JPH0878847A - 低温焼成多層回路基板 - Google Patents

低温焼成多層回路基板

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JPH0878847A
JPH0878847A JP20651894A JP20651894A JPH0878847A JP H0878847 A JPH0878847 A JP H0878847A JP 20651894 A JP20651894 A JP 20651894A JP 20651894 A JP20651894 A JP 20651894A JP H0878847 A JPH0878847 A JP H0878847A
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JP
Japan
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conductor
powder
circuit board
glass
low temperature
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Application number
JP20651894A
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English (en)
Inventor
Yoichi Makino
洋一 牧野
Hiroshi Suenaga
弘 末永
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部配線、ビアホール導体となる導体の印刷
性が向上し、導通不良を低減することができる低温焼成
多層回路基板を提供する。 【構成】 ガラス−セラミックから成る絶縁層1a〜1
eを積層した積層体1内に、各層1a〜1e間に低抵抗
の金属材料を主成分とする内部配線2b〜2e及び各層
1a〜1e間の厚み方向を貫くビアホール導体3a〜3
eを配置して成る低温焼成多層回路基板1において、少
なくとも前記ビアホール導体3a〜3eは、変形球体状
の導電性粉末と無機物バンイダーとの焼結体から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス−セラミック層
からなる積層体内に、Au、Ag、Cuなどの低抵金属
抗材料からなる内部配線、ビアホール導体を内装した低
温焼成多層回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層回路基板は、従来アルミナなどの絶
縁性セラミック層を複数積層した積層体内に、モリブデ
ン、タングスタンなどの高融点金属材料から成る内部配
線、ビアホール導体を形成していた。
【0003】近時、内部配線、ビアホール導体の低抵抗
化が要求され、内部配線、ビアホール導体にAu、A
g、Cuなどの低抵抗材料が用いられるようになり、こ
れにともない絶縁層の材料もAu、Ag、Cuなどの融
点に対応した低温焼成(800〜1050℃)で焼結可
能なガラス−セラミック材料を用いていた低温焼成多層
回路基板が提案されている。
【0004】一般に、内部配線、ビアホール導体は、A
u、Ag、Cuなどの低抵抗材料の粉末、必要に応じて
ガラスフリット、有機バインダー、有機溶剤などを混合
した導電性ペーストを用いて、例えばガラス−セラミッ
クグリーンシートに形成した貫通穴にビアホール導体と
なる導体を充填し、または、そのグリーンシート上に、
内部配線となる導体膜を形成し、このようなグリーンシ
ートを積層一体化した後、800〜1050℃で焼成処
理していた。
【0005】絶縁層であるガラス−セラミック材料と、
例えばAgを主成分とする導体、又は導体膜を、絶縁層
と同時に焼成処理するために、両者の焼結挙動を近似さ
せなければ、基板に反りが発生したり、また、導体の焼
結収縮により、導体又は導体膜に間隙が発生したりする
ことになる。
【0006】即ち、Ag系導電性ペーストにおいて、絶
縁層との焼結挙動を近似させるように制御することは非
常に重要であり、特に、導電性粉末材料であるAgの粉
末の形状、粒径が非常に重要となり、なるべくAg粉末
の焼結を遅くするように設定する必要がある。
【0007】例えば、Ag系導電性ペーストに用いられ
るAg粉末は、球体又は鱗片状のフレーク体が知られて
いる。
【0008】球体のAg粉末を有する導電性ペースト
は、そのペーストを単体に焼きつけするような表面導体
