetic recording
magnetic
lubricant
carbon film
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JP28684995A
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English (en)
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Takeshi Kobayashi
健 小林
Takahiro Kamei
隆広 亀井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種使用条件下において優れた潤滑特が保た
れると共に、長時間に亘り潤滑効果が持続され、走行
性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供す
ることができる。 【解決手段】 少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体
において、磁性層2上にカーボン膜4が形成され、か
つ、長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する長鎖炭化水
素酸無水物を潤滑剤3として保有(特に塗布)すること
を特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤を保有した
磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体のうち、例えば、強磁性金
属材料を蒸着等の手法により非磁性支持体上に被着し、
これを磁性層とした、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒
体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合剤とを含む磁性
塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを磁性層とした、
いわゆる塗布型の磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑
性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドローラ
ー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きい。従
って、摩擦係数が大きくなり、凝着現象(いわゆる張り
付き)が起き易く、走行性や耐久性に欠ける等、問題点
が多い。
【0003】例えば、8ミリビデオデッキに挿入された
テープは、10個以上のガイドピンを通って、ドラムに巻
き付けられる。その際、ピンチローラーとキャプスタン
によってテープテンションとテープ走行速度は一定に保
たれていて、テンションは約20g、走行速度は 0.5cm/s
である。
【0004】この走行系において、テープの磁性層はス
テンレス製の固定されたガイドピンと接触する構造にな
っている。そのために、テープ表面の摩擦が大きくなる
と、テープがスティックスリップを起こして、いわゆる
テープ鳴きという現象が起き、再生画面のひきつれを起
こす。
【0005】また、テープとヘッドとの相対速度は非常
に大きく、特にポーズ状態では同じ場所での高速接触と
なるので、磁性層の摩耗の問題が生じ、再生出力の低下
につながる。蒸着テープの場合には磁性層が非常に薄い
ので、この問題は更に深刻となる。
【0006】ハードディスク装置では、CSS(コンタ
クト・スタート・ストップ)といって、回転前には磁気
ヘッドはディスクに接触しており、高速で回転を始める
と、発生する空気流によって浮上するタイプである。そ
れゆえ、起動停止あるいは起動時には媒体を擦って走行
するので、そのときの摩擦増加が逆に大きな問題となっ
ている。
【0007】商品レベルの信頼性を保つには、CSS操
作を2万回行った後の摩擦係数が特に 0.5以下であるこ
とが望まれる。また、高速で回転しているので、ヘッド
と媒体によるヘッドクラッシュの問題も薄膜媒体では課
題の一つである。
【0008】そこで、これら問題点を改善するために、
各種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来よ
り、高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の
磁性層に添加したり或いはトップコートすることによ
り、摩擦係数を抑えようとする試みがなされている。
【0009】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
【0010】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、(1) 寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確保
されるように、低温特性に優れること、(2) 磁気ヘッド
とのスペーシングが問題となるので、極めて薄く塗布で
きることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮される
こと、(3) 長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑
効果が持続すること、等が要求される。
【0011】しかしながら、使用される潤滑剤の能力不
足に起因して、走行性、耐久性等の実用特性、特にシャ
