JPH089639B2 - C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法 - Google Patents

C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法

Info

Publication number
JPH089639B2
JPH089639B2 JP57086181A JP8618182A JPH089639B2 JP H089639 B2 JPH089639 B2 JP H089639B2 JP 57086181 A JP57086181 A JP 57086181A JP 8618182 A JP8618182 A JP 8618182A JP H089639 B2 JPH089639 B2 JP H089639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hpct
amino acid
resin
gene
peptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57086181A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58203953A (ja
Inventor
正治 田中
和広 大末
一郎 久保田
規男 大沼
照久 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP57086181A priority Critical patent/JPH089639B2/ja
Priority to EP83302916A priority patent/EP0095351B1/en
Priority to DE8383302916T priority patent/DE3380819D1/de
Priority to AT83302916T priority patent/ATE47880T1/de
Publication of JPS58203953A publication Critical patent/JPS58203953A/ja
Priority to US07/610,312 priority patent/US5252482A/en
Publication of JPH089639B2 publication Critical patent/JPH089639B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/585Calcitonins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はC末端がアミド化されて−CONH2基となつて
いるペプチドの前駆体およびその製造法に関する。
C末端がアミド化されたペプチドには薬理的に活性な
ものがあり、たとえばカルシトニンはC末端がアミド型
になつた32個のアミノ酸残基からなるペプチドである
が、高カルシウム症、骨粗鬆症、骨ベーゼツト病の治療
や骨形成促進のために用いられている。そしてアミド型
のC末端構造は活性発現に必須であるとされている。
現在までにカルシトニンはブタ、ウシ、ヒツジ、ヒ
ト、ラツト、サケ、ウナギから分離され、それぞれ構造
が明かにされ、そのうちヒト、ウナギ、ブタ、サケのカ
ルシトニンが治療用として市販されている。これらは生
体から抽出されたか、または化学合成されたものである
が、生体内のカルシトニン含有量は低く、また合成は困
難である。
本発明者らは遺伝子操作技術を利用して大量かつ安価
にカルシトニンを製造することを意図したが、現在の遺
伝子操作技術によつてはC末端アミド型のペプチドを造
ることはできない。ところが、アミド化されるべきアミ
ノ酸の後にグリシン(Gly)、続いてリジン(Lys)やア
ルギニン(Arg)のような塩基性アミノ酸を2個以上付
加した前駆体は薬理的に活性であることを知つた。その
理由はおそらく生体内で酵素作用により前駆体が切断、
修飾されてC末端アミド化ペプチドが生成するためでは
ないかと考えられる。
本発明はこの新しい知見に基くもので、その一部は、 下記の一般式(I)で表わされるC末端アミド化ペプ
チドの前駆体 である。
上記の前駆体は後述する方法によつて製造できる。
本発明のアミド化ペプチドの前駆体の製造には上記の
アミノ酸配列をコードする化学合成二重鎖ポリヌクレオ
チドよりなり遺伝子である。
この遺伝子のヌクレオチド配列の最初にメチオニンの
コドンを、末端に翻訳終止コドンを付すのが好ましく、
さらに好ましくはさらにその両端に制限酵素で切断され
る配列、たとえば上流(5′側)にEcoRI、下流(3′
側)にBamHI切断部位、を付加する。
また、ヌクレオチド配列の中に一つ以上の制限酵素切
断部位、たとえばRsaI,KpnI,SmaI,XmaI切断点を設けて
もよい。
遺伝子の二重鎖DNAのデザインの好ましい例は第2図
に示される。該遺伝子の化学合成は、先ず第3図に示さ
れるF1〜F20の20個のDNAフラグメントを固相法(Miyosh
i,K.Nucl Acid.Res.,8,5507,1980)を用いて合成し、リ
ガーゼ反応によつてこれらのフラグメントから二重鎖DN
Aを得ることにより行われる。
前記の遺伝子を含むDNAは単細胞生物または動物細胞
由来のプラスミドまたは雑種プラスミドに挿入される。
その態様としては、単細胞生物、たとえば細菌、酵
母、糸状菌などの微生物、動物細胞、たとえばサル腎細
胞などに由来するプロモーター領域を含むオペロンの構
造遺伝子(例.APaseやβ−ガラクトシダーゼ)に上記の
遺伝子を読みとりフレームが合うにように連結させたプ
ラスミドが挙げられる。好ましい例は第6図に示された
pAHPCT38である。もしくは第6図に示されたpHPCT4でも
よい。pHPCT4はpKO13(特願昭56−163303号明細書参
照)のEcoRI,BamHI切断点に前記の化学合成遺伝子を挿
入することによつて得られ、pAHPCT38はエシエリシア・
コリのアルカリ性フオスフアクターゼ(APase)遺伝子
をもつpBR322由来のプラスミドpAαNE1(特願昭56−170
543号明細書参照)のEcoRI,BamHI切断点に前記の化学合
成遺伝子を挿入することによつて得られる。
