JPH0889954A - ユースポイントモジュールシステム - Google Patents

ユースポイントモジュールシステム

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Publication number
JPH0889954A
JPH0889954A JP22631294A JP22631294A JPH0889954A JP H0889954 A JPH0889954 A JP H0889954A JP 22631294 A JP22631294 A JP 22631294A JP 22631294 A JP22631294 A JP 22631294A JP H0889954 A JPH0889954 A JP H0889954A
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JP
Japan
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membrane
water
point
exchange group
ion
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JP22631294A
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English (en)
Inventor
Takahiro Hori
隆博 堀
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体産業における超純水製造プロセスにお
いて、配管や各ユニットプロセスからの溶出物や、残存
不純物を最終的に取り除く機能を、ユースポイント直前
に設置することにより、高純度超純水を安定に供給する
ことを可能にするシステムを提供する。 【構成】 膜内部にアニオン交換基を有する高分子鎖が
保持されている中空糸状多孔膜であって、膜1gあたり
0.2〜10ミリ等量のアニオン交換基を有し、平均孔
径0.01〜1μmの中空糸状多孔膜を充填したモジュ
ールをユースポイント直前に設置したことを特徴とする
ユースポイントモジュールシステムによって目的を達す
ることができる。なお、上記中空糸状多孔膜として、膜
内部にカチオン交換基を有する高分子鎖が保持されてい
るものを使用した場合はカチオン除去性能を得ることが
でき、また、膜内部にキレート形成基を有する高分子鎖
が保持されているものを使用した場合、極低濃度まで、
重金属イオンを除去する性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体産業における超
純水製造プロセスにおいて、配管や各ユニットプロセス
からの溶出物や、残存不純物を最終的に取り除く機能
を、ユースポイント直前に設置することにより、高純度
超純水を安定に提供することを可能にしたシステムであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体産業における超純水製造プロセス
において、ポリッシャー、低圧UV照射装置、ファイナ
ルフィルターなどからなる用水センターのサブシステム
末端からユースポイントまでの間に、長い配管が存在
し、その配管からの溶出物により、用水センターで十分
に高純度化された超純水の純度が再び低下するという問
題が起こっている。また、シリカを主としたコロイド状
物質が、十分低濃度まで除去されないままユースポイン
トまで到達しているという問題が起こっている。
【0003】なお、ここでいうユースポイントとは、ウ
エハ洗浄を実際に行う場所であり、クリーンベンチ内で
ある場合が多い。ユースポイント直前に水処理のユニッ
トシステムを設け、その部分で高純度化を図り、ユース
ポイントに高純度の超純水を安定に供給しようとする試
みはいくつかなされてきた。このようなユースポイント
システムにおける問題点は以下のようである。不純物
