JPH0884493A - ブラシレス直流モータの駆動方法及び駆動装置 - Google Patents

ブラシレス直流モータの駆動方法及び駆動装置

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JPH0884493A
JPH0884493A JP6216075A JP21607594A JPH0884493A JP H0884493 A JPH0884493 A JP H0884493A JP 6216075 A JP6216075 A JP 6216075A JP 21607594 A JP21607594 A JP 21607594A JP H0884493 A JPH0884493 A JP H0884493A
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直樹 山本
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幸雄 川端
Motoo Futami
基生 二見
Yasuo Notohara
保夫 能登原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータの磁極位置を正しく推定し、モータを
停止させることなく的確なタイミングで転流を行い、モ
ータの1回転中における速度変動を低減し、速度変動に
よって生起される振動及び騒音を抑制する。 【構成】 モータの誘起電圧をA/D変換器4を用いて
A/D変換し、制御部5においてステータ7の巻線の有
効な誘起電圧情報として、PWMのON期間(T1 )毎
における各巻線の端子電圧を検出し、当該端子電圧の時
間に対する変化率を求め、これらを外挿補間して転流タ
イミングを推定する。この時、Tpwm (PWM周期)内
の誘起電圧の検出回数をPWMの通流率に応じて変更
し、誘起電圧を検出する毎に転流時間を推定してドライ
バ6及びインバータ回路2を介してモータの駆動を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレス直流モータ
の駆動方法及びその駆動装置に係り、特にホール素子等
の磁気検出手段を用いることなく回転子の位置検出を行
って駆動制御するいわゆるセンサレス直流ブラシレスモ
ータ駆動方法及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にブラシレス直流モータの駆動制御
は、ロータの磁極位置と通流すべき巻線の位置とを密接
に関係付けて行う必要がある。そして、モータの出力ト
ルクは、ロータの有する磁極の磁束とステータの有する
巻線に流す電流との相互作用によって発生する。このた
め、ブラシレス直流モータの駆動は、ロータの磁極から
発生する磁束が最大となる付近に存在する相の巻き線に
電流を流すことにより最大のトルクを発生させてモータ
を回転させるようにすることが必要である。また、ブラ
シレス直流モータの駆動制御は、ロータの磁極位置の回
転に従って、電流を流すべき相を時々刻々に切り替えて
いくことにより行われるが、この相の切り替えである転
流のタイミングが磁極最大位置よりも大幅にずれた場
合、これによって発生するトルクが減少し、最悪の場
合、モータは脱調し停止に至ることになる。従って、ブ
ラシレスモータの駆動制御は、何らかの手段によってロ
ータの磁極位置を検出し、この検出されたロータの磁極
位置に応じて制御する必要がある。
【0003】一方、この種のセンサレス形ブラシレスモ
ータのロータ磁極位置検出回路に関する従来技術とし
て、例えば、特開昭52- 80415号公報等に記載さ
れた技術が知られている。この従来技術は、ブラシレス
モータの巻き線の誘起電圧をバンドパスフィルタを用い
て遅延させ、フィルタの位相遅延波形と、フィルタ出力
電圧の3相分の中性点との比較により、ブラシレスモー
タの転流タイミングを作成し、このタイミングに基づい
て、モータを駆動するインバータ回路を制御して転流を
行うというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来技
術ではフィルタを用いてブラシレスモータの誘起電圧の
位相遅延波形を作成している。しかし、このようにフィ
ルタを使用すると、負荷の変動等によりロータに回転脈
動が生じたとき、フィルタの位相遅延が不正確になる。
また、モータの負荷が大きい条件下で、モータの還流電
流が流れたとき、ステータの端子電圧がインバータの直
流電圧に等しくなる時間が増大し、これによってモータ
の誘起電圧をフィルタリングした後のフィルタ出力電圧
に波形歪みが生じ、正確な転流タイミングを得ることが
できなくなる場合がある。
【0005】更に、モータの1回転中に繰り返し負荷ト
ルクの変動があった場合、モータの出力トルクを一定と
するような制御を行うとモータの回転に速度変動が生
じ、これが振動となってモータの駆動を不安定にさせ、
最悪の場合、モータが停止してしまうこともある。
【0006】これらの問題点を解決するためにインバー
タ回路を用い、パルス幅を変化させて出力交流電圧を可
変に制御する、いわゆるPulse Width Modulation(以下
PWMという)制御により、各相に対する通流期間毎に
その通流率を変え、モータトルクと負荷トルクとを一致
させるようにする駆動方法が考えられる。しかし、この
