JPH0887727A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

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JPH0887727A
JPH0887727A JP22300594A JP22300594A JPH0887727A JP H0887727 A JPH0887727 A JP H0887727A JP 22300594 A JP22300594 A JP 22300594A JP 22300594 A JP22300594 A JP 22300594A JP H0887727 A JPH0887727 A JP H0887727A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic head
film
mounting base
head
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Application number
JP22300594A
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English (en)
Inventor
Seiichi Ogata
誠一 小形
Takashi Sugano
丘 菅野
Hisami Takahashi
久美 高橋
Atsushi Sato
敦 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、強い接着強度と高い精度を確保せ
しめることにより回転ドラム等の被取付け部材に対して
高精度の組み立てが行える磁気ヘッド装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 磁気ヘッドチップがその媒体摺動面を突出さ
せた状態でヘッド取付基台51に貼着固定されてなる磁
気ヘッド装置50において、上記ヘッド取付基台におけ
る磁気ヘッドチップの接着面51a側の表面粗さが、ド
イツ工業規格(DIN)4763において定義された中
心線の深さで、0.05μm以上で2μm以下である構
成の磁気ヘッド装置50とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドがその媒体
摺動面を突出させた状態でヘッド取付基台に接着固定さ
れてなる磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダ(以下、
「VTR」という。)等の磁気記録再生装置には、回転
ドラムに搭載されるとともに、磁気記録媒体と接触して
情報の信号を記録及び/又は再生を行う磁気ヘッド装置
が知られている。
【0003】上記磁気ヘッド装置は、磁気ヘッドがその
媒体摺動面を突出させた状態で板状のヘッド取付基台に
載置されて構成され、上記回転ドラムとともに回転し
て、上記磁気ヘッドが回転ドラムの周面に沿ってある角
度で走行する磁気記録媒体と接触して情報信号の記録及
び/又は再生を行うものである。
【0004】まず、上記磁気ヘッドは、コイルが巻回さ
れる巻線溝を有する磁気コア半体と巻線溝を有しない磁
気コア半体が突き合わされ接合一体化されて、その突き
合わせ面間に磁気ギャップが構成されてなる。また、上
記磁気ギャップが構成される媒体摺動面は、上記磁気記
録媒体との接触を確保し、スペーシングロスを低減すべ
く、ラップ仕上げにより円弧状に研磨されて形成されて
いる。
【0005】そして、上記構成の磁気ヘッドを装置本体
側の被取付け部材に取り付ける場合には、この被取付け
部材との間の介在部材であるヘッド取付基台を介して、
磁気ヘッドをヘッド取付基台の前方側に上記円弧状の媒
体摺動面を突出させた状態で載置する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ヘッド
を装置本体側の被取付け部材にヘッド取付基台を介して
取付ける場合には、磁気ギャップの距離や平行度、さら
にトラック等を高い精度に位置決め調整する必要があ
る。
【0007】しかしながら、磁気記録の高密度化に伴
い、磁気ヘッド装置には一層高精度な組立が要求されて
きているために、上記従来の磁気ヘッド装置には、その
組み立て工程において、次のような問題が生じている。
【0008】例えば、家庭用VTRでは、回転ドラムの
