JPH0868308A - 内燃機関の潤滑油供給装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑油供給装置

Info

Publication number
JPH0868308A
JPH0868308A JP20564894A JP20564894A JPH0868308A JP H0868308 A JPH0868308 A JP H0868308A JP 20564894 A JP20564894 A JP 20564894A JP 20564894 A JP20564894 A JP 20564894A JP H0868308 A JPH0868308 A JP H0868308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
hydraulic pressure
control valve
switching
lubricating oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20564894A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Aoyama
俊一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP20564894A priority Critical patent/JPH0868308A/ja
Publication of JPH0868308A publication Critical patent/JPH0868308A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の潤滑油供給装置において、オイル
ジェットからの潤滑油の噴射等に影響されることなく、
吸・排気弁の開閉作動特性を適確に切換える。 【構成】 吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動して
切換える動弁切換アクチュエータ14と、オイルポンプ
5から動弁切換アクチュエータ14に導かれる油圧を運
転条件に応じて調節する動弁切換制御弁13と、オイル
ポンプ5から吐出される潤滑油を機関の各部に分配する
比率を調節する油圧供給制御弁10とを備える内燃機関
の潤滑油供給装置において、動弁切換制御弁13の作動
に連動して油圧供給制御弁10を作動させる構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の潤滑油供給
装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンの潤滑油供給装置とし
て、従来例えば図16に示すようなものがある。
【0003】これについて説明すると、定容量型オイル
ポンプ161をエンジンにより駆動し、オイルポンプ1
61から吐出する潤滑油をレギュレータバルブ162、
リリーフバルブ163、オイルフィルタ164を経てオ
イルギャラリ165に導かれる。オイルギャラリ165
は、クランクシャフトの軸受やシリンダヘッド上の動弁
系のエンジン潤滑部167と、ピストンを冷却するオイ
ルジェット168と、吸・排気弁の開閉作動特性を油圧
に応動して切換える動弁切換アクチュエータ171とに
それぞれ連通している。
【0004】図17に示すように、オイルジェット17
0はバルブ172を介してシリンダブロック173に形
成されたオイルギャラリ165に接続される。エンジン
の高回転時にオイルギャラリ165を介して導かれる油
圧が所定値を越えるとバルブ172が開弁し、オイルジ
ェット170から潤滑油をピストン174の背面に向け
て噴射し、この潤滑油によってピストン174およびシ
リンダボア等の熱を持ち去るようになっている(例え
ば、特開昭52−92037号公報、参照)。
【0005】動弁切換アクチュエータ171は、動弁切
換制御弁166を介して運転条件に応じてオイルポンプ
161の吐出圧が導かれると、この油圧に応動して吸気
弁または排気弁の開閉作動に携わるカムを選択的に切換
え、これにより吸排気のタイミングあるいは吸排気量を
制御する(例えば特開昭63−167016号公報、特
開昭63−57805号公報、参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの運転条件が低速域から高速域に移行する際に、オイ
ルジェット168に潤滑油を導入するバルブ172と、
動弁切換アクチュエータ171に作動油圧を導く動弁切
換制御弁166はそれぞれ所定の運転点で開弁作動する
ように設定されているが、両者がほとんど同時に開弁す
る可能性がある。この場合、オイルジェット170から
の大量の潤滑油の噴射が開始されると、油圧を保つレギ
ュレータバルブ162の閉弁作動が遅れ、オイルポンプ
161の吐出圧が一時的に低下するため、動弁切換制御
弁166がほとんど同時に開弁すると、動弁切換アクチ
ュエータ171に導かれる油圧はすぐに上昇せず、カム
の切換作動が所定の運転点より遅れて行われ、トルク段
差が生じて運転者に不快感を与える可能性がある。
【0007】本発明は上記の問題点に着目し、内燃機関
の潤滑油供給装置において、オイルジェットからの潤滑
油の噴射等に影響されることなく、吸・排気弁のリフト
特性を適確に切換えることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動して切換える動
弁切換アクチュエータと、オイルポンプから動弁切換ア
クチュエータに導かれる油圧を運転条件に応じて調節す
る動弁切換制御弁と、オイルポンプから吐出される潤滑
油を機関の各部に分配する比率を調節する油圧供給制御
弁とを備える内燃機関の潤滑油供給装置において、動弁
切換制御弁の作動後に連動して油圧供給制御弁を作動さ
せる制御手段を備える。
【0009】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動して切換え
る動弁切換アクチュエータと、オイルポンプから動弁切
換アクチュエータに導かれる油圧を運転条件に応じて調
節する電磁式の動弁切換制御弁と、オイルポンプから吐
出される潤滑油を機関の各部に分配する比率を調節する
電磁式の油圧供給制御弁と、運転条件に応じて動弁切換
制御弁を作動させ、かつ動弁切換制御弁を作動させてか