トル走行試験における再生出力のレベルダウン等の実用
特性に不満を残している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、各
種使用条件下において優れた潤滑性が保たれると共に、
長時間に亘り潤滑効果が持続され、走行性、耐摩耗性、
耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供することを目的と
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、非磁性支持体
上に少なくとも磁性層を有してなる磁気記録媒体であっ
て、前記磁性層上にカーボン膜が形成され、かつ、長鎖
炭化水素基を少なくとも3つ有する長鎖炭化水素酸無水
物を潤滑剤として塗布することにより、優れた潤滑効果
が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0014】即ち、本発明は、少なくとも磁性層を有す
る磁気記録媒体において、前記磁性層上にカーボン膜が
形成され、かつ、炭化水素基を少なくとも3つ有する炭
化水素酸無水物を潤滑剤として保有(特に塗布)するこ
とを特徴とする磁気記録媒体に係るものである。
【0015】本発明の磁気記録媒体において、上記の炭
化水素基を少なくとも3つ有する炭化水素酸無水物、特
に長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する長鎖炭化水素
酸無水物が下記の一般式〔I〕で表されることが望まし
い。 一般式〔I〕: R1 −CO−O−CO−R2 −CO−O−CO−R3 (但し、この一般式において、R1 、R2 及びR3 は互
いに同一の若しくは異なる長鎖炭化水素基である。)
【0016】そして、この一般式〔I〕において、疎水
基であるR1 、R2 及びR3 が下記の構造からなるのが
よい。 R1 :CH3 (CH2 l2 :(CH2 m3 :CH3 (CH2 n (但し、lは0〜28の整数、mは2〜28の整数、nは0
〜28の整数、l+m+nは2〜60の整数であり、lは6
〜22の整数、mは3〜22の整数、nは6〜22の整数、l
+m+n=15〜50の整数であるのが好ましい。)
【0017】本発明の磁気記録媒体によれば、特に、長
鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する上記長鎖炭化水素
酸無水物を潤滑剤として上記のカーボン膜上に保有、特
に塗布することにより潤滑剤層を形成すれば、摩擦係数
を低減させ、かつシャトル耐久性及びスチル耐久性を向
上させることができる。
【0018】即ち、長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有
する長鎖炭化水素酸無水物を潤滑剤として、耐久性向上
のために設けたカーボン膜上に更に塗布すると、カーボ
ン膜上に潤滑剤分子の極性基部位の酸無水物が吸着し、
疎水基部位の炭化水素基(R1 、R2 、R3 )間の凝集
力により潤滑膜を形成する。
【0019】カーボン膜表面は、極性基部位(−OH、
−COOH等)を有するが、カーボン膜をスパッタ法等
により形成した際に生じたカーボン粉末のpH測定による
と、pH=2であってかなり酸性表面であることがわかっ
ている。このことから、カルボン酸のように酸性度が強
い酸であると、カーボン膜表面には吸着し難いことが予
想される。
【0020】これに対し、本発明で使用する上記の酸無
水物は、カルボン酸より酸性度が低く、カーボン膜表面
に対する吸着性はカルボン酸と比べて優れていると考え
られる。従って、本発明で使用する潤滑剤成分はカーボ
ン膜表面に強く吸着するため、摩擦係数が低減し、シャ
トル及びスチル耐久性が向上する。また、潤滑剤分子の
疎水基部位に炭化水素基部位を有するため、潤滑剤分子
間の相互作用が強固になり、ドラムやヘッド等による摩
擦で潤滑膜に生じる剪断力が大きくなっても、潤滑膜が
破壊されることがない。
【0021】長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する上
記の長鎖炭化水素酸無水物の長鎖炭化水素基R1
2 、R3 は上記の効果を発揮する上で、その炭素数は
1 =0〜28、R2 =2〜28、R3 =0〜28、l+m+
n=2〜60とすべきであるが、l=6〜22、m=3〜2
2、n=6〜22、l+m+n=15〜50であるのが好まし
い。
【0022】これらの各炭素数が少なすぎると、炭化水
素長が短すぎて摩擦や摩耗耐久性に問題が生じ易く、ま
た各炭素数が多すぎると、炭化水素基が長くなりすぎて
潤滑剤を媒体表面に塗布する場合の汎用溶媒(トルエ
ン、ヘキサン等)への溶解性が減少し、媒体表面に潤滑
膜を形成できなくなることがある。
【0023】上記のように、本発明は、耐久性向上のた
めに媒体表面側にカーボン膜を有する記録媒体に最適の
潤滑膜構造を形成し、摩擦係数の低減及びシャトル耐久
性を効果的かつ十分に向上させることができるものであ
る。
【0024】本発明による磁気記録媒体としては、非磁
性支持体の表面に蒸着等の手法により磁性膜が磁性層と
して形成され、更にその磁性層の上にカーボン膜を形成
した、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用するこ
とが可能である。また、この金属薄膜型の磁気記録媒体
においては、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介
した構成の磁気記録媒体に適用することもできる。ま
