JPH086586B2 - 2サイクル内燃機関 - Google Patents

2サイクル内燃機関

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JPH086586B2
JPH086586B2 JP62031559A JP3155987A JPH086586B2 JP H086586 B2 JPH086586 B2 JP H086586B2 JP 62031559 A JP62031559 A JP 62031559A JP 3155987 A JP3155987 A JP 3155987A JP H086586 B2 JPH086586 B2 JP H086586B2
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JP
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exhaust
valve
swirl
exhaust gas
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敏雄 棚橋
敏雄 伊藤
昌宣 金丸
徳彦 中村
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B2075/1804Number of cylinders
    • F02B2075/1824Number of cylinders six

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシリンダヘッドに新気弁と排気弁を設けた2
サイクル内燃機関に関する。
〔従来の技術〕
特公昭60−5770号公報には、吸気(新気)弁及び排気
弁を有するオープンチャンバ型2サイクル内燃機関が開
示されている。この2サイクル内燃機関は、ピストンが
下死点にあるときに吸気弁と排気弁とがほぼ同時に開
き、吸気弁から流入した新気は下向きに指向され、ピス
トン頂面で反転して、シリンダ内で縦回りのU字状の流
れを形成するようになっている。新気と排気と境界面
は、最初吸気弁の近くにあり、次いでシリンダの下方中
央部になり、そして排気弁の近くへと移動し、シリンダ
内の全体で排気と新気とが置き換わるようになってい
る。
しかしながら、このような2サイクル内燃機関は高負
荷域では問題ないが、アイドル時又は軽負荷域での燃焼
に問題がある。アイドル時又は軽負荷域では、供給され
る新気の量が少なくてシリンダ内には多量の排気が残留
するので、新気が残留排気中に分散して薄くなり、新気
をシリンダヘッドの点火プラグの近傍に集めることがで
きない。即ち、シリンダ内で縦回りのU字状の流れで
は、新気の主流はシリンダの下方へ移動してしまうから
である。このため、シリンダヘッドに設けられた点火プ
ラグによる着火や、火炎核の発生が阻害されたり、火炎
伝播速度が低下することにより、失火したり、燃焼変動
が発生し易くなる。
また、吸入空気にシリンダ軸線回りのスワールを形成
させることは従来から公知である。例えば、米国特許第
4543928号は対向配置の2つの吸気弁から空気を供給し
てシリンダ軸線回りのスワールを形成させるようにして
いる。排気弁はシリンダの頂部中央に形成された副室に
配置されている。従って、この特許に開示された内燃機
関では、燃焼が副室で開始され、次いで、スワールして
いるシリンダ内に広がるようになっているものであり、
排気ガスにスワールを発生させたり、残留排気ガスと新
気との間で成層化を行ったりするものではない。
本願の出願人は先に、アイドルを含む低負荷時に、排
気弁の開弁時に排気ポートから排出した排気ガスの一部
を燃焼室にシリンダ軸線の回りにスワールさせつつ再流
入させることによって、ピストン側の残留排気ガスに対
してシリンダヘッド側に新気を集め、成層燃焼を行うこ
とのできる2サイクル内燃機関を提案した(特公平5−
68608号公報)。この2サイクル内燃機関では、低負荷
時には上記のようにして成層化を行い、中高負荷時には
横断掃気を行うようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
2サイクル内燃機関では上記したように掃気によって
排気を行うために排気ガスが燃焼室に残留し、アイドル
や軽負荷域では燃焼室内の残留排気ガスに対する供給新
気の割合が小さくなり、燃焼が不安定になるという問題
があった。この問題点を、上記本願の先願では、排気ポ
