JPH0874052A - イオンビームスパッタ装置、イオンビームスパッタ方法 - Google Patents

イオンビームスパッタ装置、イオンビームスパッタ方法

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JPH0874052A
JPH0874052A JP20961294A JP20961294A JPH0874052A JP H0874052 A JPH0874052 A JP H0874052A JP 20961294 A JP20961294 A JP 20961294A JP 20961294 A JP20961294 A JP 20961294A JP H0874052 A JPH0874052 A JP H0874052A
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ion
target
substrate
ion source
beam sputtering
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JP20961294A
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Inventor
Yukio Nakagawa
由岐夫 中川
Yasushi Ishikawa
靖 石川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜速度を高く、かつイオン源の故障時でも
成膜が続行できるようにする。 【構成】 真空チャンバ1の内部に基板3とターゲット
6を対向して配置し、複数のイオン源7a〜7dが1つ
のターゲット6を照射できるように配置する。1つのイ
オン源を予備とし、他のイオン源を用いて成膜処理中に
イオン源が故障すると、予備イオン源を立ち上がらせ、
成膜を続行する。 【効果】 複数イオン源を使用することで成膜速度が高
く、かつイオン源故障時でも高真空状態のまま予備イオ
ン源に切り替えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオンビームスパッタ装
置及びイオンビームスパッタ方法に係り、とくに成膜速
度を高め、また均質な膜を形成するのに好適なイオンビ
ームスパッタ装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオンビームスパッタ装置は、プラズマ
をプラズマ室で生成し、引出し電極に電圧を印加してプ
ラズマ中のイオンをイオンビームとして引出し、ターゲ
ットに照射させる。この照射により、ターゲットを構成
している物質がスパッタ作用により飛び出し、ターゲッ
トと対向して配置された基板に到達して膜を形成する。
ここでプラズマ室は、ここからイオンビームが引出され
るので、イオン源と呼ばれている。このイオンビームス
パッタ装置は、ターゲットと基板との間にプラズマの介
在するコンベンショナルスパッタ装置、あるいはマグネ
トロンスパッタ装置と比較して、成膜中の圧力を低く、
より高真空での成膜が可能であるため、膜中に不純物の
巻込みの少ない高品質の膜が形成できるという特徴を有
し、膜に光学特性、磁気特性を持たせた機能性薄膜等の
形成で利用されている。
【0003】従来のイオンビームスパッタ装置として
は、例えば、特開平4−1762号に開示されているよ
うに、イオン源が1個でかつターゲットが1個で構成さ
れたもの、あるいは特公平5−86476号の第7図、
あるいは日立評論 Vol.72No.7 頁86(1990
年7月)に開示されているように、複数のイオン源とそ
の数と同数のターゲットを有するものがある。又特開平
2−159375号に開示されているように、1個のタ
ーゲットに対して複数個のイオン源を弧状に配置した構
成のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】膜厚が数nmあるいは
数+nmという薄膜を成膜するには、イオンビームスパ
ッタ装置は制御性が良いため非常に適した装置である。
しかし、さらに膜厚が1桁ないし2桁厚い膜を形成しよ
うとすると、従来のプラズマ中のスパッタ装置よりも成
膜速度が低いため、成膜時間が長くかかるという問題が
あった。この解決策として、特公平5−86476号の
ように、イオン源とターゲットを複数個設け、かつ複数
のターゲットを同一材質としてスパッタすれば、成膜速
度は高くなるが、高純度の材質のため高価なターゲット
を複数個必要とする問題が生ずる。
【0005】又、特開平2−159375号に開示され
