JP4647125B2 - 棚板上部の収納構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、棚板上部に左右方向に延在するレール部を形成し、前方と上方が開口する箱状の収納体を前記レール部に摺動自在に設けた棚板上部の収納構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
キャビネットや本箱等の収納具に設けた棚板上部に、例えばCDディスクやフロッピーディスク等のマルチメデア類を収納するための収納体を摺動自在に設けた棚板上部の収納構造として、従来、図7に示したものが知られていた。
【0003】
図7はキャビネットの棚上に収納体を2個摺動自在に載置した棚板上部の収納構造の部分斜視図であって、01はキャビネット側板、02は棚板であり、この棚板02の上部に2個の樹脂製の収納体03と04がレール部05及びレール部06にそれぞれ摺動自在に載置されている。レール部05,06はいずれも2本のレール05aと05b及び06aと06bで構成され、それぞれの収納体03,04の底面に形成したレール受け部03a、04aと係合して摺動部を構成している。
【0004】
収納体03,04は前方と上方が開口する箱状のケースであって、収納空間部に、例えばCDディスクやフロッピーディスク等のマルチメデア類を収納する。収納体03は、予め決められた位置に取り付けた仕切り体03bにより収納空間が仕切られ、収納空間が適宜分割されている。そして、この仕切り体03bが収納体の数カ所の位置に取り付けられるように構成して、収納物の種類等に応じて使用者が利用しやすいようになったものも知られている。このように棚板02上の空間に2列の収納体03,04を摺動自在に配置して、後列側の収納体04も収納物を取り出し易くして小物類を効率よく収納している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の収納構造体は、収納体の材質がプラスチックの如き樹脂製のものであると、少しの外力に対してもねじれが生じやすく、レール上を走行している収納体が収納物の積載重量の影響や、摺動時における収納体の移動方向がレールの長手方向に対するずれること等により、収納体にねじれ変形が生じてレール上を円滑に滑動しなくなることがあった。
【0006】
また、仕切り体の位置に関しても、従来のものは、予め決められた位置にしか設置することができず、使用者が満足する仕分けが必ずしも実現されていたとは言えなかった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、樹脂製収納体のねじれ変形を極力抑え、収納体がレール上を円滑に滑動できるようにし、かつ使用者の希望する収容空間が得られるように任意の位置に仕切り体を設置可能な棚板上部の収納構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の棚板上部の収納構造は、棚板上部に左右方向に延在するレール部を形成し、前方と上方が開口する箱状の収納体を前記レール部に摺動自在に設けた棚板上部の収納構造であって、前記収納体は樹脂で構成され、その底面及び背面の収納側には、底面が前後方向に、背面が上下方向に延びる連続した溝条が略前記両面全面に亘って形成され、前記溝条の適所に該溝条と係合可能な仕切り体を設け、前記底面に形成した各溝条に貫通孔が形成され、前記仕切り体の下端縁に形成した突出部が前記貫通孔に嵌入していることを特徴としている。
この特徴によれば、底面及び後面に連続した溝条が全面に亘って形成されているから、収納体の剛性が高まり、小さな外力で収納体がすぐに変形することはなく、収納体がレール上を円滑に滑動できる、しかも溝条を利用して仕切り体を設置するから、収納空間の仕分けは容易に設定或いは変更できると共に、仕切り体をより安定して溝条に設置できる。
【0010】
本発明の棚板上部の収納構造は、前記レール部を複数のレールで構成することが好ましい。
このようにすれば、収納体が複数のレールに沿って滑動できるから、その移動はより安定する。
【0011】
本発明の棚板上部の収納構造は、前記収納体の前記レール部と対向する底面側に滑動体を止着することが好ましい。
このようにすれば、滑動体により収納体の滑りがより円滑になる。
【0012】
