JPH0894211A - ステップ式パイロット電磁開閉弁 - Google Patents

ステップ式パイロット電磁開閉弁

Info

Publication number
JPH0894211A
JPH0894211A JP6226833A JP22683394A JPH0894211A JP H0894211 A JPH0894211 A JP H0894211A JP 6226833 A JP6226833 A JP 6226833A JP 22683394 A JP22683394 A JP 22683394A JP H0894211 A JPH0894211 A JP H0894211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pilot
valve
valve body
main
fluid passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6226833A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Komiya
靖雄 小宮
Mineo Kinoshita
峰夫 木下
Tokuji Tanii
吐句児 谷井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saginomiya Seisakusho Inc filed Critical Saginomiya Seisakusho Inc
Priority to JP6226833A priority Critical patent/JPH0894211A/ja
Publication of JPH0894211A publication Critical patent/JPH0894211A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Driven Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイロット通路を流れる冷媒の流量だけの小
流量開弁状態の維持時間を可変制御し、主弁体開弁時に
大きい衝撃音や振動が発生することを抑制する。 【構成】 絞り通路12によって上流側圧力を導入され
る背圧室10の圧力を第一の受圧面積をもって閉弁側に
及ぼされ、上流側圧力を前記第一の受圧面積より小さい
第二の受圧面積をもって開弁側に及ぼされると共に下流
側圧力を第三の受圧面積をもって開弁側に及ぼされ、こ
れらの受圧力差により主弁座部4に選択的に着座・離間
して主流体通路5を開閉する主弁体7を設ける。背圧室
10を主弁座部4より下流側の主流体通路5に連通接続
するパイロット用流体通路14を全閉と中開と全開の3
段階にステップ動作する電磁パイロット弁16を設け、
パイロット用流体通路14が中開状態である場合には主
弁体7の閉弁を保って小流量開弁状態とし、パイロット
用流体通路14が全開状態である場合にのみ主弁体7を
主弁座部4より離間させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステップ式パイロット
電磁開閉弁に関し、特に冷凍サイクルにおける冷媒通路
を開閉する開閉弁などとして使用されるステップ式パイ
ロット電磁開閉弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ式のマルチ空調装置におい
て、冷凍サイクルに複数個の室内熱交換器が互いに並列
に接続され、熱損失低減のために、暖房時に暖房が必要
な部屋の室内熱交換器にのみ冷媒を選択的に供給するこ
とは従来より行われている。
【0003】この場合、暖房時における冷媒の流れで見
て室内熱交換器の上流側に設けられた電磁開閉弁により
冷媒通路の開閉が各室内熱交換器毎に個別に行われる。
上述のようなマルチ空調装置においては、閉弁状態の電
磁開閉弁の前後には高い差圧が生じており、この状態下
にて新たな部室の暖房を開始すべく、電磁開閉弁を開弁
すると、その圧力差によって冷媒が急激に流れ、大きい
流体音や配管の振動が発生する。
【0004】このことを避けるために、各室内熱交換器
に対して二つの電磁開閉弁を互いに並列に設け、このう
ちの一方の電磁開閉弁にはキャピラリのような絞り通路
手段を直列に接続し、新たな部室の暖房開始時には、ま
ず絞り通路手段を接続されている電磁開閉弁を開弁して
少流量をもって冷媒を流すことにより電磁開閉弁の前後
の差圧を小さくし、この後にもう一方の電磁開閉弁を開
くことが行われている。
【0005】また上述の不具合を避けるべく提案された
電磁開閉弁として、特開平3−175243号公報に示
されているように、主弁体の開弁のためにパイロット弁
体の電磁駆動によってパイロット通路を開くことによ
り、主弁体の開弁に先だってパイロット通路をもって冷
媒を開閉弁の下流側に流し、これによって開閉弁の上流
側と下流側との圧力差を下げてから、換言すればパイロ
ット通路を流れる冷媒によって下流側の圧力を上げてか
ら主弁体の開弁するよう構成されたパイロット電磁開閉
弁が既に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】二つの電磁開閉弁と絞
り通路手段によるものは、所期の目的を達成するが、し
かし各室内熱交換器に対して二つの電磁開閉弁と絞り通
路手段を設ける必要があり、配管部品点数、配管工数が
増え、コスト高になる欠点がある。
【0007】これに対し特開平3−175243号公報
に示されている電磁開閉弁の場合には、そのような欠点
はないが、しかしその構造上、パイロット通路を開いた
時点より主弁体の開弁を遅延させる時間は、主弁体の背
圧室に弁上流側圧力を導くことを制御する均圧弁の圧力
室(低圧室)に導入される弁下流側圧力の上昇速度に依
存し、これはパイロット通路を流れる冷媒の流量によっ
て一義的に決まり、主弁体の開弁遅延時間を可変制御す
ることができない。
【0008】このためパイロット通路を流れる冷媒の流
量だけの小流量開弁状態の維持時間を可変制御すること
ができず、大きい流体音、振動の発生を充分に抑制でき
ない場合がある。本発明は、上述の如き問題点に着目し
てなされたものであり、パイロット通路を流れる冷媒の
流量だけの小流量開弁状態の維持時間を可変制御するこ
とができ、配管部品点数、配管工数を増やすことなく、
開弁時の大きい流体音、振動の発生を充分に抑制するこ
とができるステップ式パイロット電磁開閉弁を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成す
