JPH0861090A - 燃焼タービンの吸気冷却方法及び装置 - Google Patents

燃焼タービンの吸気冷却方法及び装置

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JPH0861090A
JPH0861090A JP21052994A JP21052994A JPH0861090A JP H0861090 A JPH0861090 A JP H0861090A JP 21052994 A JP21052994 A JP 21052994A JP 21052994 A JP21052994 A JP 21052994A JP H0861090 A JPH0861090 A JP H0861090A
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宣治 丹羽
Seiichi Nakanishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸気冷却により燃焼タービンの出力を増強す
るに際し、吸気である燃焼用空気を除湿するとともに、
河川水、海水、空気などの未利用エネルギー又はクーリ
ングタワー冷却水を用いて冷却した後、潜熱蓄熱装置の
冷熱を用いてさらに冷却して、省エネルギー及び効率向
上を図る。 【構成】 燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を冷却
することにより、燃焼タービンの出力を増強させる燃焼
タービンの吸気冷却方法において、燃焼用空気をロータ
リー式の湿分吸着式除湿装置10に充填された湿分吸着
剤16と接触させて該燃焼用空気中の湿分を除去した
後、この除湿空気を河川水、海水、空気などの未利用エ
ネルギー及びクーリングタワー冷却水のうちのいずれか
の冷熱を用いて予備空気冷却器12で予備冷却し、つい
で、冷媒の蒸発潜熱で予め冷却した潜熱蓄熱材30の冷
熱を用いて予備冷却空気をさらに冷却するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼タービンの出力を
増強するために吸気である燃焼用空気を冷却する方法及
びこの方法を実施するための装置、詳しくは、吸気温度
が低下すると、燃焼タービンの出力が上昇することを利
用し、吸気温度が上昇する夏季などにその吸気を冷却す
ることにより、出力低下を防止し、さらに、積極的に出
力増強を図る燃焼タービンの吸気冷却方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ガスタービンの燃焼用空気
を、氷水などの冷媒と熱交換して冷却した後、ガスター
ビンへ供給してガスタービンの効率を向上させる方法が
良く知られている(例えば、EPRIジャーナル、19
91年10月・11月号第41頁〜43頁参照)。図4
は、吸気温度(大気温度)とガスタービンの相対出力と
の関係を示すグラフである。図4から、吸気温度を下げ
ると相対出力が上昇することがわかる。
【0003】また、従来、燃焼タービンの吸気温度が上
昇する夏季などには、負荷が大きくなるのに、その出力
が低下する対策として、蒸発式冷却器を付設し直接吸気
を冷却する方法、氷蓄熱装置のような潜熱蓄熱装置を付
設し間接的に空気を冷却する方法がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸発式
冷却器を付設し直接吸気を冷却する方法は、いくらよく
ても湿球温度以下の温度には吸気を冷却できず、絶対湿
度以上に空気が加湿される欠点がある。氷蓄熱装置のよ
うな潜熱蓄熱装置を付設し間接的に空気を冷却する方法
は、潜熱蓄熱装置の温度付近まで吸気を冷却出来るが、
湿分の凝縮潜熱を除去する必要があるので必要冷熱が多
くなり、潜熱蓄熱装置の容量が大きくなる欠点がある。
【0005】近年、冷房等による昼間の負荷の著しい増
大が、電力負荷の昼夜間の格差を拡大させており、電力
負荷の平準化が強く要請されている。この平準化対策と
して有効な潜熱蓄熱装置の開発が重要課題として進めら
れている。さらに、廃熱、空気、河川水、海水などの未
