JPH0866079A - 3相交流電動機の駆動方法及び装置 - Google Patents

3相交流電動機の駆動方法及び装置

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JPH0866079A
JPH0866079A JP6211704A JP21170494A JPH0866079A JP H0866079 A JPH0866079 A JP H0866079A JP 6211704 A JP6211704 A JP 6211704A JP 21170494 A JP21170494 A JP 21170494A JP H0866079 A JPH0866079 A JP H0866079A
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JP
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phase
switching signal
pwm
pulse width
signal
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Application number
JP6211704A
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English (en)
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Tounei Chiyou
東寧 張
Shinji Aranaka
新二 新中
Hideki Fukazawa
英樹 深澤
Masamichi Furukawa
正通 古川
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NIKKI DENSO SYST KENKYUSHO KK
Original Assignee
NIKKI DENSO SYST KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流電力を交流電力に変換して3相交流電動
機を駆動する3相PWM制御において、新たな制御方式
の採用や制御方法の変更をソフトウエア部分の変更のみ
で対応し、ハードウエア部分の変更を要しない。 【構成】 単一のマイクロプロセッサからなる制御手段
4は、第1制御部7において、外部からのトルク指令に
基づいて電圧指令を決定し、かつ第2制御部8におい
て、この電圧指令に基づいてPWMインバータ2に印加
するべきスイッチング信号のパルス幅及び位置を決定す
る。PWMパルス信号発生回路3は、第2制御部により
決定されたパルス幅及び位置に基づいてスイッチング信
号を生成する。電圧指令及びスイッチング信号のパルス
幅・位置は、制御手段のメモリに記憶されたプログラム
及びデータに従ってディジタル制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば3相誘導電動
機、3相同期電動機などの3相交流電動機を可変速制御
するために、PWM制御により3相交流電動機を駆動す
るための技術に関し、特に3相PWM信号を発生させる
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ACサーボモータとして使用
される3相誘導電動機及び3相同期電動機などの3相交
流電動機の可変速制御には、正確かつ高速な制御を実現
するために、PWM(パルス幅変調)インバータを用い
た制御方式が一般に使用されている。PWMインバータ
は、それを構成する正側及び負側スイッチング素子を交
互にオンオフ制御することによって、直流電力を交流電
力に変換して電動機に供給する。図6には、所謂ベクト
ル制御により3相誘導電動機(IM)のトルク制御を行
なうための従来のPWMインバータの構成が概略的に示
されている。
【0003】PWMインバータ2は、電動機1と直流電
源5との間に3相ブリッジ状に接続された6個のスイッ
チング素子6a〜6fを有する。前記各スイッチング素
子は、それぞれ1個のパワートランジスタとダイオード
とから構成され、かつ前記各トランジスタがPWM信号
発生手段21により駆動可能に接続されている。PWM
信号発生手段21には、電動機1のトルクを制御するた
めの制御手段22が接続されている。制御手段22に