場合にも、転流タイミングの決定にフィルタを用いる従
来技術を使用すると、各通流期間の通流率の違いがフィ
ルタの出力電圧に反映され、位相遅延が不正確になって
しまう。そして、この不正確さによって、前記の場合と
同様にモータの駆動が不安定になり、最悪の場合、モー
タが停止してしまうという事態になることもある。
【0007】このように、フィルタを用いて転流タイミ
ングを決定する従来技術にあっては、ロータの正しい位
置の検出ができなくなり、転流のタイミングを磁極位置
と速度とに合致させることができない場合が生じる。転
流のタイミングを磁極位置と速度とに合致させることが
できないと、結局、モータの発生トルクが減少し、モー
タが脱調する場合もでてくる。
【0008】従って、前記従来技術では、ステータ巻き
線の誘起電圧の他に直流電流値等の別のパラメータを導
入する等、何らかの方法でフィルタ出力の位相遅延の不
正確さからくる転流タイミングの誤差を補正し、ロータ
の磁場が発生する磁束の最大付近に存在する相の巻き線
に電流が流れるように転流のタイミングを決定する必要
があるが、このようにして転流のタイミングを決定する
と、モータの駆動制御が複雑になってします。
【0009】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、モータに対する負荷が変動し、そ
れに合わせてモータトルクを変動させるべくさらに通流
期間毎に通流率を変化させる制御を行っている場合に
も、ロータの磁極位置を正しく推定し、モータを停止さ
せることなく的確なタイミングで転流を行い、モータの
1回転中における速度変動を低減し、速度変動によって
生起される振動及び騒音を抑制することができるブラシ
レス直流モータの駆動方法及びその駆動装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の手段は、永久磁石と電機子コイルとを有し、
電機子コイルの各相の一端部が共通接続されて構成され
るブラシレス直流モータの駆動方法において、前記電機
子コイルの無通電相の端子電圧を検出し、検出された端
子電圧の時間に対する変化率を求め、求められた変化率
に基づいて転流タイミングを決定することを特徴として
いる。
【0011】この場合、電機子コイルへの通電の切り換
えはインバータ回路によって行われ、検出不能時のロー
タ位置は、このインバータ回路を制御するPWM信号に
同期して電機子コイルの無通電相の端子電圧の検出を行
い、検出された検出電圧の時間に対する変化率により外
挿補間を行って補間値を求め、この補間値から検出不能
時のロータ位置を連続的に推定して転流タイミングが決
定される。この転流タイミングの決定に際しては、それ
ぞれ隣合う相の前記無通電相の端子電圧の検出値に対す
る外挿補間による補間値が交差する点によって示される
転流時刻が使用される。また、この補間値補間値を基に
推定した転流タイミングにおける電圧値は次回回転時に
反映される。なお、前記外挿補間は、検出電圧の直線性
の良い部分の変化率に基づいて行われる。
【0012】前記端子電圧の検出は、PWM1周期内に
複数回行われ、さらに、この検出回数は、PWM信号の
通流率及び回転数の変化に応じて変更される。また、前
記外挿補間による演算は、2点の有効な誘起電圧情報に
より行われ、有効な誘起電圧を1回も検出できない場合
でも、転流タイミングは、予め転流時毎に前回と今回の
転流時間から次回の転流時間を演算することにより設定
され、モータの駆動が不可能にならないように構成され
ている。
【0013】上記目的を達成するため、第2の手段は、
永久磁石と電機子コイルとを有し、電機子コイルの各相
の一端部が共通接続されて構成されるブラシレス直流モ
ータの駆動装置において、前記電機子コイルの無通電相
の端子電圧を選択してアナログ/ディジタル変換する無
通電相端子電圧検出手段と、この無通電相端子電圧検出
手段によって検出された端子電圧からその変化率及び転
流タイミングを推定し、当該推定した転流タイミングに
したがって電機子コイルに通電させてモータを駆動制御
する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】この場合、前記無通電相端子電圧検出手段
は、電機子コイルの巻線の内の無通電相の1相を選択す
るセレクタと、このセレクタによって選択された端子の
端子電圧をアナログ/ディジタル変換するアナログ/デ
ィジタル変換器とからなり、前記制御手段は、検出され
た端子電圧から当該検出電圧の時間に対する変化率を求
め、求められた変化率を外挿補間して誘起電圧情報を
得、この誘起電圧情報に基づいてロータの位置を推定
し、推定されたロータの位置に応じて電機子コイルへの
通流タイミングを決定する制御部と、この制御部によっ
て決定された通流タイミングに応じて電機子コイルへの
通電を制御する駆動部とからなる。
【0015】
【作用】第1の手段によれば、ロータたる永久磁石に対
してステータたる電機子コイルの例えば3相の巻線のう
ち通電されない1相の巻線(電機子コイル)の端子電圧
をサンプリングして検出し、このサンプリングにより検
出された端子電圧の時間に対する変化率に基づいて転流
タインミングを決定してモータを駆動する。
【0016】サンプリングに際しては、例えばセレクタ
とA/D変換器を使用して、無通電相の電機子コイルの