るため、本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
は、背圧室の圧力を第一の受圧面積をもって閉弁側に及
ぼされ、弁ハウジングに形成された主弁座部より上流側
の流体圧力を前記第一の受圧面積より小さい第二の受圧
面積をもって開弁側に及ぼされると共に前記主弁座部よ
り下流側の流体圧力を第三の受圧面積をもって開弁側に
及ぼされ、これらの受圧力差により前記主弁座部に選択
的に着座・離間して主流体通路を開閉する主弁体と、前
記主弁座部より上流側の前記主流体通路を前記背圧室に
連通接続し、前記背圧室に前記主弁座部より上流側の流
体圧力を導く絞り通路と、前記背圧室を前記主弁座部よ
り下流側の前記主流体通路に連通接続するパイロット用
流体通路と、前記パイロット用流体通路の連通を遮断す
る全閉位置と前記パイロット用流体通路を第一の弁開度
をもって連通状態にする中間開度位置と前記パイロット
用流体通路を第一の弁開度より大きい第二の弁開度をも
って連通状態にする全開位置との間に3段階に開閉動作
するステップ動作式の電磁パイロット弁とを有し、前記
パイロット用流体通路が遮断あるいは前記第一の弁開度
による連通状態である場合には前記主弁体が前記受圧力
差によって前記主弁座部に着座して前記主流体通路を閉
じ、前記パイロット用流体通路が前記第二の弁開度によ
る連通状態である場合には前記主弁体が前記受圧力差に
よって前記主弁座部より離間して前記主流体通路を開く
よう、前記パイロット用流体通路の第一の弁開度および
第二の弁開度と前記主弁体の第一〜第三の各の受圧面積
を設定されていることを特徴としている。
【0010】本発明によるステップ式パイロット電磁開
閉弁においては、前記電磁パイロット弁は、軸線方向に
移動することにより前記パイロット用流体通路に設けら
れているパイロット弁座部と共働して流量制御を行うパ
イロット弁体と、前記パイロット弁体の移動方向に第一
の位置と第二の位置との間に移動可能に配置され、第一
の位置より第二の位置へ移動することにより前記パイロ
ット弁体と係合して当該パイロット弁体を前記全閉位置
より前記中間開度位置へ駆動する第一のプランジャと、
前記第一のプランジャと前記パイロット弁体の移動方向
に直列に、前記パイロット弁体の移動方向に第三の位置
と第四の位置との間に移動可能に配置され、前記第三の
位置より前記第四の位置に移動することにより前記パイ
ロット弁体と係合して当該パイロット弁体を前記中間開
度位置より全開位置へ駆動する第二のプランジャと、前
記第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に対向し
て固定配置された吸引子と、一端を前記吸引子に接続さ
れたヨークと、前記第一のプランジャが前記第二の位置
に位置し前記第二のプランジャが前記第四の位置に位置
することにより前記第一のプランジャと前記第二のプラ
ンジャと前記吸引子と前記ヨークとによる磁気閉ループ
を構成して前記第二のプランジャを前記第四の位置にラ
ッチする永久磁石と、第一の方向の通電により前記ヨー
クを前記永久磁石の磁極方向とは逆方向の第一の磁極方
向に励磁して前記第一のプランジャを前記第二の位置へ
駆動し、前記第一の方向とは反対の第二の方向の通電に
より前記ヨークを前記永久磁石の磁極方向と同方向の第
二の磁極方向に励磁して前記第二のプランジャを前記第
四の位置へ駆動する電磁コイルとを有していることを詳
細な特徴としていてよい。
【0011】上述のステップ式パイロット電磁開閉弁に
おいては、前記パイロット用流体通路が前記主弁体に設
けられ、前記パイロット弁体は前記主弁体に形成された
パロット弁座部と共働して流量制御を行うよう構成され
ていてもよい。更に本発明によるステップ式パイロット
電磁開閉弁においては、前記パイロット弁体が前記第一
のプランジャにより駆動される第一のパイロット弁体と
前記第二のプランジャにより駆動される中空構造の第二
のパイロット弁体とによる二重構造とされ、前記第一の
パイロット弁体は前記第二のパイロット弁体に形成され
た第一のパイロット弁座部と共働して流量制御を行い、
第二のパイロット弁体は弁ケーシング側に形成された第
二のパイロット弁座部と共働して流量制御を行うことを
詳細な特徴としてもよい。
【0012】また本発明によるステップ式パイロット電
磁開閉弁においては、前記主弁体と前記電磁パイロット
弁のパイロット弁体とは各々軸線方向へ移動することに
より開閉し、前記主弁体の移動方向と前記電磁パイロッ
ト弁のパイロット弁体の移動方向とが同一軸線方向であ
ることをもう一つの詳細な特徴としていもよい。
【0013】
【作用】上述の如き構成によれば、パイロット弁体が全
閉位置に位置している場合には、主弁体も閉弁位置に位
置し、この場合にはパイロット用流体通路も主流体通路
も連通を遮断され、ステップ式パイロット電磁開閉弁は
全閉状態となる。
【0014】パイロット弁体が中間開度位置に駆動され
ることにより、パイロット用流体通路が第一の弁開度に
よる連通状態になり、パイロット弁体が中間開度位置に
位置している間は、主弁体の閉弁を維持して、即ち主流
体通路の連通を遮断した状態を保って第一の弁開度によ
る流量だけの小流量開弁状態が維持される。
【0015】パイロット弁体が全開位置に駆動され、パ
イロット用流体通路が第二の弁開度による連通状態にな
ると、はじめて主弁体が開弁し、主流体通路が連通状態
になり、ステップ式パイロット電磁開閉弁は全開状態な
る。電磁パイロット弁のパイロット弁体が、二つのプラ
ンジャと永久磁石と電磁コイルとの組み合わせにより開
閉駆動される場合には、電磁コイルに通電が行われてい
ない通常状態時には戻しばねのばね力によりパイロット
弁体は全閉位置に位置し、電磁コイルに第一の方向の通
電が行われることによりパイロット弁体は中間開度位置
に位置し、電磁コイルに第一の方向とは逆方向の第二の
方向の通電が行われることによりパイロット弁体は全開
位置に位置する。
【0016】そしてパイロット弁体は、全開位置におい
ては電磁コイルに対する通電が停止されても永久磁石の
磁力により、全開位置に位置することを保持される。ま
たパイロット弁体が第一のパイロット弁体と第二のパイ
ロット弁体とによる二重構造である場合には、第一のパ
イロット弁体の開閉によって第一の弁開度が確実に決ま
り、第二のパイロット弁体の開閉によって第二の弁開度
が確実に決まる。
【0017】
【実施例】以下に添付の図を参照して本発明を実施例に
ついて詳細に説明する。図1〜図3は本発明によるステ
ップ式パイロット電磁開閉弁の一実施例を示している。
【0018】ステップ式パイロット電磁開閉弁は弁ケー
