JPH09103425A - 医療用モニタ方法 - Google Patents

医療用モニタ方法

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JPH09103425A
JPH09103425A JP8230461A JP23046196A JPH09103425A JP H09103425 A JPH09103425 A JP H09103425A JP 8230461 A JP8230461 A JP 8230461A JP 23046196 A JP23046196 A JP 23046196A JP H09103425 A JPH09103425 A JP H09103425A
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    • A61B5/14551Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using optical sensors, e.g. spectral photometrical oximeters for measuring blood gases
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨床環境下における電磁波ノイズの影響下に
おいても優れた性能及び測定精度を得る医療用モニタ方
法を実現すること。 【解決手段】 周波数が同じで、ほぼ90゜の第1の位
相差を有する第1と第2の変調信号を発生し、前記第1
の変調信号の制御下において、前記サンプル(40)内
に第1の波長を有する第1の電磁波を照射し、前記第2
の変調信号の制御下において、前記サンプル(40)内
に第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2の電磁
波を照射し、前記サンプル(40)を通った両方の波長
の電磁波(A(t))を受信し、受信した電磁波(A
(t))を表す信号に、前記第1と第2の変調信号と同
じ周波数で、前記第1と第2の変調信号に対する位相差
(σ)がシステム移相(ψ)に相当する、第1の正弦波
復調信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1の位
相差を有する第2の正弦波復調信号をかけることによっ
て、前記電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の復調
信号(DR(t)、DIR(t))を発生し、前記復調信
号を分析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプルまたは材
料内に電磁波を照射することによって患者の医療パラメ
ータを測定し、前記サンプルまたは材料を通った電磁波
の測定及び後続の分析を行うための装置、及び、関連方
法に関するものである。とりわけ特定の実施例の1つに
おいて、本発明は、パルス酸素飽和度測定の分野に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】患者の医療パラメータを測定するための
光学的方法は、当該技術において周知のところである。
これらには、例えば、血流測定、灌流測定、血液ガス分
析、赤外ガス分析器等、及び、とりわけ、パルス酸素飽
和度測定が含まれる。これらの方法の全てに共通するの
は、患者の組織、患者から採取されたサンプル(血液サ
ンプルのような)、または、患者の吸気または呼気に対
して、可視スペクトルまたは隣接スペクトル(赤外のよ
うな)の光、または、他の電磁波を照射することであ
る。こうしたサンプルまたは材料を透過した、または、
これらによって反射された光は、次に、問題となる医療
パラメータを計測するため、吸光度、波長等のような特
性の変化に関して分析を受ける。言うまでもないことで
はあるが、こうした方法は、光学特性を備えた(すなわ
ち、可視スペクトルの)電磁波の利用に限定されるもの
ではなく 他の電磁スペクトルの波を利用することも可
能である。さらに、こうした方法は、生体内並びに生体
外アプローチを利用することが可能である、すなわち、
患者(例えば、その組織)または患者から採取したサン
プルの分析に焦点を絞ることが可能である。
【0003】次に、この解説の明瞭性及び理解のしやす
さを高めるため、特定の例の1つ、すなわち、パルス酸
素飽和度測定によって、基本となる問題点について説明
を加えることにする。言うまでもなく、これは、決して
本発明の範囲を制限するものではなく、実際のところ、
本発明は、他の医療パラメータの測定にも適用可能であ
る。
【0004】パルス酸素飽和度測定は、患者の状態を評
価するための非侵入的技法である。通常、センサまたは
プローブは、発光ダイオード(「LED」)のような発
光手段から構成される。波長の異なるこれらLEDを2
つ以上用いることが可能である(例えば、赤色と赤
外)。放射される光は、患者の組織に向けられ、フォト
ダイオードまたはフォトトランジスタのような受光手段
が、透過光または反射光の量を測定する。透過測定の場
合、送光ダイオード及び受光ダイオードが、人体組織に
対して、互いに反対側に配置され、反射測定の場合、組
織の同じ側に配置される。
【0005】少なくとも2つの波長で測定される場合、
測定される強度を利用して、患者の動脈血の酸素飽和度
が計算される。ランベルト・ベールの法則を利用したそ
の数学的背景については、これまで多くの出版物におい
て十分に詳述されている。例えば、この理論のかなり優
れた分析を収めた欧州特許第262778号明細書を参
照されたい。
【0006】通常、パルス・オキシメータに取り外し可
能に接続されたセンサは、例えば、660nm(ナノメ
ートル)の波長、すなわち、赤色の光と、900nmの
波長、すなわち、赤外の光を放射する少なくとも2つの
LEDを備えている。放射光の強度は、LEDの励起電
流が変動するので、オキシメータによって変調すること
が可能である。受光素子によって受け止められる光電流
は、オキシメータによって測定され、動脈血の酸素飽和
度を計算するために利用される。
【0007】今日のオキシメータの場合、適合するモニ
タのフロント・エンド部分に含まれるハードウェア回路
には、LEDが次々にオン・オフされる時間多重化アプ
ローチが利用されている(米国特許第4、407、29
0号、同第4、523、279号、同第3、847、4
83号公報)。パルス列は、通常、最低限3つの位相、
すなわち、活性赤色相、活性赤外相、及び、暗相から構
成され、周囲光は、この最後の相の間に測定される。実
際には、1つの多重化時間フレームまたは追加暗相にお
いてより多くのLEDに電力供給できるように、4つ以
上の相を設けることも可能である。位相は、同様の持続
時間である場合が多い。変調周波数(全フレームの繰り
返し率)は、例えば、200Hz〜2kHzの範囲であ
る。この周波数とLEDによって放射される光の周波数
を混同してはならない。実際、一般的な変調方法では、
矩形のパルスによるパルス列を利用して、LEDを励起
するが、この場合、第1のパルスによって赤色LEDを
励起し、第2のパルスによって赤外LEDを励起し、励
起の行われない時間間隔を利用して、周囲光(これに関
しては「暗相」と呼ばれる)の測定が行われる。
【0008】しかし、こうした既知のオキシメータは、
今日、臨床の実践において広く用いられているが(非侵
入的テクノロジであると言うだけの理由で)、制限され
た性能しか得られないということ、とりわけ、測定精度
が制限されるということが分かった。これは、主とし
て、ネオン・ランプ、UVランプ、及び、他の発光体と
いった干渉源が、LEDと受光器との間の光路に影響を
及ぼす場合に生じる。先行技術のオキシメータのこうし
た干渉源に対する妨害感受性は、当該技術の熟練者にと
って既知のところであったが、これまで、その理由を評
価しようとする試みはなされていない。実際、下記の考
察(酸素飽和度測定信号の歪みのメカニズムを明らかに
する)は、既に、この問題に関する発明者の考えを反映
しており、さらに、発明者を本発明へと導くことになっ
たものであるが、その限りにおいて、既に、本発明の一
部、または、ある程度は、本発明の基礎をなすものとみ
なすことが可能である。
【0009】受光フォトダイオードにおける時間多重化
信号(既述)の周波数スペクトルは、1対の要素から構
成される。第1の要素は、もちろん、LED変調周波数
のスペクトル線である。パルス・シーケンスのスペクト
ルには、パルス繰り返し周波数の倍数にあたるスペクト
ル線が含まれているため、振幅を小さい他のスペクトル
線が、基本変調周波数の高調波に生じることになる。有
効振幅のこうした高調波は、数十次まで生じることにな
る。
【0010】さらに、全てのスペクトル線が鮮鋭なライ
ンというわけではなく、ある程度幅広のため、狭い帯域
のスペクトルを占有する。これは、信号が、脈動の変動
(約10ヘルツまでの成分が含まれている)によって、
さらに変調されるという事実によるものである。この脈
動の変動は、実際に医療モニタにとって重要である。そ
の周波数は、患者の心拍数を導き出すために利用するこ
とが可能であり、その振幅は、実際に、酸素飽和度の計
算に必要とされる。
【0011】脈動は、従って、変調周波数及びその約±
10ヘルツの高調波のスペクトル線の幅を広げることに
なる。これは、その原因が生理的信号によるものである
ため、「生理的帯域幅」とも呼ばれる。
【0012】次に、図面に関連して、先行技術によるテ
クノロジの詳細及び欠点について述べることにする。
【0013】図9には、先行技術によるオキシメータの
基本的な機能ブロックが示されている。マイクロプロセ
ッサ1は、酸素飽和度パラメータの作用を制御する。該
マイクロプロセッサは、LEDの励起に関するデジタル
表現のパルスを発生する。これらは、ライン2を介して
デジタル・アナログ変換器3に送られ、該変換器によっ
て、矩形のアナログ信号が出力され、ライン4を介して