ら遅れ時間が経過した後に油圧供給制御弁を作動させる
制御手段とを備える。
【0010】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動して切換え
る動弁切換アクチュエータと、オイルポンプから動弁切
換アクチュエータに導かれる油圧を運転条件に応じて調
節する電磁式の動弁切換制御弁と、オイルポンプから吐
出される潤滑油を機関の各部に分配する比率を調節する
電磁式の油圧供給制御弁と、オイルポンプの吐出圧を検
出する手段と、運転条件に応じて動弁切換制御弁を作動
させ、かつ動弁切換制御弁を作動に伴ってオイルポンプ
の吐出圧が変動した後に油圧供給制御弁を作動させる制
御手段とを備える。
【0011】請求項4記載の発明は、吸・排気弁の開閉
作動特性を油圧に応動して切換える動弁切換アクチュエ
ータと、オイルポンプから動弁切換アクチュエータに導
かれる油圧を運転条件に応じて調節する動弁切換制御弁
と、オイルポンプから吐出される潤滑油を機関の各部に
分配する比率を調節する油圧供給制御弁とを備える内燃
機関の潤滑油供給装置において、油圧供給制御弁を動弁
切換制御弁から動弁切換アクチュエータに導かれる油圧
をパイロット油圧として切換作動する構成とし、油圧供
給制御弁が作動する設定油圧を、動弁切換アクチュエー
タの作動する設定油圧より高く設定する。
【0012】
【作用】請求項1記載の内燃機関の潤滑油供給装置は、
動弁切換制御弁の作動後に連動して油圧供給制御弁が作
動することにより、一つの運転条件判定結果に基づいて
動弁切換アクチュエータと油圧供給制御弁の各作動切換
えを統合して制御することが可能となり、制御系の簡素
化がはかれるとともに、潤滑油供給系の高機能化、高性
能化がはかれる。
【0013】油圧供給制御弁の作動によりオイルポンプ
の吐出圧が一時的に増減する前に動弁切換制御弁が作動
するため、動弁切換アクチュエータの切換作動が所定の
運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者に不快感を
与えることを防止できる。
【0014】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、動弁切換制御弁を作動させてから遅れ時間が経過し
た後に油圧供給制御弁を作動させることにより、一つの
運転条件判定結果に基づいて動弁切換アクチュエータと
油圧供給制御弁の各作動切換えを統合して制御すること
が可能となり、制御系の簡素化がはかれるとともに、潤
滑油供給系の高機能化、高性能化がはかれる。
【0015】油圧供給制御弁の作動によりオイルポンプ
の吐出圧が一時的に増減する前に動弁切換制御弁が作動
するため、動弁切換アクチュエータの切換作動が所定の
運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者に不快感を
与えることを防止できる。
【0016】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、動弁切換制御弁を作動に伴ってオイルポンプの吐出
圧が変動した後に油圧供給制御弁を作動させることによ
り、一つの運転条件判定結果に基づいて動弁切換アクチ
ュエータと油圧供給制御弁の各作動切換えを統合して制
御することが可能となり、制御系の簡素化がはかれると
ともに、潤滑油供給系の高機能化、高性能化がはかれ
る。
【0017】油圧供給制御弁の作動によりオイルポンプ
の吐出圧が一時的に増減する前に動弁切換制御弁が作動
するため、動弁切換アクチュエータの切換作動が所定の
運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者に不快感を
与えることを防止できる。
【0018】このように、オイルポンプの吐出圧の検出
値に基づいて動弁切換アクチュエータの切換作動が終了
したかどうかを判定して油圧供給制御弁を作動させるこ
とにより、動弁切換アクチュエータの切換作動に対して
油圧供給制御弁の作動が遅れる時間を最小限に抑えられ
る。
【0019】請求項4記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、油圧供給制御弁を動弁切換制御弁から動弁切換アク
チュエータに導かれる油圧をパイロット油圧として切換
作動する構成とし、油圧供給制御弁が作動する設定油圧
を、動弁切換アクチュエータの作動する設定油圧より高
く設定したため、動弁切換制御弁の作動によって動弁切
換アクチュエータに導かれる油圧が上昇する場合、動弁
切換アクチュエータの切換作動に連動して油圧供給制御
弁が作動することになり、油圧供給制御弁の作動により
オイルポンプの吐出圧が一時的に増減する前に動弁切換
制御弁が作動するため、動弁切換アクチュエータの切換
作動が所定の運転点で行われ、トルク段差が生じて運転
者に不快感を与えることを防止できる。
【0020】動弁切換制御弁の作動によって動弁切換ア
クチュエータに導かれる油圧が低下する場合、動弁切換
アクチュエータが切換作動するより先に油圧供給制御弁
の作動することになり、油圧供給制御弁の作動時にオイ
ルポンプの吐出圧が一時的に上昇する間に動弁切換アク
チュエータの作動が遅れてトルク段差が生じる可能性が
あるが、このトルク段差が発生トルクの小さい低回転域
で生じる場合、高速域で生じるトルク段差に比べて小さ
く、運転者に不快感を与える心配はほとんどない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0022】図1に示すように、定容量型オイルポンプ
5はエンジン2により駆動され、オイルパン18から吸
い上げた潤滑油を第一オイル供給通路11、第二オイル
供給通路12を通してエンジン各部に供給する。
【0023】また、オイルポンプ5の吐出側に接続され
るリリーフ弁6は、オイルポンプ5の吐出圧が所定値を
越えて上昇すると開弁して、吐出圧を所定値以下に抑え
る働きをする。
【0024】オイルポンプ5の吐出側に油圧供給制御弁
10を介して接続される第二オイル供給通路12は、オ
イルジェット9に連通するとともに、オリフィス3を介
してクランクシャフトの軸受8に連通する。
【0025】油圧供給制御弁10は、図2に示すよう
に、リターンスプリング101を介して閉弁方向に付勢
されるスプール弁102と、スプール弁102をリター
ンスプリング101に抗して駆動する電磁アクチュエー