端子電圧を選択してA/D変換し、A/D変換器により
離散的に取り込まれた電圧値の時間に対する変化率に基
づいて、検出電圧値に対して外挿補間を行うことにより
誘起電圧情報を演算し、その情報により転流タイミング
を演算して、モータを駆動するインバータのドライバを
駆動し、最終的にモータを回転させている。このとき、
取り込んだ検出電圧値、時間は例えばメモリにより記憶
され、その情報と前記電圧値の時間に対する変化率から
転流タイミング等が演算される。なお、モータ駆動のた
めの切り換えには、例えばインバータ回路が使用され
る。
【0017】第2の手段によれば、無通電相端子電圧検
出手段が電機子コイルの巻線のうち通電されない1相を
選択してA/D変換し、制御手段側に出力する。制御手
段では、無通電相端子電圧検出手段によって検出された
端子電圧から、検出された端子電圧の時間に対する変化
率を求め、求められた変化率を例えば外挿補間して誘起
電圧情報を得、この誘起電圧情報に基づいてロータの位
置を推定し、推定されたロータの位置に応じて電機子コ
イルへの通流タイミングを決定し、例えば駆動部を介し
て決定されたタイミングで電機子コイルへの通電を制御
してモータを駆動する。
【0018】
【実施例】以下、本発明によるブラシレス直流モータの
駆動方法の一実施例を図面により詳細に説明する。
【0019】図1は本発明による駆動方法が適用される
ブラシレス直流モータのシステム構成を示すブロック
図、図2はモータの端子電圧検出回路図、図3はモータ
に対して理想的な転流タイミングで通流が制御され、モ
ータが一定速度で回転している状態におけるモータの誘
起電圧、検出端子電圧、端子電圧の処理波形を模式化し
て示す説明図、図4は検出端子電圧波形の拡大図、図5
は転流タイミングの位相の進み、遅れを説明するための
処理電圧波形を示す波形図である。
【0020】実施例に係るブラシレス直流モータシステ
ムは、図1に示すように、直流電源1と、インバータ回
路2と、3相の巻線の内の無通電相の1相を選択するセ
レクタ3と、選択した端子の端子電圧のアナログ値を電
子計算機で演算できるようにディジタル値へ変換するA
/D変換器4と、検出された電圧からその変化率及び転
流時刻を決定し、インバータ回路2を制御するドライバ
に信号を出力する制御部5と、インバータ回路2のドラ
イバ回路部6と、U、V、W相の巻線が一端で結線され
た3相の直流ブラシレスモータのステータ7と、永久磁
石を用いた磁極を有するロータ8と、モータ結合される
負荷9とから構成されている。このシステムにおけるモ
ータの駆動方法は高出力トルクを得ることのできる12
0度通電形駆動とし、また、モータの制御方法は直流電
圧の通流率を制御するいわゆるPWM制御であり、チョ
ッピングを行うスイッチング素子は直流電源1の正電圧
側に接続されているものとする。このとき、PWM周波
数を5kHz、モータの極数を4極とするものを用い
た。なお、チョッピングを行うスイッチング素子は直流
電源1の負電圧側に接続されていてもよく、インバータ
回路2は図には省略されているが、各相の巻線に対応す
るように、3組のスイッチング素子を備えて構成されて
いる。
【0021】一般に、インバータ回路2により全波駆動
される直流モータにおいて、巻線からの有効な誘起電圧
情報は3相の巻線の内の常時1相の通電されていない巻
線からの誘起電圧のみであり、インバータ回路2による
チョッピングが行われていない期間の誘起電圧情報が有
効である。このため、セレクタ3は通流モードに合わせ
て検出される相の端子を切り替えるスイッチング機能を
有し、A/D変換器4はPWM信号に同期してアナログ
値である電圧値をディジタル値に変換するいわゆるA/
D変換機能を有している。
【0022】制御部5は、前述の誘起電圧の検出値を入
力として、それに基づいて電圧の時間に対する変化率即
ち電圧の傾きを算出する機能、この傾きから目的の電圧
の値になるまでの時間を算出する機能、インバータ回路
2のスイッチング素子を制御するドライバー回路6を制
御する信号を出力する機能、及び前述の検出値と傾きを
記憶しておく機能を有するマイクロコンピュータにより
構成される。
【0023】ドライバ回路部6は、制御部5からの信号
に応じてインバータ回路2を構成するスイッチング素子
を駆動する機能を有する。なお、この実施例において
は、制御部5とインバータ回路2のスイッチング素子の
ドライバ回路部6とを別の回路により構成しているが、
これらの機能を一つに纏めたマイクロコンピュータを制
御部として用いてもよい。
【0024】モータを構成するステータ7は、電流を流
すことによって磁極化される巻線U、V、Wの3相の巻
線をもって構成され、それらの巻線の一端がお互いに結
線されている。ロータ8は、磁極化された永久磁石であ
り、前述したステータ7の順当な磁極位置の変化に応じ
て回転する。また、モータの端子電圧検出回路を示す図
2から分かるように、モータのステータ7のU相、V
相、W相の各端子から誘起電圧を検出する場合に、オペ
アンプ10を用いることにより誘起電圧を分圧し、セレ
クタ3によって検出する1相を選択することにより、A
/D変換器4に最適な誘起電圧情報を送ることができ
る。次に、前述のように構成されるブラシレス直流モー
タにおいて、ステータ7の各巻線が理想的な転流タイミ
ングで通流制御され、モータが一定速度で回転している
ものとして、その動作状態を図3を参照して説明する。