ートから排出した排気ガスの一部を燃焼室にシリンダ軸
線の回りにスワールさせつつ再流入させることによって
新気と残留排気ガスとの成層化を達成して新気をシリン
ダヘッドの近傍に集めることによって解決したものであ
る。しかしながら、シリンダヘッドに新気弁と排気弁を
有する2サイクル内燃機関では、高負荷時にはシリンダ
軸線の回りにスワールを形成すると、新気と排気がとも
にシリンダの回りを回るようになり、シリンダの下の方
にある排気ガスを掃気することができないという問題点
が発生した。そこで、低負荷時にはスワールを形成する
のが好ましいが、高負荷時にはスワールを形成せずに横
断排気を行うのが好ましく、機関の負荷に応じて新気の
供給特性を変化させるのが好ましいことが明らかになっ
た。そして、この場合、高負荷時の横断掃気効率が優れ
ていないと、2サイクル内燃機関の特徴である高出力の
可能性が減少する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による2サイクル内燃機関は、過給手段を有す
る新気供給系と、シリンダヘッド部分に設けられた新気
ポート及び排気ポートを開閉するために、クランク角に
同期して駆動される新気弁及び排気弁とを有する2サイ
クル内燃機関において、ピストン下降速度の速い時期に
排気弁を新気弁よりも早く開く弁駆動機構と、排気弁の
開弁時に排気ポートから排出した排気ガスの一部が燃焼
室に逆流する際に該逆流排気ガスにシリンダ軸線の回り
にスワールを与える手段とを有し、新気弁より供給され
た新気がアイドル時及び低負荷時に該排気スワール上に
ゆるやかに流入するようにするとともに、2つの新気ポ
ートがシリンダ軸線の両側に向かうように設けられ、該
2つの新気ポートは、該2つの新気ポートから燃焼室に
供給された新気が高負荷時に燃焼室内でシリンダ軸線の
回りのスワールを形成しないように流れ抵抗がほぼ等し
くなるように形成されており、該2つの新気ポートのそ
れぞれに新気弁が配置されていることを特徴とするもの
である。
〔作 用〕
本発明によれば、少なくともアイドルを含む低抗帯域
において、次のようにして成層化が達成される。即ち、
ピストンの下降行程中に排気弁が開くと弱い排気ブロー
ダウンが発生し、排気ポート内は正圧になる。排気ブロ
ーダウンは短時間で終了し、ピストンは引き続いて下降
しているのでシリンダ内が排気ポートに対して負荷にな
り、一旦排出した排気ガスの一部が燃焼室に再流入す
る。本発明においては、この再流入する排気ガスにシリ
ンダ軸線の回りにスワールを与える手段が設けられてお
り、燃焼室内で排気ガスがシリンダ軸線の回りにスワー
ルする。その後で新気弁が開弁する。アイドル時及び軽
負荷域においては供給新気量は少なく、新気は比較的に
ゆっくりと流入する。従って、ゆっくりと流入する新気
はシリンダ軸線の回りにスワールしている排気ガスの上
にゆっくりと乗り、新気は排気スワールに乗ったままシ
リンダヘッドの近傍に集まっている。従って、シリンダ
ヘッド側に新気があり、ピストン側に残留排気ガスがあ
り、この成層化によって点火プラグの近傍に比較的に濃
い混合気が集まっているので容易に着火して燃焼するこ
とができるのである。そして、高負荷時になると、新気
流量が多くなるので、それによってもはや排気スワール
の効果はなくなり、横断掃気が可能となるのである。こ
のときに、両方の新気ポートの流れ抵抗が相違すると、
流れの強い方の新気ポートからの新気の流れによって再
びシリンダ軸線の回りのスワールが形成され、掃気効率
が低下する。本発明においては、前記2つの新気ポート
がそれぞれの流れ抵抗がほぼ等しくなるように形成され
ているので、相互の流れ関係によってスワールはでき
ず、好ましい掃気を行うことができるのである。
〔実施例〕
第1図は本発明を適用した6気筒の2サイクル内燃機
関10を示す図、第2図は第1図の1気筒の燃焼室の近傍
を詳細に示す図、第3図は第2図の新気弁と排気弁を通
る垂直断面図である。機関本体10はシリンダブロック12
とシリンダヘッド14により構成され、ピストン16の上方
に燃焼室18が形成される。シリンダヘッド14には新気ポ
ート20と排気ポート22とが対向配置で形成され、それぞ
れにポペット弁からなる新気弁24と排気弁24とを有する
ものである。
第2図に示されるように、新気弁24及び排気弁26はそ
れぞれ2個ずつ設けられ、点火プラグ28が燃焼室18のほ
ぼ中央に設けられる。排気弁26はEsとEで表されてお
り、一方、新気弁24はFA,FBで表されている。これは新
