JPH0893217A - コンクリート型枠用板体 - Google Patents

コンクリート型枠用板体

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JPH0893217A
JPH0893217A JP23377594A JP23377594A JPH0893217A JP H0893217 A JPH0893217 A JP H0893217A JP 23377594 A JP23377594 A JP 23377594A JP 23377594 A JP23377594 A JP 23377594A JP H0893217 A JPH0893217 A JP H0893217A
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JP
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resin
plate
fiber
resin sheet
sheet
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Application number
JP23377594A
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English (en)
Inventor
Susumu Nakagawa
進 中川
Hisakazu Suzuki
久和 鈴木
Akira Shintani
彰 新谷
Toshiyuki Nakajima
敏行 中島
Norihiro Kadoma
徳宏 角間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IDEMITSU N S G KK
Shoei Chemical Inc
Kiso Kogyo KK
Original Assignee
IDEMITSU N S G KK
Shoei Chemical Inc
Kiso Kogyo KK
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Publication date
Application filed by IDEMITSU N S G KK, Shoei Chemical Inc , Kiso Kogyo KK filed Critical IDEMITSU N S G KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低コストで製造できるとともに、物理的強度が
高く、かつコンクリート離型性が良好で繰り返し使用可
能な回数が多く、しかも容易にリサイクルに供すること
が可能なコンクリート型枠用板体を提供すること 【構成】10倍に発泡させた硬質ウレタン樹脂からなる
厚さ9mm、比重0.1の硬質発泡ウレタン樹脂層3の両
面に、ガラス長繊維を20%含有する厚さ1.5mmのガ
ラス繊維強化ポリプロピレンシート1からなる樹脂シー
ト層1を積層してなるコンクリート型枠用板体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事、建築工事等
の各種建設工事に用いられるコンクリート型枠形成用板
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート型枠を形成するため
の板状材料(以下単に型枠用板体という)としては、物
理的強度に優れる木質板(例えば日本農林規格、農林水
産省告示第1515号等)が好適に使用されている。し
かしながら、木質板からなる型枠用板体は、コンクリー
ト離型性が悪いという欠点を有しているため、コンクリ
ートのハツリ作業が大変であるし、耐久性に乏しいの
で、せいぜい数回しか繰り返し使用することができなか
った。このため近年では、繊維強化プラスチックで形成
された型枠用板体や、発泡プラスチックあるいはポリオ
レフィン系樹脂で形成された型枠用板体、また木質板や
金属板あるいは合成樹脂からなる平板に織布や不織布を
積層した型枠用板体等の実用化も検討されているし、木
質板の表面に塗料を塗布したり、フィルムを貼り付けた
りして、離型性、及び耐久性の向上を図る試みもなされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維強
化プラスチックからなる型枠用板体は、コンクリート離
型性には優れるものの、用途目的に叶った十分な強度を
得ようとすると肉厚で重量が非常に大きいものになって
しまうし、その上、極めて高価なものとなってしまうの
で、およそ汎用性のあるものではなかった。また、発泡
プラスチックやポリオレフィン系樹脂単体からなる型枠
用板体は、運搬作業性(取り扱い易さ)やコンクリート
離型性には優れているものの、物理的強度が低く、損傷
し易いため、繰り返し使用可能な回数が少なかった。一
方、塗料を塗布したり、コンクリート離型性を有するフ
ィルムを貼り付けたりして、木質板を表面処理した型枠
は、比較的低コストで製造でき、コンクリート離型性に
も優れているが、表面処理層がせいぜい数百μm程度の
薄いものであるため、運搬中やコンクリート打設中、殊
にバイブレートを与えるロッドとの接触等で、表面に傷
が付き易く、コンクリート離型性が阻害されてしまうの
で、木質板単体のものと大差がなかった。上記したこれ
までの型枠用板体がそれぞれ欠点を有したものであった
ことから、本件出願人は、その欠点を補うべく、先に特
願平5−272473号において木材に繊維強化熱可塑
性樹脂を貼着する技術を提案したが、天然の木材は年々
供給が難しくなる傾向にあるため、この技術の対応策を
考えておく必要もある。本発明の目的は、供給が難しく
なる木材を用いることなく、上記課題を解決し、低コス
トで製造できるとともに、物理的強度が高く、かつコン
クリート離型性が良好で繰り返し使用可能な回数が多
く、しかも容易にリサイクルに供することが可能なコン
クリート型枠用板体、及びその製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の構成は、
硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層の両面に樹脂シー
トからなる表面層が積層されてなる積層板状体であっ
て、その樹脂シートからなる表面層の内の少なくとも一
つが繊維強化熱可塑性樹脂シートであることを特徴とす
るコンクリート型枠用板体にある。また、2つの樹脂シ
ートの間に硬質ウレタン樹脂を注入し、注入後に発泡さ
せることによって、硬質発泡ウレタン樹脂層の両面に樹
脂シート層が積層されてなる積層板体を形成することを
特徴とするコンクリート型枠用板体の製造方法にある。
【0005】硬質発泡ウレタン樹脂とは、ポリイソシア
ネート化合物と、ポリオール化合物及び、もしくは水と
の反応によって得られる公知の発泡ウレタン樹脂のう
ち、硬質品と称されているもののことであり、JIS−
K6900 No.133に記載された硬質プラスチッ
クフォームに相当する。また、硬質ウレタン樹脂とは、
この硬質発泡ウレタン樹脂が発泡する前のもののことで
ある。なお、発泡剤としては、水等の公知のものを使用
することができる。硬質発泡ウレタン樹脂は、コンクリ
ート型枠用板体の芯材層としての耐久強度を有するもの
であれば特に制約されないが、繊維を充填して強化した
繊維強化硬質発泡ウレタン樹脂がより好ましい。この場
合に用いられる強化繊維としては、例えば、炭素繊維、
アルミナ繊維、ガラス繊維、ロックファイバー、セラミ
ックファイバー、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポ
リエステル繊維等の公知の繊維を挙げることができる。