膜、端子電極、太陽電池の電極などの材料に用いられ、
Ag粉末の粒径は、大きくても5μm程度であり、絶縁
層であるガラス−セラミック材料との焼結挙動を合わせ
ることが非常に困難であり、また、平均粒径5μmの粒
径の球状Ag粉末を生成することは、実質的に困難であ
り、非常に高価なものとなってしまう。
【0009】このため、通常、低温で焼成されるガラス
−セラミック材料と同時に焼成されるAg系導電性ペー
ストとして、平均粒径3〜5μmの偏平状のフレーク体
を用いることが一般的であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなフ
レーク体のAg粉末を有する導電性ペーストを用いる
と、製造方法、特に導電性ペーストのスクリーン印刷時
の印刷性が劣るという問題点があった。
【0011】一般に、スクリーンの構造は、開口径が4
0μm程度のメッシュ体に、所定印刷パターンに応じて
乳剤などが付着された構造である。従って、メッシュ体
の開口は、実際には40μmよりもはるかに小さいもの
となる。
【0012】特に、絶縁層の厚みを貫き、内部配線導体
と接続しあうビアホール導体は、ガラス−セラミックの
グリーンシートの厚み方向に形成した、例えば80〜2
30μmの開口の貫通穴に、スクリーン印刷法で導電性
ペーストを完全に充填する必要がある。
【0013】しかし、スクリーン印刷法で、例えば80
〜230μmの開口の貫通穴に導電性ペーストを充填す
る場合、極めて異形状のフレーク体が充分にメッシュ体
の開口を通過することができず、充填された導体は、有
機ビヒクルや無機バインダー(ガラス成分)がリッチと
なり、焼成処理の結果、ビアホール導体部分に空隙が発
生したり、導通不良が発生してしまうという問題点があ
った。
【0014】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、ガラス−セラミック材料を
絶縁材料として用いた積層回路基板であって、印刷性を
向上させて、特にビアホール導体における導通不良を解
消することができる低温焼成多層回路基板を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガラス
−セラミックから成る絶縁層を積層した積層体の各層間
に内部配線を、各層に厚み方向に貫くビアホール導体を
夫々配置せしめて成る低温焼成多層回路基板において、
前記ビアホール導体は、変形球体状の導電性粉末と無機
バインダーとの焼結体から成る低温焼成多層回路基板で
ある。
【0016】即ち、ビアホール導体は、変形球体状の導
電性粉末、無機バインダー、有機ビヒクルから成る導電
性ペーストを焼成することによって形成されている。
【0017】
【作用】本発明によれば、ガラス−セラミックという比
較的焼成温度が低い低温焼成多層回路基板において、そ
の内部配線、ビアホール導体となる導体膜、導体が変形
球状の導電性粉末を用いているため、簡単且つ安価で粒
径8μm程度のものが得られるため、絶縁層材料である
ガラス−セラミック材料との焼結挙動を近似させること
ができる。
【0018】また、グリーンシート上に、内部配線導体
となる所定パターンの導体膜やビアホール導体となる導
体をスクリーン印刷によって形成したりする際に、導電
性ペーストの導体粉末がメッシュ体に引っ掛かることな
く、安定して通過することになる。
【0019】従って、内部配線導体となる導体膜をファ
インパターンとしても印刷性が向上し、また、微小な貫
通穴にビアホール導体となる導体を充填しても印刷性が
向上することにより、特に貫通穴内に安定的に導電性粉
末材料を充填することができる。
【0020】これにより、導体膜や導体を絶縁層となる
ガラス−セラミック材料と一体的に焼成処理しても、そ
の導体膜や導体に空隙が発生することがなく、所定のパ
ターーンが簡単に得られ、安定した導通性が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の低温焼成多層回路基板を図面
を用いて詳説する。
【0022】図1は、本発明の低温焼成多層回路基板の
断面図である。
【0023】図1において、低温焼成多層回路基板10
は、積層体1と表面配線4と各種電子部品5とから構成
されていた。
【0024】積層体1は、ガラス−セラミック材料から
成る絶縁層1a〜1eと、該絶縁層1a〜1e内に配置
した内部配線2b〜2e、該絶縁層1a〜1eの厚み方
向を貫くビアホール導体3a〜3eから構成されてい
る。
【0025】内部配線2b〜2e、ビアホール導体3a
