JPH0866251A - 収納トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】２種類の形状の収納トレーを、必要に応じて形
成して使い分ける。 【構成】前方に鏡板２１ａを備え、かつ上方及び後方に
開口したトレー本体２１と、このトレー本体２１内の少
なくとも後部に着脱可能に設けられて後方への開口を閉
塞する仕切部材２２とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、書類等を収納したり仕
分けするために用いられる収納トレーに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の収納トレーは、書類を収
納したり保管しておく保管用と、書類を一時的に収納す
るための仕分け用としての２種類のものがある。保管用
の収納トレーは上面にのみ開口を有する箱形のもので、
収納された書類が離散し難い形状にしてある。一方、仕
分け用の収納トレーは上面と前面とに開口を有する後部
にのみ壁を有する箱形のもので、収納してある書類を前
面の開口よりスライド移動させて取り出せる形状にして
ある。収納トレーとしては、このような２種類のものを
用途に応じて使い分けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、保管用の収
納トレーと仕分け用の収納トレーとは全く別個のものと
して製造されている。また、使用にあたっても、保管用
と仕分け用とをそれぞれ用意して用途に応じて使い別け
ているのが一般的である。このような現状において、そ
れぞれのトレーが単機能つまり保管か仕分けに限られて
いるので、どちらかに過不足が生じた場合、その一方の
トレーが過剰になったり新たに購入しなければならない
ものがでてくる。

【０００４】このような状況に鑑みて、収納トレーの鏡
板部を係合機構を介して書類を実質的に収納するトレー
本体部分に着脱可能な構造として、保管用の収納トレー
を仕分け用の収納トレーと共用するものが提案されてい
る。しかしながら、このような係合機構を介してトレー
本体部分に鏡板部を取り付けるものでは、鏡板部を取り
去った状態でトレー本体部分の正面部分を見た場合、ト
レー本体部分に係合機構の一部が露出し、商品としての
完成度に欠け外観を悪くしていた。

【０００５】また、鏡板部を取り外して使用する場合、
鏡板部の大きさから考えてトレー本体部分に保管するこ
とは比較的難しく、通常はトレー本体部分とは離れた場
所に保管することになる。このように鏡板部の保管場所
がトレー本体より離れていると、収納トレーに戻す際に
その保管場所を忘れてしまえば、捜さなければならない
ことが起こり得る。さらには、その保管場所が思い出せ
なければ、その鏡板部分のみを新たに購入する必要が出
てくる。

【０００６】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る収納トレーは、前方に鏡板
を備え、かつ上方及び後方に開口したトレー本体と、こ
のトレー本体内の少なくとも後部に着脱可能に設けられ
て後方への開口を閉塞する仕切部材とを備えてなること
を特徴とするものである。

【０００８】不使用の仕切部材の離散を防止するには、
トレー本体が、後部の取着位置から抜脱された仕切部材
を着脱可能に鏡板の内面に当接又は近接して収納し得る
ように構成することが好ましい。

【０００９】

【作用】このような構成のものであれば、収納トレー
は、仕切部材をトレー本体の後部に取り付けた形態と取
り付けていない形態とを採ることができる。つまり、収
納トレーは、仕切部材の有無により、トレー本体の後方
に開口のあるものと開口の閉塞された箱状のものとを形
成することができる。このことは、後方に開口の閉塞さ
れた形状のものをトレー本体の本来開口のない前方を前
にして保管用として使用することを可能にしており、ま
たトレー本体の後方の開口を前にして仕分け用として使
用することを可能にしている。したがって、保管用の収
納トレーと仕分け用の収納トレーとを、使用時の要求に
より設定できるので、２種類の収納トレーを準備する必
要がなくなる。しかも、仕切部材を、トレーし本体の後
部に着脱可能に設けることにより、トレー本体の後端部
分には仕切部材を設けるために係合機構が露出すること
がなく、仕分け用のトレーとする場合であっても、その
前部分の形状は間に合わせ的なものとはならず製品価値
を向上させる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を書類整理庫に適用
した場合を、図１〜５を参照して説明する。

【００１１】図１に示す書類整理庫は、開口部１ａを有
する家具本体１と、この開口部１ａに装脱可能に挿入し
た収納トレー２とを具備してなる。家具本体１は、例え
ば板金製で、前面に開口部１ａを有する直方体形状をし
ており、幅方向の中央には隔壁１ｂが設けられている。
隔壁１ｂの両面とそれぞれの対向する内側面には、滑り
のよい合成樹脂製のレール１ｃが取り付けられている。
レール１ｃは、平板に等間隔で垂直に取り付けられた所
定幅の帯状の平板からなり、収納トレー２の高さ寸法よ
り若干大きな間隔をあけて上下方向に連続して配設され
ている。このレール１ｃを含む家具本体１の構造は、こ
の分野で広く知られているものを適用するものであって
よい。

