JPH09100136A - 近赤外吸収フィルターガラス - Google Patents

近赤外吸収フィルターガラス

Info

Publication number
JPH09100136A
JPH09100136A JP19105596A JP19105596A JPH09100136A JP H09100136 A JPH09100136 A JP H09100136A JP 19105596 A JP19105596 A JP 19105596A JP 19105596 A JP19105596 A JP 19105596A JP H09100136 A JPH09100136 A JP H09100136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
filter glass
infrared absorption
composition range
absorption filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19105596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikonori Oguma
孫権 小熊
Kazuo Tatewana
一雄 立和名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP19105596A priority Critical patent/JPH09100136A/ja
Publication of JPH09100136A publication Critical patent/JPH09100136A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/082Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for infrared absorbing glass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来用いられていた燐酸塩系ガラスよりも紫
外部に於いて優れた透過率特性を有し、また容易に大量
生産可能なガラスの安定性と加工性を有し、かつ充分な
耐候性を有する近赤外吸収フィルターガラスを提供す
る。 【解決手段】 重量%で P25 35〜50% Li2O 0〜5% Na2O 0〜12% K2O 0〜20% Cs2O 0〜20% R2O(Rはアルカリ金属である) 1.5〜20% ZnO 17〜48% MgO 0〜7% CaO 0〜7% SrO 0〜7% BaO 0〜12% R′O(R′はアルカリ土類金属である) 0〜15% CuO 0.2〜12% を含むことを特徴とする近赤外吸収フィルターガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近赤外吸収フィルタ
ーガラスに係り、詳しくは400〜600nmの光を高
透過し、600nm付近からの近赤外光を選択的に吸収
する分光特性を有し、特にカラーVTRカメラの色補正
のために利用されるフィルターガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近赤外吸収フィルターガラスは、従来か
ら種々検討され実用化されてきている。
【0003】例えば特開昭62−128943号公報に
は、重量%で60〜90%のP25、7.5〜20%の
Al23 、0〜15%のB23+SiO2、1〜25%
のBaO+MgO+CaO+SrO、0〜15%Y23
+La23+ZrO2+Ta25+TiO2、0〜10%
のPbO、0.4〜15.0%のCuOからなるカラー
ドガラスが開示されている。
【0004】又、特開平4−104918号公報には重
量%で、60〜80%のP25 、3〜11%のAl2
3 、3〜9.5%のBaO、3〜20%のMgO+Ca
O+BaO+SrO、1〜5.5%のLi2O、1〜1
0%のLi2O+Na2O+K2O、0〜5%のSiO2
23 、0〜5%のZrO2+TiO2+Y23+La2
3 、0.2〜10%のCuOからなる燐酸塩ガラスス
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭6
2−128943号公報および特開平4−104918
号公報に開示されているガラスは、P25を多量に含有
するため化学的耐久性が低く長期間の使用が困難であ
る。また化学的耐久性を改善すべくAl23を比較的多
量含有させると溶融温度が上昇し、その結果Cu2+が還
元され、紫外域に吸収をもつCu+イオンにより400
nm付近の透過率が低いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究した結果、CuOを含む燐酸塩系
近赤外吸収ガラスを得ようとした場合、P25が35〜
50%の組成域において、ZnOを比較的に多量に含有
させ、アルカリ金属酸化物を適量添加することにより、
近赤外吸収フィルターとして有用な400〜600nm
における高透過特性と600nm以上におけるシャープ
な吸収特性とを有し、かつ熱膨張係数が小さく、化学的
耐久性が良いガラスが得られることを見い出した。
【0007】本発明はこの知見に基づいて完成されたも
のであり、重量%で P25 35〜50% Li2O 0〜5% Na2O 0〜12% K2O 0〜20% Cs2O 0〜20% R2O(Rはアルカリ金属である) 1.5〜20% ZnO 17〜48% MgO 0〜7% CaO 0〜7% SrO 0〜7% BaO 0〜12% R′O(R′はアルカリ土類金属である) 0〜15% CuO 0.2〜12% を含むことを特徴とする近赤外吸収フィルターガラスを
要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の近赤外吸収フィルターガ
ラスは、P25を35〜50%、Li2Oを0〜5%、
Na2Oを0〜12%、K2Oを0〜20%、Cs2Oを
0〜20%、R2O(Rはアルカリ金属である)を1.