利用エネルギーを有効に利用することによる省エネルギ
ー及びエネルギー利用効率向上が要請されている。
【0006】本発明は上述のような技術的、社会的な背
景のもとなされたものであり、その目的とするところ
は、燃焼タービンの吸気温度が上昇する夏季などにその
吸気を冷却することにより、出力低下防止、さらに、積
極的に出力増強を図る燃焼タービンの吸気冷却方法及び
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の燃焼タービンの吸気冷却装置は、図1に
示すように、燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を冷
却することにより燃焼タービンの出力を増強させるた
め、燃焼用空気冷却機構を付設した燃焼タービンにおい
て、燃焼用空気冷却機構が、燃焼用空気中の湿分を除湿
するための湿分吸着式除湿装置10と、この湿分吸着式
除湿装置10で除湿された燃焼用空気を1次冷却するた
めの予備空気冷却器12と、1次冷却された燃焼用空気
を2次冷却するための潜熱蓄熱装置14の冷熱を用いる
空気冷却器15とを備えるように構成される。潜熱蓄熱
装置14は、冷媒を圧縮する圧縮機24と、この圧縮機
24からの圧縮冷媒を凝縮させる凝縮器26と、凝縮冷
媒を膨張させる膨張弁28と、膨張冷媒の潜熱により潜
熱蓄熱材30を冷却する潜熱蓄熱槽(氷蓄熱槽)32と
からなっている。そして、冷却された潜熱蓄熱材30が
空気冷却器15に導入されて、1次冷却された空気をさ
らに冷却する。この場合、湿分吸着式除湿装置10を、
盤状回転体内に湿分吸着剤16が充填され、回転軸18
を中心にして一方の半分を吸着部(吸着ゾーン)20、
他方の半分を再生部(再生ゾーン)22としたロータリ
ー式除湿装置とすることが好ましい。
【0008】本発明の燃焼タービンの吸気冷却方法は、
図1に示すように、燃焼タービンの吸気である燃焼用空
気を冷却することにより、燃焼タービンの出力を増強さ
せる燃焼タービンの吸気冷却方法において、燃焼用空気
を湿分吸着剤と接触させて該燃焼用空気中の湿分を除去
した後、この除湿空気を河川水、海水、空気などの未利
用エネルギー及びクーリングタワー冷却水のうちのいず
れかの冷熱を用いて予備冷却し、ついで、冷媒の蒸発潜
熱で予め冷却した潜熱蓄熱材の冷熱を用いて予備冷却空
気をさらに冷却することを特徴としている。この場合、
湿分吸着剤の再生に燃焼タービン排ガスを使用すること
が好ましい。
【0009】また、本発明の燃焼タービンの吸気冷却装
置は、図2に示すように、燃焼タービンの吸気である燃
焼用空気を冷却することにより燃焼タービンの出力を増
強させるため、燃焼用空気冷却機構を付設した燃焼ター
ビンにおいて、燃焼用空気冷却機構が、燃焼用空気中の
湿分を除湿するための吸収液式除湿装置40と、この吸
収液式除湿装置40底部から排出される希薄吸収液を蒸
発濃縮する蒸発缶42と、この蒸発缶42で濃縮された
濃縮吸収液を吸収液式除湿装置40上部へ循環する吸収
液循環ライン44と、この吸収液循環ライン44に設け
られた吸収液冷却器46と、吸収液式除湿装置40から
排出された除湿空気を冷却するための潜熱蓄熱装置14
の冷熱を用いる空気冷却器15とを備えていることを特
徴としている。潜熱蓄熱装置14の構成は図1の場合と
同様である。
【0010】図2に示す装置において、燃焼用空気を湿
分吸収液と接触させて該燃焼用空気中の湿分を除去した
後、この除湿空気を冷媒の蒸発潜熱で予め冷却した潜熱
蓄熱材の冷熱を用いて冷却し、吸湿した吸収液を蒸発さ
せて濃縮した後、濃縮吸収液を河川水、海水、空気など
の未利用エネルギー及びクーリングタワー冷却水のうち
のいずれかの冷熱を用いて冷却して循環使用する。この
場合、吸湿した吸収液の蒸発に燃焼タービン排ガスを使
用することが好ましい。
【0011】湿分吸着式除湿装置10としては、複数の
吸着管を有し湿分の吸着と再生を順次実施する回分式除
湿装置、円筒型に製作した吸着管を回転軸を中心とした
半分を吸着部、他の半分を再生部とし回転させながら、
吸着部では除湿し、再生部では燃焼タービンの排ガスを