は、極微量であるが、種類を特定できない。イオン性物
質だけ、あるいは微粒子だけ除去するというシステムで
は、不十分である。省スペース、省コストが要求され
る。ウエハ洗浄は、クリーンベンチ内で主として行われ
るものであり、ユニットプロセスを連結させて使用する
場合は、装置をコンパクトにする工夫が必要になる。
ユースポイントの水の使用は間欠的である。この点は、
用水センターにおける水の使用と大きく異なる点であ
る。水不使用時に、ユースポイントシステム内、あるい
は、ユースポイントに接続された供給水の配管内に水が
滞留し、そのため再度通水したときドレインアウトに大
量の水を必要とするシステムでは実用的でない。
【0004】以上の問題点をすべて解決するシステムは
未だ構築されていない。これまでに提案されたユースポ
イントシステムの特徴は、不純物のうち特定物質に対象
を絞り、それのみを効率的に除去するというものが主流
である。たとえば、イオン除去を目的として、イオン交
換繊維を充填したカラムをユースポイント直前に設置す
る方法(特開平4−78483号公報)においては、微
粒子除去性能は不十分であり、微粒子除去を目的とし
て、ユースポイント直前に限外濾過膜モジュールを設置
する方法(特開昭58−81483号公報)において
は、極低濃度までのイオン除去は困難である。
【0005】また、従来技術の思想は、用水センター出
口からユースポイントに至る配管内における溶出物を除
去し、用水センター出口の水質に戻すことを主眼におい
たものであり、従って、超純水製造システムの一部を小
型化し、あるいは、組み合わせてユースポイント直前に
設置し、超純水製造システムで行ったと同じプロセスを
繰り返すという概念を越えないものであった。
【0006】以上の概念においては、ユースポイントに
いたる配管からの溶出物を除くという点では、一定の効
果があったが、さらに積極的に、原水由来の残存不純
物、特にコロイド状物質や重金属イオンなどを除去し、
半導体ウエハの洗浄に適応しうる水質にまで高めるとい
う機能は期待し得ないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ユースポイント直前に
おいて、できるだけ単純なユニットプロセスによって、
用水センター出口からユースポイントに至るまでの配管
における溶出物を除去するとともに、超純水製造システ
ムにおいて除去しきれなかったコロイド状物質や重金属
イオン等の不純物を除去し、しかも、ユースポイントに
おける超純水不使用時における純水の滞留による純度低
下を本質的に解決し、ウエハ洗浄用に適応した高純度の
超純水を安定して供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イオン交
換基を導入した多孔膜によって、上記目的を達成するべ
く、鋭意研究を行ってきた。その結果、ある条件におい
て、ユースポイントにおける超純水の高純度化に画期的
な効果を与えることを発見し、以下の発明を成すに至っ
た。
【0009】すなわち、膜内部にイオン交換基を有する
高分子鎖が保持されている中空糸状多孔膜であって、膜
1gあたり0.2〜10ミリ等量のイオン交換基を有
し、平均孔径0.01〜1μmの中空糸状多孔膜を充填
したモジュールをユースポイント直前に設置したことを
特徴とするユースポイントモジュールシステムによっ
て、目的を達成することができた。
【0010】なお、上記イオン交換基として、アニオン
交換基を採用することによって、微粒子やコロイド状物
質に対して、画期的な除去性能を得ることができる。ま
た、上記中空糸状多孔膜として、膜内部にキレート形成
基を有する高分子鎖が保持されている中空糸状多孔膜を
採用した場合、濾過機能のほか、特に重金属イオンを極
低濃度まで除去する上で、優れた機能を得ることができ
る。
【0011】さらに、本発明について、詳しく説明す
る。以下にいうイオン交換基の効果は、キレート形成基