た、塗布型磁気記録媒体に対しても応用が可能である。
【0025】この場合には、適用可能な金属薄膜型の磁
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。
【0026】例示するならば、非磁性支持体としては、
塗布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロー
ストリアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、
ポリカーボネート類、ポリアミドイミド類に代表される
ような高分子材料や、アルミニウム合金、チタン合金、
チタン合金等の軽金属等からなる金属板、アルミナガラ
ス、セラミックス等により形成される支持体等が挙げら
れる。その形態も何ら限定されるものではなく、テープ
状、シート状、ドラム状等いかなる形態であってもよ
い。
【0027】この場合、非磁性支持体にAl合金板やガ
ラス板等の剛性を有する基板を使用した場合には、基板
表面にアルマイト処理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を
形成してその表面を硬くするようにしてもよい。
【0028】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等のPVD(物理的蒸着)の手法により連
続膜として形成することができ、Fe、Co、Ni等の
金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、Co−P
t−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合
金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、
Fe−Co−B系合金、Fe−Co−Ni−B系合金等
からなる面内磁化記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄
膜が例示される。
【0029】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、
In、Ge、Si、Tl等の低融点非磁性材料の下地層
を形成しておき、金属磁性材料を垂直方向から蒸着ある
いはスパッタし、金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性
材料を拡散せしめ、配向性を解消して面内等方性を確保
するとともに、抗磁性を向上させるようにしてもよい。
【0030】こうした磁気記録媒体の表面にカーボン膜
を形成する方法としては、スパッタリングが一般的であ
るが特に限定されるものではなく、いずれの方法も使用
可能である。この場合、カーボン膜の膜厚は2〜100nm
であることが望ましく、更に望ましくは5〜30nmであ
る。
【0031】磁気記録媒体表面のカーボン膜上に上記潤
滑剤を保持せしめる方法としては、このカーボン膜表面
に潤滑剤層をトップコートする方法が挙げられる。この
場合、上記潤滑剤の塗布量としては、 0.5〜100mg/m2
あることが望ましく、1〜20mg/m2 であることがより好
ましい。
【0032】この潤滑剤を塗布するための溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチル
モノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコールモ
ノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル
系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、四
塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジ
クロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。ま
た、その他の従来公知の有機溶媒を使用することができ
る。
【0033】上記潤滑剤は、単独で磁気記録媒体の潤滑
剤として用いてもよいが、従来公知の潤滑剤と組み合わ
せて用いてもよい。即ち、上記潤滑剤は単独で磁気記録
媒体の上に塗布してもよいが、従来公知の潤滑剤、例え
ば一般的に磁気記録媒体に使用されている長鎖のカルボ
ン酸或いはそのエステル類、長鎖アルコール類と組み合
わせて用いてもよい。
【0034】さらに、より厳しい条件に対処し、潤滑効
果を持続させるために、重量比30:70〜70:30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領
域において部分的に金属接触を生じたときに、これに伴
う摩擦熱によって金属面と反応し、反応生成物皮膜を形
成することにより、摩擦、摩耗防止作用を行うものであ
って、リン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧
剤、有機金属系極圧剤、複合系極圧剤等のいずれも使用
できる。
【0035】また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
【0036】こうした防錆剤は、上記潤滑剤と複合して
用いてもよいが、上記カーボン膜上に防錆剤層を塗布し
た後、潤滑剤層を塗布するというように、2層以上に分
けて被着すると効果が高い。
【0037】本発明は、上記した金属薄膜型の磁気記録
媒体だけでなく、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合剤と
