JPH0884337A - データ処理装置及びその方法 - Google Patents

データ処理装置及びその方法

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JPH0884337A
JPH0884337A JP21006194A JP21006194A JPH0884337A JP H0884337 A JPH0884337 A JP H0884337A JP 21006194 A JP21006194 A JP 21006194A JP 21006194 A JP21006194 A JP 21006194A JP H0884337 A JPH0884337 A JP H0884337A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、動画像の動き推定を高速、
かつ高精度に行うことができるデータ処理装置を提供す
ることである。 【構成】 本発明によるデータ処理装置は、アダマール
変換部110、第1段階処理部120、第2段階処理部
130、及び動き補償回路140を備えている。アダマ
ール変換部110は、現フレームの画像データ12と、
参照されるフレームの画像データ34とを受け取り、そ
れらの画像データをアダマール変換する。第1段階処理
部120は、ターゲットブロックについて、アダマール
変換されたデータのうち選択された複数の低周波係数を
用いて、参照フレームのアダマール係数とブロックマッ
チングを行う。第2段階処理部130は、第1段階処理
部120で求められたブロックマッチング位置を参照
し、参照フレームの画像データ内にサーチ範囲を定め、
このサーチ範囲内でターゲットブロックの動きベクトル
を求める。動き補償回路140は、動きベクトルに基づ
き動き補償された画像データを出力する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル画像データの
高能率符号化(データ圧縮)に関し、特に、動画像にお
ける動き推定(Motion Estimation)
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積技術の進展に伴い、デ
ジタル画像データ等の高能率符号化(データ圧縮)技術
が急速に進められている。こうした技術は、画像信号や
音声信号などの種々のデータを統合的に扱うマルチメデ
ィアシステムや、デジタルHDTV等におけるデータの
伝送及び蓄積に不可欠なものである。
【0003】連続したフレーム/フィールドにおける画
像データ(動画像)は、空間方向と時間方向の3次元デ
ータからなるものである。こうした画像データの空間方
向の冗長性は、2次元DCT(離散コサイン変換)など
を用いて効果的に削減することが可能であり、他方、時
間方向の冗長性は、フレーム/フィールド間の符号化、
例えば、動き補償(Motion Compensat
ion)によるフレーム/フィールド間の予測符号化に
より削減可能である。
【0004】動き補償によるフレーム/フィールド間の
予測符号化は、単にフレーム/フィールド間の差分を符
号化するのではなく、物体の動き情報、すなわちフレー
ム間の物体の空間的な変位である動きベクトルを検出
し、その動きベクトルに基づいて得られた予測値との差
分を符号化し、データ圧縮をより効果的にするものであ
る。
【0005】動き推定を行うためには2つのアプローチ
がある。ペル・リカーシブアルゴリズム(pel−re
cursive algorithm)と、ブロックマ
ッチングアルゴリズム(BMA)である。一般に、後者
は、前者よりもより精度がよく、MPEG標準に採用さ
れている。ブロックマッチングによる動き推定アルゴリ
ズムについての簡単な方法は、フルサーチと呼ばれるも
のである。フルサーチは、サーチ範囲内のすべての位置
をサーチし、画素間の絶対差分の合計の最小値によって
動きベクトルを提供するものである。フルサーチの結果
は、フレーム間差分において最も正確なベクトルを与え
るものである。しかし、フルサーチの実行は、非常に高
価であるとともに時間を要し、リアルタイムハードウェ
アにとって必ずしも実用的であるとはいえない。
【0006】このような理由により、種々の高速動き推
定アルゴリズムの研究が成されてき。これらのアルゴリ
ズムは、演算の複雑さ(演算量)を減少させる方法によ
って、2つのグループに分類される。1つは、ステップ
毎のアプローチでサーチ位置数を減少させる方法であ
る。もう1つは、絶対画素差分の合計を求める代わり
に、別な基準、すなわちひずみ(Distortio
n)測定を用いて各ブロックの比較演算を減少させる方
法である。
【0007】前者のグループは、3段階の階層サーチ
(3SHS)、2次元ロガリズムサーチ(Logari
thmic Search)、及び並列階層一次元サー
チを含む。また、後者のグループは、積分投影法(In
tegral Projection)を用いた特徴に
基づくブロックマッチングアルゴリズムを含む。画素の
サブサンプリングは、ブロック内の画素の断片を使用す
るものであり、これもまた各ブロックの比較の演算を減
少させるものである。さらに、両グループの技術の組み
合わせにより、改良された結果を得ることもできる。例
えば、3段階階層サーチ(3SHS)に組み合わされた
積分投影法を用いたアルゴリズムである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前者のグルー