増幅器5に送られる。
【0014】点線6は、モニタとセンサの間のインター
フェイスを略示している。すなわち、ライン7は、セン
サとモニタを接続する物理的にはケーブルであり、点線
6の左側の全ての構成要素は、実際にはセンサに組み込
まれている。る。センサには、患者の組織、この場合
は、指10に光を送り込む少なくとも2つのLED8及
び9が含まれている。指10を透過する光は、フォトダ
イオード11に達し、ライン12を介しても1つの増幅
器13に送られる。増幅器13によって生じる増幅され
たアナログ信号は、復調及びフィルタ・セクション14
に送られる(ライン14)。この復調セクションは、そ
のタイム・スロットに応じて、それぞれ、低域通過/サ
ンプル及びホールド機能を実施する3つの異なる経路1
4b〜14dに増幅された信号を送るデマルチプレクサ
14aから構成される。デマルチプレクサ14aは、制
御を受けて、LED8の動作中に受信する信号が経路1
4bに送られ、LED9の動作中に受信する信号が経路
14cに送られ、暗または周囲相(LED8及び9がオ
フ状態)の間に受信する信号が経路14dに送られるよ
うにする。
【0015】経路14b〜14dのそれぞれが、独立し
た低域フィルタの働きをし(例えば、経路14bにおけ
る抵抗器14e及びコンデンサ14f参照)、その限り
において、コンデンサは、サンプル及びホールド装置の
働きもする。3つの経路14b〜14dは、次に、マル
チプレクサ14g(デマルチプレクサ14aと同期。点
線14h参照)によって再び組み合わせられ、その信号
はアナログ・デジタル変換器(ADC)15に送られ
る。このADCは、普通、チャネル毎に1回入力信号の
サンプリングを行うが、サンプリング・レートを高める
ことも可能である。換言すれば、パルスが赤色LED8
に送られると、ADC15が、それを1回検知して、そ
の振幅を判定し、後続パルス列における振幅の変動は、
動脈血の脈動変化を反映する。
【0016】デジタル化信号は、ライン16を介してマ
イクロプロセッサ1に到達し、マイクロプロセッサは酸
素飽和度を求めるのに必要な計算を実施する。その結果
は、次に、ディスプレイ17に表示される。
【0017】図10は、LED8及び9の励起に用いら
れるパルス列のタイミング図である。第1のパルス18
は、赤色LED8(図9)を制御し、第2のパルス19
は、赤外LED9を制御する。両方のLEDが順次励起
されると、受信側において周囲光量の測定に用いられる
暗相20が生じる。t=TLEDにおいて、全パターン
が、再び初めから開始される。従って、変調周波数は、
次のように定義される。 fLED=1/TLED …(1)
【0018】図11(a)〜(c)は、経路14b〜1
4d(図9)に従って分離された、すなわち、パルスが
人体組織を通った場合の、受信側における同じパターン
が示されている。図11(a)には、赤色LED8(経
路14)のパルスが示され、図11(b)には、赤外L
ED9(経路14c)のパルスが示され、図11(c)
には、経路14dにおいて検出される信号(周囲光)が
示されている。赤色及び赤外パルス(図11(a)及び
(b))について、下記の点が注目される。 1.非脈動組織によってほぼ固定量の減衰を被り(DC
減衰)、 2.赤色パルス21及び赤外パルス22の異なる振幅に
よって示されるように、赤色チャネル及び赤外チャネル
において異なる減衰を生じるいう点、 3.その振幅が、点線23a及び23bによって示され
た低周波数で変調される(この周波数は、実のところ、
例示のため、図11(a)及び(b)において誇張され
ている)、すなわち、その振幅は時間の経過につれてゆ
っくりと変動する。この低周波数(1〜10ヘルツの範
囲)は、LED8及び9が放射した光が当たる血管にお
ける脈動を反映しており、酸素飽和度の計算に必要な生
理的情報を伝える。従って、それは、「生理的信号」と
呼ばれ、関連する周波数帯域は、「生理的帯域幅」と呼
ばれる。重畳される生理的信号の振幅が、受信パルスの
振幅全体と比べて極めて小さいというも注目される。
【0019】これに対し、周囲光を表した図11(c)
のパルスは、脈動組織(参照番号23c)によって変調
されることはない。
【0020】図11(a)〜(c)に示すパルス列は、
マルチプレクサ14g(図9)を介してADC15の入
力に送られる。先行技術のアプローチによれば、ADC
15は、t=T1、t=T2、及び、t=T3において受
信パルスのサンプルの少なくとも1つを受け取る。これ
らのサンプルは、それぞれ、赤色パルス、赤外パルス、
及び、周囲光の振幅を表している。ここに述べる技法
は、矩形波または方形波に関する復調に相当する。
【0021】次に、周波数領域において何が起こるかに
ついて考察する。図12には、患者の組織を透過し、増
幅された、ただし、復調及びサンプリング前の、すなわ
ち、ライン14に生じる(図9)信号のスペクトルが示
されている。基本LED変調周波数fLEDが、スペクト
ル線24として示されている。これは、「鮮鋭な」スペ
クトル線ではない。代わりに、さらにLED信号を変調
することになる生理的信号(上述の)のため、わずかに
幅広である。この影響によって、LED変調スペクトル
線は、実際のところ、その基本周波数の中心付近におい
て約±10ヘルツの帯域幅を備えた狭帯域のスペクトル
の様相を呈することになる。
【0022】参照番号24a及び24bは、基本LED
変調周波数の高調波、すなわち、2 *LED及び3*LED
を表している。これらの高調波は、やはり、生理的帯域
幅によって幅広の様相を呈する、すなわち、対応する高
調波周波数付近の±10ヘルツに集中する。
【0023】これに対し、参照番号25は、一般に、5
0ヘルツ(欧州)または60ヘルツ(米国)の、主たる
干渉源である商用電源(電力線)のスペクトル線fLine
を表している。もちろん、電力線は、常に特定の周波数
を備えているが、この周波数は、商用電源の周波数変動
(ただし、小さく、緩やかな)を被ることになる。この
変動性または許容帯域が点線で描いた矩形領域25´で
示されている。
【0024】このスペクトルには、商用電源の基本周波
数fLineも含まれている。これらは、図12において2
5a〜25gで表示されており、2* Line〜8*
Lineの周波数を表している(もちろん、偶数次の高調波
も存在するが、図12には描かれていない)。商用電源
の基本周波数と同様に、その高調波も拡散している(矩
形領域25´a〜25g´参照)。この図から明らかな
ように、高調波の次数が増すにつれて、可能性のある周
波数の変動も大きくなる。
【0025】図12には、もう1つの効果も明らかにさ
れている。すなわち、LED変調周波数fLED及び商用
電源周波数fLineの高調波の一部は、互いに極めて接近
している。典型的な例が、参照番号26で示されてい
る。LED変調周波数の3次高調波24b、及び、商用
電源周波数の7次高調波25fは、互いに極めて接近し
ている(3*LED=7*Line)。これは、とりわけ、
商用電源周波数の7次高調波25fに関連した広い許容
帯域25f´を考慮すると、関連帯域に頻繁に干渉が生
じることを表している。しかし、点線の円27によって
示すように、他の疑わしいケースも存在する。実際、L
ED変調周波数の2次高調波24aと商用電源周波数の
5次高調波25dの間にはある程度の距離があるが、5
*Lineに関連した許容帯域全体25d´を検討する
と、重なる部分も存在する。換言すれば、電力線の周波
数がその公称値からわずかに偏差を生じる場合、その5
次高調波は、LED変調周波数の2次高調波に接近する
ので、少なくとも、散発的な干渉を生じる可能性があ
る。より高次の高調波について言えば、商用電源周波数
の高調波に関連した許容帯域がますます広くなるため、
関連スペクトルが重なることになるので、干渉の恐れが
常に存在することになる。これが、スペクトル25e
´、25f´、及び、25g´によって示されている。
こうした高周波数の場合、LED変調周波数の高調波
は、必然的に、商用電源周波数の高調波の少なくとも1
つの帯域幅内に含まれることになるのは明らかである。
【0026】ところで、高調波のこうした干渉がベース
・バンドに対してどのように影響を及ぼすかについて、
従って、酸素飽和度測定の結果について質問があるかも
しれない。この基本的なメカニズムについては、図13
に明らかにされている。
【0027】先行技術のアプローチによれば、受信信号
は、デマルチプレクサ14aによって復調される。(こ
の種の復調は、例えば米国特許第4、897、630号
明細書に解説があり、正弦波に関する同期AM復調に相
当する)。方形波に関する復調には、あらゆる種類の差
周波数と和周波数(とりわけ、高調波の)が、問題とな
る信号に近いベース・バンドに生じる、すなわち、高調
波がベース・バンドに折り返されるという効果がある。
この効果については、図13に例示されている。この図
は、LEDサンプリング周波数が、LED周波数に等し
いという了承に基づくものである。(全てのチャネル
(赤色、赤外、暗)は、別個にサンプリングを受け、復
調される)。しかし、商用電源周波数の高調波は、酸素
飽和度を求めるのに有効な信号に歪みを生じさせる可能
性のある干渉源の1つにすぎない。臨床環境において、
パルス酸素飽和度測定センサは、周囲光及び各種電磁ノ
イズを捕捉する。主たる周囲光源は、一般に、50ヘル
ツまたは60ヘルツの電力線周波数の高調波にあたる高
調波を伴う、広いスペクトル・バンドを生じる天井蛍光
灯による室内照明である。しかし、電気的ノイズは、電
力線から侵入する場合も極めて多く、商用電源周波数の
高調波として現れる。かなりの干渉を生じる電気ノイズ
の他の周知の発生源に、手術室で用いられる電気手術装
置がある。これらは、帯域幅が極めて広く、あらゆる周
波数の可能性がある。
【0028】上述のように、LED変調周波数の倍数に
あたる信号のスペクトルは、光学的または電気的ノイズ
成分のスペクトルに重なる可能性が極めて高い。LED
