JPH0873573A - ポリ乳酸の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸の製造方法

Info

Publication number
JPH0873573A
JPH0873573A JP21552094A JP21552094A JPH0873573A JP H0873573 A JPH0873573 A JP H0873573A JP 21552094 A JP21552094 A JP 21552094A JP 21552094 A JP21552094 A JP 21552094A JP H0873573 A JPH0873573 A JP H0873573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
reaction
extruder
polylactic acid
oligomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21552094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2850101B2 (ja
Inventor
Rika Miyoshi
里佳 三好
Tadaki Sakai
忠基 酒井
Kayoko Yokota
佳代子 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP21552094A priority Critical patent/JP2850101B2/ja
Publication of JPH0873573A publication Critical patent/JPH0873573A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2850101B2 publication Critical patent/JP2850101B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アセチル化乳酸オリゴマーをスクリュ式押出
機内で加熱下及び減圧下に脱アセチル化及び重縮合させ
るポリ乳酸の製造方法。 【効果】 短時間で、品質の良い重量平均分子量10,
000〜50,000のポリ乳酸を製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ乳酸の製造方法に
関し、更に詳しくは、安価な乳酸を製造原料とし、高分
子量のポリ乳酸を短時間で製造することができるポリ乳
酸の製造方法に関する。本発明により得られるポリ乳酸
は、農業用資材、農薬や農業用薬剤用の徐放性坦体、生
分解性が要求される製品等の製造原料として好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】乳酸を原料とするポリ乳酸は、容易に加
水分解し、生分解性がよいことや、透明性及び剛性がよ
いこと等から、手術用糸などの医療用材料としても注目
されている。このようなポリ乳酸は、一般には、乳酸を
脱水重縮合させてオリゴマーとし、それをアンチモン化
合物やスズ化合物等の触媒の存在下で解重合させ環状ジ
エステルであるラクチドを得、更にオクチル酸スズ、ジ
エチル亜鉛などの触媒の存在下で開環重合することによ
り製造されている。また、このラクチドの開環重合を3
つの加熱ゾーンを有する押出機により行った技術も提案
されている(例えば、特開平3−502115号公報参
照)。
【0003】しかし、このようにラクチドを経由してポ
リ乳酸を製造する方法の場合は、乳酸から原料となるラ
クチドを製造する工程及び精製工程に多大な費用と人手
がかかる。このため、それが製造コストを上昇させ、引
いては製品価格を上昇させる大きな要因となっている。
【0004】このような問題を解決するものとして特公
平2−52930号公報では、乳酸を不活性ガス雰囲気
中において、触媒の存在下で加熱、重縮合させ、最終的
に220〜260℃、圧力10mmHg以下の条件で重縮合
反応を完結させ、分子量が4,000〜20,000の
ポリラクチドを製造する方法が提案されている。
【0005】しかし、この方法は、下記の(1)〜
(4)の問題点を有しており、工業的製法として確立さ
れるには至っていない。 (1)脱水重縮合反応により乳酸を直接高分子量化する
ためには、高温で長時間反応させる必要がある。しか
し、その場合には温度制御や不活性ガス雰囲気の保持等
が困難であり、更に生成したポリ乳酸が酸化劣化した
り、熱分解したりして着色や分子量低下が起こるという
問題がある。 (2)脱水重縮合反応においては、かなりの高真空下で
強制的に脱水をする必要があるが、その場合には反応液
が水と共沸して留去されてしまい、収率が低下するとい
う問題がある。 (3)乳酸は、そのヒドロキシル基の位置により反応性
が低いため、重縮合反応の終了までに非常に長い時間を
要し、これが製造時間を長くし、コストを押し上げると
いう問題がある。 (4)反応の進行にともなって反応系の粘度が高くなる