本発明の棚板上部の収納構造は、前記レール部を前記棚板上部に複数形成することが好ましい。
このようにすれば、レール部が増え収納量が増大する。
【0013】
本発明の棚板上部の収納構造は、前記レール部に複数の収納体を配置することが好ましい。
このようにすれば、棚板上部に取り出し及び収納に関し効率の良い収納空間が構築される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明が適用されるキャビネットの棚上に収納体を4個摺動自在に載置した棚板上部の収納構造の部分斜視図、図2は収納体の斜視図、図3(a)は収納体の平面図、(b)はその側面図、(c)はその背面斜視図、図4(a)は滑動体の底面図、(b)はその正面図、図5は仕切り体の斜視図である。
【0016】
図1において、10はキャビネットの側板であり棚板12を支持している。棚板12の上部には2本のレール14aと14bから成るレール部14と、同じく2本のレール16aと16bから成るレール部16が配設されており、レール部14には収納体18と20が、レール部16には収納体22と24が摺動自在に装架されている。各収納体18〜24にはそれぞれ底面と背面に溝条18c〜24cが設けられ、収納体内部は仕切り体28が前記溝条の一つに嵌入されている。
【0017】
図2に収納体24の斜視図が示されており、この収納体24は前方と上方が開口した箱状の樹脂製ケースであって、他の収納体18,20,22と同じ構造であるが、仕切り体は装着されていないものが示されている。収納体24の底面24aと背面24bには連続した溝条24cが底面及び背面全体に亘って狭い間隔で形成されいる。収納体24の側板25の底部にはレール16a、16bを受け入れる切欠き25aが形成されている。
【0018】
収納体24の詳細について図3により更に説明すると、図3(b)には底面24a及び背面24bに形成されたリブ24c’の形状が示されており、溝条24cは2つの突出したリブ24c’の間に挟まれた部分で構成されている。また、底面24a上の各溝条24cの一部には図3(a)と(c)に示すように、底面を貫く貫通孔24dが形成されいて、後述する仕切り体の嵌入部として機能する。従って、溝条24cの幅は仕切り体が挿入され保持できる程度の長さを有している。一方、底面24a上の溝条24cのレール部16a、16bと対向する部分の4箇所には、図3(a)に示すように、1対の滑動体取付け孔24eが形成されている。
【0019】
滑動体26は、図4に示すように1対の係止爪26aを有し、前述の収納体24の1対の滑動体取付け孔24eに係合する。また、滑動体26の前記係止爪26aを挟んで対向する突起部26bは、周囲がリブで形成された孔P(図3c)に嵌合されて滑動体26の抜けを防止している。滑動体26の頭部26cは、図1に示したレール16a、16bと対接している。本実施例においては、このように1本のレールに対して2個の滑動体26が取り付けられているが、レールや滑動体の数は各種の変更が可能であり、例えば、1本のレール上に1個の滑動体を備えた収納体を摺動させるようにしたものであってもよい。
【0020】
仕切り体28は、図5に示すように収納体24の底面24aと背面24bに形成した溝条24c(図2)に挿入係止される仕切り本体28aと、収納体24の底面24aを貫く貫通孔24dに嵌合する下端縁に形成した突出部28bとで構成されている。
この仕切り体28は溝条24cのどれにも挿入係合させることができるので、収納空間の仕分けは容易に設定或いは変更できる。
【0021】
図6は2つのレール部30,32に5つの収納体34,35,36.37及び38を摺動自在に装架した棚板上部の収納構造の使用例を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。収納体34,35はレール部30に、収納体36,37,38はレール部32にそれぞれ摺動自在に装架され、図6(b)に示されているように、収納体35,38(残りの収納体についても同じである。)の底部切り欠35c、38cはL字状レール30a、30b、32a、32bの突出部30a’,30b’,32a’,32b’を受け入れている。前列にある収納体34,35は収納物をすぐに取り出せるが、後列に配置されている収納体36,37,38は前列の収納体34,35を適宜摺動させて、後列の取り出し空間を作って取り出すようにする。
【0022】
