JPH091064A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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Publication number
JPH091064A
JPH091064A JP7150186A JP15018695A JPH091064A JP H091064 A JPH091064 A JP H091064A JP 7150186 A JP7150186 A JP 7150186A JP 15018695 A JP15018695 A JP 15018695A JP H091064 A JPH091064 A JP H091064A
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JP
Japan
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condensation composition
gas
condensation
laminate
composition
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Application number
JP7150186A
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English (en)
Inventor
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Masahiro Asuka
政宏 飛鳥
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材上に耐擦傷性に優れ、防汚性が付与され
た反射防止効果の高い多孔質の被膜が形成された積層体
を容易に製造し得る方法を提供する。 【構成】 テトラアルコキシシラン、特定のpHの塩基
性水及び有機溶媒を特定量混合して得られる縮合組成物
(A)と、テトラアルコキシシラン、特定のpHの酸性
水及び有機溶媒を特定量混合して得られる縮合組成物
(B)とを、特定の重量比で混合して得られる縮合組成
物(C)、並びに特定のアルキルアルコキシシランを、
特定量混合して縮合組成物(D)を得る第1工程、上記
縮合組成物(D)を基材上に塗布する第2工程、および
上記塗布物に光を照射する第3工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明1(請求項1記載の発明を
本発明1という。)及び本発明2(請求項2記載の発明
を本発明2という。)は、基材上に耐擦傷性に優れ、防
汚性が付与された反射防止効果の高い多孔質の被膜が形
成された積層体の製造方法に関する。本発明3(請求項
3記載の発明を本発明3という。)及び本発明4(請求
項4記載の発明を本発明4という。)は、基材上に耐擦
傷性に優れ、撥水性が付与された反射防止効果の高い多
孔質の被膜が形成された積層体の製造方法に関する。本
発明5(請求項5記載の発明を本発明5という。)は、
保存安定性のよい縮合組成物を被膜形成材料として用い
た本発明1〜4記載の積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、カラーテレビのブラウン管
や、自動車のフロントガラス、太陽電池などに広く用い
られているが、ガラス表面で外部光線が反射すると、映
り込みのために画像や内部物体が見え難くなったり、太
陽電池のエネルギー変換効率が低くなったりする。この
問題を解決するためにガラスに低屈折率の反射防止用多
孔質薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低
減させる方法がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、水または有機溶媒で分散したコロイダルシ
リカにアルコキシシランを混合し、アルコールに溶解し
た混合液を加水分解し部分重縮合させたゾル溶液からな
る組成物を、ガラスに塗布、熱処理し、硬化時のシリカ
ゾルとコロイダルシリカの熱収縮の差異を利用して多孔
化された薄膜を形成させる方法(特開昭62−1704
4号公報)があるが、この方法には、コロイダルシリカ
をアルコキシシランに均一に分散させる工程が必要なこ
と、および分散をよくするために、高性能な装置を必要
とすることなどの問題点がある。
【0003】また、近年、透明プラスチック材料が、軽
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓、ショ
ーウインドウ等に広く利用されているが、耐擦傷性に乏
しくハードコーティング処理を必要としている。さら
に、ガラス同様外部光線の反射のため光学的障害が問題
となっている。従って、ガラス同様反射防止薄膜を積層
させて積層体とし、外部光線の反射を低減させる必要が
ある。この積層体を作製する方法としては、例えば、フ
ッ素樹脂系の材料を透明プラスチック材料に塗布、熱処
理して薄膜を形成させる方法(特開平2−123771
号公報)があるが、このフッ素樹脂系の材料は強度面で
問題があり、メガネレンズ等の耐擦傷性が要求される用
途には用いにくいという問題点がある。
【0004】ところで、ガラスや透明プラスチックス材
料が外部光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質
に入射される際、その屈折率の差により界面で反射する
からである。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率
と基材であるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率
が異なるため、その界面で光の反射および損失が起こ
る。
【0005】上記の光の反射および損失を軽減させるた
めに、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを用いて屈折率の異なる薄膜を多層積層さ
せる方法があった。この方法は膜厚制御や、広い波長範
囲で反射防止効果が得られる等の利点があるが、ある限
られた空間で薄膜を製造するため大面積の基材には適さ
ず、コストの点で工業的に不向きであり、また、複雑な
形状の基材には適用できないという問題点があった。
【0006】また、特開昭61−247743号公報に
は、特定のフッ素含有シリコーン化合物2種類とシリコ
ーン化合物との3成分からなる組成物を、溶媒中で加水
分解、重縮合させてゾル液としたものを、プラスチック
基材上に塗布し、一定温度で乾燥、硬化させて、反射防
止性、防汚性、耐擦傷性を有する積層体を製造する方法
が開示されている。
【0007】しかし、上記の積層体は、十分な耐擦傷性
を得ようとすると、配合組成の影響により反射防止性が
低下したり、また、製造時に加熱による乾燥、硬化工程
が必要なので、プラスチック基材によっては、反り等の
変形や溶融等が起こるという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明1および本発明
2は、これらの問題点を解決するものであり、その目的
は、基材上に耐擦傷性に優れ、防汚性が付与された反射
防止効果の高い多孔質の被膜が形成された積層体を容易
に製造し得る方法を提供することにある。本発明3およ
び本発明4は、これらの問題点を解決するものであり、
その目的は、基材上に耐擦傷性に優れ、撥水性が付与さ
れた反射防止効果の高い多孔質の被膜が形成された積層
体を容易に製造し得る方法を提供することにある。本発
明5は、これらの問題点を解決するものであり、その目
的は、保存安定性のよい縮合組成物を被膜形成材料とし
て用いた本発明1〜4記載の積層体の製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明1の積層体の製造
方法で用いられる縮合組成物(A)は、一般式Si(O
R)4 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基)で表さ
れるテトラアルコキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を
混合し、テトラアルコキシシランを部分加水分解、重縮
合させて得られる。
【0010】上記の一般式Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くな
ると、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の長期安
定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基に限定
され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペ
ンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0011】Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、
テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペントキシ
シラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テトラネ
オペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮合
における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランが
特に好ましい。
【0012】上記塩基性水とは、塩基種によりpHが1