にも対応するものとする。膜内部にイオン交換基を有す
る高分子鎖が保持されてなる多孔膜とは、多孔膜の内部
においてイオン交換基を有する高分子鎖が化学結合によ
って保持されている状態をいうものであり、これは、単
に膜の細孔内表面を化学的に処理することによって、イ
オン交換基を導入したものではないことを示す。膜内部
とは、多孔膜内部の主として細孔内表面であり、細孔内
において、処理水中のイオンは細孔内表面に存在するイ
オン交換基と接触するものである。しかし、イオン交換
基を有する高分子鎖と多孔膜を形成するポリマーの結合
点は、必ずしも細孔内表面である必要はなく、多孔膜を
形成するポリマー内部に結合点が存在し、たとえば、処
理水中のイオンがポリマー内部まで拡散してイオン交換
基と接触するという現象が起こる場合も十分想定しうる
構造であってかまわない。
【0012】本発明において、イオン交換基とは、アニ
オン交換基およびカチオン交換基を指す。アニオン交換
基は、基本的に4級アミンを有するものであり、クロロ
メチルスチレンを4級化したものが好適に用いられる
が、ピリジン系やイミダゾール系など複素環の窒素原子
を4級化したものも適用可能である。カチオン交換基と
は、水中のカチオンとの交換機能を有するものであり、
スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等が好適に用
いられる。キレート形成基とは、水中の金属イオンとキ
レートを形成する機能を持った官能基である。イミノジ
酢酸基、メルカプト基、エチレンジアミンなどが好まし
く用いられる。
【0013】それぞれ官能基を有する多孔膜を合成する
方法として、アニオン交換基の場合は、特願平05−1
89926号公報、カチオン交換基の場合は特開昭62
−258711号公報、キレート形成基の場合は特願平
5−192715号公報に示された放射線グラフト重合
法が好適に採用できる。本発明において、好適に用いら
れる放射線グラフト重合法とは、前照射法と呼ばれる方
法であり、多孔性の基材膜に電離性の放射線を照射し、
引き続いて、重合体の単量体と接触させることにより、
該重合性単量体からなる高分子鎖を多孔性基材膜にグラ
フト重合させる方法である。重合性モノマーとしては、
イオン交換基あるいはキレート形成基を含むものあるい
はそれらの官能基を導入しうる基を有するものが用いら
れ、特に高透水性、耐溶出性の確保のため、架橋剤を共
重合させる方法が好適に用いられる。
【0014】放射線グラフト重合法の特徴は、任意の形
状及び構造の基材に均一に官能基を導入できること、さ
らに、得られた膜において、イオン交換基を有する高分
子鎖が、細孔内表面のみではなく、膜を形成するポリマ
ー内部にもグラフト重合されることである。得られる膜
は、イオン交換基を内蔵した高分子構造体が中空糸状を
なしたものといった形になり、したがって、単に膜の細
孔内表面を処理することによって、イオン交換基を導入
する方法や、あるいはコーティングによって細孔内表面
のみにイオン交換基を導入する方法に比べて、高容量の
イオン交換体が得られる。また、たとえば、コーティン
グ法においては、イオン交換基を細孔内に安定に保持す
るため、架橋剤の比率を多くすることなどが必要とな
り、イオン交換基を有する高分子鎖のモビリティが制限
されることになるが、放射線グラフト重合法では、イオ
ン交換基を有するグラフト高分子鎖のモビリティを高く
することができ、特にアニオン交換基を保持した膜にお
いて、コロイド状物質などの不純物の除去性能に大きな
影響を与えることが本発明によって明らかになった。
【0015】イオン交換基またはキレート形成基は、膜
1gあたり0.2〜10ミリ等量存在することが必要で
あり、好ましくは、0.5〜5ミリ等量のイオン交換基
あるいはキレート形成基が保持されていることが好まし
い。イオン交換基あるいはキレート形成基の量が少ない
と、イオン等に対する吸着容量が減少し、交換頻度が増
大するため好ましくない。イオン交換基あるいはキレー