と、通常の回分式重縮合操作ではポリ乳酸内部に閉じ込
められた水を除去することが事実上不可能となり、その
結果、最終的なポリ乳酸の分子量低下を招くという問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の製造
技術における上記(1)〜(4)の問題点等を解決し、
より短時間でかつ円滑に高分子量のポリ乳酸を製造でき
るポリ乳酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意研究の結果、反応性の低い乳酸のヒド
ロキシル基をアセチル化することにより反応性を高めた
アセチル化乳酸オリゴマーを、スクリュ式押出機の加熱
混練機能と脱揮[揮発性物質(低分子量体)の除去]機
能とを利用して脱アセチル化反応と重縮合反応とを同時
に行うことにより、上記問題点を解決できることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明はアセチル化乳酸オリゴ
マーをスクリュ式押出機内で加熱下及び減圧下に脱アセ
チル化及び重縮合させることを特徴とするポリ乳酸の製
造方法を提供するものである。
【0009】本発明方法に用いられるアセチル化乳酸オ
リゴマー(以下、「アセチル化オリゴマー」という)
は、例えば乳酸にアセチル化剤を反応させることにより
得られる。
【0010】乳酸はD−体、L−体又はD,L−体及び
これらの混合物のいずれでもよく、好ましくは純度が8
5%以上のものを用いる。また、アセチル化剤として
は、無水酢酸、氷酢酸、塩化アセチル、ケテン等の公知
のものを用いることができるが、価格や取扱の容易さか
ら無水酢酸が好ましい。このアセチル化剤は、乳酸と等
モル程度以上を用いる。
【0011】反応は、窒素ガス又はアルゴンガス等の不
活性ガス雰囲気中において、加熱することにより行うの
が好ましい。加熱温度は100〜150℃が好ましく、
120〜140℃が更に好ましい。加熱温度が低すぎる
と反応が進行せず、高すぎると解重合が起こるので好ま
しくない。このアセチル化(オリゴマー化)反応に要す
る時間は、前記温度範囲内の場合で約1〜3時間である
が、例えば、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−
IR)により反応の進行状態を確認することが望まし
い。即ち、乳酸のヒドロキシル基に由来するピークとし
ては−OH基面外変角振動が920cm-1付近に現れる
が、これがアセチル化の進行にともなって消失し、それ
に代わるアセチル基の増加にともなって−CH基の変角
振動により1380、1460cm-1にピークが出現す
る。よって、任意の段階で、適宜FT−IRにより前記
ピークを確認することにより、反応の進行状態を確認す
ることが望ましい。
【0012】本発明においては、アセチル化反応により
生成した酢酸を逐次除去するのが好ましい。またアセチ
ル化反応の終了後には未反応のアセチル化剤を完全に除
去するのが好ましい。特に、アセチル化剤の除去処理
は、次工程の重縮合反応を円滑にし、ポリ乳酸に着色等
の不都合を生じさせないため望ましいものである。アセ
チル化反応により生成した酢酸は、反応系内を減圧状態
に、例えば、500mmHg以下、好ましくは350〜45
0mmHgに保持することにより、留去することができる。
また、未反応のまま残存する無水酢酸等のアセチル化剤
は、反応系にエタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコールを添加し、より低沸点のエステルとするこ
とにより、反応系外に留去することができる。この処理
は、90〜130℃、好ましくは100〜120℃で、
反応系を350〜700mmHg、好ましくは400〜65
0mmHgに減圧して行う。この処理に要する時間は約1〜
3時間である。このようにして得られるアセチル化オリ
ゴマーは、通常、Mw=2,000〜3,500程度で
ある。
【0013】次いで、このようにして得られたアセチル
化オリゴマーをスクリュ式押出機に供給し、加熱下かつ
減圧下で、脱アセチル化反応と並行して重縮合反応を行
い、高分子量のポリ乳酸を得る。
【0014】まずアセチル化オリゴマーをスクリュ式押
出機に供給するが、この工程で用いるスクリュ式押出機
としては、通常プラスチックの成形に用いられる、スク
リュ、シリンダ、加熱ユニット、駆動装置、脱揮のため
のベント口等からなる、単軸又は二軸のスクリュ式押出
機を用いることができる。この二軸スクリュ式押出機と
しては、スクリュの回転方向が同方向又は異方向のも
の、スクリュのフライトが相互にかみ合っているもの又
はかみ合っていないもののいずれも用いることができ
る。本発明においては、個別に温度制御可能なように分
割されてシリンダ周囲に設けられた複数個の加熱ユニッ
トと、それらのユニット部分のシリンダ内部から脱揮可
能な複数のベント口を有し、スクリュ長さ(L)とスク
リュ径(D)の比(L/D比)が、30〜70のかみ合
い型の二軸スクリュ式押出機が好ましい。このように加