上記のプラスミドで形質転換された単細胞生物または
動物細胞について、 その一態様として、プラスミドpHPCT4をエシエリシ
ア.コリK12WA802株に形質転換して形質転換して形質転
換株WA802/pHPCTを得、またpAHPCT38をエシエリシア・
コリK12・E15株に形質転換して形質転換株E15/pAHPCTを
得ることができた。
E15/pAHPCT38株はSBMC138の識別表示を付して工業技
術院微生物工業研究所に寄託され、受託番号微工研条寄
第283号を付されている。
本発明の他の一部は、5′末側にMetに対するコード
を付加した前記式(I)のペプチドのアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列とそれに続いて翻訳終止をコ
ードするヌクレオチド配列を有する遺伝子を組み込んだ
プラスミドにより形質転換した宿主細胞を培養し、培養
物中に蛋白成分として上記のペプチドを生成させること
を特徴とするC末端アミド化ペプチド前駆体の製造法で
ある。
形質転換した宿主細胞の一例は前記のE15/pAHPCTであ
る。この例について培養を説明すると、たとえば、先ず
高リン酸含有培地で培養し次いで低リン酸培地に移すこ
とによりAPaseの誘導を行うと菌体中に所望のペプチド
前駆体が蛋白成分として生成する。
培養の好ましい操作、条件はプラスミドおよび宿主細
胞の種類に応じて選択される。
ついで培養物から菌体を分離し、ギ酸一臭化シアン処
理を経て、たとえば、SP−セフアデツクス・カラムでピ
リジン−酢酸緩衝液を用いる濃度勾配溶出分画を行い、
所望のペプチドを含む分画を集めてHPLCを行つて精製す
ることができる。
かくして得られるC末端アミド化ペプチド前駆体はC
末端アミド化ペプチドと同様の活性を示した。たとえば
第1図上方に示される前駆体(以下HPCTと略称する)は
ラツト血中のカルシウム濃度を強く降下させ、カルシト
ニン活性を示した。以上、ヒトカルシトニンのMet8をVa
1で置き換えたカルシトニンの前駆体をHPCTと略称す
る。
実施例 HPCT遺伝子フラグメントの化学合成 第3図に示した、それぞれF1〜F20と名付けた20個の
オリゴデオキシリボヌクレオチドの化学合成は、以下に
述べる改良を除いては、基本的にはKen−ichi Miyoshi
等により報告されている固相法〔Ken−ichi Miyoshi et
al(1980)NuCl.Acids,Res.8 5507)を用いた。
この改良技術によるオリゴデオキシリボヌクレオチド
の化学合成の概略は以下のごとくである。
a)まず第4図に示す様にアミノメチル化ポリスチレン
樹脂に3′末端モノヌクレオシド,ユニツトを固定化す
ることからはじめた。すなわち第4図に示したアミノメ
チル化ポリスチレン樹脂は1%ジビニルベンゼンで架
橋した樹脂を用い、この樹脂にβ−アラニンを2個連結
した樹脂を合成した。
この樹脂に3種類(Bはチミン、N−ベンゾイルシト
シン又はN−イソブチリルグアニン)の化合物を作用
させることにより、3種類の3′末端ヌクレオシドを樹
脂に固定化したポリスチレン樹脂を得た。
この樹脂の合成法の例を第4図中Bはチミンの場合
について示せば次の通りである。
アミノメチル化ポリスチレン・HCl(ジビニルベンゼ
ン1%,100〜200メツシユ,NH2:0.63mmole/g)樹脂15g
をCH2Cl275mlでよく膨潤させた後、N−t−BOC−β−
アラニン(1.01g,11.34mmole)を加え、DCC(2.34g,11.
34mmole)を用いて室温3時間縮合した。樹脂をガラス
フイルターでろ別した後、CH2Cl2150mlで4回,DMF150ml
で4回,次いでピリジン150mlで4回洗浄した。次に樹
脂を25%の無水酢酸−ピリジン75mlで30分処理すること
により未反応アミノ基をアセチル化した。次に樹脂を20
%CF3COOH−CH2Cl290mlで室温25分処理することにより
t−BOC基を除去、次いで5%トリエチルアミン−CH2Cl
2150mlで樹脂を洗浄し、さらにCH2Cl2150mlで4回樹脂
を洗つた。同様の操作をもう一度くり返すことにより、
第4図の樹脂すなわち、アミノメチル化ポリスチレン
樹脂にβ−アラニンが2個連結した樹脂を得た。ここで
得た樹脂(第4図)5gをDMF30mlにけんだくし、第4
図化合物(BはN−チミン)5mmoleとトリエチルアミ
ン500mgを加え室温12時間振盪した。反応後、樹脂をガ
ラスフイルターを用いてろ別し、DMF、続いてピリジン
で洗浄した。次に樹脂を10%フエニルイソシアナートピ
リジン75mlで3時間処理することにより、未反応アミノ
基を保護し、続いて樹脂をピリジン,メタノールで洗つ
た後、P2O5存在下、減圧乾燥することにより、第4図樹
脂(Bはチミン)を得た。
ここで得られた樹脂(第4図、Bはチミン)の一部
を〔M.J.Gait et al,(1980)NuCl.Acids Res.8 1081〕
を用いて樹脂1gに固定化されている3′末端ヌクレオサ
イドの量を定量したところ、0.153mmoleであつた。樹脂
(BはN−ベンゾイルシトミン又はN−イソブチルグ
アニン)も上記合成法と同様な方法で製造した。樹脂
の1gに固定化されている3′末端ヌクレオシドの量は樹
脂4(BはN−ベンゾイルシトミン)で0.150mmole、樹
脂4(BはN−イソブチルグアニン)で0.147mmoleであ
つた。
b)ここで得られた3種類の樹脂と第5図に示した
3′燐酸ジエステルダイマーブロツク(第5図nは0)
及び3′燐酸ジエステルトリマーブロツク(第5図nは
1)を用い、一定の塩基配列を持つたF1〜F20からなる2
0個のオリゴデオキシリボヌクレオチドを合成した。即
ち、樹脂のジメトキシトリチル基(以上DMTrと略)を
2%ベンゼンスルホン酸CHCl3−MeOH7=3v/vで処理する
ことによりDMTr基を除去した後、樹脂に固定化されて
いる3′ヌクレオシドユニツト1当量に対し、3′燐酸
ジエステルダイマー(第5図nは0)4当量、又は3′
燐酸ジエステルトリマー(第5図、nは1)3当量を逐
次、縮合剤メシチレンスルホニルテトラゾリド(MsTe)
20〜50当量を用いて縮合した。過剰の3′燐酸ジエステ
ルブロツク及び縮合剤は、ガラスフイルターで反応混合
物をろ化することにより容易に除去することができる。