0.0〜12.0に調整された水をいう。塩基種は、水
のpHを10.0〜12.0に調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、アンモニア、水酸化アン
モニウム、水酸化カリウム等が挙げられ、pHの調整の
容易さ、及び不純物が混入し難いことなどからアンモニ
アが好ましい。
【0013】塩基性水のpHは、低くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となり、又、高くなると、得られる縮合組成物
(A)の安定性が低下するので、10.0〜12.0に
限定され、10.3〜11.5が好ましく、10.8〜
11.4が特に好ましい。
【0014】塩基性水は、少なくなると、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下して、積層体の反射防止性
が低下し、多くなると、縮合組成物(A)の安定性が低
下するので、Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜4
モル添加するのが好ましい。
【0015】有機溶媒は、Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランおよび塩基性水と相溶性のあるも
のであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等
が挙げられるが、得られる被膜の多孔性の向上の点か
ら、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0016】有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合
組成物(A)の安定性が低下し、多くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、積層体の反射防止
性が低下するので、Si(OR)4 で表されるテトラア
ルコキシシラン1モルに対して10〜30モルに限定さ
れ、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の安定性の
点から、テトラアルコキシシラン1モルに対して13〜
18モルが特に好ましい。
【0017】縮合組成物(A)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるテトラアル
コキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0018】縮合組成物(A)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0019】縮合組成物(A)を混合する際の時間は、
短くなると、加水分解、重縮合反応が不十分となり、長
くなると、縮合組成物(A)の安定性が低下するので、
1〜10時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。
従って、縮合組成物(A)の混合は、10〜30℃で、
1〜10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜
4時間行うのが特に好ましい。
【0020】本発明1の積層体の製造方法で用いられる
縮合組成物(B)は、一般式Si(OR1 4 (式中、
1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表されるテトラア
ルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を混合し、テトラ
アルコキシシランを部分加水分解、重縮合させて得られ
る。
【0021】上記の一般式Si(OR1 4 で表される
テトラアルコキシシランにおいて、R1 は、炭素数が多
くなると、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の長
期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基に
限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−
ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0022】Si(OR1 4 で表されるテトラアルコ
キシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−
ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テ
トラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペント
キシシラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テト
ラネオペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重
縮合における反応性の点から、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。
【0023】上記酸性水とは、酸性種によりpHが0〜
2.6に調整された水をいう。酸性種は、水のpHを、
0〜2.6に調整できるものであれば、特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、塩酸、硝
酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
【0024】酸性水のpHは、低くなると、縮合組成物
(B)の安定性が低下することがあり、高くなると、ア
ルコキシシランの加水分解が不十分となるので、0〜
2.6に限定され、1.0〜1.7が好ましく、1.2
〜1.7が、特に好ましい。
【0025】酸性水の添加量は、少なくなると、テトラ
アルコキシシランの加水分解が不十分となり、更に、得
られる縮合組成物(D)の基材への塗布が困難となり、
多くなると、縮合組成物(B)の安定性が低下するの
で、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシラ
ン1モルに対して3〜8モルに限定され、4〜7モルが
好ましい。
【0026】上記有機溶媒は、Si(OR1 4 で表さ
れるテトラアルコキシシラン及び酸性水に相溶するもの
であれば、特に限定されず、例えば、縮合組成物(A)
の製造に用いられるものと同様のものが用いられ、有機
溶媒の添加量は、少なくなると、縮合組成物(B)の安
定性が低下し、又、多くなると、得られるコロイダルシ
リカの分子量が低下し、積層体の反射防止性が低下する
ので、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシ
ラン1モルに対して10〜30モルに限定され、縮合組
成物(C)及び縮合組成物(D)の安定性の点から、テ
トラアルコキシシラン1モルに対して13〜18モルが
特に好ましい。
【0027】縮合組成物(B)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR1 4で表されるテトラア
ルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0028】縮合組成物(B)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、縮合組成物(B)の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0029】縮合組成物(B)を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
縮合組成物(B)の安定性が低下するので、1〜10時
間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮
合組成物(B)の混合は、10〜30℃で、1〜10時
間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行う
のが特に好ましい。
【0030】本発明1で用いられる縮合組成物(C)
は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重
量比((A)/(B))=0.4〜2.4で混合して得
られる。
【0031】縮合組成物(A)が、少なくなると、得ら
れる被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止
性が低下し、多くなると、得られる被膜と基材との密着
性が低下するので、縮合組成物(A)と縮合組成物
(B)の重量比((A)/(B))は、0.4〜2.4
に限定され、縮合組成物(C)の安定性及び被膜と基材
の密着性の向上のため、1.5〜2.3が好ましい。
【0032】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、低くなると、コロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射
防止性が低下し、高くなると、得られる縮合組成物
(C)の安定性が低下するので、−10〜30℃で行う
のが好ましく、−8〜25℃が特に好ましい。
【0033】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する時間は、短かくなると、コロイダルシリカとシリ
カゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射防
止性が低下し、又、長くなると、縮合組成物(C)の安
定性が低下するので、0.5〜4時間が好ましく、特に