シング1を有し、弁ケーシング1には、入口ポート2
と、出口ポート3と、途中に主弁座部4を有する主流体
通路5とが設けられている。弁ケーシング1の弁室6に
は段付きピストン状の主弁体7が大径部8にて図にて左
右方向に移動可能に嵌合している。主弁体7は小径部9
にて主弁座部4と選択的に着座・離間して主流体通路5
を開閉する。
【0019】主弁体7は、大径部8の側に背圧室10を
画定しており、背圧室10の圧力Pbを大径部8の受圧
面積(第一の受圧面積)S1 をもって閉弁力Pb・S1
として及ぼされると共にばね11のばね力Fを閉弁力と
して及ぼされ、主弁座部4より入口ポート2の側の圧
力、即ち上流側の圧力Piを大径部8の受圧面積S1 よ
り小径部9の受圧面積S2 を差し引いた受圧面積(第二
の受圧面積)S1 −S2をもって開弁力Pi(S1 −S
2)として及ぼされると共に主弁座部4より出口ポート
3の側の圧力、即ち下流側の圧力Poを概ね小径部9の
受圧面積S2 と同等の受圧面積S3 もって閉弁力Po・
S3 として及ぼされ、閉弁力Pb・S1 +ばね力Fと開
弁力Pi(S1 −S2 )+Po・S3 との平衡関係によ
り開閉する。
【0020】ここで、主弁体7は、Pb・S1 +F>P
i(S1 −S2 )+Po・S3 であれば、主弁座部4に
着座して主流体通路5の連通を遮断し、これに対しPb
・S1 +F<Pi(S1 −S2 )+Po・S3 であれ
ば、主弁座部4より離間して主流体通路5の連通を確立
する。
【0021】背圧室10は、主弁体7と弁ハウジング1
に取り付けられたエンドプレート1aとの間に画定さ
れ、オリフィス通路12と連通路13をもって主弁座部
4より入口ポート2の側の弁室6に連通し、上流側の圧
力Piを導入される。弁ケーシング1には背圧室10を
主弁座部4より下流側の主流体通路5に連通接続するパ
イロット用流体通路14が形成されている。パイロット
用流体通路14の途中にはパイロット弁座部15が形成
されており、パイロット弁座部15は電磁パイロット弁
16のパイロット弁体17によって開閉される。
【0022】パイロット弁体17は、先端部にパイロッ
ト弁座部15と共働して流量制御を行う段差による流量
設定部18を有し、図1および図4(a)に示されてい
るように、パイロット用流体通路14の連通を遮断する
全閉位置と、図2および図4(b)に示されているよう
に、パイロット通路14を第一の弁開度をもって連通状
態にする中間開度位置と、図3および図4(c)に示さ
れているように、パイロット通路14を第一の弁開度よ
り大きい第二の弁開度をもって連通状態にする全開位置
との間に往復移動する。
【0023】この場合、パイロット用流体通路14が遮
断あるいは前記第一の弁開度による連通状態である場合
には、Pb・S1 +F>Pi(S1 −S2 )+Po・S
3 の関係が成立し、主弁体7がこの受圧力差によって主
弁座部4に着座して主流体通路5を閉じ、パイロット用
流体通路14が前記第二の弁開度による連通状態である
場合にはPb・S1+F<Pi(S1−S2)+Po・S3
の関係が成立し、主弁体7がこの受圧力差によって主弁
座部4より離間して主流体通路5を開くよう、パイロッ
ト用流体通路14の第一の弁開度および第二の弁開度と
主弁体7の各受圧面積S1 、S2 、S3 が設定されてい
る。
【0024】弁ハウジング1にはプランジシャ保持チュ
ーブ19がパイロット弁体17の軸線方向と同方向に固
定装着されており、プランジシャ保持チューブ19の中
心部にはパイロット弁体17のステム部20が延在して
いる。プランジシャ保持チューブ7内には中空構造の上
部プランジャ(第一のプランジャ)21と下部プランジ
ャ(第二のプランジャ)22とがパイロット弁体17の
移動方向に互いに直列に移動可能に嵌合装填されてい
る。プランジシャ保持チューブ19の上端部には吸引子
23が固定装着されており、吸引子23の下底面は上部
プランジャ21の上端面に所定間隔をおいて対向してい
る。
【0025】吸引子23とパイロット弁体17との間に
は圧縮コイルばねによる戻しばね24が設けられてお
り、戻しばね24は、パイロット弁体17を図にて下
方、即ち全閉位置へ向けて付勢している。上部プランジ
ャ21は図1に示されている降下位置(第一の位置)と
図2に示されているように吸引子23と当接する上昇位
置(第二の位置)との間に移動可能であり、下部プラン
ジャ22は図1に示されている降下位置(第三の位置)
と図3に示されているように上昇位置に位置している上
部プランジャ21と当接する上昇位置(第四の位置)と
移動可能である。上部プランジャ21と下部プランジャ
22との間には互いに軸線方向に引き離す方向へ付勢す
る中間ばね29が設けられている。
【0026】上部プランジャ21と下部プランジャ22
の各々の中空部にはパイロット弁体17のステム20が
軸線方向に相対変位可能に嵌合しており、ステム部20
には上部プランジャ21に形成された段差部25と係合
するフランジ部26と下部プランジャ22に形成された
段差部27と係合する段差部28とが形成されている。
【0027】上部プランジャ21は、降下位置より上昇
位置へ移動することにより段差部25とフランジ部26
との係合によって、パイロット弁体17を戻しばね24
のばね力に抗して全閉位置より中間開度位置へ移動さ
せ、下部プランジャ22は、降下位置より上昇位置へ移
動することにより段差部27と28との係合によって、
パイロット弁体17を戻しばね24のばね力に抗して中
間開度位置より全開位置へ移動させる。
【0028】吸引子23の上端部にはボルト30により
ヨーク31の上部片部32が固定接続されている。ヨー
ク31は、横転U字状をなしてプランジシャ保持チュー
ブ19の一側方を覆うように配置され、プランジシャ保
持チューブ19内における上部プランジャ21の下端部
に概ね対応する高さ位置に位置する下部片部33を有し
ている。ヨーク31の上部片部32と下部片部33との
間には直流式の電磁コイル34がプランジシャ保持チュ
ーブ19を取り囲む形態にて固定配置されている。
【0029】下部片部33の下面には永久磁石35がN
極をもって接続装着されており、永久磁石35のS極に
は磁極片36が接続装着されている。永久磁石35は、
図3に示されているように、上部プランジャ21と下部
プランジャ22とが共に上昇位置に位置することによ
り、上部プランジャ21と下部プランジャ22と吸引子
23とヨーク31とによる磁気閉ループ(図中、破線矢
印で示す)を構成して上部プランジャ21および下部プ
ランジャ22を上昇位置にラッチする。
【0030】電磁コイル34は、第一の方向(以下、順