ト形成基の量が多すぎると、膜の寸法変化が大きくな
り、強度が低下するため、長時間使用に耐えらえれなく
なる。特に、アニオン交換基の場合、イオン交換基量が
少ないと、コロイド状物質の除去性能の低下が認められ
る。
【0016】なお、この場合、膜1gあたりとは、比較
的巨視的に膜全体を見た値であり、ある一部分の膜につ
いて言っているものではない。その測定方法は、アニオ
ン交換基を保持した膜の場合、得られた膜について、1
N水酸化ナトリウム溶液を十分量通水し、アニオン交換
基をOH型にした後、乾燥重量を測定し、再び、水に濡
らした後、1NのNaCl水溶液を通水して、Clイオ
ンを吸着させた後、1N硝酸カリウム溶液を十分量通水
し、透過液について、沈殿適定し、Clイオン吸着量を
求め、該Cl吸着量を膜乾燥重量で割った値としてアニ
オン交換基保持量を求める。
【0017】カチオン交換基を保持した膜の場合は、1
N塩酸で、H型にした後、やはり、0.1NのNaCl
水溶液を通水して、Naイオンを吸着させ、通水後の液
について、中和滴定を行い、Naイオン吸着量を求め、
イオン交換基量を求めた。キレート形成基を保持した膜
の場合は、1N塩酸で、H型にした後、100ppmの硫酸銅
溶液を通水して、Cuイオンを吸着させ、1N塩酸で脱
着し、脱着液について、原子吸光法で銅イオン濃度を求
め、キレート形成基量を求めた。
【0018】平均孔径は、0.01〜1μmであること
が必要であり、好ましくは、0.05〜0.5μmであ
ることが好ましい。平均孔径が小さすぎると膜透過抵抗
が大きくなり、大きすぎると濾過機能や水中不純物と細
孔内のイオン交換基との接触効率が十分に得られないな
どの不都合が生じる。この場合、平均孔径は、ASTM
F316ー70に記載されているエアフロー法と呼ばれ
る方法で得られた値である。
【0019】細孔構造は、濾過機能が得られ、水中のイ
オンと細孔内のイオン交換基が効率よく接触する構造で
あれば、適用できる。3次元網目構造、あるいは延伸に
よるフィブリル型の構造が好適に採用できる。膜形状
は、中空糸状であることが必要である。これは、ユース
ポイント特有の間欠的な使用に対応するものである。す
なわち、不使用時における滞留に伴う純度低下を防ぐた
めに、中空糸状の場合、特開昭58−81483号公
報、実開昭60−119993号公報に開示された方法
を適用することができる。たとえば、特開昭58−81
483号公報に開示された方法により、モジュール不使
用時は、クロスフローによる通水を継続することによっ
て、使用時には直ちに高純度の超純水を得ることができ
る。使用時の通水方法については、クロスフローに限定
されるものではなく、全濾過による通水も可能である。
また、内圧方式、外圧方式いずれも適用できる。
【0020】膜内径は、0.05〜5mmが好ましい。
膜内径が大きすぎると、モジュール内膜面積が少なくな
り、また小さすぎると膜内部の流動抵抗が高くなるた
め、膜長手方向に透水量の不均一が生じ、膜内部のイオ
ン交換基利用率が制限されるため、いずれも好ましくな
い。膜厚については、0.01〜2mmが好適である。
膜厚が薄すぎると、強度的に十分な耐久性が得られなく
なり、厚すぎると膜透過抵抗が大きくなったりモジュー
ル内膜面積が制限されたりする。
【0021】ユースポイント直前とは、超純水を流出
し、洗浄に使用する部分すなわちユースポイントに近接
した場所をいい、ユースポイントがクリーンベンチ内に
ある場合、クリーンベンチ内及びクリーンベンチ直前の
いずれも対応する。ユースポイントシステムにおいて、
アニオン交換基を保持した膜、カチオン交換基を保持し
た膜、キレート形成基を保持した膜のいずれを使用する
かは、ユースポイントにおいて、処理すべき純水の水質
やユースポイントで求められる水質によって、選択され
るべきである。
【0022】ユースポイントにおける除去対象物質は、
溶出イオンのほか、微粒子、コロイド状物質などであ