かかる繊維は、均一分散性の面から、短繊維であること
が好ましい。また、これらの繊維は、硬質発泡ウレタン
樹脂中に0.1〜10重量%含有させることが好まし
く、より好ましい含有量は、0.5〜5重量%である。
含有量が少なくなると十分な補強効果が得られず、逆に
含有量が多くなると、経済性及び均一分散性が低下する
ので好ましくない。
【0006】さらに、本考案において、樹脂シートを形
成する樹脂は特に限定されないが、2つの樹脂シートの
内の少なくとも一つは、繊維強化熱可塑性樹脂シートで
あることが必要である。なお、2つの樹脂シートの内の
一つは、合板、プラスチックシート等の繊維強化熱可塑
性樹脂シート以外のものであっても構わないが、強度、
耐久性、耐熱性等に優れた板体を形成するためには、繊
維強化熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。
【0007】繊維強化熱可塑性樹脂シートに用いる熱可
塑性樹脂は、セメントアルカリに対する耐アルカリ性を
有するものであれば特に制約されない。このようなもの
としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹
脂及びその共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリスチレン及びその共重合樹脂等の一般用
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネ
ート、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキ
サイド及びノリル樹脂、ポリスルフォン等のエンジニア
リングプラスチックを挙げることができる。この中でポ
リオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中〜
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポ
リエチレン系共重合体、いわゆるブロックポリプロピレ
ンと呼ばれる耐衝撃性ポリプロピレン、ランダムポリプ
ロピレンと呼ばれる共重合体等のポリプロピレン系重合
体、ポリブテン、1−メチルペンテン−1樹脂等を使用
することができ、さらには、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩
化ビニル共重合体等のオレフィンと他の極性モノマーと
の共重合体をも使用することができる。また、これらの
他にも、上記した樹脂同士のコポリマー、あるいはホモ
ポリマー、コポリマーのブレンド物をも使用することが
できる。一方、塩化ビニルの共重合体としては、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体樹脂、塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体樹
脂等を使用することができ、酢酸ビニル系樹脂として
は、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポ
リビニルブチラール等、ポリスチレンの共重合体として
は、ABS樹脂、SAN樹脂、ACS樹脂等、ポリアミ
ド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン
11、ナイロン66、ナイロン610等、ポリカーボネ
ートとしては、ビスフェノールAとホスゲンとから得ら
れるポリカーボネート、ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとから得られるポリカーボネート等、熱可
塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレンテレフタレート等をそれぞれ使
用することができる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で
用いてもよいし、2種以上を混合したボリマーブレンド
として用いてもよい。本発明においては、成形可能な分
子量を有していれば上記のどの熱可塑性樹脂を選択して
も構わないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピ
レンブロックポリマー、ランダムポリプロピレン等のポ
リオレフィンを使用すると、良好なコンクリート離型性
が得られるので好ましい。
【0008】また、繊維強化熱可塑性樹脂シートに用い
られる繊維としては、ガラス繊維、ロックファイバー、
炭素繊維、アルミナ繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド
繊維等を挙げることができるが、ガラス繊維を用いると
コンクリート型枠用板体の強度を高くでき、しかも製造
コストを低く抑えることができるので好ましい。ガラス
繊維の材質は特に制限されず、含アルカリガラス、低ア
ルカリガラス、無アルカリガラス等のいずれでもよく、
Eガラス、Cガラス、Aガラス等、従来ガラス繊維とし
て使用されている各種ガラスを用いることができる。使
用するガラス繊維の形状は特に制限されないが、繊維径
が5〜36μmであると打たれた釘を強固に保持でき、
強度を高くできるので好ましく、11〜25μmである
とより好ましく、15〜23μmであるとさらに好まし
い。また連続繊維、切断繊維のいずれも使用できるが、
打たれた釘を強固に保持して、高い強度を発現させるた
めには、平均繊維長が10mm以上であると好ましく、5
0mm以上であると特に好ましい。一方、樹脂へ充填する
繊維の割合は、繊維の真比重によって多少異なるが、1
〜60重量%であることが好ましく、5〜50重量%で
あるとより好ましい。充填割合が低いと、板体の強度等
の物性が不十分となるので好ましくないし、逆に充填割
合が高いと、繊維強化熱可塑性樹脂シートに空隙部(欠
陥部)が増えるので好ましくない。
【0009】繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る方法と
しては、公知の方法を用いることができるが、表面の仕
上り(平滑性)の良好な繊維強化熱可塑性樹脂シートを
得るためにはマット状ないしシート状に圧着した繊維を
シート状の熱可塑性樹脂と積層して熱融着せしめる方法
(以下、積層融着法という)、あるいは、粉末状樹脂と
チョップドガラス繊維を水中で分散混合せしめた後抄紙
機ですくって脱水してシート化しさらに乾燥してから加
圧状態で加熱する方法(以下、抄紙法という)等を用い
ることが好ましい。
【0010】また、繊維強化熱可塑性樹脂シートには、
必要に応じて酸化チタン、カーボンブラック等の着色顔
料、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の体質顔料、酸
化防止剤、紫外線吸収材等の公知の安定剤を添加するこ
とができる。さらに、繊維強化熱可塑性樹脂シートの厚
さは、0.5〜5.0mmであることが好ましく、0.8
〜3.0mmであるとより好ましい。シートの厚さが0.
5mm以下であると、複合型枠の強度や表面高度が著しく
低くなってしまうし、逆に、5.0mm以上であると、作
業現場における丸刃鋸等による切削性が低下する。
【0011】硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層と樹
脂シートからなる表面層が積層された積層板状体を形成
する方法としては、次の2つの方法がある。一つは、予
め発泡反応及び硬化反応を完了させた硬質発泡ウレタン
樹脂のブロック体を、必要に応じたサイズにスライス
し、そのある程度の厚みを有した板状のブロック体の両
面に、2枚の樹脂シートを貼着する方法である。また、