次に未反応5′水酸基を保護する為に、樹脂を10%無
水酢酸−ピリジンで室温1時間処理することにより、未
反応5′水酸基をアセチル化した。次に樹脂を2%ベン
ゼンスルホン酸(CHCl3−MeOH,7:3v/v)で処理すること
により5′末端DMTr基を除去し、次の縮合反応を行なつ
た。このような操作を所望の長さが得られるまでくり返
した。
この一連の操作の例をF3フラグメントの合成について
示せば次の通りである。
第4図樹脂(B−N−ベンゾイルシトミン)200mg
を2%ベンゼンスルホン酸(CHCl3−MeOH7:3v/v)(以
下2%BSAと略)20mlで室温1分、2回処理することに
より樹脂のDMTr基を除去した樹脂を得た。この樹脂
に3′燐酸トリマーブロツク、GAG,(第5図、n=1,B1
はN−イソブチルグアニン,B2はN−ベンゾイルアデニ
ン,B3はN−イソブチルグアニン)90μmoleを加えピリ
ジン3mlと3回共沸をくり返した後、ピリジン2mlを加
え、縮合剤MsTe 1mmoleを用いて室温2時間縮合反応を
行つた。反応液、過剰の3′燐酸トリマー及び縮合剤は
反応混合物をガラスフイルターを用いてろ過した後、得
られる樹脂をピリジンでよく洗うことにより容易に除去
できる。次に、未反応5′水酸基を保護する為に樹脂を
10%無水酢酸−ピリジン20mlにけんだくさせ室温で1時
間振盪した。反応後、樹脂をグラスフイルターを用いて
ろ別し、ピリジン、続いてCHCl3でよく洗う。次に樹脂
を2%BSA(CHCl3−MeOH,7:3v/v)20mlで1分、2回処
理することにより樹脂よりDMTr基を除去した。次に樹脂
をCHCl3次いでピリジンでよく洗つた後、同様にして所
望の長さが得られるまでブロツク縮合を繰り返した。す
なわちF3のオリゴデオキシリボヌクレオチドを合成する
為には、ひきつづき次の3′燐酸ブロツク、CCT,AA,GG
T,を順次用い、縮合反応をくり返すことによりF3の塩基
配列をもつ完全保護したオリゴデオキシリボヌクレオチ
ド樹脂を得た。同様にして他のフラグメントF1,F2及びF
4〜F20の各フラグメントもヌクレオチドの組合せを変え
るほかは上記と同様な方法を用いて製造した。
c)この様にして得た一定の塩基配列をもつて完全保護
したオリゴデオキシリボヌクレオチドの樹脂からの切り
出し及び完全脱保護反応は、樹脂を濃アンモニア水−ピ
リジン(2:1v/v)で55℃10時間、つづいて80%酢酸で室
温10分処理すことにより得た。
この脱保護反応条件をフラグメントF3について記せば
次のごとくである。
フラグメントF3の樹脂50mgをピリジン1mlと濃アンモ
ニア水2mlで封管中55℃,10時間振盪した後、樹脂をろ
別、ろ液を減圧下濃縮する。得られた残渣にトルエンを
加え共沸をくり返すことにより、ピリジンを除く。次
に、残渣に80%酢酸2mlを加え、室温10分処理すること
により、完全脱保護した、オリゴデオキシリボヌクレオ
チドを得た。
d)最終産物の分離、精製は高性能液体クロマトグラフ
イー(HPLC)を用いて行なつた。このHPLCはALTEXmodel
110A液体クロマトグラフイを使用し、溶媒A(0.005M,
KH2PO4,pH4.0)と溶媒B(0.05M,KH2PO4−1.0M KCl,pH
4.0)による直線濃度勾配法を用い、パーマフエイズAAX
(デユポン)カラム(0.21×50cm)で化合物を分離、精
製した。溶媒Aから開始し、1分毎に3%の溶媒Bを加
えることにより、勾配をつけた。溶出は58℃で1分当た
り2mlの流速で行なつた。目的とするピークのものを集
め、透析により脱塩し、凍結乾燥した。この様にして得
られた各フラグメントはさらに、溶媒A(0.01Mエチレ
ンジアミン酢酸/2.5%アセトニトリルpH7.0)と溶媒B
(0.01Mエチレンジアミン酢酸/25%アセトニトリルpH7.
0)による直線濃度勾配法を用い、μ−Bondapak C18
ラム(0.4×25cm)で化合物をさらに精製した。溶媒A
から開始し、1分毎に3%の溶媒Bを加えることによ
り、勾配をつけた。溶出は室温で1分当たり2mlの流速
で行なつた。目的とするピークのものを集め、凍結乾燥
することにより、F1〜F20の20個のDNAフラグメントを得
た。
e)この様にして得たF1〜F20の20個の完全脱保護した
オリゴデオキシリボヌクレオチドの均一性(homogeneit
y)はT4ポリヌクレオチドキナーゼを用い〔γ−32P〕AT
Pで5′末端を標識した後、20%ポリアクリルアミドゲ
ルによる電気泳動によりチエツクした。又、各々のオリ
ゴデオキシリボヌクレオチドの塩基配列は、T4ポリヌク
レオチドキナーゼを用い、〔γ−32P〕ATPで5′末端を
標識した後、ヌクレアーゼを用いて部分水解したもの
を、セルローズアセテートを用いるpH3.5の電気泳動
と、DEAE−セルローズによるホモクロマトグラフイーを
行なつて得られる二次元マツピング法で確認した。
〔Bambara,J,E,et al.(1974)NuCl.Acids.Res.1 33
1〕. HPCT遺伝子フラグメントのリゲーシヨン 化学合成した18のオリゴヌクレオチドフラグメント
(F2〜F19,第3図参照)の5′末端をリン酸化した後、
これにF1、F20のフラグメントを加えアニーリングさ
せ、T4DNAリガーゼを用い結合させ、122塩基対からなる
HPCTに相当する遺伝子を合成した。以下詳細に示す。
F1とF20を除く18フラグメントそれぞれ4.2μgを22μ
lの蒸留水に溶解し、90℃で2分間加熱し、直ちに0℃
に冷却した。この水溶液に10μciのr〔32P〕ATP(5100
ci/mmol)を加え、溶液を50mMトリス塩酸,pH9.6,10mM M
gCl2,2mMスパーミン,100mMKCl,10mMDTT(オリゴヌクレ
オチドキナーゼ緩衝液)となる様に調整し、3単位のポ
リヌクレオチドキナーゼを加え全容量を30μlとした。
37℃で15分間反応することにより5末端を32Pでラベル
した。次にすべての5末端をリン酸化する為に4nmolのA
TPと3単位のポリヌクレオチドキナーゼを加え、37℃で
45分間反応させ、90℃で5分間加熱することにより反応
を止めた。上記のリン酸化したF2からF19の18フラグメ
ント及びリン酸化していないF1及びF20をそれぞれ2.1μ
gを混合し、透析チーユブに入れ、蒸留水に対して4℃