ている技術でも、複数のイオン源を用いて1つのターゲ
ットのスパッタを行うから、成膜速度はやはり高くな
る。しかしこれらの複数イオン源を用いる方法では、あ
るイオン源によりスパッタされたスパッタ粒子が他のイ
オン源へ飛来して、そのイオン源内に付着し、特性を劣
化させるという問題がある。この問題については従来技
術では考慮されていなかった。
【0006】さらに、イオン源のフィラメント、あるい
はイオンビーム中性化のためのニュートラライザ線が、
成膜の途中で切れたとすると、イオンビームの引き出し
ができなくなったり、ターゲット材質によってはチャー
ジアップが生じ、スパッタができなくなる。この場合
は、チャンバを真空状態から一度大気圧にまで戻して開
放し、フィラメントなどを取換えなければならない。そ
して再び成膜を行うには、大きな時間をかけて真空引き
を行わねばならないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、従来多用されているマグ
ネトロンスパッタ装置と比較し成膜速度が低いイオンビ
ームスパッタ装置において、その成膜速度を高くすると
同時にその信頼性を高めることを目的とする。すなわ
ち、イオンビームスパッタ装置でイオン源のフィラメン
トあるいはニュートラライザ線が切れても、大気開放す
ることなく成膜を継続できるようにすることを目的とす
る。又、複数のイオン源で単一のターゲットを照射した
場合、あるイオン源に他のイオン源によりスパッタされ
たスパッタ粒子が飛来しないような構成とすることを目
的とする。又、複数のイオン源を配置した場合、スパッ
タ粒子が効率よく基板に飛来するように、イオン源、タ
ーゲット、基板の位置関係を規定することも目的とす
る。さらに、基板サイズの大小に応じて、基板とターゲ
ットが最適な位置関係で成膜できるようにすること、あ
るいはスパッタ粒子が基板に出来るだけ直角に飛来する
ようにすることも本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その内部が高
真空に排気されるチャンバ装置と、該チャンバ装置に設
置された基板ホルダー及びターゲットホルダーと、該タ
ーゲットホルダーにとりつけられたターゲットをイオン
ビームで照射するための複数のイオン源と、該イオン源
の1つを予備イオン源として他のイオン源により上記タ
ーゲットを照射するように制御するとともに、照射中の
イオン源の1つに異常が発生したときに該異常発生イオ
ン源を停止させ代わって上記予備イオン源によってター
ゲット照射を行わせるように制御するための制御手段と
を備えたことを特徴とするイオンビームスパッタ装置を
提供する。本発明は、上前記基板ホルダーにとりつけら
れた基板を直接照射するためのアシスト用イオンを設け
たイオンビームスパッタ装置を提供する。本発明は、上
記イオン源の任意の1つとターゲットを結ぶ線上に他の
イオン源が存在しないように複数のイオン源を配置した
イオンビームスパッタ装置を提供する。本発明は、ター
ゲットの中心を垂直に横切る平面で上記チャンバ装置を
区切った時、その片方に基板が存在し、他方に上記複数
のイオン源が存在するように複数のイオン源を配置した
イオンビームスパッタ装置を提供する。本発明は、上記
基板ホルダを上記チャンバ装置内で可動とし、基板とタ
ーゲット間距離を可変できる構造としたイオンビームス
パッタ装置を提供する。本発明は、上記基板ホルダ面が
ターゲット面と平行ではなく、ターゲット面に対して傾
斜角を持たせることにより、スパッタ粒子が基板にでき
るだけ直角に入射できる構造としたイオンビームスパッ
タ装置を提供する。本発明は、1つのターゲットにイオ
ンビームを照射できる複数のイオン源を備え、上記ター
ゲットよりスパッタされたスパッタ粒子を基板に付着さ
せて成膜を行う成膜処理は、少なくとも上記イオン源の
1個を予備イオン源として待機状態にして他のイオン源
を駆動して行い、成膜途中で上記駆動状態にあるイオン
源の故障が発生したときは、その故障したイオン源を停
止させて上記待機状態のイオン源を立ち上げ、成膜処理
を続行するイオンビームスパッタ方法を提供する。本発
明は、基板を直接照射できるアシスト用のイオン源を設
け、該イオン源の照射により、基板表面のクリーニング
を行うイオンビームスパッタ方法を提供する。本発明
は、基板を直接照射できるアシスト用のイオン源を設
け、該イオン源の照射により、チャンバ内に別に導入し
たガス成分を含む膜を生成するイオンビームスパッタ方
法を提供する。本発明は、上記複数のイオン源は、その
任意の1つとターゲットを結ぶ線上に他のイオン源が存