180度対向する位置にアジマス角の異なる2個の磁気
ヘッドがヘッド取付基台に接着固定されて組み立てられ
る場合がある。
【0009】このような組み立てにおいては、磁気ヘッ
ドが磁気記録媒体に対して均一な記録トラックパターン
を形成するために、磁気ヘッドに形成された磁気ギャッ
プのヘッド取付基台の主面に直交する方向の位置(以
下、高さ方向の位置と称する。)の調整が必要となる。
【0010】このため従来では、この高さ方向の位置の
調整は、磁気ヘッドが載置される各ヘッド取付基台の少
なくとも一方を、このヘッド取付基台に当接する調整ネ
ジをねじ込ませて、調整ネジの先端部がヘッド取付基台
の主面に当接させて変位させることで、このヘッド取付
基台に接着固定された磁気ヘッドの磁気ギャップの高さ
方向の位置を調整している。
【0011】しかしながら、このような方法の高さ方向
の位置の調整では、磁気ヘッドの位置がずれることによ
り磁気ヘッドの磁気ギャップ位置がトラック幅の中心か
らずれてしまうことになる。この磁気ギャップ位置がず
れが大きくなると、磁気ヘッドと記録媒体との正確な当
たりが確保されず、再生出力が劣化する。この傾向は、
情報信号の高記録密度化に伴いトラック幅が狭くなれば
狭くなる程顕著に現れる。
【0012】一方、上記回転ドラムの偏心等によって磁
気ヘッドの位置に変化が生じて、先行した磁気ヘッドに
よって記録された情報信号の一部に、後続の磁気ヘッド
により新たな情報信号が記録され、消去されてしまうと
いう異常トラックパターンが発生し、再生出力が劣化す
る場合がある。この異常トラックパターンが再生出力に
及ぼす影響も、情報信号の高記録密度化に伴いトラック
幅が狭くなる程顕著に現れる。
【0013】このため従来では、この異常トラックパタ
ーンを解決すべく、一のヘッド取付基台にアジマス角度
の異なる2つ以上の磁気ヘッド並列して接着固定して、
各々の磁気ヘッドの磁気ギャップの高さ方向の位置の差
が、磁気記録媒体に記録される情報信号のトラックピッ
チとほぼ等しくなるように段差を設けて、同時に記録再
生を行うように組み立てられている。この組み立ての場
合、各々の磁気ヘッドの高さ方向の段差がトラックピッ
チとなるため、各々の磁気ヘッドの高さ方向の相対的な
位置を高精度に位置決めする必要がある。
【0014】そして、磁気ヘッドの高さ方向の精度を向
上させるためには、磁気ヘッドのヘッド取付基台に対す
る接着面からトラックエッジ迄の高さ寸法を高度に設定
するともに、ヘッド取付基台の磁気ヘッドが接着される
側の面粗さを平滑にする必要がある。
【0015】しかしながら、この面粗さを平滑にしすぎ
ると、接着剤等がうまく着かず磁気ヘッドとヘッド取付
基台の接着強度が不足することとなって、磁気ヘッドの
接着工程以降のコイルの巻装等の製造工程において、剥
離による製品不良が増加するという問題を有する。
【0016】そこで、本発明は、磁気ヘッドをヘッド取
付基台に接着固定するに際し、強い接着強度と高い精度
を確保せしめることにより、回転ドラム等の被取付け部
材に対して高精度の組み立てが行える磁気ヘッド装置を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく、磁気ヘッドチップがその媒体摺動面を突出さ
せた状態でヘッド取付基台に接着固定される磁気ヘッド
装置において、上記ヘッド取付基台における磁気ヘッド
の接着面側の表面粗さが、ドイツ工業規格(DIN)に
おいて定義された中心線の深さで、0.05μm以上で
2μm以下であることを特徴とする。
【0018】上記表面粗さが中心線の深さで0.05μ
m未満のものを用いたヘッド取付基台では、磁気ヘッド
の半数以上がヘッド取付基台から剥離した。
【0019】しかし、ヘッド取付基台51の磁気ヘッド
チップの接着面側の表面粗さを中心線の深さが0.05
μm以上で0.1μm未満のヘッド取付基台では、磁気
ヘッドが剥離したのは僅かにすぎず、0.1μm以上で
のヘッド取付基台を用いた磁気ヘッド装置ではほぼ皆無
であった。
【0020】
【作用】本発明に係る磁気ヘッド装置は、上記ヘッド取
付基台における磁気ヘッドチップの接着面側の表面粗さ
が、ドイツ工業規格(DIN)4763において定義さ
れた中心線の深さGが、0.05μm以上2μm以下で
あることにより、磁気ヘッドチップをヘッド取付基台に
接着固定するに際し、強い接着強度と高い精度を確保せ
しめることにより、回転ドラム等の被取付け部材に対し