を含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを磁性
層とした、いわゆる塗布型の磁気記録媒体に適用しても
よい。
【0038】この場合、上記の潤滑剤を磁性層上に塗布
できるが、磁性層内に添加してもよい。
【0039】この塗布型の磁気記録媒体で使用可能な磁
性粒子は、上記した磁性金属の粉末でもよいし、酸化物
磁性粉末でもよい。これには、例えば、γ−Fe
2 3 、Co含有γ−Fe2 3 、Co被着γ−Fe2
3 、Fe3 4 、Co含有Fe34 、Co被着Fe
3 4 、CrO2 等が挙げられる。金属磁性粉末として
は、上述したもの以外にも例えば、Fe−Co−B、F
e−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−
Co−V等が挙げられ、更にこれらの種々の特性を改善
する目的で、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Z
n等の金属成分が添加されたものであってもよい。ま
た、バリウムフェライト等の六方晶系フェライトや窒化
鉄等も使用可能である。
【0040】また、この磁性層のバインダとして、従来
から公知の結合剤樹脂のいずれもが併用可能である。こ
うした公知の樹脂の例としては、塩化ビニル系共重合体
(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニ
トリル共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共
重合体、−SO3 Na、−SONa等の極性基及びエポ
キシ基が導入された塩化ビニル系共重合体)、ニトロセ
ルロース樹脂等のセルロース樹脂誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン系
樹脂(例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、−SO
3 Na、−SO2 Na等の極性基が導入されたポリウレ
タン系樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂)を挙
げることができる。
【0041】また、磁性層には必要に応じて、ジブチル
フタレート、トリフェニルフォスフェートのような可塑
剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネート、t−ブ
チルフェノール、ポリエチレンエーテル、エチルナフタ
レンスルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、ステ
アリン酸金属塩、ステアリン酸エステル類のような炭化
水素系潤滑剤、シリコンオイルのようなシリコン系潤滑
剤、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカルボン
酸等のフッ素系潤滑剤、或いはカーボンブラック等の帯
電防止剤を添加することもできる。アルミナ或いは酸化
クロム等の研磨性のある無機顔料を含有させることもで
きる。
【0042】また、上述の金属薄膜型の磁気記録媒体に
おいて、磁性層である金属磁性薄膜等の他に、バックコ
ート層等が必要に応じて形成されていてもよい。
【0043】例えば、バックコート層は、磁性塗膜と同
様に、樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系
微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料を
添加し、塗布形成されるものである。
【0044】本発明においては、このバックコート層に
上記の潤滑剤を内添、或いはトップコートにより含有せ
しめてもよい。或いは、磁性塗膜、金属磁性薄膜とバッ
クコート層にいずれも、上記の潤滑剤を内添、トップコ
ートする等、種々の組み合わせも可能である。
【0045】本発明が適用される磁気記録媒体として
は、例えば図1に示すように、非磁性支持体1の表面に
蒸着等の手法により磁性層が磁性層2として形成され
る、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用すること
が可能である。この金属薄膜型の磁気記録媒体におい
て、磁性層2上に上記したカーボン膜4及び潤滑剤層3
を設けている。非磁性支持体1と磁性層2との間に下地
層(図示せず)を介した構成の磁気記録媒体に適用する
ことができる。
【0046】
【発明の作用効果】本発明による潤滑剤は、炭化水素基
を少なくとも3つ有する炭化水素酸無水物を潤滑剤とし
て保有することにより、この潤滑剤とカーボン膜との吸
着性が十分となり、長時間に亘って良好な潤滑作用を発
揮して、摩擦係数の低減及びシャトル及びスチル耐久性
を向上させることができる。
【0047】また、潤滑剤分子の疎水基部位に炭化水素
基を有するため、潤滑剤分子間の相互作用が強固にな
り、ドラムやヘッド等による摩擦で潤滑膜に生じる剪断
力が大きくなっても、潤滑膜が破壊されることがなく、
耐摩耗性を保持できる。
【0048】従って、本発明に基づいて、磁性層表面に
カーボン膜を形成すると共に、長鎖炭化水素基を少なく
とも3つ有する長鎖炭化水素酸無水物を潤滑剤として上
記カーボン膜上に塗布することにより、潤滑剤層を形成
した磁気記録媒体は、長鎖炭化水素基を少なくとも3つ
有するために潤滑効果に優れている長鎖炭化水素酸無水
物により、走行性の改善が図られ、耐久性も向上する。