プの方法は、サーチされる位置が、最も一致する位置か
ら遠ざかるにつれて、ひずみが単調に増加することを前
提とする。しかしながら、このことは、必ずしも正しく
はなく、動きベクトルが、最小値ではなく、極小値でト
ラップされてしまうことがある。さらに、アルゴリズム
の不規則なデータフロー及び複雑な制御が、ハードウェ
アの実用化にとって欠点となる場合もある。
【0009】他方、後者のグループの方法は、比較的実
現することが容易であり、また、積分投影法よりも適切
な変換を用いることによる、改良の余地がまだまだ残さ
れているように思われる。過去において、ブロックマッ
チングの動き推定アルゴリズムのための適切な変換は、
未だ研究されていない。このアプローチにより演算の複
雑さを低減させるためには、少ない数の変換係数によっ
てブロックの主な特徴を表す必要があり、なお且つ係数
は、簡単に計算されるものでなければならない。もし、
非常に少ない計算で、すべての位置をサーチすることが
できるのならば、このアルゴリズムは、フルサーチと比
べて非常に高速なものとすることが可能であり、しか
も、フルサーチに匹敵するサーチ精度を達成することも
可能である。
【0010】本発明の目的は、動画像の動き推定を高
速、かつ高精度に行うことができるデータ処理装置及び
その方法を提供することである。本発明の他の目的は、
直交変換、例えばアダマール変換に基づく動き推定によ
り高速ブロックマッチング可能なデータ処理装置及びそ
の方法を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、ディジタル画像デー
タ処理においてシストリックアレイアーキテクチャに適
合するデータ処理装置及びその方法を提供することであ
る。本発明の他の目的は、低コスト、高品質のビデオエ
ンコーダとして利用できるデータ処理装置及びその方法
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るデータ処理装置は、第1、第2のフレ
ーム(またはフィールド)をそれぞれ構成する第1、第
2の画像データを直交変換、例えばアダマール変換し、
変換された各第1、第2の変換データを出力する変換手
段と、前記変換手段に接続され、前記第1の画像データ
に対応する前記第1の変換データと、前記第2の変換デ
ータとを比較し、前記第1の画像データの動きを推定す
る推定手段と、前記推定手段から第2の画像データの予
測値を求め、予測値と第1の画像データの差分を符号化
する手段とを有する。
【0013】好ましくは、推定手段は、第1の変換デー
タの選択された幾つかの係数(例えば低周波)のみを用
いて第2の変換データとブロックマッチングされる。つ
まり、アダマール変換を行うことにより、エネルギーの
多くが低周波成分に集中され、少ない係数でブロックの
主な特徴を表すことができ、マッチング処理に要される
時間を削減することが可能となる。
【0014】また、好ましくは、推定手段は、アダマー
ル係数を用いた動き推定からサーチ領域を第2の画像デ
ータ内に定め、このサーチ範囲において第1画像データ
の動きベクトルを検出する。
【0015】また、本発明に係るデータ処理方法は、第
1、第2のフレームまたはフィールドをそれぞれ構成す
る第1、第2の画像データをそれぞれアダマール変換す
るステップと、前記第1の画像データに対応する第1の
変換データと、前記第2の画像データに対応する第2の
変換データとのマッチングを行い、最適なマッチング位
置を示す動き推定情報を算出するステップと、前記動き
推定情報に基づき動き補償された第2の画像データを出
力するステップと、第1の画像データと前記動き補償さ
れた第2の画像データとの差分を符号化するステップを
含むものである。
【0016】好ましくは、動き推定情報を提供するため
に、第1、第2の変換データのマッチング後に、さら
に、該マッチングの結果から第2の画像データのサーチ
領域を特定し、第1の画像データをサーチ領域内でサー
チするステップを含む。
【0017】
【作用】本発明は、上述したように、高速ブロックマッ
チングの実行について、アダマール(Hadamar
d)変換に基づく動き予測を提案する。アダマール変換
は、離散コサイン変換(DCT)に類似した直交変換で
あり、DCTは、画像信号の圧縮について非常に優れた
変換を行うものの1つであると考えられている。アダマ
ール変換は、係数を加算と減算だけで計算することがで
きるので、DCTと比べて非常に少ない演算でよい。本
発明のアルゴリズムは、以下の説明で示すように、サー
チ精度をほとんど劣化させることなく、フルサーチと比
較して1/5ないし1/10以下に演算量を低減させる
ことができる。他の技術、つまり適応型インデッキシン
グ(Adaptive Indexing)と結合させ
て、演算量を数10分の1程度にを減少させることがで
きる。本発明のアルゴリズムの規則的なデータフロー及
び簡単な制御は、特にシストリックアレイプロセッサの
ようなハードウェアへの実用化において、優れた効果を
発揮することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。図1は、一般的な画像データ符号化回路の構成を示
すブロック図である。現フレームを構成するディジタル
画像データ12は、動き補償を施された参照フレームの
ディジタル画像データ14と減算器16により差分をと