て高精度の組み立てが行える。
【0021】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】作製される磁気ヘッドの構成 本実施例が対象とする磁気ヘッドは、図4に示すよう
に、金属磁性膜3が膜厚方向より一対の基板11,12
により挟み込まれてなる磁気コア半体1と、同様に金属
磁性膜4が膜厚方向より一対の基板13,14により挟
み込まれてなる磁気コア半体2が、上記金属磁性膜3,
4を突き合わせるようにして接合一体化されたものであ
る。そして、上記金属磁性膜3,4の突き合わせ面間に
は、ギャップg1 (フロントギャップ)と、ギャップg
2 (バックギャップ)が形成され、該金属磁性膜3,4
により閉磁路が構成されている。
【0023】また、上記磁気ヘッドにおいては、一方の
磁気コア半体2の対向面に、その一端によりフロントギ
ャップg1 のデプス(深さ)dを規制するとともに、図
示しないコイルを巻装するための巻線溝8が設けられて
いる。なお、この巻線溝8と対向する反対側の各側面に
は、コイルの巻装状態を良好なものとなすための巻線ガ
イド溝18,19が設けられている。
【0024】また、上記金属磁性膜3,4は、高周波帯
域での渦電流損失を回避するため、絶縁膜を介して交互
に何層にも積層されている。
【0025】上記金属磁性膜3、4は、各種強磁性材料
の他に、例えば高飽和磁束密度を有し、かつ軟磁気特性
に優れた強磁性合金材料が使用できるが、かかる強磁性
合金材料としては従来より公知のものがいずれも使用で
き、結晶質であるか、非結晶質であるかを問わない。
【0026】例示するならば、Fe−Al−Si系合金
(センダスト)、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系
合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Si−Ga系合
金、Fe−Si−Ga−Ru系合金、Fe−Co−Si
−Al系合金等が挙げられる。また、耐蝕性や耐摩耗性
等の一層の向上を図るために、Ti,Cr,Mn,Z
r,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,
Re,Ni,Pd,Pt,Hf,V等の少なくとも一種
を添加したものであってもよい。また、酸素含有センダ
スト,窒素含有センダスト、酸素含有Fe−Si−Ga
−Ru系合金、窒素含有Fe−Si−Ga−Ru系合金
等の結晶質磁性膜でも良い。さらには、Fe系微結晶
膜、Co系微結晶膜を用いてもよい。
【0027】また、強磁性非晶質合金、いわゆるアモル
ファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上の元
素とP,C,B,Siの1つ以上の元素からなる合金、
またはこれらを主成分としているAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、或いはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土
類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファス
合金)等が挙げられる。
【0028】これら金属磁性膜3,4の成膜方法として
は、膜厚制御性に優れるスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、イオンビーム法等に代表
される真空薄膜形成技術が採用されている。
【0029】また、上記基板11、12、13、14に
は、フェライト材の他に、非磁性フェライト、酸化ジル
コニウム系セラミック、結晶化ガラス、非磁性酸化鉄系
セラミック、BaTiO3 ,K2 TiO3 等のチタン酸
系セラミック等が用いられる。
【0030】上記磁気ヘッドにおいては、基板11,1
2,13,14を用いていることから、磁気ギャップの
トラック幅Twは、上記金属磁性膜3,4の膜厚によっ
て決定される。
【0031】また、この磁気ヘッドは、上記磁気コア半
体1,2同士を融着ガラス20によって接合一体化され
ている。なお、磁気記録媒体摺動面には、磁気記録媒体
との当たりを確保するための段差16,17が設けられ
ている。
【0032】そして、上記磁気ヘッドは、その円弧状の
媒体摺動面を突出させた状態でヘッド取付基台51に接