タ103を備える。電磁アクチュエータ103の非通電
時は図2に示すようにリターンスプリング101の付勢
力により第二オイル供給通路12を閉塞するボジション
に保持され、電磁アクチュエータ103の通電時は図3
に示すようにリターンスプリング101の付勢力に抗し
て第二オイル供給通路12を開通するボジションに保持
される。
【0026】図4に示すように、オイルジェット9はシ
リンダブロック105に形成された第二オイル供給通路
12に接続される。第二オイル供給通路12を介して導
かれる潤滑油をピストン107の背面に向けて噴射し、
この潤滑油によってピストン107およびシリンダボア
等の熱を持ち去るようになっている。なお、オイルジェ
ット9からの潤滑油の噴射は、油圧供給制御弁10のみ
によって制御され、前記従来装置のように各気筒毎に所
定の開弁圧を持つバルブ等を設ける必要がない。
【0027】一方、第一オイル供給通路11はオリフィ
ス1を介して動弁系7に連通し、オリフィス2を介して
クランクシャフトの軸受8に連通するとともに、動弁切
換制御弁13を介して動弁切換アクチュエータ14に連
通する。
【0028】図1に示す動弁切換アクチュエータ14
は、図5に示すバルブリフト調整機構40とバルブタイ
ミング調整機構70で構成される。
【0029】以下、バルブリフト調整機構40について
説明する。各気筒には2本の吸気弁89に対応して単一
のメインロッカアーム81が設けられる。メインロッカ
アーム81の基端は各気筒に共通なメインロッカシャフ
ト83を介してシリンダヘッド69に揺動自在に支持さ
れ、メインロッカアーム81の先端には各吸気弁89の
ステム頂部を当接させるアジャストスクリュ90がナッ
ト91を介して締結される。
【0030】メインロッカアーム81にはシャフト93
にニードルベアリングを介してローラ94が回転自在に
連結され、このローラ94に低速カム21を転接させる
ようになっている。
【0031】メインロッカアーム81は平面図上ほぼ矩
形に形成され、メインロッカアーム81にはローラ94
と並んでサブロッカアーム82が設けられる。このサブ
ロッカアーム82の基端はサブロッカシャフト96を介
してメインロッカアーム81に相対回転可能に連結され
る。サブロッカシャフト96はサブロッカアーム82に
形成された穴97に摺動可能に嵌合する一方、各メイン
ロッカアーム81に形成された穴98に圧入されてい
る。
【0032】サブロッカアーム82は吸気弁89に当接
する部位を持たず、その先端には高速カム22に摺接す
るカムフォロア部23が円弧状に突出して形成され、そ
の下側にはこのカムフォロア部23を高速カム22に押
し付けるロストモーションスプリング25が介装され
る。
【0033】メインロッカアーム81にはサブロッカア
ーム82の直下に位置してロストモーションスプリング
25を介装する円柱状の凹部26が一体形成される。コ
イル状のロストモーションスプリング25の下端は凹部
26の底面26aに着座し、その上端は凹部26に摺動
自在に嵌合するリテーナ27を介してサブロッカアーム
82に一体形成されたフォロア部28に当接する。
【0034】低速カム21と高速カム22はそれぞれ共
通のカムシャフト72に一体形成され、エンジンの低回
転時と高回転時において要求されるバルブリフト特性を
満足するように異なる形状(大きさが異なる相似形も含
む)に形成されている。この実施例では、図7に示すよ
うに、高速カム22は低速カム21と比べ、バルブリフ
ト量と開弁期間を共に大きくしたプロフィールを有して
いる。ここでは、バルブリフト量、開弁期間を共に大き
くしてある。なお、排気弁を駆動するカムのリフト量を
1、高速カム22のリフト量をh3、低速カム21のリ
フト量をh2とすると、h3>h1>h2の関係を持ってい
る。
【0035】両ロッカアーム81,82の相対回転を係
止可能とする連結駆動手段として、メインロッカアーム
81とサブロッカアーム82に渡ってプランジャ33,
31,34が摺動自在に嵌合され、プランジャ33の背
後に第一オイル供給通路11が接続される一方、プラン
ジャ34の背後にリターンスプリング38が介装され
る。
【0036】第一オイル供給通路11から導かれる作動
油圧が低いと、リターンスプリング38の付勢力により
プランジャ33,31がサブロッカアーム82とメイン
ロッカアーム81にそれぞれ収まって両者の揺動を拘束
しない。一方、第一オイル供給通路11から導かれる作
動油圧が上昇すると、プランジャ33,31がリターン
スプリング38を圧縮しながら摺動して、メインロッカ
アーム81とサブロッカアーム82に渡って嵌合するこ
とにより両者が一体となって揺動する。
【0037】第一オイル供給通路11はメインロッカア
ーム81およびメインロッカシャフト83の内部を通し
て設けられる。第一オイル供給通路11には、動弁切換
制御弁13を構成する電磁切換弁45を介してオイルポ
ンプ5の吐出油圧が所定の高回転時に導かれる。
【0038】次に、バルブタイミング調整機構70につ
いて説明する。バルブタイミング調整機構70はカムシ
ャフト72とカムプーリ71の間に設けられ、運転条件
に応じて両者の位相角度を変えて吸気弁89の開閉時期
を変えるようになっている。カムプーリ71はタイミン
グベルト66を介してクランクシャフト(図示せず)か
らの回転力が伝達される。
【0039】カムシャフト72の端部は筒形のインナハ
ウジング65がボルト64を介して締結される。インナ
ハウジング65の外周に回転可能に嵌合する筒形のアウ
タハウジング63が設けられ、アウタハウジング63に
カムプーリ71が一体形成される。
【0040】インナハウジング65とアウタハウジング
63の間にはリング状のヘリカルギア73が介装され
る。ヘリカルギア73の内外周にヘリカルスプラインが
それぞれ形成され、各ヘリカルスプラインがインナハウ
ジング65の外周とアウタハウジング63の内周と噛合
い、ヘリカルギア73がリターンスプリング74に抗し
て軸方向に移動するのに伴いアウタハウジング63に対
してインナハウジング65が相対回転し、カムプーリ7
1に対するカムシャフト72の回転方向の位相角が変化
する。
【0041】インナハウジング65とアウタハウジング
63とヘリカルギア73の間には油圧室75が画成され
る。油圧室75に導かれる油圧力が所定値を越えて上昇
すると、ヘリカルギア73が所期位置からリターンスプ
リング74に抗して図中右方向に移動することにより、