もう一つの方法は、発泡硬化前の液状の硬質ウレタン樹
脂を、2枚の樹脂シートの間に注入して発泡硬化させる
方法である。後者の方法は、化粧型枠用の板体を形成す
る場合のように片方の樹脂シートの表面が凹凸を有する
複雑な形状(例えば岩肌状や木目調)である場合や、片
方の樹脂シートの硬質発泡ウレタン樹脂との接合面に補
強用のリブを設ける場合に、硬質発泡ウレタン樹脂層と
樹脂シート層の接着強度を高くすることができる。
【0012】本発明のコンクリート型枠用板体は、必要
に応じて、中間層の硬質発泡ウレタン樹脂の外縁部に桟
木体を周設することができる。この桟木体としては、木
材、ベニヤ合板、針葉樹合板、MDF、パーチクルボー
ド、OBSボード等の木質板材料等を裁断したもの、あ
るいは硬質ないし半硬質のウレタンフォーム、ポリスチ
レンフォーム、フェノール樹脂フォーム等の硬質ないし
半硬質の発泡樹脂、繊維強化熱可塑性樹脂等を用いるこ
とができる。特にそれらの中でも、木質板材料を裁断し
たものは、型枠用板体の強度を有効に高められるので好
ましい。さらに桟木体を外縁部に周設する場合は、その
幅を1〜10cmにすることが好ましく、1cm以下にする
と釘打ち等の作業が不確実になるし、反対に10cm以上
にすると型枠用板体の重量が増大して作業性が悪くな
る。
【0013】また型枠用板体の強度をより高くするた
め、硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層の内部を縦断
するように桟木体を適宜箇所に配設して、芯材層を補強
することも可能であり、この場合の桟木体は、外縁部に
用いたものと同じ材料を用いることができる。芯材層に
桟木体を配設して補強する場合、外縁部と中間層の材料
は、同一であってもよいし異なっていてもよい。桟木体
の配置は特に限定されるものではないが、格子状、斜交
状等の配列が製造し易く、また型枠用板体の強度を向上
できるので好ましい。さらに本発明の型枠用板体は、防
水効果を特に向上させるために、全体あるいは外縁部の
みを熱可塑性樹脂等によって封止することができる。
【0014】2つの樹脂シートと硬質発泡ウレタン樹脂
(あるいは桟木体)との接着に関しては、予め両樹脂シ
ートの接着面の表面を、コロナ放電処理、フレーム処理
等の公知の表面処理方法によって、表面張力35dyn/cm
以上の状態にしておけば、両者の接着強度を高めること
ができるので好ましいし、表面処理直後にウレタン系、
もしくはエポキシ系のプライマーを塗布しておけば、接
着強度を一層向上させることができるので、特に好まし
い。
【0015】2つの樹脂シートの間に硬質発泡ウレタン
樹脂を注入して発泡させる場合、あるいは樹脂シート層
と硬質発泡ウレタン樹脂層を貼り合わせる場合に用いる
プライマーとしては、例えば、1液もしくは2液型のエ
ポキシ系プライマー、ウレタン系プライマー等を挙げる
ことができる。エポキシ系プライマーの中では、多官能
エポキシ樹脂とポリアミンを主成分とする2液型エポキ
シ系プライマー(以下、多官能エポキシ−ポリアミン系
プライマーという)が好ましく、ウレタン系プライマー
の中では、多官能ポリイソシアネートとポリオールを主
成分とする2液型ウレタン系プライマー(以下、多官能
ポリイソシアネート−ポリオール系プライマーという)
が好ましい。また、それらの中でも最も高い接着強度を
発現できるのは、多官能エポキシ−ポリアミン系プライ
マーである。多官能エポキシ−ポリアミン系プライマー
を構成する多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるも
のも含め、環状脂肪酸型エポキシ樹脂、グリセリン型エ
ポキシ樹脂(例えばシェル化学社製Epikote81
2等)、ダイマー酸型エポキシ樹脂等を挙げることがで
きる。また、ポリアミンとしては、例えばポリアミノア
ミド化合物、脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミ
ン、芳香族ポリアミン等の公知のポリアミンを挙げるこ
とができる。一方、多官能ポリイソシアネート−ポリオ
ール系プライマーを構成する多官能ポリイソシアネート
としては、末端にイソシアネート基を有する公知の多官
能ポリイソシアネート化合物を挙げることができ、ポリ
オールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の
公知のポリオールを挙げることができる。
【0016】また本発明の型枠用板体は、硬質発泡ウレ
タン樹脂層の両面に樹脂シートを積層した3層構造に限
定されるものではなく、例えば表面層の樹脂シート上に
さらに硬質発泡ウレタン樹脂層および樹脂シート層を積
層して5層構造あるいは7層構造にする等、少なくとも
両面に樹脂シート層が露呈した構造であれば、何層に積
層しても構わない。
【0017】
【作用】硬質発泡ウレタン樹脂層部分は、見掛けの比重
がきわめて小さいにも拘らず、表面にかかる圧力に対し
て非常に高い抵抗力を示す。従って型枠用板体は、軽量
で、かつ強度に優れたものとなる。さらに硬質発泡ウレ
タン樹脂部分は多くの空隙を有しているので、型枠用板
体は高い断熱性を発現する。一方、樹脂シート層部分
は、高い物理的強度によって型枠用板体を頑丈なものと
し、また表面硬度にも優れ、容易に傷ついて硬質発泡ウ
レタン樹脂部分を露呈させたりしないので、型枠用板体
のコンクリート離型性を非常に良好なものとする。また
シート部分は高い撥水性をも有しており、コンクリート
中の水分を吸収して重たくならず、型枠用板体の重量増
加を防止するし、その上、樹脂に充填されたガラス繊維
の効果によって、打たれた釘を強固に保持する。このた
め型枠用板体は、作業性が良好で、しかも何回でも繰り
返し使用可能な耐久性の優れたものとなる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面に基
づいて説明する。 [実施例1] 1.型枠用板体の製造 (a)樹脂シート製造 前記した積層融着法によって、ガラス長繊維を20%含
んでなる厚さ1.5mmの長方形状の2枚のガラス繊維強
化ポリプロピレンシートを製造した。 (b)硬質発泡ウレタン樹脂ボードの製造 硬質ウレタン樹脂を10倍に発泡させて硬質発泡ウレタ
ン樹脂のブロック体を形成した後、それをスライスする
ことによって、厚さ9mm、比重0.1の硬質発泡ウレタ
ン樹脂ボードを製造した。 (c)型枠用板体の製造 上記した2枚の樹脂シートのそれぞれの片面をフレーム
処理して、表面張力を50dyn/cmに調整した後、直ちに
1液型ウレタン系プライマー(インスターボンド X-129
92,松栄化学社製)を塗布し乾燥硬化させた。このプラ
イマーを塗布した樹脂シートの間に上記の硬質発泡ウレ
タン樹脂ボードをエポキシ樹脂系接着剤(インスターボ
ンド X-13183,松栄化学社製)によって貼り合わせ、厚
さ約12mm、縦×横の大きさが1800mm×900mmで
ある実施例1の型枠用板体を得た。得られた型枠用板体
を図1に示した。1は樹脂シート層であり、3は硬質発
泡ウレタン樹脂層である。また実施例1の型枠用板体の
部分断面拡大図を図2に示した。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例1の型枠用板体の見掛け比重は0.35
であり、通常の木質板(見掛け比重0.6〜0.7)に
比べて非常に小さいものであった。また、曲げ強等さを
測定し、その結果を表1に示した。測定結果は木質板と
比較して遜色のないものであった。さらに、この型枠用
板体を用いて型枠を形成し、コンクリート打設に用いた
結果、優れたコンクリート離型性を示し、10回繰り返
し使用することが可能であり、10回繰り返し使用後も
なお、表面に若干の擦傷が認められるものの、コンクリ