変調帯域の1つにおけるノイズ線は、復調されて、本質
的にベース・バンドに折り返されることになり、信号対
雑音比(S/N)を悪くする。新生児をモニタする場合
には、患者にとって極めて危険な状況が生じる可能性が
ある。これらの処理は、ビリルビン光線療法用の非常に
明るい紫外線ランプを用いて実施される場合が多い。不
完全な注入固定法のため、それらの発する信号は弱いの
で、周囲光量によって、S/N比<1の状況さえ生じる
ことになる。こうした状況では、パルス・オキシメータ
に誤りを生じさせる可能性が極めて高い。患者の信号の
代わりに、ノイズが入力信号の主体になっているので、
パルス・オキシメータは、脈拍数、酸素飽和度、及び、
灌流指数に関して間違った値を導き出す可能性がある。
【0029】欧州特許第0502717号明細書には、
2つの波長の光の透過を測定することによって、物体に
おける構成要素の濃度を評価するための手段及び方法が
開示されている。第1と第2の発光体が、それぞれ、第
1と第2の異なる波長の光を放射する。変調器/ドライ
バが、時間の関数として変化する、それぞれの第1と第
2の搬送波で発光体を駆動する。該搬送波は、位相差が
0以外で、かつ、180゜の整数倍以外の同じ搬送周波
数を有している。検出器は、第1と第2の発光体からの
光が物体を通過すると、前記光を受け、結果得られる、
両方の波長における物体の透過に関する情報を備えた検
出器信号を発生する。第1の波長における物体の透過に
比例した成分と1つ以上の搬送波変調成分との和である
第1の復調信号が、第1のチャネルにおける検出器信号
から復調器によって発生し、第2の波長における物体の
透過に比例した成分と1つ以上の搬送波変調成分との和
である第2の復調信号が、第2のチャネルにおける検出
器信号から復調器によって発生する。信号の搬送波変調
成分は、復調信号フィルタによって、第1と第2のチャ
ネルから除去される。
【0030】復調器は、第1のチャネルの検出器信号に
第1の搬送波と同相の正弦波信号をかけて、第1の復調
信号を発生し、第2のチャネルの検出器信号に第2の搬
送波と同相の正弦波信号をかけて、第2の復調信号を発
生する。従って、欧州特許第0502717号明細書の
開示によれば、第1と第2のチャネルにおける検出器信
号を復調するための正弦波信号は、それぞれ、第1の搬
送波及び第2の搬送波と同相である。この復調方法に
は、あいにく、第1と第2のチャネル間にクロス・トー
クを生じる効果があり、従って、物体の構成要素の濃度
を正確に評価することができない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】先行技術を端緒とする
本発明の目的は、波長の異なる受信電磁波の分析が行わ
れるチャネル間のクロス・トークが低減される、異なる
波長を備えた少なくとも2つの異なる電磁波を用いて、
医療パラメータを正確に測定し、分析するための方法及
び装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】この目的は、本明細書の
1、3及び18に記載の医療パラメータを測定するため
の方法、及び、19、21、及び、26に記載の医療パ
ラメータを測定するための装置によって実現される。
【0033】本発明は、例えば、欧州特許第05027
17号明細書に開示のシステムのような、医療パラメー
タを測定するための先行技術による分析システムでは、
サンプルの照射に用いられる電磁波と分析に用いられる
電磁波との間に該システムによって導入される移相のた
め、医療パラメータの正確な測定及び後続のその正確な
分析が不可能であるという認識に基づくものである。従
って、本発明によれば、システム移相の補償が受信電磁
波の分析中に行われる、サンプルに電磁波を照射するこ
とによって患者の医療パラメータを測定し、前記サンプ
ルを通った電磁波の測定及び後続の分析を行うための方
法及び装置が得られる。
【0034】本発明の第1の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び後続
の分析を行うための方法において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するステップと、前記第1の変調信号の制御下に
おいて、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の電
磁波を照射するステップと、前記第2の変調信号の制御
下において、前記サンプル内に第1の波長とは異なる第
2の波長を有する第2の電磁波を照射するステップと、
前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信するス
テップと、受信した電磁波を表す信号に、前記第1と第
2の変調信号と同じ周波数で、前記第1と第2の変調信
号に対する位相差がシステム移相に相当する、第1の正
弦波復調信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1
の位相差を有する第2の正弦波復調信号をかけることに
よって、前記電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の
復調信号を発生するステップと、前記復調信号を分析す
るステップと、から成る。
【0035】本発明の第1の態様によれば、第1と第2
の正弦波復調信号は、システム移相に対応する第1と第
2の変調信号に対する位相差を有しており、このため、
分析結果に対するシステム移相の影響が排除され、従っ
て、チャネル間のクロス・トークが軽減される。
【0036】本発明の第2の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び接続
の分析を行うための方法において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するステップと、前記第1の変調信号の制御下に
おいて、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の電
磁波を照射するステップと、前記第2の変調信号の制御
下において、前記サンプル内に第1の波長とは異なる第
2の波長を有する第2の電磁波を照射するステップと、
前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信するス
テップと、受信した電磁波を表す信号に、前記第1と第
2の変調信号と同じ周波数を備えた、第1の正弦波復調
信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1の位相差
を有する第2の正弦波復調信号をかけることによって、
前記電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の復調信号
を発生するステップと、システム移相(ψ)を考慮し
て、前記復調信号を分析するステップと、から成る。
【0037】本発明の第2の態様によれば、正弦波復調
信号によって受信した電磁波信号の復調を行うと、第1
と第2の復調信号が発生する。これら第1と第2の復調
信号は、システム移相を考慮し、例えば、マイクロプロ
セッサによって分析される。このシステム移相に基づ
き、分析結果に対するシステム移相の影響を排除するた
め、復調信号の補正に用いられる補正行列の計算が実施
される。本発明の第2の態様によれば、分析結果に対す
るシステム移相の影響は、例えば、システムの中央演算
処理装置において、ソフトウェアで排除することが可能
である。
【0038】本発明の第3の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び後続
の分析を行うための方法において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するステップと、前記第1の変調信号の制御下に
おいて、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の電
磁波を照射するステップと、前記第2の変調信号の制御
下において、前記サンプル内に第1の波長とは異なる第
2の波長を有する第2の電磁波を照射するステップと、
前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信するス
テップと、受信した電磁波に、システム移相と共に、ほ
ぼ360゜の整数倍にあたる、第1と第2の電磁波に対
する受信電磁波の全移相を生じることになる移相を加え
ることによって、遅延受信電磁波を発生するステップ
と、遅延受信電磁波を表す信号に、前記第1と第2の変
調信号と同じ周波数を備えた、第1の正弦波復調信号と
前記第1の正弦波復調信号に対して第1の位相差を有す
る第2の正弦波復調信号をかけることによって、前記遅
延受信電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の復調信
号を発生するステップと、前記復調信号を分析するステ
ップと、から成る。
【0039】本発明の第3の態様によれば、分析結果に
対するシステム移相の影響が、受信した電磁波に移相を
加えて、送信電磁波に対する受信電磁波の全移相が、ほ
ぼ360゜の整数倍になるようにすることによって排除
される。この360゜の整数倍の全移相によって、受信
電磁波のチャネル間におけるクロス・トークの軽減が確
実なものになる。
【0040】本発明の第4の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び後続
の分析を行うための装置において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するための手段と、前記第1の変調信号の制御下
において、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の
電磁波を照射するための手段と、前記第2の変調信号の