【0025】図3(a)はこの状態の場合に物理現象と
して生じる各相の誘起電圧波形を示す波形図、図3
(b)は全波駆動において検出される各相の巻線の端子
電圧波形を示す波形図、図3(c)は端子電圧波形をP
WM信号に同期して検出して検出不能な点について、検
出値の時間に対する変化量から外挿補間して得ることの
できる信号波形を示す波形図である。
【0026】図3に示すように、モータが理想的な転流
タイミングで転流し、一定速度で回転している場合、物
理的現象として図3(a)に示すような逆向きの電圧が
誘起される。この誘起電圧はロータの磁極によって誘起
されるものであり、そのPeakTo Peak値はモータの回転
数に比例し、過渡値はロータの磁極位置と相関して決ま
る。通常、モータの転流タイミングは、この誘起電圧情
報に基づいて決定することができる。
【0027】即ち、モータの理想的な(最大限に出力を
引き出すことができる)転流タイミングは、それぞれ隣
り合う相の誘起電圧が交差する図示の点tp1及びtp2で
あり、この実施例では、この時の電圧を上に凸な変曲点
である電圧の最大値e(tp1)、下に凸な変曲点である電
圧の最小値e(tp2) として求める。なお、モータが一定
速度で回転している場合、その時の前述の電圧の最大値
と最小値とは、どの隣り合う相においてもほぼ等しくな
る。
【0028】一方、現実の系として検出できるのは、モ
ータのステータ巻線の端子電圧であり、図3(b)に示
すような波形となる。モータを回転させるために印加す
る駆動電圧と誘起電圧とが混在したものである。そし
て、モータの120度通電形駆動において、有効な誘起
電圧情報は、図3(b)に示す期間Ts であり、常時3
相の内1相のみである。さらに、有効な誘起電圧情報の
期間Ts においても、転流時にフリーホイリングダイオ
ードに電流が流れる区間では、その電位が直流電圧の正
又は負の値に固定され、また、インバータ回路がPWM
信号を行っている時には、チョッピングが行われている
ため、図3(b)に示す様な連続するものとはならな
い。このようなことから、何等かの方法で誘起電圧を検
出し、その情報を基に演算処理を行って転流タイミング
を決定する必要がある。
【0029】そこで、この実施例では、有効な誘起電圧
情報が、前述したように120度通電形駆動において図
3(b)に示す期間Ts でかつ常時3相の内、1相のみ
からしか得ることができないことから、セレクタ3によ
り通流モードに応じてモータの3相巻線の内の通電して
いない1相を切り替えて選択し、図4に示す検出波形の
拡大図の中に示されているように、インバータ回路2に
おける還流ダイオードに電流が流れておらず、かつ、チ
ョッピングオフの時の端子電圧e(t1)及びe(t2)等をサ
ンプリングすることにより、離散的であるが端子電圧か
ら直接誘起電圧情報をピックアップするようにしてい
る。
【0030】なお、ここで離散的といっているのは、モ
ータから得られる誘起電圧情報はPWM信号のON期間
中であるので、PWM信号が可変に変化した場合、A/
D変換のサンプリングポイントも可変に変化させる必要
がある。つまり、A/D変換器を連続して作動させても
有効な情報はPWM信号のON期間でしか得られないこ
とから必然的にサンプリングは離散的になるからであ
る。逆にいえばPWM信号のOFF期間でも有効な誘起
電圧情報が得られれば離散的にサンプリングすることな
く連続的にサンプリングすればよい。
【0031】さらに、この実施例では、制御部5で離散
的に得られた誘起電圧情報から電圧の時間に対する変化
率Δv/Δtを算出し、離散値間(図示の波線部分)の
誘起電圧を外挿補間して求め、これを3相分連続的につ
なげて、図3(c)に示すような三角波信号波形を有す
る処理波形を得ている。
【0032】理想的な転流タイミングで各相の巻線に対
する通流が制御され、モータが一定速度で回転している
状態では、図3(c)に示すように、それぞれ隣り合う
相の誘起電圧が交差する点(上に凸な変曲点である電圧
の最大値、下に凸な変曲点である最小値)の電圧が、そ
れぞれどの隣り合う相においてもほぼ一定になり、この
時のこの信号の各変曲点の電圧値から処理波形のemax
及びemin を求めることができる。このことから、最適
な転流タイミングを求めるには、それぞれの相における
誘起電圧を検出し、その時の時間に対する変化率から得
られる誘起電圧がemax 及びemin となる時刻を求めれ
ばよいことになる。また、転流タイミングの位相に遅
れ、進みが生じている場合、図5の(b)及び(c)に
示すように、現在の誘起電圧の変化率による前回転流点
における電圧値e(t'41)及びe(t'42)と前回転流時にお
ける電圧値e(t41) 及びe(t42) の差を取り、現在ある
いは前回の誘起電圧の変化率情報に基づいて前回の転流
時t41及びt42における電圧値e(tpb) の最適値を推定
し比較することにより、前回の転流時間の遅れ、進み時
間Δtbdを推定し、転流時刻誤差を蓄積することなく次
回の転流点において補正を行う。そして、このような補
正を繰り返すことにより、転流タイミングを最終的に最
適な転流時刻に近付けていくことができる。また、誘起
電圧情報は、ロータ8の回転数及び磁極位置に依存する
ため、前述の補正によりモータに回転脈動が生じた場合
においても、この回転脈動によって誘起電圧も変化する