〜3eは、Ag、Cu、Auなどを主成分とする低温焼
成可能な導体材料などから成る。
【0026】さらに、積層体1の主面には、内部配線2
b〜2eとビアホール導体3a、3eを介して接続する
表面配線4が形成されている。この表面配線4とは、各
種電子部品5を搭載するための電極パッド、外部回路と
の接続を行う端子電極を含むものである。
【0027】表面配線4は、Ag、Cu、Au系などの
低温焼成可能な導体材料などから成る。
【0028】電子部品5は、表面配線4の一部にワイヤ
ボンディング、半田付けなどによって接続された例えば
チップ抵抗器、チップコンデンサなどの受動部品やIC
チップ、トランジスタなどの能動部品などが例示でき
る。
【0029】このような低温焼成多層回路基板の製造方
法は、まず、絶縁層となる大型グリーンシートを作成す
る。尚、製造方法では、内部配線2b〜2e、ビアホー
ル導体3a〜3eをAg系導体で形成した例を用いて説
明する。
【0030】グリーンシートは、無機物フィラーである
セラミック粉末、結晶化ガラスフリット、有機バインダ
ー、溶剤を均質混練してスラリーを作成し、さらにドク
ターブレード法などでテープ成型を行い、さらに、所定
大きさ、例えば複数の積層体が抽出できるようシートに
形成される。
【0031】ここで、セラミック粉末は、クリストバラ
イト、石英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コ
ージライトなどの絶縁セラミック材料などが挙げられ、
その平均粒径1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜
4.0μmに粉砕したものを用いる。尚、セラミック材
料は2種以上混合して用いられてもよい。特に、コラン
ダムを用いた場合、コスト的に有利となる。
【0032】結晶化ガラスフリットは、焼成処理するこ
とによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、
セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ド
ロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶やスピネ
ル構造の結晶相を析出するものであればよく、例えば、
2 3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、アルカリ土
類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様な
ガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が6
00〜800℃付近にあるため、850〜1050℃程
度の低温焼成に適し、内部配線2b〜2eとなる導体
膜、ビアホール導体3a〜3eとの焼結挙動を近似させ
るためである。尚、このガラスフリットの平均粒径は、
1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmで
ある。
【0033】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、セラミック材料が10〜60wt%、好まし
くは30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40
wt%、好ましくは70〜50wt%である。
【0034】有機バインダーは、固形分(無機物フィラ
ー、結晶化ガラス)との濡れ性も重視する必要があり、
添加量としては固形分に対して25wt%以下が好まし
い。
【0035】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。尚、水系溶剤の場合、バインダーは、
水溶性である必要があり、バインダには、親水性の官能
基、例えばカルボキシル基が付加されている。その付加
量は酸価で表せば2〜300であり、好ましくは5〜1
00である。付加量が少ない場合は水への溶解性、固定
成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が
悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分
解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。
【0036】このような大型グリーンシートの1つの積