カムシャフト72は吸気弁89の開閉時期を進角させる
方向に回転するようになっている。
【0042】これにより、ヘリカルギア73が初期位置
にあるときは、図7に実線で示すように、吸気弁89の
開閉時期が遅れ、ヘリカルギア73が最大に変位したと
きは、図7に破線で示すように、吸気弁89の開閉時期
が進められる。
【0043】油圧室75はカムシャフト72の内部に形
成された軸孔78と、シンダヘッド69に形成されたオ
イルギャラリ59と、オリフィス77と、シリンダブロ
ック68に形成されて第一オイル供給通路11を構成す
るメインギャラリ58を介してオイルポンプ5からの吐
出油圧が導入される。
【0044】動弁切換制御弁13として、カムシャフト
72の他端にはエンジン運転条件に応じて開閉制御され
る電磁切換弁79が設けられる。電磁切換弁79は非通
電時に図のように軸孔78を開いて油圧室75に導かれ
る油圧を低下させ、通電時に軸孔78を閉塞して油圧室
75に導かれる油圧を高めるようになっている。
【0045】バルブリフト調整機構40とバルブタイミ
ング調整機構70および油圧供給制御弁10の制御手段
として、電磁切換弁45と電磁切換弁79および油圧供
給制御弁10の通電を制御するコントロールユニット5
1が設けられる。
【0046】コントロールユニット51は、エンジン回
転信号、エンジン負荷信号、冷却水温信号をはじめ、潤
滑油の温度信号、過給機による吸気の過給圧力信号等を
入力して、これらの検出値に基づいてエンジントルクの
急激な変動(トルク段差)を抑えつつ、バルブリフト特
性の切換えを円滑に行うようになっている。
【0047】図8に示すように、コントロールユニット
51は、低回転低負荷時に吸気弁89の開閉時期を遅ら
せるとともに、低速カム21を介して吸気弁89のリフ
ト量を小さくし、低回転高負荷時に吸気弁89の開閉時
期を進ませるとともに、低速カム21を介して吸気弁8
9のリフト量を小さくし、高回転時に吸気弁89の開閉
時期を遅らせるとともに、高速カム22を介して吸気弁
89のリフト量を大きくするようにバルブタイミング調
整機構70とバルブリフト調整機構40を駆動する。
【0048】上記構成に基づき、低回転低負荷時にバル
ブタイミング調整機構70を介して吸気弁の開閉時期を
遅らせるとともに、バルブリフト調整機構40を介して
吸気弁89のリフト量を小さくして、バルブオーバラッ
プを小さくすることにより、排気ポートからシリンダへ
の排気の吹き返しを抑えられ、残留ガス率を低下させて
燃焼を安定させ、アイドル安定性を高められるととも
に、燃費の低減がはかれる。
【0049】低回転高負荷時にバルブタイミング調整機
構70を介して吸気弁89の開閉時期を進ませることに
より、シリンダに吸入された混合気が吸入行程の下死点
付近で吸気ポートに吐き出されることを抑制して、吸気
充填効率を高められる。このとき、バルブリフト調整機
構を介して吸気弁のリフト量を小さくすることにより、
バルブオーバラップが大きくなり過ぎることを回避し、
残留ガスを低下させ、発生トルクを高められる。
【0050】高回転時にバルブタイミング調整機構70
を介して吸気弁89の開閉時期を遅らせるとともに、バ
ルブリフト調整機構40を介して吸気弁89のリフト量
を大きくすることにより、吸気の慣性過給効果を利用し
て吸気充填効率を高められる。しかも、バルブオーバラ
ップを大きくすることにより、排気管内に生じる負圧波
により排気の掃気効果が得られ、排気の押し出し損失を
低減して出力向上がはかれる。すなわち、排気行程の後
半は排気管を移動する排気ガスにより負圧が生じるとと
もに、オーバラップ期間中は吸気流がシリンダ内に流入
することにより、排気ガスの掃気効果を高められる。
【0051】コントロールユニット51は、吸気弁89
のバルブリフト特性を切換える運転時に、バルブタイミ
ング調整機構70とバルブリフト調整機構40を時間差
を持って切換え作動させて、切換え時に生じるエンジン
のトルク段差を緩和する。
【0052】コントロールユニット51は、低回転低負
荷時から高回転時に移行する運転条件で、先にバルブリ
フト調整機構40の電磁切換弁45をOFFからONに
切換えた後、バルブタイミング調整機構70の電磁切換
弁79をOFFからONに切換える。そして、高回転時
から低回転低負荷時に移行する運転条件で、先にバルブ
タイミング調整機構70の電磁切換弁79をONからO
FFに切換えた後、バルブリフト調整機構40の電磁切
換弁45をONからOFFに切換える。
【0053】さらに、コントロールユニット51は、動
弁切換アクチュエータ14を構成するバルブリフト調整
機構40の作動に連動させて、油圧供給制御弁10を作
動させる。すなわち、低回転時にバルブリフト調整機構
40を介して吸気弁89のリフト量を小さくするととも
に、油圧供給制御弁10を閉弁させてオイルジェット9
からの潤滑油の噴射を停止する。高回転時にバルブリフ
ト調整機構40を介して吸気弁89のリフト量を大きく
するとともに、油圧供給制御弁10を開弁させてオイル
ジェット9から潤滑油を噴射する。
【0054】上記構成に基づき、図9に示すように、低
回転時にオイルジェット9から潤滑油が噴射が停止され
ることにより、ピストン36の過冷却が防止される。ま
た、潤滑油がクランクシャフトの軸受8に対してオリフ
ィス2のみを介して供給されることにより、軸受8に介
在する潤滑油の温度を高く保ち、フリクションの低減が
はかれる。
【0055】高回転時にオイルジェット9から潤滑油が
噴射されることにより、ピストン36の冷却が行われ
る。また、潤滑油がクランクシャフトの軸受8に対して
オリフィス2とオリフィス3の両方を介して供給される
ことにより、軸受8が過熱されることを防止する。
【0056】動弁切換アクチュエータ14の作動に連動
させて、油圧供給制御弁10を作動させることにより、
一つの運転条件判定結果に基づいて動弁切換アクチュエ
ータ14と油圧供給制御弁10の各作動切換えを統合し
て制御することが可能となり、コントロールユニット5
1における制御動作の簡素化がはかれるとともに、潤滑
油供給系の高機能化、高性能化が可能となる。
【0057】ところで、低速域から高速域に移行する際
に、オイルジェット9からの大量の潤滑油の噴射が開始
されると、油圧を保つリリーフ弁6の閉弁作動が遅れ、
オイルポンプ5の吐出圧が一時的に低下する。このた
め、低速域から高速域に移行する際に、電磁切換弁45