ので常に適正な転流タイミングを推定することができ
る。
【0033】以下、前述した転流時刻を求める処理につ
いてさらに詳細に説明する。今、モータに対する負荷9
が、周期的な負荷変動を持たない一定負荷とし、モータ
を定速制御して回転させるものとする。この場合、誘起
電圧として、図4に示すような電圧波形が検出される。
この電圧波形から誘起電圧情報を得るためのサンプリン
グは、インバータ回路2のPWM出力のON期間に同期
し、かつ、転流時のフリーホイリングダイオードに電流
が流れていない期間のみのデータを有効として行われ
る。
【0034】そして、前述した無効期間のデータは、検
出した電圧値及び時間からその変化率Δv/Δtを用
い、外挿補間によって算出される。このように、無効期
間の電圧値を外挿補間によって得ることにより、この結
果による時間あるいは電圧から各通流期間毎に連続的に
ロータ位置を推定することが可能となる。
【0035】また、転流時刻の推定は、現時刻を基準に
して求めた誘起電圧の変化率Δv/Δtから前回1回転
時に求めておいた上に凸な変曲点である最大値あるい
は、下に凸な変曲点である最小値の電圧になるまでの時
間を基準時間tbmとして算出し、さらに、前回転流点の
情報を基に転流位相の進み、遅れ時間tbdを推定し、前
述の基準時間tbmを前回の転流時刻の進み、遅れを時間
tbdで補正するという方法により行われる。
【0036】実際には、検出できる領域の電圧値が時間
に対する一次関数の近似式で表されるものとして取り扱
い、時間に対する変化率K=Δv/Δtは、図4に示す
ようにサンプリングした電圧値e(t1)、e(t2)から式
(1)により求める。
【0037】 K=Δv/Δt ={e(t2)−e(t1)}/ (t2 −t1) …(1) 次に、現時刻tn を基準にして前回1回転時に求めてお
いた上に凸な変曲点である最大値の電圧になるまでの時
間である次回転流基準時間tbmを変化率K及び現時刻で
の電圧値e(tn)に基づいて、式(2)により求める。こ
の時、e(tn)は、emax からemin の時間幅の中の最も
直線近似が有効な1/5〜4/5の位置の電圧値とする
ことが望ましい。
【0038】式(2)は、最大値の場合を記したが、最
小値の場合も同様である。そして、図5(a)に示すよ
うに転流タイミングの位相に、進み、遅れがなければ隣
り合う相の電圧値が転流時刻において一致し、前述した
変化率Kに基づいて連続的にロータ位置を推定し、転流
タイミングを決定することができる。
【0039】 tbm={emax −e(tn ) }/K …(2) また、図5(b)、図5(c)に示すように、前回の転
流時に生じた転流位相に遅れ、進みがある場合、その補
正時間tbdは、現在の変化率K及び前回転流時刻を求め
た変化率Kb からそれぞれ前回転流点における電圧値を
推定し、その電圧値が一致する時間とする。即ち、ま
ず、フリーホイリングダイオードに電流が流れている期
間である前回の転流時刻における電圧e(t'41)を式
(3)により推定する。
【0040】 e(t'41)=e(tn)−(tn−t41)・K …(3) さらに、予め前回の転流時刻算出に用いた変化率Kb よ
り求めておいた、前回転流時刻における推定電圧e(t4
1) との差を取り、その1/2の点を最適に転流が行わ
れた際の電圧値と想定し、その電圧値と現在の変化率K
から求めた電圧e(t'41)から求められる時間に前回の位
相時間tbd(n-1) を加え次回転流補正時間tbd(n) を式
(4)のように算出し、この結果を前回転流点における
位相遅れ時間とする。この時想定した電圧値は、理想的
な転流タイミングにおける最大電圧値として、次回転流
時に反映させる。
【0041】 tbd(n) = {e(t'41 ) −e(tpb) }/K +tbd(n-1) …(4) そして、最終的に、次回転流時刻までの時間tb は次回
転流基準時刻tbmを位相遅れ時間tbdで式(5)により
補正した時間となる。
【0042】 tb =tbm+tbd(n) …(5) 前述の説明は図5(b)に示す転流位相遅れの場合であ
るが、図5(c)に示すような位相進みの場合、変化率
が負の場合も同様である。
【0043】前述では、検出されたモータの誘起電圧の
変化率から転流時刻を求め、その時刻において時間管理
を行って転流を行っていくとして説明したが、モータの
誘起電圧の変化率は電圧及び時間の情報を持っているの
で、検出された電圧あるいは外挿した電圧を転流タイミ
ングであると推定される電圧値と比較し、その電圧と一
致した場合あるいはその電圧を越えた場合に転流を行う
ような電圧で管理してモータの駆動を制御する方法も有
効である。
【0044】即ち、電圧の時間に対する変化率Δv/Δ
tを用いると電圧、時間双方の情報を持っていることか
ら、電圧、時間のどちらでもロータ位置及び転流タイミ
ングの管理ができる。
【0045】一方、一通流期間(電気角60度内)にお
ける、PWMパルス数S(個)は、回転数N(rpm) 、3
相モータの極数P、PWM周期Tpwm(sec)によって
(6)式より決定される。
【0046】 S=60・Tpwm /3 ・P・N …(6) 図6は、PWM周期が200(μs)における回転数に
対するPWMパルス数の変化を示したものである。ま
た、電気角60度内のPWMパルス数は、回転数の大き
さに依存し、図6に示すように低速回転域では、電気角