在しないように配置して成膜処理を行うイオンビームス
パッタ方法を提供する。本発明は、ターゲットの中心を
垂直に横切る平面で空間を分けたときに、その片方に上
記複数のイオン源がすべて存在し、他方に基板が存在す
るように配置して成膜処理を行うイオンビームスパッタ
方法を提供する。本発明は、基板とターゲットの間隔
を、ターゲットからスパッタされたスパッタ粒子がより
多くかつより均一に基板に到達するように設定して成膜
を行うイオンビームスパッタ方法を提供する。本発明
は、ターゲットからスパッタされたスパッタ粒子が、基
板上の凹部にも達するような角度にターゲット面と基板
面とを向き合わせて成膜処理を行うイオンビームスパッ
タ方法を提供する。
【0009】
【作用】1個のターゲットに複数のイオン源を配置し、
これらのイオン源を同時に動作させることで、成膜速度
は高くなる。複数のイオン源のうち1個を予備イオン源
とすることで、成膜の途中で駆動中のイオン源が1個故
障しても、制御盤により予備イオン源に切替え動作させ
ることができる。イオン源とターゲットを結ぶ線上にイ
オン源をそれぞれ1個配置することで、1個のイオン源
でスパッタしたスパッタ粒子が他のイオン源になるべく
飛来しないようにできる。ターゲットと基板を偏心させ
ることで、スパッタ粒子が効率よく基板に飛来する作用
がある。基板ホルダの位置が移動することで、基板サイ
ズによって、成膜速度が高くなる位置を選べる。基板ホ
ルダ面をターゲット面に対して傾斜を持たせることで、
スパッタ粒子を基板にほぼ直角に入射させることができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。図1は、本発明になるイオンビームスパッタ装置の
一実施例を示す断面図及びブロック図で、図2は図1の
実施例の概略的な上面図である。チャンバ1の内部には
基板ホルダ2、チャンバ1内を動くことのできるシャッ
タ4、およびターゲットホルダ5が設置されている。基
板ホルダ2は基板3を、ターゲットホルダ5はターゲッ
ト6をそれぞれ固定支持する。またチャンバ1には複数
のイオン源7a〜7eが配置されている(図1ではイオ
ン源7c、7dは背後に位置しており、図示していな
い)。このうち、イオン源7a〜7dはターゲット6に
向けられたスパッタ用であり、イオン源7eは基板3を
直接照射するアシスト用である。スパッタ用の4個のイ
オン源7a〜7dは、図2に一例を示すように、90゜
間隔で配置されている。図2の点線で示す3つの円は、
基板3、ターゲット6、シャッタ4であり、シャッタ4
は特に成膜中の、即ち基板3がターゲット6を見渡せる
状態に移動した位置を示している。
【0011】ターゲットホルダ5には、図1の点線で示
すように、冷却水が入口12から出口13へと流れる構
造となっており、ターゲット6の温度がイオンビームに
照射されて高くならないようになっている。基板ホルダ
2は、基板内の膜厚分布を均一にするため、回転駆動機
構14によって回転可能な構造となっている。真空排気
装置15は、チャンバ1の内部を10-5〜10-6Paま
で排気可能なものとする。
【0012】次に、イオン源の動作を説明する。イオン
源7a〜7eの内部にはそれぞれフィラメント8a〜8
eが配置されており、また、それぞれのイオン源にはガ
ス流量コントローラ9a〜9eとガスボンベ10a〜1
0eが接続されている。電源11a〜11eとイオン源
7a〜7dは、イオン源のフィラメント電流、アーク電
圧、引出し電圧、ニュートラライザ電流等の電源線から
成るケーブル20a〜20eでそれぞれ接続されてい
る。制御盤16は、イオン源7a〜7eと接続されてい
て、供給電源の値を予め設定した値に制御すると同時
に、シャッタ4の駆動指令を出し、またフィラメント、
ニュートラライザ線の断線を電源からの信号として受け
取ることができる。
【0013】本実施例の通常時の動作を次に説明する。
イオン源7aを駆動する為には、その駆動の前に、まず
ガスボンベ10aからガス流量コントローラ9aを経て
一定量のガス、例えばアルゴンガスを1分間に数cc供給
する。チャンバ1の内部は、プラズマの中のスパッタの
場合の真空度10-1程度と比較し、10-2Paのオーダ
の高真空であるが、イオン源内部にプラズマの生成が可
能である。次に、フィラメント8aに通電し、イオン源
7aの壁部にアーク電圧を印加し、フィラメント8aと
の間でアーク放電を生ぜしめ、イオン源7a内部にプラ
ズマを発生させる。イオン源7aの外壁には磁極が交互
に異なるように複数個配置したバケット型イオン源を用
いることもできる。イオン源で発生したプラズマは、2