り、これらを効果的に除去するものとして、アニオン交
換基を保持した膜が好適に用いられる。特に、原水由来
のシリカ等のコロイド状物質が残存している場合、それ
を、低減化することができ、好適である。1段で処理を
完了するシステムを意図した場合、アニオン交換基を保
持した膜の採用が好ましい。
【0023】カチオン交換基を保持した膜においては、
金属イオンをはじめ各種カチオンを低濃度まで除去する
ことができ、溶出成分等にカチオンが認められる場合、
好適に用いられる。キレート形成基を保持した膜におい
ては、特に重金属に対して、選択的に極低濃度まで除去
する能力を有するものであり、ポリッシャーによるイオ
ンの除去の限界を越えて重金属イオンを低減化すること
ができる。特に、微量の重金属イオンの存在がウエハ製
造の歩留まりに影響を与える可能性のある工程において
は、好適に採用することができる。
【0024】また、本発明によるユースポイントシステ
ムは、複数のプロセスを連結させることによって、効果
的に純度を向上させることが可能である。その場合、省
スペースを図るため、たとえば、特開平1−29714
9号公報、特開平2−280819号公報に開示されて
いるように、1本のモジュールの中に、2種類の膜を充
填する方法が好適に採用される。例えば、アニオン交換
基を保持した膜によって、有機酸、微粒子、コロイド状
物質を除去し、カチオン交換基を保持した膜やキレート
形成基を保持した膜との併用によって、カチオンや重金
属イオンを効果的に除去するシステムが考えられる。
【0025】また、アニオン交換基を保持した膜モジュ
ールの前段に、紫外線照射装置を設置することによっ
て、TOC濃度低減化を、さらに効果的に行うことがで
き、また、特に、イオンに対する吸着容量をさらに確実
なものとするために、イオン交換樹脂やイオン交換繊維
との併用も考えられる。いずれも省スペースのため、単
一容器に収納するなどの工夫によって、さらに望ましい
ユースポイントシステムとなりうる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を述べるが、実施例は本発明を
限定するものではない。
【0027】
【実施例1】まず、アニオン交換基を保持してなる多孔
膜の合成を行った。公知の方法で基材である中空糸状の
多孔性ポリエチレンを合成した。すなわち、微粉ケイ酸
(商標名 Aerosil R−972)25.0重量
部、ジブチルフタレート(DBP)51.0重量部、ポ
リエチレン樹脂粉末(旭化成工業(株)製 SH−80
0グレード)24.0重量部の組成物を予備混合した
後、30mmφの2軸押しだし機内で中空糸状に押し出
した後、1,1,1−トリクロロエタン中に60分間浸
漬し、DBPを抽出した。さらに、温度60℃の20%
苛性ソーダ水溶液中に約20分間浸漬して、微粉ケイ酸
を抽出した後、水洗、乾燥させることにより合成した。
このようにして、3次元網目構造を有する多孔性基材膜
が得られた。
【0028】得られた多孔性基材膜に対し、Co60より
のγ線を100kGy照射する。反応液として、0.7
5mol/Lのクロロメチルスチレンおよび0.05m
ol/Lのジビニルベンゼンを溶存させたエタノール溶
液を用いた。反応液を、40℃とし、窒素バブリングに
より、溶存酸素を除去して、リアクターに投入し、さら
にγ線照射後の多孔性基材膜を投入した。
【0029】15時間反応行い、膜を取り出し、エタノ
ールで繰り返し洗浄した。得られた膜を、トリメチルア
ミン10%を溶存させた水、アセトンの1:1溶液に浸
漬し、30℃で50時間反応させ、導入したクロロメチ
ルスチレンを4級化した。得られた膜は、水洗及びエタ
ノール洗浄を繰り返した後、純水中に保存した。
【0030】得られた膜について、ASTMF316-70に
記載されているエアフロー法により、平均孔径を求めた
ところ、0.13μmであった。また、内径は、0.7
2mm、外径1.47mmとなった。本文中に記載され
た方法で、アニオン交換基導入量を求めたところ、1g