60度の時間が長くなることから、PWMパルス数が増
し、同時に誘起電圧のサンプリング回数も増す。しか
し、高速回転域では、電気角60度の時間が短くなり、
PWMパルス数が減少し、誘起電圧のサンプリング回数
も減少する。また転流タイミングを推定するために必要
な誘起電圧情報は、図7(a)、図8(a)に示すT1
の期間(PWM信号のON期間)で、かつ、フリーホイ
リングダイオードに還流電流が流れていない期間であ
る。図7(b)は、PWM1周期毎に、誘起電圧を1回
検出した場合(以後、1点サンプリングとする)のサン
プリングポイントS1 、S2 を示した図であり、低速回
転域では1点サンプリングにより充分転流タイミングを
推定するための情報が得られるが、高速回転域の場合、
図6に示すように、電気角60度内のPWMパルス数が
高回転になる程減少するので、誘起電圧のサンプリング
回数も減少する。
【0047】例えば、高速回転域、特に10000rpm
におけるPWMパルス数は、(6)式により2.5個と
なり、その内フリーホイリングダイオードに電流が流れ
ている期間を除くと、誘起電圧情報として得られるの
は、2.5個以下となる。よって、仮に電気角60度内
のPWMパルス数が1パルスで、かつ、PWM1周期内
の誘起電圧のサンプリング回数が1回の場合(以後、1
点サンプリングとする)、電圧の時間に対する変化率Δ
v/Δtの算出が不可能となり、最適な転流タイミング
を推定することが困難となって、高速回転域のモータ駆
動が不可能となる。
【0048】以上のことから、高速回転域のモータ駆動
を可能にするためには、電気角60度内の誘起電圧のサ
ンプリング回数を多くする必要がある。よって、PWM
1周期内の誘起電圧を複数回検出(以後、複数サンプリ
ングとする)することにより、高速回転域のモータ駆動
が可能となる。例えば、図8(b)に示すようにPWM
1周期内の誘起電圧の検出回数を2回とした場合(以
後、2点サンプリングとする)、PWM1周期毎の誘起
電圧情報量が2倍となるので、転流タイミングを決定す
るための演算精度が上がると共に、電気角60度内のP
WMパルスが1パルスの場合でも、誘起電圧は2回検出
できるので、サンプリングした2点S1'、S2'から転流
タイミングを推定することができ、高速回転域のモータ
駆動が可能となる。
【0049】そこで、図7(b)に示すようにT1 <T
2 の時(T1 /Tpwm <50%)は、PWM1周期毎に
1点サンプリングを行い、図8(b)に示すようにT1
≧T2 の時(T1 /Tprm ≧50%)は2点サンプリン
グへと、回転数及びPWMの変化に応じて、サンプリン
グ回数を変えることにより、外挿補間演算を行うための
情報を最適に検出することができる。上述の条件におけ
る誘起電圧の検出手順について、図9のフローチャート
を参照して説明する。
【0050】この手順では、まず、誘起電圧を検出する
ためにU,V,Wの3相のうちから1相をセレクタ3に
より選択する(ステップ1)。また、セレクタ3を用い
ずに制御部5のマイクロコンピュータ内で検出相を選択
しても良い。次に、外挿補間演算に必要な誘起電圧情報
を最適にサンプリングするために、A/D変換の起動タ
イミングをPWMのON期間中に設定する(ステップ
2)。そして、モータの回転数をチェックし(ステップ
3)、次に示す条件によりサンプリング回数を変える。
【0051】すなわち、回転数が3000rpm 未満のと
きには(ステップ3でNO)、PWMの通流率に関係な
く1点サンプリングを行う(ステップ7)。
【0052】回転数が3000rpm 以上のときには(ス
テップ3でYES)、PWMの通流率に応じてサンプリ
ング回数を変える。この場合、PWMの通流率50%を
基準とし、この基準以上であれば、言い換えれば通流率
50%以上であれば(ステップ4でYES)、ステップ
S5で2点サンプリングとし、通流率50%以下であれ
ば(ステップ4でNO)、ステップ7で1点サンプリン
グとすることで、最適な転流タイミングを決定すること
ができる。また、上述の検出法については、PWM周期
及びモータの極数等の条件を変えた場合には、ステップ
3における回転数もステップ4におけるPWMの通流率
も異なってくる。
【0053】また、転流タイミングは、誘起電圧の最も
直線性の良いところから推定する必要がある。そこで、
転流タイミングを推定する方法として、有効な2点の誘
起電圧を検出した時点で外挿補間演算を行い、検出回数
が複数ある場合には、演算を行う毎に転流タイミングを
変化させる(ステップ6)。図10は転流タイミングを
推定する場合に、検出した2点の誘起電圧から外挿補間
演算を行い、演算を行う毎に転流タイミングを変化さ
せ、最終的に求めたい転流タイミング(理想的な転流タ
イミング)へ近づけていく様子を示した図である。
【0054】図10に示すように、有効な誘起電圧情報
は、フリーホイリングダイオードの還流電流等の影響を
受けないt1 以降である。そして、外挿補間演算の一方
法として、図に示すt1 とt2 時に検出した2点の誘起
電圧から傾きを求め、y1 とemax との交点から転流タ
イミングtm1を推定する。次にt2 とt3 時から検出し
た2点の誘起電圧から傾きを求め、転流タイミングtm2
を推定し、tm3、tm4、…と順次演算を行っていく。そ
して、外挿補間演算を行う毎にそれまで演算した転流タ