導入することで吸着材を再生するロータリー式除湿装
置、又は吸着剤を流動体とする流動層式除湿装置などが
採用できる。湿分吸着式除湿装置10に装填する吸着剤
としては、シリカゲル、活性アルミナ、モレキュラーシ
ーブ、合成ゼオライトなどの物質が使用される。吸収液
式除湿装置40としては、スプレー塔、充填塔などの気
液接触装置が採用される。また、吸収液としてはエチレ
ングリコール、塩化リチウム水溶液などの吸湿性の強い
液が採用される。
【0012】潜熱蓄熱装置14としては、冷凍サイクル
の蒸発器伝熱管の外表面に静的に蓄熱材を凝固させる方
法、蒸発器外表面に液体の蓄熱材を散布してこれを凝固
させ、定期的に凝固した蓄熱材をはぎ取り動的な凝固蓄
熱材をためる方法、又は潜熱蓄熱材をカプセル化し蓄熱
する方法等を採用できる。潜熱蓄熱材30としては、水
が最も好ましく用いられるが、含氷晶をつくる塩化カリ
ウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液、硝酸ナトリウム
水溶液などの無機塩水溶液、エチレングリコールブライ
ンなど0〜−20℃の融点の物質が好ましく用いられ
る。
【0013】
【作用】燃焼タービン用空気を、まず最初に湿分吸着式
除湿装置10又は吸収液式除湿装置40に導入して除湿
し、次いで空気、河川水、海水などの未利用冷熱エネル
ギーを、湿分吸着式除湿装置10を採用する場合には予
備空気冷却装置12で利用し、また、吸収液式除湿装置
40を採用する場合には吸収液冷却器46で利用し、燃
焼用空気のエンタルピーを低下せしめ、しかる後に、夜
間などの電力負荷の低い時に冷熱を蓄熱した潜熱蓄熱装
置14の冷熱を利用する除湿空気冷却器15により低エ
ンタルピー空気を冷却する。なお、予備空気冷却器12
に用いる空気、海水、河川水などの未利用エネルギーの
冷熱の代わりにクーリングタワーで冷却された冷水を採
用することもできる。また、吸収液式除湿装置40の吸
収液冷却器46に用いる空気、海水、河川水などの未利
用エネルギーの代わりにクーリングタワーで冷却された
冷水を採用することもできる。
【0014】湿分吸着式除湿装置10又は吸収液式除湿
装置40は稼働により、内部に装着されている吸着剤又
は吸収液が水分を吸着又は吸収するので、一定の時間し
か利用できない。このため、湿分吸着式除湿装置10の
場合は該除湿装置に燃焼タービン排ガスを導入し、この
熱を利用することにより吸着剤の水分を除去し該除湿装
置を再生利用することが好ましい。吸収液式除湿装置4
0の場合は、吸湿した吸収液を蒸発缶42に導き、ここ
で燃焼排ガスの熱により吸収液を濃縮することが好まし
い。
【0015】本発明による除湿課程の一例を、図3のエ
ンタルピー温度図表により説明する。図3は、大気温度
とISO条件(15℃、大気圧)を1とした相対出力と
の関係の一例を示している。図3におけるは燃焼用原
料空気の状態(30℃、78%RH、エンタルピー20
kcal/kg乾き空気)を示し、は湿分吸着式除湿装置1
0の出口空気の状態(70℃、8%RH、エンタルピー
22kcal/kg乾き空気)を示し、は海水の冷熱を冷熱
源とする多管式の空気冷却器12の出口の状態(30
℃、30%RH、エンタルピー12kcal/kg乾き空気)
を示し、は潜熱蓄熱装置14の冷熱を冷熱源とする多
管式の空気冷却器15の出口の状態(5℃、100%R
H、エンタルピー5kcal/kg乾き空気)を示す。〜
の課程で除湿させることにより空気温度が大幅上昇する
とともに、エンタルピーは本例では20kcal/(kg乾燥
空気)から22kcal/(kg乾燥空気)と若干上昇する。
〜の課程では等湿分線に沿って空気温度が低下し、
エンタルピーは原料空気の20kcal/(kg乾燥空気)か
ら12kcal/(kg乾燥空気)となる。この〜の課程
は原料空気のエンタルピーの内潜熱分を顕熱化すること
により空気、河川水、海水、クーリングタワー冷却水な
どの低級な冷熱を利用し原料空気のエンタルピーを低減
する課程である。この結果、従来実施されていた潜熱蓄
熱装置14の冷熱のみで空気を冷却する方法に比し約5