の閉弁作動と、油圧供給制御弁10の開弁作動が同時に
行われた場合、オイルポンプ5の吐出圧が一時的に低下
することにより、バルブリフト調整機構40の作動が所
定の運転点より遅れて行われ、トルク段差が生じて運転
者に不快感を与える可能性がある。
【0058】また、高速域から低速域に移行する際に、
オイルジェット9から大量の潤滑油の噴射が停止される
と、油圧を保つリリーフ弁6の開弁作動が遅れ、オイル
ポンプ5の吐出圧が一時的に上昇する。このため、高速
域から低速域に移行する際に、電磁切換弁45の開弁作
動と、油圧供給制御弁10の閉弁作動が同時に行われた
場合、オイルポンプ5の吐出圧が一時的に上昇すること
により、バルブリフト調整機構40の作動が所定の運転
点より遅れて行われ、トルク段差が生じて運転者に不快
感を与える可能性がある。ただし、この高速域から低速
域への移行時に生じるトルク段差は、発生トルクが小さ
い低回転域で生じるため、低速域から高速域への移行時
に生じるトルク段差に比べて小さい。
【0059】これに対処して、バルブリフト調整機構4
0とバルブタイミング調整機構70で構成される動弁切
換アクチュエータ14の作動が完了するまでの間、油圧
供給制御弁10を作動させないようにするため、コント
ロールユニット51はバルブリフト調整機構40の電磁
切換弁45とバルブタイミング調整機構70の電磁切換
弁79で構成される動弁切換制御弁13のON・OFF
が指令された後に、所定の遅れ時間Δt(例えば0.5
秒)が経過した後に、油圧供給制御弁10のON・OF
Fを指令する制御を行う。
【0060】図10のフローチャートはコントロールユ
ニット51において実行される動弁切換制御弁13を作
動させてから遅れ時間が経過した後に油圧供給制御弁1
0を作動させる制御プログラムを示しており、これは一
定周期毎に実行される。
【0061】まず、ステップA1でエンジン回転数、冷
却水温、エンジン負荷等の信号を入力する。続いてステ
ップA2に進んで、動弁切換制御弁13並びに油圧供給
制御弁10の切換え条件が成立するかどうかを判定す
る。
【0062】エンジンの冷却水温が所定より高い暖機後
は、エンジン回転数が所定値を越えて上昇すると動弁切
換制御弁13並びに油圧供給制御弁10の切換える構成
とする。
【0063】なお、エンジンの冷却水温が所定以下の冷
間時は、エンジン回転数にかかわらず動弁切換制御弁1
3並びに油圧供給制御弁10の切換えを行わず、油圧供
給制御弁10も閉弁した状態を維持する構成とし、オイ
ルジェット9からの潤滑油の噴射が停止される。
【0064】切換え条件が成立した場合、ステップA3
に進んで動弁切換制御弁13のON・OFFを指令す
る。
【0065】続いて、ステップA4に進んで所定の遅れ
時間Δt(例えば0.5秒)が経過するかどうかを判定
する。
【0066】遅れ時間Δtが経過した場合、ステップA
5に進んで油圧供給制御弁10のON・OFFを指令す
る。
【0067】このようにして、低速域から高速域に移行
する際に、動弁切換制御弁13が閉弁作動してから遅れ
時間Δtが経過した後に、油圧供給制御弁10が開弁作
動する。遅れ時間Δtが経過する間に動弁切換アクチュ
エータ14の切換作動が終了するため、油圧供給制御弁
10が閉弁作動時にオイルポンプ5の吐出圧が一時的に
低下しても、これに影響されることなく動弁切換アクチ
ュエータ14の切換作動が所定の運転点で行われ、トル
ク段差が生じて運転者に不快感を与えることを防止でき
る。
【0068】また、高速域から低速域に移行する際に、
動弁切換制御弁13が開弁作動してから遅れ時間Δtが
経過した後に、油圧供給制御弁10が閉弁作動する。遅
れ時間Δtが経過する間に動弁切換アクチュエータ14
の切換作動が終了するため、油圧供給制御弁10が閉弁
作動時にオイルポンプ5の吐出圧が一時的に上昇して
も、これに影響されることなく動弁切換アクチュエータ
14の切換作動が所定の運転点で行われ、トルク段差が
生じて運転者に不快感を与えることを防止できる。
【0069】次に、図11に示す他の実施例について説
明する。なお、図1との対応部分には同一符号を用いて
説明する。
【0070】動弁切換制御弁13と動弁切換アクチュエ
ータ14を結ぶ第一オイル供給通路11の油圧Pvを検
知する油圧センサ15が備えられる。
【0071】コントロールユニット51は動弁切換制御
弁13のON・OFFが指令された後に、油圧センサ1
5によって検知される油圧Pvが所定値を越えて増減す
ることが判定された後に、油圧供給制御弁10のON・
OFFを指令する制御を行う。
【0072】図12のフローチャートはコントロールユ
ニット51において実行される動弁切換制御弁13を作
動させてから遅れ時間が経過した後に油圧供給制御弁1
0を作動させる制御プログラムを示しており、これは一
定周期毎に実行される。
【0073】まず、ステップB1でエンジン回転数、冷
却水温、エンジン負荷等の信号を入力する。続いてステ
ップB2に進んで、動弁切換制御弁13並びに油圧供給
制御弁10の切換え条件が成立するかどうかを判定す
る。
【0074】切換え条件が成立した場合、ステップB3
に進んで動弁切換制御弁13のON・OFFを指令す
る。
【0075】続いて、ステップB4に進んで油圧センサ
15よって検知される油圧Pvが所定値Pv1またはP
v2を越えて増減するかどうかを判定する。
【0076】油圧Pvが所定値Pv1またはPv2を越
えて増減したことが判定された場合、ステップB5に進
んで油圧供給制御弁10のON・OFFを指令する。
【0077】低速域から高速域に移行する際に、動弁切
換制御弁13が閉弁作動しても、動弁切換アクチュエー
タ14の切換作動が行われている間は油圧Pvが上昇せ
ず、動弁切換アクチュエータ14が切換作動が終了する
と、油圧Pvが所定値Pv1を越えて上昇する。
【0078】したがって、低速域から高速域に移行する
際に、動弁切換制御弁13が閉弁作動してから動弁切換
アクチュエータ14に導かれる油圧Pvが所定値Pv1
を越えて上昇してから、油圧供給制御弁10が開弁作動
することにより、油圧供給制御弁10の閉弁作動時にオ
イルポンプ5の吐出圧が一時的に低下しても、これに影
響されることなく動弁切換アクチュエータ14の切換作
動が所定の運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者
に不快感を与えることを防止できる。