られ、離散コサイン変換部(DCT)18へ供給され
る。DCTによる変換を施されたデータは、量子化部2
0により、量子化され、そして、可変長符号化部22に
より符号化され、伝送される。
【0019】また、量子化されたデータは、逆量子化部
24へ供給され、逆量子化された後、IDCT26によ
り逆DCT変換され、加算器28により画像データ14
と加算される。加算器28からの画像データは、フレー
ムメモリ30に供給され、1フレーム前(場合によって
は、前のフィールドや、後のフレームまたはフィールド
を参照することがある)の画像データとして出力される
ようメモリ内に蓄積される。動き補償部32は、現フレ
ームの画像データ12と、フレームメモリ30からの前
フレームの画像データ34を受け取り、現フレーム内の
16*16画素のブロックについて動きベクトルを求
め、その動きベクトルによって動き補償された画像デー
タ14(予測値)を減算器16へ供給する。
【0020】本実施例による動き推定アルゴリズムは、
アダマール変換を利用するものであり、これについて説
明する。図2は、本実施例に係る動き補償部の内部構成
を示すブロック図である。
【0021】動き補償部32は、画像データについてア
ダマール変換を行うアダマール変換部110と、アダマ
ール変換部110に接続された第1段階処理部120
と、現フレーム及び前フレームの画像データを受け取
り、かつ第1段階処理部120に接続された第2段階処
理部130と、第2段階処理部130に接続された動き
補償回路140とを有する。
【0022】アダマール変換部110は、現フレーム
(480*704画素)の画像データ12と、フレーム
メモリ30からの前フレーム(480*704画素)の
画像データ34を受け取り、直交変換の一種であるアダ
マール変換を行う。アダマール行列は、変換行列の要素
が+1または−1のため、変換を加減算だけで行うこと
ができるという特徴を持つ(詳細は後述)。
【0023】第1段階処理部120は、アダマール変換
部110によって変換された係数データ112、114
を受け取り、ブロックマッチングを行う。本実施例によ
る第1段階処理部120は、現フレームの係数データ1
12から16*16画素のブロック(以下、ターゲット
ブロック)の係数データを抽出し、また、前フレームの
係数データ114から垂直方向(−16,+15)、水
平方向(−64,+63)のサーチウィンドウ内の係数
データを抽出する。そして、ターゲットブロックについ
てのブロックマッチングを行い、マッチング位置を算出
する。
【0024】第2段階処理部130は、第1段階処理部
120により得られたマッチング位置を受け取り、マッ
チング位置から前フレームの画像データ内にサーチウィ
ンドウを特定し、ターゲットブロックについての最終的
な動きベクトルを求める。ここでは、アダマール変換さ
れた係数データを用いるのではなく、一般のフルサーチ
と同様の画像データを用いた処理が実行される。
【0025】動き補償回路140は、第2段階処理部1
30により検出された動きベクトルに応じた予測値、す
なわち動き補償された画像データ14を減算器16(図
1)へ供給するものである。
【0026】以下に、(1)アダマール変換特性、
(2)アダマール変換に基づく動き推定アルゴリズム、
(3)本アルゴリズムの演算量、(4)MPEGテスト
シーケンスを用いたシミュレーション結果を詳細に説明
する。
【0027】(1)アダマール変換特性 画像X(i,j)(0≦i,j≦N−1)のブロックに
ついての2次元アダマール変換は、次のように表され
る。
【数1】 〔F(u,v)〕=〔T〕〔X(i,j)〕〔T〕t 式(1)
【0028】ここで、Tはアダマール変換行列である。
次数N=2n のアダマール変換行列は、次式によって定
義される。
【数2】 ここで、
【数3】 項km とlm は、kとlの2進表示の各ビット状態であ
る。アダマール変換行列は、対称行列である。すなわ
ち、〔T〕t =〔T〕である。8*8のブロックサイズ
のケースでは、Tは、以下のように表される。
【数4】
【0029】本実施例では、8*8のブロックサイズを
取り扱うこととする。ここで、式(4)は、連続的に順
序付けされたアダマール変換行列であり、他方、式
(2)は、自然型アダマール変換の定義であることに留
意を要する。これらの2つのアダマール変換は、同一組
の基底関数を有する同一の変換であるが、基底関数の順
序に差異を生ずる。それ故、変換係数は、異なる順序で
配置される。なお、以後の説明において、アダマール変
換係数の要素のいかなる記載、例えば(0,2)要素の
ような記載は、式(4)の定義に対応するものとする。
【0030】また、電力スペクトラムを解析するため
に、式(1)は次のように表される。
【数5】 〔f(w)〕=〔T’〕〔x(z)〕 式(5) ここで、〔f(w)〕t =〔f00...f77〕,〔x
(z)〕t =〔x00...x77〕,〔T’〕は式(2)から
導出された64*64アダマール変換行列である。
【0031】共分散は、以下のように定義される。
【数6】 〔E(fft ) 〕=〔T’〕〔E(xxt )〕〔T’〕t =〔T’〕〔R〕〔T’〕t 式(6)
【0032】ここで、E( )は、統計上の期待値を表
し、Rは画素領域の共分散行列である。式(6)の左辺
をアダマール変換領域の電力スペクトラムとして定義す
る。マトリックスRの詳細は、画像信号と統計上の画像
モデルの特性によって決定される。マトリックスRは独