方向と云う)の通電によりヨーク31を永久磁石35の
磁極方向とは逆方向の図2にて実線矢印で示す第一の磁
極方向に励磁して上部プランジャ21を上昇位置へ駆動
し、第一の方向とは反対の第二の方向(以下、逆方向と
云う)の通電によりヨーク31を永久磁石35の磁極方
向とは同方向の第二の磁極方向に励磁して上部プランジ
ャ21および下部プランジャ22を上昇位置へ駆動す
る。
【0031】吸引子23の下底面部には短絡環をなすく
ま取りコイル37が固定装着されている。次に上述の如
き構成よりなるステップ式パイロット電磁開閉弁の作用
を説明する。
【0032】電磁コイル34に通電が行われていない状
態時には、図1に示されているように、戻しばね24の
ばね力によりパイロット弁体17は最降下位置である全
閉位置に位置している。この状態ではパイロット用流体
通路14の連通が遮断され、オリフィス通路12により
背圧室10に導入される上流側圧力Piにより、上流側
圧力Pi=背圧室圧力Pb>下流側圧力Poとなる。こ
れによりPb・S1 +F>Pi(S1 −S2 )+Po・
S3 の関係が成立し、主弁体7は、図1に示されている
ように、主弁座部4に着座して主流体通路5の連通を遮
断する。これによりステップ式パイロット電磁開閉弁は
全閉状態になる。
【0033】上述の全閉状態にて、電磁コイル34に順
方向通電が行われると、ヨーク31が図2にて実線矢印
で示す第一の磁極方向に励磁し、その実線矢印で示され
ている磁気回路が構成され、これにより上部プランジャ
21が、上昇移動して吸引子23に磁気吸着し、上昇位
置に位置するようになる。この移動によりパイロット弁
体17は戻しばね24のばね力に抗して持ち上げられ、
図2に示されている中間開度位置に位置する。
【0034】この状態においては、パイロット用流体通
路14が第一の弁開度による連通状態になり、第一の弁
開度による流量をもって入口ポート2より流体が連通路
13、オリフィス通路12、背圧室10、パイロット用
流体通路14を通って出口ポート3側へ流れる。この流
れにより、背圧室圧力Pbが降下し、下流側圧力Poが
上昇するが、この第一の弁開度による流量では、Pb・
S1 +F>Pi(S1−S2 )+Po・S2 の関係が維
持されるよう、パイロット用流体通路14の第一の弁開
度ならび主弁体7の各受圧面積S1 、S2 、S3 を設定
されているから、この時もPb・S1 +F>Pi(S1
−S2 )+Po・S2 の関係が成立し、主弁体7は、図
2に示されているように、主弁座部4に着座して主流体
通路5の連通を遮断している状態を維持する。
【0035】これによりステップ式パイロット電磁開閉
弁はパイロット用流体通路14の第一の弁開度による流
量だけの小流量開弁状態になる。この小流量開弁状態
は、電磁コイル34に順方向通電が行われている間、安
定維持される。この小流量開弁状態の維持時間が最適値
に設定されることにより、主弁体7の前後の差圧が小さ
くなり、この後の主弁体開弁時における流体通過音、流
体衝撃の発生が抑制される。
【0036】上述の小流量開弁状態にて電磁コイル34
に逆方向通電が行われると、ヨーク31が第二の磁極方
向に励磁し、図3にて破線矢印で示す磁気回路が構成さ
れる。これにより上部プランジャ21がくま取りコイル
37による磁気保持作用によって吸引子23に磁気吸着
した状態を保って下部プランジャ22が中間ばね29の
ばね力に抗して上部プランジャ21に磁気吸着し、下部
プランジャ22も上昇位置に位置するようになる。この
移動によりパイロット弁体17は戻しばね24のばね力
に抗して更に持ち上げられ、図3に示されている全開位
置に位置する。
【0037】この状態においては、パイロット用流体通
路14が第二の弁開度による連通状態になり、第二の弁
開度による流量をもって入口ポート2より流体が連通路
13、オリフィス通路12、背圧室10、パイロット用
流体通路14を通って出口ポート3側へ流れることによ
り、背圧室圧力Pbが更に降下し、下流側圧力Poが更
に上昇し、この時にはPb・S1 +F<Pi(S1 −S
2 )+Po・S2 の関係が成立するよう、パイロット用
流体通路14の第二の弁開度ならび主弁体7の各受圧面
積S1 、S2 、S3 を設定されているから、この時には
Pb・S1 +F<Pi(S1 −S2 )+Po・S2 の関
係が成立し、主弁体7は、図3に示されているように、
主弁座部4より離間して主流体通路5を連通状態にす
る。これによりステップ式パイロット電磁開閉弁は全開
状態になる。
【0038】なお、この状態においては、永久磁石35
によって図3にて破線矢印で示す磁気閉ループが構成さ
れ、永久磁石35の磁力により上部プランジャ21と下
部プランジャ22が共に上昇位置にラッチされるから、
電磁コイル25に対する逆方向通電が停止されてもパイ
ロット弁体17は全開位置に位置する状態を維持する。
【0039】上述のステップ式パイロット電磁開閉弁の
各状態での流量特性とパイロット弁体17の弁位置との
関係および電磁コイル34に対する通電特性との関係が
図5(a)、(b)に示されている。上述の全開状態に
おいて、電磁コイル34に順方向通電が行われると、パ
イロット弁体17は中間開度位置に戻り、この状態にて
電磁コイル34に対する通電が停止されると、パイロッ
ト弁体17は全閉位置へ移動し、ステップ式パイロット
電磁開閉弁は図1に示されている全閉状態に戻るる。ま
た上述の全開状態において、永久磁石35による磁力を
打ち消す程度の順方向の低電流、あるいは短時間のパル
スをもって電磁コイル34に順方向通電が行われること
によってもパイロット弁体17は全閉位置に戻る。
【0040】図6〜図8は本発明によるステップ式パイ
ロット電磁開閉弁の第二実施例を示している。なお、第
二実施例において第一実施例と同様の部分は第一実施例
における符号と同一の符号を付してその説明を省略す
る。この実施例では、パイロット弁座部15が電磁パイ
ロット弁16の弁ハウジング38に形成され、弁ハウジ
ング38にパイロット弁体17、プランジャ保持チュー
ブ19などが装着されて電磁パイロット弁16がユニッ
ト化され、電磁パイロット弁16が弁ハウジング38を
もって弁ハウジング1に固定装着されている。
【0041】この場合、電磁パイロット弁16の弁ハウ
ジング1に対する取り付けは主弁体7とパイロット弁体
17とが同一軸線上に配置されるように行われ、背圧室
10は主弁体7と弁ハウジング38との間に画定されて
いる。上述の配置関係以外のことは第一実施例と同一で
あり、この実施例でも上述の第一実施例と同じ作用が得
られる。
【0042】この実施例では、電磁パイロット弁16が