層体に対応する領域内に、各絶縁層に応じてビアホール
導体3a〜3eとなる貫通穴を形成し、この貫通穴にビ
アホール導体3a〜3eとなる導体を充填し、また、内
部配線2b〜2eに応じて所定パターンの導体膜を形成
する。
【0037】ここで、貫通穴は、80〜230μm程度
である。貫通穴が80μm未満であると、充分に貫通穴
に導電性ペーストを充填することが困難であり、また、
230μmを越えると貫通穴内に導電性ペーストを安定
して充填保持することができず、例えばグリーンシート
の下に敷く敷紙に充填した導電性ペーストが奪われる可
能性が高くなる。
【0038】このビアホール導体3a〜3eとなる導
体、内部配線2b〜2eとなる導体膜は、導電性ペース
トのスクリーン印刷によって形成されるが、導電性ペー
ストは、低抵抗材料の導電性粉末として、変形球体(一
般に多面体)のAg粉末、Cu粉末、Au粉末、無機バ
インダーとしてβ石英、ホウ珪酸系ガラス、例えばホウ
珪酸鉛ガラスやホウ珪酸バリウムガラス、有機バインダ
ーとして2.2.4−トリメチル−1.3−ペンタンジ
オールモノイソブチレート、有機溶剤としてエチルセル
ロースなどが例示できる。
【0039】実際の例として、ビアホール導体3a〜3
eとなる導体用の導電性ペーストとして、導電性粉末と
して変形球体のAg粉末(累積50%平均粒径5μm)
を全ペーストの重量比で87wt%、無機バインダーと
してβ石英を全ペーストの重量比で4wt%、有機バイ
ンダーとして2.2.4−トリメチル−1.3−ペンタ
ンジオールモノイソブチレート、有機溶剤としてエチル
セルロースで、有機バインダーと有機溶剤とが1:19
の割合で、この有機ビヒクルが全ペーストの重量比で9
wt%である。
【0040】また、内部配線2b〜2eとなる導体膜用
の導電性ペーストとして、導電性粉末として変形球体の
Ag粉末(累積50%平均粒径5μm)を全ペーストの
重量比で79wt%、無機バインダーとしてホウ珪酸系
ガラスを全ペーストの重量比で9wt%、有機バインダ
ーとして2.2.4−トリメチル−1.3−ペンタンジ
オールモノイソブチレート、有機溶剤としてエチルセル
ロースで、有機バインダーと有機溶剤とが1:19の割
合で、この有機ビヒクルが全ペーストの重量比で12w
t%である。
【0041】このような2種類のAg系導電性ペースト
を使い分け、この大型グリーンシートの貫通穴に先の導
電性ペーストをスクリーン印刷で充填を行い、さらに、
大型グリーンシートの表面に、後の導電性ペーストをス
クリーン印刷を行い、所定パターン形状に形成する。
【0042】その後、グリーンシート上の導体膜及び導
体を乾燥して、グリーンシートを積層順序を考慮して、
積層し熱圧着して一体化する。
【0043】そして、各領域に区画する分割溝を形成
し、所定雰囲気で800〜1050℃で焼成処理する。
【0044】ここで、所定雰囲気として、導体膜、導体
にAg系材料を用いているために、酸化雰囲気又は中性
雰囲気で焼成を行う。
【0045】このピーク温度800〜1050℃まで
の、例えば500℃前後で、グリーンシート、導体膜、
導体に含まれる有機ビヒクルを焼失し、600℃前後か
らグリーンートのガラス成分、導体膜、導体のガラス成
分を軟化して、例えば、絶縁層においては、無機物フィ
ラーの界面に、軟化したガラス成分が充分に回り込み、
結晶化されて、強固な絶縁層1a〜1eが達成され、例
えば導体、導体膜においては、ガラス成分が軟化して、
絶縁層と強固に結合するとともに、Agの焼結反応によ
り、高い導電性を示すことになる。
【0046】その後、焼成された大型積層体の表面に、
例えば低温(例えば870℃以下)焼成可能なCu系導
電性ペーストを印刷、乾燥し、還元性雰囲気又は中性雰
囲気で焼成処理を行い、表面配線4を形成する。
【0047】次に、必要に応じて各種電子部品5を表面
配線4の一部に搭載する。
【0048】最後に、上述の分割溝に応じて、分割処理
を行い、大型積層基板から個々の多層回路基板を複数抽
出する。
【0049】尚、上述の表面配線4として、Ag系導体
(酸化雰囲気又は中性雰囲気で焼成可能な導体)を用い
れば、積層体と一括的に焼成処理することもできる。
【0050】ここで、本発明の特徴的なことは、特に、
ビアホール導体3a〜3eとなる導体を形成するための
導電性ペースト、例えばAg系導電性ペーストにおい
て、Ag粉末を変形球体(一般に多面体と言われてい
る)の粉末を用いていることである。勿論、このような
変形球体のAg粉末は、内部配線用のAg系導電性ペー
