JPH089831B2 - 高速製糸用の油剤組成物および該油剤組成物を用いる高速製糸方法 - Google Patents

高速製糸用の油剤組成物および該油剤組成物を用いる高速製糸方法

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JPH089831B2 JP17168489A JP17168489A JPH089831B2 JP H089831 B2 JPH089831 B2 JP H089831B2 JP 17168489 A JP17168489 A JP 17168489A JP 17168489 A JP17168489 A JP 17168489A JP H089831 B2 JPH089831 B2 JP H089831B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、溶融紡糸された糸条を冷却、給油、さら
に、流体交絡処理した後に、引続いて延伸するかあるい
は実質的に延伸することなく高速で巻上げる高速製糸方
法に好適な油剤組成物およびそれを用いる高速製糸方法
に関するものである。
更に詳しくは、高速製糸時の油剤飛散に起因する種々
のトラブルを軽減するために有効な油剤組成に関するも
のである。
[従来の技術] 製編織に供されるポリアミド繊維やポリエステル繊維
のような熱可塑性合成繊維は、溶融紡糸法によって製糸
されるが、その製糸工程における溶融紡出後の冷却固化
に続いて、水系あるいは非含水系の油剤液が、一般に付
与されている。この紡糸時付与の油剤液は、糸条に平滑
性を与え、製糸時や後加工(編織物製造等)時の静電気
障害や糸切れ等のトラブルを防止するために必要であ
る。
そして、この紡糸油剤は、一般に、鉱物油、脂肪酸エ
ステル等の平滑剤を主体とし、更に乳化剤、制電剤、集
束剤等を必要に応じて配合してなり、含水系で給油する
場合は、通常、濃度5〜25重量%程度の水エマルション
として用いられる。
また近年は、製糸速度を3500〜6000m/分程度あるいは
それ以上と飛躍的に増加させる高速製糸方法が広く行わ
れてきており、この高速製糸方法でも水エマルション型
の紡糸油剤が使われてきている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、この高速製糸方法では、走行糸条速度が高
速であって、しかも、油剤処理後に交絡処理されること
に伴い、走行糸条からの油剤の脱落・飛散量が著しく増
大し、この脱落・飛散した油剤は糸道上の装置類に付着
したりして装置汚染を引起す。そして、汚れた装置上を
糸条が高速で接触走行する際に、糸切れ、毛羽立ち等の
トラブルを誘発するという問題が生じていた。特に、こ
の問題は、油剤の主成分として鉱物油や脂肪酸エステル
の平滑剤を含有する油剤組成物を水エマルションで給油
する場合に顕著であった。
この周囲の装置汚染は、油剤の飛散範囲を局限化させ
るという方法によりある程度改善できるが、糸道上の装
置(ガイド等)の油剤汚染については有効な手段は見出
されておらず、ガイド等の装置類をかなり頻繁に清掃し
て油剤付着物を除去するという方法をとらざるを得なか
った。
そこで、本発明は、油剤組成を改善することにより、
飛散油剤が糸道上の装置類(ガイド等)に付着しても、
その付着油剤による糸切れ、毛羽立ち等のトラブル誘発
を抑制することを主たる目的とする。即ち、本発明は、
上記問題の解消を図ることができ、しかも、優れた平滑
性を有し製編織用として好適な糸条を得るための油剤組
成物および高速製糸方法の提供を主たる目的とする。
さらに、本発明は、ガイド等の装置類に付着する汚れ
を低減させることもでき、装置類の清掃頻度を低減させ
るためにも有効な油剤組成物の提供を別の目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するため、本発明は、油剤組成物全体
に対し25〜80重量%の平滑剤、油剤組成物全体に対し15
〜60重量%のポリエーテルエステル化合物、および非イ