気弁24の働きが相互に差があることを示しており、以後
FAで表された新気弁を低負荷新気弁と呼ぶ、FBで表され
た新気弁を高負荷新気弁と呼ぶことにする。
第1図及び第2図に示されるように、シリンダヘッド
14には2個の新気マニホールド30,32が取りつけられ
る。一方の新気マニホールド30の各枝管が低負荷新気弁
FAの配置された側の新気ポート20に接続され、他方の新
気マニホールド32の各枝管が高負荷新気弁FBの配置され
た側の新気ポート20に接続される。両新気ポート20は機
関の長手軸線とほぼ直角方向に相互にほぼ平行に延び、
且つ機関の長手軸線とほぼ直角方向の気筒の中心線の両
側にあり、少なくとも低負荷新気弁FAの配置された側の
新気ポート20は燃焼室18に接続方向に開口する。そし
て、新気ポート20または新気マニホールド30,32の各枝
管にはそれぞれ燃料噴射弁34が配置される。また、燃料
噴射弁34の上流にはリードバルブからなる逆止弁36が配
置される。
第1図に示されるように、空気はエアクリーナ38から
取り入れられ、スロットル弁40で流量制御され、そして
過給機42で過給されるようになっている。過給機42の下
流にはインタークーラ44が配置され、前記2つの新気マ
ニホールド30,32は共にこのインタークーラ44に接続さ
れる。過給機42はルーツポンプ等の機関の出力により駆
動される機械式過給機を利用することができる。また、
スロットル弁40の上流にはエアフローメータ46が配置さ
れる。
高負荷側の新気マニホールド32の集合部にはバタフラ
イ式新気制御弁48が配置される。新気弁24及び排気弁26
がカム軸によって機関のクランクシャフトと同期して駆
動されるのに対し、この新気制御弁48は機関の負荷及び
回転数に応じて開閉されるものである。新気制御弁48は
少なくとも機関アイドル時を含む低負荷時に閉じられ、
従って、このときには空気は低負荷側の新気マニホール
ド30からのみ供給されることになる。新気制御弁48は機
関中高負荷時に開かれ、従って、このときには空気は高
負荷側の新気マニホールド32及び低負荷側の新気マニホ
ールド30の双方を通って供給される。
第1図に示されるように、6気筒に対して2つの排気
マニホールド50が設けられ、一方の排気マニホールド50
は第1,2,3気筒に接続され、他方の排気マニホールド50
は第4,5,6気筒に接続される。各排気マニホールド50の
集合部にはそれぞれに触媒52が配置され、各排気マニホ
ールド50はさらにマフラー54を通って相互に独立して終
端する。この場合、点火順序は、第1,6,2,4,3,5気筒の
順である。各排気マニホールド50は3つの枝管を有し、
従って、1つの枝管が1気筒分の排気ポート22に接続さ
れることになる。
第2図はそのような枝管の1つ50aを示しており、枝
管50aは機関の長手軸線に対してほぼ直角に取りつけら
れる。ところで、各気筒には2つの排気ポート22があ
り、これら2つの排気ポート22はシリンダヘッド14内で
1つのポートに合流される。Esを付けて示される排気弁
26を配置した方の排気ポート22は上記枝管50aと一直線
を成すように機関の長手軸線に対してほぼ直角に形成さ
れ、且つ燃焼室18に接線方向に開口する。他方の排気ポ
ート22は機関の長手軸線に対してほぼ直角に形成された
側の排気ポート22に或る角度をつけて合流される。この
排気ポート22の構成は、2つの排気弁26をもつことによ
って排気ガスの排出速度を高めることができることにあ
り、そして、排気ガスが排気ポート22及び排気マニホー
ルド50に排出され、その一部が燃焼室18に再流入すると
きに、一直線上に流れる慣性の効果によって、角度を付
けた側の排気ポート22からの再流入はほとんどなく、Es
に付けて示される排気弁26を配置した方の排気ポート22
を主に通り、この再流入排気ガスがシリンダ軸線の周り
にスワールSを形成することができるようにしたもので
ある。
このスワールSは第2図で見た時計回り方向である。
そして、このスワールSを形成させる(Es側の)排気ポ
ート22は、高負荷側の新気弁FBを有する新気ポート20と
一直線上で向き合い、低負荷側の新気弁FAを有する新気
ポート20とは中心線を挟んでオフセットして向き合うよ
うになっている。従って、低負荷に低負荷側の新気弁FA
を有する新気ポート20から供給された新気がそれ自体で
スワールを生成する場合には、そのスワールは再流入排
気ガスのスワールSと同じ時計回り方向になる。低負荷