熱ユニットとベント口の数が多い二軸スクリュ式押出機
を用いることにより、押出機のシリンダの異なるゾーン
ごとに反応段階に応じた温度制御及び脱揮操作ができる
ので好ましい。アセチル化オリゴマーの供給量は適宜設
定することができるが、通常は押出機内部を充満させる
量を供給する。
【0015】また、この工程においては、アセチル化オ
リゴマーのスクリュ式押出機への供給後、触媒を添加す
ることができる。この場合の触媒としては、副生する酢
酸に対する溶解性が高い、酢酸マンガン、酢酸亜鉛、酢
酸アルミニウム、酢酸マグネシウム等が好ましい。触媒
の添加量は、供給した原料に対して0.5〜3.0重量
%が好ましく、1.0〜2.0重量%が更に好ましい。
【0016】次に、加熱及び減圧により、アセチル化オ
リゴマーの脱アセチル化反応と重縮合反応を行う。加熱
温度は120〜190℃が好ましく、150〜180℃
が更に好ましい。この加熱温度が120℃未満の場合は
反応速度が遅くなりすぎ、190℃を超える場合は重縮
合反応と並行して解重合反応が起こるので好ましくな
い。また、反応時間は前記温度範囲内であれば、通常は
約30分である。減圧は400mmHg以下が好ましく、1
00〜350mmHgが更に好ましい。この減圧度合が低す
ぎると、生成した酢酸等の低分子量体が充分に脱揮され
ず、その存在により、反応の円滑な進行が妨げられるの
で好ましくない。この反応は、スクリュ式押出機内で行
うので、スクリュによる混練がなされるが、当該混練に
要するスクリュの回転数は100rpm 以上が好ましく、
150〜250rpm が更に好ましい。
【0017】このような製造工程を経て、Mw=10,
000〜50,000のポリ乳酸を得ることができる。
次に、明細書に添付した図1を参照しながら、本発明の
製造方法の一例を説明する。撹拌機1を備えた回分式の
反応槽2に、乳酸と無水酢酸を仕込み、撹拌しながら所
定温度(120〜140℃)に保持し、アセチル化(オ
リゴマー化)反応を行う。この時、反応槽2の内部は不
活性ガス容器3から供給される窒素ガス等の不活性ガス
で置換する。アセチル化反応が終了後、反応槽2の内部
を真空ポンプ6により減圧(350〜700mmHg)し、
生成した酢酸21を回収し、タンク4に貯蔵する。ま
た、未反応の無水酢酸は酢酸エステル22として回収
し、タンク5に貯蔵する。なお、これらの処理で用いる
反応槽2は、チタン、チタン合金、ハステロイ等の耐腐
食性の高い材質で形成するか又は内部をテフロンコーテ
ィングすることが望ましい。
【0018】次に、生成したアセチル化された乳酸オリ
ゴマーをホッパー7に供給する。このホッパー7に供給
された乳酸オリゴマーは、ギヤ8の作用により、適当量
が押出機9に供給される。この時、付設された触媒投入
口11から必要に応じて触媒を添加することができる。
押出機9内部に供給された乳酸オリゴマーは、スクリュ
(図示せず)により混練されながら(回転数100rpm
以上)シリンダ内部を進む過程で、複数の加熱ユニット
10により、ゾーン(1〜11)ごとに異なる温度で加
熱され、脱アセチル化反応と重縮合反応する。この反応
過程においては、加熱による熱量のみならず、スクリュ
の混練によりポリマー相互間で発生する剪断発熱による
熱量が加わるので、実際に加えた熱量以上の熱量が供給
されることとなり、反応がより円滑に進行する。
【0019】また、この時、シリンダ内部は真空ポンプ
14により減圧されており(350mmHg以下)、その結
果、複数のベント口12を通って、酢酸等の低分子量体
が押出機9のシリンダ内部から気体として排出される。
冷却トラップ13にて回収された酢酸等の低分子量体2
3はタンク19に貯蔵される。なお、二軸スクリュ式押
出機を用いる場合、シリンダ内における原料の滞留時間
が連続運転の場合約10数分となり、十分な反応時間を
確保できない。このため、このような場合においても十
分な滞留時間(即ち、反応時間)が確保できるように、
押出機9のダイ部分16にストップバルブ17を装着
し、このストップバルブ17を閉じたり開けたりするこ
とにより、いかなる段階においても十分な原料の滞留時
間を確保することができる。
【0020】反応終了後、生成した溶融状態のポリ乳酸
はスクリュにより送り出され、スクリーン15を経て、
更にダイ16を通って押し出される。その後、ポリ乳酸
24は貯蔵タンク18に貯蔵される。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1 図1に示すようなフローの製造工程により、ポリ乳酸を
製造した。まず、D,L−乳酸(純度90%)をチタン
製の回分式反応槽に仕込み、これに等モルの無水酢酸を
添加した。次に、反応槽内を窒素ガスで置換して、12
0〜130℃に温度制御しながら、約2時間かけて乳酸
のアセチル化反応(オリゴマー化反応)を行った。得ら
れた乳酸オリゴマーのIRスペクトルを調べたところ、
1373cm-1及び1459cm-1付近の吸収が増大してい
ることが確認された。
【0023】その後、反応槽内を380〜400mmHgに
減圧しながら、副生成物である酢酸を除去した。これと