ートの付着は見られず、さらなる繰り返し使用が可能な
状態であった。さらに、硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂
シート層との接着強度は高く、剥離現象は全く見られな
かった。
【0019】[実施例2] 1.型枠用板体の製造 (a)樹脂シートの製造 前記した抄紙法によって、ガラス繊維を20%含んでな
る厚さ1.0mmの長方形状の2枚の繊維強化ポリプロピ
レンシートを製造した。 (b)型枠用板体の製造 上記の樹脂シートの片面をフレーム処理して、表面張力
を50dyn/cmに調整した後、直ちに2液型の多官能ポリ
イソシアネート−ポリオール系プライマーを塗布し、そ
のプライマーを塗布した樹脂シートの片面の外周及び内
部に、樹脂注入孔を設けた桟木体を、エポキシ樹脂系接
着剤(インスターボンド X-13183,松栄化学社製)によ
って接着した。なお、内部に接着する桟木体は、格子状
に配列して接着した。そして、同様にフレーム処理、プ
ライマー塗布を施したもう1枚の樹脂シートを、既に樹
脂シートに接着されている桟木体に接着することによっ
て、2枚の樹脂シートの間に桟木体が挟着された中空板
状体を形成した。図3は、この中空板状体を示してお
り、4は桟木体、5は樹脂注入孔である。しかる後、板
状体の外周の桟木体の樹脂注入孔から、適量の発泡剤
(水)が添加され10倍に発泡するように調整された硬
質発泡ウレタン樹脂を注入した。その後、硬質発泡ウレ
タン樹脂が十分に発泡し、硬化するまで放置して、厚さ
約11.6mm、縦×横の大きさが1800mm×900mm
である実施例2の型枠用板体を得た。得られた型枠用板
体を図4に示した。また実施例2の型枠用板体の部分断
面拡大図を図5に示した。なお、本実施例においては、
中空板状体を水平にした状態で内部に硬質発泡ウレタン
樹脂を注入したが、中空板状体を垂直にした状態で樹脂
を注入することも可能である。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例2の型枠用板体の見掛け比重は0.38
であり、実施例1の型枠用板体と同様、通常の木質板に
比べて非常に小さいものであった。また実施例1と同様
に、曲げ強さ等を測定し、その結果を表1に示した。測
定結果は木質板と比較して遜色のないものであった。さ
らに、この板体を用いて型枠を形成し、コンクリート打
設に用いた結果、実施例1の型枠用板体と同様、10回
繰り返し使用することが可能であり、10回繰り返し使
用後もなお、さらなる繰り返し使用が可能な状態であっ
た。さらに、硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層と
の接着強度は高く、剥離現象は全く見られなかった。
【0020】[実施例3] 1.化粧型枠用板体の製造 (a)樹脂シートの製造 実施例1と同様の方法によって長方形状の2枚の繊維強
化ポリプロピレンシートを製造した。そして、そのうち
の1枚を、加熱した状態でプレスすることによって、表
面に岩肌状のランダムな立体凹凸を有する化粧シートを
製造した。なお、長方形状の化粧シートには周縁に凹凸
のない平坦部を設け、また、2枚の樹脂シートは同じ形
状、同じ大きさに形成した。 (b)化粧型枠用板体の製造 表面に凹凸のない繊維強化ポリプロピレンシートの片面
をフレーム処理して、表面張力を50dyn/cmに調整した
後、直ちに2液型の多官能ポリイソシアネート−ポリオ
ール系プライマーを塗布し、そのプライマーを塗布した
繊維強化ポリプロピレンシートの片面の外周に、エポキ
シ樹脂系接着剤(インスターボンド X-13183,松栄化学
社製)によって、桟木体を接着した。そして、その繊維
強化ポリプロピレンシート上の周設された桟木体の内部
に、適量の発泡剤(水)が添加され10倍に発泡するよ
うに調整されているとともに、ガラス繊維を2.0%含
んだ硬質発泡ウレタン樹脂を注入した。しかる後、上記
の化粧シートの片面に、繊維強化ポリプロピレンシート
と同様のフレーム処理、プライマー塗布を施し、その化
粧シート周縁の平坦部のプライマー塗布面を、既に繊維
強化ポリプロピレンシートに接着されている桟木体に接
着した。その後、硬質発泡ウレタン樹脂が十分に発泡
し、硬化するまで放置し、さらに化粧シート周縁の平坦
部分を桟木体とともに切断除去して、厚さ約12.0m
m、縦×横の大きさが1800mm×900mmである実施
例3の化粧型枠用板体を得た。得られた型枠用板体を図
6に示した。また実施例3の化粧型枠用板体の部分断面
拡大図を図7に示した。なお、本実施例においては桟木
体部分を切断除去したが、桟木体部分が周設された状態
でも型枠として使用できることはいうまでもない。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例3の型枠用板体の見掛け比重は0.33
であり、実施例1の型枠用板体と同様、通常の木質板に
比べて非常に小さいものであった。また、この板体を用
いて型枠を形成し、コンクリート打設に用いた結果、実
施例1の型枠用板体と同様、10回繰り返し使用するこ
とが可能であり、10回繰り返し使用後もなお、さらな
る繰り返し使用が可能な状態であった。さらに、硬質発
泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層との接着強度は高く、
剥離現象は全く見られなかった。
【0021】 (測定はJIS−K7203の方法に準拠し、試験片の寸法を縦×横×厚み=1 00mm×300mm×12mmとし、支点間の距離を240mmとした。また、実施例 2については桟木体を除いた硬質発泡ウレタン樹脂・樹脂シート積層部分を測定 した。)
【0022】なお本発明は、これらの実施例に何ら制約
されるものではないし、また本発明によって得られる型
枠用板体は、上記の如く優れた特性を有するものである
から、建築用途以外の利用も十分に可能であることを付
記しておく。
【0023】
【発明の効果】本発明の型枠用板体は、従来の木質板の
ものに比べて非常に軽量であるので、運搬、取り付け、
裁断等の作業性に優れているし、一方、木質板による型
枠用板体の代用品となるので、木材資源の保護に寄与す
ることもできる。その上、物理的強度が高く、コンクリ
ート離型性も良好であるので、従来多大な肉体労働を要
していた付着コンクリートのはつり作業を軽減すること
ができるし、従来の型枠用板体に比べて、繰り返し使用
可能な回数を大幅に向上させることができる。しかも表
面硬度が高く、傷つきにくいし、さらに靱性にも優れ、
釘打ち等において強い衝撃を受けても決して割れたり粉
砕したりしないし、その上、打たれた釘を強固に保持で
きるので、型枠用板体としてきわめて実用性に富んでい
る。さらに断熱性にも優れているので、特に冬期等、コ
ンクリート中の水分の凍結を防止して、強度の高いコン
クリート構造物を製造することができる。また、熱可塑
性樹脂シートはリサイクルに供することができるので、
最終的に廃棄する場合でも、その処理はきわめて容易で
ある。一方、発泡硬化前の液状の硬質ウレタン樹脂を2
枚の樹脂シートの間に注入して発泡硬化させる製造方法
によれば、化粧型枠用板体のように片方の樹脂シートに
凹凸がある型枠用板体や、片方の樹脂シートの内側面に
補強用リブを有する型枠用板体を製造する場合でも、容
易に硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層との接着強
度の高い型枠用板体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図2】実施例1の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図3】実施例2の中空板状体を示す部分斜視図であ