立マルコフ過程に従って設計され、自己相関係数ρを有
するという最も簡単なケースを仮定すると、マトリック
スRは次のように表される。
【数7】 ここで、iとjはマトリックスの座標を表し、Nはブロ
ックのサイズ(=8)である。
【0033】〔E(fft )〕の対角線上の要素は、入
力画素信号に関して各アダマール変換係数に分配された
平均電力を表す。図3は、自己相関係数ρ=0、95の
ケースで計算されたアダマール変換領域の電力スペクト
ラムを示すものである。同図に示すように、エネルギー
が、低周波数のアダマール変換係数に集中していること
がわかる。例えば、信号エネルギーの77%(0,0)
の係数(直流(DC)要素)に集中し、信号エネルギー
の91%が5つの低周波要素(0,0),(0,1),
(0,2),(1,0)及び(2,0)に集中してい
る。
【0034】(2)アダマール変換に基づく動き予測ア
ルゴリズム 上述したように、アダマール変換は、信号ブロックの特
徴の大部分を、幾つかの低周波係数に集中させている。
言い替えれば、ブロックのおおよその特徴は、ごく少数
の係数によって表すことができる。つまり、アダマール
変換領域内の低周波係数を用いて動き推定を実行できる
ことを意味する。演算の複雑さの低減は、各ブロックの
比較を実行するための少ない演算数によって達成するこ
とができる。
【0035】本実施例のアダマール変換行列は、8行*
8列で構成される。従って、例えば16*16のターゲ
ットブロックは、図4に示すように、4つの8*8ブロ
ックに分割され、そして、各ブロックは図5に示すよう
にアダマール変換される(図中、マーク“O”は、低周
波係数の選択例を示す)。
【0036】こうして、第1段階処理部110は、係数
データ112から取り出された16*16のターゲット
ブロックと、前フレーム内の所定のサーチウィンドゥと
の間で、係数データを比較することによりブロックマッ
チングを行う。ターゲットブロックの係数の内、マッチ
ングに供されるのは、低周波係数だけであり、例えば、
上述した5つの要素(0,0),(0,1),(0,
2),(1,0)及び(2,0)が用いられる(図5の
マークを付けられた要素)。ターゲットブロックのマッ
チングに、どの低周波要素を用いるかは、予め設定して
おく必要がある。こうして、8*8のブロックについて
の最小のひずみ(Distortion)を有するマッ
チング位置(V’x'V’y )が低周波アダマール変換係
数の絶対誤差の合計を用いて検出される。このひずみ関
数は、以下のように表される。
【0037】
【数8】 ここで、
【数9】
【0038】16*16のターゲットブロックのマッチ
ング位置は、式(8)により求められた8*8の4つの
ブロックについてのひずみDの和として定義される。こ
のように、選択された低周波要素に対応する少数の組み
合わせを計算するだけで、マッチング位置の検出が可能
となる。
【0039】通常は、第1段階の処理結果として、ベス
トに近いマッチングを達成することができる。しかしな
がら、第1段階では、低周波係数だけしか考慮していな
いため、(V’x'V’y )とベストマッチ位置との間
で、わずかな不一致を生じさせるかもしれない。このよ
うな理由から、本実施例では、第2段階において近隣フ
ルサーチを実行する。フルサーチは、画素間の絶対誤差
の合計の最小を求める方法である。
【0040】第2段階処理部120は、現フレームと前
フレームの画像データ12、34と、第1段階処理部1
10で求められたマッチング位置(V’x'V’y )を受
け取り、当該マッチング位置の近隣においてフルサーチ
を実行する。サーチ範囲は、(V’x'V’y )の近隣の
垂直及び水平方向(−2、+2)である。つまり、第1
段階で求められたマッチング位置を基準として、その近
隣の範囲において、さらに、画素精度(場合によって
は、半画素精度)のマッチングを行うことにより、より
高精度の動き予測を可能にする。こうして最終的なマッ
チングによりターゲットブロックの動きベクトルが求め
られる。動き補償回路140は、第2段階処理部130
からの動きベクトルを受け取り、動き補償された前フレ
ームの画像データ14を出力する。
【0041】(3)本実施例に係るアルゴリズムの演算
量 本実施例によるアルゴリズムでは、一連の加算と減算を
実行しなければならない。式(4)に示す2√2の除算
は必要ではない、なぜなら、2√2の除算なしで同一の
動きベクトルを得ることができるからである。フルサー
チもまた、一連の加算と減算を必要とするだけである。
こうして、従来のフルサーチと比較した場合の、本アル
ゴリズムによる加減算数を演算の複雑さとして考えるこ
とができる。
【0042】後述のシミュレーション条件は、画像サイ
ズを480*704、ブロックサイズを16*16、サ
ーチ範囲を垂直方向(−16,+15);水平方向(−
64,+63)、サーチを画素精度(整数サーチのみ)
とし、これに対応するアルゴリズムの演算の複雑さを求
める。
【0043】図6は、使用された係数とアルゴリズムの
高速化ファクター間の関係をまとめたものである。ここ
で、第1段階で使用された低周波係数が、8*8ブロッ
クについて、3つの(0,0),(0,1),(1,
0)であれば、使用された係数の数は、16*16のブ
ロックサイズ全体で12(=3*4)となる。高速化フ
ァクターは、同じフルサーチ範囲のフルサーチを“1”
とした場合の時間比を表すものであり、例えば“18.