あたり2.1mmolであった。
【0031】以上のようにして得られた膜を、内径4c
m、長さ30cmのモジュールに250本充填し、目的
の中空糸状アニオン吸着膜モジュールを得た。図1に実
験装置の図を示す。一次純水を混床ポリッシャーに通
し、引き続いて、ポリエチレンのパイプに通す。ポリエ
チレンのパイプは80℃の恒温槽中に20m、常温水水
槽中に20m配置されており、混床ポリッシャー通水後
の溶出について加速試験を行うようになっている。
【0032】アニオン吸着膜モジュールを設置し、供給
水及び膜処理水の水質を測定した結果を表1に示す。通
水方法は、クロスフロー方式によった。比抵抗は、DK
K社製のAQ−11型の比抵抗計、微粒子濃度は、Part
icle Measuring System社製PDS−PBによる微粒子
カウンター、シリカ濃度は、サンプリング後、ICP−
MSにより、測定した。
【0033】
【比較例1】比較例として、実施例1で用いたアニオン
吸着膜モジュールの代わりにアニオン交換樹脂を充填し
たカラムを設置して、同様な実験を行った。結果を表1
に合わせて示す。
【0034】
【比較例2】比較例として、実施例1で用いたアニオン
吸着膜モジュールの代わりに限外濾過膜を充填したモジ
ュールを設置して、同様な実験を行った。結果を表1に
合わせて示す。
【0035】
【比較例3】比較例として、実施例1で用いたアニオン
吸着膜モジュールの代わりに、コーティング法によっ
て、細孔内表面にアニオン交換基を導入したアニオン吸
着膜を充填したモジュールを設置して、同様な実験を行
った。コーティング法によるアニオン交換基の導入は以
下のように行った。
【0036】基材として用いた多孔膜は、実施例1で用
いたのと同じものである。ジビニルベンゼンとクロロメ
チルスチレンを2:8で混合した液を20部、過酸化ベ
ンゾイル0.02部、アセトン100部からなる液に、
該基材を15秒浸漬し、風乾した後、窒素雰囲気中で7
0℃で4時間加熱重合させた。得られた膜について、実
施例1と同じ手法で、4級化した。
【0037】得られた膜について、ASTMF316-70に
記載されているエアフロー法により、平均孔径を求めた
ところ、0.11μmであった。また、内径は、0.6
8mm、外径1.39mmとなった。本文中に記載され
た方法で、アニオン交換基導入量を求めたところ、1g
あたり0.43mmolであった。以上のようにして得
られた膜を、実施例1と同様な方法で、モジュール化
し、性能評価を行った。結果を表1に合わせて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例2】実施例1で用いたアニオン吸着膜モジュー
ルを設置したシステムにおいて、アニオン吸着膜モジュ
ールの濾水口5をふさぎ、アニオン吸着膜による処理を
5時間停止した。この間、モジュール供給水口6から濃
縮水口7へ流れるクロスフローによる通水は継続し、混
床ポリッシャー1の前のタンク8に戻した。24時間
後、膜透水を再開し、膜処理水の水質の変化を、TOC
濃度の変化によって追跡した。結果を図4に示す。TO
C濃度は、ANATEL社製のA−100PタイプのT
OCメーターによって測定した。
【0040】
【比較例4】実施例1と同様にアニオン吸着膜による処
理を5時間停止し、その間、クロスフローによる通水を
行わなかった。その後通水を再開し、膜処理水の水質の
変化を追跡した。結果を図4に実施例3とともに示す。
【0041】
【比較例5】アニオン交換樹脂を充填したカラムについ
て、比較例2と同様に通水を5時間停止した。その後通
水を再開し、カラム処理水の水質の変化を追跡した。結
果を図4に実施例3とともに示す。
【0042】
【実施例3】実施例1で用いたのと同じ基材膜を用い、
同じ手法によりカチオン交換基としてスルホン酸基を導
入した。実施例1と同じ多孔性基材膜に対し、Co60
りのγ線を100kGy照射した。反応液として、0.