【００１２】収納トレー２は、前方に鏡板２１ａを備
え、かつ上方及び後方に開口したトレー本体２１と、こ
のトレー本体２１内の少なくとも後部に着脱可能に設け
られて後方への開口を閉塞する仕切部材２２とを備えて
なる。トレー本体２１は、例えば合成樹脂製で、名札差
しＮＰを備える鏡板２１ａと、鏡板２１ａの下縁から後
方に延長される底板２１ｂと、底板２１ｂの左右に立設
される側板２１ｃとを備えて、一体成形したもので、底
面形状は前後とも同一形状にしてある。底板２１ｂは、
その後端部分に、側板２１ｃの後端近傍位置でなだらか
に後方に持ち上がり、側板２１ｃの後端位置で下方に垂
下する***部２１ｄが形成されている。この底板２１ｂ
の大きさは、収納する用紙の大きさに合わせて設定すれ
ばよく、例えばＡ４判の用紙の場合では、鏡板２１ａの
直後から後端の***部２１ｄまでをその用紙の縦の寸法
と略同一にしている。また、底板２１ｂには、鏡板２１
ａと平行な方向の一直線上に例えば３個の貫通孔２１ｅ
を一組として、その複数組が所定の間隔をあけて穿設さ
れている。貫通孔２１ｅは、少なくとも鏡板２１ａの後
側近傍と***部２１の前側近傍とに穿設されるものであ
り、鏡板２１ａの後方においては、後述の仕切部材２２
が鏡板２１ａの背面に密着し得る位置に、また***部２
１ｄの前方においては、仕切板部材２２の水平片部２２
ａが前側に位置して***部２１ｄの前縁に垂直片部２２
ｂの下縁が接するような位置に、それぞれ設けるもので
ある。しかも、この貫通孔２１ｅは、仕切部材２２の取
付用孔であり、図５に示すように、底板２１ｂの底面側
で円錐台形状（テーパ形状）にえぐれており、後述する
仕切部材２２の係合突起２２ｃとの係合が強固になるよ
うにしてある。

【００１３】仕切部材２２は、例えば合成樹脂製の側面
視Ｌ字形状のアングル材を基本としており、その水平片
部２２ａの前縁下面に、係合突起２２ｃが一体に成形さ
れており、水平片部２２ａの後縁からは垂直上方に垂直
片部２２ｂが形成されている。垂直片部２２ｂの高さ
は、仕切部材２２がトレー本体２１の底板２１ｂに取り
付けられた際に、側板２１ｃの上縁から突出しない寸法
に設定してある。係合突起２２ｃは、その前面側を貫通
孔２１ｅの形状に合わせて円錐台形をして、仕切部材２
２の前縁から突出した状態に形成されている。このよう
な係合突起２２ｃと貫通孔２１ｅであるので、仕切部材
２２は、図４に示すように、前向きにも後ろ向きにも底
板２１ｂに装着することができる。

【００１４】このような構成において、保管用として収
納トレー２を設定する場合は、図２に示すように、仕切
部材２２を底板２１ｂの後端近傍に取り付け、後方の開
口部分を閉塞して上方にのみ開口を有する通常の収納ト
レーの形状にする。仕切部材２２は、図５に示すよう
に、係合突起２２ｃを、トレー本体２１の底板２１ｂの
最も後端に近い位置に設けられた貫通孔２１ｅに、貫通
孔２１ｅを回転中心と見なして仕切部材２２を回転する
ようにして挿入して取り付ける。取り付けられた仕切部
材２２は、その水平片部２２ａを底板２１ｂに密着させ
た状態で、その前縁の係合突起２２ｃが貫通孔２１ｅに
おいてテーパ係合しているので、位置ずれを起こすこと
なく底板２１ｂの***部２１ｄ後方の開口を閉塞する。
しかも、仕切部材２２は最も後端に近い貫通孔２１ｅ
に、その垂直片部２２ｂを後方に位置させて取り付けら
れるので、底板２１ｂの大きさすなわち奥行き内法は収
納する用紙の大きさに一致しているものとなる。こうし
て形成された収納トレー型の収納トレー２は、家具本体
１に鏡板２１ａを手前にして、***部２１ｄの形成され
た後方から先に家具本体１の開口部１ａに挿入されて、
家具本体１内に収容される。このように箱形とした収納
トレー２の内部をさらに細かく仕切る場合には、図４に
示すように、別途仕切部材２２を準備し、所望箇所に対
応する貫通孔２１ｅに上記同様に係合突起２２ｃを係合
させて、仕切部材２２を底板２１ｂに取り付ければよ
い。