着固定される。
【0033】ヘッド取付基台の構成 このヘッド取付基台51は、図1及び図2に示すよう
に、真鍮を材料として略矩形状に形成され、該矩形状の
一側端部に上記磁気ヘッドチップが接着固定される固定
部52が一体に突出形成されている。このヘッド取付基
台51の一方の面は、上記磁気ヘッドがコイルを巻装さ
れていない磁気ヘッドチップの状態で接着固定される接
着面51aとされている。なお、磁気ヘッドチップが接
着固定される面は、上記接着面51aの上記固定部52
側の載置部53にのみ限るようにすることも可能であ
る。
【0034】さらに、このヘッド取付基台51は、上記
磁気ヘッドのフロントギャップg1のデプスd方向とバ
ックギャップg2 の軸線と一致する位置に取付け穴5
4,55が穿設されている。
【0035】そして、ヘッド取付基台51の接着面51
aに上記磁気ヘッドチップが接着剤等により接着固定さ
れて磁気ヘッド装置50が構成されることとなる。
【0036】本実施例では、このヘッド取付基台51の
接着面51aの表面粗さが、ドイツ工業規格(DIN)
において定義された中心線の深さGが、0.05μm以
上で2μm以下となさている。
【0037】ここで、ドイツ工業規格(DIN)におい
て定義された中心線の深さGとは、DIN4763にお
いて定義されている。すなわち、図3・図4に示すよう
に、上の限界線から平均線(その線より上部にある曲線
の描く面積と下部にある曲線の描く面積とが、等しくな
るような水平線)までの深さをいい、μ単位で表示され
る。図3・図4に示されるA,B2つの面は、機械的性
質等を考えると当然Aの方が良いと思われるが、最大高
さHmaxで比較すると、ほとんど差が認められない。
しかし、平均線の深さGで表示すると、明瞭に両者を区
別でき、Aの方が表面粗さが良いように表示できる。こ
の値は、電気容量式表面粗さ測定機や電子管回路による
自動計算が可能で、ドイツにおいて広く用いられてい
る。
【0038】そして、上記接着面51aの表面粗さを上
記範囲に設定するには、当該接着面51aをラップ液で
ラップし、そのときのラップ条件を適宜選定すれば良
い。
【0039】このように構成される磁気ヘッド装置50
は、ヘッド取付基台51の取付け穴53に図示しない取
付けネジがねじ込まれ、回転ドラム等の被取付け部材に
取付けられる。
【0040】磁気ヘッドの製造方法 次に上述した実施例に係る磁気ヘッド装置50を製造す
る製造方法について説明する。
【0041】先ず、図6に示すように、磁性フェライト
材よりなる基板21と、これを重ね合わる基板22を用
意する。そして、上記の一方の基板21の主面に鏡面加
工を施す。
【0042】なお、本実施例では、上記基板21とし
て、単結晶の磁性フェライト材を用いたが、これに限ら
ず多結晶の磁性フェライト材や、これら単結晶と多結晶
の接合フェライト材、さらには、非磁性フェライト,B
aTiO3 ,K2 TiO3 ,結晶化ガラス等の非磁性材
等も使用可能である。
【0043】また、本実施例に用いた上記単結晶フェラ
イトの結晶面の指数を図3に示す。すなわち、フェライ
ト結晶の切り出しの結晶方位を摺動方向において(10
0)面が現れるようにした。但し、上記結晶面の指数と
は異なる単結晶フェライト、或いは、接合基板等を用い
てもよい。
【0044】次に、図6及び図7に示すように、上記基
板21に絶縁膜26を介して金属磁性膜25を積層す
る。
【0045】ここで、本実施例においては、上記基板2
1上に、SiO2 膜24を形成し、このSiO2 膜24
上にマスクスパッタを用いて必要最小限の面積に金属磁
性膜25を形成する。
【0046】まず、上記基板21に金属磁性膜25を成
膜する前提として、基板21との付着力向上のための下
地層として50nm厚のSiO2 膜24が成膜した。こ
こで、成膜される下地層としては、上記SiO2 膜24
の他、Ta2 5 等の酸化物膜、Si3 4 等の窒化物
膜、或いは、Cr,Al,Si,Pt等の金属膜及びそ
れらの合金膜、或いは、それらを組み合わせた積層膜を
用いても良い。
【0047】その後、上記SiO2 膜24上にマスクス
パッタを用いて金属磁性膜25を形成する。この金属磁
性膜25の厚さは、高周波特性向上のために一層当たり
の2〜5μmとし、目的とするトラック幅Twの1〜3
倍程度の膜厚となる様に絶縁膜26を介して数層積層す
る必要がある。なお、この絶縁膜26に関しては、0.