ユニット化されることにより組み付け性が向上し、また
電磁パイロット弁16のパイロット弁体17と主弁体7
とが同一軸線上に配置されることにより、組み付け方向
が単一化されて自動組立性が改善される。
【0043】図9〜図11は本発明によるステップ式パ
イロット電磁開閉弁の第三実施例を示している。なお、
第三実施例においても第一実施例と同様の部分は第一実
施例における符号と同一の符号を付してその説明を省略
する。この実施例では、上部プランジャ21により駆動
されるニードル状の内側弁体(第一のパイロット弁体)
17と、下部プランジャ22の端部に一体形成されて下
部プランジャ22により駆動される外側弁体(第二のパ
イロット弁体)39とが設けられている。下部プランジ
ャ22は外側弁体39の部分を含んで全体が中空構造に
なっており、その中空部の下端近傍に内側弁体17が選
択的に着座する内側弁座部(第一の弁座部)40が形成
されている。
【0044】内側弁体17は、図9および図12(a)
に示されているように、内側弁座部40に着座すること
により外側弁体28に形成されている連通路41と42
との連通を遮断し、図10および図12(b)に示され
ているように、内側弁座部40より離間することにより
連通路41と42とを連通状態にしてパイロット通路1
4を第一の弁開度をもって連通状態にする。
【0045】外側弁体39は、弁ハウジング1に形成さ
れているパイロット弁座部(第二のパイロット弁座部)
15に選択的に着座・離間し、パイロット弁座部15よ
り離間することにより、図11および図12(c)に示
されているように、内側弁体17を内側弁座部29に着
座せしめて連通路41と42との連通を遮断してパイロ
ット通路14を第二の弁開度をもって連通状態にする。
【0046】この実施例では、図9に示されている全閉
状態にて、電磁コイル34に順方向通電が行われ、上述
の実施例と同様に上部プランジャ21が吸引子23に磁
気吸着する上昇位置に位置することにより、図10に示
されているように、内側弁体17が持ち上げられて内側
弁座部40より離間し、これによって連通路40と41
とが連通し、パイロット通路14が第一の弁開度をもっ
て連通状態になる。
【0047】この第一の弁開度は内側弁体17の開閉に
よりオンオフ式に確実に決まり、第一の弁開度による流
量は内側弁座部40の実効口径により一義的に決まるか
ら、この第一の弁開度による流量のばらつきが低減し、
ステップ式パイロット電磁開閉弁の小流量開弁状態が高
精度に安定する。
【0048】小流量開弁状態にて電磁コイル34に逆方
向通電が行われると、図11に示されているように、上
部プランジャ21がくま取りコイル37による磁気保持
作用によって吸引子23に磁気吸着した状態を保って下
部プランジャ22が上部プランジャ21に磁気吸着して
上昇位置に位置するようになり、外側弁体39がパイロ
ット弁座部15より離間する。これによって内側弁体1
7が内側弁座部29に着座して連通路41と42との連
通が遮断され、パイロット通路14が第二の弁開度をも
って連通状態になる。
【0049】この第二の弁開度は外側弁体39の開閉に
よりオンオフ式に確実に決まり、第二の弁開度による流
量はパイロット弁座部15の実効口径により一義的に決
まるから、この第二の弁開度による流量のばらつきも低
減し、ステップ式パイロット電磁開閉弁の全開状態が高
精度に安定する。
【0050】図13〜図15は本発明によるステップ式
パイロット電磁開閉弁の第四実施例を示している。な
お、第四実施例においても第一実施例と同様の部分は第
一実施例における符号と同一の符号を付してその説明を
省略する。この実施例は、第二実施例の変形実施例であ
り、パイロット通路14が主弁体7に貫通形成されてお
り、主弁体7にパロット弁座部15が形成されている。
パイロット弁体17は、パロット弁座部15に選択的に
着座し、戻しばね24のばる力を閉弁力して主弁体7に
与えている。これによりばね11は省略されている。
【0051】上述のこと以外は第二実施例と実質的に同
一である。次に上述の如き構成よりなるステップ式パイ
ロット電磁開閉弁の作用を説明する。電磁コイル34に
通電が行われていない状態時には、図13に示されてい
るように、戻しばね24のばね力によりパイロット弁体
17は、パイロット弁座部15に着座し、全閉位置に位
置している。この状態ではパイロット用流体通路14の
連通が遮断され、オリフィス通路12により背圧室10
に導入される上流側圧力Piにより、上流側圧力Pi=
背圧室圧力Pb>下流側圧力Poとなる。これにより、
Pb・S1 +F>Pi(S1 −S2 )+Po・S3 の関
係が成立し、主弁体7は、図13、図16(a)に示さ
れているように、主弁座部4に着座して主流体通路5の
連通を遮断する。これによりステップ式パイロット電磁
開閉弁は全閉状態になる。
【0052】なお、この場合のばね力Fは戻しばね24
がパイロット弁体17を介して主弁体7に与えるばね力
である。上述の全閉状態にて、電磁コイル34に順方向
通電が行われると、上述の実施例における場合と同様に
上部プランジャ21が上昇位置に位置し、パイロット弁
体17が図14、図16(b)に示されている中間開度
位置に位置する。
【0053】この状態においては、パイロット用流体通
路14が第一の弁開度による連通状態になり、第一の弁
開度による流量をもって入口ポート2より流体が連通路
13、オリフィス通路12、背圧室10、パイロット用
流体通路14を通って出口ポート3側へ流れる。この流
れにより、背圧室圧力Pbが降下し、下流側圧力Poが
上昇するが、この第一の弁開度による流量では、上述の
実施例と同様にPb・S1+F>Pi(S1−S2 )+P
o・S2 の関係が維持され、主弁体7は、図14、図1
6(b)に示されているように、主弁座部4に着座して
主流体通路5の連通を遮断している状態を維持する。な
お、この時にはパイロット弁体17は、主弁体7のパイ
ロット弁座部15より離間するから、戻しばね24のば
ね力が主弁体7に作用しなくなり、ばね力Fは零にな
る。
【0054】上述の小流量開弁状態にて電磁コイル34
に逆方向通電が行われると、上述の実施例と同様に下部
プランジャ22も上昇位置に位置するようになり、パイ
ロット弁体17が、戻しばね24のばね力に抗して更に
持ち上げられ、図14、図16(c)に示されている全
開位置に位置する。
【0055】この状態においては、パイロット用流体通
路14が第二の弁開度による連通状態になり、第二の弁
開度による流量をもって入口ポート2より流体が連通路
13、オリフィス通路12、背圧室10、パイロット用
流体通路14を通って出口ポート3側へ流れることによ