オン系界面活性剤を含有する油剤組成物であって、前記
平滑剤が実質的に、鉱物油、脂肪酸モノエステル及び脂
肪酸ジエステルうちの1種以上からなり、前記ポリエー
テルエステル化合物が、実質的にポリエチレンオキシド
である重合度2以上のポリエーテル鎖を分子中に持ちそ
の両末端が脂肪族化合物で封鎖されてなるエステル化合
物であり、かつ、該油剤組成物を含水率15〜60重量%の
水混合液とした際の加水粘性の最大値が2×104センチ
ポイズ以下である高速製糸用の油剤組成物を請求項1の
発明とし、また、溶融紡糸された糸条を冷却、水エマル
ション型油剤の付与、流体交絡処理、さらに3000m/分以
上の高速で引取った後、引続いて延伸し、あるいは実質
的に延伸することなく、3500m/分以上の高速で巻上げる
高速製糸方法において、前記水エマルション型油剤とし
て、請求項1記載の油剤組成物を油剤有効成分とする水
エマルションを用いる高速製糸方法を請求項2の発明と
するものである。
本発明における高速製糸方法は、上述のように、紡出
糸条を冷却、油剤付与、流体交絡処理、さらに3000m/分
以上の高速で引取った後に、引続いて延伸し、あるいは
実質的に延伸なしで、3500m/分以上、好ましくは4000m/
分以上の高速で巻上げる方法であり、例えば、特公平1-
22363号公報や特開昭60-94616号公報等に記載されてい
る。
この高速製糸方法における流体交絡処理は、通常、高
圧空気によるエア交絡で行なわれる。その交絡ノズル
は、高圧空気の乱流により糸を絡ませるノズルを用い、
その交絡数は、フィラメントの数、太さ(デニール)や
使用用途により変るが、一般的にはCF値にして3〜50程
度であることが好ましい。走行糸条のばらけを防止する
ことができれば他の流体交絡手段を用いてもよい。この
交絡付与がない場合は、製糸中に糸条がばらけ、ゴデー
ローラへの逆巻きや巻取り張力変動が生じ易く、製糸時
糸切れや毛羽立ちが多くなる。さらに、整経工程での糸
揺れによる毛羽、糸切れも頻発し易いので、製糸時の交
絡付与は必要である。
本発明は、このような高速製糸方法で用いるに好適な
油剤組成物(請求項1)を提供するとともに、この高速
製糸方法における交絡処理前に付与する水エマルション
型油剤として上記油剤組成物を用いる製糸方法(請求項
2)を提供するものである。
請求項1の油剤組成物は、油剤組成物全体に対し25〜
80重量%の平滑剤、油剤組成物全体に対し15〜60重量%
のポリエーテルエステル化合物、および非イオン系界面
活性剤を含有する油剤組成物であって、前記平滑剤が実
質的に、鉱物油、脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエス
テルうちの1種以上からなり、前記ポリエーテルエステ
ル化合物が、実質的にポリエチレンオキシドである重合
度2以上のポリエーテル鎖を分子中に持ちその両末端が
脂肪族化合物で封鎖されてなるエステル化合物であり、
かつ、該油剤組成物を含水率15〜60重量%の水混合液と
した際の加水粘性の最大値が2×104センチポイズ以下
であることで特定される。
ここで、平滑剤としては、鉱物油および/または脂肪
酸エステルのように疎水性であってかつ高い平滑性を示
す化合物が用いられる。
鉱物油としては、ナフテン系、パラフィン系等の鉱物
油またはこれらの混合物が挙げられる。また、脂肪酸エ
ステルとしては、ブチルラウレート、ラウリルラウレー
ト、オクチルパルミテート、トリデシルパルミテート、
トリデシルオレート、トリデシルステアレート等のモノ
エステル、ジオクチルセバケート、ジオレイルセバケー
ト、ジデシルアジペート、ジトリデシルセバケート等の
ジエステルが用いられ、これらエステルは脂肪酸からの
エステルでもよいしまた脂肪族アルコールからのエステ
ルでもよい。
これらの平滑剤は、単独成分で用いても2種以上の混
合成分で用いてもよいがその合計量は25〜80重量%であ
ることが必要である。この平滑剤の配合量が少な過ぎる
と製編織に必要な平滑性が得られ難い。逆に多過ぎると