0%の省エネルギーとなるとともに、潜熱蓄熱槽32の
容量を同じ率だけ減少させることが出来る。図3から、
夏季の標準的な状態30℃、70%RHの大気を5℃に
冷却すれば、約25%出力増強出来ることが分かる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。 実施例1 図1は、本発明の実施例1における燃焼タービンの吸気
冷却装置を示している。まず、夜間電力を利用して圧縮
機24、凝縮器26、膨張弁28、潜熱蓄熱槽32内の
蒸発器34からなる冷凍サイクルを稼働する。なお、管
コイル型の蒸発器34を潜熱蓄熱槽に配設している。潜
熱蓄熱槽32には潜熱蓄熱材30の一例として、水を充
填する。フロン、アンモニアなどの冷媒の蒸発潜熱によ
り管コイルの管外に氷を得て、冷熱を蓄熱する。
【0017】燃焼用空気(原料空気)は、例えば、シリ
カゲルが吸着素子である除湿ロータを持つロータリー式
の湿分吸着式除湿装置10に導入される。除湿ロータは
吸湿ゾーンと再生ゾーンに分離されており、回転させな
がら使用する。吸湿ゾーンからでた空気は乾き空気とな
り、水分を吸収したロータは再生ゾーンで燃焼タービン
排ガス(例えば、温度130℃)を通気されて水分を放
出する。該除湿装置で除湿された空気は原料空気に比し
てエンタルピーの値はほぼ同じであるが、高温になって
いる。例えば、河川水を冷熱源とする例えば、多管式の
予備空気冷却器12に、まず最初に導入する。次いで、
潜熱蓄熱槽32で蓄熱された冷熱を冷熱源とする例え
ば、多管式の空気冷却器15に導入する。このようにし
て冷却された燃焼用空気は、燃焼ガスタービンの吸気と
して供給される。
【0018】以下、本実施例の空気冷却課程を説明す
る。燃焼用原料空気の状態は(30℃、78%RH、エ
ンタルピー20kcal/kg乾き空気)であり、ロータリー
式除湿装置10の出口空気の状態は(70℃、8%R
H、エンタルピー22kcal/kg乾き空気)であり、河川
水の冷熱を冷熱源とする多管式の予備空気冷却器12の
出口の状態は(30℃、30%RH、エンタルピー12
kcal/kg乾き空気)であり、潜熱蓄熱装置14の冷熱を
冷熱源とする多管式の空気冷却器15の出口の状態は
(5℃、100%RH、エンタルピー5kcal/kg乾き空
気)である。ロータリー式除湿装置10で除湿させるこ
とにより、空気温度が大幅に上昇するとともに、エンタ
ルピーは本例では20kcal/(kg乾燥空気)から22kc
al/(kg乾燥空気)と若干上昇する。多管式の予備空気
冷却器12では等湿分線に沿って空気温度が低下し、エ
ンタルピーは原料空気の20kcal/(kg乾燥空気)から
12kcal/(kg乾燥空気)となる。ここの課程は原料空
気のエンタルピーの潜熱分を顕熱化することにより、河
川水の低級な冷熱を利用し原料空気のエンタルピーを低
減する課程である。多管式の空気冷却器15では、氷の
融解温度近傍(0〜3℃)の高級な冷熱を利用し、さら
に燃焼用空気の温度を低下させる。本例では、一例とし
て、30℃から5℃に燃焼用空気(吸気)を冷却してい
るので、出力は30℃の吸気の時の場合に比べ約25%
上昇する。
【0019】実施例2 図2は、本発明の実施例2における燃焼タービンの吸気
冷却装置を示している。本実施例では、実施例1におけ
るロータリー式除湿装置の代わりに、吸収液として例え
ば、塩化リチウム水溶液を用いたスプレー塔による吸収
液式除湿装置40を採用して乾き空気を得る。該スプレ
ー塔では吸収液が原料空気の湿分を吸収し塩化リチウム
の濃度が薄くなり、かつ、湿分を吸収したときの凝縮潜
熱のため吸収液の温度が高くなるので、吸収液の一部を
常に抜き出して濃縮し、かつ、吸収液は冷却器46で冷
却される。
【0020】吸収液の濃縮は強制循環式の蒸発缶42を
用い、その熱源は燃焼タービン排ガスを用いる。吸収液
の冷却は例えば、プレート式熱交換器を用い、その冷熱
源に河川水などを用いる。48は吸収液循環ポンプ、5
0はミストセパレータである。蒸発缶42としては、一
例として、吸収液をノズルで液滴化し燃焼タービン排ガ
スと熱交換させながら水分を蒸発させ、気液の分離を反
