JPH0860521A - 多頭式刺繍ミシンの上糸ロック装置 - Google Patents

多頭式刺繍ミシンの上糸ロック装置

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Publication number
JPH0860521A
JPH0860521A JP21063694A JP21063694A JPH0860521A JP H0860521 A JPH0860521 A JP H0860521A JP 21063694 A JP21063694 A JP 21063694A JP 21063694 A JP21063694 A JP 21063694A JP H0860521 A JPH0860521 A JP H0860521A
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JP
Japan
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needle
sewing
slide plate
head
sewing machine
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP21063694A
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English (en)
Inventor
Ikuo Tajima
郁夫 田島
Takashi Shibata
高士 柴田
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のミシンヘッドで刺繍を施す際に、休止
中のミシンヘッドで複数の上糸を確実にロックする。 【構成】 上糸14が挿通される縫針16を備える針棒
18と、上糸を取上げる天秤20との対を複数並設した
ミシンヘッド10を、テーブル上方に複数並設した多頭
式刺繍ミシンで、該ヘッドの上糸通過経路に交差して臨
み、各天秤を経た上糸の挿通を許容する第1挿通孔48
を針数だけ穿設した保持板40と、該保持板に長手摺動
自在に重ね合わされ、各第1挿通孔に対応する第2挿通
孔52を穿設したスライド板50とからなり、各ヘッド
の刺繍縫製時は第1挿通孔と第2挿通孔とを対応整列さ
せて各上糸の通過を許容し、各ヘッドの休止時は保持板
に対しスライド板を長手摺動させて第1挿通孔と第2挿
通孔とを変位させ、両挿通孔に挿通した上糸を保持板と
スライド板とで挟持して該上糸をロックするようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多頭式刺繍ミシンの
上糸ロック装置に関し、更に詳細には、複数のミシンヘ
ッドをテーブルの上方に並列的に複数基配設してなる多
頭式刺繍ミシンにおいて、前記複数のミシンヘッドの内
で任意のミシンヘッドを休止させ、残りのミシンヘッド
により加工布に刺繍を施すに際し、休止中のミシンヘッ
ドでの上糸を確実にロックし得るよう構成した上糸ロッ
ク装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】図18に示すように、多数のミシンヘッド
10をテーブル12の上方に並列的に複数基配設してな
る多頭式刺繍ミシンが好適に使用されている。この多頭
式刺繍ミシンに並設される各ミシンヘッド10は、図1
7に示すように、上糸14が挿通される縫針16を下端
部に備える昇降自在な針棒18と、該針棒18に対応し
て設けられ該上糸14の取上げを行なう天秤20とから
なる刺繍縫製部22を、該ヘッド10の前面に並列的に
複数配設するようになっている(図示例の刺繍縫製部2
2は6つ設けられている)。そして前記テーブル12に
載置した加工布に、夫々のミシンヘッド10が対応的に
振分けられ、各ミシンヘッド10における刺繍縫製部2
2を同期的に稼働させることにより、該加工布の対応個
所に所要の刺繍が施される。
【0003】この多頭式刺繍ミシンでは、複数基備えた
ミシンヘッド10の全てが常時稼働される訳ではなく、
加工布に形成すべき刺繍パターンに応じて、任意のミシ
ンヘッド10での稼働を休止させ、残りのミシンヘッド
10により刺繍縫製を行なう場合が往々にして存在す
る。すなわち多頭式刺繍ミシンで加工布に刺繍を施す際
には、全てのミシンヘッド10を同期的に稼働させるケ
ース、偶数のヘッド10を休止させて奇数のヘッド10
を稼働させるケース、逆に奇数のヘッド10を休止させ