時には、新気制御弁48が閉じられるのでスワールSを形
成させる排気ポート22と向き合った高負荷側の排気ポー
ト20からの新気の流れはなく、再流入排気ガスのスワー
ルSを妨げるものがなく、かくして、スワールSが消滅
することなく保持されることができる。
第2図に示されるように、シリンダヘッド14の内壁、
即ち燃焼室18の上壁には、マスク56が形成される。この
マスク56は機関の長手軸線とほぼ平行に燃焼室18を横断
し、中央の大部分は鋭い立ち上がりの台地状***で形成
され、側縁部においては傾斜が緩やかになっている。点
火プラグ28は新気弁24側にくるようになっている。この
マスク56をスワールSの形成を助けるものである。即
ち、排気弁(E)26からの再流入排気ガスは前述したよ
うにほとんどないばかりでなく、流入があったとしても
マスク56に遮られる。排気弁Esからの再流入排気ガスは
前述したようにそれ自体でスワールしようとし、さら
に、スワールから外れて燃焼室18の中心方向への流れが
あればこれもマスク56に遮られる。従って、排気弁Esか
らの再流入排気ガスはマスク56の側縁部の傾斜の緩やか
な領域を通る他なく、ますます、燃焼室18及びシリンダ
の円筒面に沿って流れるようになるのである。また、高
負荷時には、2つの新気ポート20から平行に供給される
新気がマスク56に当たり、下向きに流れを向けられ、排
気ポート22に吹き抜けるのが防止される。点火プラグ28
は新気弁24側にあるので低負荷時でもより濃い混合気に
接することができるのである。
ここで排気ガスの圧力について説明すると、機関低負
荷時、排気弁26が開かれた直後に弱い排気ブローダウン
があって排気ポート内は正圧になり、燃焼室18の排気圧
力は急激に低下する。ピストン16の下降運動によって燃
焼室18の圧力が排気ポートの圧力よりも低下すると、排
気ブローダウンによって燃焼室から排出された排気ガス
の一部は、排気ポート22と燃焼室18の圧力差によって燃
焼室18に再流入(逆流)するようになる。
このように、機関低負荷時には弱い排気ブローダウン
の直後に排気ガスの燃焼室への逆流がある。本発明にお
いては、燃焼室へ逆流する排気ガスが、第2図及び第3
図に示されるように、燃焼室18内でシリンダ軸線の回り
のスワールSを形成するようになっている。従来、吸気
ポートから吸入された吸入空気にスワールを発生させる
ことはかなり提案されているが、逆流する排気にスワー
ルを発生させることは本発明の大きな特徴である。
第4図はクランクシャフトと同期して駆動される新気
弁24の開弁機関(FO)と排気弁26の開弁機関(EO)とを
示した図である。2サイクル内燃機関では、ピストン16
が上死点TDCから下死点BDCへ下降してゆく膨張行程と、
下死点BDCから上死点TDCへ上昇していく圧縮行程の2行
程しかなく、排気と吸入はこれらの2行程の間に下死点
BDCの近くで行われ、基本的には過給機42で押し込まれ
た新気が排気ガスを押し出しつつガス交換を行う掃気を
含んでいる。高負荷時には新気量及び燃料量が多く、従
って、掃気させ確実に行えばシリンダ内に残留する排気
ガスは少ないので、燃焼上の問題は少ない。しかしなが
ら、掃気は確実に効率よく行わなければならない。アイ
ドル時及び低負荷時には新気量及び燃料量が少なく、残
留排気ガスが多い中で燃焼を行わなければならず、新気
と排気が混合すると空燃比が薄くなり、着火燃焼が非常
に困難になるのである。
本発明においては、排気弁26は下死点BDC前80度の時
点で開き、このときにはピストン16の下降速度が速いの
で、アイドル時及び低負荷時の弱い排気ブローダウン後
に燃焼室18の圧力は下がり、排気ポート22の背圧と燃焼
室18の負圧とによって排気ガスの逆流が確実に生じるよ
うになっている。排気弁26は圧縮行程のあまり進まない
下死点BDC後40度の時点で閉じる。また、新気弁24は排
気弁26が開いた後で排気ガスの逆流が生じたような時
点、例えば下死点BDC前50度の時点で開き、排気弁26の
閉弁後の下死点BDC後70度の時点で閉じる。
第5図はアイドル時及び低負荷時の排気ガスの逆流及
びスワールの生成、及びそれによって生じる新気と残留
排気ガスの成層化を説明する図である。このときには、
吸気制御弁48は閉じられ、新気の供給は低負荷新気弁
(FA)20側からのみとなる。この新気の供給は、量自体
が少なく且つ過給圧も低いのでゆっくりしたものであ
る。第5図(a)に示されるように、下死点BDC前80度
になると排気弁26が開き、圧力Pの弱い排気ブローダウ