水乳化性が悪化し、油剤エマルション調合後の安定性に
問題があるので、実用に供し難い。さらに平滑剤の配合
量は35〜70重量%が好ましい。
また、ポリエーテルエステル化合物の配合は、油剤組
成物の加水粘性を低下させるために必要であり、その配
合量は油剤組成物全体に対し15〜60重量%の範囲とする
必要がある。その配合量が少な過ぎると所望の低い加水
粘性特性が得られ難いし、逆に多過ぎると摩擦特性が高
くなり過ぎて高速製糸、編織物用に不適当となる。さら
にその配合量は20〜45重量%が好ましい。
ここでいうポリエーテルエステル化合物とは、分子中
に、実質的にポリエチレンオキシドである重合度2以上
のポリエーテル鎖を持ちその両末端を脂肪族化合物で封
鎖してなる化合物である。なかでも、下記式で示される
親水性度(HLB)が6〜10となるように、エチレンオキ
シド付加モル数および脂肪族化合物の種類を選定するこ
とが、加水粘性低下効果を大きくするために好ましい。
親水性度(HLB)=(親水性成分の分子量/ポリエーテ
ルエステル化合物の分子量)×20 即ち、エチレンオキシド付加モル数が比較的大きい場
合には、炭素数が比較的大きい化合物を用いることが好
ましい。さらにまた、上記エチレンオキシド付加モル数
は10以下であること、脂肪族化合物の炭素数は14以下で
あることが、一般的に好ましい。
上記ポリエーテルエステル化合物としては、例えば、
ブチルアルコールエチレンオキシド付加物のラウリルエ
ステルやオクチルエステル、ラウリルアリコールエチレ
ンオキシド付加物のラウリルエステルやオクチルエステ
ルのような、炭素数14以下の脂肪族化合物のエチレンオ
キシド付加物の有機酸エステル、また、例えば重合度8
のポリエチレンオキシドのジラウレートやジオクタノエ
ートなどのような、重合度2〜10のポリエチレンオキシ
ドの炭素数14までの脂肪酸のエステルが挙げられる。但
し、前述したとおり、分子中のポリエーテル鎖の両末端
が脂肪族化合物で封鎖されていることを要する。また上
記化合物を任意に混合して配合してもよい。
さらにまた、乳化剤の主体とする非イオン系界面活性
剤としては、公知の高級脂肪酸、脂肪族アルコール、多
価アルコール等の活性水素含有化合物の実質的なエチレ
ンオキシド付加物が挙げられる。牛脂アルコールやヒマ
シ油等の天然物アルコールの実質的なエチレンオキシド
付加物も用い得る。そのエチレンオキシドの付加モル数
は3〜10モル程度が好ましい。
上記した平滑剤や乳化剤の外に、通常、紡糸油剤に用
いられている制電剤、制電補助剤、集束剤、防腐剤等の
成分を配合してもよい。
本発明で特定した加水粘性特性は、次の方法で測定す
る。
各成分を混合してなる油剤組成物(実質的に水を含有
しない)をビーカにとり、攪拌しつつ常温水を所定量ず
つ添加し十分混合する。十分混合された水混合液の粘性
をE型粘度計((株)東京計器製)により測定し、その
測定値をセンチポイズでもって表示する。測定は、粘度
計の回転数は粘度水準に応じた低水準とした低シアー条
件下で行えばよく、例えば、粘度1万〜10万センチポイ
ズ程度では回転数0.5rpm程度が好ましい。そして、常温
水を所定量ずつ順次追加添加する毎に、その粘度測定を
行い、その測定値のうちの最大の値を、加水粘性の最大
値とする。
給油の方法は、通常の方式、例えば、ローラ給油方
式、油剤を定量的にノズルから供給するガイド給油方式
等、を用いればよい。
高速製糸に供するポリマは、溶融紡糸可能なポリマ全
般であるが、一般的にはナイロン6やナイロン66のよう
なポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートのようなポリエステルが挙げられ
る。なかでもポリアミドの高速製糸に、本発明は有効で
ある。
[作用] 高速製糸においては、走行糸条の速度が、引取り速度
で3000m/分以上、巻取速度で3500m/分以上と高速であ
り、6000m/分あるいはそれ以上で高速走行する場合もあ
るので、低速走行時の糸条に付与する油剤組成物と同じ
観点では最適の油剤組成を得ることはできない。