1〜2時間が好ましい。従って、縮合組成物(A)と縮
合組成物(B)の混合は、−10〜30℃で、0.5〜
4時間行うのが好ましく、−8〜25℃で、1〜2時間
行うのが特に好ましい。
【0034】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、均質なものを得るため
に、好ましくは、攪拌機に供給し攪拌混合する方法が挙
げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけではな
く、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機で十
分である。
【0035】本発明1の積層体の製造方法の第1工程
は、次いで、上記のようにして得られた縮合組成物
(C)と一般式(R2 n Si(OR3 4-n で表され
るアルキルアルコキシシランを、混合して縮合組成物
(D)を得る。
【0036】上記一般式(R2 n Si(OR3 4-n
で表されるアルキルアルコキシシランにおいて、R2
よびR3 は、炭素数が多くなると、縮合組成物(D)の
長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基
に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。ま
た、nは1〜3の整数である。
【0037】(R2 n Si(OR3 4-n で表される
アルキルアルコキシシランとしては、特に限定されず、
例えば、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルト
リエトキシシラン、モノメチルトリ−n−プロポキシシ
ラン、モノメチルトリ−iso−プロポキシシラン、モ
ノメチルトリ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−
sec−ブトキシシラン、モノメチルトリ−tert−
ブトキシシラン、モノメチルトリ−n−ペントキシシラ
ン、モノメチルトリ−iso−ペントキシシラン、モノ
メチルトリネオペントキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチ
ルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブ
トキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、
ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジ−
n−ペントキシシラン、ジメチルジ−iso−ペントキ
シシラン、ジメチルジネオペントキシシラン、ジエチル
ジエトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ト
リメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プ
ロポキシシラン、トリメチルモノ−iso−プロポキシ
シラン、トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメ
チルモノ−sec−ブトキシシラン、トリメチルモノ−
tert−ブトキシシラン、トリメチルモノ−n−ペン
トキシシラン、トリメチルモノ−iso−ペントキシシ
ラン、トリメチルモノネオペントキシシラン、トリエチ
ルエトキシシランなどが挙げられ、反応性の点からモノ
メチルトリエトキシシランが好ましい。
【0038】縮合組成物(C)と混合する(R2 n
i(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
の量は、少なくなると、得られる積層体の撥水性が低く
なり(接触角が80度程度)、多くなると、反射防止性
および耐擦傷性が低下するので、縮合組成物(C)の製
造に用いられたテトラアルコキシシランの合計1モルに
対して、0.1〜2モルに限定され、被膜の均一性の点
から0.1〜0.5モルが好ましい。
【0039】縮合組成物(D)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、縮合組成物(C)と(R2 n Si
(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
を、攪拌機に供給し混合し製造する方法が挙げられる。
攪拌機としては、特に限定されるわけではなく、マグネ
チックスターラーのような簡便な攪拌機で十分である。
【0040】縮合組成物(D)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、縮合組成物(D)の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0041】縮合組成物(D)を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
縮合組成物(D)の安定性が低下するので、1〜4時間
が好ましく、2〜3時間が特に好ましい。従って、縮合
組成物(D)の混合は、10〜30℃で、1〜4時間行
うのが好ましく、20〜25℃で、2〜3時間行うのが
特に好ましい。
【0042】本発明1の積層体の製造方法の第2工程
は、上記縮合組成物(D)を基材上に塗布する工程であ
る。
【0043】上記の基材としては、縮合組成物(D)の
塗装が可能な基材であれば特に限定されず、例えば、ケ
イ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラ
ス、カリ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラス、
ホウケイ酸ガラス等の無機基材、ポリカーボネート、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレ
タン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、三酢酸セルロース等の有機基材が挙げられる。
【0044】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。
【0045】また、基材の形状は、特に限定されるもの
ではない。
【0046】縮合組成物(D)の塗布方法は、特に限定
されず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコー
ト、スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗
布方法等が挙げられる。なお、塗布は、大気中の湿度が
高いと、得られる被膜が白濁するので、大気中の相対湿
度50%以下で行うのが好ましく、特に30%以下で行
うのが好ましい。
【0047】縮合組成物(D)を基材上に塗布する際、
膜厚は、特に限定されないが、反射防止効果を得たい波
長と、下式の関係となる被膜が得られるように縮合組成
物(D)を塗布することは、反射防止効果の向上を図る
ことができ、好適である。 nd=λ(1/4+m/2) ただし、d:被膜の膜厚。λ:反射防止効果を得たい波
長。n:被膜の屈折率。m:0又は自然数。
【0048】また、縮合組成物(D)を塗布する際に、
基材が有機基材の場合、基材にコロナ放電処理等の前処
理を施すと、縮合組成物(D)の基材への濡れ性が向上
し、美観の優れた積層体が得られ易くなる。
【0049】本発明1では、縮合組成物(D)を基材上
に塗布する第1工程に次いで、上記塗布物を乾燥硬化さ
せてもよい。上記硬化方法としては、特に限定されず、
室温にて自然乾燥してもよいし、加熱乾燥してもよい。
例えば、縮合組成物(D)を上記の方法でケイ酸ガラス
の表面に被覆し、室温で自然乾燥を行った後、60〜3
00℃の温度で硬化させると、縮合組成物(D)中のシ
リコンマトリックスとコロイダルシリカの収縮率の差に
より多孔質の反射防止被膜が形成された積層体が得られ
る。また、例えば、プラスチック製品の表面に被覆し、
室温で自然乾燥を行った後、60〜150℃の温度で硬
化させると、反射防止被膜が形成されたプラスチック積
層体が得られる。
【0050】しかし、上記の乾燥硬化では、多孔質の被
膜中に未反応のアルコキシ基、シラノール基や有機溶媒
が残存し、相対的に硬化温度が低いほど残存量が多くな
る傾向にあり、プラスチック等の高温で硬化できない基
材では、反射防止効果の耐久性が十分でない場合があ
る。そこで、本発明1では、以下のように、第3工程と
して、光照射を経ることにより微細孔内の残存アルコキ
シ基、シラノール基および有機溶媒などを除去し、硬化
をさらに進める。
【0051】本発明1の第3工程は、第2工程に続い
て、上記塗布物に光を照射する工程である。上記照射す
る光のエネルギーは未反応基が吸収するエネルギーであ
れば、特には限定されないが、シラノール基の重縮合に
効果のあると考えられる5eV以上の光が好ましい。
【0052】本発明2は、請求項1記載の第1工程およ
び第2工程に続いて、上記塗布物を相対湿度70%以上
の環境下に置く第3工程、および上記塗布物に光を照射
する第4工程からなることを特徴とする積層体の製造方
法である。
【0053】換言すれば、本発明2は、本発明1の第2
工程と第3工程の間に、縮合組成物(D)が基材上に塗
布された塗布物を相対湿度70%以上の環境下に置く工
程が付加されている他は、本発明1と同様である。
【0054】本発明1においては、多孔質被膜の反射防
止効果の向上を目的として光照射工程が使用されるが、
さらに過酷な環境においても反射防止効果の経時変化の
ない被膜を得るためには、光照射工程の前に、塗布物を
相対湿度70%以上の環境下に置く工程が必要である。
塗布物を相対湿度70%以上の環境下に置く工程は、残
存アルコキシ基を加水分解させ、さらにシラノール基を