る。
【図4】実施例2の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図5】実施例2の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図6】実施例3の型枠用板体(化粧型枠用板体)を示
す部分斜視図である。
【図6】実施例3の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・樹脂シート層,2・・プライマー,3・・硬質発
泡ウレタン樹脂層,4・・桟木体,5・・樹脂注入孔。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図2】実施例1の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図3】実施例2の中空板状体を示す部分斜視図であ
る。
【図4】実施例2の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図5】実施例2の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図6】実施例3の型枠用板体(化粧型枠用板体)を示
す部分斜視図である。
【図7】実施例3の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 1・・樹脂シート層,2・・プライマー,3・・硬質発
泡ウレタン樹脂層,4・・桟木体,5・・樹脂注入孔。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】コンクリート型枠用板体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事、建築工事等
の各種建設工事に用いられるコンクリート型枠形成用板
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート型枠を形成するため
の板状材料(以下単に型枠用板体という)としては、物
理的強度に優れる木質板(例えば日本農林規格、農林水
産省告示第1515号等)が好適に使用されている。し
かしながら、木質板からなる型枠用板体は、コンクリー
ト離型性が悪いという欠点を有しているため、コンクリ
ートのハツリ作業が大変であるし、耐久性に乏しいの
で、せいぜい数回しか繰り返し使用することができなか
った。このため近年では、繊維強化プラスチックで形成
された型枠用板体や、発泡プラスチックあるいはポリオ
レフィン系樹脂で形成された型枠用板体、また木質板や
金属板あるいは合成樹脂からなる平板に織布や不織布を
積層した型枠用板体等の実用化も検討されているし、木
質板の表面に塗料を塗布したり、フィルムを貼り付けた
りして、離型性、及び耐久性の向上を図る試みもなされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維強
化プラスチックからなる型枠用板体は、コンクリート離
型性には優れるものの、用途目的に叶った十分な強度を
得ようとすると肉厚で重量が非常に大きいものになって
しまうし、その上、極めて高価なものとなってしまうの
で、およそ汎用性のあるものではなかった。また、発泡
プラスチックやポリオレフィン系樹脂単体からなる型枠
用板体は、運搬作業性(取り扱い易さ)やコンクリート
離型性には優れているものの、物理的強度が低く、損傷
し易いため、繰り返し使用可能な回数が少なかった。一
方、塗料を塗布したり、コンクリート離型性を有するフ
ィルムを貼り付けたりして、木質板を表面処理した型枠
は、比較的低コストで製造でき、コンクリート離型性に
も優れているが、表面処理層がせいぜい数百μm程度の
薄いものであるため、運搬中やコンクリート打設中、殊
にバイブレートを与えるロッドとの接触等で、表面に傷
が付き易く、コンクリート離型性が阻害されてしまうの
で、木質板単体のものと大差がなかった。上記したこれ
までの型枠用板体がそれぞれ欠点を有したものであった
ことから、本件出願人は、その欠点を補うべく、先に特
願平5−272473号において木材に繊維強化熱可塑
性樹脂を貼着する技術を提案したが、天然の木材は年々
供給が難しくなる傾向にあるため、この技術の対応策を
考えておく必要もある。本発明の目的は、供給が難しく
なる木材を用いることなく、上記課題を解決し、低コス
トで製造できるとともに、物理的強度が高く、かつコン
クリート離型性が良好で繰り返し使用可能な回数が多
く、しかも容易にリサイクルに供することが可能なコン
クリート型枠用板体、及びその製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の構成は、
硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層の両面に樹脂シー
トからなる表面層が積層されてなる積層板状体であっ
て、その樹脂シートからなる表面層の内の少なくとも一
つが繊維強化熱可塑性樹脂シートであることを特徴とす
るコンクリート型枠用板体にある。また、2つの樹脂シ
ートの間に硬質ウレタン樹脂を注入し、注入後に発泡さ
せることによって、硬質発泡ウレタン樹脂層の両面に樹
脂シート層が積層されてなる積層板体を形成することを
特徴とするコンクリート型枠用板体の製造方法にある。
【0005】硬質発泡ウレタン樹脂とは、ポリイソシア
ネート化合物と、ポリオール化合物及び、もしくは水と
の反応によって得られる公知の発泡ウレタン樹脂のう
ち、硬質品と称されているもののことであり、JIS−
K6900 No.133に記載された硬質プラスチッ
クフォームに相当する。また、本発明においては、硬質
ウレタン樹脂とは、この硬質発泡ウレタン樹脂が発泡す
る前のもののことである。なお、発泡剤としては、水等
の公知のものを使用することができる。硬質発泡ウレタ
ン樹脂は、コンクリート型枠用板体の芯材層としての耐
久強度を有するものであれば特に制約されないが、繊維
を充填して強化した繊維強化硬質発泡ウレタン樹脂がよ
り好ましい。この場合に用いられる強化繊維としては、
例えば、炭素繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、ロック
ファイバー、セラミックファイバー、ポリアミド繊維、
ポリイミド繊維、ポリエステル繊維等の公知の繊維を挙
げることができる。かかる繊維は、均一分散性の面か
ら、短繊維であることが好ましい。また、これらの繊維
は、硬質発泡ウレタン樹脂中に0.1〜10重量%含有
させることが好ましく、より好ましい含有量は、0.5
〜5重量%である。含有量が少なくなると十分な補強効
果が得られず、逆に含有量が多くなると、経済性及び均
一分散性が低下するので好ましくない。
【0006】さらに、本考案において、樹脂シートを形
成する樹脂は特に限定されないが、2つの樹脂シートの
内の少なくとも一つは、繊維強化熱可塑性樹脂シートで
あることが必要である。なお、2つの樹脂シートの内の
一つは、合板、プラスチックシート等の繊維強化熱可塑
性樹脂シート以外のものであっても構わないが、強度、
耐久性、耐熱性等に優れた板体を形成するためには、繊
維強化熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。
【0007】繊維強化熱可塑性樹脂シートに用いる熱可
塑性樹脂は、セメントアルカリに対する耐アルカリ性を
有するものであれば特に制約されない。このようなもの
としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹
脂及びその共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリスチレン及びその共重合樹脂等の一般用