5〜20%、ZnOを17〜48%、CuOを0.2〜
12%含むことを特徴とする。
【0009】各成分の組成を上述のような数値範囲に限
定した理由は次のとおりである。
【0010】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いて、P25は400〜600nmにおける透過率を高
め、Cu2+による700nm以上の波長域での吸収をシ
ャープに変化させるためには最も好ましいガラス網目形
成成分であるが、その含有量が35%未満では所望の透
過特性が得られないばかりでなく、ガラスの結晶化傾向
が強くなり安定した製造が困難になる。また50%を超
えると化学的耐久性が急激に悪化し本発明の目的とする
ガラスが得られなくなる。従ってP25の組成範囲は3
5〜50%に限定される。P25の組成範囲は37〜4
9%が好ましく、40〜48%が特に好ましい。
【0011】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いて、K2Oは耐失透性を良化させ、且つガラスの熔解
性を向上させる成分であるが、20%を上回ると化学的
耐久性が悪化し又熱膨張係数も大きくなる。従ってK2
Oの組成範囲は0〜20%に限定される。K2Oの組成
範囲は0〜17%が好ましい。
【0012】本発明の近赤外吸収フィルターガラスは、
アルカリ金属酸化物として上述のK2O以外にLi2O、
Na2OおよびCs2Oを必要に応じて含有することがで
きる。
【0013】Li2O、Na2O、Cs2Oはガラスの熔
解性を向上させ、透過特性を良化する成分であるが、そ
れぞれ5%、12%、20%を超えると化学的耐久性が
悪化し又結晶化傾向が強くなる。従ってLi2Oの組成
範囲は0〜5%、Na2Oの組成範囲は0〜12%、C
2Oの組成範囲は0〜20%に限定される。Li2Oの
組成範囲は0〜3%が好ましい。Na2Oの組成範囲は
0〜8%が好ましく、0〜6%が特に好ましい。Cs2
Oの組成範囲は0〜17%が好ましく、0〜15%が特
に好ましい。
【0014】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いては、アルカリ金属酸化物の合量も限定され、R2
(Rはアルカリ金属である)の組成範囲は1.5〜20
%である。R2Oが1.5%未満では、結晶化傾向が強
くなり、一方20%を超えると、化学的耐久性が悪化
し、また熱膨張係数が大きくなる。R2Oの組成範囲
は、2〜17%が好ましい。
【0015】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いて、K2Oは、他のアルカリ金属酸化物と比較して化
学的耐久性を大きく損なうことなく耐失透性を高める効
果が強い。従って低い熔解温度を必要とする特別な場合
を除いて、アルカリ金属酸化物としてK2Oのみを1.
5〜17%の範囲で使用するのが特に好ましい。
【0016】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いて、ZnOは化学的耐久性の良化、熱膨張係数の抑
制、熔解性の良化などの効果を有する必須の成分である
が、17%未満であるとこれらの効果が得られず、一方
48%を超えると結晶化傾向が強くなり、安定したガラ
ス製造ができにくくなる。従ってZnOの組成範囲は1
7〜48%に限定される。ZnOの組成範囲は25〜4
5%が好ましく、27〜42%が特に好ましい。
【0017】本発明の近赤外吸収フィルターガラスにお
いて、CuOは近赤外を吸収するための必須成分であ
り、0.2%以上の添加により透過率を調整することが
可能である。しかしながら12%を上回ると結晶化傾向
が強まり安定に量産することが困難となる。従ってCu
Oの組成範囲は0.2〜12%に限定される。CuOの
組成範囲は、0.2〜10%が好ましく、0.2〜8%
が特に好ましい。
【0018】本発明の赤外吸収フィルターガラスにおい
て、As23は必須成分ではないが、Cu2+を安定に保
つために有効な成分であり、400nm付近の透過率の向
上に効果がある。特に組成中のアルカリ金属酸化物の含
量が12mol%を下回る時はAs23を添加した方がよ
い。その添加量は6wt%を上回ると結晶化傾向が強まる
ばかりでなく、化学的耐久性が悪化する。従ってAs2
3の組成範囲は0〜6%に限定され、0.05〜5%
が特に好ましい。
【0019】B23は化学的耐久性の向上を目的として
10%まで含有することができるが、10%を超えると
所望の透過特性が得られなくなるばかりでなく、逆に化
学的耐久性が悪化する。従ってB23の組成範囲は0〜
10%に限定される。B23の組成範囲は0〜8%が好
ましい。
【0020】Al23 は化学的耐久性を良化させる成
分であり、5%まで添加できるが、5%を上回ると結晶
化傾向が強くなり、またガラスの熔解性が悪化する。従
ってAl23の組成範囲は0〜5%に限定される。Al
23の組成範囲は、0.5〜3%が好ましい。
【0021】MgO、CaO、SrOは少量の添加で化
学的耐久性を良化させるが、それぞれ7%を上回るとガ
