JPH086652Y2 - 車両のブレーキディスク取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、車両のブレーキディスク取付構造に関す
る。

b.従来の技術 第４図〜第６図は従来の車両のブレーキディスク取付
構造を示すものである。

この従来の構造では、アクスルシャフト（図示せず）
に取付けられたホイールハブ50にハブボルト51を外側に
突出させ、該ハブボルトをブレーキディスク52の孔52a
に挿通させ、さらに、ハブボルト51にホイール53をハブ
ナット54を用いて固定するようにしている。

また、この構造では、ブレーキディスク52に、ボルト
51を挿通する雌ネジ孔52aとは別に、別のボルト55を挿
通するための雌ネジ孔52bを形成している。

ところで、上記従来の構造では、長期間使用される
と、ブレーキディスク52とホイールハブ50間に錆が生じ
てブレーキディスク52がホイールハブ50に固着してしま
う場合があった。このような場合には、ブレーキディス
ク52をホイールハブ50から取外すことが困難になった。
このため、ブレーキディスク52に予備に予め雌ネジ孔52
bを形成しておき、別の小型のボルト55を雌ネジ孔52bに
螺合せしめて、ホイールハブ50を押圧させ、これによっ
て、ブレーキディスク52をホイールハブ50から強制的に
離間させるようにしている。

c.考案が解決しようとする課題 ところで、従来のブレーキディスク取付構造では、ブ
レーキディスク52に設けた雌ネジ孔52aは、ホイール53
が取付けられると外部から隠れるが、雌ネジ孔52bの方
は常に外部に露呈され、見栄えが悪い上に、雌ネジ孔52
bを設ける加工工程を要するため、車両の製造コストを
上昇させる一因となっていた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、外部か
らの見栄えが良く、しかも車両の製造コストの低減を図
ることができる車両のブレーキディスク取付構造を提供
することを目的とする。

d.課題を解決するための手段 本考案では、上記目的を達成するために、ホイールハ
ブにホイールをハブボルトを用いて取付けるようにした
車両のホイールディスク取付構造において、上記ハブボ
ルトを挿通する挿通雌ネジ孔を上記ブレーキディスクに
設け、かつ、該挿通雌ネジ孔を上記ハブボルトよりも大
径に形成した構成としている。

e.実施例 以下、本考案に係る車両のブレーキディスク取付構造
の一実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説
明する。

第１図〜第３図は、本考案の一実施例を示すものであ
る。

本実施例のブレーキドラム取付構造は、車両のアクス
ルシャフト部１に支承されたホイールハブ２にブレーキ
ドラム３およびホイール４を取付けたものである。

すなわち、ブレーキドラム３は、複数のブレーキドラ
ム取付孔3aと複数のハブボルト挿通雌ネジ孔3bを有す
る。ブレーキドラム３は、ネジ５をドラム取付孔3aに挿
通させてホイールハブ２に形成されたブレーキドラム固
定用雌ネジ2aに締結されることにより、ホイールハブ２
に取付け固定される。

また、ハブボルト６をホイール４に形成されたホイー
ル取付孔4aおよびブレーキドラム３のハブボルト挿通雌
ネジ孔3bに挿通させてホイールハブ２に形成されたホイ
ール固定用雌ネジ孔2bに締結させることにより、ホイー
ルハブ２に取付け固定される。

次に、ブレーキドラム３の取外しについて説明する。

本実施例では、ボルト5,6を外し、ホイール４も外し
た後、第３図に示すように、ブレーキディスク３の雌ネ
ジ孔3bに対応する径を有する別の大径ボルト７を雌ネジ
孔3bに締結させている。このまま、大径ボルト７をさら
に回してその先端部7aでホイールハブ２の端面2cを押圧
させる。すると、ブレーキドラム３は、ホイールハブ２
から強制的に離間させられる。これにより、長時間使用
したためにブレーキドラム３が錆付いてホイールハブ２
に固着していても、該ブレーキドラム３の取外しを容易
に行なうことができる。

また、本実施例では、上記雌ネジ孔3bがホイール４を
ホイールハブ２に固定するためのハブボルト６の挿通孔
としても使用しているので、従来のように、ブレーキド
ラム３を取外すためにのみ使用する特別な孔を予め形成
する必要が無くなった。

なお、上記実施例では、ブレーキドラムについて説明
したが、本考案は、ブレーキディスクである場合につい
ても勿論適用することができる。

f.考案の効果 以上説明したように、本考案に係る車両のブレーキデ
ィスク取付構造によれば、ホイールハブにホイールをハ
ブボルトを用いて取付けたものにおいて、上記ハブボル
トを挿通する挿通雌ネジ孔を上記ブレーキディスクに設
け、かつ該挿通雌ネジ孔を上記ハブボルトよりも大径に
形成した構成としているので、上記ブレーキディスクを
外す際に、大径のボルトを上記挿通雌ネジ孔に螺合させ
て上記ホイールハブを押圧させることにより上記ブレー
キディスク上記ホイールハブより容易に離間させること
ができるので、従来のような通常使用しない予備の孔を
別個に設ける必要が無くなった。

このため、この別個に設ける孔の加工工程も不要とな
り、製造コストの低減を図ることができる。また、ホイ
ールがホイールハブに取付けられた状態では、ブレーキ
ディスクの挿通雌ネジ孔が上記ハブボルトによって外部
から隠されるので、外観上もすっきりし、見栄えも良い
等の工業上有用な効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案に係る車両のブレーキドラム取
付構造の一実施例を示し、第１図はその縦断面概念図、
第２図はその要部の縦断面図、第３図はそのブレーキデ
ィスクを取外す際の様子を示す要部縦断面図、第４図〜
第６図は従来のブレーキディスク取付構造を示し、第４
図はその要部を示す縦断面、第５図はそのブレーキディ
スクを示す図、第６図はそのブレーキディスクを外す際
の様子を示す要部縦断面図である。 １……アクスルシャフト部、２……ホイールハブ、2a,2
b……雌ネジ孔、３……ブレーキドラム、3a……ブレー
キドラム取付孔、3b……ハブボルト挿通雌ネジ孔、４…
…ホイール、５……ボルト、６……ハブボルト、７……
大径ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホイールハブにホイールをハブボルトを用
   いて取付けるようにした車両のホイールディスク取付構
   造において、上記ハブボルトを挿通する挿通雌ネジ孔を
   上記ブレーキディスクに設け、かつ、該挿通雌ネジ孔を
   上記ハブボルトよりも大径に形成したことを特徴とする
   車両のブレーキディスク取付構造。