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネ
ート、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキ
サイド及びノリル樹脂、ポリスルフォン等のエンジニア
リングプラスチックを挙げることができる。この中でポ
リオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中〜
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポ
リエチレン系共重合体、いわゆるブロックポリプロピレ
ンと呼ばれる耐衝撃性ポリプロピレン、ランダムポリプ
ロピレンと呼ばれる共重合体等のポリプロピレン系重合
体、ポリブテン、1−メチルペンテン−1樹脂等を使用
することができ、さらには、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩
化ビニル共重合体等のオレフィンと他の極性モノマーと
の共重合体をも使用することができる。また、これらの
他にも、上記した樹脂同士のコポリマー、あるいはホモ
ポリマー、コポリマーのブレンド物をも使用することが
できる。一方、塩化ビニルの共重合体としては、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体樹脂、塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体樹
脂等を使用することができ、酢酸ビニル系樹脂として
は、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポ
リビニルブチラール等、ポリスチレンの共重合体として
は、ABS樹脂、SAN樹脂、ACS樹脂等、ポリアミ
ド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン
11、ナイロン66、ナイロン610等、ポリカーボネ
ートとしては、ビスフェノールAとホスゲンとから得ら
れるポリカーボネート、ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとから得られるポリカーボネート等、熱可
塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレンテレフタレート等をそれぞれ使
用することができる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で
用いてもよいし、2種以上を混合したボリマーブレンド
として用いてもよい。本発明においては、成形可能な分
子量を有していれば上記のどの熱可塑性樹脂を選択して
も構わないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピ
レンブロックポリマー、ランダムポリプロピレン等のポ
リオレフィンを使用すると、良好なコンクリート離型性
が得られるので好ましい。
【0008】また、繊維強化熱可塑性樹脂シートに用い
られる繊維としては、ガラス繊維、ロックファイバー、
炭素繊維、アルミナ繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド
繊維等を挙げることができるが、ガラス繊維を用いると
コンクリート型枠用板体の強度を高くでき、しかも製造
コストを低く抑えることができるので好ましい。ガラス
繊維の材質は特に制限されず、含アルカリガラス、低ア
ルカリガラス、無アルカリガラス等のいずれでもよく、
Eガラス、Cガラス、Aガラス等、従来ガラス繊維とし
て使用されている各種ガラスを用いることができる。使
用するガラス繊維の形状は特に制限されないが、繊維径
が5〜36μmであると打たれた釘を強固に保持でき、
強度を高くできるので好ましく、11〜25μmである
とより好ましく、15〜23μmであるとさらに好まし
い。また連続繊維、切断繊維のいずれも使用できるが、
打たれた釘を強固に保持して、高い強度を発現させるた
めには、平均繊維長が10mm以上であると好ましく、5
0mm以上であると特に好ましい。一方、樹脂へ充填する
繊維の割合は、繊維の真比重によって多少異なるが、1
〜60重量%であることが好ましく、5〜50重量%で
あるとより好ましい。充填割合が低いと、板体の強度等
の物性が不十分となるので好ましくないし、逆に充填割
合が高いと、繊維強化熱可塑性樹脂シートに空隙部(欠
陥部)が増えるので好ましくない。
【0009】繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る方法と
しては、公知の方法を用いることができるが、表面の仕
上り(平滑性)の良好な繊維強化熱可塑性樹脂シートを
得るためにはマット状ないしシート状に圧着した繊維を
シート状の熱可塑性樹脂と積層して熱融着せしめる方法
(以下、積層融着法という)、あるいは、粉末状樹脂と
チョップドガラス繊維を水中で分散混合せしめた後抄紙
機ですくって脱水してシート化しさらに乾燥してから加
圧状態で加熱する方法(以下、抄紙法という)等を用い
ることが好ましい。
【0010】また、繊維強化熱可塑性樹脂シートには、
必要に応じて酸化チタン、カーボンブラック等の着色顔
料、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の体質顔料、酸
化防止剤、紫外線吸収材等の公知の安定剤を添加するこ
とができる。さらに、繊維強化熱可塑性樹脂シートの厚
さは、0.5〜5.0mmであることが好ましく、0.8
〜3.0mmであるとより好ましい。シートの厚さが0.
5mm以下であると、複合型枠の強度や表面高度が著しく
低くなってしまうし、逆に、5.0mm以上であると、作
業現場における丸刃鋸等による切削性が低下する。
【0011】硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層と樹
脂シートからなる表面層が積層された積層板状体を形成
する方法としては、次の2つの方法がある。一つは、予
め発泡反応及び硬化反応を完了させた硬質発泡ウレタン
樹脂のブロック体を、必要に応じたサイズにスライス
し、そのある程度の厚みを有した板状のブロック体の両
面に、2枚の樹脂シートを貼着する方法である。また、
もう一つの方法は、発泡硬化前の液状の硬質ウレタン樹
脂を、2枚の樹脂シートの間に注入して発泡硬化させる
方法である。後者の方法は、化粧型枠用の板体を形成す
る場合のように片方の樹脂シートの表面が凹凸を有する
複雑な形状(例えば岩肌状や木目調)である場合や、片
方の樹脂シートの硬質発泡ウレタン樹脂との接合面に補
強用のリブを設ける場合に好ましく用いられる。
【0012】本発明のコンクリート型枠用板体は、必要
に応じて、中間層の硬質発泡ウレタン樹脂の外縁部に桟
木体を周設することができる。この桟木体としては、木
材、ベニヤ合板、針葉樹合板、MDF、パーチクルボー
ド、OSBボード等の木質板材料等を裁断したもの、あ
るいは硬質ないし半硬質のウレタンフォーム、ポリスチ
レンフォーム、フェノール樹脂フォーム等の硬質ないし
半硬質の発泡樹脂、繊維強化熱可塑性樹脂等を用いるこ
とができる。特にそれらの中でも、木質板材料を裁断し
たものは、型枠用板体の強度を有効に高められるので好
ましい。さらに桟木体を外縁部に周設する場合は、その
幅を1〜10cmにすることが好ましく、1cm以下にする
と釘打ち等の作業が不確実になるし、反対に10cm以上
にすると型枠用板体の重量が増大して作業性が悪くな
る。
【0013】また型枠用板体の強度をより高くするた