制御下において、前記サンプル内に第1の波長とは異な
る第2の波長を有する第2の電磁波を照射するための手
段と、前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信
するための手段と、受信した電磁波を表す信号に、前記
第1と第2の変調信号と同じ周波数で、前記第1と第2
の変調信号に対する位相差がシステム移相に相当する、
第1の正弦波復調信号と前記第1の正弦波復調信号に対
して第1の位相差を有する第2の正弦波復調信号をかけ
ることによって、前記電磁波を表す信号を復調し、第1
と第2の復調信号を発生するための手段と、前記復調信
号を分析するための手段と、を備える。
【0041】本発明の第5の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び後続
の分析を行うための装置において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するための手段と、前記第1の変調信号の制御下
において、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の
電磁波を照射するための手段と、前記第2の変調信号の
制御下において、前記サンプル内に第1の波長とは異な
る第2の波長を有する第2の電磁波を照射するための手
段と、前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信
するための手段と、受信した電磁波を表す信号に、前記
第1と第2の変調信号と同じ周波数を備えた、第1の正
弦波復調信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1
の位相差を有する第2の正弦波復調信号をかけることに
よって、前記電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の
復調信号を発生するための手段と、システム移相を考慮
して、前記復調信号を分析するための手段と、を備え
る。
【0042】本発明の第6の態様によれば、サンプル内
に電磁波を照射することによって患者の医療パラメータ
を測定し、前記サンプルを通った電磁波の測定及び後続
の分析を行うための装置において、周波数が同じで、ほ
ぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号
を発生するための手段と、前記第1の変調信号の制御下
において、前記サンプル内に第1の波長を有する第1の
電磁波を照射するための手段と、前記第2の変調信号の
制御下において、前記サンプル内に第1の波長とは異な
る第2の波長を有する第2の電磁波を照射するための手
段と、前記サンプルを通った両方の波長の電磁波を受信
するための手段と、受信した電磁波に、システム移相と
共に、ほぼ360゜の整数倍にあたる、第1と第2の電
磁波に対する受信電磁波の全移相を生じることになる移
相を加えることによって、遅延受信電磁波を発生するた
めの手段と、遅延受信電磁波を表す信号に、前記第1と
第2の変調信号と同じ周波数を備えた、第1の正弦波復
調信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1の位相
差を有する第2の正弦波復調信号をかけることによっ
て、前記遅延受信電磁波を表す信号を復調し、第1と第
2の復調信号を発生するための手段と、前記復調信号を
分析するための手段と、を備える。
【0043】本発明の望ましい実施例によれば、変調信
号の周波数は、約f=275ヘルツに決定される。この
選択によって、商用電源周波数に変動が生じても、ある
いは、それが不安定であったとしても、変調周波数の主
たるスペクトル線は、50ヘルツ及び60ヘルツの商用
電源周波数に関するノイズ帯域の高調波間に位置するの
が最適であるという保証が得られる。(詳細な説明を参
照されたい)。従って、変調周波数の選択は、ノイズの
ない信頼できる測定に寄与することになる。
【0044】変調信号自体は、正弦波とすることが可能
であり、この場合、数学理論は特に容易になる。一方、
方形波または矩形波を用いることも可能である。方形波
は、発生しやすく、もう1つの関連利点を備えている。
すなわち、個々のチャネルにおける信号強度に対処する
ために、基本周波数を変更しなくても、デューティ・サ
イクルを簡単に変更することが可能である。(変調信号
の形状と復調に用いられる信号の形状を混同してはなら
ない。本発明によれば、後者は常に正弦波信号でなけれ
ばならない)。
【0045】本発明の望ましい実施例の場合、乗算器の
出力信号がそれに通して送られる、低域フィルタが設け
られる。同様に、電磁波の受信器と復調器の間に接続さ
れた帯域フィルタを利用するのが有効である。この帯域
フィルタは、高調波、及び、ノイズの基本周波数さえブ
ロックし、さらに、後続のアナログ・デジタル変換のた
めに折り返しノイズ除去フィルタとして機能する。
【0046】前述のように、本発明の主たる用途は、パ
ルス酸素飽和度測定である。この場合、生体内で検査さ
れる生体材料は、患者の組織である。電磁波は、光の可
視スペクトル及びその隣接スペクトル、とりわけ、赤色
光及び/または赤外光から選択された波が望ましい。発
光体は、小サイズで、センサに組み込みやすい発光ダイ
オードが有効である。
【0047】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照し、非制
限例によって、本発明の望ましい実施例の説明を行うこ
とにする。
【0048】図1には、本発明による2波長パルス・オ
キシメータのブロック図が示されている。マイクロコン
トローラまたはCPU(中央演算処理装置)28は、オ
キシメータの動作全体を制御する。すなわち、CPU
は、測定を開始させ、利得を調整し、LED励起のタイ
ミングを制御する。さらに、信号処理の大部分、すなわ
ち、パルス酸素飽和度測定値、脈拍数、潅流指標、及
び、プレチスモグラフ波形の計算が、CPU28によっ
て実施される。こうした算法については、例えば、米国
特許第5、299、120号明細書に記載がある。CP
U28は、さらに、デジタル・リンク30を介して、ホ
スト・モニタ29のような他の装置との通信も可能であ
る。ホスト・モニタ29には、データ及び波形表示能力
が備わっており、警報限界等の制御を行う。ただし、言
うまでもないことではあるが、データ表示、手動入力等
を局所的に実施することも可能である。さらに、CPU
28は、病院情報システムまたは中央ステーションのよ
うな大規模システムとの通信さえ可能である。
【0049】LEDを駆動、すなわち、スイッチするた
めの制御信号が、ライン31を介してCPU28からL
ED駆動回路32に送られる(デジタル・アナログ変換
器は、ここには示されていないが、CPU28に組み込
むことが可能である)。LED駆動回路32には、スイ
ッチ・モードで発光ダイオード(LED)33及び34
を作動させる電流源が含まれている。
【0050】図1において、赤色LEDは33で表示さ
れ、赤外LEDは34で表示されている。両方のLED
並びにフォトダイオード35は、適合するセンサに組み
込まれている。こうしたセンサは、当該技術において周
知のところであり、ここで詳述する必要はない。例え
ば、独国特許第3703458号明細書を参照された
い。図1に示す構成要素の残りは、センサには組み込ま
れず、適合するモニタ、信号ピック・アップ・ボックス
等に組み込まれる。
【0051】LED駆動回路32は、逆並行モードでL
ED33及び34を作動させる。すなわち、赤色LED
33は、ある極性のパルスによって作動し、赤外LED
34は、逆の極性のパルスによって作動する。この設計
には、センサと関連モニタとの間の接続を少なくするこ
とが必要になるが、本発明の実施に必要な前提条件では
ない。
【0052】次に、図2を参照して、LED駆動回路3
2によって発生するパルスのタイミングについて解説す
ることにする。図示例の場合、これらのパルスは、矩形
であるが、正弦波の形状にすることもできるし、あるい
は、適合する他の任意の形状を取り入れることも可能で
ある。
【0053】赤色LED33の駆動パルスが36で表示
されている。もう1つのパルス37(図2には示されて
いない、逆極性の)が、赤外LED34を駆動する。パ
ターン全体がt=TLEDから再開され、TLEDの時間間隔
によって、360゜の完全なサイクルが決まる。本発明
によるパルス・オキシメータにおいて選択されたタイミ
ングに関する重要な設計上の特徴は、赤色LED及び赤
外LEDのパルスが、それぞれ、90゜オフセットして
いるという点である。参照番号38参照。(タイミング
に関して、この移相はTLED/4に対応する。)90゜
の移相に関する基準線は、それぞれ、赤色パルスと赤外
パルスの中心である。赤色信号と赤外信号のバランスを
とるのに、デューティ・サイクルの調整が必要または望
ましい場合、これが重要になる。こうしたデューティ・
サイクルの調整は、矢印39a〜39dによって示すパ
ルスの一方または両方のパルス長を適合させることを意
味している。
【0054】次に図1に戻ると、LED33及び34に
よって発生する光パルスが、指40で表示のような人体
組織を通り、フォトダイオード35に受信される。フォ
トダイオードの出力信号は、光増幅器41に送られる。
この光増幅器は、フォトダイオードの光電流を電圧に変
換する。先行技術による多重化システムとは対照的に、
本発明の場合、その帯域幅はfLEDに制限することが可
能である。その利得は、できるだけ高くなるように、た
だし、予測される最大光電流の限界内において選択され
る。
【0055】参照番号42は、帯域フィルタを表してい
る。該ステージの主たる目的は、帯域外ノイズをブロッ
クし、アナログ/デジタル変換のための折り返しノイズ
除去フィルタとして機能することにある。通過帯域は、
中心周波数fLED付近においてできるだけ狭くなるよう