3”であれば、フルサーチの1/18.3の処理時間を
意味する。高速化ファクターの上限は、256を、使用
された係数の数で割った値であり、使用された数が“1
2”であれば、21.3となり、フルサーチの1/2
1.3の処理時間が限界であることを意味する。つま
り、高速化ファクターは、上限のファクターから、第1
段階処理以外の例えば、第2段階処理やアダマール係数
の計算、その他の処理に費やした時間を考慮したもので
ある。
【0044】本実施例のアルゴリズムでは、いかなるケ
ースにおいても、幾つかの低周波係数を使用するだけで
あり、係数は前処理によって効果的に計算され、演算の
複雑さは、主に、式(8)でカウントされるべきアダマ
ール変換係数の数によって決定される。選択されたアダ
マール変換係数及び近隣フルサーチについてのオーバー
ヘッド計算は、後述するようにかなり少ない。
【0045】以下の説明では、(0,0),(0,
1),(0,2),(1,0)及び(2,0)の5つの
係数を選択した場合についての演算の複雑さ(演算量)
を求める。なお、他の係数を選択した場合についても、
同一の方法により計算される。
【0046】先ず、本実施例のアルゴリズムでは、同一
のアダマール変換係数が繰り返し使用されることを理解
しておく必要がある。これは、以下の2つの理由による
ものである。 (イ)1ブロック及び他のブロックについてのサーチ範
囲が互いに重複する。参照フレーム内のある画素は、最
大27ブロックで、サーチ範囲内に存在する。 (ロ)16*16ブロックが8*8ブロックに分割され
る。従って、サーチ範囲内の8*8ブロックは、最大4
つのマッチング位置で使用される。
【0047】従って、8*8ブロックのすべてにおい
て、前処理として、予め必要なアダマール変換係数のす
べてを計算しておくことが望ましい。参照される前フレ
ームには、全体で473*697個の8*8ブロックが
存在する。
【0048】次に、アダマール変換係数についての合理
的な求め方について説明する。図7は、8*8アダマー
ル変換の基底関数の1部を示すものである。同図におい
て、例えば、(0,0)は、アダマール変換の直流成分
であり、画像データの各画素値の合計に1/8を掛けた
ものに等しい。(1,0)は、上述したようにアダマー
ル変換の低周波係数であり、これは、4行*8列の上半
分の画像データの各画素値の合計に1/8を乗じたもの
(白い部分)から、黒い部分で示す4行*8列の下半分
の画像データの各画素値の合計に1/8を乗じたものを
減算した値に等しい。
【0049】このような点に鑑み、アダマール変換係数
を計算するために、最初に、参照フレーム内のすべての
8*8ブロックについて、1*8,8*1,2*8,8
*2,4*8及び8*4サブブロックの画素値の合計を
計算しておくことが望ましい。そして、これらのサブブ
ロックの値の適当な組み合わせの加減算により、適宜所
望のアダマール変換係数を容易に求めることができる。
その際、同一のサブブロックの値は、同一の8*8ブロ
ックの他のアダマール変換係数の計算、さらに、他の8
*8ブロックのアダマール変換係数の計算にも用いるこ
とが可能である。
【0050】図8は、上記方法によるアダマール変換係
数を計算するためのデータフローを示すものである。参
照フレームの8*8ブロックの各画素データ210につ
いて、8*1のサブブロック220の画素値の合計を求
め、この合計を利用して8*2のサブブロック230の
合計を求め、さらに、8*2の合計を利用して8*4の
サブブロック240の合計を求める。1*8、2*8、
4*8のサブブロック250、260、270について
も同様である。こうして、これらのいくつかのサブブロ
ックの値を加算、または減算することにより、アダマー
ル変換係数データ280が求められる。
【0051】また、サーチウィンドゥ内の16*16の
参照ブロック(8*8に分割)と、ターゲットブロック
(8*8に分割)とのマッチングを行い、引き続き、サ
ーチウィンドゥ内で参照ブロックを1画素分水平にシフ
ト(場合によっては、これ以外の水平及び垂直シフト)
させて、次のマッチング計算が行われる。この場合、参
照ブロック内の1*8のサブブロックを例にとると、先
に用いられた1*8のサブブロックが、次のマッチング
で、1列分水平シフトされた1*8のサブブロックの値
が必要となる。しかし、一度、1*8サブブロックの値
が計算されれば、同一行の次の1*8サブブロックの値
は、前に計算された値から1回の減算及び1回の加算で
求めることができる(図9参照)。つまり、
【数10】 が計算されると、次のサブブロックの値I(1)は、I
(0)−X(0)+X(8)でよい。こうしたアダマー
ル変換係数は、上述したように、予め計算して求めてお
くので、マッチング毎に計算を行う必要はない。
【0052】ここで、フレーム内のすべての1*8サブ
ブロックの値についての計算回数を求めると、
【数11】 (7+2*696)*480=671,520 式(10) 8*1サブブロックについての計算は、
【数12】 (7+2*472)*704=669,504 式(11) 2つの1*8サブブロックの値の合計から得られた2*
8サブブロックの値と、2つの8*1サブブロックの値
の合計から得られた8*2サブブロックの値についての
計算回数は、それぞれ以下のようである。
【0053】
【数13】 697*479=333,863 式(12)
【数14】 473*703=332,519 式(13) 2つの2*8サブブロックの値の合計から得られた4*
8サブブロックの値と、2つの8*2サブブロックの値
の合計から得られた8*4サブブロックの値についての