め、硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層の内部を縦断
するように桟木体を適宜箇所に配設して、芯材層を補強
することも可能であり、この場合の桟木体は、外縁部に
用いたものと同じ材料を用いることができる。芯材層に
桟木体を配設して補強する場合、外縁部と中間層の材料
は、同一であってもよいし異なっていてもよい。桟木体
の配置は特に限定されるものではないが、格子状、斜交
状等の配列が製造し易く、また型枠用板体の強度を向上
できるので好ましい。さらに本発明の型枠用板体は、防
水効果を特に向上させるために、全体あるいは外縁部の
みを熱可塑性樹脂等によって封止することができる。
【0014】2つの樹脂シートと硬質発泡ウレタン樹脂
(あるいは桟木体)との接着に関しては、予め両樹脂シ
ートの接着面の表面を、コロナ放電処理、フレーム処理
等の公知の表面処理方法によって、表面張力35dyn/cm
以上の状態にしておけば、両者の接着強度を高めること
ができるので好ましいし、表面処理直後にウレタン系、
もしくはエポキシ系のプライマーを塗布しておけば、接
着強度を一層向上させることができるので、特に好まし
い。
【0015】2つの樹脂シートの間に硬質ウレタン樹脂
を注入して発泡させる場合、あるいは樹脂シート層と硬
質発泡ウレタン樹脂層を貼り合わせる場合に用いるプラ
イマーとしては、例えば、1液もしくは2液型のエポキ
シ系プライマー、ウレタン系プライマー等を挙げること
ができる。エポキシ系プライマーの中では、多官能エポ
キシ樹脂とポリアミンを主成分とする2液型エポキシ系
プライマー(以下、多官能エポキシ−ポリアミン系プラ
イマーという)が好ましく、ウレタン系プライマーの中
では、多官能ポリイソシアネートとポリオールを主成分
とする2液型ウレタン系プライマー(以下、多官能ポリ
イソシアネート−ポリオール系プライマーという)が好
ましい。多官能エポキシ−ポリアミン系プライマーを構
成する多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものも
含め、環状脂肪酸型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキ
シ樹脂(例えばシェル化学社製Epikote812
等)、ダイマー酸型エポキシ樹脂等を挙げることができ
る。また、ポリアミンとしては、例えばポリアミノアミ
ド化合物、脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、
芳香族ポリアミン等の公知のポリアミンを挙げることが
できる。一方、多官能ポリイソシアネート−ポリオール
系プライマーを構成する多官能ポリイソシアネートとし
ては、末端にイソシアネート基を有する公知の多官能ポ
リイソシアネート化合物を挙げることができ、ポリオー
ルとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の公知
のポリオールを挙げることができる。
【0016】また本発明の型枠用板体は、硬質発泡ウレ
タン樹脂層の両面に樹脂シートを積層した3層構造に限
定されるものではなく、例えば表面層の樹脂シート上に
さらに硬質発泡ウレタン樹脂層および樹脂シート層を積
層して5層構造あるいは7層構造にする等、少なくとも
両面に樹脂シート層が露呈した構造であれば、何層に積
層しても構わない。
【0017】
【作用】硬質発泡ウレタン樹脂層部分は、見掛けの比重
がきわめて小さいにも拘らず、表面にかかる圧力に対し
て非常に高い抵抗力を示す。従って型枠用板体は、軽量
で、かつ強度に優れたものとなる。さらに硬質発泡ウレ
タン樹脂部分は多くの空隙を有しているので、型枠用板
体は高い断熱性を発現する。一方、樹脂シート層部分
は、高い物理的強度によって型枠用板体を頑丈なものと
し、また表面硬度にも優れ、容易に傷ついて硬質発泡ウ
レタン樹脂部分を露呈させたりしないので、型枠用板体
のコンクリート離型性を非常に良好なものとする。また
シート部分は高い撥水性をも有しており、コンクリート
中の水分を吸収して重たくならず、型枠用板体の重量増
加を防止するし、その上、樹脂に充填されたガラス繊維
の効果によって、打たれた釘を強固に保持する。このた
め型枠用板体は、作業性が良好で、しかも何回でも繰り
返し使用可能な耐久性の優れたものとなる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面に基
づいて説明する。 [実施例1] 1.型枠用板体の製造 (a)樹脂シート ガラス長繊維を20%含んでなる厚さ1.5mmの長方形
状の2枚のガラス繊維強化ポリプロピレンシートを使用
した。 (b)硬質発泡ウレタン樹脂ボードの製造 硬質ウレタン樹脂を10倍に発泡させて硬質発泡ウレタ
ン樹脂のブロック体を形成した後、それをスライスする
ことによって、厚さ9mm、比重0.1の硬質発泡ウレタ
ン樹脂ボードを製造した。 (c)型枠用板体の製造 上記した2枚の樹脂シートのそれぞれの片面をフレーム
処理して、表面張力を50dyn/cmに調整した後、直ちに
1液型ウレタン系プライマー(インスターボンド X-129
92,松栄化学社製)を塗布し乾燥硬化させた。このプラ
イマーを塗布した樹脂シートの間に上記の硬質発泡ウレ
タン樹脂ボードをエポキシ樹脂系接着剤(インスターボ
ンド X-13183,松栄化学社製)によって貼り合わせ、厚
さ約12mm、縦×横の大きさが1800mm×900mmで
ある実施例1の型枠用板体を得た。得られた型枠用板体
を図1に示した。1は樹脂シート層であり、3は硬質発
泡ウレタン樹脂層である。また実施例1の型枠用板体の
部分断面拡大図を図2に示した。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例1の型枠用板体の見掛け比重は0.35
であり、通常の木質板(見掛け比重0.6〜0.7)に
比べて非常に小さいものであった。また、曲げ強等さを
測定し、その結果を表1に示した。測定結果は木質板と
比較して遜色のないものであった。さらに、この型枠用
板体を用いて型枠を形成し、コンクリート打設に用いた
結果、優れたコンクリート離型性を示し、10回繰り返
し使用することが可能であり、10回繰り返し使用後も
なお、表面に若干の擦傷が認められるものの、コンクリ
ートの付着は見られず、さらなる繰り返し使用が可能な
状態であった。さらに、硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂
シート層との接着強度は高く、剥離現象は全く見られな
かった。
【0019】[実施例2] 1.型枠用板体の製造 (a)樹脂シート ガラス繊維を20%含んでなる厚さ1.0mmの長方形状
の2枚の繊維強化ポリプロピレンシートを使用した。 (b)型枠用板体の製造 上記の樹脂シートの片面をフレーム処理して、表面張力
を50dyn/cmに調整した後、直ちに2液型の多官能ポリ
イソシアネート−ポリオール系プライマーを塗布し、そ
のプライマーを塗布した樹脂シートの片面の外周及び内
部に、樹脂注入孔を設けた桟木体を、エポキシ樹脂系接
着剤(インスターボンド X-13183,松栄化学社製)によ
って接着した。なお、内部に接着する桟木体は、格子状
に配列して接着した。そして、同様にフレーム処理、プ
ライマー塗布を施したもう1枚の樹脂シートを、既に樹
脂シートに接着されている桟木体に接着することによっ
て、2枚の樹脂シートの間に桟木体が挟着された中空板
状体を形成した。図3は、この中空板状体を示してお
り、4は桟木体、5は樹脂注入孔である。しかる後、板
状体の外周の桟木体の樹脂注入孔から、適量の発泡剤
(水)が添加され10倍に発泡するように調整された硬
質ウレタン樹脂を注入した。その後、硬質ウレタン樹脂
が十分に発泡し、硬化するまで放置して、厚さ約11.