重縮合させ被膜の反射防止効果の耐久性を向上させる
が、この工程のみでは、経時変化のない被膜を得るため
には長期間を必要とする。そこで、上記の相対湿度70
%以上の環境下に置く工程の後に、光照射することによ
り、上記の相対湿度70%以上の環境下に置く工程を短
期間にしても、反射防止効果の経時変化のない被膜を得
ることができる。
【0055】上記の相対湿度70%以上の環境下として
は、好ましくは、相対湿度80%以上、更に好ましく
は、相対湿度95%以上の環境下がよい。この相対湿度
が70%未満では、残存未反応基の除去効果が得られな
い。
【0056】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の温度は、特には限定されないが、温度が低くなる
と、処理に時間がかかり、温度が高くなると有機質基材
では基材の変形が起こり易くなるので、40〜100℃
が好ましく、50〜90℃が特に好ましい。
【0057】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の時間は、相対湿度にもよるが、時間が短くなると、
残存未反応基の除去効果が得られなくなり、時間が長す
ぎても時間に応じた効果が得られなくなるので、通常3
0〜500時間が好ましく、40〜250時間がより好
ましい。
【0058】本発明3は、請求項2記載の第1工程、第
2工程、第3工程および第4工程に続いて、上記塗布物
に、1×10-4〜100Torrの圧力下でフッ素原子
含有ガスが励起されたグロー放電プラズマを接触させ
て、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアルキル基を
フッ素化する第5工程からなることを特徴とする積層体
の製造方法である。
【0059】本発明3の第1〜4工程は、上記本発明2
と同様である。
【0060】本発明3の第5工程は、上記第4工程で得
られた塗布物に、フッ素原子含有ガスが励起されたグロ
ー放電プラズマを接触させることにより、プラズマの高
エネルギーによって、プラズマ中のフッ素原子含有ガス
の励起種によって表面のアルキルアルコキシシランのア
ルキル基をフッ素化させる。
【0061】上記フッ素原子含有ガスとしては、例え
ば、4フッ化炭素(CF4 )、4フッ化2炭素(C2
4 )、6フッ化炭素(C2 6 )等のフッ化炭素ガス;
2フッ化炭素水素(C2 4 2 )、3フッ化炭素水素
(CHF3)等のフッ化炭化水素ガス;1塩素化3フッ化
炭素(CClF3)等の塩素化フッ化炭素ガス;6フッ化
硫黄ガス(SF6 )などが挙げられ、安全かつプラズマ
中でHF等の有害ガスを発生しないCF4 、C2 6
特に好ましい。これらのフッ素原子含有ガスは、単独で
用いてもよいが、不活性ガスと混合して使用してもよ
い。
【0062】上記不活性ガスとしては、He、Ne、A
r、Xe等の希ガスやN2 ガスの1種または2種以上が
挙げられる。上記不活性ガスのフッ素原子含有ガスに対
する混合割合は、使用するガスの種類によって変わる
が、一般的に50体積%以下が好ましい。不活性ガスが
過剰に使用されると、不活性ガスの励起種が処理面に多
量に衝突し被膜が除去されてしまう恐れがある。
【0063】上記フッ素原子含有ガスをプラズマによっ
て励起させる方法としては、例えば、直流電流を印加
してプラズマ分解する方法、高周波を印加してプラズ
マ分解する方法、マイクロ波放電によってプラズマ分
解する方法、電子サイクロトロン共鳴によってプラズ
マ分解する方法、熱フィラメントによる加熱によって
熱分解する方法等が挙げられる。
【0064】プラズマ処理時の処理圧力は、低くなる
と、高価な真空チャンバーや真空排気装置が必要とな
り、更には、大面積の基材を処理する場合、処理容器を
大きくしたり、真空排気装置を大出力のものにする必要
があり、又、高くなると、本発明4で開示するような特
別の方法を使用しない限り、熱プラズマとなり、ついに
はアーク放電に移行してしまうので、耐熱性の低い基材
には不適当であるので、1×10-4〜100Torrに
限定される。この圧力は、励起手段によって変わるが、
装置が簡便で、比較的処理圧力が高い状態でもグロー放
電プラズマの発生可能な直流電流印加又は高周波印加可
能な1×10-2〜100Torrが好ましい。
【0065】グロー放電プラズマ処理に要する投入電力
は、電極面積や形状等によって変わるが、低すぎると、
プラズマ密度やセルフバイアスが小さくなって処理時間
がかかり、高すぎると、基材のダメージが大きくなるの
で、一般的には、30〜200Wが好ましい。
【0066】上記フッ素化する際のフッ素原子含有ガス
の流量としては、後述するプラズマ処理装置の処理容器
のガス圧が1×10-4〜100Torrの圧力になるよ
うな流量であれば特に限定されない。
【0067】次に、図に基づいて、プラズマ処理方法に
ついて説明する。図1は、第4工程を経た塗布物をフッ
素化するのに用いられるプラズマ処理装置の一例を示す
一部を断面で示す模式図である。本装置は、電源1、処
理容器2、対向する金属電極4、5の間のプラズマ処理
部3から構成されている。電源1は10〜30kHzの
周波数が印加可能とされている。プラズマは、電極に高
電圧を印加することにより発生するが、印加電圧は、5
〜40kV/cm程度になるよう電圧印加するのが好ま
しい。
【0068】処理容器2は、油回転真空ポンプからなる
排気装置(図示せず)によって排気口10から排気可能
とされている。処理容器2は、ガラス製であるが、電極
との絶縁がとれていれば金属製でも構わない。グロー放
電プラズマによるプラズマ処理部3は平行平板型の対向
する金属電極4、5の間の空間である。電極配置構造と
しては、平行平板型以外にも、同軸円筒型、円筒対向平
板型、球対向平板型、双曲面対平板型でも複数の細線か
らなる場合でも構わない。電極配置構造が、平行平板
型、同軸円筒型、局面対向平行型の場合、直流電流や高
周波は容量結合形式で印加される。又、高周波印加の場
合、外部電極を用いて誘導形式で印加可能である。
【0069】図1においては、上方の金属電極4は、ガ
スを均一に供給し均一な処理面を得るために、その内部
がガスの通路とされた、多孔性の電極とされている。し
かし、他の方法でガスを均一に供給できれば、無孔の電
極でも構わない。
【0070】対向する金属電極4、5間の距離は、処理
圧力、処理する基材の厚み等により適宜決定されるが、
長すぎるとプラズマ密度が低下し高電力が必要となるた
め、基材が電極間に装着可能な範囲でなるべく短くする
のがよい。
【0071】縮合組成物(D)が塗布された基材6は、
電極上または両電極の間の空間に取り付けられる。図1
においては、下方の金属電極5上に取り付けられてい
る。
【0072】フッ素原子含有ガスおよび不活性ガス(不
活性ガスは、前述のように使用しなくてもよい)は、そ
れぞれマスフローコントローラー(図示せず)で流量制
御されプラズマ処理部3に導入される。フッ素原子含有
ガスは、ガス導入管7を通り多孔性の金属電極4から供
給され、不活性ガスはガス導入管8から供給される。ガ
ス導入管8の処理容器2内の先端部は、図1に示したよ
うに、多数の穴の開いたリング状とし、その穴からガス
が処理容器2内に供給される方が、不活性ガスとフッ素
原子含有ガスが均一に混合され易いので好ましい。な
お、未使用のガスはガス出口9から排出される。
【0073】処理時間は、被膜の厚みや投入電力によっ
て適宜決定されるが、被膜の厚みが厚ければ、長くする
必要があり、投入電力が高ければ、短くて済む傾向があ
るが、一般的には、5秒〜10分が好ましい。処理時間
が短すぎると、被膜の耐擦傷性及びフッ素化が不十分と
なり、また、あまり長時間かけて処理しても、被膜の耐
擦傷性及びフッ素化が著しく向上することはない。
【0074】アルキルアルコキシシランのアルキル基の
フッ素化処理には、基材を加熱したり、冷却したりする
必要は、特にはなく、室温下で十分である。
【0075】本装置によって実際にフッ素化するには、
第4工程を経た縮合組成物(D)が塗布された基材6を
下方の金属電極5上に取り付けた後、処理容器2内を1
×10-3Torr以下に真空排気する。次いで、フッ素
原子含有ガスをマスフローコントローラーで流量を調節
しながら、ガス導入管7を通し多孔性の金属電極4から
プラズマ処理部3へ導入し、同時に必要に応じて、不活
性ガスをマスフローコントローラーで流量を調節しなが
ら、ガス導入管8からプラズマ処理部3へ導入して、ガ
ス圧が1×10-4〜100Torrとなるように調節す
る。次いで、処理容器2内のガス圧が安定した時点で、
金属電極4に高電圧を印加し発生したフッ素原子含有ガ
スのグロー放電プラズマを縮合組成物(D)が塗布され
た基材6に接触させることにより、アルキルアルコキシ
シランのアルキル基をフッ素化し、基材上に、反射防止
性、撥水性、耐擦傷性に優れた被膜を有する積層体を得
る。
【0076】本発明4は、請求項2記載の第1工程、第
2工程、第3工程および第4工程に続いて、上記塗布物
を少なくとも一方の対向面に固体誘電体が配設された対
向する金属電極間に配置し、10体積%以下のフッ素原
子含有ガスと残部が不活性ガスからなる混合ガスの大気
圧近傍の圧力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生し
たガスの放電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面に
接触させて、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアル
キル基をフッ素化する第5工程からなることを特徴とす
る積層体の製造方法である。
【0077】本発明4の第1〜4工程は、上記本発明2
と同様である。
【0078】本発明4の第5工程は、上記第4工程で得