【0079】また、高速域から低速域に移行する際に、
動弁切換制御弁13が開弁作動しても、動弁切換アクチ
ュエータ14の切換作動が行われている間は油圧Pvが
低下せず、動弁切換アクチュエータ14が切換作動が終
了すると、油圧Pvが所定値Pv2を越えて低下する。
【0080】したがって、低速域から高速域に移行する
際に、動弁切換制御弁13が開弁作動してから動弁切換
アクチュエータ14に導かれる油圧Pvが所定値Pv2
を越えて低下してから、油圧供給制御弁10が閉弁作動
することにより、油圧供給制御弁10の開弁作動時にオ
イルポンプ5の吐出圧が一時的に上昇しても、これに影
響されることなく動弁切換アクチュエータ14の切換作
動が所定の運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者
に不快感を与えることを防止できる。
【0081】このようにして、動弁切換アクチュエータ
14に導かれる油圧Pvを検知して、動弁切換アクチュ
エータ14の切換作動が終了したかどうかを判定するこ
とにより、動弁切換アクチュエータ14の切換作動に対
して油圧供給制御弁10の開閉作動が遅れる時間を最小
限に抑えられる。
【0082】次に、図13に示す他の実施例は、第二オ
イル供給通路12を開閉する油圧供給制御弁16をパイ
ロット圧に応動して開閉作動する構造とするものであ
る。なお、図1との対応部分には同一符号を用いて説明
する。
【0083】油圧供給制御弁16は、図14に示すよう
に、リターンスプリング101を介して閉弁方向に付勢
されるスプール弁102と、スプール弁102をリター
ンスプリング101に抗して駆動する油圧室105を備
える。
【0084】油圧供給制御弁16の油圧室105と、第
一オイル供給通路11の動弁切換制御弁13と動弁切換
アクチュエータ14間を結ぶパイロット圧通路17が配
設される。
【0085】油圧供給制御弁16が作動するパイロット
圧は、動弁切換アクチュエータ13が作動する油圧より
高く設定される。
【0086】低速域では、油圧室105に導かれるパイ
ロット圧が所定値以下に保たれ、図14に示すように、
リターンスプリング101の付勢力により第二オイル供
給通路12を閉塞するボジションに保持される。
【0087】低速域から高速域に移行する際に、動弁切
換制御弁13が閉弁作動してから動弁切換アクチュエー
タ14の切換え作動が終了した後に、動弁切換アクチュ
エータ14に導かれる油圧が所定値を越えて上昇する
と、図15に示すように、リターンスプリング101の
付勢力に抗して第二オイル供給通路12を開通するボジ
ションに切換えられる。
【0088】したがって、低速域から高速域に移行する
際に、油圧供給制御弁10の開弁作動時にオイルポンプ
5の吐出圧が一時的に上昇しても、これに影響されるこ
となく動弁切換アクチュエータ14の切換作動が所定の
運転点で行われ、トルク段差が生じて運転者に不快感を
与えることを防止できる。
【0089】高速域から低速域に移行する際に、動弁切
換制御弁13が開弁作動して動弁切換アクチュエータ1
4に導かれる油圧が所定値を越えて低下すると、まず油
圧供給制御弁16がリターンスプリング101の付勢力
によって第二オイル供給通路12を閉塞するボジション
に切換えられた後、動弁切換アクチュエータ14の切換
作動が行われる。
【0090】このように、高速域から低速域に移行する
際に、油圧供給制御弁16が先に閉弁し、オイルジェッ
ト9から大量の潤滑油の噴射が停止されると、油圧を保
つリリーフ弁6の開弁作動が遅れ、オイルポンプ5の吐
出圧が一時的に上昇するため、動弁切換アクチュエータ
14の作動が遅れてトルク段差が生じる可能性がある
が、この高速域から低速域への移行時に生じるトルク段
差は、発生トルクが小さい低回転域で生じるため、低速
域から高速域への移行時に生じるトルク段差に比べて小
さく、運転者に不快感を与える心配はほとんどない。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の内燃
機関の潤滑油供給装置は、動弁切換制御弁の作動後に連
動して油圧供給制御弁が作動する制御手段を備えるた
め、制御系の簡素化がはかれるとともに、潤滑油供給系
の高機能化、高性能化が可能となる。油圧供給制御弁の
作動によりオイルポンプの吐出圧が一時的に増減する前
に動弁切換制御弁が作動することにより、例えばオイル
ジェットからの潤滑油の噴射等に影響されることなく、
動弁切換アクチュエータの切換作動が行われるタイミン
グ精度を高め、切換え時に生じるエンジンのトルク段差
を解消し、運転者に不快感を与えることを防止できる。
【0092】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、動弁切換制御弁を作動させてから遅れ時間が経過し
た後に油圧供給制御弁を作動させる制御手段を備えるた
め、制御系の簡素化がはかれるとともに、潤滑油供給系
の高機能化、高性能化が可能となる。油圧供給制御弁の
作動によりオイルポンプの吐出圧が一時的に増減する前
に動弁切換制御弁が作動することにより、例えばオイル
ジェットからの潤滑油の噴射等に影響されることなく、
動弁切換アクチュエータの切換作動が行われるタイミン
グ精度を高め、切換え時に生じるエンジンのトルク段差
を解消し、運転者に不快感を与えることを防止できる。
【0093】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、動弁切換制御弁を作動に伴ってオイルポンプの吐出
圧が変動した後に油圧供給制御弁を作動させる制御手段
を備えるため、制御系の簡素化がはかれるとともに、潤
滑油供給系の高機能化、高性能化が可能となる。油圧供
給制御弁の作動によりオイルポンプの吐出圧が一時的に
増減する前に動弁切換制御弁が作動するため、動弁切換
アクチュエータの切換作動に対して油圧供給制御弁の作
動が遅れる時間を最小限に抑えつつ、動弁切換アクチュ
エータの切換作動が行われるタイミング精度を高め、切
換え時に生じるエンジンのトルク段差を解消し、運転者
に不快感を与えることを防止できる。
【0094】請求項4記載の内燃機関の潤滑油供給装置
は、油圧供給制御弁を動弁切換制御弁から動弁切換アク
チュエータに導かれる油圧をパイロット油圧として切換
作動する構成とし、油圧供給制御弁が作動する設定油圧
を、動弁切換アクチュエータの作動する設定油圧より高