ンが生じる。この排気ブローダウンはアイドル時及び低
負荷時においては短時間で終了する。例えば、アイドル
時及び低負荷時の弱い排気ブローダウンにおける排気ポ
ート22の圧力は、瞬間的に2〜3kg/cm2程度になるが、
直ぐに1.05kg/cm2程度に下がり、正圧の背圧を維持しつ
つ安定化する。
ピストン16の下降により燃焼室18内が負圧になり、第
5図(b)に示されるように排気ガスが矢印Qのように
再流入し、排気ポート22の構造、マスク56等のスワール
形成手段により、燃焼室18内で排気ガスのスワールSが
形成される。下死点BDC前60度になると、低負荷新気弁
(FA20)が開く。新気はスロットル弁40で調量され、過
給機42の過給圧も比較的に低い。また、新気弁24が実質
的に全開になるのに時間がかかるので新気は直ちには流
入せず、低負荷新気弁(FA20)の開弁当初にも排気ガス
の逆流及びスワール形成が続いている。このように排気
スワールの形成はかなりの時間続けられ、このスワール
はシリンダ軸線の回りに形成されるものであるから圧縮
行程末期後まで消滅することなく維持されるものであ
る。
しかる後に、第5図(c),(d)に示されるよう
に、新気弁24が実質的に全開になると新気が入ってく
る。このときピストン16の下降速度も小さくなっている
ので燃焼室内にはほとんど負圧が形成されず且つ前述し
たように過給圧も小さいので、新気はゆっくりと燃焼室
18に入る。従って、流入した新気は排気スワール上にゆ
っくりと乗り、前述したように同じ方向に回るように供
給されるので、排気スワール上で排気スワールとともに
スワールするようになる。このようにして、新気はシリ
ンダヘッド14側の点火プラグ28側に近い部位に集まり、
即ち、シリンダヘッド14側の新気とピストン16側の排気
との成層化が達成されるのである。この新気と排気の成
層は、第5図(e)に示されるように、ピストン16が下
死点まで下降し、それから少し上昇して排気弁26が閉
じ、そして新気弁24が閉じても維持される。尚、ピスト
ン16が下死点を過ぎて上昇に転じても暫くは運動速度が
遅く、そして、各排気マニホールド50に設けた触媒52が
排気ポート22及び排気マニホールド50の圧力の低下を妨
げるので、燃焼室18から排気ポート22への新気の流出、
いわゆる新気の吹き抜けはほとんど起こらない。また、
各排気マニホールド50に設けた触媒52は、排気ブローダ
ウン時の圧力を発射させる作用をもつことが確認されて
おり、この反射圧力が、ピストン16が下死点を過ぎて上
昇に転じた後で燃焼室18に背圧を与え、新気の吹き抜け
防止に効果を発揮する。この効果を生かすためには、排
気弁26の弁開時期のオーバーラップがないようにしてお
くことが必要であり、かくして、第1図に示されるよう
に、排気マニホールド50と触媒52をそれぞれに設けるの
が好ましいのである。尚、燃料は新気弁24が開弁してい
る間に噴射される。
アイドル時及び軽負荷時には、混合気は上述したよう
にシリンダヘッド14側の点火プラグ28側に近い部位に集
まり、それによって空燃比も点火プラグ28の近くでは薄
くならず、点火プラグ28によって容易に着火して確実に
燃焼が得られるようになるのである。そして、この混合
気は排気ガスの上に乗っており、高温の排気ガスによっ
て活性化され、ラジカル燃料成分を含む活性熱雰囲気状
態を形成して、着火性が高められた状態の中で燃焼を行
うことができるのである。
中高負荷時には新気制御弁48が開かれるので両方の新
気弁24を通って新気が供給されるようになり、特に、大
量の空気が高負荷側の新気ポートFB24を通ることができ
るようになる。このように新気量が多くなると再流入排
気ガスのスワールの効果はなくなり、多量の新気による
横断掃気が行われるようになる。このときに、シリンダ
ヘッド14の中央を横断するマスク56があるので、排気ポ
ート22に向かって供給された新気はマスク56に当たって
下向き流れになり、結局、新気が最初下向きに流れ次に
ピストン16に当たって上向きになり、U字状の流れで掃
気を行う。このときに、2つの新気ポート20の流れの強
さに差があると、優勢な方に押されて再びシリンダ軸線
の回りのスワールが形成されることになる。高負荷時に
はそのようなシリンダ軸線の回りのスワールでは掃気効
率を高めることができず、特に、U字状の横断掃気の効
果が発揮できない。従って、本発明においては、2つの
新気ポート20がそれぞれの流れ抵抗がほぼ等しくなるよ