ラスの熔解性及び失透性が悪化する。従ってMgOの組
成範囲は0〜7%、CaOの組成範囲は0〜7%、Sr
Oの組成範囲は0〜7%に限定されるが、いずれも0〜
5%であるのが好ましい。
【0022】BaOは少量の添加で特に耐失透性を改善
する効果がある。しかしながら、12%を上回るとガラ
スの熔解性が悪化する。従ってBaOの組成範囲は0〜
12%に限定される。BaOの組成範囲は0〜8%であ
るのが好ましい。
【0023】上述のMgO、CaO、SrOおよびBa
Oはアルカリ土類金属酸化物に含まれるものであるが、
本発明の近赤外吸収フィルターガラスにおいてはアルカ
リ土類金属酸化物の合量も重要であり、R′O(R′は
アルカリ土類金属である)の組成範囲は0〜15%に限
定される。その理由は、R′Oの量が15%を上回ると
ガラスの熔解性が悪化し、また化学的耐久性も悪化する
からである。R′Oの組成範囲は、0.5〜10%が好
ましい。
【0024】PbOはZnOと同様の効果があり、Zn
Oから25%まで置換することができるが、化学的耐久
性を良化させる効果はZnOより小さく、25%を上回
ると本発明の目的とする化学的耐久性が得られない。従
ってPbOの組成範囲は0〜25%に限定される。Pb
Oの組成範囲は0〜20が好ましい。
【0025】La23 、Y23 、Gd23 、Bi2
3 はいずれも少量の添加で化学的耐久性を良化させる
が、La23 、Y23 、Gd23 がそれぞれ3%、
Bi23が5%を上回ると結晶化傾向が強まり安定な製
造が困難になる。よってLa23、Y23、Gd23
組成範囲はそれぞれ0〜3%、Bi23の組成範囲は0
〜5%に限定される。La23、Y23、Gd23の組
成範囲はそれぞれ0〜2%が好ましく、Bi23の組成
範囲は0〜4%が好ましい。
【0026】In23は少量の添加により特に化学的耐
久性を良化させるが、7%を上回ると結晶化傾向が強ま
る。従ってIn23の組成範囲は0〜7%に限定され、
好ましくは0〜5%である。
【0027】Sc23はIn23と同様に少量の添加に
より特に化学的耐久性を良化させるが、5%を上回ると
結晶化傾向が強まる。従ってSc23の組成範囲は0〜
5%に限定され、好ましくは0〜4%である。
【0028】SiO2、TiO2、ZrO2、Nb25
Ta25等の成分はいずれも化学的耐久性を良化させる
成分であるが、SiO2、TiO2、ZrO2は3%、N
25、Ta25は7%を上回るとガラス熔解の際に溶
け残りやすく、熔解温度を昇温させる必要が生じ、その
結果Cu2+を安定にすることが難しくなる。従ってSi
2、TiO2、ZrO2の組成範囲はそれぞれ0〜3%
に限定され、Nb25の組成範囲は0〜5%に限定さ
れ、Ta25の組成範囲は0〜7%に限定される。Si
2、TiO2、ZrO2の組成範囲はそれぞれ0〜2%
が好ましく、Nb25の組成範囲は0〜3%が好まし
く、Ta25の組成範囲は0〜5%が好ましい。
【0029】Ga23、GeO2、WO3は少量の添加に
よって化学的耐久性を良化させる成分であるが、Ga2
3、GeO2は3%、WO3は5%を上回ると結晶化傾
向が強まる。従ってGa23、GeO2の組成範囲はそ
れぞれは0〜3%、WO3の組成範囲は0〜5%に限定
される。Ga23、GeO2の組成範囲はそれぞれは0
〜2%が好ましく、WO3の組成範囲は0〜3%が好ま
しい。
【0030】上記したLa23、Y23、Gd23、B
23、In23、Sc23、SiO2、TiO2、Zr
2、Nb25、Ta25、Ga23、GeO2、WO3
を以下、高原子価金属酸化物と総称するが、高原子価金
属酸化物の合量が10%を上回ると、ガラスの熔解性が
悪化するだけでなく、結晶化傾向が強くなるので高原子
価金属酸化物の合量は0〜10%とするのが望ましい。
【0031】SnOはガラスの化学的耐久性を良化する
成分であるが、5%を上回ると透過率特性が悪化し、又
結晶化傾向が強まる。従ってSnOの組成範囲は0〜5
%に限定され、好ましくは0〜3%である。
【0032】Sb23はCu2+を安定にし耐失透性を改
善する効果があるが、25%を上回ると耐候性が悪化す
る。よってSb23の組成範囲は0〜25%に限定さ
れ、好ましくは0〜15%である。
【0033】CeO2は脱泡及びCuOの酸化剤として
使用できるが、2%を超えると紫外部の透過特性を悪化
させる。従ってCeO2の組成範囲は0〜2%に限定さ
れ、好ましくは0〜1%である。
【0034】またFは熔解温度を低下させCu2+の安定
な着色を得るために有効な成分であるが、結晶化傾向を
強めず、熱膨張係数を高めない範囲は20%までであ
る。従ってFの組成範囲は0〜20%に限定され、好ま
しくは0〜15%である。なお、Fは酸化物の一部を弗
化物に置き換えることにより供給できる。
【0035】上記の組成からなる本発明の近赤外吸収フ
ィルターガラスは、(a)400〜600nmの光を高
透過させ、600nm以上の光をシャープに吸収する、
(b)熱膨張係数(α100 300 )が小さく、加工中に
割れなどの問題が生じ難い、(c)65℃、90%相対