で16時間透析し、未反応ATP及びキナーゼ緩衝液成分を
除いた。この透析したDNA溶液を濃縮乾固し、14.5μl
のリガーゼ緩衝液(20mMトリス塩酸,pH7.6,10mMMgCl2
に溶解した。この溶液を0.5ml容エツペンドルフチユー
ブに入れ95℃で2分間加熱し、その後ゆつくりと温度を
下降させ(30分間で室温まで下げる)20フラグメントを
アニールした後、0℃に置いた。このDNA溶液を0.4mMの
ATP,10mMのDTTを含むリガーゼ緩衝溶液としT4DNAリガー
ゼ30単位を加え、全容量を80μlとし、11℃で16時間反
応させた。反応溶液を一部取り出し8%ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で検討した。ゲルは7M尿素の含んだも
のと含まないものの2種類を用い、電気泳動を行つた後
ラジオオートグラフで反応物の検討をした。その結果12
2塩基対に相当するDNAが約20%の割合で結合していた
(第11,12図参照)。次に上記の反応溶液全量を8%ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分離した。ラジオ
オートグラフにより、122塩基対DNAを確認したのち、そ
の部分のゲル片を切り出し、透析チユーブに入れ、9mM
トリスホウ酸(pH8.3),0.25mM EDTA緩衝液を満たし、
シールした後同緩衝液中で200Vの定量圧で3時間電気泳
動することによりゲル中のDNAを溶出させた。次にDNA溶
液を透析チユーブより取り出し、凍結乾燥した。乾固物
を100μlの0.3M酢酸ナトリウム(pH7.0)に溶解後2.5
倍量のエタノールを加え、−80℃に30分間放置し、遠心
分離によりDNA沈澱を回収した。得られたDNAをキナーゼ
緩衝液30μlに溶解し、6単位のポリヌクレオチドキナ
ーゼ,0.8nmolATPを加え、37℃で1時間反応を行つた。
反応終了後、3μlの3M酢酸ナトリウムを加えた後、2.
5倍量のエタノールを加えてDNAを沈澱させ約2μgの12
2塩基対に相当するHPCT遺伝子を得た。
組み換えプラスミドの造成 第6図はHPCT遺伝子を含む組み換えプラスミドを造成
する方法を示したものであり、これについて以下に詳述
する。
(A)プラスミドpHPCTの造成 プラスミドpKO13の造成法は、特願昭56−163303号明
細書に明記されている通りである。プラスミドpKO13は
大腸菌ラクトースオペロンのプロモーター領域からほと
んどのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を持つたプラスミド
であり、EcoRI,BamHI制限酵素切断部位をそれぞれ一ケ
所有しており、化学的又は天然より得たEcoRI,BamHIの
粘着部位(cohesive end)を持つ遺伝子をプラスミドpK
O13に容易に導入することができる。さらにラクトース
プロモーターの支配下にEcoRI制限酵素切断部位下流に
組み込まれた遺伝子をβ−ガラクトシダーゼとの雑種蛋
白として発現させ、臭化シアン分解後、目的とするペプ
チドを分離精製することが可能である。
そこでpKO13の5μgを40μlの1XTA反応液(33mMト
リス酢酸緩衝液pH7.6,66mM酢酸カリウム,10mM酢酸マグ
ネシウムおよび0.5mMジチオスレイトール)中で制限酵
素EcoRI,BamHI各々1単位ずつ加え37℃,60分間反応を行
つた。反応液を65℃30分間加熱して酵素を不活性化した
後、0.7%アガロースゲル電気泳動を行い、大きいDNA断
片を電気泳動法により回収した。このようにして得たpK
O13のEcoRI,BamHI断片DNA/μgと先に得た5′−OH未満
をリン酸化したHPCT遺伝子0.6μgをT4DNAライゲーシヨ
ン反応液40μl(20mMトリス塩酸緩衝液,pH7.6,10mMMgC
l2,10mMDTT,0.4mMATP)に溶解し、T4DNAリガーゼ2単位
と5℃16時間、反応させた。反応液に2.5倍量の冷エタ
ノールを加え、DNAを沈澱として得た。このDNA沈澱を15
μlの蒸留水に溶解し、その10μlをE.Coli菌株WA802
への形質転換した。形質転換株はアンピシリン40μg/ml
を含む栄養寒天培地に37℃で一夜培養後生じたコロニー
を10μg/mlのテトラサイクリンを含む栄養寒天培地にレ
プリカして、テトラサイクリン感受性コロニーを選択し
た。アンピミリン耐性,タトラサイクリン感受性の形質
転換株についてWA802/pHPCT/〜WA802/pHPCT5と命名し
た。このうち菌株WA802/pHPCT4より得られた小さなEcoR
I,BamHIフラグメントのDNA塩基配列を後記するように分
析した結果、PHPCT4プラスミドは目的のHPCT遺伝子のDN
A塩基配列を持つていることを確認した。
このWA802/pHPCT4菌内でHPCTはラクトースプロモータ
ーの支配下にβ−ガラクトシダーゼ−HPCTの雑種蛋白と
して発現され、生じた雑種蛋白より臭化シアンのメチオ
ニン分解反応により、HPCTは完全な目的とするペプチド
として分解できる。しかしながらβ−ガラクトシダーゼ
蛋白中にはメチオニンが23残基存在する為臭化シアン分
解の際、不要の夾種ペプチドが多数生成され、目的のペ
プチドの分離精製が困難となる欠点を有している。そこ
で我々は上記の欠点を改良したベクターとして、大腸菌
アルカリ性フオスフアターゼ遺伝子を用いたプラスミド
を開発し、その有用性を証明した(特願昭56−170543
号)。従つてHPCTペクチドを大腸菌より分離精製を行う
には、アルカリ性フオスフアターゼ遺伝子を用いたプラ
スミドにHPCT遺伝子を再度組み換えたプラスミドを造成
する方が好ましいと考え、以下のプラスミドの造成を行
つた。
なお、上記形質転換株のプラスミド中のHPCT塩基配列
は次のようにして分析した。
HPCT塩基配列 pHPCT1,pHPCT2,pHPCT3,pHPCT4の各プラスミドDNA150
μgを200単位の制限酵素EcoRI及び200単位の制限酵素S
alIを用いて分解し、PHCT遺伝子を含む約400塩基対のDN
A断片を分離精製した。次にバクテリアアルカリホスフ
アターゼにより5′末端を脱リン酸した後、γ−
32P〕ATP及びポリヌクレオキーゼを用いて5′末端を
32Pラベルした。次に100単位の制限酵素BamHIを用いて