ほぼ同時に、残存した無水酢酸を除去する目的で等モル
のブタノールを添加し、両者の反応生成物である酢酸ブ
チルを反応槽外に留去した。この反応は、420〜55
0mmHgの減圧下、115℃で約1.8時間行った。な
お、反応が円滑に進行しているかどうかを確認するため
に、適宜反応液のIRスペクトルを調べたところ、反応
の進行にともない生じた酢酸エステル(1720〜17
50cm-1)や酢酸(1790cm-1)のスペクトルが、最
終的には消失していることを確認した。
【0024】次に、得られたアセチル化オリゴマー(M
w=2,200)をプレポリマーとして、押出機内部に
充満するまでの量を供給した。押出機としては、L/D
比=42、スクリュ径32mm及び同方向回転かみ合い型
の二軸スクリュ式押出機で、図1に示すように、シリン
ダの計11ゾーンのそれぞれが異なる温度に設定可能
で、かつゾーン4、7及び10に脱揮可能な3つのベン
ト口を有しているものを用いた。なお、ここでいうゾー
ンとは、シリンダの異なる位置が異なる加熱温度に設定
可能という意味でのみ用いており、各ゾーン間が区切ら
れているという意味ではない。また、その運転条件は、
スクリュ回転数が150rpm 、シリンダ温度がゾーン1
で120℃、ゾーン2〜9で170〜180℃、ゾーン
10,11で160℃であった。
【0025】その後、シリンダのゾーン1に取り付けら
れた投入口から、供給したプレポリマーに対して1.0
重量%となる量の酢酸マンガンを添加し、押出機の出口
部に装着したストップバルブを閉じた状態で、約30分
間の回分操作により、脱アセチル化反応と重縮合反応を
行った。なお、反応は、シリンダ内を200〜250mm
Hgに減圧して、反応により生成した酢酸をベント口から
除去しながら行った。その後、ストップバルブを開放
し、スクリュ回転数を200rpm に上げてポリマーを押
し出した。合計反応時間(押出機内の滞留時間も含め
て)は、約37分であった。
【0026】このようにして、ポリ乳酸(Mw=12,
800)を得た。この製造方法により、従来法(例え
ば、特公平2−52930号公報に記載の方法)におい
て同じ分子量のポリ乳酸の製造に要していた時間(18
〜20時間)と比べて、製造時間を約4分の1に短縮で
きた。
【0027】実施例2 図1に示すようなフローの製造工程により、ポリ乳酸を
製造した。まず、L−乳酸(純度90%)をチタン製の
回分式反応槽に仕込み、これに等モルの無水酢酸を添加
した。次に、反応槽内を窒素ガスで置換して、120〜
130℃に温度制御しながら、約2時間かけて乳酸のア
セチル化反応を行った。得られた乳酸オリゴマーのIR
スペクトルを調べたところ、1375cm-1及び1440
cm-1付近の吸収が増大していることが確認された。
【0028】その後、反応槽内を350〜380mmHgに
減圧しながら、副生成物である酢酸を除去した。これと
ほぼ同時に、残存した無水酢酸を除去する目的で等モル
のプロパノールを添加し、両者の反応生成物である酢酸
プロピルを反応槽外に留去した。この反応は、400〜
550mmHgの減圧下、105℃で約2.4時間行った。
なお、反応が円滑に進行しているかどうかを確認するた
めに、適宜反応液のIRスペクトルを調べたところ、反
応の進行にともない生じた酢酸エステル(1720〜1
750cm-1)や酢酸(1790cm-1)のスペクトルが、
最終的にはほとんど消失していることを確認した。
【0029】次に、得られたアセチル化オリゴマー(M
w=2,800)をプレポリマーとして、実施例1と同
様の押出機に、そのシリンダ内部に充満するまでの量を
供給した。押出機の運転条件は、スクリュ回転数が15
0rpm 、シリンダ温度が、ゾーン1で110℃、ゾーン
2〜9で160〜175℃、ゾーン10,11で150
℃であった。
【0030】その後、シリンダのゾーン1に取り付けら
れた投入口から、供給したプレポリマーに対して1.0
重量%となる量の酢酸亜鉛を添加し、押出機の出口部に
装着したストップバルブを閉じた状態で、約25分間の
回分操作により、脱アセチル化反応と重縮合反応を行っ
た。なお、反応はシリンダ内を250〜300mmHgに減
圧して、反応により生成した酢酸をベント口から除去し
ながら行った。その後、ストップバルブを開放し、スク
リュ回転数を200rpm に上げてポリマーを押し出し
た。合計反応時間(押出機内の滞留時間も含めて)は、
約30分であった。
【0031】このようにして、ポリ乳酸(Mw=13,
600)を得た。この製造方法により、従来法(例え
ば、特公平2−52930号公報に記載の方法)におい
て同じ分子量のポリ乳酸の製造に要していた時間(18
〜20時間)と比べて、製造時間を約4分の1に短縮で
きた。
【0032】実施例3 図1に示すようなフローの製造工程により、ポリ乳酸を
製造した。まず、D,L−乳酸(純度90%)をチタン
製の回分式反応槽に仕込み、これに等モルの無水酢酸を
添加した。次に、反応槽内を窒素ガスで置換して、12
0〜130℃に温度制御しながら、約2時間かけて乳酸
のアセチル化反応を行った。得られた乳酸オリゴマーの