1〜0.3μm厚のSiO2,Ta2 5 等の酸化物膜、
Si3 4 等の窒化物膜等を用いれば良い。本実施例で
は、トラック幅Twを5μmとするために1層当たりの
金属磁性膜25の厚さを3μmとし、絶縁膜26として
の0.2μm厚のSiO2,膜24を介して三層重ね合わ
せた。
【0048】次いで、図8及び図9に示すように、上記
金属磁性膜25の表面と重ね合わせ側のフェライト基板
22の表面にもスパッタリングを用いて0.1〜0.5
μm厚の低融点ガラス膜27を形成する。
【0049】このガラス膜27は、上記基板21の金属
磁性膜25上の表面か、或いは、金属磁性膜25を形成
していない重ね合わせ側の基板22の表面かの少なくと
も一方の表面に形成しても良い。なお、本実施例では、
スパッタリングによって形成されたガラス膜28を用い
たが、スピンコーティング等によって塗布されたフリッ
トガラスを用いてもよい。
【0050】また、このガラス膜27の成膜に際して
は、上記磁性基板21の金属磁性膜25と重ね合わせ側
の基板22のフェライトとの反応防止を目的として、S
iO2,Ta2 5 等の酸化物膜、Si3 4 等の窒化物
膜、Cr,Al,SiPt等の金属膜、これらの合金
膜、或いは、それらを組み合わせた積層膜を予めスパッ
タリング等を用いて形成しておいても良い。
【0051】本実施例では、0.1μm厚のCr膜28
を上記磁性基板21の金属磁性膜25と重ね合わせ側の
基板22のフェライトとの反応防止を目的として形成し
た後に、0.2μm厚のPb系のガラス膜27をやはり
スパッタリングを用いて形成した。
【0052】以上のようにして、金属磁性膜25が積層
された基板21に重ね合わせ側の基板22を圧着しなが
ら500〜700°Cに加熱接合して、図10及び図1
1に示すように、接合基板30を作製する。なお、図1
0に示す上記接合基板30の拡大断面図が図11であ
る。
【0053】次いで、上記接合基板30を目的とするア
ジマス角と同角度で切り出す。すなわち、図12に示す
ように、上記接合基板30のA−A線、B−B線、C−
C線から、図13に示すように、所定の大きさからなる
一対の磁気コア半体ブロック31,31を得る。
【0054】次いで、同図13に示すように、上記一対
の磁気コア半体ブロック31,31の不要な部分を平面
研削盤を用いて除去する。すなわち、上記一対の磁気コ
ア半体ブロック31,31の上記切り出し方向に沿って
絶縁膜26を介して成膜した金属磁性膜25が現れるま
で基板21の不要な部分を上記基板21の前記(10
0)面から平面研削盤を用いて除去する。そして、その
後、巻線溝8とガラス溝15等を形成する。
【0055】次いで、図14に示すように、トラック幅
Twの規制溝33を上記各磁気コア半体ブロック31,
31に機械加工により長手方向に沿って形成する。この
トラック幅規制溝33の形成により、磁気ギャップ対向
面のトラック幅Twが規制される。
【0056】ここで、同図14に示すように、スパッタ
リング等を用いて融着ガラス20との反応を防止する防
止膜29を形成しても良い。この反応防止膜29として
は、厚み0.05μm以上のSiO2 ,Ta2 5 等の
酸化物膜Si3 4 等の窒化物膜、或いは、Cr,A
l,Si,Pt等の金属膜及びそれらの合金膜及びそれ
らの合金膜、或いは、それらを組み合わせた積層膜を用
いれば良い。本実施例では、トラック幅規制溝28を形
成した後、0.2μm厚のCrからなる反応防止膜29
をスパッタリングを用いて形成した。
【0057】次いで、図15に示すように、ポリッシン
グ等を用いてフロントギャップg1面に鏡面加工を施し
た後、ギャップ膜を形成する。
【0058】次いで、巻線溝8同士、トラック幅Twの
規制溝33同士の位置合わせ等を行った後に、図16に
示すように、上記一対の磁気コア半体ブロック31,3
1同士をガラスを流し込みながら融着ガラス20により
ギャップ接合を行う。
【0059】次いで、巻線溝8の加工、当たり幅加工等
を行った後に、目的とするチップ厚に切断する。その
後、磁気記録媒体摺動面には、磁気記録媒体との当たり
を確保するための段差16,17を設ける。また、この
切断されたヘッドチップ34に対して磁気記録媒体摺動
面となる部分を円筒研磨するとともに、巻線溝8にコイ
ルを確実に巻装するための巻線ガイド溝18,19を切
削加工する。このようにして、磁気ヘッドが図5に示す
ように完成する。磁気ヘッド装置の製造 以上のようにして製造された磁気ヘッドを、図1に示す
ように、ヘッド取付基台51に接着剤を用いて接着固定