湿度下において1000時間保持したときの保持前後の
ヘーズ値の差が小さく、長期間使用するに十分な耐候性
を有する、などの特長を有する。
【0036】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0037】実施例1〜18 表1〜3にガラス組成を示す実施例1〜18のガラスは
次のようにして作製した。
【0038】ガラス成分の原料として、酸化物それ自
体、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物、燐酸塩など
を使用した。例えば実施例3のガラスは、原料としてH
3PO4、Al(OH)3、KNO3、BaCO3、CaC
3、ZnO、As23、CuOを使用した。尚、原料
としてメタ燐酸アルミニウム、メタ燐酸亜鉛等の複合塩
の使用を妨げるものではない。また熱膨張係数を高めず
に20%までのFを添加することができるが、特にフッ
化物原料を特定するものではない。
【0039】これらの原料を使用しバッチをよく混合し
た後、白金製坩堝で900〜1250℃で溶融し、撹
拌、脱泡、均質化を行った後、余熱しておいた金型に鋳
込み、徐冷することにより、ブロック状の実施例1〜1
8のガラスを得た。得られた実施例1〜18のガラス組
成を表1〜3に示す。
【0040】得られた実施例1〜18のガラスの透過率
曲線、熱膨張係数(α100 300 )、液相温度(℃)お
よびヘーズ値の差(%)を下記の方法で求めた。
【0041】(1)透過率曲線 島津分光光度計UV3101−PCを用いて測定した。
【0042】(2)熱膨張係数(α100 300 ) 熱機械分析装置により100〜300℃における熱膨張
係数を測定した。
【0043】(3)液相温度(℃) 温度傾斜炉において30分間保持した後、顕微鏡により
結晶の有無を観察し求めた。
【0044】(4)ヘーズ値の差(%) ヘーズ値の差(%)は本発明において、ガラスの耐候性
の指標として用いたものである。ガラスブロックから厚
さ1mmに鏡面研磨したサンプルを作製し、加速試験条
件(65℃−90%相対湿度下に1000時間保持)下
に置き、ヘーズメーター(JIS規格:K6714に基
づく)により、処理前後のヘーズ値の差ΔH(%)を求
め、ガラス表面の劣化の程度を数値化した。
【0045】ここでヘーズ値(H)は、次式により求め
られるものである。
【0046】H=Td/Tt×100(%) Tt:全光量透過率(%) Td:拡散透過率(%) 透過率曲線を測定した結果、実施例1〜18のガラス
は、いずれも400〜600nmの光を高透過させ、6
00nm以上の光をシャープに吸収するので近赤外吸収
フィルターガラスとして好適であることが明らかとなっ
た。図1に実施例3および実施例4のガラスの透過率曲
線を代表例として示す。
【0047】また実施例1〜18のガラスは表1〜3に
示すように熱膨張係数α100 300が130以下であ
り、ガラスの加工、研磨の際に起きるカン、割れなどの
問題が起りにくいことが明らかとなった。
【0048】また実施例1〜18のガラスは、表1〜3
に示すように液相温度が900℃以下であり、安定に大
量生産可能な耐失透性を有することが明らかとなった。
【0049】また実施例1〜18のガラスは、表1〜3
に示すようにヘーズ値の差ΔH(%)が2.5%以下で
あり、極めて優れた耐候性を有し、通常のVTRカメラ
等の使用条件下では、長期にわたり安定した性能が維持
されることが明らかとなった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】比較例1〜3 比較例1のガラスは、ガラス成分が本発明のガラス成分
に含まれるが、P25の量が54.0%であり、本発明
のガラスにおけるP25の上限50%を超えるガラスで
ある。
【0054】比較例2のガラスは、ガラス成分が本発明
のガラス成分に含まれるが、アルカリ金属酸化物R2
の量が23.0%であり、本発明のガラスにおけるR2
Oの上限20%を超えるガラスである。
【0055】比較例3のガラスは、特開平4−1049
81号公報に実施例1として記載されている燐酸塩系ガ
ラスであり、P25の量が60%を超え、比較的多量の
Al23を含有するガラスである。
【0056】これら比較例1〜3のガラスの詳細な組成
は表4に示した。
【0057】これら比較例のガラスのうち、比較例3の
ガラスの透過率曲線を図1に示す。図1より明らかなよ
うに比較例3のガラスでは、実施例3のものと500n
mと700nmの透過率を合せたとき、400nm付近
の透過率が低く、また65℃−90%の相対湿度下で1
000時間保持した時の耐候性テストでは、ヘーズ値が
91.5%であり、長期間の使用に対する信頼性に問題
であることがわかる。すなわち、比較例3のガラスは、
透過率特性、耐候性の面で本発明のガラスより著しく劣
る。
【0058】比較例1および2のガラスの熱膨張係数
(α100 300 )、液相温度(℃)およびヘーズ値の差
ΔH(%)を表4に示すが、表4より明らかなように、
加工性の指標になる低い熱膨張係数(α100 300 )と