に指定される。その帯域幅は、生理的脈拍信号の帯域幅
よりわずかに広いだけである。復調信号に影響がないの
で、LEDサンプリング周波数の任意の高調波をブロッ
クすることが可能である。
【0056】プログラマブル利得増幅器43(CPU2
8によってライン44を通じて制御される)によって、
フィルタリングを施された信号がアナログ・デジタル変
換器(ADC)45の入力範囲内に納まるという保証が
得られる。従って、それは、光電信号の大きい動的変動
性に適合するために用いられる。パルス酸素飽和度測定
センサは、身体の全く異なる位置に用いられるので、発
光体と受光体との間におけるさまざまな組織のタイプ及
び厚さによって、光の強度が大幅に異なることになる。
増幅器の利得は、CPUの制御を受け、その出力振幅
が、良好な量子化のため、アナログ・デジタル変換器の
フル・スケールの入力範囲に相応するように適合させら
れる。
【0057】デジタル信号プロセッサ(DSP)46
は、ある程度、本発明の「核心」をなすものである。該
DSPは、受信した、フィルタリングを施され、デジタ
ル化されたパルスを正弦波関数によって復調する。図示
実施例の場合、この復調は、デジタル領域において、す
なわち、デジタル・プロセッサによって実施されるが、
実際のところ、DSP46の機能性は、CPU28によ
って得ることも可能である。しかし、これは必要な要件
ではなく、DSP46は、デジタル・テクノロジまたは
アナログ・テクノロジによる独立した信号プロセッサと
することも可能である。DSP46の主たる機能は、復
調、低域フィルタリング、及び、ダウン・サンプリング
である。
【0058】DSP46によって得られる機能性を説明
するため、次に図3を参照する。ADC45の出力信号
A(t)が、2つの乗算器47及び48に送られ、それ
ぞれ、正弦波関数sin(ωLEDt)及びcos(ωLED
t)との乗算が実施される。熟練者にはすぐ分かるよう
に、sin(90゜+α)=cos(α)のため、サイ
ン関数及びコサイン関数の利用は、90゜の移相に相当
する。復調信号は、次に、ライン49及び50を介し
て、それぞれのデジタル低域フィルタ51及び52に送
られる。その機能性については、さらに詳細に後述す
る。
【0059】数学理論に関する以下の論考について、L
EDは、その発光が、例えば、サイン関数に関する赤色
LEDとコサイン関数に関する赤外LEDといったよう
に、90゜だけ位相のずれた純粋な正弦波になるように
駆動されるものと仮定する。実際の実施例の場合、上述
のように、これはあてはまらないが、正弦波駆動を仮定
することによって、数学的背景の説明をより容易に行う
ことが可能になる。
【0060】ADC45の出力、すなわち、DSP46
に対する入力は、 A(t)=AR(t)+AIR(t) …(2) であり、 AR(t)=AR *sin(2π*LED *t+ψ) …(3a) AIR(t)=AIR *cos(2π*LED *t+ψ) …(3b) ここで、ψは、本書においてシステム移相とも呼ばれ
る、LED光信号とADC出力におけるデジタル化受光
器信号との間の移相であり、ωLED=2π*LEDであ
る。
【0061】AR及びAIR自体は、患者の脈拍にによっ
て変調される。 AR=SR(t) …(4a) AIR=SIR(t) …(4b) ここで、SR及びSIRは、直流成分と交流成分から構成
される。(直流成分は、定組織吸光度をあらわし、交流
成分は、脈動性血量変化による可変吸光度に関するもの
である)。
【0062】正弦波に関する乗算としての復調は、乗算
器47及び48の出力において、 DR(t)=A(t)*R(t) …(5a) DIR(t)=A(t)*IR(t) …(5b) となり、 MR(t)=sin(ωLED *t+σ) …(5c) DIR(t)=cos(ωLED *t+σ) …(5d)
【0063】さらに詳細に後述するように、CPUは、
復調器移相σがシステム移相ψに等しくなるように、シ
ステム移相ψを決定するプログラミングが施されてい
る。
【0064】復調器移相σがシステム移相ψに等しい
(σ=ψ)ものと仮定し、方程式を解くと下記の方程式
が得られる。 DR(t)=1/2 AR−1/2 AR *cos(2ωLED *t+2ψ) +1/2AIR *sin(2ωLED *t+2ψ) …(6a) DIR(t)=1/2AIR−1/2AIR *cos(2ωLED *t+2ψ) +1/2AR *sin(2ωLED *t+2ψ) …(6b)
【0065】これまで、復調信号には、和周波数と差周
波数の両方が含まれている。これらの信号は、次に、カ
ット・オフ周波数が脈拍の生理的帯域幅をちょうど超え
るデジタル低域フィルタ51及び52を介して送られ
る。理想の低域フィルタの場合、この働きによって、変
調周波数fLEDの全高調波が遮断される。
【0066】この場合、低域フィルタ51及び52の出
力は、 LR(t)=1/2AR …(7a) LIR(t)=1/2AIR …(7b)
【0067】これらの信号は、フォトダイオードにおけ
る赤色及び赤外信号の吸光度に対応するのが理想であ
る。信号AR及びAIRは一定ではなく、脈拍それ自体に
よって変調されるという点に留意されたい。
【0068】この場合、信号LR(t)及びLIR(t)
は狭帯域信号であるが、これは、データ転送速度が標準
的なダウン・サンプリング技法にとって望ましいレベル
まで低下することを表している。さらに言うまでもない
ことではあるが、電気的干渉または光学的干渉のよう
に、受信信号における他の全ての周波数が、本発明によ
る方法によって完全にブロックされる。この結果、極め
て純粋な、ノイズのない信号が再構成されることにな
る。従って、最低周波数であっても、干渉のない変調帯
域を選択することが可能になる。本発明の望ましい実施
例の場合、LED変調周波数は、fLED=275ヘルツ
となるように選択される。
【0069】先行技術による時間多重化アプローチと比
較した本発明の利点、とりわけ、できれば位相を90゜
オフセットさせた、正弦波に関する復調の利点について
説明するため、次に、図4を参照する。この図には、図
12と同様の表現によって典型的なスペクトルが示され
ている。ただし、図4には、LED変調周波数の高調波
の一部、及び、商用電源周波数の高調波の一部が一致す
るため、いっそう微妙なケースが示されている。参照番
号53及び54がこうしたケースに関連する。 2*LED=3* Line(参照番号53) …(8a) 4*LED=6* Line(参照番号54) …(8b)
【0070】一方、本発明による復調技法は、次に図5
によって明らかにするように、商用電源周波数の高調波
をフィルタリングによって除去することも可能である。
【0071】本発明による直交復調技法とサンプリング
を組み合わせることによって、和周波数及び差周波数が
発生すると共に、関連スペクトルのシフトが生じること
になる。周波数のシフト量は、fdemod、すなわち、こ
の場合、LED変調周波数fL EDと同じである、復調に
用いられるサイン関数の周波数である。図5には、シフ
トしたスペクトル(全部で2つ)、すなわち、+f
demodだけシフトしたスペクトル(上方のグラフ)、及
び、−fdemodだけシフトしたスペクトル(上から2番
目のグラフ)が示されている。(周波数の表示は、シフ
トを除けば、両グラフとも同じであるため、上方のグラ
フにだけにしか示されていない)。
【0072】結果得られるスペクトルが、下方のグラフ
に示されている。低域フィルタが、ベース・バンドをフ
ィルタリングによって除去し、それより高い全ての周波
数をブロックする(その減衰特性が参照番号55によっ
て示されている)。すぐに分かるように、ベース・バン
ド信号には、電力線または他の干渉源の高調波から結果
として生じるノイズが含まれていないので、先行技術の
アプローチに対して本発明を大いに有利にしている。
【0073】以下は、分析結果からシステム移相ψの影
響を排除するのに有効な、本発明の望ましい実施例に関
する詳細な説明である。
【0074】第1の実施例によれば、例えば図1に示す
システムのシステム移相ψが求められ、求められたシス
テム移相ψに基づいて、第1と第2の変調信号に対する
正弦波復調信号の移相σが調整される。
【0075】重要な機能は、システムの移相ψを測定す
る能力である。この移相ψは、各LEDを駆動する励起
信号とA/D変換器によってサンプリングされる受信信
号との間の位相差と定義される。
【0076】CPUにおけるソフトウェア・ルーチン
は、パワー・アップ時に決まってその測定を実施し、通
常動作中、選択された事象を実施する。事象は、プログ
ラムされた時間間隔、接続されるセンサの変更、プログ
ラマブル利得増幅器の利得、従って、そのフィルタ特性
の変更等とすることが可能である。
【0077】引き続き、システム移相ψを求める手順に
関する特定の実施例について説明を行うことにする。
【0078】まず、通常の動作モードが中断される。赤
色LEDが使用禁止になり、赤外LEDはその通常モー
ドで駆動される。次に、望ましい実施例の場合、省略時
位相σ=σDEFが、復調器に加えられる。低域フィルタ
が整定するまでの数ミリ秒の待機時間が経過すると、赤
色チャネルLR´及び赤外チャネルLIR´における実時
間値が記憶される。この記憶された実時間値に基づい
て、復調器に加えられる正確な移相σが計算される(下
記の方程式を参照されたい)。後で、正確な移相σが復
調器に加えられる。
【0079】引き続き、赤色LEDが再び使用可能にな
る。低域フィルタが整定するまで待った後、通常の動作
モードが再開される。
【0080】正確な移相σの計算は、下記の方程式によ
って実施される。 σ=σDEF +ε …(13) なお、ε=arctan(L´R/L´IR
【0081】図6に示すベクトル図によって、位相測定
中の状況が明らかにされている。L´Rによって表示の
矢印は、赤色復調ベクトルを表している。L´IRによっ
て表示の矢印は、赤外復調ベクトルを表している。これ
らの矢印の間に配置された矢印は、受信電磁波A(t)