り、背圧室圧力Pbが更に降下し、下流側圧力Poが更
に上昇する。このことによって、上述の実施例と同様
に、Pb・S1 +F<Pi(S1 −S2 )+Po・S2
の関係が成立し、主弁体7は、図14、図16(c)に
図3に示されているように、主弁座部4より離間して主
流体通路5を連通状態にする。これによりステップ式パ
イロット電磁開閉弁は全開状態になる。
【0056】図17は本発明によるステップ式パイロッ
ト電磁開閉弁の駆動回路の一実施例を示している。この
駆動回路は、スイッチング素子として4個のトランジス
タTr1、Tr2、Tr3、Tr4をブリッジ接続さ
れ、直流電源43を単一電源として電磁コイル34に対
する通電方向、換言すれば極性を反転制御する。
【0057】この駆動回路においては、トランジスタT
r2、Tr3がオフ状態のまま、トランジスタTr1、
Tr4の各々のゲート端子a、dにオン信号が入力さ
れ、トランジスタTr1、Tr4が各々オン状態になる
と、破線矢印方向に電流が流れ、電磁コイル34に順方
向通電が行われる。
【0058】これに対し方向、トランジスタTr1、T
r4がオフ状態のまま、トランジスタTr2、Tr3の
各々のゲート端子b、cにオン信号が入力され、トラン
ジスタTr2、Tr3が各々オン状態になると、実線矢
印方向に電流が流れ、電磁コイル34に逆方向通電が行
われる。
【0059】なお、トランジスタTr1〜Tr4のすべ
てがオフ状態の場合には電磁コイル34に通電が行われ
ない。 この駆動回路では、トランジスタのオン・オフ
だけで、直流電源43を単一電源として電磁コイル34
に対する通電方向を反転制御でき、またリレースイッチ
による場合よりも高速度に、しかも接点障害などを生じ
ることなく長期間に亙って安定して電磁コイル34に対
する通電方向の反転制御が行われる。
【0060】なお、この駆動回路におけるスイッチング
素子は、トランジスタ以外に、MOSFETなどであっ
てもよい。図18は本発明によるステップ式パイロット
電磁開閉弁をヒートポンプ式のマルチ空調装置に組み込
んだ使用例を示している。
【0061】図18において、50はコンプレッサ、5
1は室外熱交換器、52はアキュムレータ、53は四方
弁、54は室内熱交換器を各々示している。室内熱交換
器54は、複数個設けられていて互いに並列に配置さ
れ、例えば各部屋毎に個別に配置される。
【0062】この各室内熱交換器54毎に電動膨張弁5
5と電磁開閉弁56とが設けられており、電磁開閉弁5
6として本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
が使用されている。なお、図18において、実線は冷房
時の冷媒の流れを、破線は暖房時の冷媒の流れを各々示
している。
【0063】なお、上述の実施例においては、絞り通路
は主弁体に形成したオリフィス通路12により与えられ
ているが、これは弁ケーシング1に設けられてもよく、
またこれは弁室6の内周面(シリンダボア内周面)と主
弁体7の外周面との摺動面部間に存在する間隙により与
えられてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
によるステップ式パイロット電磁開閉弁によれば、電磁
パイロット弁が全閉と中開と全開の3段階にステップ動
作し、電磁パイロット弁のパイロット弁体が中間開度位
置に駆動されることにより、パイロット用流体通路が第
一の弁開度による連通状態になり、パイロット弁体が中
間開度位置に位置している間は、主弁体の閉弁によって
主流体通路の連通を遮断した状態を保って第一の弁開度
による流量だけの小流量開弁状態が維持されるから、そ
の維持時間を電磁パイロット弁に対する通電制御によっ
て任意に可変制御することができ、この維持時間の最適
制御によって主弁体前後の差圧が小さくなり、主弁体開
弁時に流体流れよる大きい衝撃音や振動が発生すること
が充分に抑制されるようになる。
【0065】電磁パイロット弁のパイロット弁体が、二
つのプランジャと永久磁石と電磁コイルとの組み合わせ
により開閉駆動される場合には、電磁コイルに対する通
電方向の反転制御だけで、電磁パイロット弁が全閉と中
開と全開の3段階に確実にステップ動作し、しかも全閉
状態と全開状態の維持のために電磁コイルに連続通電す
る必要なく、消費電力を軽減することができる。
【0066】またパイロット弁体が第一のパイロット弁
体と第二のパイロット弁体とによる二重構造である場合
には、第一のパイロット弁体の開閉によって第一の弁開
度が確実に決まり、第二のパイロット弁体の開閉によっ
て第二の弁開度が確実に決まり、ステップ式パイロット
電磁開閉弁の小流量開弁状態および全開状態が各々高精
度に安定し、ステップ式パイロット電磁開閉弁の動作信
頼性が向上する。
【0067】また電磁パイロット弁のパイロット弁体と
主弁体とが同一軸線上に配置されることにより、弁装置
の組み付け方向が単一化されて自動組立性が改善され
る。またパイロット用流体通路が主弁体に設けられ、パ
イロット弁体が主弁体に形成されたパロット弁座部と共
働して流量制御を行う場合には、弁構造が簡素化され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第一実施例を全閉状態について示す断面図である。
【図2】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第一実施例を小流量開弁状態について示す断面図であ
る。
【図3】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第一実施例を全開状態について示す断面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は各々第一実施例にお
ける電磁パイロット弁の開閉状態を詳細に示す部分的拡
大断面図である。
【図5】(a)、(b)は第一実施例におけるステップ
式パイロット電磁開閉弁の各状態での流量特性とパイロ
ット弁体の弁位置との関係および電磁コイルに対する通
電特性との関係を示すグラフである。
【図6】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第二実施例を全閉状態について示す断面図である。
【図7】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第二実施例を小流量開弁状態について示す断面図であ
る。
【図8】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第二実施例を全開状態について示す断面図である。