て偶数のヘッド10を稼働させるケース、ランダムに任
意のヘッド10を休止させて他のヘッド10を稼働させ
るケース等があり、これらのミシンヘッド10を如何な
るシーケンスで稼働させるかは、作成すべき刺繍パター
ンに応じてプログラムされたマイクロコンピュータの制
御データに依存している。
【0004】前述の如く、任意のミシンヘッド10を休
止させ、残りのミシンヘッド10を稼働させる場合に
は、休止中に係るミシンヘッド10における複数の刺繍
縫製部22では、各針棒18を上方へジャンプさせた状
態で待機させるようにしてある。しかるに休止中のミシ
ンヘッド10であっても、前記天秤20は上下に揺動し
て上糸14の取上げ動作を行なっているので、針棒18
の下端部に設けた縫針16の目孔に通した該上糸14が
抜けてしまうことがある。このように休止中のミシンヘ
ッド10における天秤20の上下揺動に起因して、上糸
14が縫針16の目孔から抜けてしまう不都合を回避す
るため、上糸ロック装置を多頭式刺繍ミシンに設ける提
案がなされている。
【0005】すなわち図17に示す如く、多頭式刺繍ミ
シンにおけるミシンヘッド10の前面下部に上糸押え部
24が固定されると共に、該ヘッド10の両側面に対を
なす回動アーム26,26の略中間部が回動可能に枢支
されている。そして回動アーム26,26の前端部間に
押え棒28が連結固定されると共に、後端部間に作動棒
30が連結固定されている。この作動棒30はモータ3
2を駆動源とする揺動機構に接続され、回動アーム2
6,26を所要角度だけ正逆方向へ回動させることによ
り、前記押え棒28を上糸押え部24に対して押圧並び
に解除させ得るようになっている。従って、前記天秤2
0から針棒18の縫針16に至る上糸14を、これら上
糸押え部24と押え棒28との間に通過させるようにし
ておけば、前記揺動機構の作動により回動アーム26,
26が反時計方向に回動すると(図17で)、該上糸14
は前記押え棒28と上糸押え部24との間でロックされ
る。また揺動機構を逆作動させると、回動アーム26,
26が時計方向に回動し(図17で)、押え棒28による
上糸14のロックは解除される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した上糸ロック装
置は、押え棒28の両端部を回動アーム26,26の前
端部で固定する構造になっているので、この押え棒28
と上糸押え部24とによって上糸14を挾む力にムラを
生ずる欠点がある。すなわち押え棒28と上糸押え部2
4との間には、例えば刺繍縫製部22の数に応じて6本
の上糸14が通過させられるが、該押え棒28と上糸押
え部24との押圧力は中央付近が弱くなるので、この中
央付近に位置する上糸14に関しては確実にロックでき
ないことがある。また任意の針棒18を選択するために
ミシンヘッド10をスライドさせると、前記モータ32
を駆動源とする揺動機構と作動棒30との連結位置に変
化を来す。すると押え棒28が上糸14を押圧する力
は、該押え棒28における一端側が強くなって他端側が
弱くなる場合がある。このときは、押圧力の弱い方では
上糸14を上糸押え部24に対して確実にロックし得な
い欠点を生ずる。
【0007】
【発明の目的】この発明は、従来技術に係る多頭式刺繍
ミシンの上糸ロック装置に内在していた前記欠点に鑑
み、これを好適に解決するべく提案されたものであっ
て、多頭式刺繍ミシンにおける複数のミシンヘッドの内
で任意のミシンヘッドを休止させ、残りのミシンヘッド
により加工布に刺繍を施すに際し、休止中のミシンヘッ
ドで複数の上糸の全てを確実にロックし得る上糸ロック
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を好適に達成するため、本発明に係る上糸ロック
装置は、上糸が挿通される縫針を下端部に備える針棒
と、該針棒に対応して設けられ該上糸の取上げを行なう
天秤とで刺繍縫製部を構成し、この刺繍縫製部を並列的
に複数配設してなるミシンヘッドを、テーブルの上方に
並列的に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシン
において、前記ミシンヘッドの上糸通過経路に交差して
臨むよう配設され、夫々の天秤を経て縫針に向かう上糸
の挿通を許容する第1挿通孔を、前記縫針の数だけ長手
方向に穿設した保持板と、この保持板に長手方向への摺
動自在に重ね合わされ、前記複数の第1挿通孔に個別に
対応する第2挿通孔を同じ数だけ長手方向に穿設したス
ライド板とからなり、個々のミシンヘッドの刺繍縫製時
には、前記保持板の第1挿通孔とスライド板の第2挿通
孔とを対応的に整列させて各上糸の通過を許容し、個々
のミシンヘッドの縫製休止時には、前記保持板に対しス
ライド板を長手方向へ摺動的に移動させて前記第1挿通
孔と第2挿通孔とを変位させ、両挿通孔に挿通した上糸
を前記保持板とスライド板とで挟持することにより該上
糸の動きをロックするようにしたことを特徴とする。
【0009】同じく前記課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するため、本願の別の発明に係る上糸ロック装
置は、上糸が挿通される縫針を下端部に備える針棒と、
該針棒に対応して設けられ該上糸の取上げを行なう天秤
とで刺繍縫製部を構成し、この刺繍縫製部を並列的に複
数配設してなるミシンヘッドを、テーブルの上方に並列
的に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシンにお
いて、前記ミシンヘッドの上糸通過経路に交差して臨む
よう配設され、夫々の天秤を経て縫針に向かう上糸の挿
通を許容する挿通孔を、前記縫針の数だけ長手方向に穿
設した保持板と、この保持板に前後方向への摺動自在に
重ね合わされ、前記挿通孔の全てに対応し得る長尺孔を
長手方向に穿設したスライド板とからなり、個々のミシ
ンヘッドの刺繍縫製時には、前記保持板の挿通孔とスラ
イド板の長尺孔とを対応的に整列させて各上糸の通過を
許容し、個々のミシンヘッドの縫製休止時には、前記保
持板に対しスライド板を前後方向へ摺動的に移動させて
前記挿通孔と長尺孔とを変位させ、これら挿通孔および
長尺孔に挿通した上糸を前記保持板とスライド板とで挟
持することにより該上糸の動きをロックするようにした
ことを特徴とする。
【0010】同じく前記課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するため、本願の更に別の発明に係る上糸ロッ
ク装置は、上糸が挿通される縫針を下端部に備える針棒
と、該針棒に対応して設けられ該上糸の取上げを行なう
天秤とで刺繍縫製部を構成し、この刺繍縫製部を並列的
に複数配設してなるミシンヘッドを、テーブルの上方に
並列的に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシン
において、前記ミシンヘッドの上糸通過経路に交差して
臨むよう配設され、夫々の天秤を経て縫針に向かう上糸
の挿通を許容する長尺孔を長手方向に穿設した保持板
と、この保持板に前後方向への摺動自在に重ね合わさ
れ、前記長尺孔に対応し得る挿通孔を前記縫針の数だけ
長手方向に穿設したスライド板とからなり、個々のミシ
ンヘッドの刺繍縫製時には、前記保持板の長尺孔とスラ
イド板の複数の挿通孔とを対応的に整列させて各上糸の
通過を許容し、個々のミシンヘッドの縫製休止時には、
前記保持板に対しスライド板を前後方向へ摺動的に移動
させて前記長尺孔と複数の挿通孔とを前後方向に変位さ
せ、これら長尺孔および挿通孔に挿通した上糸を前記保
持板とスライド板とで挟持することにより該上糸の動き
をロックするようにしたことを特徴とする。
【0011】
【実施例】次に、本発明に係る多頭式刺繍ミシンの上糸
ロック装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を
参照しながら以下説明する。図1〜図6は、本願の第1
の発明に係る上糸ロック装置の実施例を示すものであ
る。図1は、多頭式刺繍ミシンにおけるミシンヘッド1
0の正面図であって、該ミシンヘッド10の正面上方部
分に横方向に所要間隔で6つのスリット11が形成さ
れ、夫々のスリット11から天秤20が揺動自在に延出
している。またミシンヘッド10に、前記6本の天秤2
0に対応する本数の針棒18が昇降自在に配設され、各
針棒18の下端部に縫針16が固定されている。更にミ
シンヘッド10の前面で、かつ天秤20の下方に中糸道
13が水平に配設され、図示しない上糸供給源から引出
された上糸14は該中糸道13を経た後に前記天秤20
に挿通され、次いで下方に延在して前記縫針16の目穴
に挿通されるようになっている。
【0012】前記ミシンヘッド10の下方でかつ上糸1
4が通過する経路と交差する部位に、L字形アングル部
材からなる保持板40が水平に配設され、その両端部を
固定ボルト46,46により該ミシンヘッド10に固定