分解後122塩基対DNA断片を分離精製し、Maxam−Gilber
法により塩基配列を決定(Proc.Nat.Acad.Sci.USA.74,5
60−564,1977)した。その結果pHCT1を除きすべて最初
のデザイン通りの塩基配列を有していた。pHCT1はHPCT
の17番のアミノ酸であるアスパラギンに相当するコドン
(AAC)の3番目がCからTに変換していた。しかしコ
ドンAATもアスパラギンに対応するものである。
(B)プラスミドpAHPCT38の造成 プラスミドpAαNE1の造成法は特願昭56−170543号明
細書に明記されている。pAαNE1は大腸菌アルカリ性フ
アスフアターゼ構造遺伝子のEcoRI制限酵素切断部位の
下流にアルフア・ネオ・エンドルフイン遺伝子を組み込
んだプラスミドであり、アルカリ性フオスフアクターゼ
の発現調節支配下にアルカリ性フオスターゼ−アルフア
・ネオ・エンドルフイン雑種蛋白を発現するベクターで
ある。アルフア・ネオ・エンドルフイン遺伝子の代わり
にHPCT遺伝子を組み込んだプラスミドpAHPCT38の造成法
を以下に詳述する。
プラスミドpAαNE1 10μgを100μlの1XTA反応液中
で制限酵素EcoRI 10単位を用いて37℃30分間、部分的に
切断した後、0.7%アガロースゲル電気泳動を行い、1
ケ所のみ、EcoRIにより切断されたDNA断片をアガロース
から電気泳動法により回収した。回収したDNA断片を30
μlの1XTA反応液中で制限酵素BamHI 5単位用いて、37
℃60分完全に切断した後、2.5倍量の冷エタノールを加
えて、DNAを沈澱させた。このDNA沈澱物を30μlの蒸留
水に溶解した。この制限酵素EcoRI−BamHI切断DNA断片
0.5μgと制限酵素EcoRI−BamHIを用いてpHPCT4より調
整されたHPCT遺伝子DNA0.5μgを30μlのT4DNAライゲ
ーション反応液に溶解し、T4DNAリガーゼ2単位を用い
て、5℃,16時間、ライゲーション反応を行つた。反応
液に2.5倍量の冷エタノールを加え、DNAをエタノール沈
澱として得た。DNA沈澱に10μlの蒸留水を加え、溶解
した後、大腸菌E15(Hayashi et al.1964年J.Biol.che
m.239 3091)へ形質転換した。形質転換株はアンピシリ
ン40μg/mlを含む栄養寒天培地に37℃一夜培養した。得
られたアンピシリン耐性株72株について、プラスミドの
制限酵素SmaI切断部位の有無について調べた。その結果
3株が、HPCT遺伝子内のSmaI切断部位を持つているプラ
スミドであることが判り、その中の1株をE15/pAHPCT38
と命名し、次のHPCTペプチドの分離精製に使用した。
なお、上記のエシエリア・コリE15/pAHPCT38はSBMC13
8の表示を付して、工業技術院微生物工業研究所に寄託
され、受託番号微工研条寄第283号を付された。
ヒトカルシトニン前駆体のE.ColiE15/pAHPCT38からの精
製 E.Coli E15/pAHPCT38中でHPCT遺伝子はアルカリ性フ
オスフアクター構造遺伝子中に挿入されている。このた
めHPCTは、アルカリ性フオスフアターゼとの雑種蛋白と
して発現されるはずである。しかし最初のHPCT遺伝子の
デザインに示した如く、HPCTのアミノ酸末端部位にメチ
オニンを挿入することにより、このアルカリ性フオスフ
アターゼとHPCTの雑種蛋白を臭化シアンで開裂すること
により容易にHPCTを得ることができる。そこで以下に詳
述する方法でE.Coli K12E15/pAHPCT38よりHPCTの分離精
製を行つた。猶、E.Coli K12E15/pAHPCT38菌株の培養
法、並びにアルカリ性フオスフアターゼ−HPCT雑種蛋白
の誘導法は、特願昭56−170543号明細書に記載された方
法に従つて行つた。
菌株E.Coli E15/pAHPCT38をアンピシリン40μg/μl
を含むTG+20(高リン酸培地)100mlで37℃16時間培養
後、10lのTG+1(低リン酸培地)に接種し、37℃でさ
らに24時間培養を行つた。連続遠心により菌体を集菌
し、2.36gの湿菌体が得られた。この湿菌体に500mgの臭
化シアンを含む70%ギ酸溶液20mlを加え、懸濁し、室温
で24時間暗所に放置した。
HPCTの、菌株E.Coli E15/pAHPCT1からの精製 菌体のブロムシアン反応液を凍結乾燥し、60mlの蒸留
水を加たのち、約1時間室温で超音波処理を行なつた。
こうして得た懸濁液を遠心分離し(10,000rpm.15分)上
澄液を残し、沈殿物に蒸留水30mlを加え再度超音波処理
後遠心分離して、上澄液を先のものと合わせて90ml得
た。この溶液に蒸留水10mlを加えて100mlとし、SP−セ
フアデツクスC−25のカラム(1.4×20cm)にかけた。
カラムはあらかじめ0.025M酢酸で平衡化しておき、サン
プルをカラムに供した後230mlの同じ酢酸溶液で洗い、
つづいて1.5%ピリジン−酢酸緩衝液−以下PA緩衝液と
略称−(pH4.47)200ml、2.5%pA緩衝液(pH4.65)160m
lで洗浄した。次に2.5%pA緩衝液(pH4.65)60mlと3.75
%pA緩衝液(pH4.76)60mlを用いた直線濃度勾配による
溶出、つづいて後者緩衝液60mlでの溶出を行ない、さら
に3.75%pA緩衝液(pH4.76)160mlと、5.0%PA緩衝液
(pH4.87)160mlを用いた直線濃度勾配による溶出を行
なつて、溶出液を6mlづつ分取した。分画は数本おき
に、その一部100μlをHPLCを用いて分析した(HPLCの
条件は後述)。HPLCから得られた主な各ピークに相当す
る分画を、乾固後0.1%フエノールを含む6N塩酸150mlに
溶かし110℃24時間加水分解した。分解物は蒸発乾固さ
せたのちアミノ酸分析を行なつて(日立#835−50型ア
ミノ酸分析機使用)、HPCTのカラムからの溶出状況をモ
ニターした。この結果、2.5%から3.75%の濃度勾配溶
出分画(合計120ml)、3.75%の溶出分画(60ml)のす
べて、および3.75%から5.0%の濃度勾配溶出分画の内
の最初の10分画(60ml)に、HPCTの存在が確認された。
これらのHPCTを含む分画を集めて凍結乾燥し、HPLCに
よる精製を次に行つた。 上記乾固物を、80mlの0.1N酢