【図9】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉弁
の第三実施例を全閉状態について示す断面図である。
【図10】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の第三実施例を小流量開弁状態について示す断面図で
ある。
【図11】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の第三実施例を全開状態について示す断面図である。
【図12】(a)、(b)、(c)は各々第三実施例に
おける電磁パイロット弁の開閉状態を詳細に示す部分的
拡大断面図である。
【図13】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の第三実施例を全閉状態について示す断面図である。
【図14】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の第三実施例を小流量開弁状態について示す断面図で
ある。
【図15】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の第三実施例を全開状態について示す断面図である。
【図16】(a)、(b)、(c)は各々第三実施例に
おける電磁パイロット弁の開閉状態を詳細に示す部分的
拡大断面図である。
【図17】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁の駆動回路の一実施例を示す電気回路図である。
【図18】本発明によるステップ式パイロット電磁開閉
弁をヒートポンプ式のマルチ空調装置に組み込んだ使用
例を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 弁ケーシング 2 入口ポート 3 出口ポート 4 主弁座部 5 主流体通路 7 主弁体 10 背圧室 12 オリフィス通路 14 パイロット用流体通路 15 パイロット弁座部 17 パイロット弁体(内側弁体) 21 上部プランジャ 22 下部プランジャ 23 吸引子 24 戻しばね 31 ヨーク 34 電磁コイル 35 永久磁石 38 弁ハウジング 39 外側弁体 40 内側弁座部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背圧室の圧力を第一の受圧面積をもって
    閉弁側に及ぼされ、弁ハウジングに形成された主弁座部
    より上流側の流体圧力を前記第一の受圧面積より小さい
    第二の受圧面積をもって開弁側に及ぼされると共に前記
    主弁座部より下流側の流体圧力を第三の受圧面積をもっ
    て開弁側に及ぼされ、これらの受圧力差により前記主弁
    座部に選択的に着座・離間して主流体通路を開閉する主
    弁体と、 前記主弁座部より上流側の前記主流体通路を前記背圧室
    に連通接続し、前記背圧室に前記主弁座部より上流側の
    流体圧力を導く絞り通路と、 前記背圧室を前記主弁座部より下流側の前記主流体通路
    に連通接続するパイロット用流体通路と、 前記パイロット用流体通路の連通を遮断する全閉位置
    と、前記パイロット用流体通路を第一の弁開度をもって
    連通状態にする中間開度位置と、前記パイロット用流体
    通路を第一の弁開度より大きい第二の弁開度をもって連
    通状態にする全開位置との間に3段階に開閉動作するス
    テップ動作式の電磁パイロット弁とを有し、 前記パイロット用流体通路が遮断あるいは前記第一の弁
    開度による連通状態である場合には前記主弁体が前記受
    圧力差によって前記主弁座部に着座して前記主流体通路
    を閉じ、前記パイロット用流体通路が前記第二の弁開度
    による連通状態である場合には前記主弁体が前記受圧力
    差によって前記主弁座部より離間して前記主流体通路を
    開くよう、前記パイロット用流体通路の第一の弁開度お
    よび第二の弁開度と前記主弁体の第一〜第三の各の受圧
    面積を設定されていることを特徴とするステップ式パイ
    ロット電磁開閉弁。
  2. 【請求項2】 前記電磁パイロット弁は、軸線方向に移
    動することにより前記パイロット用流体通路に設けられ
    ているパイロット弁座部と共働して流量制御を行うパイ
    ロット弁体と、 前記パイロット弁体の移動方向に第一の位置と第二の位
    置との間に移動可能に配置され、第一の位置より第二の
    位置へ移動することにより前記パイロット弁体と係合し
    て当該パイロット弁体を前記全閉位置より前記中間開度
    位置へ駆動する第一のプランジャと、 前記第一のプランジャと前記パイロット弁体の移動方向
    に直列に、前記パイロット弁体の移動方向に第三の位置
    と第四の位置との間に移動可能に配置され、前記第三の
    位置より前記第四の位置に移動することにより前記パイ
    ロット弁体と係合して当該パイロット弁体を前記中間開
    度位置より全開位置へ駆動する第二のプランジャと、 前記第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に対向
    して固定配置された吸引子と、 一端を前記吸引子に接続されたヨークと、 前記第一のプランジャが前記第二の位置に位置し前記第
    二のプランジャが前記第四の位置に位置することにより
    前記第一のプランジャと前記第二のプランジャと前記吸
    引子と前記ヨークとによる磁気閉ループを構成して前記
    第二のプランジャを前記第四の位置にラッチする永久磁
    石と、 第一の方向の通電により前記ヨークを前記永久磁石の磁
    極方向とは逆方向の第一の磁極方向に励磁して前記第一
    のプランジャを前記第二の位置へ駆動し、前記第一の方
    向とは反対の第二の方向の通電により前記ヨークを前記
    永久磁石の磁極方向と同方向の第二の磁極方向に励磁し
    て前記第二のプランジャを前記第四の位置へ駆動する電
    磁コイルと、 を有していることを特徴とする請求項1に記載のステッ
    プ式パイロット電磁開閉弁。
  3. 【請求項3】 前記パイロット用流体通路が前記主弁体
    に設けられ、前記パイロット弁体は前記主弁体に形成さ
    れたパロット弁座部と共働して流量制御を行うよう構成
    されていることを特徴とする請求項2に記載のステップ
    式パイロット電磁開閉弁。
  4. 【請求項4】 前記パイロット弁体が前記第一のプラン