を表している。すなわち、位相測定中はAR(t)=0
のため、A(t)=AIR(t)。この位相調整ベクトル
図は、調整前の状況を表している。
【0082】省略時位相(σDEF)が既に正確であれ
ば、赤色チャネルにおける復調信号の値は、0に近くな
る。一般に、省略時位相(または先行調整による位相)
が正確な値に近いだけであるため、すなわち、補正角度
ε≠0のため、赤外励起によるクロス・トークLR´が
存在する。
【0083】図7に示すベクトル図は、位相調整を施し
た後の状況を明らかにしている。左側の矢印LRは、調
整済みの赤色復調ベクトルを表している。右側の矢印L
IRは、調整済みの赤外復調ベクトルを表している。中間
の矢印は、電磁波AR(t)(赤色励起)と電磁波AIR
(t)(赤外励起)を結合した受信電磁波A(t)を表
している。図7から分かるように、復調器に加えるべき
正確な移相σは、システム移相ψに一致する。
【0084】この自動位相調整の利点は、それによっ
て、温度、劣化、及び、コンポーネントの許容のために
生じる可能性のある移相及びドリフトが補償されるとい
うことである。それは、また、センサ特性の変化にも適
応する。自動調整のこの実施例のもう1つの利点は、プ
レチスモグラフ信号が赤外LEDから導き出される場
合、連続プレチスモグラフ波形を中断することなく、該
調整を施すことができるということである。
【0085】もちろん、基本概念を変えることなく、赤
色及び赤外の役割を交換することが可能である。
【0086】復調移相を調整して、システム移相と一致
させる(σ=ψ)もう1つの利点は、復調され、フィル
タリングを施された信号LR及びLIRが正だけであると
いうことである。これによって、符号付き整数値を見込
んで、数値範囲が2の係数によって制限されるのが回避
される。
【0087】以下は、本発明に基づいてシステム移相ψ
を補償するもう1つの方法の望ましい実施例である。下
記の方法は、やはり、上述のようにシステム移相を求め
るが、後で補償を加えるものではない。それどころか、
補正計算において、求められたまたは測定された移相ψ
を利用する。
【0088】最初に、復調器は任意の固定位相で働いて
いる。下記例の場合、方程式を単純化するため、σ=σ
DEF=0に設定されている。
【0089】方程式(1)を(5d)に用いると、 DR(t)=1/2 AR[cos(ψ)−cos(2ωLED *t+σ)] +1/2 AIR[sin(−ψ)*sin(2ωLED *t+σ)] …(14a) DIR(t)=1/2 AR[sin(ψ)+sin(2ωLED *t+σ)] +1/2 AIR[cos(ψ)*cos(2ωLED *t+σ)] …(15a) σ=0に設定すると、 DR(t)=1/2 AR[cos(ψ)−cos(2ωLED*t)] +1/2 AIR[sin(−ψ)*sin(2ωLED*t)] …(14b) DIR(t)=1/2 AR[sin(ψ)+sin(2ωLED*t)] +1/2 AIR[cos(ψ)*cos(2ωLED*t)] …(15b) 低域フィルタリングを施すと、出力信号は、 LR(t)=1/2 AR *cos(ψ)+1/2 AR *sin(−ψ) …(16) LIR(t)=1/2 AR *sin(ψ)+1/2 AIR *cos(ψ) …(17) 方程式(16)及び方程式(17)に基づき、行列は次
のように定義することができる。
【0090】
【数1】
【0091】フォトダイオード35が受信する電磁波
は、入力ベクトルとして次のように書くことができる。
【0092】
【数2】
【0093】DSP46による復調後、出力ベクトルは
次のように定義することができる。
【0094】
【数3】
【0095】行列[C]、入力ベクトル[A]、及び、
出力ベクトル[L]に基づき、下記の行列補正の計算を
行うことによって、もとの信号(AR 及びAIR)を絶え
ず回復することが可能である。 [A]=[C]-1・[L] …(21) [C]-1は、[C]の逆行列である。
【0096】位相測定手順は、下記の通りである。
【0097】まず、通常動作モードが中断され、赤色L
EDが使用禁止になり、赤外LEDが通常モードで連続
駆動される。低域フィルタが整定するまで数ミリ秒待っ
た後、「赤色」チャネルLR´及び「赤外」チャネルL
IRにおける実時間値が記憶される。引き続き、方程式
(13)に基づいて、システム移相ψの計算が行われ
る。赤色LEDが再び使用可能になり、低域フィルタが
整定するまでの待機時間が経過すると、通常動作モード
が再開される。
【0098】この場合の通常動作モードは、あらかじめ
求められた移相ψに関して方程式(21)を適用するこ
とである。上述の補正計算は、例えば、CPU28によ
って実施可能である。
【0099】本発明に従って「赤色」チャネルと「赤
外」チャネルとの間における信号の相互結合を克服する
ためのもう1つの方法は、受光器と復調器との間の信号
経路における任意の場所に全通過フィルタを利用するこ
とである。全通過フィルタは、移相器の機能を備えてい
る。この全通過フィルタは、励起基本周波数fLEDにお
ける移相がδであることが望ましく、これによって、次
のようになる。 δ+ψ=n*360゜ …(22) (n=1、2、...)
【0100】こうしたフィルタは、プログラマブル・フ
ィルタ定数によってデジタル領域で実現されるのが理想
である。こうしたデジタル領域における全域通過フィル
タの位相特性は、測定されたまたは求められたシステム
移相に基づいて調整することが可能である。この場合、
位相測定手順は、下記の通りである。
【0101】最初に、通常動作モードが中断され、赤色
LEDが使用禁止になり、赤外LEDが連続駆動され、
全通過機能がオフになる(バイパスされる等)。次に、
低域フィルタが整定するまで、数ミリ秒にわたって待機
する。この待機時間が経過すると、「赤色」チャネルL
Rと「赤外」チャネルLIRにおける実時間値が記憶され
る。これら記憶された値と方程式(13)に基づいて、
システム移相ψが計算される。
【0102】引き続き、全域通過フィルタによって生じ
るのが望ましい移相δが、方程式(22)に基づいて求
められる。この求められた移相フィルタに基づいて、こ
のタイプの全域通過フィルタに適合するフィルタ定数が
選択される。赤色LEDを再び使用可能にし、低域フィ
ルタが整定するまで待機させた後、通常動作モードが再
開される。この場合の通常動作モードは、受光器と変調
器の間の信号経路において受光電磁波の移相δが生じる
ように、求められた特性によって信号流における全域通
過機能を起動することである。
【0103】上述のようにして透過電磁波に対する入力
信号の位相を測定する方法以外に、この位相を測定する
別の方法も存在する。共通するステップは、必ず、LE
Dの強度の少なくとも一方をある既知の量だけ変化させ
ることである。上述の手順は、赤色LEDの強度が0に
設定される特殊なケースである。これによって、最良の
測定分解能が得られ、計算が容易になる。
【0104】しかし、言うまでもないことではあるが、
2つのLEDの強度の一方または組み合わせの既知の変
化を用いることによって、位相を求めることが可能にな
る。強度を0.5といった低下レベルにスイッチするだ
けの利点は、中断を伴わずに、通常のSpO2測定を続
行することができるということである。
【0105】図8を参照すると、移相ψを求めるもう1
つの方法が示されている。この測定の場合、低域フィル
タ側における入力信号の振幅を測定するのではなく、復
調前に、入力信号A(t)とLED駆動信号JR(t)
の間における零交叉の差が測定される。図8には、入力
信号が正弦波の形態で示されている。「赤外」励起波
は、方形波の形態JIR(t)で示されている。図8から
明らかなように、システム移相ψに一致するこの2つの
波形の位相差ψは、これら両方の信号の負の零交叉に基
づいて求められる。この方法によって求められた移相
は、方程式(13)に基づいて求められた移相と同じよ
うに利用することが可能である。
【0106】当該技術の熟練者には明らかなように、本
書に開示の正弦波復調の原理は、多波長酸素飽和度測定
にも適用可能である。第3及び第4のLEDが用いられ
る場合、もう1つのLED周波数を選択しなければなら
ない。一般に、n個のLEDの場合、n/2の変調周波
数を利用しなければならないが、これは、ただ単に、直
交位相モードにおいては、各周波数チャネル毎に2つの
独立した情報データを納めることが可能であるという理
由によるものである。これらの異なる変調周波数に関す
る唯一の条件は、それらが脈拍の生理的帯域幅よりも大
きくオフセットしているということである。
【0107】もちろん、直交位相の概念は用いず、正弦
波復調だけを用いる2つのLEDパルス・オキシメータ
に、正弦波復調を適用することも可能である。
【0108】このシステムの干渉イミュニティの多大の
利点は、医療計測だけでなく、周囲ノイズが問題となる
他のセンサ測定にも適用可能である。励起が刺激に用い
られる場合には常に可能である。例えば、チョップ電源
を備えた圧力歪み計または分光装置のようなブリッジに
おけるインピーダンス測定がある。
【0109】以下、上記実施の形態を段階的に述べる。
【0110】1.サンプル(40)内に電磁波を照射す
ることによって患者の医療パラメータを測定し、前記サ
ンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析を
行うための医療用モニタ方法において、(1.1)周波
数が同じで、ほぼ90゜の第1の位相差を有する第1と
第2の変調信号を発生するステップと、(1.2)前記
第1の変調信号の制御下において、前記サンプル(4
0)内に第1の波長を有する第1の電磁波を照射するス
テップと、(1.3)前記第2の変調信号の制御下にお
いて、前記サンプル(40)内に第1の波長とは異なる
第2の波長を有する第2の電磁波を照射するステップ
と、(1.4)前記サンプル(40)を通った両方の波
長の電磁波(A(t))を受信するステップと、(1.