酸に溶解し、その内の100−300μlづつをμ−Bondapak
c18(ウオーターズ)0.39×30cmカラムを用いて精製し
た。溶出は、10%アセトニトリルを含む0.1%トリフル
オロ酢酸と、50%アセトニトリルを含む0.1%トリフル
オロ酢酸による直線濃度勾配を用いて行ない210nmのUV
波長でモニターした。第7図の典型的なクロマトグラム
に示すように、HPCTに相当するピークを明瞭に検出する
ことができる。このピークを含む分画を分取し、更にも
う一度同じ条件でのHPLCを行ない(第8図)、純粋なHP
LCを2.15mg(0.56μmol)得ることができた。
HPCTの構造確認 HPCTのアミノ酸組成は、HPCTを減圧封管中0.1%フエ
ノール含有6N塩酸を用いて、110℃で24,48,72時間加水
分解したもののアミノ酸分析の結果、およびHPCTを常法
に従い(1)過ギ酸酸化したものを6N塩酸110℃、24時
間加水分解後のアミノ酸分析の結果から決定した(第1
表)。HPCT過ギ酸酸化物のアミノ酸配列分析は、エドマ
ン分解法(2)を用いて行なつたところ、アミノ末端か
ら15番目までの配列を決定することができた(第9
図)。つづいてHPCT全体のアミノ酸配列を決定するため
に、HPCTをトリプシン分解しペプチド断片を得ることを
試みた。
HPCT160μgを0.1N PA緩衝液(pH7.80)300μlに懸
濁し30分間超音波処理したのち、TPCK処理した(3)ト
リプシン溶液(1mg/ml)を10μl加え、37℃で2時間放
置した。反応溶液を凍結乾燥後400μlの0.1N酢酸に溶
解してHPLCに供した。HPLCの条件は、HPCT精製の際に用
いた条件と全く同一で、210nmのUV波長でモニターした
クロマトグラムは第10図に示したようなパターンを示
し、各ピークT1,T2,T3のアミノ酸組成からT1はHPCTの
19番目のアミノ酸から34番目のアミノ酸までのペプチ
ド、T2はアミノ末端から18番目までのペプチド、更にT3
は、アミノ末端から34番目までのペプチドであることが
推定された(第1表)。
なお、上記(1),(2),(3)において参照する
文献を次に示す。
(1)C.H.W.Hirs,“Method in Enzymology",Academic
Press,New York,Vol.11,P.197(1967) (2)J.P.Van Eerd et.al.,Biochemistry,15,1171(19
76) (3)S.−S.Wang et.al.,J.Biol.Chem.,240,1619(196
5) つづいてT1および過ギ酸酸化したT2を使つてアミノ酸配
列分析を行なつた(第9図)。さらにHPCTあるいはT1
T2のカルボキシル末端部分のアミノ酸配列分析を、カル
ボキシペプチダーゼ法(T.Isobeら,J.Mol.Biol.,102,34
9(1976))を用いて行ない、カルボキシル末端分析
を、ヒドラジン分解法(A.Tsug:taら,Proc.Nat.Acasd.S
ci.,U.S.A.46.1462(1960))を用いて行なつた(第9
図)。以上の結果より、HPCTのアミノ酸配列を、第9図
のとおり決定した。
HPCTのカルボキシペプチダーゼを用いた分解物HPCT−Cp
(1−33)の精製 HPCT500μgを0.1N PA緩衝液(pH7.80)300μlに懸
濁し、1時間超音波処理したのちカルボキシペプチダー
ゼB溶液(0.67mg/ml)を7.5μl加えて37℃で6時間放
置した。遊離するアミノ酸(リジン2モルとアルギニン
1モル)をアミノ酸分析でチエツクしたのち、反応溶液
は凍結乾燥し0.1酢酸500μlに溶解して、HPLCを用いて
精製した。HPLCの条件は,HPTC精製に用いた条件と同一
で、クロマドグラムは210nmのUV波長でモニターした。
このようにして精製したペプチドは、アミノ酸分析によ
り、HPCTのアミノ末端から33番目のアミノ酸までのペプ
チド、HPCT.Cp(1−33)であることを確認した(第1
表)。更にこのアミノ酸分析の結果から求めた収量は30
2μgで、収率は68%であつた。
HPCTの生物学的活性 前記の方法で精製したHPCTおよびHPCT・Cp(1−33)
の生物学的活性を、ラツトにおける血清カルシウム低下
作用を指標として測定した。
実験方法 体重300〜350グラムのウイスター系雄性ラツトを一夜
絶食後エーテル麻酔下に背位に固定し、右側下肢の下腿
動脈にあらかじめ日本薬局方へパリンナトリウム注射液
(日本アツプジヨン)を満したポリエチレンチユーブ
(INTRAMEDIC PE−50,Clay Adams社)を挿入した。つ
いでボールマンケージにラツトを固定し、麻酔覚醒後30
分に上述の下腿動脈に挿入したポリエチレンチユーブよ
り血液0.5mlを50単位のヘパリンナトウリムを含むポリ
エチレン製遠沈管に採取した。ただちに、後述する生理
食塩液、HPCT液,HPCT・Cp(1−33)液あるいはブタカ
ルシトニン液をラツト1匹あたり0.2ml背部皮下に投与
し、投与後1,2,4および6時間目に前述のポリエチレン
チユーブを通して血液0.5mlを採取した。採取した血液
は、採取後すみやかにエツペンドルフ微量遠心機(Eppe
ndorf 5414)を用い毎分13,000回転で1分間遠心し、上
清を血清画分とした。
血清カルシウム濃度は、市販のカルシウム測定用試液
RM117−K(Ca SET)(ヤトロン)を使用し、o−クレ
ゾールフタレインコンプレクソン(OCPC)法により測定
した。すなわち血清50μlを試験管にとり、o−クレゾ
ールフタレインコンプレクソンと8−ハイドロオキシキ
ノリンを含む呈色試薬(RM117−2)0.5mlを加えて撹拌
する。ついでモノエタノールアミンホウ酸緩衝液(RM11
7−1)5.0mlを加えて撹拌し、90分以内に自記分光光度
計(日立製作所・320型)を使用して575mμの波長で吸
光度を測定した。
実験に供した生理食塩液,HPCT液,HPCT・Cp(1−33)
液ならびにブタカルシトニン液の調製法を以下に述べ
る。
a)生理食塩液:ウシ血清アルブミン(SIGMA )を日
本薬局方生理食塩液(大塚製薬)に室温で溶解し、アル
ブミン濃度が0.1%になるように調製した。
b)HPCT液:HPCTを上述のアルブミンを0.1%含有する生