は、PWMインバータ2から電動機1に出力されるU相
実電流値iu及びW相実電流値iwをそれぞれ測定する
電流センサ9、10と速度または位置検出器11が接続
されている。
【0004】制御手段22は、外部から入力するトルク
指令値τ*に電流センサ9、10から入力する電動機1
のU相及びW相の実電流値iu、iw、並びに場合によ
って電動機1の速度ωをフィードバック制御して、電動
機1に印加すべき3相電圧指令Vu*、Vv*及びVw
*を出力する。PWM信号発生手段21は、制御手段2
2から入力した電圧信号Vu*、Vv*、Vw*に基づ
いて、PWMインバータ2の各スイッチング素子6a〜
6fを駆動するための6つのスイッチング信号UP、U
N、VP、VN、WP、WNを生成する。前記スイッチ
ング信号により各スイッチング素子6a〜6fをオンオ
フ動作させることによって、電動機1には、パルス状の
電圧Vu、Vv、Vwからなる疑似正弦波の3相交流電
力が印加される。最近では、ディジタル技術の発達によ
り制御手段22をMPU(マイクロプロセッサ)で構成
し、ソフトウエアによって前記電圧指令を生成するディ
ジタル制御が多く採用されている。この場合、PWM信
号発生手段21と制御手段22とを1個のLSIチップ
で実現することができる。
【0005】PWM信号発生手段21において、前記電
圧指令からパルス状のスイッチング信号を生成する方法
として様々なPWM方式が知られており、一般に三角波
比較法、のこぎり波比較法が広く採用されている。三角
波比較法は、例えばステップ状の正弦波からなる電圧指
令の信号波と三角波からなる搬送波とを比較して得られ
る波形を利用する。先ず、例えば図7に示すように、カ
ウンタなどの三角波発生回路から供給される三角波TW
の値とU相電圧指令値Vu*との大小を比較し、信号波
Vu*の値が三角波TWの値より大きいとハイ(H)レ
ベルとなり、かつ逆に小さいとロー(L)レベルとなる
ようなパルス状の信号Vusを生成する。U相の正側ス
イッチング素子6aには、パルス信号Vusの立ち上が
りを短絡防止時間Tdだけ遅らせた信号UPを印加し、
かつこれと対をなす負側スイッチング素子6bには、パ
ルス信号Vusの立ち下がりを短絡防止時間Tdだけ遅
らせかつ反転させた信号UNを印加する。V相及びW相
についても、同様にしてスイッチング信号を生成する。
【0006】図8には、のこぎり波を搬送波に用いた場
合の従来例が示されている。この場合にも、電圧指令の
信号波Vu*とのこぎり波SWとを比較し、電圧指令V
u*の値がのこぎり波SWの値より大きい場合にハイレ
ベルとなり、かつそれより小さい場合にローレベルとな
るように、パルス信号Vusを生成する。そして、パル
ス信号Vusの立ち上がりを短絡防止時間Tdだけ遅ら
せた信号UPと、パルス信号Vusの立ち上がりを短絡
防止時間Tdだけ遅らせかつ反転させた信号UNとをそ
れぞれ生成し、同様にU相の対応するスイッチング素子
6a、6bに印加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の三角波
またはのこぎり波との比較によるPWM方式では、搬送
波の1周期Ts中に生成される各パルスのパルス幅及び
位置が、電圧指令が決まれば三角波またはのこぎり波に
よって一義的に決定される。即ち、図7の従来技術で
は、パルス信号Vusは、そのパルス幅が電圧指令Vu
*の値及び三角波の形状によって一義的に決定され、か
つその位置が、常にサンプリング時刻t(n)とt(n
+1)との間で左右対称となるように形成される。ま
た、図8ののこぎり波SWの場合にも、パルス信号Vu
sの各パルス幅は、のこぎり波SWの形状及びそれを横
切る電圧指令Vu*の値によって一義的に決定され、か
つその位置は、常に各周期の終了時即ちサンプリング時
刻t(n+1)に立ち下がるように形成される。
【0008】しかしながら、3相交流電動機のPWM制
御に於いて、より高性能かつ高効率な制御を達成するた
めには、パルス列からなるスイッチング信号及びそれに
より出力される交流電力を電圧指令にできる限り近付け
ることが必要である。そのためには、電圧指令に基づい
て生成されるスイッチング信号の各パルスの幅及び位置
を最適に制御できることが望ましい。ところが、上述し
た従来の三角波やのこぎり波の比較によるPWM制御方
式では、搬送波の周波数及び形状によって生成されるパ
ルス列のパルス幅及び位置が、ハードウエア部分である
PWM信号発生手段21によって一義的に決定されるか