即ち、高速製糸においては、紡糸油剤エマルジョンが
紡糸冷却直後の糸条に付与された後、高速で走行する糸
条の振動、ガイド類との接触、さらに高速製糸には必須
の交絡を付与するための流体交絡ノズルからの高圧流体
による吹き飛ばしなどによって糸条付着油剤の脱落、飛
散が多く生じる。脱落、飛散して装置類に付着した油剤
エマルションは、時間とともに水が蒸発していき、特定
の水含有量に達した時に極めて高粘性(硬いペースト状
ないしは固状)の付着物となる。この高粘性付着物が装
置上の糸状接触部分に順次蓄積していくと、そこを高速
で接触走行する糸条の大きな抵抗となり、糸切れや単糸
切れ等のトラブルを誘発する。このトラブルは、鉱物油
や脂肪酸エステルの平滑剤を主体とする編織物用紡糸油
剤を用いる場合に顕著に発生する。
この高粘性付着物は、糸条走行速度が2000m/分以下程
度の低速である製糸法の場合にも生じるが、低速である
ことから油剤エマルションの飛散量自体が比較的少ない
し、しかも、高粘性物が蓄積しても比較的低速走行する
糸条が接触するので、糸切れ等の重大なトラブルを誘発
させることは殆どなかったのである。即ち、一般に20〜
60重量%程度の含水率範囲で油剤の水混合液は粘性が高
くなる傾向にあるが、糸条に付与される油剤エマルショ
ンは15重量%以下程度の比較的低濃度で通常用いられて
いるので、油剤の加水粘性の最大値については今まで全
く考慮されていなかったのである。
しかも、高速製糸法に関する公知例で使われている油
剤組成でも加水粘性特性について全く考慮されておら
ず、平滑剤を主体とする油剤組成物では加水粘性の最大
値が極めて高く本発明とは異なる油剤組成が使われてい
るのであった。
本発明で特定した加水粘性の最大値が2×104センチ
ポイズ以下、好ましくは8×103センチポイズ以下の油
剤組成物を水エマルションにして用いると、製糸中に飛
散しガイド等の装置類に付着した油剤液は長期間を経て
水が蒸発していっても柔かなペースト状を呈したままで
いるので、糸条が高速で接触走行しても糸切れや毛羽立
ち等のトラブルの原因とはならず、従って、これらのト
ラブルを大幅に減少することができる。さらにまた、製
糸時のガイド等の装置類の清掃頻度を低減することもで
き、清掃時の油剤汚れも除去し易くなり、清掃作業が容
易となる。
しかも、上記した特定水準の加水粘性特性とするため
に、ポリエーテルエステル化合物を特定量配合すること
が必要であり、このポリエーテルエステル化合物の配合
は、油剤の安定性や平滑性を阻害することがないので加
水粘性低下手段として有用である。
このように、本発明では、高速製糸法における糸切
れ、毛羽立ち等のトラブルを解消するためには、加水粘
性特性および油剤組成でもって油剤組成物を特性するこ
とが有効であるという新規な知見に基づきなされたもの
である。
さらに、本発明は、平滑剤配合量が25〜80重量%の油
剤組成物を用いるので、製編織に必要な平滑性を糸条に
付与することもでき、製編織用に好適な糸条を得ること
ができる。
[実施例] 以下の実施例で用いたエチレンオキシド付加化合物
中、nモル付加エチレンオキシドは(EO)nでもって表
示し、また、その重量平均分子量はMwでもって表示し
た。
・実施例1 ナイロン66ポリマ(98%硫酸相対粘度2.60)をエクス
トルーダ型溶融紡糸機に供給し、紡糸口金から溶融吐出
した後、第1表に示す油剤組成物の15%水エマルション
を給油ローラでもって付与し(巻上げ糸条の油剤付着量
が1.0重量%)、3kg/cm2の圧空を用いたエア交絡ノズル
による交絡処理を経て4200m/分のゴデーローラで引取
り、1.25倍に延伸し、5000m/分で巻取って、30デニール
10フィラメントのナイロン66糸条を得た。
この製糸時に付与する油剤組成物として、加水粘性最
大値等の異なる種々の油剤(第1表のNo.A〜K:油剤組成
比は重量部による)を調整して用いた。そして、給油ロ
ーラ下部のガイドにおける汚れの蓄積の程度を肉眼によ
り比較判定し、また、紡糸時の糸切れ回数(回/トン)
を測定し、その結果を第1表に示した。