ストにも用いても構わない。
【0051】このような変形球体のAg粉末を用いるこ
とにより、比較的平均粒径(累積50%平均粒径)の大
きな、例えば5μm以上の粒径を安価に形成することが
でき、低温焼成用の導電性材料としては究めて適したも
のとなる。仮に、累積50%平均粒径が5μm以下とな
ると、ガラス−セラミック材料の焼結反応に比較して、
比較的低い温度でAgの焼結反応が発生してしまい、先
にAg系導体が達成されてしまう。
【0052】即ち、導体又は導体膜の一定の強度が先に
達成され、その後、ガラス−セラミックが焼結完了して
しまうと、ガラス−セラミック材料での熱膨張係数の差
による応力により、導体、導体膜を基準にしてソリやク
ラックが発生してしまう。
【0053】また、累積50%平均粒径が10μm以上
になると、根本的に10μm以上の変形球体を成長させ
ることは困難であり、仮にこのような10μm以上の変
形球体を用いた場合、通常20〜30μm程度の導体膜
厚中で、導体材料どうしの接点が少なくなる。さらに焼
成権有の焼結収縮の進行が遅くなり、導体膜の焼結収縮
量が基板よりも小さくなり、収縮量の不整合により、基
板に反りが発生してしまう。
【0054】本発明者は、導電性材料をAgとして、無
機バインダー、有機ビヒクルを上述の材料、上述の量比
でもって導電性ペーストを作成し、上述の組成で作成
し、図1に示す多層回路基板を作成した。尚、Ag粉末
として、粉末の形状、累積50%平均粒径を種々変更し
て、ビアホール導体3a〜3e間の導通不良率の発生、
グリーンシート上に印刷または充填したときの安定性
(印刷性)を調べ、全体の評価を行った。
【0055】その結果を、表1に示す。
【0056】試料番号1〜3は、本発明の多層回路基板
に用いる導電性ペーストであり、そのAg粉体の形状
を、変形球体(一般に多面体と称されている)で、その
累積50%平均粒径を5〜8μmとした。また、試料番
号4〜6は、通常、ガラス−セラミック材料を絶縁層と
する低温焼成多層回路基板に用いる導電性ペーストであ
り、そのAg粉体の形状を、フレーク体で、その平均粒
径を3〜5μmとした。
【0057】
【表1】
【0058】上述のように、粉体形状が変形球体とフレ
ーク体との違いによって、印刷性が大きく異なるが、こ
れは、粉体の形状がフレーク体では、スクリーン印刷の
メッシュ開口を抜ける際、メッシュに粉体の一部が引っ
掛かりやすいために、印刷性がことなり、これにより、
グリーンシートのビアホール導体3a〜3eとなる貫通
穴に充填した時、充分な量の導電性粉体が充填できない
ため、焼成処理した後に、ビアホール導体3a〜3eに
空隙が発生するために、導通不良が発生するものである
と考えられる。
【0059】従って、本発明によれば、800〜105
0℃で焼成処理される低温焼成多層回路基板において、
内部配線導体2、ビアホール導体3a〜3eとなる導体
膜、導体を形成するための導電性ペーストとしては、導
電性粉末材料の形状として、変形球体とすることが重要
である。このようにすれば、低温焼成で絶縁材料を焼成
しても、焼結挙動を近似できる充分大きな粒径とするこ
とができ、しかも、粒径を大きくしても、スクリーン印
刷のメッシュ開口の目詰まりが発生せず、印刷性が良好
となり、特にビアホール導体3a〜3eの導通不良の発
生率が大きく低減することができる。
【0060】上述では、導電性ペーストの材料としては
導電性粉末材料の形状について述べたが、勿論平均粒径
を適正に設定する必要がある。例えば、累積50%平均
粒径は5〜10μmが望ましい。
【0061】さらに、無機バインダー、有機ビヒクルな
どの材料、添加量も適正に設定する必要がある。
【0062】例えば、無機バインダーにおいて、内部配
線2b〜2eとなる導体膜の導電性ペーストに添加する
無機バインダーは、ホウ珪酸バリウム系のガラスが好ま
しい。これは、焼成した絶縁層との接着性を高めるため
である。また、ビアホール導体3a〜3eとなる導体の
導電性ペーストに添加する無機バインダーとして、β石
英が好ましい。これは、焼結処理した際の焼成した絶縁
層の貫通穴周囲にクラックが発生しないようにするため
である。
【0063】また、有機ビヒクルを構成する有機バイン
ダーは、導電性ペースト中における導電性粉末及びガラ
ス成分を均質に分散させ、グリーンシートに印刷してか
ら焼成するまでの間に印刷形状を維持するためのもので
あり、例えば重量平均分子量が7.2×104 〜2.1
×105 のエチルセルロースが望ましい。
【0064】また、有機ビヒクルを構成する有機溶剤