IRスペクトルを調べたところ、1332cm-1及び14
40cm-1付近の吸収が増大していることが確認された。
【0033】その後、反応槽内を350〜400mmHgに
減圧しながら、副生成物である酢酸を除去した。これと
ほぼ同時に、残存した無水酢酸を除去する目的で等モル
のエタノールを添加し、両者の反応生成物である酢酸エ
チルを反応槽外に留去した。この反応は、400〜58
0mmHgの減圧下、100℃で約1.6時間行った。な
お、反応が円滑に進行しているかどうかを確認するため
に、適宜反応液のIRスペクトルを調べたところ、反応
の進行にともない生じた酢酸エステル(1720〜17
50cm-1)や酢酸(1790cm-1)のスペクトルが、最
終的にはほとんど消失していることを確認した。
【0034】次に、得られたアセチル化オリゴマー(M
w=2,500)をプレポリマーとして、実施例1と同
様の押出機に、そのシリンダ内部に充満するまでの量を
供給した。押出機の運転条件は、スクリュ回転数が18
0rpm 、シリンダ温度がゾーン1で110℃、ゾーン2
〜9で155〜170℃、ゾーン10,11で150℃
であった。
【0035】その後、シリンダのゾーン1に取り付けら
れた投入口から、供給したプレポリマーに対して1.0
重量%となる量の酢酸アルミニウムを添加し、押出機の
出口部に装着したストップバルブを閉じた状態で、約3
0分間の回分操作により、脱アセチル化反応と重縮合反
応を行った。なお、反応は、シリンダ内を120〜22
0mmHgに減圧して、反応により生成した酢酸をベント口
から除去しながら行った。その後、ストップバルブを開
放し、スクリュ回転数を200rpm に上げてポリマーを
押し出した。合計反応時間(押出機内の滞留時間も含め
て)は、約37分であった。
【0036】このようにして、ポリ乳酸(Mw=11,
500)を得た。この製造方法により、従来法(例え
ば、特公平2−52930号公報に記載の方法)におい
て同じ分子量のポリ乳酸の製造に要していた時間(18
〜20時間)と比べて、製造時間を約4分の1に短縮で
きた。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法は、乳酸のヒドロキシ
ル基をより反応性の高いアセチル基に置換して反応させ
るため、オリゴマー化反応及びその後の重縮合反応が、
より円滑に短時間で進行、完結される。また、スクリュ
式押出機の高い脱揮機能を利用しているため、重縮合反
応時に生じる酢酸、水等の不要物が容易にかつほぼ完全
に除去される。このため、本発明の製造方法によれば、
従来法に比べると低温かつ短時間の処理で十分となるの
で、酸化劣化や熱分解による着色、分子量低下等の不都
合のない高品質のポリ乳酸が得られる。また、不要物を
ほぼ完全に除去できるので、それにともなう収率の低下
が生じることもない。本発明の製造方法によれば、通常
の汎用消費材に要求される機械的強度を満足するMw=
10,000以上のポリ乳酸が得られる。よって、この
ポリ乳酸は、従来の医療用途に加えて、農業用途、例え
ば、苗床保護用のポットやカバーフィルム、農薬や植物
育成剤等の薬剤を含有させる徐放性坦体等の製造原料と
して、また使用後に廃棄されるような製品、例えば、缶
ホルダー、各種食品用包装材のような食品関連品、釣り
糸やゴルフのティーのようなレジャー用品などの製造原
料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
2 回分式反応槽 7 ホッパー 9 スクリュ式押出機 10 加熱ユニット 11 触媒投入口 12 ベント口 16 ダイ 17 ストップバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセチル化乳酸オリゴマーをスクリュ式
    押出機内で加熱下及び減圧下に脱アセチル化及び重縮合
    させることを特徴とするポリ乳酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 乳酸にアセチル化剤を反応させ、得られ
    たアセチル化乳酸オリゴマーをスクリュ式押出機内で加
    熱下及び減圧下に脱アセチル化及び重縮合させることを
    特徴とするポリ乳酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリ乳酸の重量平均分子量が10,00
    0〜50,000である請求項1又は2記載のポリ乳酸
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 乳酸とアセチル化剤との反応後、未反応
    のアセチル化剤及び生じた酢酸を除去するものである請
    求項2又は3記載のポリ乳酸の製造方法。