計算回数は、それぞれ以下のようである。
【数15】 697*477=332,469 式(14)
【数16】 473*701=331,573 式(15)
【0054】5つの選択されたアダマール変換係数を計
算するために、各8*8ブロックについて、7回の加算
または減算を必要とする。つまり、要素(0,0)は、
2つの8*4サブブロック(あるいは4*8サブブロッ
ク)の加算、要素(0,1)は、2つの8*4サブブロ
ックの減算、要素(0,2)は、1つの8*4サブブロ
ックと2つの8*2サブブロックとの加減算、要素
(1,0)は、2つの4*8サブブロックの減算、要素
(2,0)は、1つの4*8サブブロックと2つの2*
8サブブロックとの加減算から求められる。
【0055】こうして、参照フレーム内のアダマール変
換係数を計算すると、
【数17】 7*473*697=2,307,767 式(16) 全体で、
【数18】 671,520+669,504+333,863+332,519+33 2,469+331,573+230,7767=4,979,215 式(17)
【0056】これは、1フレーム内の選択されたアダマ
ール変換係数(5つの低周波係数)についての計算時間
である。従って、1つの動きベクトルについてのアダマ
ール変換の計算時間は、次式に等しい。
【数19】
【0057】次に、現フレームの4つの8*8ブロック
に分割される16*16ターゲットブロックの係数につ
いての計算回数を求める。1*8と8*1の各サブブロ
ックの値は7回の加算によって計算される。従って、1
つの8*8ブロック内の8つの1*8と8*1サブブロ
ックの値の計算回数は、
【数20】 7*8*2=112 式(19) 2つの1*8サブブロックの値の加算から得られる4つ
の2*8サブブロックと、2つの8*1サブブロックの
値の加算から得られる4つの8*2サブブロックについ
ての計算回数は、
【数21】 4*2=8 式(20) 2つの2*8サブブロックの値の加算から得られる3つ
の4*8サブブロックと、2つの8*2サブブロックの
値の加算から得られる3つの8*4サブブロックについ
ての計算回数は、
【数22】 3*2=6 式(21)
【0058】上記サブブロックの値から選択されたアダ
マール係数を計算するため、7回の計算を要する。こう
して、4つの8*8ブロックに分割される現在のブロッ
クの係数についての計算回数は、
【数23】 (112+8+6+7)*4=532 式(22) 以上のようにして、アダマール変換の計算回数が求めら
れる。アダマール変換領域における第1段階の比較で
は、
【数24】 (5*4)*2*32*128=163,840 式(23) (32*128サーチ位置の各々について5*4の加算
と5*4の減算) 第2段階における(−2,+2)近隣のフルサーチにつ
いて、
【数25】 256*2*5*5=12,800 式(24) (5*5サーチ位置の各々について256の加算と25
6の減算)
【0059】こうして、動きベクトルについてのアダマ
ール変換に基づく動き推定の計算回数は、式(18)+
式(22)+式(23)+式(24)である
【数26】 3772.1+532+163,840+12,800=180,944.1 式(25) 他方、同一サーチウィンドウに対するフルサーチの計算
回数は、
【数27】 256*2*32*128=2,097,152 式(26) こうして、高速化ファクターは、
【数28】
【0060】式(25)に示すように、計算回数の大部
分は第1段階のアダマール変換領域のマッチングに要さ
れ、高速化ファクターの上限を決定する。この場合、例
えば、高速化ファクターの上限が12.8(=256/
20)である。実際に、高速化ファクターは、アダマー
ル変換と近隣フルサーチのオーバーヘッド計算により、
12.8から11.6へわずかに減少する。
【0061】ここで、1つの動きベクトルについて選択
されたアダマール変換係数に、3771.1+532=
4304.1の計算回数を要することに留意すべきであ
る(式(18)(22))。1つの動きベクトルについ
て32*128=4096のサーチ位置を有する。これ
は、1つのサーチ位置についてアダマール変換の必要と
される計算回数が、わずか4304.1/4096=
1.05であることを意味する。ブロックごとの比較に
よる計算回数である、(5*4)*2=40(式23)
よりもはるかに小さい値である。
【0062】(4)シミュレーション結果 シミュレーションは、7つのMPEGテストシーケンス
の各2フレームについて合計14フレームを対象に行わ
れ、各フレームを直前のフレームで補償するようにし
た。シミュレーションの条件は、以下のようにMPEG
標準の単純化したものであった。
【0063】予測モード:フレームモード、 画像サイズ:480*704、 ブロックサイズ:16*16、 サーチ範囲:垂直方向(−16.+15)、水平方向
(−64,+63)、
【0064】(1)画素精度(整数サーチ) シミュレーションについては、画像シーケンスのインタ
レース構造を考慮して、第1段階において3つのケース
の係数パターン群を実行することとした。インタレース
構造は、(7,0)係数(図7参照)において大きなエ
ネルギーを発生するものである。テストされた3つのケ
ースを以下に示す(図10参照)。
【0065】(a)対称−12,対称−20,対称−2
8,対称−36,対称−44;対角線に関して対称とな
るように、(0,v)と(u,0)要素の同一数を使用
するものである。数字は、第1段階の16*16ブロッ
クにつき使用されるアダマール変換係数の数を意味す
る。例えば、“12”は、各8*8ターゲットブロック