られた塗布物に、フッ素原子含有ガスが励起されたプラ
ズマを接触させることにより、プラズマの高エネルギー
によって塗膜の乾燥、硬化を促進させるとともに、プラ
ズマ中のフッ素原子含有ガスの励起種によって表面のア
ルキルアルコキシシランのアルキル基をフッ素化させ
る。
【0079】上記フッ素原子含有ガスとしては、例え
ば、4フッ化炭素(CF4 )、4フッ化2炭素(C2
4 )、6フッ化炭素(C2 6 )等のフッ化炭素ガス;
2フッ化炭素水素(C2 4 2 )、3フッ化炭素水素
(CHF3)等のフッ化炭化水素ガス;1塩素化3フッ化
炭素(CClF3)等の塩素化フッ化炭素ガス;6フッ化
硫黄ガス(SF6 )などが挙げられ、安全かつプラズマ
中でHF等の有害ガスを発生しないCF4 、C2 6
特に好ましい。
【0080】上記不活性ガスとしては、He、Ne、A
r、Xe等の希ガスやN2 ガスの1種または2種以上が
挙げられるが、準安定状態で寿命が長いため、フッ素原
子含有ガスを励起するのに有利なHeガスが好ましい。
不活性ガスとしてHe以外のガスを使用する場合は、ア
セトンやメタノール等の蒸気ガス、メタン、エタン等の
炭化水素ガスを2体積%以下の割合で混合するのが好ま
しい。
【0081】上記フッ素原子含有ガスと不活性ガスとの
割合は、フッ素原子含有ガスの割合が10体積%を超え
ると、高電圧を印加しても放電プラズマが発生しなくな
るので、10体積%以下に限定され、0.3〜5体積%
が好ましい。
【0082】本発明4で用いられるプラズマ処理時の圧
力は、大気圧近傍とされる。大気圧近傍とは、具体的に
は、100〜800Torrのことであり、圧力調整が
容易であり装置が簡便になる700〜780Torrが
特に好ましい。
【0083】次に、図に基づいて、本発明4で用いられ
るプラズマ処理方法について説明する。図2は、第4工
程で得られた塗布物をフッ素化するのに用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。なお、本装置において、図1に示した本発明3で用
いられたプラズマ処理装置と同一の装置には、同一の符
号を使用した。本装置は、電源1、処理容器2、少なく
とも一方の対向面に固体誘電体が配設されている対向す
る金属電極4、5の間のプラズマ処理部3から構成され
ている。図2においては、対向する金属電極は上方の電
極4と下方の電極5とされ、固体誘電体としては、下方
の電極5の上に固体誘電体11が配設されている。
【0084】電源1はkHz台の周波数電源を印加可能
とされているが、耐熱性の低い基材に撥水性を付与する
には10〜30kHzの低周波数を使用するのが好まし
い。プラズマ形成は、電極に電圧を印加することにより
発生するが、印加電圧は、小さくなるとプラズマ密度お
よびセルフバイアスが小さくなり、処理に時間が掛かり
非能率的であり、大きくなると誘電体が高温になりアー
ク放電に移行する挙動を示すので、電界強度5〜40k
V/cm程度になるよう電圧印加するのが好ましい。
【0085】処理容器2は、油回転真空ポンプからなる
排気装置(図示せず)によって排気口10から排気可能
とされているのが好ましい。処理容器2は、ガラス製で
あるが、電極との絶縁がとれていればステンレスやアル
ミニウム等の金属製でも構わない。放電プラズマによる
プラズマ処理部3は、平行平板型の対向する金属電極4
と金属電極5に配設された固体誘電体11の間の空間で
ある。電極配置構造としては、平行平板型以外にも、同
軸円筒型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対平
板型でも複数の細線からなる場合でも構わない。
【0086】電極の材質は、金属であれば、特に限定さ
れず、例えば、ステンレス、真鍮等の多成分系の金属で
も、銅、アルミニウム等の純金属でも良い。
【0087】上方の電極4と下方の電極5の少なくとも
一方の対向面に配設される固体誘電体11は、対向する
電極の対向面の全面に配設される必要がある。一部で
も、対向面が露出しているとプラズマ処理時にアーク放
電が生じる。
【0088】固体誘電体11としては、例えば、ポリフ
ルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のプラスチック;シリカ、パイレック
スガラス、アルミナ、酸化チタン等のガラスやセラミッ
クスなどが用いられるが、フッ素原子含有ガスとの反応
性を考慮して選択する必要がある。また、固体誘電体1
1の形状は、シート状でも、フィルム状でも構わない。
しかし、厚みが薄くなると、高電圧印加時に絶縁破壊が
起こってアーク放電が生じやすくなり、厚くなると、放
電しにくくなるので、0.05〜4mmの厚みが好まし
い。
【0089】対向する金属電極4、5間の距離は、フッ
素原子含有ガスのガス流量、印加電圧の大きさおよび処
理する基材の厚み等により適宜決定されるが、短くなる
と、未使用の反応ガスが多くなり非能率であり、長くな
ると電極空間のガスの均一性が損なわれ易いので、1〜
20mmが好ましい。
【0090】縮合組成物(D)が塗布された基材6は、
固体誘電体上、電極上または固体誘電体と対向電極の間
の空間に取り付けられる。固体誘電体と対向電極の間の
空間に取り付ければ、基材6の表裏の両面が処理され
る。図2においては、縮合組成物(D)が塗布された基
材6は固体誘電体11の上に取り付けられている。
【0091】本装置において、フッ素原子含有ガスおよ
び不活性ガスは、それぞれマスフローコントローラー
(図示せず)で流量制御されプラズマ処理部3に導入さ
れる。フッ素原子含有ガスは、ガス導入管7を通り多孔
性の金属電極4から供給され、不活性ガスはガス導入管
8から供給される。なお、図2においては、上方の電極
4は、ガスを均一に供給するために、その内部がガスの
通路とされた、多孔性の電極とされている。このように
上方の電極4がガス導入口と電極を兼ね、且つ多孔構造
からなると、フッ素原子含有ガスをプラズマ処理部3に
均一に供給して、均一な処理を行うために好ましいが、
例えば、ガスを攪拌状態で供給したり、ガスを高速で吹
きつけることにより、フッ素原子含有ガスをプラズマ処
理部3に均一に供給可能であれば、多孔構造とせずとも
よい。
【0092】また、ガス導入管8の処理容器2内の先端
部は、図2に示したように、多数の穴の開いたリング状
とし、その穴からガスが処理容器2内に供給される方
が、不活性ガスとフッ素原子含有ガスが均一に混合され
易いので好ましい。また、不活性ガスはフッ素原子含有
ガスと混合して上方の電極4から導入しても構わない
が、均一性よく撥水性を付与するためには、フッ素原子
含有ガスを上方の電極4から導入し、不活性ガスはガス
導入管8から導入するのが好ましい。
【0093】このようにして、フッ素原子含有ガスおよ
び不活性ガスは流量コントロールされて導入され、10
体積%以下のフッ素原子含有ガス濃度の混合ガスとされ
てプラズマ処理部3に供給される。なお、未使用のガス
はガス出口9から排出される。
【0094】そして、上記の混合ガスの大気圧近傍の圧
力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生したガスの放
電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面に接触させ
て、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアルキル基を
フッ素化する。
【0095】アルキルアルコキシシランのアルキル基の
フッ素化処理には、基材を加熱したり、冷却したりする
必要は、特にはなく、室温下で十分である。
【0096】処理時間は、被膜の厚みや投入電力によっ
て適宜決定されるが、被膜の厚みが厚ければ、長くする
必要があり、投入電力が高ければ、短くて済む傾向があ
るが、一般的には、5秒〜10分が好ましい。処理時間
が短すぎると、被膜の耐擦傷性及びフッ素化が不十分と
なり、また、あまり長時間かけて処理しても、被膜の耐
擦傷性及びフッ素化が著しく向上することはない。
【0097】本装置によって実際にフッ素化するには、
第4工程を経た縮合組成物(D)が塗布された基材6を
固体誘電体11上に取り付けた後、処理容器2内に残存
する空気を排気口10から排気する(ただし、この排気
処理は必ずしも、必要ではない)。次いで、フッ素原子
含有ガスをマスフローコントローラーで流量を調節しな
がら、ガス導入管7を通し多孔性の金属電極4から、同
時に、不活性ガスをマスフローコントローラーで流量を
調節しながらガス導入管8から、それぞれプラズマ処理
部3へ導入して、プラズマ処理部3のフッ素原子含有ガ
スの濃度が10体積%以下の混合ガスからなるように
し、この混合ガスの圧力を大気圧近傍の圧力とする。次
いで、処理容器2内のガス圧が安定した時点で、金属電
極4と金属電極5の間に高電圧を印加し発生したフッ素
原子含有ガスの放電プラズマを、縮合組成物(D)が塗
布された基材6に接触させることにより、アルキルアル
コキシシランのアルキル基をフッ素化し、基材上に、反
射防止性、撥水性、耐擦傷性に優れた被膜を有する積層
体を得る。
【0098】本発明5は、縮合組成物(D)の固形分濃
度が1.0〜4.0重量%である請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の積層体の製造方法である。
【0099】本発明5で使用される縮合組成物(D)
は、その固形分濃度が低くなると、塗布効率が低くなり
生産性が悪くなり、その固形分濃度が高くなると、シラ
ノール基同士が溶媒中で接近し、重縮合反応が早くな
り、この傾向は環境温度が高くなると顕著となり、例え
ば、温度管理のできない環境下で塗布剤として使用する
と経時的に縮合組成物(D)が変化し、長期保存ができ
ないという問題が起こる可能性があるので、その固形分
濃度は1.0〜4.0重量%に限定され、1.5〜2.