6mm、縦×横の大きさが1800mm×900mmである実
施例2の型枠用板体を得た。得られた型枠用板体を図4
に示した。また実施例2の型枠用板体の部分断面拡大図
を図5に示した。なお、本実施例においては、中空板状
体を水平にした状態で内部に硬質ウレタン樹脂を注入し
たが、中空板状体を垂直にした状態で樹脂を注入するこ
とも可能である。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例2の型枠用板体の見掛け比重は0.38
であり、実施例1の型枠用板体と同様、通常の木質板に
比べて非常に小さいものであった。また実施例1と同様
に、曲げ強さ等を測定し、その結果を表1に示した。測
定結果は木質板と比較して遜色のないものであった。さ
らに、この板体を用いて型枠を形成し、コンクリート打
設に用いた結果、実施例1の型枠用板体と同様、10回
繰り返し使用することが可能であり、10回繰り返し使
用後もなお、さらなる繰り返し使用が可能な状態であっ
た。さらに、硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層と
の接着強度は高く、剥離現象は全く見られなかった。
【0020】[実施例3] 1.化粧型枠用板体の製造 (a)樹脂シート 実施例1で使用したものと同一の2枚の長方形状繊維強
化ポリプロピレンシートを使用した。そして、そのうち
の1枚を、加熱した状態でプレスすることによって、表
面に岩肌状のランダムな立体凹凸を有する化粧シートを
製造した。なお、長方形状の化粧シートには周縁に凹凸
のない平坦部を設け、また、2枚の樹脂シートは同じ形
状、同じ大きさに形成した。 (b)化粧型枠用板体の製造 表面に凹凸のない繊維強化ポリプロピレンシートの片面
をフレーム処理して、表面張力を50dyn/cmに調整した
後、直ちに2液型の多官能ポリイソシアネート−ポリオ
ール系プライマーを塗布し、そのプライマーを塗布した
繊維強化ポリプロピレンシートの片面の外周に、エポキ
シ樹脂系接着剤(インスターボンド X-13183,松栄化学
社製)によって、桟木体を接着した。そして、その繊維
強化ポリプロピレンシート上の周設された桟木体の内部
に、適量の発泡剤(水)が添加され10倍に発泡するよ
うに調整されているとともに、ガラス繊維を2.0%含
んだ硬質ウレタン樹脂を注入した。しかる後、上記の化
粧シートの片面に、繊維強化ポリプロピレンシートと同
様のフレーム処理、プライマー塗布を施し、その化粧シ
ート周縁の平坦部のプライマー塗布面を、既に繊維強化
ポリプロピレンシートに接着されている桟木体に接着し
た。その後、硬質ウレタン樹脂が十分に発泡し、硬化す
るまで放置し、さらに化粧シート周縁の平坦部分を桟木
体とともに切断除去して、厚さ約12.0mm、縦×横の
大きさが1800mm×900mmである実施例3の化粧型
枠用板体を得た。得られた型枠用板体を図6に示した。
また実施例3の化粧型枠用板体の部分断面拡大図を図7
に示した。なお、本実施例においては桟木体部分を切断
除去したが、桟木体部分が周設された状態でも型枠とし
て使用できることはいうまでもない。 2.型枠用板体の性能評価 得られた実施例3の型枠用板体の見掛け比重は0.33
であり、実施例1の型枠用板体と同様、通常の木質板に
比べて非常に小さいものであった。また、この板体を用
いて型枠を形成し、コンクリート打設に用いた結果、実
施例1の型枠用板体と同様、10回繰り返し使用するこ
とが可能であり、10回繰り返し使用後もなお、さらな
る繰り返し使用が可能な状態であった。さらに、硬質発
泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層との接着強度は高く、
剥離現象は全く見られなかった。
【0021】 (測定はJIS−K7203の方法に準拠し、試験片の寸法を縦×横×厚み=1 00mm×300mm×12mmとし、支点間の距離を240mmとした。また、実施例 2については桟木体を除いた硬質発泡ウレタン樹脂・樹脂シート積層部分を測定 した。)
【0022】なお本発明は、これらの実施例に何ら制約
されるものではないし、また本発明によって得られる型
枠用板体は、上記の如く優れた特性を有するものである
から、建築用途以外の利用も十分に可能であることを付
記しておく。
【0023】
【発明の効果】本発明の型枠用板体は、従来の木質板の
ものに比べて非常に軽量であるので、運搬、取り付け、
裁断等の作業性に優れているし、一方、木質板による型
枠用板体の代用品となるので、木材資源の保護に寄与す
ることもできる。その上、物理的強度が高く、コンクリ
ート離型性も良好であるので、従来多大な肉体労働を要
していた付着コンクリートのはつり作業を軽減すること
ができるし、従来の型枠用板体に比べて、繰り返し使用
可能な回数を大幅に向上させることができる。しかも表
面硬度が高く、傷つきにくいし、さらに靱性にも優れ、
釘打ち等において強い衝撃を受けても決して割れたり粉
砕したりしないし、その上、打たれた釘を強固に保持で
きるので、型枠用板体としてきわめて実用性に富んでい
る。さらに断熱性にも優れているので、特に冬期等、コ
ンクリート中の水分の凍結を防止して、強度の高いコン
クリート構造物を製造することができる。また、熱可塑
性樹脂シートはリサイクルに供することができるので、
最終的に廃棄する場合でも、その処理はきわめて容易で
ある。一方、発泡硬化前の液状の硬質ウレタン樹脂を2
枚の樹脂シートの間に注入して発泡硬化させる製造方法
によれば、化粧型枠用板体のように片方の樹脂シートに
凹凸がある型枠用板体や、片方の樹脂シートの内側面に
補強用リブを有する型枠用板体を製造する場合でも、容
易に硬質発泡ウレタン樹脂層と樹脂シート層との接着強
度の高い型枠用板体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図2】実施例1の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図3】実施例2の中空板状体を示す部分斜視図であ
る。
【図4】実施例2の型枠用板体を示す部分斜視図であ
る。
【図5】実施例2の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【図6】実施例3の型枠用板体(化粧型枠用板体)を示
す部分斜視図である。
【図7】実施例3の型枠用板体の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 1・・樹脂シート層,2・・プライマー,3・・硬質発
泡ウレタン樹脂層,4・・桟木体,5・・樹脂注入孔。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 久和 名古屋市熱田区六野一丁目3番地18号 松 栄化学工業株式会社内 (72)発明者 新谷 彰 名古屋市熱田区六野一丁目3番地18号 松 栄化学工業株式会社内 (72)発明者 中島 敏行 名古屋市中区栄一丁目7番23号 木曽興業 株式会社内 (72)発明者 角間 徳宏 名古屋市中区栄一丁目7番23号 木曽興業 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質発泡ウレタン樹脂からなる芯材層の
    両面に樹脂シートからなる表面層が積層されてなる積層
    板状体であって、その樹脂シートからなる表面層の内の
    少なくとも一つが繊維強化熱可塑性樹脂シートであるこ
    とを特徴とするコンクリート型枠用板体。
  2. 【請求項2】 前記硬質発泡ウレタン樹脂が繊維強化硬
    質発泡ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記
    載のコンクリート型枠用板体。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化熱可塑性樹脂シートがガラ
    ス繊維強化ポリオレフィン樹脂シートであることを特徴
    とする請求項1または2記載のコンクリート型枠用板
    体。
  4. 【請求項4】 2つの樹脂シートの間に硬質ウレタン樹
    脂を注入し、注入後に発泡させることによって、硬質発
    泡ウレタン樹脂層の両面に樹脂シート層が積層されてな
    る積層板体を形成することを特徴とするコンクリート型
    枠用板体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記硬質発泡ウレタン樹脂が繊維強化硬
    質発泡ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項4記
    載のコンクリート型枠用板体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記繊維強化熱可塑性樹脂シートがガラ
    ス繊維強化ポリオレフィン樹脂シートであることを特徴
    とする請求項4または5記載のコンクリート型枠用板体
    の製造方法。
JP23377594A 1994-09-28 1994-09-28 コンクリート型枠用板体 Pending JPH0893217A (ja)

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