転部とミストセパレータ50にて行うようにした平行流
式噴霧濃縮機が用いられる。しかし、蒸発缶はこれに限
定されるものではなく、回転ドラムの上部から吸収液を
投入するとともに、向流で燃焼タービン排ガスを流して
濃縮するようにした回転式濃縮機や、多管式熱交換器型
の管内で吸収液を加熱するとともに、上部空間でフラッ
シュさせて水分を蒸発させるようにした縦長管型蒸発缶
などを用いることができる。
【0021】以下、本実施例の空気冷却課程を説明す
る。燃焼用原料空気の状態は(30℃、78%RH、エ
ンタルピー20kcal/kg乾き空気)であり、吸収液式除
湿装置40の出口空気の状態は(35℃、30%RH、
エンタルピー15kcal/kg乾き空気)であり、潜熱蓄熱
装置14の冷熱を冷熱源とする例えば、多管式の空気冷
却器15の出口の状態は(5℃、100%RH、エンタ
ルピー5kcal/kg乾き空気)である。吸収液式除湿装置
40での空気調湿課程は、原料空気のエンタルピーの潜
熱分を顕熱化することにより、例えば、河川水の低級な
冷熱を利用して原料空気のエンタルピーを低減する課程
である。多管式の空気冷却器15では、氷の融解温度近
傍(0〜3℃)の高級な冷熱を利用し、さらに燃焼用空
気の温度を低下させる。この操作により、冷却エネルギ
ーの内、未利用エネルギーへ約30%移行できる。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 吸気冷却により燃焼タービンの出力を増強する
に際し、吸気である燃焼用空気を除湿した後、河川水、
海水、空気などの未利用エネルギー又はクーリングタワ
ー冷却水などの低級な冷熱を有効利用することができる
ので、省エネルギー及び効率向上を図ることができる。
燃焼タービン排ガスの廃熱を有効利用する場合は、さら
に省エネルギー及び効率向上を図ることができる。 (2) 燃焼用空気の持つエンタルピーの内の潜熱分を
顕熱化することにより、河川水、海水、空気などの低級
な冷熱である未利用エネルギー又はクーリングタワー冷
却水を利用した後、潜熱蓄熱装置の冷熱を用いてさらに
冷却するので、エネルギーコストを低減することができ
る。 (3) 潜熱蓄熱のみで空気を冷却する従来方法の場合
は、潜熱蓄熱槽の容量が大きくなるが、本発明における
ように空気を除湿して冷却する場合は、潜熱蓄熱槽の容
量を大幅に減らすことができる。 (4) 潜熱蓄熱のみで空気を冷却する従来方法の場合
は、凝縮水の発生が多いが、本発明におけるように空気
を除湿して冷却する場合は、凝縮水の発生が大幅に少な
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼タービンの吸気冷却装置の一実施
例を示す系統図である。
【図2】本発明の装置の他の実施例を示す系統図であ
る。
【図3】全圧760mmHg、1kg−乾き空気を基準とする
場合のエンタルピー温度線図である。
【図4】大気温度(吸気温度)と燃焼タービンの相対出
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 湿分吸着式除湿装置 12 予備空気冷却器 14 潜熱蓄熱装置 15 空気冷却器 16 湿分吸着剤 18 回転軸 20 吸着部 22 再生部 24 圧縮機 26 凝縮器 28 膨張弁 30 潜熱蓄熱材 32 潜熱蓄熱槽(氷蓄熱槽) 34 蒸発器 40 吸収液式除湿装置 42 蒸発缶 44 吸収液循環ライン 46 吸収液冷却器 48 吸収液循環ポンプ 50 ミストセパレータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を
    冷却することにより、燃焼タービンの出力を増強させる
    燃焼タービンの吸気冷却方法において、 燃焼用空気を湿分吸着剤と接触させて該燃焼用空気中の
    湿分を除去した後、この除湿空気を河川水、海水、空気
    などの未利用エネルギー及びクーリングタワー冷却水の
    うちのいずれかの冷熱を用いて予備冷却し、ついで、冷
    媒の蒸発潜熱で予め冷却した潜熱蓄熱材の冷熱を用いて
    予備冷却空気をさらに冷却することを特徴とする燃焼タ