耐候性の指標になる低いヘーズ値の差ΔH(%)の両者
を満足するものは得られていない。すなわち比較例1の
ガラスはα100 300 が117と低く、加工性に優れて
いるが、ヘーズ値の差ΔHが85.0%で耐候性に著し
く劣る。また比較例2のガラスは、α100 300が14
5、ヘーズ値の差ΔHが90.0%であるので、加工
性、耐候性ともに劣る。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の近赤外吸
収フィルターガラスは、従来用いられていた燐酸塩系ガ
ラスよりも紫外部に於いて優れた透過率特性を有し、ま
た容易に大量生産可能なガラスの安定性と加工性を有す
る。さらに充分な耐候性を有するため、カラーVTRカ
メラ等の色補正フィルターとして長期間にわたり性能の
維持が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3および4ならびに比較例3のガラスの
透過率曲線図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で P25 35〜50% Li2O 0〜5% Na2O 0〜12% K2O 0〜20% Cs2O 0〜20% R2O(Rはアルカリ金属である) 1.5〜20% ZnO 17〜48% MgO 0〜7% CaO 0〜7% SrO 0〜7% BaO 0〜12% R′O(R′はアルカリ土類金属である) 0〜15% CuO 0.2〜12% を含むことを特徴とする近赤外吸収フィルターガラス。
  2. 【請求項2】 重量%で P25 37〜49% Li2O 0〜3% Na2O 0〜8% K2O 0〜17% Cs2O 0〜17% R2O(Rはアルカリ金属である) 2〜17% ZnO 25〜45% MgO 0〜5% CaO 0〜5% SrO 0〜5% BaO 0〜8% R′O(R′はアルカリ土類金属である) 0.5〜10% CuO 0.2〜10% を含むことを特徴とする請求項1に記載の近赤外吸収フ
    ィルターガラス。
  3. 【請求項3】 重量%で P25 40〜48% Li2O 0〜3% Na2O 0〜6% K2O 0〜17% Cs2O 0〜15% R2O(Rはアルカリ金属である) 2〜17% ZnO 27〜42% MgO 0〜5% CaO 0〜5% SrO 0〜5% BaO 0〜8% R′O(R′はアルカリ土類金属である) 0.5〜10% CuO 0.2〜10% を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外
    吸収フィルターガラス。
  4. 【請求項4】 重量%で、As23を、0.05〜5%
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の近赤外吸収フィルターガラス。
  5. 【請求項5】 任意成分として、重量%で B23 0〜10% Al23 0〜5% PbO 0〜25% La23 0〜3% Y23 0〜3% Gd23 0〜3% Bi23 0〜5% In23 0〜7% Sc23 0〜5% SiO2 0〜3% TiO2 0〜3% ZrO2 0〜3% Nb25 0〜5% Ta25 0〜7% Ga23 0〜3% GeO2 0〜3% WO3 0〜5% SnO 0〜5% Sb23 0〜25% CeO2 0〜2% F 0〜20% を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
    記載の近赤外吸収フィルターガラス。
  6. 【請求項6】 Al23 0.
    5〜3% である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の近赤外吸
    収フィルターガラス。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属酸化物R2OとしてK2Oの
    みを含み、その組成範囲が1.5〜17%である、請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の近赤外吸収フィルター
    ガラス。
  8. 【請求項8】 熱膨張係数α100 300 が130×10
    -7/℃以下であり、65℃、90%相対湿度下において
    1000時間保持したときの保持前後のヘーズ値の差
    (%)が2.5%以下である、請求項1〜7のいずれか
    一項に記載の近赤外吸収フィルターガラス。
JP19105596A 1995-07-24 1996-07-19 近赤外吸収フィルターガラス Withdrawn JPH09100136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19105596A JPH09100136A (ja) 1995-07-24 1996-07-19 近赤外吸収フィルターガラス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18688695 1995-07-24