において、使用する係数を3つ選択したことを意味し、
同様に“20”であれば係数を5つ選択したことを意味
する。
【0066】(b)非対称−16,非対称−24,非対
称−32,非対称−40,非対称−48;8*8アダマ
ール変換係数マトリックスにおいてもう1つの(u,
0)要素を使用したものである。
【0067】(c)対称+(7,0)−16,対称+
(7,0)−24,対称+(7,0)−32,対称+
(7,0)−40,対称+(7,0)−48 アダマール変換係数マトリックスに、低周波数要素
(0,v)と(u,0)と同一の数を使用するととも
に、(7,0)要素を使用するものである。言い替えれ
ば、上記(a)の対称のものに、(7,0)を加えたも
のである。
【0068】なお、図10(a)は対称−20、(b)
は非対称−24、(c)は対称+(7,0)−24を示
し、マーク“O”が使用される係数を示す。図11は、
サーチ精度劣化と使用されたアダマール変換係数の数と
の間の関係をdBスケール上に示すものである。ここで
は、“FOOTBALL”のフレーム#132、#13
3と、“BICYCLE”,“CAR”,“CHEER
LEADERS”,“FLOWER GARDEN”,
“MOBILE&CALENDAR”,“TABLE
TENNIS”のフレーム#2、#3の14フレームに
ついて動き補償を行った。
【0069】サーチ精度は、14フレームのすべてを通
じての補償されたフレームと、原フレームの画素間の自
乗誤差の和によって測定され、フルサーチのものと対比
される。自乗誤差の和の測定は粗いが、簡単でかつエン
コーダに依存しない測定法である。フルサーチは、図1
1には示されないが、0.0dB−256に対応する。
1/4または1/8の画素サブサンプリング法の後に
(−2,+2)近隣フルサーチを行った場合(つまり、
第1段階のアダマール領域でのマッチングを画素サブサ
ンプリングによるマッチングに置き換えることを意味す
る)についても比較のために図11に示してある。これ
らは、横軸の64と32にそれぞれ対応する。アダマー
ル変換に基づく動き推定は、画素サブサンプリング方法
よりも少ない計算で、より優れたサーチ精度を達成する
ことができるということがわかる。
【0070】本実施例において、さらに他の計算低減方
法を有する技術、いわゆる適応型インデックシング技術
を組み合わせた場合のシミュレーションを実行した。こ
の技術によって、サーチ範囲内の各2または4(もしく
はそれ以上)の位置が、周囲のブロックの動きベクトル
を参照しながら第1段階でサーチされる。換言すれば、
第1段階の動きフィールドがサブサンプリングされる。
どのサブサンプリング格子が第1段階で選択されるべき
かということを決定することに関し、周囲のロックで得
られた動きベクトルを参照することによって、第1段階
で最小位置がサーチされる可能性が大きくなる。こうし
て、サーチ精度は、サーチ範囲内のすべての位置が第1
段階でサーチされるケースに近づくように保たれる。第
2段階の近隣フルサーチは、アダマール変換に基づく動
き推定のみの場合と同一の方法として適用される。シミ
ュレーションは、アダマール変換に基づく動き推定のみ
のケースにおいて比較的良い精度を示した。係数パター
ンの6つのケース、非対称−16、対称−20、対称+
(7,0)−24、32、40、48について実行され
た。図12は、第1段階での1/2,1/4及び1/8
サーチ位置でのケースのシミュレーション結果を示すも
のである。すべての位置が第1段階でサーチされたケー
ス(1/1)の結果も示してある。アダマール変換に基
づく動き推定と適用型インデックシング技術の組み合わ
せのアルゴリズムは、フルサーチに近いサーチ精度を達
成することができ、その一方で、計算の複雑さを数10
倍減少することができる。例えば、計算が1/18で劣
化が0.12dB、計算が1/36で劣化が0.18d
Bである。
【0071】尚、本実施例では、1フレーム前の画像デ
ータを参照フレームとして用いたが、これに限らず、前
のフィールドや、後のフレームあるいはフィールドを参
照フレームまたは参照フィールドとして用いることも可
能である。また、本実施例によれば、MPEG−1やM
PEG−2(16*16画素、または8*16画素のブ
ロックサイズを処理単位とする)に利用することも可能
である。
【発明の効果】本発明において、アダマール変換に基づ
く動き推定は、高速ブロックマッチングアルゴリズムに
対する解決として提案されたものである。本発明の動き
予測アルゴリズムは、高速性、規則性、単純化、及び優
れた精度の点で利点を有する。アダマール変換に基づく
動き推定と適応型インデックシング技術の組み合わせ
は、ほとんどサーチ精度を損なうことなく、数10倍程
度計算の複雑さを低減することができる。実際に、高速
化ファクターは、達成される精度にほとんど反比例す
る。また、本発明のアルゴリズムは、シストリックアレ
イアーキテクチャーに適するもので、それは、その規則
性及び単純性によるものである。このアルゴリズムをハ
ードウェア実装に適用することで、低コスト、高品質ビ
デオエンコーダが近い将来に現実の技術となることが期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な画像データ符号化回路の構成を示すブ
ロック図。
【図2】本実施例の動き補償部の内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】自己相関係数ρ=0.95の場合におけるアダ
マール変換領域の電力スペクトラムを示す図。
【図4】16*16ブロックが4つの8*8ブロックに
分割された状態を示す図。