    ービンの吸気冷却方法。
  2. 【請求項2】 湿分吸着剤の再生に燃焼タービン排ガス
    を使用する請求項1記載の燃焼タービンの吸気冷却方
    法。
  3. 【請求項3】 燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を
    冷却することにより、燃焼タービンの出力を増強させる
    燃焼タービンの吸気冷却方法において、 燃焼用空気を湿分吸収液と接触させて該燃焼用空気中の
    湿分を除去した後、この除湿空気を冷媒の蒸発潜熱で予
    め冷却した潜熱蓄熱材の冷熱を用いて冷却し、吸湿した
    吸収液を蒸発させて濃縮した後、濃縮吸収液を河川水、
    海水、空気などの未利用エネルギー及びクーリングタワ
    ー冷却水のうちのいずれかの冷熱を用いて冷却して循環
    使用することを特徴とする燃焼タービンの吸気冷却方
    法。
  4. 【請求項4】 吸湿した吸収液の蒸発に燃焼タービン排
    ガスを使用する請求項3記載の燃焼タービンの吸気冷却
    方法。
  5. 【請求項5】 潜熱蓄熱材として、水、含氷晶をつくる
    塩化ナトリウム・塩化カルシウム・塩化マグネシウムの
    無機塩水溶液及びエチレングリコールブラインの少なく
    とも1種を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の燃焼
    タービンの吸気冷却方法。
  6. 【請求項6】 燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を
    冷却することにより燃焼タービンの出力を増強させるた
    め、燃焼用空気冷却機構を付設した燃焼タービンにおい
    て、 燃焼用空気冷却機構が、燃焼用空気中の湿分を除湿する
    ための湿分吸着式除湿装置と、この湿分吸着式除湿装置
    で除湿された燃焼用空気を1次冷却するための予備空気
    冷却器と、1次冷却された燃焼用空気を2次冷却するた
    めの潜熱蓄熱装置の冷熱を用いる空気冷却器とを備えて
    いることを特徴とする燃焼タービンの吸気冷却装置。
  7. 【請求項7】 湿分吸着式除湿装置が、盤状回転体内に
    湿分吸着剤を充填し、回転軸を中心にして一方の半分を
    吸着部、他方の半分を再生部としたロータリー式除湿装
    置である請求項6記載の燃焼タービンの吸気冷却装置。
  8. 【請求項8】 燃焼タービンの吸気である燃焼用空気を
    冷却することにより燃焼タービンの出力を増強させるた
    め、燃焼用空気冷却機構を付設した燃焼タービンにおい
    て、 燃焼用空気冷却機構が、燃焼用空気中の湿分を除湿する
    ための吸収液式除湿装置と、この吸収液式除湿装置底部
    から排出される希薄吸収液を蒸発濃縮する蒸発缶と、こ
    の蒸発缶で濃縮された濃縮吸収液を吸収液式除湿装置上
    部へ循環する吸収液循環ラインと、この吸収液循環ライ
    ンに設けられた吸収液冷却器と、吸収液式除湿装置から
    排出された除湿空気を冷却するための潜熱蓄熱装置の冷
    熱を用いる空気冷却器とを備えていることを特徴とする
    燃焼タービンの吸収冷却装置。
  9. 【請求項9】 潜熱蓄熱装置が、冷媒を圧縮する圧縮機
    と、この圧縮機からの圧縮冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    凝縮冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張冷媒の潜熱により
    潜熱蓄熱材を冷却する潜熱蓄熱槽とを備えている請求項
    6、7又は8記載の燃焼タービンの吸気冷却装置。
JP6210529A 1994-08-10 1994-08-10 燃焼タービンの吸気冷却装置 Expired - Lifetime JP3004545B2 (ja)

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