5)受信した電磁波(A(t))を表す信号に、前記第
1と第2の変調信号と同じ周波数で、前記第1と第2の
変調信号に対する位相差(σ)がシステム移相(ψ)に
相当する、第1の正弦波復調信号と前記第1の正弦波復
調信号に対して第1の位相差を有する第2の正弦波復調
信号をかけることによって、前記電磁波を表す信号を復
調し、第1と第2の復調信号(DR(t)、D
IR(t))を発生するステップと、(1.6)前記復調
信号を分析するステップと、から成る医療用モニタ方
法。
【0111】2.前記システム移相(ψ)を求めるステ
ップと、前記求められたシステム移相(ψ)に基づい
て、第1と第2の変調信号に対して第1と第2の正弦波
信号の前記移相(ψ)を調整するステップとが含まれる
ことを特徴とする上記1に記載の方法。
【0112】3.サンプル(40)内に電磁波を照射す
ることによって患者の医療パラメータを測定し、前記サ
ンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析を
行うための方法において、(3.1)周波数が同じで、
ほぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信
号を発生するステップと、(3.2)前記第1の変調信
号の制御下において、前記サンプル(40)内に第1の
波長を有する第1の電磁波を照射するステップと、
(3.3)前記第2の変調信号の制御下において、前記
サンプル(40)内に第1の波長とは異なる第2の波長
を有する第2の電磁波を照射するステップと、(3.
4)前記サンプル(40)を通った両方の波長の電磁波
(A(t))を受信するステップと、(3.5)受信し
た電磁波を表す信号に、前記第1と第2の変調信号と同
じ周波数を備えた、第1の正弦波復調信号と前記第1の
正弦波復調信号に対して第1の位相差を有する第2の正
弦波復調信号をかけることによって、前記電磁波を表す
信号を復調し、第1と第2の復調信号(DR(t)、D
IR(t))を発生するステップと、(3.6)システム
移相(ψ)を考慮して、前記復調信号を分析するステッ
プと、から成る方法。
【0113】4.前記分析ステップが、前記システム移
相(ψ)を求めるステップと、前記求められたシステム
移相(ψ)に基づいて前記復調信号(DR(t)、DI R
(t))を補正するステップと、から成ることを特徴と
する上記3に記載の方法。
【0114】5.前記分析ステップが、前記システム移
相(ψ)を求めるステップと、
【0115】
【数4】
【0116】に従ってシステム移相に基づく行列[C]
を計算するステップと、行列[C]に基づいて逆行列
[C]-1を計算するステップと、復調信号の振幅LR
IRに基づいて、
【0117】
【数5】
【0118】を求めるステップと、補正出力ベクトル
[A]=[C]-1・[L]を計算するステップと、から
成ることを特徴とする上記3または4に記載の方法。
【0119】6.前記システム移相(ψ)を求める前記
ステップに、第1と第2の電磁波の一方の振幅を縮小す
るステップと、第1と第2の復調信号(DR(t)、D
IR(t))の振幅を測定するステップと、第1と第2の
復調信号(DR(t)、DIR(t))の測定された振幅
に基づいてシステム移相(ψ)を求めるステップと、が
含まれることを特徴とする上記2、4または5に記載の
方法。
【0120】7.前記システム移相(ψ)を求める前記
ステップに、第1と第2の電磁波の一方の振幅を縮小す
るステップと、受信電磁波と第1と第2の電磁波のもう
一方との間の零交叉の差を求めるステップと、が含まれ
ることを特徴とする上記2、4または5に記載の方法。
【0121】8.サンプル(40)内に電磁波を照射す
ることによって患者の医療パラメータを測定し、前記サ
ンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析を
行うための方法において、(8.1)周波数が同じで、
ほぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信
号を発生するステップと、(8.2)前記第1の変調信
号の制御下において、前記サンプル(40)内に第1の
波長を有する第1の電磁波を照射するステップと、
(8.3)前記第2の変調信号の制御下において、前記
サンプル(40)内に第1の波長とは異なる第2の波長
を有する第2の電磁波を照射するステップと、(8.
4)前記サンプル(40)を通った両方の波長の電磁波
(A(t))を受信するステップと、(8.5)受信し
た電磁波に、システム移相(ψ)と共に、ほぼ360゜
の整数倍にあたる、第1と第2の電磁波に対する受信電
磁波の全移相を生じることになる移相(σ)を加えるこ
とによって、遅延受信電磁波を発生するステップと、
(8.6)遅延受信電磁波を表す信号に、前記第1と第
2の変調信号と同じ周波数を備えた、第1の正弦波復調
信号と前記第1の正弦波復調信号に対して第1の位相差
を有する第2の正弦波復調信号をかけることによって、
前記遅延受信電磁波を表す信号を復調し、第1と第2の
復調信号(DR(t)、DIR(t))を発生するステッ
プと、(8.7)前記復調信号(DR(t)、D
IR(t))を分析するステップと、から成る方法。
【0122】9.前記移相(σ)が、プログラマブル・
フィルタ定数を備えるデジタル全域通過フィルタによっ
て、受信電磁波に加えられることを特徴とする上記8に
記載の方法。
【0123】10.前記移相(σ)が、第1と第2の電
磁波の一方の振幅を縮小するステップと、第1と第2の
復調信号(DR(t)、DIR(t))の振幅を測定する
ステップと、第1と第2の復調信号の測定された振幅に
基づいて、システム移相(ψ)を求めるステップと、移
相(σ)を調整し、システム移相(ψ)と共に、360
゜の整数倍の移相を生じるようにするステップと、に従
って調整されることを特徴とする上記8または9に記載
の方法。
【0124】11.第1と第2の電磁波の一方の振幅を
縮小するステップが、この電磁波の振幅をオフにするこ
とから成ることを特徴とする上記6、7または10に記
載の方法。
【0125】12.前記第1と第2の変調信号の周波数
が、基本的にf=275ヘルツであることを特徴とする
上記1乃至11の何れか1つに記載の方法。
【0126】13.前記第1と第2の変調信号が正弦波
信号であることを特徴とする上記1乃至12の何れか1
つに記載の方法。
【0127】14.前記第1と第2の変調信号が正弦波
信号であることを特徴とする上記1乃至11の何れか1
つに記載の方法。
【0128】15.復調信号(DR(t)、D
IR(t))に低域フィルタリングを施すステップが含ま
れることを特徴とする上記1乃至14の何れか1つに記
載の方法。
【0129】16.復調ステップの前に、受信した電磁
波に帯域フィルタリングを施すステップが含まれること
を特徴とする上記1乃至15の何れか1つに記載の方
法。
【0130】17.前記電磁波が、赤色光及び/または
赤外光が望ましい、光の可視スペクトル及び/または隣
接スペクトルから選択された波であることを特徴とする
上記1乃至16の何れか1つに記載の方法。
【0131】18.前記医療パラメータが、酸素飽和度
であることを特徴とする上記1乃至17の何れか1つに
記載の方法。
【0132】19.サンプル(40)内に電磁波を照射
することによって患者の医療パラメータを測定し、前記
サンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析
を行うための医療用モニタ装置において、周波数が同じ
で、ほぼ90゜の第1の位相差を有する第1と第2の変
調信号を発生するための手段(32)と、前記第1の変
調信号の制御下において、前記サンプル(40)内に第
1の波長を有する第1の電磁波を照射するための手段
(33)と、前記第2の変調信号の制御下において、前
記サンプル(40)内に第1の波長とは異なる第2の波
長を有する第2の電磁波を照射するための手段(34)
と、前記サンプル(40)を通った両方の波長の電磁波
(A(t))を受信するための手段(35)と、受信し
た電磁波(A(t))を表す信号に、前記第1と第2の
変調信号と同じ周波数で、前記第1と第2の変調信号に
対する位相差(σ)がシステム移相(ψ)に相当する、
第1の正弦波復調信号と前記第1の正弦波復調信号に対
して第1の位相差を有する第2の正弦波復調信号をかけ
ることによって、前記電磁波を表す信号を復調し、第1
と第2の復調信号(DR(t)、DIR(t))を発生す
るための手段(46)と、前記復調信号を分析するため
の手段(28)と、を備える医療用モニタ装置。
【0133】20.さらに、前記システム移相(ψ)を
求め、前記求められたシステム移相(ψ)に基づいて、
第1と第2の変調信号に対して第1と第2の正弦波信号
の前記移相(ψ)を調整するための手段(28)を備え
ることを特徴とする上記19に記載の装置。
【0134】21.サンプル(40)内に電磁波を照射
することによって患者の医療パラメータを測定し、前記
サンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析
を行うための装置において、周波数が同じで、ほぼ90
゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号を発生
するための手段(32)と、前記第1の変調信号の制御
下において、前記サンプル(40)内に第1の波長を有
する第1の電磁波を照射するための手段(33)と、前
記第2の変調信号の制御下において、前記サンプル(4
0)内に第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2