【図5】各8*8ブロックがアダマール変換された状態
を示す図。
【図6】使用されたアダマール係数とアルゴリズムの高
速化ファクター間の関係を示す図。
【図7】8*8アダマール変換の基底関数の1部を示す
図。
【図8】本実施例におけるアダマール変換係数を計算す
るためのデータフローを示す図。
【図9】1*8サブブロックの値の計算方法を示す図。
【図10】シミュレーションに用いたアダマール変換係
数の例を示す図。
【図11】サーチ精度劣化と使用されるアダマール変換
係数の数との関係を示す図。
【図12】アダマール変換に基づく動き推定と適応型イ
ンデックシング技術の組み合わせにおけるサーチ精度劣
化と高速化ファクターとの関係を示す図である。
【符号の説明】
12、34 画像データ 32 動き補償部 110 アダマール変換部 120 第1段階処理部 130 第2段階処理部 140 動き補償回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 7/137 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2の画像データを受け取り、第
    1、第2の画像データをそれぞれ直交変換し、変換され
    た各第1、第2の変換データを出力する変換手段と、 前記変換手段に接続され、前記第1の変換データと、前
    記第2の変換データとを比較することにより、前記第1
    の画像データの動きを推定する推定手段と、 前記推定手段の推定結果に基づき、前記第1の画像デー
    タを符号化する符号化手段とを有するデータ処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項第1項において、前記変換手段
    は、前記第1、第2の画像データをアダマール変換する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項第1項または2項において、前記
    推定手段は、前記第1の変換データの選択された幾つか
    の係数のみを用いて第2の変換データと比較することを
    特徴とするデータ処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項第1項ないし3項のいずれかにお
    いて、前記推定手段は、前記第1、第2の画像データを
    受け取り、前記第1の画像データの動きの推定結果から
    前記第2の画像データ内にサーチ領域を特定し、前記サ
    ーチ領域内で前記第1の画像データの動きベクトルを検
    出し、前記動きベクトルを前記符号化手段へ供給するこ
    とを特徴とするデータ処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項第1項ないし第4項のいずれかに
    おいて、前記符号化手段は、前記推定手段の推定結果に
    より動き補償された第2の画像データと前記第1の画像
    データとの差分を符号化することを特徴とするデータ処
    理装置。
  6. 【請求項6】 請求項第1項ないし第5項のいずれかに
    おいて、前記第1の画像データは現フレームまたはフィ
    ールドを構成する所定のブロックサイズの画像データで
    あり、前記第2の画像データは参照されるフレームまた
    はフィールドを構成する画像データであり、前記推定手
    段は、前記第1の変換データと前記第2の変換データに
    それぞれ対応する第1のブロックと第2のブロックのマ
    ッチングを行い、第1のブロックについての動きの推定
    を行うことを特徴とするデータ処理装置。
  7. 【請求項7】 第1、第2のフレームまたはフィールド
    をそれぞれ構成する第1、第2の画像データであって、
    第1の画像データを第2の画像データから予測する予測
    手段と、前記予測手段によって予測された予測値と前記
    第1の画像データの差分を符号化する手段とを有するデ
    ータ処理装置において、 前記予測手段は、前記第1、第2の画像データをそれぞ
    れアダマール変換し、前記第1、第2の画像データをに
    各々対応する第1、第2の変換データを出力する変換手
    段と、前記第1、第2の変換データ間で、前記予測値を
    提供するためにマッチングを行う手段とを有することを
    特徴とするデータ処理装置。
  8. 【請求項8】 第1、第2のフレームまたはフィールド
    をそれぞれ構成する第1、第2の画像データをそれぞれ
    アダマール変換し、 前記第1の画像データに対応する第1の変換データと、
    前記第2の画像データに対応する第2の変換データとの
    マッチングを行い、最適なマッチング位置を示す動き推
    定情報を算出し、 前記動き推定情報に基づき動き補償された第2の画像デ
    ータを出力し、 第1の画像データと前記動き補償された第2の画像デー
    タとの差分を符号化することを特徴とするデータ処理方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項第8項のデータ処理方法は、前記
    第1、第2の変換データのマッチング後に、さらに、該
    マッチングの結果から第2の画像データのサーチ領域を
    特定し、前記第1の画像データを前記サーチ領域内でサ
    ーチすることにより前記動き推定情報を提供することを
    特徴とするデータ処理方法。
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