ら、より高性能かつ高効率なPWM制御を行なうことが
困難であった。
【0009】また、マイクロコンピュータを用いてスイ
ッチング信号を発生させる所謂ソフトウェアサーボに於
いても、内部カウンタにより三角波などの搬送波を発生
させて電圧指令と比較する従来のPWM方式が一般に採
用されている。この場合、PWM信号発生手段21をソ
フトウエア化して制御手段22と同一のまたは別個のL
SIチップに搭載しても、電動機の運転条件や仕様の変
更によりPWM方式を変更したり新たなPWM制御方式
を採用する場合には、それに対応して新たにLSIチッ
プを開発する必要が生じる。また、多くの場合には、こ
れに伴って実装基板そのものまで設計し直さなければな
らない。このため、多大の開発期間及び製造コストを要
するという問題があった。
【0010】そこで、本発明は、上述した従来技術の問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、PWM
制御により3相交流電動機をより高性能かつ高効率に駆
動し得る方法及び装置を提供することにある。
【0011】更に、本発明の目的は、PWM制御方式の
変更に対して、ハードウェア部分に変更を加えることな
くソフトウェア部分のみを変更して、電動機の運転条件
等の変更に対応し得るPWM制御による3相交流電動機
の駆動方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の3相交流
電動機の駆動方法は、電圧指令に基づいてPWMにより
生成されるスイッチング信号を印加してインバータのス
イッチング素子をオンオフさせることによって、直流電
力を交流電力に変換して3相交流電動機に供給し、該電
動機を駆動する方法において、電圧指令に基づいて印加
すべき所望のスイッチング信号のパルス幅及び位置を決
定し、かつ決定されたパルス幅及び位置に従ってスイッ
チング信号を生成することを特徴とする。
【0013】請求項2記載の電動機の駆動方法は、上述
した請求項1の特徴点に加え、マイクロプロセッサを用
いて電圧指令からスイッチング信号のパルス幅及び位置
を決定することを特徴とする。
【0014】また、請求項3記載の3相交流電動機の駆
動装置は、スイッチング素子のオンオフ動作によって直
流電力を交流電力に変換するインバータと、スイッチン
グ素子をオンオフさせるスイッチング信号を出力するス
イッチング信号発生手段と、電圧指令に基づいてスイッ
チング信号発生手段を制御する制御手段とを備え、この
制御手段が、電動機に所望の電力を印加するように電圧
指令を決定する第1制御部と、第1制御部で決定された
電圧指令に基づいてスイッチング信号のパルス幅及び位
置を決定し、スイッチング信号発生手段に出力する第2
制御部とから構成され、スイッチング信号発生手段が、
第2制御部から入力したパルス幅及び位置に従って所望
のスイッチング信号を生成することを特徴とする。
【0015】請求項4記載の3相交流電動機の駆動装置
は、上述した請求項3の特徴点に加え、第2制御部がマ
イクロプロセッサで構成されることを特徴とする。
【0016】更に、請求項5記載の3相交流電動機の駆
動装置によれば、スイッチング信号発生手段及び制御手
段が、1個のLSIチップ上に搭載されていることを特
徴とする。
【0017】
【作用】従って、請求項1記載の3相交流電動機の駆動
方法によれば、従来のように電圧指令の信号波を三角波
等との比較によりパルス列からなるスイッチング信号に
変換するのではなく、先ず電圧指令から直接パルス幅及
び位置を自在に決定することができ、その後にその決定
されたパルス幅及び位置に従って実際にスイッチング信
号を生成するので、スイッチング信号をより高精度に電
圧指令に近付けることができる。
【0018】請求項2記載の3相交流電動機の駆動方法
によれば、マイクロプロセッサを用いてソフトウェアに
よりディジタル制御することによって、スイッチング信
号のパルス幅及び位置を電圧指令に基づいて容易に決定
することができる。
【0019】また、請求項3記載の3相交流電動機の駆
動装置によれば、第2制御部が、従来のように三角波等
と比較するのではなく、第1制御部により決定された電
圧指令から直接にスイッチング信号の形状即ちパルス幅
及び位置を決定するソフトウエア部分を構成し、かつこ
れとは別個に、スイッチング信号発生手段が、ソフトウ
エア部分で決定されたパルス幅及び位置に従って、実際