JP21552094A 1994-09-09 1994-09-09 ポリ乳酸の製造方法 Expired - Fee Related JP2850101B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21552094A JP2850101B2 (ja) 1994-09-09 1994-09-09 ポリ乳酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21552094A JP2850101B2 (ja) 1994-09-09 1994-09-09 ポリ乳酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0873573A true JPH0873573A (ja) 1996-03-19
JP2850101B2 JP2850101B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=16673782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21552094A Expired - Fee Related JP2850101B2 (ja) 1994-09-09 1994-09-09 ポリ乳酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2850101B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101665565B (zh) 2008-09-01 2012-01-04 南京工业大学 一种用卡宾衍生物催化制备聚乳酸的方法
CN101665566B (zh) 2008-09-01 2012-01-04 南京工业大学 一种利用双螺杆挤出机制备聚乳酸及其制品的方法
CN101665567B (zh) 2008-09-01 2011-11-23 南京工业大学 卡宾衍生物催化的环状化合物可调控开环聚合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2850101B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5574129A (en) Process for producing lactic acid polymers and a process for the direct production of shaped articles from lactic acid polymers
Jacobsen et al. Polylactide (PLA)—a new way of production
KR100316615B1 (ko) 지방족에스테르폴리머조성물을제조하는벌크반응성압출중합공정
US5136017A (en) Continuous lactide polymerization
JP5762957B2 (ja) ポリエステルの連続製造方法
EP0500098B1 (en) Process for the synthesis of lactic acid polymers in the solid state and products thus obtained
JP6197038B2 (ja) ポリ(2−ヒドロキシアルカン酸)およびその製造法
KR20000071024A (ko) 락티드를 중합시키는 방법
JP2821986B2 (ja) ポリ乳酸製品からラクチドを回収する方法
JP2850101B2 (ja) ポリ乳酸の製造方法
JP3513972B2 (ja) 低ラクタイド含有乳酸系ポリエステルの製造方法
Ganguly et al. Synthesis and Production of Polylactic Acid (PLA)
JPH09124778A (ja) ポリ乳酸の製造法
JPH0753686A (ja) ポリ‐ε‐カプロラクトンの製造方法及びこの方法により得られる高分子量のポリ‐ε‐カプロラクトン
JP2847617B2 (ja) 高分子量ポリ乳酸及びその成形体の製造方法
JPH11106499A (ja) 高分子量ポリ乳酸の製造方法及び製造装置
JPH08311175A (ja) ポリ乳酸の製造法
JPH09151243A (ja) ポリ乳酸の製造法
JP3024907B2 (ja) ポリ乳酸の製造方法
JPH09151242A (ja) ポリ乳酸の製造法
JP2864217B2 (ja) ポリ乳酸の製造方法
JP3458911B2 (ja) ラクタイド系共重合体の連続製造方法
JP2864218B2 (ja) ポリ乳酸共重合体の製造方法
EP1776405B1 (en) Copolymerization of 1,4-dioxan-2-one and a cyclic ester monomer producing thermal stabilized stabilized 1,4-dioxan-2-one (co) polymers
JP3270827B2 (ja) ポリ乳酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081113

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees