JPH086171B2 - 炭素系膜の形成方法 - Google Patents

炭素系膜の形成方法

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JPH086171B2
JPH086171B2 JP32100487A JP32100487A JPH086171B2 JP H086171 B2 JPH086171 B2 JP H086171B2 JP 32100487 A JP32100487 A JP 32100487A JP 32100487 A JP32100487 A JP 32100487A JP H086171 B2 JPH086171 B2 JP H086171B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、基体の表面に非晶質炭素膜やダイヤモン
ド膜等の炭素系膜を形成する方法に関する。
〔従来の技術〕
上記のような炭素系膜の形成は、従来は例えば、炭素
水素系や有機化合物系の反応ガスを用いたプラズマCVD
法、熱CVD法等のCVD法(化学気相成長法)、あるいは蒸
発炭素をイオン化し電界で加速して基体表面に蒸着させ
るイオンプレーティング法によって行われていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが上記のようなCVD法やイオンプレーティング
法では、基体に到達する粒子のエネルギーが極めて小さ
い(例えば前者で高々100eV程度、後者で高々150eV程
度)こと等が原因して、基体に対する上記のような炭素
系膜の密着性が悪いという問題があった。
特に、ステンレス製の基体に対しては、ステンレスに
対する炭素系膜の整合性(合い性)が悪いこともあっ
て、上記のような炭素系膜を安定にかつ密着性良く形成
することは困難であった。
そこでこの発明は、ステンレスを含む様々な種類の基
体の表面に、非晶質炭素膜やダイヤモンド膜等の炭素系
膜を安定にかつ密着性良く形成することができる方法を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の炭素系膜の形成方法は、基体の表面に炭素
系膜を形成する際、真空中で当該基体に対して炭素イオ
ンおよび炭素を含む物質のイオンの内の少なくとも一種
を注入することによって当該基体の表層部に当該基体材
料の炭化層を予め形成し、次いでその上に前記炭素系膜
を形成することを特徴とする。
〔作用〕
イオン注入によって基体の表層部に当該基体材料の炭
化層を予め形成することによって、基体の表層部と後に
形成する炭素系膜とは共に炭素系の物質同士となり互い
の整合性が向上する。その結果、ステンレスを含む様々
な種類の基体の表面に、非晶質炭素膜やダイヤモンド膜
等の炭素系膜を安定にかつ密着性良く形成することがで
きるようになる。
〔実施例〕
第1図は、この発明に係る方法を実施する装置の一例
を示す概略図である。
真空容器(図示省略)内に、例えばホルダ10に取り付
けられて基体2が収納されており、当該基体2に向けて
イオン源12が、更にこの例では蒸発源18が配置されてい
る。
イオン源12は、この例ではプラズマ閉じ込めに多極磁
場を用いるバケット型イオン源であり、供給されたガス
Gをイオン化して均一で大面積のイオン(イオンビー
ム)14を基体2の表面に向けて加速することができるの
で、一度に大面積の処理が可能になる。
もっとも、このようなバケット型イオン源の代わり
に、カウフマン型等の他のタイプのイオン源を用いても
良く、あるいはイオン源から引き出され質量分析された
スポット状のイオンビームを必要面積に亘りスキャンし
て照射するようにしても良い。
蒸発源18は、後述する第2の工程にのみ用いるので、
これについては後述する。
処理に際しては、真空容器内を例えば10-5〜10-7Torr
程度にまで排気した後、まず第1の工程として、イオン
源12にガスGとして例えば一酸化炭素ガス、二酸化炭素
ガス、炭化水素系ガス(例えばメタンガス、エタンガス
等)、有機化合物系ガス(例えばアセトン等)等の組成
上炭素を含むガスの少なくとも一種を供給することによ
って、イオン源12からイオン14として、炭素イオンおよ
び炭素を含む物質のイオン(例えばCHイオン等)の内の
少なくとも一種、即ちこれらの単一イオンまたは混合イ
オンを引き出して、これを基体2に注入する。このとき
の基体2に対するイオン14の注入量は、例えばビームモ
ニタ16によって計測することができる。
それによって、例えば第2図に示すように、基体2の
表層部に当該基体材料の炭化層4が形成される。
その場合、注入イオン14のエネルギーは、基体2の種
類と当該イオン14の基体2内飛程により関係付けられる
ため特に限定されるものではないが、下限はイオン源2
からイオン14を引き出せる限度から現実的には10eV程度
以上になる。また、上限は膜中または基板における損傷
を軽減するために、通常50KeV以下が好ましいが、50KeV
以上でも炭化層の形成は可能で、この場合には必要に応
じてアニール処理をしても良い。
また、基体2に対するイオン14の注入量も、基体2の
種類により炭化層4の形成状態が異なるため特に限定さ
れるものではないが、イオン注入による基体2内の損傷
を防止するため、例えば1×1018イオン/cm2程度以下に
するのが好ましい。
また、イオン14の注入時は、それによる基体2の熱的
損傷を防止する観点から基体2の種類によってはそれを
冷却しても良く、あるいは炭化層が拡散し易くなる観点
から基体2をその変態温度以下で加熱しても良い。また
注入後、基体2に対して注入イオンと同種のガス中で損
傷回復のためにアニール処理を施しても良い。
そして上記のようにして基体2の表層部に炭化層4を
予め形成した後、次いで第2の工程として、その上に非
晶質炭素膜やダイヤモンド膜等の炭素系膜6(第2図参
照)を形成する。
この炭素系膜6の形成は、前述したようなCVD法、イ
オンプレーティング法等の既存技術を用いて行っても良
いし、次に述べるような真空蒸着とイオン照射を併用す
る方法を用いて行っても良い。
いずれの方法によるにしても、基体2の表層部と後に
形成する炭素系膜6とは共に炭素系の物質同士となるた
め、互いの整合性が向上する。その結果、基体2に対す
る炭素系膜6の密着性が向上すると共に、様々な種類の
基体2に対して、例えば従来は非晶質炭素膜やダイヤモ
ンド膜等の炭素系膜6の形成が困難とされていたステン
レスのような基体2に対しても、これらの膜を安定にか
つ密着性良く形成することができるようになる。
次に、真空蒸着とイオン照射の併用によって前述した
炭素系膜6を形成する方法の例を説明する。この場合
は、上記イオン源12と共に蒸発源18を用いる。
蒸発源18は、例えば電子ビーム蒸発源であり、炭素20
を蒸発させてそれを基体2の表面に蒸着させることがで
きるが、他のタイプの蒸発源を用いても良い。22は、基
体2上に蒸着させる膜の膜厚等を計測する膜厚モニタで
ある。
またイオン源12に供給するガスGとしては、この場合
は前述したような炭化水素系ガス、有機化合物系ガスお
よび不活性ガス(例えばヘリウムガス、アルゴンガス
等)の内の少なくとも一種、即ちこれらの単一ガスまた
は混合ガスを用いる。これは、炭化水素系ガスや有機化
合物系ガスを用いれば、蒸着炭素にそれと同系の、即ち
炭素系のイオン14が照射されるため、それによって蒸着
炭素をより励起し易くなるからであり、不活性ガスを用
いれば、イオン14として照射される不活性元素は反応性
が乏しいため、不純物混入の無い良質の炭素系膜6が得
られるからである。また、ダイヤモンド形成を促進する
ため、上記のようなガスにケイ素系ガスおよび水素ガス
の内の少なくとも一方を混合しても良い。
炭素系膜6の形成に際しては、この例では前記第1の
工程に引き続いて同一の真空容器内で、蒸発源18からの
炭素20を基体2上に(詳しくはその表層部の炭化層14上
に)蒸着させるのと同時に、またはそれと交互に、イオ
ン源12からのイオン14を基体2に向けて連続的にまたは
間欠的に照射する。
これによって、例えば第2図に示すように基体2の表
面に、即ちその表層部の炭化層14の上に、非晶質炭素膜
やダイヤモンド膜等の炭素系膜6が形成される。これ
は、イオン14の照射によって、基体2に蒸着された炭素
を非晶質化したり、基体2に蒸着されたグラファイト構
造の炭素に核形成エネルギーを供給してそれをダイヤモ
ンドに結晶成長させたりすることができるからである。
その場合、炭素系膜6の膜質、例えば当該膜中におけ
るダイヤモンド結晶と非晶質炭素との割合等は、基体2
に入射させるイオン/炭素の割合、イオン源12に供給す
る上記のような各種ガスの混合比、イオン14のエネルギ
ー等の条件によって制御することができる。
また、この場合のイオン14のエネルギーは、その照射
によって炭素系膜6の内部にダメージ(欠陥部)が発生
するを極力少なくする観点から、10KeV程度以下の低エ
ネルギー、より好ましくは数百eV程度以下にするのが良
い。またその下限は、特に限定されるものではないが、
前記の場合と同様に現実的には10eV程度以上になる。
また、この場合も膜形成時には、必要に応じて基体2
を加熱あるいは冷却しても良く、加熱すれば熱励起によ
ってダイヤモンド形成の反応を促進することができると
共に、炭素系膜6中に発生する欠陥部を成膜中に除去す
ることができ、また冷却すればイオン14の照射による基
体2の熱的損傷を防止することができる。
上記方法によって炭素系膜6を形成する場合の特徴を
列挙すれば次の通りである。
CVD法と違って熱励起を主体としていないため、低
温処理が可能であり、その結果基体2として使用できる
材質の範囲が大幅に広がる。
イオン14の押し込み(ノックオン)作用によって基
体2と炭素系膜6との界面付近に両者の混合層が形成さ
れることが期待でき、これによって基体2に対する炭素
系膜6の密着性が一層良くなる。
炭素20の蒸着を併用するため、CDV法に比べて短時
間で大きな膜厚が得られ、炭素系膜6の形成効率が良
い。
同一の真空容器内で炭化層4の形成と連続して炭素
系膜6を形成することができるため、大気に汚染される
心配が全く無く、しかも処理効率も良い。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、イオン注入によって
基体の表層部に当該基体材料の炭化層を予め形成するよ
うにしたので、ステンレスを含む様々な種類の基体の表
面に、非晶質炭素膜やダイヤモンド膜等の炭素系膜を安
定にかつ密着性良く形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る方法を実施する装置の一例を
示す概略図である。第2図は、炭素系膜等が形成された
基体の表面付近を部分的に示す概略断面図である。 2……基体、4……炭化層、6……炭素系膜、12……イ
オン源、14……イオン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体の表面に炭素系膜を形成する際、真空
    中で当該基体に対して炭素イオンおよび炭素を含む物質
    のイオンの内の少なくとも一種を注入することによって
    当該基体の表層部に当該基体材料の炭化層を予め形成
    し、次いでその上に前記炭素系膜を形成することを特徴
    とする炭素系膜の形成方法。
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