5重量%が好ましい。なお、本発明5でいう固形分濃度
とは、縮合組成物(D)中のSi原子が全てSiO2
なると考えた場合の縮合組成物(D)中の該SiO2
重量百分率である。
【0100】本発明5で用いられる縮合組成物(D)
は、縮合組成物(C)と一般式(R2n Si(O
3 4-n で表されるアルキルアルコキシシランとを、
上記の割合で混合しただけで、その固形分濃度が1.0
〜4.0重量%になる場合は、そのまま第2工程に使用
されるが、その固形分濃度が4.0重量%を超える場合
には、固形分濃度が1.0〜4.0重量%になるように
有機溶媒を添加して希釈した後、第2工程に使用され
る。
【0101】上記の希釈方法は、特に限定されないが、
例えば、縮合組成物(D)と有機溶媒を攪拌機に供給し
混合する方法が挙げられる。攪拌機としては、特に限定
されるわけではなく、マグネチックスターラーのような
簡便な攪拌機で十分である。
【0102】上記有機溶媒としては、上記縮合組成物
(D)と相溶するものであれば特に限定されず、例え
ば、縮合組成物(A)の製造に用いられるものと同様の
ものが用いられるが、特にイソプロピルアルコールが好
ましい。
【0103】
【作用】本発明1の方法によると、縮合組成物(A)の
製造条件下では、テトラアルコキシシランの重縮合が3
次元架橋で進行し、コロイダルシリカが形成されてお
り、縮合組成物(B)の製造条件下では、テトラアルコ
キシシランの重縮合が2次元架橋で進行し、シリカゾル
の段階で抑えられており、この両者の混合物である縮合
組成物(C)は、コロイダルシリカとシリカゾルの混合
物となる。この縮合組成物(C)に、アルキルアルコキ
シシランを混合した縮合組成物(D)では、主にシリカ
ゾルとアルキルアルコキシシランが重縮合し、アルキル
基を有するシリカゾルとコロイダルシリカの混合物とな
る。
【0104】この縮合組成物(D)を基材上に塗布し、
さらに光を照射し硬化させることにより、シリカゾルと
コロイダルシリカの重縮合反応を進行させ、シリカゾル
とコロイダルシリカの収縮率の差異により被膜を多孔質
化させると共に、さらに残存シラノール基を少なくさせ
るので、得られた被膜の反射防止効果の耐久性が向上す
る。また、この被膜は、アルキル基を有するので表面エ
ネルギーが低くなり防汚性が付与される。
【0105】本発明2の方法によると、上記の縮合組成
物(D)を基材上に塗布後、相対湿度70%以上の環境
下に放置することにより残存アルコキシ基を除去させ、
さらに光を照射することにより、シラノール基の重縮合
に伴うシリカゾルとコロイダルシリカの重縮合反応を進
行させ、シリカゾルとコロイダルシリカの収縮率の差異
により被膜を多孔質化させると共に、さらに過酷な環境
下においても経時変化の少ない被膜を生成させる。ま
た、光照射工程は高湿度環境放置の所要時間の短縮効果
も有する。また、この被膜は、アルキル基を有するので
表面エネルギーが低くなり防汚性が付与される。
【0106】本発明3の方法によると、本発明2の工程
に続いて、塗布物に1×10-4〜100Torrの圧力
下でフッ素原子含有ガスが励起されたグロー放電プラズ
マを接触させて、塗膜表面のアルキルアルコキシシラン
のアルキル基をフッ素化することにより、被膜に撥水性
を生じせしめる。
【0107】本発明4の方法によると、本発明2の工程
に続いて、塗布物を少なくとも一方の対向面に固体誘電
体が配設された対向する金属電極間に配置し、10体積
%以下のフッ素原子含有ガスと残部が不活性ガスからな
る混合ガスの大気圧近傍の圧力下で、金属電極間に電圧
を印加し、発生したガスの放電プラズマを該縮合組成物
(D)の塗布面に接触させて、塗膜中のアルキルアルコ
キシシランのアルキル基をフッ素化することにより、被
膜に撥水性を生じせしめる。
【0108】本発明5では、縮合組成物(D)の固形分
濃度が1.0〜4.0重量%に限定されているので、縮
合組成物(D)の保存安定性がよくなり、長期保存が可
能となる。
【0109】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
【0110】(1) 反射率測定 反射率測定装置(島津製作所社製、鏡面反射測定装置、
入射角5度)を用いて、積層体の反射スペクトルを波長
400〜800nmの範囲で測定し、その最小反射率R
minを求め、次式により片面最小反射率(R)を測定す
る。 R=Rmin/2
【0111】(2) 鉛筆硬度 得られた積層体の反射防止被膜を、JIS K 540
0に準じて測定して評価した。
【0112】(3) 撥水性試験 蒸留水に対する被膜の接触角を、接触角計(協和界面科
学社製「CA−DT型」)により液滴法で測定した。
【0113】(4) 耐擦傷性試験 得られた積層体の被膜の表面を、ネルの布で、1000
g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦し、表面
の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。
【0114】(5) 経時変化試験1 得られた積層体を−20℃の雰囲気下に30分保持した
後、取り出し、その直後に80℃の雰囲気下に30分保
持する。これを1サイクルとして、次いで、取り出し、
その直後に再び−20℃の雰囲気下に置いて2サイクル
目を開始する。このような熱衝撃試験を210サイクル
行った。上記、熱衝撃試験の終了後、前記反射率と鉛筆
硬度の測定、撥水性試験及び耐擦傷性試験を行い、経時
変化を観察した。
【0115】(6) 経時変化試験2 得られた積層体を−40℃の雰囲気下に30分保持した
後、取り出し、その直後に80℃の雰囲気下に30分保
持する。これを1サイクルとして、次いで、取り出し、
その直後に再び−40℃の雰囲気下に置いて2サイクル
目を開始する。このような熱衝撃試験を210サイクル
行った。上記、熱衝撃試験の終了後、前記反射率と鉛筆
硬度の測定、撥水性試験及び耐擦傷性試験を行い、経時
変化を観察した。
【0116】(7) 保存安定性 上記物性(1) 〜(6) について再現性のある積層体が得ら
れる縮合組成物(D)の保存時間。
【0117】(実施例1〜5、比較例1〜15)表1お
よび表2にモル比で示したそれぞれ所定量のテトラエト
キシシラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性
水およびイソプロピルアルコールを、マグネチックスタ
ーラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合
し、縮合組成物(A)を得た。
【0118】表1および表2にモル比で示したそれぞれ
所定量のテトラエトキシシラン、塩酸によりpHが調整
された酸性水、イソプロピルアルコールを、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
【0119】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表1および表2に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで1時間、20℃で混合し、縮
合組成物(C)を得た。
【0120】得られた縮合組成物(C)と、縮合組成物
(C)を製造する際に使用したテトラアルコキシシラン
の合計1モルあたり、表1および表2に示したそれぞれ
所定のモル数のメチルトリエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシランを、マグネチックスターラーに供給、8
00rpmで1時間、20℃で混合し、縮合組成物
(D)を得た。
【0121】積層体の製造:上記のように濃度調整され
た縮合組成物(D)に、表1および表2に示したスライ
ドガラス(NAKARAI社製、S−2111、76m
m×26mm×1mm)またはポリカーボネート板(帝
人社製、商品名「テイジンパンライト」、100mm×
40mm×1mm。製膜性をよくするために基材前処理
として、コロナ放電処理を、電極と基材間の距離を5m
m、供給電力4.5kW、処理時間1秒で行った。)を
浸漬し、100〜300mm/分の速度で引き上げた
後、室温で10分間放置し被膜が形成されたスライドガ
ラスまたはポリカーボネート板を得た。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】なお、表1および表2、並びに後述の表
4、6、9、12、15、18および21において、テ
トラアルコキシシランおよびアルキルアルコキシシラン
の種類欄のAは、テトラエトキシシランを、Bはメチル
トリエトキシシランを、Cはメチルトリメトキシシラン
を示す。また、IPAはイソプロピルアルコールを示
し、基材欄のPはポリカーボネート板を、Gはスライド
ガラスを示す。
【0125】なお、比較例2は縮合組成物(D)を調製
する際のアルキルアルコキシシランの量が多いため製膜
状態が悪く被膜の外観が不良となり、積層体の性能評価
をできなかった。比較例4は、縮合組成物(A)の調製
時の、塩基性水の量が多すぎるため、および比較例5は
縮合組成物(B)の調製時の酸性水の添加量が少なすぎ
るため基材に塗布できなかった。比較例6は、縮合組成
物(B)の調製時の酸性水の添加量が多すぎるため膜が
白濁した。比較例8は、縮合組成物(A)の調製時の塩
基性水のpHが高すぎるため、縮合組成物(A)がゲル
化した。比較例10は、縮合組成物(A)と縮合組成物
(B)の混合比が大きすぎるため、基材に塗布できなか
った。比較例12は、縮合組成物(A)の調製時の有機
溶媒の量が少ないため、縮合組成物(A)がゲル化し
た。比較例13および14は、有機溶媒の量が多いため
縮合組成物の加水分解、重縮合が極端に遅く、基材に塗
布できなかった。
【0126】次に、得られた縮合組成物(D)が塗布さ
れた膜面に、実施例1および比較例1については、大気
中で172nm(7.2eV)の光を照射距離1mm、
照射時間120秒間の条件(ウシオ電機社製、バイア放
電エキシマランプ使用)で照射して積層体を得た。ま
た、実施例2〜5および比較例2、3、6、7、9およ
び11については、上記縮合組成物(D)が塗布された