は、有機バインダーとともにペーストの粘度を制御し
て、印刷性を向上するものであり、上述したように、
2.2.4−トリメチル−1.3−ペンタンジオールモ
ノイソブチレートが用いられる。
【0065】この有機ビヒクルは、全ペースト中、3〜
5重量%になるようにすることが重要である。本発明の
種々の実験の結果、3重量%未満では、ペーストを長期
保管を行うと、バインダーによって比重の大きい導電性
粉末を支えきれず、沈降現象が発生してしまい保管性に
劣り、導電性粉末の形状に問わずメッシュに目詰まりが
発生してしまい、印刷性を悪化させる。
【0066】逆に、5重量%を越えると、導電性ペース
トの粘着力が向上してしまい、例えば敷紙上にグリーン
シートの載せて、印刷を行うと、貫通穴に充填したビア
ホール導体となる導体が敷紙に付着してしまい、その導
体の表面が凹んでしまい、最終的に導通不良が発生する
という問題がある。
【0067】さらに、導電性ペーストの粘度(Zポイ
ズ)の適正化として、特にビアホール導体3a〜3eの
導体を形成する導電性ペーストにおいて、貫通穴の形状
に合わせて適正化を行う必要がある。本発明の種々の実
験によれば、ビアホール導体3a〜3eとなる貫通穴の
穴径Rと穴の厚みt(グリーンシートの厚みに相当)と
の関係、R/t=α(穴径/厚み比率)とした場合、粘
度Zは、穴径/厚み比率αと一定係数によって比例す
る。即ち、Z=kαであり、比例係数kは1000〜1
500の所定の値である。
【0068】尚、本発明の実施例では、導電性ペースト
の導電性材料として、Ag粉末を用いて説明した。これ
は、Ag粉末は、Au系に比較して安価であり、且つC
u系に比較して、基板を一体的に焼成処理した場合の焼
成雰囲気が大気雰囲気などの酸化性雰囲気を用いること
ができるためであり、例えば、内部配線2b〜2eとし
てCu系導体材料を用いて、基板との一体焼成の雰囲気
を、還元性雰囲気、中性雰囲気としても構わない。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低温焼成
で焼成処理した低温焼成多層回路基板であって、内部配
線となる導体膜、ビアホール導体となる導体を印刷形成
するための導電性ペーストの導電性粉末材料として、変
形球体状の導電性粉末を用いたため、絶縁層の焼結挙動
を近似させえる比較的な大きな粒径とすることができ、
これにより、焼結挙動を近似させることにより、基板の
反りなどを有効に抑えることができ、また、導電性ペー
ストをスクリーン印刷した時の導電性粉末のメッシュ開
口詰まりを抑えることができ、印刷性が大きく向上し、
特にビアホール導体となる貫通穴に導体を充填した際に
安定的に導電性ペーストを充填することができ、導通信
頼性が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低温焼成多層回路基板の断面図で
ある。
【符号の説明】
10・・・・・・低温焼成多層回路基板 1・・・・・・・積層体 1a〜1e・・・絶縁層 2b〜2e・・・・・内部配線 3a〜3e・・・・・ビアホール導体 4・・・・・・・・・表面配線 5・・・・・・・・・電子部品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス−セラミックから成る絶縁層を積
    層した積層体の各層間に内部配線を、各層に厚み方向に
    貫くビアホール導体を夫々配置せしめて成る低温焼成多
    層回路基板において、 前記ビアホール導体は、変形球体状の導電性粉末と無機
    バインダーとの焼結体から成ることを特徴とする低温焼
    成多層回路基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000357874A (ja) * 1999-05-26 2000-12-26 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 封止層を有するセラミック基板
JP2007205908A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 重量センサ
US20110030754A1 (en) * 2009-08-06 2011-02-10 Laird Technologies, Inc. Thermoelectric modules and related methods

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