枚ないし3枚から構成される引出し電極17aに電圧を
印加することでイオンビーム18aとして引出され、タ
ーゲット6を照射する。他のイオン源7b〜7dも同様
にして駆動される。
【0014】ターゲット6は、イオン源7a〜7dから
のイオンビーム照射でスパッタされ、スパッタ粒子が矢
印40で示すように飛び出して基板3の方向へ向かう。
このとき、シャッタ4を基板3の前面に移動しておけ
ば、スパッタ粒子が基板3に到達しないため、成膜は行
なわれない。この間ターゲット表面はスパッタ作用によ
り、不純物が飛ばされてクリーニングされる。一方、シ
ャッタ4を基板前面から離しておくと、基板3への成膜
が始まる。所定の膜厚が得られたところでシャッタ4を
基板3の前面に戻し、各イオン源7a〜7dの電源を制
御盤16にて停止させることで成膜を終了する。
【0015】この動作によると、1枚のターゲットに対
して、複数のイオン源からビームを出して照射するか
ら、イオン源の個数をnとすると、成膜速度はイオン源
1個の場合と比較しn倍速くなるという効果がある。こ
の場合、イオン源が多数のためターゲットに入射するパ
ワーが大きくなり、ターゲットの温度上昇増大の要因と
なるが、ターゲットホルダ5に流す冷却水量を多くし
て、冷却効果を高めれば問題は解決される。又、イオン
源7aの引出し電極17aの前面には、ニュートラライ
ザ線19aがあり、これに通電することで熱電子を放出
し、イオン源から引き出されたイオンビームを中性化す
る。ターゲットホルダ5は銅のように導電性材料で出来
ているため、ターゲット6の材質が金属のような導電性
材料の場合は、ニュートラライザ線19aを駆動しなく
ても、チャージアップが生ずることなく問題ないが、タ
ーゲット材料が絶縁物の場合、ニュートラライザを駆動
しないとチャージアップが生じて、イオンビームがター
ゲットに充分届かなくなる。そのためニュートラライザ
線19aが設けられている。
【0016】次にイオン源7eの役割を説明する。イオ
ン源7eは、基板3を直接照射するように配置され、ア
シスト用のイオン源と呼ぶ。本イオン源の使用方法とし
て2種類ある。一つはスパッタ用のイオン源7a〜7d
を動作させない時に、アシスト用イオン源7eを駆動
し、基板3にビーム18eを照射することで基板表面の
クリーニングを行うものである。もう一つの用い方は、
スパッタ用イオン源7a〜7dを駆動させながら、アシ
スト用イオン源7eを駆動させて成膜を行う方法であ
る。本方法では、金属ターゲットをスパッタしながら、
ガスボンベ10eに窒素ガスを用い窒素イオンを出すこ
とで、窒化物の膜を形成する等の利用ができる。
【0017】さて、図1の実施例の、本発明の特徴とす
る運転方法として、複数のイオン源7a〜7dの内1個
を予備イオン源とし、電源を供給せず待機状態としてお
き、残りのイオン源を全て駆動してスパッタを行う方法
がある。イオン源にはフィラメント8a、ニュートララ
イザ線19aのように消耗部品があり、通常は寿命がく
る前に取り替えておく。しかし、成膜中にそれらが切れ
ることが無いとは言えない。このような時、通常は高真
空に保たれているチャンバ1の内部に乾燥窒素を供給す
る等で大気圧状態に戻し、チャンバ内部を大気開放して
切れた部品を交換する。例えばイオン源のフィラメント
線が断線の場合は、イオン源側の蓋を空けて交換を行
う。しかし、成膜途中でチャンバ内部を大気開放する
と、成膜中の最表面に酸化物の膜ができたりして、次の
成膜を続けると、連続膜の途中で異なる膜質の層が現わ
れたり、結晶成長が連続しなくなる等の問題が生ずる。
また一度大気開放して再び高真空にするのに時間がかか
るという問題もある。
【0018】ここで説明する運転方法は、成膜に使用中
のイオン源の1つにフィラメントあるいは、ニュートラ
ライザ線の断線が生じた時に、制御盤16がそれらに電
流が通電しなくなったという信号を検出し、シャッタ4
を基板3の前に戻す指令を与えると共に、予備として待
機中のイオン源7aに立上げ指令を出すことで、その予
備イオン源を駆動し、そしてシャッタ4を基板3の前面
から離すことで、他の健全イオン源と共にスパッタを続
行できるようにするものである。この予備イオン源を設
定することで、イオン源の1つに故障が生じても、チャ
ンバ内部を大気開放することなく、品質の変わらない膜
を形成できるという効果がある。また、大気開放して真
空引きする必要がないので、その時間が節約できる効果
もある。そして断線したフィラメント、あるいはニュー
トラライザ線の交換は、成膜終了時の基板取付け取外し
時に、チャンバ内部を大気開放するので、そのとき行え