にパルス列からなるスイッチング信号を生成するハード
ウエア部分を構成することによって、PWM制御におい
てスイッチング信号の形状を自在に決定することがで
き、スイッチング信号をより高度に電圧指令に近付ける
ことができる。
【0020】請求項4記載の3相交流電動機の駆動装置
によれば、第2制御部にマイクロプロセッサを用いるこ
とによって、スイッチング信号のパルス幅及び位置を決
定するソフトウエア部分を、実際にスイッチング信号を
生成するハードウエア部分とは別個に、容易に実現する
ことができる。
【0021】請求項5記載の3相交流電動機の駆動装置
によれば、スイッチング信号発生手段及び制御手段を1
個のLSIチップで形成することによって、装置全体の
構成を簡単にすることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。
【0023】図1において、図6に関連して上述した従
来の駆動装置と同様の構成要素については、説明を簡単
にするために同一の参照符号を付して説明する。本発明
による3相交流電動機の駆動装置は、直流電力を交流電
力に変換して3相交流誘導電動機(IM)1に供給する
電力変換回路である3相電圧形PWMインバータ2と、
前記インバータを駆動するスイッチング信号即ちPWM
信号を出力するPWM信号発生回路3と、前記PWM信
号発生回路を制御するPWM制御手段4とから構成され
る。PWMインバータ2は、電動機1と直流電源5との
間に3相ブリッジ状に接続された6個のスイッチング素
子6a〜6fを有する周知の従来構造からなる。直流電
源5には、コンバータにより交流を直流に整流したも
の、または電池を使用する。前記スイッチング素子は、
それぞれ1個のパワートランジスタとそれに逆並列接続
された1個のダイオードとから構成され、それぞれ対を
なす直列に接続された各2個のスイッチング素子の間か
ら、電動機1のU、V、W各相へ交流電力が供給され
る。本実施例では、前記スイッチング素子にバイポーラ
トランジスタを用いているが、MOSFET、IGBT
等の他のパワー素子を用いることもできる。
【0024】PWM制御手段4は、電動機1に印加すべ
き3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を決定する第1
制御部7と、前記電圧指令に基づいてPWM信号発生回
路3が出力すべきPWMパルス信号の波形、即ちパルス
幅及び位置を決定する第2制御部8とを有する。第1制
御部7は、公知のマイクロプロセッサ(MPU)からな
るディジタル回路で構成され、PWMインバータ2から
電動機1に供給されるU相及びW相の電流値iu、iw
を測定する電流センサ9、10と、電動機1の速度また
は位置を検出する例えばパルスジェネレータ(PG)等
の速度(または位置)検出器11とに接続されている。
第2制御部8は、図2に示されるように、第1制御部7
から入力する電圧指令Vu*、Vv*、Vw*をPWM
信号のパルス幅及び位置を表すデータに変換する演算回
路12と、前記変換を行なうためのプログラムやデータ
を記憶させたROMからなるメモリ手段13とを有す
る。演算回路12の出力は、データバス14を介してP
WM信号発生回路3の入力に接続されている。
【0025】PWM信号発生回路3は、図3に示される
ように、データバス14に互いに並列に接続された12
個のデータレジスタ15−0〜15−11と、信号発生
器16と、信号発生器16に互いに並列に接続された6
個の論理回路17a〜17fとを備える。信号発生器1
6はカウンタからなり、時間信号を一定の周期Tsで発
生して前記各論理回路に出力する。論理回路17a〜1
7fは、それぞれ対応する2個の前記データレジスタに
接続されたコンパレータからなり、かつその出力がPW
Mインバータ2の前記各スイッチング素子に接続されて
いる。U、V、W各相の負側スイッチング素子6b、6
d、6fに接続された論理回路17b、17d、17f
には、それぞれ各論理回路からの信号を反転させる符号
反転器18−1〜18−3が接続されている。
【0026】本実施例では、第1制御部7及び第2制御
部8からなる制御手段4を、1個のMPUで実現するこ
とができ、かつ第1及び第2制御部7、8に於いて行な
われる処理のプログラムを、同一のメモリ手段に記憶さ
せることができる。また、制御手段4とPWM信号発生
回路3とを1個のLSIチップ上で実現することもでき