【００１５】一方、仕分け用として収納トレー２を設定
する場合は、トレー本体２１の後方に仕切部材２２が取
り付けてない状態にして使用する。すなわち、それまで
保管用として収納トレー２を使用していた場合には、ま
ずトレー本体２１の後方に取り付けてある仕切部材２２
を取り外す。取り外した仕切部材２２は、そのトレー本
体２１に収納した状態で保管することが、次に保管用と
して収納トレー２を使用する場合に便利であるので、鏡
板２１ａの背面に仕切部材２２の垂直片部２２ｂを密着
させて装着しておく。そして、トレー本体２１の後方の
開口部分に仕切部材２２が取り付けてない状態で、トレ
ー本体２１の底板２１ｂの***部２１ｄを手前にして、
鏡板２１ａ側からトレー本体２１を家具本体１の開口部
１ａに挿入する。このように開口部１ａに挿入された収
納トレー２は、***部２１ｄのある後方を前にして家具
本体１に装着されるので、その前面部分に開口を有する
ものとなる。

【００１６】このように、トレー本体２１と仕切部材２
２との組み合わせにより、前面に開口を有していない保
管用としての収納トレー２と、前面部分に開口を有する
仕分け用としての収納トレー２を使い分けることができ
る。また、仕切部材２２は、トレー本体２１の底板２１
ｂに設けた貫通孔２１ｅを使用して取り付けるので、仕
分け用として収納トレー２を使用する場合でも、前面部
分に開口を閉塞するために必要な仕切部材２２の取付部
分が露出することがなく、外観は専用の仕分けトレーを
使用するものと全く差がなく、商品価値を低下させるこ
とがない。しかも、仕切部材２２をトレー本体２１の後
方の開口を閉塞する部材として使用しない場合にも、仕
切部材２２はトレー本体２１の鏡板２１ａの背面に密着
して取り付けておくことができるので、保管に場所をと
らず、かつ１か所にまとめておくことができ、離散を防
止して使い勝手を向上させることができる。

【００１７】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではなく、例えば、仕切部材は、トレー本体
２１の側板２１ｃより高さの低い帯状の平板からなるも
のであってもよく、この場合には、トレー本体２１の左
右の側板２１ｃの対向する面に、平行で、かつその平板
の厚みと略同一の距離離れた平行な２条の突条からなる
案内部を形成し、その案内部で仕切部材の両側縁を支持
するように構成してもよい。

【００１８】加えて、収納トレー２は、書類保管庫に適
用されるに限られるものではなく、例えば、図６に示す
ような机本体１０１の袖において、複数段の引出しとし
て用いるものであってもよい。この場合、複数段ある引
出しのいくつかを、メモ用紙や定型の用紙等比較的使用
頻度の高い用紙を収納する引出しとして、収納トレー２
を仕分け用の使用形態に設定して、後部の開口を前方に
して袖にセットし、残りを保管用の使用形態に設定して
袖にセットすればよい。このように、収納トレー２を収
納する用紙の性格にあわせて設定することにより、使用
頻度の高い用紙は引出しをあけることなく取り出すこと
ができ、また重要な用紙にあっては落下を抑制して確実
に保管することができる。また、図７に示すように、コ
ピーその他のＯＡ機器を収容する筐体２０１と一体にし
てもよい。さらには、収納トレー２は、図８に示すよう
に、机本体３０１の上に載置して単独で用いてもよく、
この場合も、仕切部材２２にて後方の開口部を閉塞して
保管用として用いてもよく、またトレー本体２１の後方
に仕切部材２２が取り付けてない状態にして仕分け用と
して用いてもよい。

【００１９】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、収納
トレーを上方及び後方に開口したトレー本体とトレー本
体の後方への開口を閉塞する着脱が可能な仕切部材とを
備えるものであるので、トレー本体の形状が１種類であ
るにもかかわらず２種類の収納トレーを形成することが
でき、用途に応じて収納トレーを保管用と仕分け用とに
使い分けることができる。しかも、収納トレーの製造に
おいて、１種類しか作成しないので金型にかかる費用を
節約でき、それにより製造コストを低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を書類保管庫に適用した場合
を示す斜視図。

【図２】同実施例の保管用としての収納トレーの分解斜
視図。

【図３】同実施例の仕分け用としての収納トレーの分解
斜視図。

【図４】同実施例の仕切部材の取付状態を示す一部破砕
断面図。

【図５】同実施例の係合突起と貫通孔との係合状態を示
す要部断面図。

【図６】同実施例を机の袖に適用した場合を示す斜視
図。

【図７】同実施例をＯＡ機器と一体の筐体に適用した場
合を示す斜視図。

【図８】同実施例を単独で机上で使用する場合を示す斜
視図。

【符号の説明】

２…収納トレー ２１…トレー本体 ２１ａ…鏡板 ２２…仕切部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前方に鏡板を備え、かつ上方及び後方に開
   口したトレー本体と、このトレー本体内の少なくとも後
   部に着脱可能に設けられて後方への開口を閉塞する仕切
   部材とを備えてなることを特徴とする収納トレー。
2. 【請求項２】トレー本体が、後部の取着位置から抜脱さ
   れた仕切部材を着脱可能に鏡板の内面に当接又は近接し
   て収納し得るようにしてなることを特徴とする請求項１
   記載の収納トレー。