理食塩液で稀釈し、溶液0.2ml中にHPCT4.5μgを含むよ
うに調製した。
c)HPCT・Cp(1−33)液:HPCT・Cp(1−33)を上述
のアルブミンを0.1%を含有する生理食塩液で稀釈し、
溶液0.2ml中にHPCT・Cp(1−33)20μgを含むように
調製した。
e)ブタカルシトニン液:1バイアル中にブタ起源のカル
シトニン160国際単位を含有するカルシタール 注射用
(山之内製薬)を日本薬局方精製ゼラチン16%,日本薬
局方フエノール0.5%を含有する溶解液4.0mlで溶解し、
これを上述のアルブミンを0.1%含有する生理食塩液で
稀釈し、溶液0.2ml中にブタカルシトニン0.2国際単位あ
るいは1国際単位を含むように調製した。
実験成績 第2表に実験成績を示す。4.5μgのHPCTを皮下投与
されたラツトの血清カルシウム濃度は、投与後1および
2時間後に統計的に有意に減少した。HPCT投与後の血清
カルシウム濃度の時間的推移は、ブタカルシトニン0.2
国際単位を皮下投与されたラツトの血清カルシウム濃度
の時間的推移にきわめて近く、本実験条件下においてHP
CT4.5μgは概ねブタカルシトニン0.2国際単位に相当す
る活性を有するものと推察された。一方、20μのHPCT・
Cp(1−33)を皮下投与されたラットの血清カルシウム
濃度は、投与1時間後に統計的に有意に減少したが、投
与後2時間以降は血清カルシウム濃度降下作用はみられ
なかった。
一般に天然から見出されるC末端がアミド化されたペ
プチドに比べると、C末端が遊離の状態になつたペプチ
ド(デスアミドペプチド)はその生理学的活性において
非常に低いことが知られている。一方、本発明の実施例
で示したHPCT(Val8ヒトカルシトニン前駆体)およびHP
CT・Cp(1−33)は第2表に示したように、絶対的比較
はできないが、強い生理学的活性を有していることを示
唆している。
さらにつけ加えるならば、カルシトニンのアミノ酸配
列におけるアミノ酸置換やアミノ酸またはペプチドの部
分的除去に関する研究は多くなれているが、本発明のよ
うなペプチドを附加したものが活性を示したという事実
は全く知られていない。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例に示された本発明の態様に関するもので、
第1図は上段に合成遺伝子のデザインの基礎としたアミ
ノ酸配列、下段に成熟カルシトニンの構造を示し、下段
においては上段と共通する部分を線で表わしている。第
2図はHPCT遺伝子のデザイン、第3図は化学的に合成し
たHPCT(1〜36)遺伝子のフラグメント(F1〜F20)、
第4図はアミノメチル化ポリスチレン樹脂に3′末端モ
ノヌクレオチドユニツトを固定化する工程、第5図は
3′−燐酸ジエステルダイマー(またはトリマー)ブロ
ツクの構造、第6図はHPCT遺伝子を含む組み換えプラス
ミドの造成工程、第7図は上記のプラスミドにより形質
転換した菌によつて生産されたHPCTのHPLCによる溶出パ
ターン、第8図は第7図でピークを示す分画のHPLCによ
る溶出パターンを示す。第9図は上記のHPLCにより単離
したHPCTのアミノ酸配列で、図中、Cpはカルボキシペプ
チターゼ、 はエドマン分解法で決定したアミノ酸配列、 はカルボキシペプチターゼ法で決定したカルボキシ末端
部分のアミノ配列、 はカルボキシペプチダーゼ法で推定したカルボキシ末端
部分のアミノ酸配列、 はヒドラジン分解法で決定したカルボキシ末端を示す。
第10図はHPCTのトリプトフアン分解物のHPLCによる溶出
パターン、第11,12図はオリゴヌクレオチドフラグメン
トF1〜20から合成した遺伝子の8%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動によるマツピングを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (72)発明者 野口 照久 神奈川県藤沢市鵠沼海岸2丁目8番11号 (56)参考文献 特開 昭53−59688(JP,A) Science,Vol.213,P.457 −459(1981)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で表わされるC末端アミド化
    ペプチドの前駆体
  2. 【請求項2】5′末側にMetに対するコードを付加し、
    続いて次式で表わされるポリペプチド のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列とそれに
    続いて翻訳終止をコードするヌクレオチド配列を有する
    ポリデオキシリボヌクレオチドを組み込んだプラスミド
    により形質転換した宿主細胞を培養し、培養物中に蛋白
    成分として上記のポリペプチドを生成させることを特徴
    とするC末端アミド化ペプチド前駆対の製造法。
JP57086181A 1982-05-20 1982-05-20 C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法 Expired - Lifetime JPH089639B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57086181A JPH089639B2 (ja) 1982-05-20 1982-05-20 C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法
EP83302916A EP0095351B1 (en) 1982-05-20 1983-05-20 A precursor of a c-terminal amidated peptide and production thereof
DE8383302916T DE3380819D1 (en) 1982-05-20 1983-05-20 A precursor of a c-terminal amidated peptide and production thereof
AT83302916T ATE47880T1 (de) 1982-05-20 1983-05-20 Vorlaeufer eines an dem c-ende amidierten peptids und dessen herstellung.