した。このときのヘッド取付基台51は、接着面51a
の表面粗さを種々異ならせた磁気ヘッド装置50を製造
した。なお、接着面51aの表面粗さの設定には、当該
接着面51aをラップ液でラップし、そのときのラップ
条件を適宜選定することにより行った。
【0060】実験結果 そして、ヘッド取付基台51の接着面51aをラップ条
件等を変更して、表面粗さが、ドイツ工業規格(DI
N)において定義された中心線の深さGで0.01μm
〜5μmのものを用いて実験した。
【0061】これら磁気ヘッド装置50における磁気ヘ
ッドの接着強度を、抗折強度測定器を用いて調べたとこ
ろ、表面粗さが中心線の深さで0.05μm未満のもの
を用いたヘッド取付基台51では、磁気ヘッドの半数以
上がヘッド取付基台51から剥離した。
【0062】しかし、ヘッド取付基台51の接着面51
aの表面粗さを中心線の深さGが0.05μm以上0.
1μm未満でのヘッド取付基台1では、磁気ヘッドが剥
離したのは僅かに10%以下であり、0.1μm以上で
のヘッド取付基台1を用いた磁気ヘッド装置50では皆
無であった。
【0063】したがって、上記ヘッド取付基台51の接
着面51aの表面粗さが、DINに於いて定義された中
心線の深さGで、0.05μm以上で2μm以下である
ことが接着強度に優れることがわかる。
【0064】そこで次に、各種ヘッド取付基台51の取
り付け精度を確認するために、一旦ヘッド取付基台51
に貼り付けた磁気ヘッドを剥がして再度同じヘッド取付
基台51に貼り付けた後に、ヘッド取付基台51の接着
面51aから磁気ヘッドのトラックエッジ迄の高さの測
定を行うという実験を繰り返し、30回行い、その標準
結果を得た。なお、ここで、磁気ヘッドのトラックエッ
ジとは、磁気ヘッドのトラック幅Twの一方の端部をい
い、磁気ヘッドの高さ方向の位置調整に重要なものであ
る。
【0065】以上の実験結果、2μm以上のヘッド取付
基台51を使用すると、ヘッド取付基台51における磁
気ヘッドのトラックエッジ迄の高さのバラツキは、3σ
≧5μmであったのに対して、1μm以上で2μm以下
では3σ≒5μmであり、1μm未満では3σ≧2μm
であった。
【0066】したがって、本実施例に係る磁気ヘッド装
置50において、ヘッド取付基台の接着面51aの表面
粗さが、DINに於いて定義された中心線の深さGで、
0.05μm以上で2μm以下であることは、取付け精
度においても優れていることがわかる。
【0067】なお、本実施例では、いわゆるラミネート
タイプの磁気ヘッドについて説明したが、金属磁性薄膜
を磁気ギャップ形成面に平行に成膜した、いわゆるメタ
ル・イン・ギャップタイプの磁気ヘッドにも実験した結
果、上記実施例と同様、良好な再生特性が得られた。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気ヘッド装置は、磁気ヘッドチップがその媒体
摺動面を突出させた状態でヘッド取付基台に接着固定さ
れてなる磁気ヘッド装置において、上記ヘッド取付基台
における磁気ヘッドの接着面側の表面粗さが、ドイツ工
業規格(DIN)4763において定義された中心線の
深さで、0.05μm以上で2μm以下であることを特
徴とするから、磁気ヘッドとの貼り付け強度を確保でき
るとともに、高精度な磁気ヘッド装置の組立を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッド装置の一実施例を示す
平面図である。
【図2】上記磁気ヘッド装置に使用されるヘッド取付基
台の一構成例を示す平面図である。
【図3】ドイツ工業規格(DIN)4763において定
義された中心線の深さGを説明するための図である。
【図4】ドイツ工業規格(DIN)4763において定
義された中心線の深さGを説明するための図である。
【図5】上記ヘッド取付基台に接着される磁気ヘッドの
一例の概略構成を示す斜視図である。
【図6】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、金属
磁性膜が形成される基板と重ね合わせ側の基板を準備す
る工程を示す斜視図である。
【図7】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基板
に絶縁膜を介して金属磁性膜を成膜する工程を示す拡大
断面図である。
【図8】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基板
に反応防止膜とガラス膜を成膜する工程を示す拡大断面
図である。