JP7-186886 1995-07-24
JP19105596A JPH09100136A (ja) 1995-07-24 1996-07-19 近赤外吸収フィルターガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09100136A true JPH09100136A (ja) 1997-04-15

Family

ID=26504035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19105596A Withdrawn JPH09100136A (ja) 1995-07-24 1996-07-19 近赤外吸収フィルターガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09100136A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6225244B1 (en) 1998-01-21 2001-05-01 Hoya Corporation Glass for near absorption filter and near infrared absorption filter to which the glass is applied
FR2843747A1 (fr) 2002-08-23 2004-02-27 Schott Glas Flints lourds exempts de plomb
JP2004137100A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Hoya Corp 銅含有ガラス、近赤外光吸収素子および近赤外光吸収フィルター
JP2005082458A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Minolta Co Ltd 光学ガラス及び光学素子
JP2005514590A (ja) * 2001-12-19 2005-05-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 加速風化装置におけるスペクトル出力分布を操作するための光学フィルタ
JP2008001543A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Agc Techno Glass Co Ltd 視感度補正フィルタガラス及び視感度補正フィルタ
CN101643314A (zh) * 2008-08-06 2010-02-10 柯尼卡美能达精密光学株式会社 光学玻璃及光学元件
JP2010208934A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Schott Ag 光学ガラス
JP2011121792A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Asahi Glass Co Ltd 近赤外線カットフィルタガラス
JP2015089855A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 日本電気硝子株式会社 近赤外線吸収ガラス
WO2016171255A1 (ja) * 2015-04-24 2016-10-27 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタガラス
KR20170038662A (ko) * 2015-09-30 2017-04-07 호야 칸데오 옵트로닉스 가부시키가이샤 자외선 투과 가시광 흡수 유리 및 자외선 투과 가시광 흡수 필터

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6225244B1 (en) 1998-01-21 2001-05-01 Hoya Corporation Glass for near absorption filter and near infrared absorption filter to which the glass is applied
JP2005514590A (ja) * 2001-12-19 2005-05-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 加速風化装置におけるスペクトル出力分布を操作するための光学フィルタ
FR2843747A1 (fr) 2002-08-23 2004-02-27 Schott Glas Flints lourds exempts de plomb
JP2004137100A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Hoya Corp 銅含有ガラス、近赤外光吸収素子および近赤外光吸収フィルター
JP2005082458A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Minolta Co Ltd 光学ガラス及び光学素子