以上述べたように本実施例では、2本のレール部に5つの収納体を載せた例を示したが、取り出し可能な配列であれば、レール部の数やレール部に載せる収納体の数には特段の制限はない。また、キャビネット内の棚板上部の収納構造について述べたが、本発明でいう棚板とは、キャビネット用に限らず、本箱の棚板とか天板、あるいは机の天板の如き物を乗せる載置板部分であれば全て含むものである。
【0023】
このように本発明は、収納体の底面及び背面には多数の溝条が形成されているので、収納体自身の剛性が増し、外力に対するねじれ変更が抑制され、収納体の円滑な摺動が確保されるとともに、任意の位置に仕切り体を設置できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0025】
(a)請求項1項の発明によれば、底面及び後面に連続した溝条が全面に亘って形成されているから、収納体の剛性が高まり、小さな外力で収納体がすぐに変形することはなく、収納体がレール上を円滑に滑動できる、しかも溝条を利用して仕切り体を設置するから、収納空間の仕分けは容易に設定或いは変更できると共に、仕切り体をより安定して溝条に設置できる。
【0027】
(b)請求項2項の発明によれば、収納体が複数のレールに沿って滑動できるから、その移動はより安定する。
【0028】
(c)請求項3項の発明によれば、滑動体により収納体の滑りがより円滑になる。
【0029】
(d)請求項4項の発明によれば、レール部が増え収納量が増大する。
【0030】
(e)請求項5項の発明によれば、棚板上部に取り出し及び収納に関し効率の良い収納空間が構築される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるキャビネットの棚板上部の収納構造の部分斜視図である。
【図2】本発明の収納体の斜視図である。
【図3】(a)は本発明の収納体の平面図、(b)はその側面図、(c)はその背面斜視図である。
【図4】(a)は本発明の滑動体の底面図、(b)は図(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明の仕切り体の斜視図である。
【図6】2つのレール部に5つの収納体を摺動自在に装架した棚板上部の収納構造の使用例を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】キャビネットの棚上に収納体を2個摺動自在に載置した従来の棚板上部の収納構造の部分斜視図である。
【符号の説明】
10 キャビネット
12 天板
14 レール部
14a,14b レール
16 レール部
16a,16b レール
18,20,22 収納体
18c〜24c 溝条
24 収納体
24a 底面
24b 背面
24c 溝条
24c’ リブ
24d 貫通孔
24e 滑動体取付け孔
25 側板
25a 切欠き
26 滑動体
26a 係止爪
26b 突起部
26c 頭部
28 仕切り体
28a 本体
28b 突出部
30 レール部
30a,30b L字状レール
30a’,30b’ 突出部
32 レール部
32a,32b L字状レール
32a’,32b’ 突出部
34,35,36, 収納体
37,38
35c、38c 底部切欠き
Claims (5)
- 棚板上部に左右方向に延在するレール部を形成し、前方と上方が開口する箱状の収納体を前記レール部に摺動自在に設けた棚板上部の収納構造であって、前記収納体は樹脂で構成され、その底面及び背面の収納側には、底面が前後方向に、背面が上下方向に延びる連続した溝条が略前記両面全面に亘って形成され、前記溝条の適所に該溝条と係合可能な仕切り体を設け、前記底面に形成した各溝条に貫通孔が形成され、前記仕切り体の下端縁に形成した突出部が前記貫通孔に嵌入していることを特徴とする棚板上部の収納構造。
- 前記レール部を複数のレールで構成した請求項1に記載の棚板上部の収納構造。
- 前記収納体の前記レール部と対向する底面側に滑動体を止着した請求項1または2に記載の棚板上部の収納構造。
- 前記レール部を前記棚板上部に複数形成した請求項1ないし3のいずれかに記載の棚板上部の収納構造。
- 前記レール部に複数の収納体を配置した請求項1ないし4のいずれかに記載の棚板上部の収納構造。
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