【図9】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、重ね
合わせ側の基板に反応防止膜とガラス膜を成膜する工程
を示す拡大断面図である。
【図10】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基
板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせて接合基板を製作
する工程を示す斜視図である。
【図11】図9の拡大断面図である。
【図12】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基
板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせた接合基板にアジ
マス角を付与して切断する工程を示す斜視図である。
【図13】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、一
対の磁気コア半体に巻線溝とガラス溝を施す工程を示す
斜視図である。
【図14】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、一
対の磁気コア半体にトラック幅規制溝と反応膜防止膜を
施す工程を示す斜視図である。
【図15】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、ギ
ャップ面に鏡面加工を施す工程を示す斜視図である。
【図16】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、一
対の磁気コア半体ブロック同士を突き合わせ接合一体化
する工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2・・・磁気コア半体 3,4,25・・・金属磁性膜 8・・・巻線溝 11,12,13,14・・・基板 20・・・融着ガラス 21・・・基板 22・・・重ね合わせ側の基板 34・・・ヘッドチップ g1 ・・・フロントギャップ g2 ・・・バックギャップ 50・・・磁気ヘッド装置 51・・・ヘッド取付基台 51a・・・ヘッド取付基台の磁気ヘッドチップの接着
面 53・・・ヘッド取付基台の磁気ヘッドチップの載置部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 敦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドチップがその媒体摺動面を突
    出させた状態でヘッド取付基台に貼着固定されてなる磁
    気ヘッド装置において、 上記ヘッド取付基台における磁気ヘッドチップの接着面
    側の表面粗さが、ドイツ工業規格(DIN)4763に
    おいて定義された中心線の深さで、0.05μm以上で
    2μm以下であることを特徴とする磁気ヘッド装置。
JP22300594A 1994-09-19 1994-09-19 磁気ヘッド装置 Pending JPH0887727A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0811667A2 (de) * 1996-06-05 1997-12-10 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung mechanisch fester Klebstoffverbindungen zwischen Oberflächen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0811667A2 (de) * 1996-06-05 1997-12-10 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung mechanisch fester Klebstoffverbindungen zwischen Oberflächen
EP0811667A3 (de) * 1996-06-05 1999-02-03 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung mechanisch fester Klebstoffverbindungen zwischen Oberflächen

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