75mol/Lのスチレンおよび0.05mol/Lの
ジビニルベンゼンを溶存させたエタノール溶液を用い
た。反応液を、30℃とし、窒素バブリングにより、溶
存酸素を除去して、リアクターに投入し、さらにγ線照
射後の多孔性基材膜を投入した。
【0043】15時間反応行い、膜を取り出し、エタノ
ールで繰り返し洗浄した。得られた膜を、クロルスルホ
ン酸1wt%、安息香酸3wt%を含むジクロロエタン
の溶液中に投入し、30℃で50時間反応させ、導入し
たスチレンをスルホン化した。得られた膜は、水洗及び
エタノール洗浄を繰り返した後、純水中に保存した。
【0044】得られた膜について、平均孔径は、0.1
4μm、内径は、0.71mm、外径1.43mmとな
った。本文中に記載された方法で、カチオン交換基導入
量を求めたところ、1gあたり1.8mmolであっ
た。以上のようにして得られた膜を、実施例1と同様に
内径4cm、長さ30cmのモジュールに250本充填
し、目的の中空糸状カチオン吸着膜モジュールを得た。
【0045】実験装置図を図2に示す。一次純水を2段
の逆浸透膜モジュールに通水し、カチオン吸着膜モジュ
ールおよびアニオン吸着膜モジュールの連結システムに
供給した。供給水及び処理水の水質を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例4】実施例1と同じ手法によりキレート形成基
を導入した。実施例1で用いたものと同様の多孔性基材
膜にγ線を50kGy照射した後、0.75mol/L
のメタクリル酸グリシジルおよび0.03mol/Lの
ジビニルベンゼンを溶存させたエタノール溶液を用い
た。反応液を、50℃とし、窒素バブリングにより、溶
存酸素を除去して、リアクターに投入し、さらにγ線照
射後の多孔性基材膜を投入した。
【0048】15時間反応行い、エタノール洗浄後、得
られた膜を、イミノジ酢酸ナトリウム10wt%を含む
ジメチルスルホキシドと水の1対1混合液に投入し、8
0℃で、40時間反応させた。得られた膜について、平
均孔径は、0.13μm、内径は、0.70mm、外径
1.43mmとなった。本文中に記載された方法で、キ
レート形成基導入量を求めたところ、1gあたり1.5
mmolであった。
【0049】以上のようにして得られた膜を、実施例1
と同様に内径4cm、長さ30cmのモジュールに25
0本充填し、目的の中空糸状キレート膜モジュールを得
た。実験装置を図3に示す。一次純水を混床ポリッシャ
ー及び限外濾過膜に通した水を使った。処理水中の銅イ
オンの濃度をICP−MSにより測定した。結果を表3
に示す。比抵抗は供給水の段階で理論純水となっている
が、金属イオン濃度において、差が生じている。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】ユースポイント直前において、できるだ
け単純なユニットプロセスによって、用水センター出口
からユースポイントに至るまでの配管における溶出物を
除去するとともに、超純水製造システムにおいて除去し
きれなかったコロイド状物質や重金属イオン等の不純物
を除去し、しかも、ユースポイントにおける超純水不使
用時における純水の滞留による純度低下を本質的に解決
し、ウエハ洗浄に適応した高純度化の超純水を安定して
供給することができる。
【0052】半導体産業において、ユースポイントにお
ける水質を保証するシステムでありその効果ははかりし
れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、比較例1〜5のシステムの図で
ある。
【図2】実施例3のシステムの図である。
【図3】実施例4のシステムの図である。
【図4】水質の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 混床ポリッシャー 2 80℃恒温槽 3 常温水水槽 4 アニオン交換基を保持した膜を充填したモジュール 5 濾水口 6 供給水口 7 濃縮水口 8 タンク 9 一次純水 10 逆浸透膜1 11 逆浸透膜2 12 カチオン交換基を保持した膜を充填したモジュー
ル 13 限外濾過モジュール 14 キレート形成基を保持した膜を充填したモジュー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜内部にイオン交換基を有する高分子鎖が
    保持されている中空糸状多孔膜であって、膜1gあたり
    0.2〜10ミリ等量のイオン交換基を有し、平均孔径
    0.01〜1μmの中空糸状多孔膜を充填したモジュー
    ルをユースポイント直前に設置したことを特徴とするユ
    ースポイントモジュールシステム。
  2. 【請求項2】請求項1記載のイオン交換基が、アニオン
    交換基であるユースポイントモジュールシステム。
  3. 【請求項3】請求項1記載のイオン交換基が、キレート
    形成基であるユースポイントモジュールシステム。
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