うに形成されている。
流れ抵抗はほぼ等しくするための第1の手段は、両新
気ポート20の断面積をほぼ等しくすることである。これ
を高負荷時の横断掃気効率を高める上で好ましいばかり
でなく、低負荷時には低負荷側の新気弁(FA)からゆっ
くりと供給する上でも好都合である。即ち、低負荷時に
は高負荷時よりもはるかに少ない空気量でよいので、低
負荷専用とも言える新気弁(FA)及びその新気ポートを
小さく形成するのが好ましく考えられるところである
が、実際に必要と思われる大きさよりも大きく(高負荷
側FBと同じくらいに)形成することによって、断面積を
大きくし、よってゆっくりと供給することを助けること
ができるのである。また流れ抵抗をほぼ等しくするため
の第2の手段は、マスク56及び新気弁24の弁座近くの壁
面構造を両新気ポート20に対してほぼ等価に形成するこ
とである。流れ抵抗をほぼ等しくするための手段は、こ
れらの第1及び第2の手段等を適切に組み合わせて構成
される。しかしながら、マスク56の側縁部は排気スワー
ルを形成するためにプロペラの羽根状に上側(Es側)と
下側(E側)とで傾斜を逆にするのが好ましく、即ち、
矢印Sの付されている部分はゆるやかな傾斜面である
が、その稜線を越えると傾斜がきつくなるのに対し、下
側はFAからゆるやかな斜面で稜線までいきそれからきつ
い傾斜で下がるのである。このような場合には、高負荷
側の新気ポート20から燃焼室18に流入した新気の方が燃
焼室18内での抵抗が大きくなるので、低負荷側の新気ポ
ートをわずかに小さくし、或いはその新気弁24のバルブ
リフトをわずかに小さくなるようにするのが良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば特にアイドル時
及び低負荷時に新気と残留排気との間で成層化を達成し
て確実に焼成を行うことができ、高負荷時には横断掃気
を行って高出力を得ることができ、低負荷から高負荷ま
で良好な燃焼をすることのできる2サイクル内燃機関を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した6気筒の2サイクル内燃機関
を示す図、第2図は第1図の1気筒の燃焼室の近傍を詳
細に示す図、第3図は第2図の新気弁と排気弁を通る垂
直断面図、第4図はバルブタイミングを示す図、第5図
は低負荷時の成層化を説明する説明図である。 14……シリンダヘッド、16……ピストン、 18……燃焼室、20……新気ポート、 22……排気ポート、24……新気弁、 26……排気弁、42……過給機、 48……新気制御弁、56……マスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 徳彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−44404(JP,A) 特開 昭62−291427(JP,A) 特公 昭60−5770(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過給手段を有する新気供給系と、シリンダ
    ヘッド部分に設けられた新気ポート及び排気ポートを開
    閉するために、クランク角に同期して駆動される新気弁
    及び排気弁とを有する2サイクル内燃機関において、ピ
    ストン下降速度の速い時期に排気弁を新気弁よりも早く
    開く弁駆動機構と、排気弁の開弁時に排気ポートから排
    出した排気ガスの一部が燃焼室に逆流する際に該逆流排
    気ガスにシリンダ軸線の回りにスワールを与える手段と
    を有し、新気弁より供給された新気がアイドル時及び低
    負荷時に該排気スワール上にゆるやかに流入するように
    するとともに、2つの新気ポートがシリンダ軸線の両側
    に向かうように設けられ、該2つの新気ポートは、該2
    つの新気ポートから燃焼室に供給された新気が高負荷時
    に燃焼室内でシリンダ軸線の回りのスワールを形成しな
    いように流れ抵抗がほぼ等しくなるように形成されてお
    り、該2つの新気ポートのそれぞれに新気弁が配置され
    ていることを特徴とする2サイクル内燃機関。
JP62031559A 1987-02-16 1987-02-16 2サイクル内燃機関 Expired - Lifetime JPH086586B2 (ja)

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