【0049】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はいうまでもない。
【0050】下記の表1に示す本発明に基づく潤滑剤、
又は下記の表2に示す比較例による潤滑剤を使用して、
以下に示す磁気記録媒体を作成した。ここでは、金属薄
膜型磁気記録媒体(蒸着テープ)に適用した例について
説明する。
【0051】実施例1 10μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、斜
方蒸着法によりCo−Niを被着させ、膜厚100nm の強
磁性金属薄膜を形成した。次に、この金属磁性薄膜表面
に、スパッタリングにより膜厚15nmのカーボン膜を成膜
した後、このカーボン膜上に下記表1の潤滑剤1をトル
エンに溶解したものを塗布量が5mg/m2となるように塗
布し、乾燥させ、8ミリ幅に裁断してサンプルテープを
作製した。
【0052】実施例2〜実施例45 下記の表1に示す潤滑剤2〜45をそれぞれ用い、その他
は実施例1と同様の方法により、対応する各サンプルテ
ープを作製した。
【0053】比較例1〜5 下記の表2に示す潤滑剤a〜eをそれぞれ用い、その他
は実施例1と同様にして、対応する比較テープを作製し
た。
【0054】比較例6〜8 実施例1において、潤滑剤として、下記の表2に示すよ
うにそれぞれ、カーボン膜を成膜しなかったもの(比較
例6)、長鎖炭化水素酸無水物においてl、m、nのい
ずれかが本発明の範囲外のもの(比較例7、比較例8)
について、対応する比較テープを作製した。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】そして、上記のようにして作製された各テ
ープについて、温度25℃、湿度60%のとき、温度−5℃
のとき、温度40℃、湿度80%の条件下での摩擦係数、ス
チル及びシャトル耐久性について測定を行った。スチル
耐久性については、ポーズ状態での出力の3dB低下まで
の減衰時間を評価した。シャトル耐久性は、1回につき
2分間のシャトル走行を行い、出力が3dB低下するまで
のシャトル回数で評価した。その結果を下記の表3〜表
4に示す。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】以上に示した結果から、本発明に基づい
て、磁性層の表面にカーボン膜を形成すると共に、潤滑
剤として長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する長鎖炭
化水素酸無水物を潤滑剤として使用することにより、摩
擦係数、スチル耐久性、シャトル耐久性等が、各種条件
でも劣化することなく非常に良好な結果が得られた。即
ち、本発明の磁気記録媒体は、如何なる使用条件下でも
潤滑性を保つことができ、また長期に亘ってその潤滑性
を保つことができ、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れた
ものである。特に、潤滑剤成分において、l、n=6〜
22、m=3〜22、l+m+n=15〜50のときに結果が良
好である。
【0075】これに反し、比較例のものは、使用条件に
よって潤滑性が不十分となり、また長期に亘り、その潤
滑性を保つことができないため、走行性、耐摩耗性、耐
久性が劣化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体 2・・・金属磁性薄膜 3・・・潤滑剤層 4・・・カーボン膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体
    において、前記磁性層上にカーボン膜が形成され、か
    つ、炭化水素基を少なくとも3つ有する炭化水素酸無水
    物を潤滑剤として保有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 長鎖炭化水素基を少なくとも3つ有する
    長鎖炭化水素酸無水物が下記の一般式〔I〕で表され
    る、請求項1に記載した磁気記録媒体。 一般式〔I〕: R1 −CO−O−CO−R2 −CO−O−CO−R3 (但し、この一般式において、R1 、R2 及びR3 は互
    いに同一の若しくは異なる長鎖炭化水素基である。)
  3. 【請求項3】 一般式〔I〕において、疎水基であるR
    1 、R2 及びR3 が下記の構造からなる、請求項2に記
    載した磁気記録媒体。 R1 :CH3 (CH2 l2 :(CH2 m3 :CH3 (CH2 n (但し、lは0〜28の整数、mは2〜28の整数、nは0
    〜28の整数、l+m+nは2〜60の整数である。)
  4. 【請求項4】 炭化水素酸無水物からなる潤滑剤がカー
    ボン膜上に保有されている、請求項1に記載した磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 潤滑剤が 0.5〜100mg/m2の塗布量でカー
    ボン膜上に塗布されている、請求項4に記載した磁気記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 カーボン膜の膜厚が2〜100nm である、
    請求項1に記載した磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 磁性層が金属磁性薄膜からなる金属薄膜
    型に構成された、請求項1に記載した磁気記録媒体。
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