JP2008001543A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Agc Techno Glass Co Ltd 視感度補正フィルタガラス及び視感度補正フィルタ
CN101643314A (zh) * 2008-08-06 2010-02-10 柯尼卡美能达精密光学株式会社 光学玻璃及光学元件
JP2010208934A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Schott Ag 光学ガラス
JP2011121792A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Asahi Glass Co Ltd 近赤外線カットフィルタガラス
JP2015089855A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 日本電気硝子株式会社 近赤外線吸収ガラス
WO2016171255A1 (ja) * 2015-04-24 2016-10-27 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタガラス
JPWO2016171255A1 (ja) * 2015-04-24 2018-02-15 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタガラス
US10252936B2 (en) 2015-04-24 2019-04-09 AGC Inc. Near-infrared cut filter glass
KR20170038662A (ko) * 2015-09-30 2017-04-07 호야 칸데오 옵트로닉스 가부시키가이샤 자외선 투과 가시광 흡수 유리 및 자외선 투과 가시광 흡수 필터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5668066A (en) Near infrared absorption filter glass
US4303298A (en) Near infrared absorption filter for color television cameras
US6225244B1 (en) Glass for near absorption filter and near infrared absorption filter to which the glass is applied
US6235667B1 (en) Vitrifiable mixture for quality glasses
US4540672A (en) Glasses of low density and high index of refraction for ophthalmic and optical applications
US4390638A (en) Acidproof, hydrolysis-resistant optical and ophthalmic glass of low density
US4526874A (en) Optical light weight glass with a refractive index of >1.70, an Abbe index of >22 and a density of <3.5 G/CM3
US20090088309A1 (en) Glass Composition
US4742028A (en) Optical and ophthalmic glasses
JPH04231345A (ja) フッ素不含有リン酸ガラス
US5288669A (en) Glasses with very high index of refraction and low density
JPS5860640A (ja) 光学ガラス
JP4672819B2 (ja) 屈折率の非常に大きいガラス
JPH09100136A (ja) 近赤外吸収フィルターガラス
US4433062A (en) Moldable fluorophosphate glasses containing Nb2 O5
JPS6344698B2 (ja)
JPS605037A (ja) 光学ガラス
JPH11157868A (ja) 無鉛重クラウン乃至特重クラウン光学ガラス
JPH02204342A (ja) 近赤外線吸収フィルターガラス
JPH05262533A (ja) 光学ガラス
US5320985A (en) Low refractive optical glass of a flint glass type
JPS5930731A (ja) 高屈折率、低分散および低密度ガラス
JPH0455136B2 (ja)
JP2795334B2 (ja) 光学ガラス
JPH0920530A (ja) 光学ガラス用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031007