く設定したため、動弁切換制御弁の作動によって動弁切
換アクチュエータに導かれる油圧が上昇する場合、動弁
切換アクチュエータの切換作動に連動して油圧供給制御
弁が作動することになり、油圧供給制御弁の作動により
オイルポンプの吐出圧が一時的に増減する前に動弁切換
制御弁が作動する。このため、例えばオイルジェットか
らの潤滑油の噴射等に影響されることなく、動弁切換ア
クチュエータの切換作動が所定の運転点で行われ、トル
ク段差が生じて運転者に不快感を与えることを防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す潤滑油供給システム図。
【図2】同じく油圧供給制御弁の断面図。
【図3】同じく油圧供給制御弁の断面図。
【図4】同じくオイルジェット等を示す断面図。
【図5】同じく機械的構成図。
【図6】同じく図5のX−X線に沿う断面図。
【図7】同じくバルブリフト特性の切換え特性図。
【図8】同じくバルブリフト特性を切換える制御内容を
示す特性図。
【図9】同じくエンジン各部への給油量とエンジン回転
数の関係を示す特性図。
【図10】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図11】他の実施例を示す潤滑油供給システム図。
【図12】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図13】さらに他の実施例を示す潤滑油供給システム
図。
【図14】同じく油圧供給制御弁の断面図。
【図15】同じく油圧供給制御弁の断面図。
【図16】従来例を示す潤滑油供給システム図。
【図17】同じくオイルジェット等を示す断面図。
【符号の説明】
5 オイルポンプ 7 動弁系の潤滑部 8 クランクシャフトの軸受 9 オイルジェット 10 油圧供給制御弁 11 第一オイル供給通路 12 第二オイル供給通路 13 動弁切換制御弁 14 動弁切換アクチュエータ 15 油圧センサ 16 油圧供給制御弁 40 バルブリフト調整機構 45 電磁切換弁 51 コントロールユニット 70 バルブタイミング調整機構 79 電磁切換弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動し
    て切換える動弁切換アクチュエータと、 オイルポンプから動弁切換アクチュエータに導かれる油
    圧を運転条件に応じて調節する動弁切換制御弁と、 オイルポンプから吐出される潤滑油を機関の各部に分配
    する比率を調節する油圧供給制御弁と、 を備える内燃機関の潤滑油供給装置において、 動弁切換制御弁の作動後に連動して油圧供給制御弁を作
    動させる制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の
    潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動し
    て切換える動弁切換アクチュエータと、 オイルポンプから動弁切換アクチュエータに導かれる油
    圧を運転条件に応じて調節する電磁式の動弁切換制御弁
    と、 オイルポンプから吐出される潤滑油を機関の各部に分配
    する比率を調節する電磁式の油圧供給制御弁と、 運転条件に応じて動弁切換制御弁を作動させ、かつ動弁
    切換制御弁を作動させてから遅れ時間が経過した後に油
    圧供給制御弁を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑油供給装置。
  3. 【請求項3】吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動し
    て切換える動弁切換アクチュエータと、 オイルポンプから動弁切換アクチュエータに導かれる油
    圧を運転条件に応じて調節する電磁式の動弁切換制御弁
    と、 オイルポンプから吐出される潤滑油を機関の各部に分配
    する比率を調節する電磁式の油圧供給制御弁と、 オイルポンプの吐出圧を検出する手段と、 運転条件に応じて動弁切換制御弁を作動させ、かつ動弁
    切換制御弁を作動に伴ってオイルポンプの吐出圧が変動
    した後に油圧供給制御弁を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑油供給装置。
  4. 【請求項4】吸・排気弁の開閉作動特性を油圧に応動し
    て切換える動弁切換アクチュエータと、 オイルポンプから動弁切換アクチュエータに導かれる油
    圧を運転条件に応じて調節する動弁切換制御弁と、 オイルポンプから吐出される潤滑油を機関の各部に分配
    する比率を調節する油圧供給制御弁と、 を備える内燃機関の潤滑油供給装置において、 油圧供給制御弁を動弁切換制御弁から動弁切換アクチュ
    エータに導かれる油圧をパイロット油圧として切換作動
    する構成とし、 油圧供給制御弁が作動する設定油圧を、動弁切換アクチ
    ュエータの作動する設定油圧より高く設定したことを特
    徴とする内燃機関の潤滑油供給装置。
JP20564894A 1994-08-30 1994-08-30 内燃機関の潤滑油供給装置 Pending JPH0868308A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20564894A JPH0868308A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 内燃機関の潤滑油供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20564894A JPH0868308A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 内燃機関の潤滑油供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0868308A true JPH0868308A (ja) 1996-03-12

Family