さらに、得られたナイロン66糸条を通常の方法で、整
経した後ハーフトリコットを編成し、その整経時の毛羽
発生頻度を、107mあたりの停台日数の値でもって評価
した。
第1表に示したように、ポリエーテルエステル化合物
の配合量が適正で加水粘性の最大値が2×104センチポ
イズ以下の油剤組成物を用いた場合(No.A〜E)は、給
油後のエア交絡等による油剤の飛散はあるが、脱落、飛
散して装置上に付着した油剤エマルション汚れの高粘性
化は時間が経ってもみられず、まだガイドに付着した油
剤も順次落下していくのでガイド上に蓄積する量は軽微
であり、製糸時の糸切れが少なく、十分なエア交絡を付
与した安定な高速製糸を行うことができた。さらに、整
経工程における毛羽発生も少なく、後加工の工程通過性
が良好であった。
ポリエーテルエステル化合物の配合量がなし、あるい
は少な過ぎて加水粘性の最大値が2×104センチポイズ
を越える油剤組成物を用いた場合(No.H、J)は、製糸
時に脱落、飛散して装置上に付着した油剤エマルション
が7〜8時間で硬いペースト状となって糸道ガイド上に
付着していき、経時的に糸切れが増大した。しかも、製
経工程における毛羽発生も多く、工程通過性の劣る糸条
であった。
また、親水性度(HLB)が6〜10を外れるポリエーテ
ルエステル化合物を用いた場合((No.F、G)は、加水
粘性を十分に低下させることが難しいので、本発明の目
的を達成することが困難であった。
さらにまた、加水粘性の最大値が2×104センチポイ
ズ以下でもポリエーテルエステル化合物の配合量が多過
ぎる油剤組成物を用いた場合(No.I)は、平滑性が悪化
して成形時の毛羽発生が増加し、トリコット用原糸には
不適当であった。
なお、流体交絡処理なしで製糸した場合(No.K)は、
本発明以外の高粘性油剤を用いてもガイド汚れ等の油剤
の飛散や付着による悪影響は少ないが、紡糸時糸切れが
多く、しかも整経性も悪化するという大きな問題点が生
じた。
[発明の効果] 本発明法によると、高速製糸において水エマルション
型紡糸油剤の付与と交絡処理とを行っても、油剤の脱落
や飛散に起因する糸切れや毛羽立ち等のトラブルを大幅
に減少させることができる。さらに、給油ローラ下部や
ガイド類等の装置汚れも大幅に軽減し、装置類の清掃頻
度の低減や清掃作業の容易化を図ることもできる。
しかも、得られる糸条は、整経、製織、製編等の後加
工における工程通過性に優れたものとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油剤組成物全体に対し25〜80重量%の平滑
    剤、油剤組成物全体に対し15〜60重量%のポリエーテル
    エステル化合物、および非イオン系界面活性剤を含有す
    る油剤組成物であって、前記平滑剤が実質的に、鉱物
    油、脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエステルうちの1
    種以上からなり、前記ポリエーテルエステル化合物が、
    実質的にポリエチレンオキシドである重合度2以上のポ
    リエーテル鎖を分子中に持ちその両末端が脂肪族化合物
    で封鎖されてなるエステル化合物であり、かつ、該油剤
    組成物を含水率15〜60重量%の水混合液とした際の加水
    粘性の最大値が2×104センチポイズ以下であることを
    特徴とする高速製糸用の油剤組成物。
  2. 【請求項2】溶融紡糸された糸条を冷却、水エマルショ
    ン型油剤の付与、流体交絡処理、さらに3000m/分以上の
    高速で引取った後、引続いて延伸し、あるいは実質的に
    延伸することなく、3500m/分以上の高速で巻上げる高速
    製糸方法において、前記水エマルション型油剤として、
    請求項1記載の油剤組成物を油剤有効成分とする水エマ
    ルションを用いることを特徴とする高速製糸方法。
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