US07/610,312 US5252482A (en) 1982-05-20 1990-11-05 Precursor of a C-terminal amidated calcitonin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57086181A JPH089639B2 (ja) 1982-05-20 1982-05-20 C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58203953A JPS58203953A (ja) 1983-11-28
JPH089639B2 true JPH089639B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=13879588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57086181A Expired - Lifetime JPH089639B2 (ja) 1982-05-20 1982-05-20 C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0095351B1 (ja)
JP (1) JPH089639B2 (ja)
AT (1) ATE47880T1 (ja)
DE (1) DE3380819D1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0107710A4 (en) * 1982-05-06 1985-02-28 Applied Molecular Genetics Inc PRODUCTION AND EXPRESSION OF GENES FOR CALCITONIN AND ITS POLYPEPTIDE ANALOGS.
US4663309A (en) * 1983-06-29 1987-05-05 University Patents, Inc. Novel peptide hormones with calcitonin-like activity
DE3328793A1 (de) * 1983-08-10 1985-02-28 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Herstellung von sekretin
WO1986001226A1 (en) * 1984-08-17 1986-02-27 Sagami Chemical Research Center Fish calcitonin derivative, process for its preparation, and gene system therefor
JPS61291598A (ja) * 1985-06-18 1986-12-22 Sagami Chem Res Center 魚類カルシトニン誘導体及びその製造方法
IT1186750B (it) * 1985-07-10 1987-12-16 Eniricerche Spa Vettore di clonaggio,molecole di dna ricombinante,ceppi di bacillus subtilis trasformati con dette molecole e metodi per l'espressione di geni eterologhi e produzione e secrezione di proteine codificate da detti geni
JP2535398B2 (ja) * 1989-01-17 1996-09-18 サントリー株式会社 アミド化ペプチドの製造方法
JPH0583765A (ja) * 1991-09-18 1993-04-02 Fujitsu Ten Ltd 遠隔制御システム
WO1997013410A1 (en) * 1995-10-13 1997-04-17 Boston Medical Center Corporation Hybrid molecules containing amidated polypeptide binding ligands

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5359688A (en) * 1976-11-11 1978-05-29 Tanpakushitsu Kenkiyuu Shiyour Production of novel polypeptide
WO1983000346A1 (en) * 1981-07-15 1983-02-03 Roger Kingdon Craig Human calcitonin precursor polyprotein structural gene

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Science,Vol.213,P.457−459(1981)

Also Published As

Publication number Publication date
EP0095351B1 (en) 1989-11-08
JPS58203953A (ja) 1983-11-28
EP0095351A2 (en) 1983-11-30
ATE47880T1 (de) 1989-11-15
EP0095351A3 (en) 1985-01-16
DE3380819D1 (en) 1989-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7790677B2 (en) Insulin production methods and pro-insulin constructs
KR100249534B1 (ko) 펩티드의 제조방법
JPH089639B2 (ja) C末端アミド化ペプチドの前駆体およびその製造法
WO2001044469A1 (fr) PROCEDE DE PRODUCTION DE PEPTIDE KiSS-1
US5856138A (en) Human parathyroid hormone muteins and production thereof
EP0206769B2 (en) A process for the production of alpha-human atrial natriuretic polypeptide
JP2862870B2 (ja) 新規ペプチド
JPH083196A (ja) カルシトニン誘導体及びその用途
US4667017A (en) Method for producing an active protein
JPS6049798A (ja) 酸アミド−カルボキシ末端を有するポリペプチドの調製
JPH0420598B2 (ja)
JP4613063B2 (ja) ペプチドアミド化方法
US5252482A (en) Precursor of a C-terminal amidated calcitonin
JP2527681B2 (ja) Hpct遺伝子
US5459049A (en) Motilin-like polypeptide and use thereof
JPH07173187A (ja) Hpct遺伝子
JPS61291598A (ja) 魚類カルシトニン誘導体及びその製造方法
JP3352713B2 (ja) ペプチドの製造法
JPH0516835B2 (ja)
JPH0687779B2 (ja) 合成構造遺伝子
JPH0832726B2 (ja) ラットbFGFおよびその製造法
JPS61277631A (ja) ソマトクリニンの非アミド誘導体および遺伝子工学によるそれらの製造方法
JP2599111B2 (ja) ヒト・ガンマ・インターフェロン様ポリペプチド発現用のポリデオキシリボヌクレオチド
JPS61257187A (ja) サケカルシトニン誘導体遺伝子
JPH0632625B2 (ja) ウナギカルシトニン誘導体遺伝子