の電磁波を照射するための手段(34)と、前記サンプ
ル(40)を通った両方の波長の電磁波(A(t))を
受信するための手段(35)と、受信した電磁波を表す
信号に、前記第1と第2の変調信号と同じ周波数を備え
た、第1の正弦波復調信号と前記第1の正弦波復調信号
に対して第1の位相差を有する第2の正弦波復調信号を
かけることによって、前記電磁波を表す信号を復調し、
第1と第2の復調信号(DR(t)、DIR(t))を発
生するための手段(46)と、システム移相(ψ)を考
慮して、前記復調信号を分析するための手段(28)
と、を備える装置。
【0135】22.前記分析手段(28)が、前記シス
テム移相(ψ)を求めるための手段と、前記求められた
システム移相(ψ)に基づいて前記復調信号(D
R(t)、DI R(t))を補正するための手段と、を備
えることを特徴とする上記21に記載の装置。
【0136】23.前記分析手段(28)が、前記シス
テム移相(ψ)を求めるための手段と、
【0137】
【数6】
【0138】に従ってシステム移相に基づく行列[C]
を計算するための手段と、行列[C]に基づいて逆行列
[C]-1を計算するための手段と、復調信号の振幅
R、LIRに基づいて、
【0139】
【数7】
【0140】を求めるための手段と、補正出力ベクトル
[A]=[C]-1・[L]を計算するための手段と、を
備えることを特徴とする上記21または22に記載の装
置。
【0141】24.前記システム移相(ψ)を求めるた
めの前記手段が、第1と第2の電磁波の一方の振幅を縮
小するための手段と、第1と第2の復調信号(D
R(t)、DIR(t))の振幅を測定するための手段
と、第1と第2の復調信号(DR(t)、DIR(t))
の測定された振幅に基づいてシステム移相(ψ)を求め
るための手段と、を備えることを特徴とする上記21、
22、または、23に記載の方法。
【0142】24.前記システム移相(ψ)を求めるた
めの前記手段が、第1と第2の電磁波の一方の振幅を縮
小するための手段と、受信電磁波と第1と第2の電磁波
のもう一方との間の零交叉の差を求めるための手段と、
を備えることを特徴とする上記21、22、または、2
3に記載の方法。
【0143】26.サンプル(40)内に電磁波を照射
することによって患者の医療パラメータを測定し、前記
サンプル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析
を行うための装置において、周波数が同じで、ほぼ90
゜の第1の位相差を有する第1と第2の変調信号を発生
するための手段(32)と、前記第1の変調信号の制御
下において、前記サンプル(40)内に第1の波長を有
する第1の電磁波を照射するための手段(33)と、前
記第2の変調信号の制御下において、前記サンプル(4
0)内に第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2
の電磁波を照射するための手段(34)と、前記サンプ
ル(40)を通った両方の波長の電磁波(A(t))を
受信するための手段(35)と、受信した電磁波に、シ
ステム移相(ψ)と共に、ほぼ360゜の整数倍にあた
る、第1と第2の電磁波に対する受信電磁波の全移相を
生じることになる移相(σ)を加えることによって、遅
延受信電磁波を発生するための手段と、遅延受信電磁波
を表す信号に、前記第1と第2の変調信号と同じ周波数
を備えた、第1の正弦波復調信号と前記第1の正弦波復
調信号に対して第1の位相差を有する第2の正弦波復調
信号をかけることによって、前記遅延受信電磁波を表す
信号を復調し、第1と第2の復調信号(DR(t)、D
IR(t))を発生するための手段(46)と、前記復調
信号(DR(t)、DIR(t))を分析するための手段
(28)と、を備える装置。
【0144】27.前記移相(σ)を受信電磁波に加え
るための、プログラマブル・フィルタ定数を有するデジ
タル全域通過フィルタを備えることを特徴とする上記2
6に記載の装置。
【0145】28.さらに、第1と第2の電磁波の一方
の振幅を縮小するための手段と、第1と第2の復調信号
(DR(t)、DIR(t))の振幅を測定するための手
段と、第1と第2の復調信号の測定された振幅に基づい
て、システム移相(ψ)を求めるための手段と、移相
(σ)を調整し、システム移相(ψ)と共に、360゜
の整数倍の移相を生じるようにするための手段と、を備
えることを特徴とする上記26または27に記載の装
置。
【0146】29.第1と第2の電磁波の一方の振幅を
縮小するための手段が、この電磁波の振幅をオフにする
ための手段から成ることを特徴とする上記24、25ま
たは28に記載の装置。
【0147】30.前記第1と第2の変調信号の周波数
が、基本的にf=275ヘルツであることを特徴とする
上記19乃至29の何れか1つに記載の装置。
【0148】31.前記第1と第2の変調信号が、方形
波信号であることを特徴とする上記19乃至30の何れ
か1つに記載の装置。
【0149】32.前記第1と第2の変調信号が、正弦
波信号であることを特徴とする上記19乃至30の何れ
か1つに記載の装置。
【0150】33.変調信号がそれに通して送られるこ
とになる低域フィルタを備えることを特徴とする上記1
9乃至32の何れか1つに記載の装置。
【0151】34.前記電磁波を受ける手段と前記復調
手段との間に接続された帯域フィルタを備えることを特
徴とする上記19乃至33の何れか1つに記載の装置。
【0152】35.前記電磁波が、赤色光及び/または
赤外光が望ましい、光の可視スペクトル及び/または隣
接スペクトルから選択された波であることを特徴とする
上記19乃至34の何れか1つに記載の装置。
【0153】36.前記装置が、パルス・オキシメータ
であることと、前記医療パラメータが、酸素飽和度であ
ることを特徴とする上記19乃至35の何れか1つに記
載の装置。
【0154】37.前記照射手段(33、34)が発光
ダイオードであることを特徴とする上記19乃至36の
何れか1つに記載の装置。
【0155】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電磁
波の干渉の影響を受け難く、雑音環境下、例えば、臨床
環境における多くの電磁波発生源の影響下においても、
優れた測定精度をもたらす医療用モニタ方法を実現する
ことができる。
【0156】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパルス・オキシメータのブロック
図である。
【図2】発光ダイオードの制御に用いられるパルスの形
状及びタイミングを示す図である。
【図3】デジタル信号プロセッサのブロック図である。
【図4】本発明による装置によって処理されるスペクト
ルの一例を示す図である。
【図5】S/N比の向上に対する本発明による直交変調
技法の効果を示す図である。
【図6】移相測定を例示するためのベクトル図である。
【図7】移相測定を例示するためのベクトル図である。
【図8】フィルタリングを施していない信号に対する直
接位相測定を例示するための略図である。
【図9】先行技術によるオキシメータのブロック図であ
る。
【図10】先行技術によるオキシメータによって放射さ
れるパルス列のタイミング図である。
【図11】先行技術によるオキシメータによって受信さ
れるパルス列のタイミング図である。
【図12】復調前の先行技術による時間多重化オキシメ
ータのスペクトルを示す図である。
【図13】先行技術によるオキシメータにおけるスペク
トルに対する復調の効果を示す図である。
【符号の説明】
28 CPU 29 ホスト・モニタ 30 デジタル・リンク 32 LED駆動回路 33 赤色LED 34 赤外LED 35 フォトダイオード 40 指 41 光増幅器 42 帯域フィルタ 43 プログラマブル利得増幅器 45 アナログ・デジタル変換器 46 デジタル信号プロセッサ 47、48 乗算器 51、52 デジタル低域フィルタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル(40)内に電磁波を照射する
    ことによって患者の医療パラメータを測定し、前記サン
    プル(40)を通った電磁波の測定及び後続の分析を行
    うための医療用モニタ方法において、 (1.1)周波数が同じで、ほぼ90゜の第1の位相差
    を有する第1と第2の変調信号を発生するステップと、 (1.2)前記第1の変調信号の制御下において、前記
    サンプル(40)内に第1の波長を有する第1の電磁波
    を照射するステップと、 (1.3)前記第2の変調信号の制御下において、前記
    サンプル(40)内に第1の波長とは異なる第2の波長
    を有する第2の電磁波を照射するステップと、 (1.4)前記サンプル(40)を通った両方の波長の
    電磁波(A(t))を受信するステップと、 (1.5)受信した電磁波(A(t))を表す信号に、
    前記第1と第2の変調信号と同じ周波数で、前記第1と
    第2の変調信号に対する位相差(σ)がシステム移相
    (ψ)に相当する、第1の正弦波復調信号と前記第1の
    正弦波復調信号に対して第1の位相差を有する第2の正
    弦波復調信号をかけることによって、前記電磁波を表す
    信号を復調し、第1と第2の復調信号(DR(t)、D
    IR(t))を発生するステップと、 (1.6)前記復調信号を分析するステップと、から成
    る医療用モニタ方法。
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