膜面に、大気中で254nm(4.9eV)、184n
m(6.7eV)の光を照射距離20mm、照射時間1
20秒間の条件(SEN ENGINEERING 社製、紫外線表面改
質装置使用)で照射して積層体を得た。比較例15は、
光照射をしなかった。
【0127】得られた積層体を用いて、前記の評価方法
により各物性を評価し結果を表3に示した。
【0128】
【表3】
【0129】(実施例6〜11、比較例16)表4に示
した配合組成としたことの他は、実施例1と同様にして
縮合組成物(D)を調製した。次いで、実施例6〜10
については、得られた縮合組成物(D)の固形分濃度が
1.0〜4.0重量%の範囲に入らない場合にはイソプ
ロピルアルコールを加えて攪拌混合し、該固形分濃度が
表4に示した固形分濃度となるように調整した。また、
実施例11は、該固形分濃度が5.0重量%、比較例1
6は、該固形分濃度が0.5重量%となるようにした。
【0130】得られた縮合組成物(D)を使用して、表
4に示した基材上に、引き上げ速度を450mm/分と
したことの他は実施例1と同様にして塗布して、それぞ
れ被膜が形成されたスライドガラスまたはポリカーボネ
ート板を得た。
【0131】
【表4】
【0132】なお、比較例16は、縮合組成物(D)の
固形分濃度が低いため、製膜できなかった。次に、得ら
れた塗布物に表4に示した条件で実施例1と同様にして
光照射を行い積層体を得た。実施例6〜11で得られた
積層体を用いて、前記の評価方法により各物性を評価し
結果を表5に示した。
【0133】
【表5】
【0134】(実施例12〜16、比較例17〜24)
表6に示した配合組成としたことの他は、実施例1と同
様にして縮合組成物(D)を調製した。得られた縮合組
成物(D)を使用して、表6に示した基材上に実施例1
と同様にして塗布して、それぞれ被膜が形成されたスラ
イドガラスまたはポリカーボネート板を得た。次に、得
られた塗布物を表7に示した温度、湿度処理条件に、表
7に示した処理時間だけ置いた。次いで、上記温度、湿
度処理条件に置いた後の塗布物に、表7に示した条件で
実施例1と同様にして光照射を行い積層体を得た。得ら
れた積層体を用いて、前記の評価方法により各物性を評
価し結果を表8に示した。
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】
【0138】(実施例17〜22)表9に示した配合組
成としたことの他は、実施例6と同様にして縮合組成物
(D)を調製した。次いで、実施例17〜21について
は得られた縮合組成物(D)の固形分濃度が1.0〜
4.0重量%の範囲に入らない場合にはイソプロピルア
ルコールを加えて攪拌混合し、該固形分濃度が表9に示
した固形分濃度となるように調整した。実施例22は、
該固形分濃度を5.0重量%とした。
【0139】得られた縮合組成物(D)を使用して、表
9に示した基材上に実施例6と同様にして塗布して、そ
れぞれ被膜が形成されたポリカーボネート板を得た。
【0140】次に、得られた塗布物を表10に示した温
度、湿度処理条件に、表10に示した処理時間だけ置い
た。上記の温度、湿度条件に置いた後の塗布物を、次い
で、表10に示した光照射条件を用いて、実施例1と同
様にして光照射し積層体を得た。
【0141】得られた積層体を用いて、前記の評価方法
により各物性を評価し結果を表11に示した。
【0142】
【表9】
【0143】
【表10】
【0144】
【表11】
【0145】(比較例25)実施例1における縮合組成
物(D)の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品
名「サイトップ CTL−102A」)を使用し、引き
上げ速度200mmとしたこと、及びポリカーボネート
板のコロナ放電処理による前処理をしなかったことの他
は実施例1と同様にしてディップコートして塗布物を得
た。得られた塗布物を80℃で1時間乾燥し積層体を得
た。得られた積層体を用いて、前記の評価方法により各
物性を評価し結果を表11に示した。
【0146】(実施例23〜27、比較例26〜33)
表12に示した配合組成としたことの他は、実施例1と
同様にして縮合組成物(D)を調製した。得られた縮合
組成物(D)を使用して、表12に示した基材上に実施
例1と同様にして塗布して、それぞれ被膜が形成された
スライドガラスまたはポリカーボネート板を得た。次
に、得られた塗布物を表13に示した温度、湿度処理条
件に、表13に示した処理時間だけ置いた。次いで、上
記温度、湿度処理条件に置いた後の塗布物に、表13に
示した条件で実施例1と同様にして光照射を行った。
【0147】
【表12】
【0148】
【表13】
【0149】次に、図1に示した高周波容量結合型プラ
ズマ処理装置(金属電極4および5の直径80mm、金
属電極4と5の距離30mm)を使用し、上記の光照射
後の被膜が形成されたスライドガラスまたはポリカーボ
ネート板6を金属電極5の上におき、処理容器2内を1
×10-3Torrまで排気した。次いで、処理容器2内
に表13に示した所定量の4フッ化炭素(CF4 )ガス
をガス導入管7から、ヘリウムガスをガス導入管8から
(ただし、ヘリウムガスは、実施例25においてだけ使
用。他の各例はヘリウムガス使用せず。)供給し、処理
容器2内の圧力を表13に示した所定の圧力に調整した
後、電源1から表13に示した所定の電力を3分間印加
して、積層体を得た。
【0150】得られた積層体を用いて、前記の評価方法
により各物性を評価し結果を表14に示した。
【0151】
【表14】
【0152】(実施例28〜33)表15に示した配合
組成としたことの他は、実施例6と同様にして縮合組成
物(D)を調製した。次いで、実施例28〜32につい
ては、得られた縮合組成物(D)の固形分濃度が1.0
〜4.0重量%の範囲に入らない場合にはイソプロピル
アルコールを加えて攪拌混合し、該固形分濃度が表15
に示した固形分濃度となるように調整した。また、実施
例33は、該固形分濃度が5.0重量%となるようにし
た。
【0153】得られた縮合組成物(D)を使用して、表
15に示した基材上に実施例6と同様にして塗布して、
それぞれ被膜が形成されたポリカーボネート板を得た。
次に、得られた塗布物を表16に示した温度、湿度処理
条件に、表16に示した処理時間だけ置いた。次いで、
上記温度、湿度処理条件に置いた後の塗布物に、表16
に示した条件で実施例1と同様にして光照射を行った。
【0154】光照射後の塗布物に表16に示したプラズ
マ処理条件で実施例23と同様にしてプラズマ処理して
積層体を得た。得られた積層体を用いて、前記の評価方
法により各物性を評価し結果を表17に示した。
【0155】
【表15】
【0156】
【表16】
【0157】
【表17】
【0158】(実施例34〜38、比較例34〜41)
表18に示した配合組成としたことの他は、実施例1と
同様にして縮合組成物(D)を調製した。得られた縮合
組成物(D)を使用して、表18に示した基材上に実施
例1と同様にして塗布して、それぞれ被膜が形成された
スライドガラスまたはポリカーボネート板を得た。次
に、得られた塗布物を表19に示した温度、湿度処理条
件に、表19に示した処理時間だけ置いた。次いで、上
記温度、湿度処理条件に置いた後の塗布物に、表19に
示した条件で実施例1と同様にして光照射を行った。
【0159】次に、図2に示したプラズマ処理装置(金
属電極4および5の直径80mm)を使用し、金属電極
4および5の電極間距離を5mmとし、下方の金属電極
5の上に固体誘電体11として100mm×100mm
×1mmのポリテトラフルオロエチレンを配設し、この
固体誘電体11上に、上記の光照射後の、被膜が形成さ
れたスライドガラスまたはポリカーボネート板6をお
き、処理容器2内を10Torrまで排気した。次い
で、処理容器2内に表19に示した所定量の4フッ化炭
素(CF4 )ガスをガス導入管7から、ヘリウムガスを
ガス導入管8から供給し、処理容器2内の圧力を表9に
示した所定の圧力に調整した後、電源1から表19に示
した所定の電圧および電流を30秒間印加して、基材面
上に0.1μmの被膜が形成された積層体を得た。
【0160】得られた積層体を用いて、前記の評価方法
により各物性を評価し結果を表20に示した。
【0161】
【表18】
【0162】
【表19】
【0163】
【表20】
【0164】(実施例39〜44)表21に示した配合
組成としたことの他は、実施例6と同様にして縮合組成
物(D)を調製した。次いで、実施例39〜43につい
ては、得られた縮合組成物(D)の固形分濃度が1.0
〜4.0重量%の範囲に入らない場合にはイソプロピル
アルコールを加えて攪拌混合し、該固形分濃度が表21
に示した固形分濃度となるように調整した。また、実施
例44は、該固形分濃度が5.0重量%となるようにし
た。
【0165】得られた縮合組成物(D)を使用して、表
21に示した基材上に実施例6と同様にして塗布して、
それぞれ被膜が形成されたポリカーボネート板を得た。
次に、得られた塗布物を表22に示した温度、湿度処理
条件に、表22に示した処理時間だけ置いた。次いで、
上記温度、湿度処理条件に置いた後の塗布物に、表22
に示した条件で実施例1と同様にして光照射を行った。
【0166】光照射後の塗布物に表22に示したプラズ
マ処理条件で実施例34と同様にしてプラズマ処理して
積層体を得た。得られた積層体を用いて、前記の評価方
法により各物性を評価し結果を表23に示した。
【0167】
【表21】
【0168】
【表22】
【0169】
【表23】
【0170】(比較例42)特開昭61−247743
号公報の実施例1に従い、 C6 132 4 Si(OCH3 3 50g (CH3 O)3 SiC2 4 6 122 4 Si(OCH3 3 40g Si(OCH3 4 10g を、tert−ブタノール2500gと混合したもの
に、1%塩酸水溶液16.5gを添加し、室温下で24
時間攪拌しながら反応させて、ゾル液を作製した。得ら
れたゾル液に比較例6に使用したものと同様のスライド
ガラスを浸漬し、750mm/分の速度で引き上げた