る。従って、何らかの理由により現在使用中のPWM方
式に変更を加えたり新たなPWM方式を採用する場合に
は、ソフトウエアのみの変更により新たなプログラムや
データを搭載したROMに交換したり、または実装され
ているROMの内容を書き換えることによって容易に実
現することができる。
【0027】次に、本実施例の3相交流電動機の駆動回
路の動作について説明する。まず、制御手段4の第1制
御部7が、外部から入力される電動機1のトルク指令値
τ*を、U相及びW相の電流指令値iu*、iw*に変
換する。次に、電流センサ9、10から入力するU相及
びW相の実電流値iu、iwが電流指令iu*、iw*
にそれぞれ一致するようにフィードバック制御して、か
つ速度検出器11から入力する電動機1の速度ωを考慮
して、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を決定す
る。ここで、電圧指令としてVu*、Vv*、Vw*を
使用するが、等価的に極座標、X−Y座標により表現さ
れる形で出力することもできる。また、本実施例のよう
なディジタル制御では、電圧指令は連続した値ではな
く、一定時間毎に即ちサンプリング周期で更新される離
散的なデータである。決定された各電圧指令は、ディジ
タル値として第2制御部8に出力される。
【0028】第2制御部8は、メモリ13に記憶されて
いる前記プログラムに従って、各電圧指令Vu*、Vv
*、Vw*に基づいてPWMインバータ2に印加するべ
き各PWM信号の波形、即ちパルス幅及び位置を決定す
る。PWM信号発生回路3は、U、V、W各相の正側及
び負側のスイッチング素子6a〜6fをそれぞれ別個に
オンオフ駆動するための6つの異なるPWM信号UP、
UN、VP、VN、WP、WNを生成することから、第
2制御部8は、6つの前記PWM信号のそれぞれについ
てそのパルス幅及び位置を決定する。
【0029】本実施例では、第2制御部8は、PWM信
号のパルス幅及び位置を、信号発生器16から出力され
る前記時間信号の各周期に於けるパルスの立上り時刻と
立下り時刻とによって決定する。例えば、図4に示され
るように、U相の正側スイッチング素子6aを駆動する
ためのPWM信号UPは、サンプリング時刻t(n)か
らパルスの立ち上がりまでの時間UPFと立ち下がりま
での時間UPSとからなる2個のデータによって表現さ
れる。同様に、U相の負側スイッチング素子6bを駆動
するPWM信号は、反転して下向きを正とするパルスに
おいて、同じくサンプリング時刻t(n)からの立上り
及び立下り時間UNF、UNSによって表現される。V
相及びW相の前記各スイッチング素子に印加されるPW
M信号VP、VN、WP、WNについても、同様にパル
スの立ち上がり及び立ち下がりまでの時間VPF及びV
PS、VNF及びVNS、WPF及びWPS、WNF及
びWNSによって表現される。当然ながら、各パルスの
位置を決定するこれらのデータは、各相の正側及び負側
スイッチング素子が同時にオンオフしないように、短絡
防止時間を考慮して決定される。
【0030】これらのデータは、電圧指令と同様にサン
プリング時間毎に更新が行われ、サンプリング時刻t
(n)までに決定されてPWM信号発生回路3に出力さ
れる。PWM信号発生回路3は、入力した前記データに
基づいて、周期Ts中に所定のパルス信号を生成する。
前記各データは、第2制御部8からデータバス14を介
してPWM信号発生回路3の対応するデータレジスタ1
5−0〜15−11にそれぞれ格納される。前記各論理
回路は、それぞれ対応する2個のレジスタに格納された
値と信号発生器16から出力される時間信号tとを比較
して、パルス信号を生成する。
【0031】例えば、論理回路17aは、不等式UPF
≦t<UPSに基づいて、この関係が成立する時間tは
ハイレベルとなり、成立しない場合はローレベルとなる
ように、パルス状のPWM信号UPを発生させる。同様
に、論理回路17bに於いても、不等式UNF≦t<U
NSに基づいてパルス信号を生成し、符号反転器18−
1により反転して、図4に示すようなPWM信号UNを
生成する。V相及びW相についても、同様にしてPWM
信号が生成される。このようにして生成されたPWMパ
ルス信号は、それぞれPWMインバータ2の対応するス
イッチング素子に印加されてそれらをオンオフさせ、直
流電源5から供給される直流電力を所望の3相交流電力
に変換して電動機1に供給する。
【0032】上述した実施例では、各PWM信号のパル