ばよい。
【0019】図3は、本発明のイオンビームスパッタ装
置の別の実施例を示す概略的な上面図で、図1と同一部
材には同一符号が付されている。本実施例は、複数のイ
オン源7a〜7dが、図2とは異なり1つの対角線上に
無いような配置になっている。即ち1つのイオン源とタ
ーゲット中心を結ぶ線上には、他のイオン源が存在しな
いような配置としたものである。本実施例では、あるイ
オン源からのイオンビームによりスパッタされたスパッ
タ粒子が他のイオン源に到達しにくく、イオン源内壁に
スパッタ粒子が付着して性能が劣化することがないとい
う効果がある。
【0020】図4は、本発明のイオンビームスパッタ装
置の別の実施例を示す断面図で、図5は図4の実施例の
上面図である。図1と同一部材には同一符号が付されて
いる。本実施例は、基板3とターゲット6とを偏心させ
て配置し、複数のイオン源7a、7b、7c(更に多く
てもよい)を、ターゲット中心を通る平面で切った時に
出来る片方の空間に配置し、他方の空間に基板3を配置
してある。本配置とすることにより、スパッタ粒子40
が最もターゲットから飛び出しやすい方向に基板を配置
することができる。従って複数のイオン源を用いて成膜
速度を高める上で一層大きな効果がある。
【0021】図6は、本発明のイオンビームスパッタ装
置の別の実施例を示す断面図で、図1と同一部材には同
一符号が付されている。本実施例は、基板ホルダ2のタ
ーゲット6に対する距離を変えられるようにしたもので
ある。基板サイズが小さい場合は、その距離を短かくし
て、基板3に多量のスパッタ粒子が届くように、即ち成
膜速度が高くなるようにし、基板サイズが大きい場合
は、その距離を長くして基板全面に亘って均一な膜が形
成できるというように、基板サイズに応じて適した位置
で膜を形成できる効果がある。
【0022】図7は、本発明のイオンビームスパッタ装
置のさらに別の実施例を示す断面図で、図1と同一部材
には同一符号が付されている。本実施例は、図4、図5
に示した実施例において、基板ホルダ2とターゲット6
の面が互いに平行ではなく、傾斜角を持つように配置し
たものである。本構成とすることで、スパッタ粒子が基
板に対してできるだけ直角に入射するようにさせること
が出来る。基板成膜面に凹凸があり、半導体素子のコン
タクトホールに金属配線等を深く埋め込むような場合に
効果がある。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、高価なターゲット数を
増やすことなく、成膜速度が速いイオンビームスパッタ
装置を提供できる効果があり、しかも複数のイオン源の
1つに故障が生じても、予備イオン源に切替えること
で、品質の良い膜を大気開放しないで効率よく形成でき
る。又、本発明の別の実施例によれば、複数のイオン源
がそれぞれ他のイオン源内壁にスパッタ粒子を付着させ
にくいという効果があり、又、複数のイオン源を用いて
成膜速度をさらに速めることができる効果があり、更に
複数のイオン源を用いたものにおいて、半導体素子のコ
ンタクトホールのような凹部に金属配線等を埋め込むよ
うな場合に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオンビームスパッタ装置の一実施例
を示す断面図及びブロック図である。
【図2】図1の実施例の上面図である。
【図3】本発明のイオンビームスパッタ装置の別の実施
例を示す上面図である。
【図4】本発明のイオンビームスパッタ装置の別の実施
例を示す断面図である。
【図5】図4の実施例の上面図である。
【図6】本発明のイオンビームスパッタ装置の別の実施
例を示す上面図である。
【図7】本発明のイオンビームスパッタ装置の別の実施
例を示す上面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 基板ホルダ 3 基板 4 シャッタ 5 ターゲットホルダ 6 ターゲット 7a イオン源 7b イオン源 7c イオン源 7d イオン源 7e イオン源 8a フィラメント 8b フィラメント 8e フィラメント 15 真空気排気装置 16 制御盤 17a 引出し電極 18a イオンビーム 19a ニュートラライザ線

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部が高真空に排気されるチャンバ
    装置と、該チャンバ装置に設置された基板ホルダー及び
    ターゲットホルダーと、該ターゲットホルダーにとりつ
    けられたターゲットをイオンビームで照射するための複