ID=16510379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20564894A Pending JPH0868308A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 内燃機関の潤滑油供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0868308A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100552742B1 (ko) * 2003-10-29 2006-02-20 현대자동차주식회사 디젤 엔진 차량의 윤활 시스템
JP2011163146A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Ntn Corp エンジンの潤滑装置
JP2012145003A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2012219806A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Aisin Seiki Co Ltd 油圧制御装置
JP2015045288A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
JP2018071430A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 マツダ株式会社 可変バルブタイミング機構付エンジンの制御装置
WO2020067034A1 (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 いすゞ自動車株式会社 内燃機関のオイル供給装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100552742B1 (ko) * 2003-10-29 2006-02-20 현대자동차주식회사 디젤 엔진 차량의 윤활 시스템
JP2011163146A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Ntn Corp エンジンの潤滑装置
JP2012145003A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2012219806A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Aisin Seiki Co Ltd 油圧制御装置
JP2015045288A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
JP2018071430A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 マツダ株式会社 可変バルブタイミング機構付エンジンの制御装置
WO2020067034A1 (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 いすゞ自動車株式会社 内燃機関のオイル供給装置
CN112771252A (zh) * 2018-09-25 2021-05-07 五十铃自动车株式会社 内燃机的供油装置
CN112771252B (zh) * 2018-09-25 2022-07-19 五十铃自动车株式会社 内燃机的供油装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1234958B1 (en) A method of and apparatus for controlling quantity of air drawn into internal combustion engine
US20030127063A1 (en) Continually variable valve timing, lift, and duration for internal combustion engine
JPH0868308A (ja) 内燃機関の潤滑油供給装置
JPH08177434A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3876087B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3123373B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3550428B2 (ja) ミラーサイクルエンジン用吸気弁の開閉制御装置
JP3123377B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3094762B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2770654B2 (ja) 内燃機関の吸・排気弁作動装置
JPH08177433A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3940527B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3889063B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP3518005B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2888075B2 (ja) エンジンの可変動弁装置
JP3909299B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP3294287B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH07217417A (ja) エンジンの可変バルブ切り換え制御装置
JP4632636B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2522207Y2 (ja) エンジンの可変動弁装置
JPH089363Y2 (ja) エンジンの油圧コントロール装置
JPH02221612A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JPH08319848A (ja) エンジンの動弁装置
JPH0338404B2 (ja)
JPH06307217A (ja) 内燃機関の弁装置