イミングを随時比較していくことで、転流タイミングが
最も収束した点を理想的な転流タイミングと決定するこ
とができる。本実施例では、emin からemax までの2
/3の地点で演算を打切り、この点を転流タイミングと
している。また、tn +1以降次回の転流時まで、誘起
電圧の検出を行う必要がなくなり、ソフトの処理時間を
大幅に削減できる。
【0055】このような転流タイミングの演算手順につ
いて、図11のフローチャートを参照して説明する。こ
の処理手順では、まず、還流電流等の影響を受けない地
点から誘起電圧の検出を行い(ステップ11)、2点の
誘起電圧を検出した時点で外挿補間演算を行い、傾きを
求める(ステップ12)。次に、求めた傾きから転流タ
イミングを演算し(ステップ13)、仮に誘起電圧情報
が2点のみの場合は、この情報から転流タイミングを推
定し転流する。また、誘起電圧情報が複数得られる場合
には、外挿補間演算を行う毎に転流タイミングを変化さ
せる。そして、誘起電圧の検出地点がemin からemax
までの2/3の地点に達した時点で(ステップ14でY
ES)、転流タイミングの演算を終了し(ステップ1
5)、それ以降、次回の転流時まで誘起電圧の検出は行
わない。最終的には、電気角60度内で最後に外挿補間
演算を行った転流タイミングで転流することになる。
【0056】以上のように、転流直後からリアルタイム
に次回の転流タイミングを演算していくことで、演算の
遅れによる転流の遅れを防止でき、最終的に理想的な転
流タイミングに近づけることができる。
【0057】一方、高速回転域では誘起電圧のサンプリ
ング回数が減少することから、仮に有効な誘起電圧が1
回も検出できなかった場合には、転流タイミングを推定
できなくなり、モータの駆動が不可能となる。そこで、
誘起電圧が検出できなかった場合は、前回の転流情報よ
り、今回の転流タイミングを推定する必要がある。
【0058】図12は、電圧の時間に対する変化率Δv
/Δtから外挿補間し、3相分を連続的につなげた三角
波信号波形とPWM信号を出力するために転流時に毎回
行うソフト処理の関係を示した図である。図12に示す
ように、転流時にソフト処理S1 、S2 、S3 …Sn を
行う場合に、図に示すようなt期間(S2 のソフト処理
時間)内において、今回の転流時間tS2と前回の転流時
間tS1から(7)式により次回の転流時間tS3を推定す
る。
【0059】 tS3=tS2+(tS2−tS1) …(7) つまり外挿補間演算を行う前に、図に示すようにtSn時
(転流時)にあらかじめtSn+1(次回の転流時間)を推
定しておくことにより、有効な誘起電圧が1回も検出で
きない場合でも転流が行え、モータ駆動が可能となる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、各
通流期間毎に通流率が異なる場合にもロータの位置を精
度良く推定することができる。これにより、周期的な負
荷変動に対して各通流期間ごとに通流率を変えて、モー
タトルクを負荷トルクに一致させるような制御を行うこ
とが可能となり、モータの速度変動及びそれに伴う振
動、騒音を抑制することができる。さらに、高速回転時
にPWMパルス数が減少した場合にも、PWM1周期内
の検出回数を複数回にすることにより、最適な転流タイ
ミングを推定することが可能となり、低速回転域から高
速回転域まで精度よくモータ駆動ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブラシレス直流モータの駆動装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】モータの電機子コイルの端子電圧を検出する端
子電圧検出回路を示す回路図である。
【図3】モータに対して理想的な転流タイミングで通流
が制御され、モータが一定速度で回転している状態にお
けるモータの誘起電圧、検出端子電圧、処理電圧の波形
を模式化して示す説明図である。
【図4】検出端子電圧波形を拡大して示す波形図であ
る。
【図5】転流タイミングの位相の進み、遅れを説明する
処理電圧波形を示す波形図である。
【図6】電気角60度内のPWMパルスの検出回数を示
す図である。
【図7】PWM信号のON期間中に誘起電圧を1点サン
プリングしたときの時間と電圧の関係を示す説明図であ
る。
【図8】PWM信号のON期間中に誘起電圧を2点サン
プリングしたときの時間と電圧の関係を示す説明図であ
る。
【図9】誘起電圧の検出手順を示すフローチャートであ
る。
【図10】2点の誘起電圧情報から転流タイミングを推
定し、演算を行う毎に転流タイミングを変化させ、理想
的な転流タイミングへ近づけていく様子を示す説明図で
ある。
【図11】転流タイミングの演算手順を示すフローチャ
ートである。
【図12】検出した誘起電圧から外挿補間したときの波
形と、転流時に行うソフト処理との関係を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 直流電源 2 インバータ回路 3 セレクタ 4 A/D変換器 5 制御部 6 ドライバ回路部 7 ステータ 8 ロータ 9 負荷
フロントページの続き (72)発明者 二見 基生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 能登原 保夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石と電機子コイルとを有し、電機