ス幅及び位置を、各周期に於いてサンプリング時刻t
(n)を基準とするパルスの立上り時刻及び立下り時刻
によって定義したが、別の実施例では、図5Aに示すよ
うにサンプリング時刻t(n)からパルスの立ち上がり
までの時間UPFと、パルス幅即ち立ち上がりから立ち
下がりまでの時間Taとを用いることができる。また、
図5Bに示す別の実施例では、サンプリング時刻t
(n)からパルスの立ち下がりまでの時間UPSとパル
ス幅Taとによって定義することができる。更に別の実
施例では、図5Cに示されるように、サンプリング時刻
t(n)を基準として各パルスの中心までの時間Tbと
パルス幅の半分の時間Tcとからなる2つのデータで定
義することができる。但し、このようにPWM信号のパ
ルス幅及び位置を異なる表現形式で定義する場合には、
これに対応して論理回路17a〜17fの構成を、所望
の論理演算を行うように変更する必要がある。
【0033】また、上述した実施例では、PWM信号発
生回路3をディジタル回路により構成したが、別の実施
例では、データレジスタ15−0〜15−11以外の部
分をアナログ回路で構成し、各データレジスタとの間を
D/Aコンバータを介して接続することができる。更に
ディジタル回路で構成する場合にも、汎用のディジタル
素子を組み合わせて構成したり、用途を特定した専用カ
スタム・ゲートアレーを用いたり、または、FPGA等
のプログラマブル・ゲートアレーを用いて構成すること
もできる。
【0034】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は当業者に明らかなように、その技術的
範囲内に於いて上述した実施例に様々な変形・変更を加
えて実施し得ることは言うまでもない。例えば、本発明
による方法及び装置は、3相交流誘導電動機以外の3相
交流電動機の駆動にも同様に使用することができ、ま
た、トルク制御だけでなく3相交流電動機の位置制御ま
たは速度制御にも適用することができる。更に、本発明
は、上記実施例のような電動機1に接続された速度(ま
たは位置)検出器11を使用しない速度センサレス・ベ
クトル制御にも、同様に適用することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1
記載の3相交流電動機の駆動方法によれば、先に電圧指
令に基づいて生成すべきスイッチング信号のパルス幅及
び位置を直接かつ自在に決定でき、それに従って実際の
スイッチング信号を所望の形状に生成することによっ
て、電動機に印加される交流電力をより電圧指令に近付
けることができるので、より高性能かつ高速のPWM制
御を実現することができる。しかも、スイッチング信号
のパルス幅及び位置を決定するソフトウエア部分とスイ
ッチング信号を発生させるハードウェア部分と分離させ
ることができるので、PWM方式の変更や新規なPWM
方式の採用等に対しても、ソフトウェア部分の変更のみ
で対応することができ、設計の変更や開発に伴う時間及
びコストを大幅に低減させることができる。更に、請求
項2記載の方法によれば、ソフトウエア部分をマイクロ
プロセッサで実現することによって、スイッチング信号
のパルス幅及び位置の決定が容易に行われ、かつソフト
ウェア部分の変更がより簡単になる。
【0036】また、請求項3記載の3相交流電動機の駆
動装置によれば、スイッチング信号の形状を決定する制
御手段からなるソフトウエア部分と、実際にスイッチン
グ信号を生成するスイッチング信号発生手段からなるハ
ードウエア部分とが別個に構成され、第2制御部が電圧
指令から直接にスイッチング信号のパルス幅及び位置を
決定して、インバータから電動機に印加される交流電力
をより電圧指令に近付けることができるので、より高性
能かつ高速のPWM制御が可能となるだけでなく、PW
M方式を変更したり新たな制御方式を採用するような場
合にも、ソフトウェア部分の変更または交換のみによっ
て対応することができ、新たな方式の開発に要する時間
及びコストの大幅な低減を図ることができる。
【0037】更に、請求項4記載の駆動装置によれば、
マイクロプロセッサを用いて第2制御部を構成すること
により、ソフトウェア部分を容易に実現できると共に、
電動機の駆動をより高精度にPWM制御することがで
き、信頼性の向上を図ることができる。また、請求項5
記載の駆動装置によれば、装置全体の構成が簡単にな
り、コストの低減を図ることができると共に、第1及び