    数のイオン源と、該イオン源の1つを予備イオン源とし
    て他のイオン源により上記ターゲットを照射するように
    制御するとともに、照射中のイオン源の1つに異常が発
    生したときに該異常発生イオン源を停止させ代わって上
    記予備イオン源によってターゲット照射を行わせるよう
    に制御するための制御手段とを備えたことを特徴とする
    イオンビームスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記基板ホルダーにとりつけられた基板
    を直接照射するためのアシスト用イオン源を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載のイオンビームスパッタ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記イオン源の任意の1つとターゲット
    を結ぶ線上に他のイオン源が存在しないように複数のイ
    オン源を配置したことを特徴とする請求項1または2に
    記載のイオンビームスパッタ装置。
  4. 【請求項4】 ターゲットの中心を垂直に横切る平面で
    前記チャンバ装置を区切った時、その片方に基板が存在
    し、他方に前記複数のイオン源が存在するように複数の
    イオン源を配置したことを特徴とする請求項1または2
    に記載のイオンビームスパッタ装置。
  5. 【請求項5】 前記基板ホルダを前記チャンバ装置内で
    可動とし、基板とターゲット間距離を可変できる構造と
    したことを特徴とする請求項1ないし4のうちの1つに
    記載のイオンビームスパッタ装置。
  6. 【請求項6】 前記基板ホルダ面がターゲット面と平行
    ではなく、ターゲット面に対して傾斜角を持たせること
    により、スパッタ粒子が基板にできるだけ直角に入射で
    きる構造としたことを特徴とする請求項4に記載のイオ
    ンビームスパッタ装置。
  7. 【請求項7】 1つのターゲットにイオンビームを照射
    できる複数のイオン源を備え、上記ターゲットよりスパ
    ッタされたスパッタ粒子を基板に付着させて成膜を行う
    成膜処理は、少なくとも上記イオン源の1個を予備イオ
    ン源として待機状態にして他のイオン源を駆動して行
    い、成膜途中で上記駆動状態にあるイオン源の故障が発
    生したときは、その故障したイオン源を停止させて上記
    待機状態のイオン源を立ち上げ、成膜処理を続行するこ
    とを特徴とするイオンビームスパッタ方法。
  8. 【請求項8】 基板を直接照射できるアシスト用のイオ
    ン源を設け、該イオン源の照射により、基板表面のクリ
    ーニングを行うことを特徴とする請求項7に記載のイオ
    ンビームスパッタ方法。
  9. 【請求項9】 基板を直接照射できるアシスト用のイオ
    ン源を設け、該イオン源の照射により、チャンバ内に別
    に導入したガス成分を含む膜を生成することを特徴とす
    るイオンビームスパッタ方法。
  10. 【請求項10】 前記複数のイオン源は、その任意の1
    つとターゲットを結ぶ線上に他のイオン源が存在しない
    ように配置して成膜処理を行うことを特徴とする請求項
    7に記載のイオンビームスパッタ方法。
  11. 【請求項11】 ターゲットの中心を垂直に横切る平面
    で空間を分けたときに、その片方に前記複数のイオン源
    がすべて存在し、他方に基板が存在するように配置して
    成膜処理を行うことを特徴とする請求項7に記載のイオ
    ンビームスパッタ方法。
  12. 【請求項12】 基板とターゲットの間隔を、ターゲッ
    トからスパッタされたスパッタ粒子がより多くかつより
    均一に基板に到達するように設定して成膜を行うことを
    特徴とする請求項7ないし11の内の1つに記載のイオ
    ンビームスパッタ方法。
  13. 【請求項13】 ターゲットからスパッタされたスパッ
    タ粒子が、基板上の凹部にも達するような角度にターゲ
    ット面と基板面とを向き合わせて成膜処理を行うことを
    特徴とする請求項7に記載のイオンビームスパッタ方
    法。
JP20961294A 1994-09-02 1994-09-02 イオンビームスパッタ装置、イオンビームスパッタ方法 Pending JPH0874052A (ja)

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