    ジャにより駆動される第一のパイロット弁体と前記第二
    のプランジャにより駆動される中空構造の第二のパイロ
    ット弁体とによる二重構造とされ、前記第一のパイロッ
    ト弁体は前記第二のパイロット弁体に形成された第一の
    パイロット弁座部と共働して流量制御を行い、第二のパ
    イロット弁体は弁ケーシング側に形成された第二のパイ
    ロット弁座部と共働して流量制御を行うことを特徴とす
    る請求項2に記載のステップ式パイロット電磁開閉弁。
  5. 【請求項5】 前記主弁体と前記電磁パイロット弁のパ
    イロット弁体とは各々軸線方向へ移動することにより開
    閉し、前記主弁体の移動方向と前記電磁パイロット弁の
    パイロット弁体の移動方向とが同一軸線方向であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のステップ
    式パイロット電磁開閉弁。
JP6226833A 1994-09-21 1994-09-21 ステップ式パイロット電磁開閉弁 Pending JPH0894211A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6226833A JPH0894211A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ステップ式パイロット電磁開閉弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6226833A JPH0894211A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ステップ式パイロット電磁開閉弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0894211A true JPH0894211A (ja) 1996-04-12

Family

ID=16851292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6226833A Pending JPH0894211A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ステップ式パイロット電磁開閉弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0894211A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013167273A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Fuji Koki Corp 複合弁
JP2013167272A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Fuji Koki Corp 複合弁
CN110360261A (zh) * 2019-08-06 2019-10-22 绵阳富临精工机械股份有限公司 一种调节减震器阻尼的电磁阀
JP2021101121A (ja) * 2019-12-24 2021-07-08 株式会社デンソー 弁装置、冷凍サイクル装置
JP2021195955A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 株式会社デンソー 弁装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013167273A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Fuji Koki Corp 複合弁
JP2013167272A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Fuji Koki Corp 複合弁
CN110360261A (zh) * 2019-08-06 2019-10-22 绵阳富临精工机械股份有限公司 一种调节减震器阻尼的电磁阀
JP2021101121A (ja) * 2019-12-24 2021-07-08 株式会社デンソー 弁装置、冷凍サイクル装置
JP2021195955A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 株式会社デンソー 弁装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6230743B1 (en) Channel-switching valve and method of controlling the same, and refrigerating cycle and method of controlling the same
CN100378325C (zh) 用于可变容积式压缩机的控制阀
JP3145048U (ja) 電動膨張弁及び冷凍サイクル
JP5738029B2 (ja) 複合弁
KR101342780B1 (ko) 파일럿형 제어 밸브
CN106545670B (zh) 直动式电磁阀以及将其作为导向阀而具备的四通切换阀
CN106369193B (zh) 直动式电磁阀以及将其作为导向阀而具备的四通切换阀
JP2008064301A (ja) パイロット型制御弁
JP2013124722A (ja) 複合弁
JP2002310540A (ja) 絞り装置および空気調和機
JPH0894211A (ja) ステップ式パイロット電磁開閉弁
JP3706363B2 (ja) 電磁弁
JPH06241341A (ja) 電磁弁
JP3424861B2 (ja) ステップ流量制御弁
JP3406373B2 (ja) ステップ流量制御弁
JP3753003B2 (ja) シャフト付きソレノイド型アクチュエータ
JPH11344145A (ja) 電磁弁
JP3318127B2 (ja) ステップ流量制御弁
JP3932497B2 (ja) 二方切替制御弁
JP4152209B2 (ja) 空気調和機用電磁弁
JP2000227171A (ja) 双方向電磁弁
JP2001317649A (ja) 電磁式切換弁
JPH10318425A (ja) パイロット式電磁弁
JP3318116B2 (ja) ステップ流量制御弁
JPH06168819A (ja) ソレノイド

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030701