第2制御部の処理プログラムを共通のメモリ手段に記憶
させたりソフトウエア部分の構成を簡単にすることもで
き、またソフトウエア部分の変更をより容易にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3相交流電動機の駆動装置の構成
全体を概略的に示すブロック図である。
【図2】制御手段の第2制御部の構成を示すブロック図
である。
【図3】PWM信号発生回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】PWM信号発生回路により生成されるPWM信
号を示す線図である。
【図5】それぞれ図4と異なる表現形式によるPWM信
号を示す図5A〜図5Cからなる線図である。
【図6】従来のPWM制御による3相交流電動機の駆動
装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】図6の従来技術によるPWM信号の生成を示す
線図である。
【図8】図7と異なる従来技術によるPWM信号の生成
を示す線図である。
【符号の説明】
1 電動機 2 PWMインバータ 3 PWM信号発生回路 4 PWM制御手段 5 直流電源 6a〜6f スイッチング素子 7 第1制御部 8 第2制御部 9、10 電流センサ 11 速度(位置)検出器 12 演算回路 13 メモリ手段 14 データバス 15−0〜15−11 データレジスタ 16 信号発生器 17a〜17f 論理回路 18−1〜18−3 符号反転器 21 PWM信号発生手段 22 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深澤 英樹 神奈川県川崎市宮前区有馬二丁目8番地24 号 株式会社日機電装システム研究所内 (72)発明者 古川 正通 神奈川県川崎市宮前区馬絹1179番地 S・ エンテランスA−103号室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧指令に基づいてPWM(パルス幅変
    調)により生成されるスイッチング信号を印加してイン
    バータのスイッチング素子をオンオフさせることによっ
    て、直流電力を交流電力に変換して3相交流電動機を駆
    動する方法であって、 前記電圧指令に基づいて前記スイッチング素子に印加す
    べき所望のスイッチング信号のパルス幅及び位置を決定
    し、かつ決定された前記パルス幅及び位置に従ってスイ
    ッチング信号を生成することを特徴とする3相交流電動
    機の駆動方法。
  2. 【請求項2】 マイクロプロセッサを用いて前記電圧指
    令から前記スイッチング信号のパルス幅及び位置を決定
    することを特徴とする請求項1記載の3相交流電動機の
    駆動方法。
  3. 【請求項3】 スイッチング素子のオンオフ動作によっ
    て直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記ス
    イッチング素子をオンオフさせるスイッチング信号を出
    力するスイッチング信号発生手段と、電圧指令に基づい
    て前記スイッチング信号発生手段を制御する制御手段と
    からなる3相交流電動機の駆動装置であって、 前記制御手段が、前記電圧指令を決定する第1制御部
    と、前記第1制御部により決定された前記電圧指令に基
    づいて生成すべき前記スイッチング信号のパルス幅及び
    位置を決定する第2制御部とからなり、かつ、前記スイ
    ッチング信号発生手段が、前記第2制御部により決定さ
    れた前記パルス幅及び位置に従って前記スイッチング信
    号を生成することを特徴とする3相交流電動機の駆動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2制御部がマイクロプロセッサで
    構成されることを特徴とする請求項3記載の3相交流電
    動機の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記スイッチング信号発生手段及び前記
    制御手段が、1個のLSIチップ上に搭載されることを
    特徴とする請求項3または請求項4記載の3相交流電動
    機の駆動装置。
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