    子コイルの各相の一端部が共通接続されて構成されるブ
    ラシレス直流モータの駆動方法において、前記電機子コ
    イルの無通電相の端子電圧を検出し、検出された端子電
    圧の時間に対する変化率を求め、求められた変化率に基
    づいて転流タイミングを決定してモータを駆動すること
    を特徴とするブラシレス直流モータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記電機子コイルへの通電の切り換えが
    インバータ回路によって行われることを特徴とする請求
    項1記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記インバータ回路を制御するPWM信
    号に同期して前記端子電圧の検出を行い、検出電圧の時
    間に対する変化率により外挿補間を行って補間値を求
    め、この補間値から検出不能時のロータ位置を連続的に
    推定することを特徴とする請求項2記載のブラシレス直
    流モータの駆動方法。
  4. 【請求項4】 それぞれ隣り合う相の端子電圧の検出値
    に対する外挿補間による補間値が交差する点を転流時刻
    として転流タイミングを決定することを特徴とする請求
    項3記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記外挿補間による補間値を基に推定し
    た転流タイミングにおける電圧値を次回回転時に反映さ
    せることを特徴とする請求項4記載のブラシレス直流モ
    ータの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記外挿補間が、検出電圧の直線性の良
    い部分の変化率に基づいて行われることを特徴とする請
    求項3ないし5のいずれか1に記載のブラシレス直流モ
    ータの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記端子電圧の検出が、PWM1周期内
    に複数回行われることを特徴とする請求項1記載のブラ
    シレス直流モータの駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記PWM1周期内に複数回行われる端
    子電圧の検出回数が、PWM信号の通流率及び回転数の
    変化に応じて変更されることを特徴とする請求項7記載
    のブラシレス直流モータの駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記外挿補間による演算を、2点の有効
    な誘起電圧情報によって行うことを特徴とする請求項3
    記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  10. 【請求項10】 前回と今回の転流時間から転流時毎に
    次回の転流時間を予め演算して転流タイミングを推定し
    ておき、転流タイミングを決定するために必要な有効な
    端子電圧を1回も検出できない場合には、前記推定され
    た転流タイミングに基づいてモータを駆動することを特
    徴とする請求項1記載のブラシレス直流モータの駆動方
    法。
  11. 【請求項11】 永久磁石と電機子コイルとを有し、電
    機子コイルの各相の一端部が共通接続されて構成される
    ブラシレス直流モータの駆動装置において、前記電機子
    コイルの無通電相の端子電圧を選択してアナログ/ディ
    ジタル変換する無通電相端子電圧検出手段と、この無通
    電相端子電圧検出手段によって検出された端子電圧から
    その変化率及び転流タイミングを推定し、当該推定した
    転流タイミングにしたがって電機子コイルに通電させて
    モータを駆動制御する制御手段とを備えていることを特
    徴とするブラシレス直流モータの駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記無通電相端子電圧検出手段が、電
    機子コイルの巻線のうちの無通電相の1相を選択するセ
    レクタと、このセレクタによって選択された端子の端子
    電圧をアナログ/ディジタル変換するアナログ/ディジ
    タル変換器とからなることを特徴とする請求項11記載
    のブラシレス直流モータの駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段が、検出された端子電圧
    から当該検出電圧の時間に対する変化率を求め、求めら
    れた変化率を外挿補間して誘起電圧情報を得、この誘起
    電圧情報に基づいてロータの位置を推定し、推定された
    ロータの位置に応じて電機子コイルへの通流タイミング
    を決定する制御部と、この制御部によって決定された通
    流タイミングに応じて電機子コイルへの通電を制御する
    駆動部とからなることを特徴とする請求項11記載のブ
    ラシレス直流モータの駆動装置。
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