後、100℃で1時間乾燥させて積層体を得た。得られ
た積層体を用いて前記の評価方法により各物性を評価し
結果を表23に示した。
【0171】
【発明の効果】本発明1の積層体の製造方法の構成は上
記の通りであり、縮合組成物(A)、(B)、(C)及
び(D)を製造するのに、混合装置としてマグネチック
スターラーなどのような簡便な攪拌機で十分であり、高
性能な装置を必要としない。従って、この縮合組成物
(D)は製造が容易であり、また、この縮合組成物
(D)を基材上に塗布すると、耐擦傷性、多孔性だけで
なく、表面エネルギーの低い防汚性が付与された被膜が
形成された積層体が得られる。さらに光を照射し硬化さ
せることにより、残存シラノール基等の未反応残存基を
無くし反射防止効果の経時変化のない積層体が得られ
る。
【0172】本発明2の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、本発明1の光照射工程の前工程として、
相対湿度70%以上の環境下に置くので、さらに過酷な
環境下でも反射防止性の経時変化が少ない被膜が形成さ
れた積層体が得られる。
【0173】本発明3の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上記の本発明2の効果を全て奏する。さ
らに、本発明2の光照射工程に続いて、10-4〜100
Torrの圧力下でフッ素原子含有ガスが励起されたグ
ロー放電プラズマを接触させて、塗膜表面のアルキルア
ルコキシシランのアルキル基をフッ素化するので、撥水
性が付与された被膜が形成された積層体が得られる。
【0174】本発明4の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上記の本発明2の効果を全て奏する。さ
らに、本発明2の光照射工程に続いて、10体積%以下
のフッ素原子含有ガスと残部が不活性ガスからなる混合
ガスの大気圧近傍の圧力下で、該ガスの放電プラズマを
該縮合組成物(D)の塗布面に接触させるので、塗膜中
のアルキルアルコキシシランのアルキル基がフッ素化さ
れ、撥水性が付与された被膜が形成された積層体が得ら
れる。また、プラズマ処理は大気圧近傍の圧力で行われ
るので、従来のプラズマ処理のような高い真空度にする
ための減圧工程が不必要であり、連続処理が行えるので
生産性に優れた方法である。
【0175】本発明5の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上記の本発明1、2、3または4と同様
の効果を奏する。さらに、本発明5の製造方法に使用さ
れる縮合組成物(D)は、その濃度が1.0〜4.0重
量%に限定されているので、保存安定性が優れており、
長期使用が可能である。
【0176】従って、本発明1〜5の積層体の製造方法
を用いて得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、ゴ
ーグル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、イ
ンパネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車分
野;窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電池、
レーザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電子手
帳、液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェ
クションテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電子情
報機器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭
用品分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、
コピー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ
台ガラス、ゲーム機等の娯楽分野などの分野の材料に用
いられ得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車の
窓、インパネメーター、ナビゲーションシステム、太陽
電池、光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手帳、
液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクシ
ョンテレビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器等の
材料に好適に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明3の積層体の製造方法に用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。
【図2】本発明4の積層体の製造方法に用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。
【符号の説明】 1 電源 2 処理容器 3 プラズマ処理部 4 金属電極 5 金属電極 6 基材 7 ガス導入管 8 ガス導入管 9 ガス出口 10 排気口 11 固体誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/11 G02B 1/10 A 1/10 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (式中、Rは炭素
    数1〜5のアルキル基)で表されるテトラアルコキシシ
    ラン1モルに対して、pHが10.0〜12.0の塩基
    性水2〜8モル及び有機溶媒10〜30モルを混合して
    得られる縮合組成物(A)と、一般式Si(OR1 4
    (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表される
    テトラアルコキシシラン1モルに対して、pHが0〜
    2.6の酸性水3〜8モル及び有機溶媒10〜30モル
    を混合して得られる縮合組成物(B)とを、A/B=
    0.4〜2.4(重量比)で混合して得られる縮合組成
    物(C)、並びに一般式(R2 n Si(OR3 4-n
    (式中、R2 およびR3 は炭素数1〜5のアルキル基、
    nは1〜3の整数)で表されるアルキルアルコキシシラ
    ンを、 縮合組成物(C)の製造に用いられたテトラアルコキシ
    シランの合計1モルに対して、該アルキルアルコキシシ
    ランを0.1〜2モル混合して縮合組成物(D)を得る
    第1工程、 上記縮合組成物(D)を基材上に塗布する第2工程、お
    よび上記塗布物に光を照射する第3工程からなることを
    特徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第1工程および第2工程
    に続いて、 上記塗布物を相対湿度70%以上の環境下に置く第3工
    程、および上記塗布物に光を照射する第4工程からなる
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の第1工程、第2工程、第
    3工程および第4工程に続いて、上記塗布物に、1×1
    -4〜100Torrの圧力下でフッ素原子含有ガスが
    励起されたグロー放電プラズマを接触させて、塗膜中の
    アルキルアルコキシシランのアルキル基をフッ素化する
    第5工程からなることを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の第1工程、第2工程、第
    3工程および第4工程に続いて、上記塗布物を少なくと
    も一方の対向面に固体誘電体が配設された対向する金属
    電極間に配置し、10体積%以下のフッ素原子含有ガス
    と残部が不活性ガスからなる混合ガスの大気圧近傍の圧
    力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生したガスの放
    電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面に接触させ
    て、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアルキル基を
    フッ素化する第5工程からなることを特徴とする積層体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 縮合組成物(D)の固形分濃度が1.0
    〜4.0重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の積層体の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101341133B1 (ko) * 2012-02-29 2013-12-13 충남대학교산학협력단 기능성 불소계 고분자 필름 및 그 제조방법
JP2014079920A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Asahi Glass Co Ltd 物品およびその製造方法
WO2014073543A1 (ja) * 2012-11-06 2014-05-15 旭硝子株式会社 撥水膜用塗液および撥水膜付き物品
JP2015102621A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 日油株式会社 耐光性反射防止フィルム
JP2019025434A (ja) * 2017-07-31 2019-02-21 三菱ケミカル株式会社 酸化ケイ素薄膜積層体の製造方法

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