されている。この保持板40は、図2に示すように、前
記ミシンヘッド10に固定される垂直壁面42と、該垂
直壁面42から直角に延出する水平保持面44とを備え
ている。この保持板40の水平保持面44には、前記天
秤20の数に対応した第1挿通孔48が長手方向に所要
間隔で穿設され、夫々の第1挿通孔48に対応的に上糸
14が挿通されるようになっている(第1挿通孔48の
穿設数は、実施例では6個である)。また図2から判明
する如く、前記保持板40における水平保持面44に長
尺の板部材からなるスライド板50が上方から重ね合わ
され、該保持板40に対して長手方向への摺動自在にな
っている。
【0013】すなわちスライド板50は、前記第1挿通
孔48と同数の第2挿通孔52が対応的に穿設され、両
端部に下方へ折曲したレバー部70,70が形成される
と共に、その両端部付近に長孔54,54が長手方向に
穿設されている。そして夫々の長孔54にガイドピン5
6を挿通し、このガイドピン56を前記保持板40の水
平保持面44に螺挿することにより、前記スライド板5
0を保持板40に脱落不能でかつ長手方向への移動自在
に取付けている。この場合にガイドピン56とスライド
板50との間に圧縮スプリング58が介装され、該スプ
リング58の弾力によって該スライド板50を保持板4
0の水平保持面44に摺動自在に圧接可能になってい
る。なお水平保持面44に穿設した6つの第1挿通孔4
8と、前記水平保持面44に摺動自在に重ね合わせたス
ライド板50に穿設した同じく6つの第2挿通孔52と
の位置関係は、図3に示す如く、スライド板50を右
方向に最大限摺動させた際に各対応の第2挿通孔52と
第1挿通孔48とが整列し、また図4に示す如く、ス
ライド板50を左方向へ最大限に摺動させた際に各対応
の第2挿通孔52と第1挿通孔48とが完全に変位し
て、整列状態を解除し得る関係になるよう設定されてい
る。
【0014】更に図5および図6に示すように、前記保
持板40またはスライド板50に板状ゴム磁石60が固
定され、該板状ゴム磁石60により該スライド板50と
保持板40とを相対的に磁気吸着し得るよう構成してあ
る。すなわちスライド板50は、水平保持面44に対し
ガイドピン56に介装したスプリング58の圧力により
摺動可能に圧着されているが、これだけでは該スプリン
グ58の存在する両端部付近にしか圧接力が作用しない
畏れがある。そこで図2に示す如く、例えば水平保持面
44に穿設した第1挿通孔48の穿孔パターンに一致さ
せて、6つの通孔61を穿設した長尺の板状ゴム磁石6
0を準備し、この板状ゴム磁石60を水平保持面44の
表面またはスライド板50の裏面に固定する。このよう
に保持板40とスライド板50との間に板状ゴム磁石6
0を介在させることによって、両板40,50は磁気吸
着され、その長手方向の全域に亘り均等な押圧力が得ら
れるものである。なお図示例では、板状ゴム磁石60は
スライド板50の裏面に接着されて、その通孔61を第
2挿通孔52に整列させている。
【0015】次に、前述した第1発明に係る上糸ロック
装置の作用につき説明する。ミシンヘッド10の稼働状
態において、スライド板50に穿設した第2挿通孔52
および水平保持面44に穿設した第1挿通孔48は、常
には図3および図5に示す如く夫々が対応的に整列する
ようになっている。図示しない供給源から引き出された
上糸14は、図1に示す如く中糸道13を経て天秤20
に挿通されてから下方に延在し、スライド板50の第2
挿通孔52と水平保持面44の第1挿通孔48とに挿通
された後に縫針16の目穴に挿通される。この状態で多
頭式刺繍ミシンの各ミシンヘッド10を稼働させれば、
図示しない加工布に所要の刺繍が施される。
【0016】しかるに特定のミシンヘッド10での稼働
を休止し、該ヘッド10における上糸14をロックさせ
たい場合は、図4に示すように、スライド板50を左方
向に大きく摺動させ、先程まで整列していた第2挿通孔
52と第1挿通孔48とを変位させる。これにより上糸
14は、図6に示す如く、スライド板50の裏面に取付
けた板状ゴム磁石60と保持板40の水平保持面44と
で挟持され、従って該上糸14のロックが達成される。
このときスライド板50は、ガイドピン56に介装した
スプリング58により水平保持面44へ弾圧されると共
に、水平保持面44との間に介在させた板状ゴム磁石6
0の磁力により、該水平保持面44の長手方向に亘って
均一に吸着される。このため夫々の上糸14は、スライ
ド板50と水平保持面44との間の何れの箇所でも一定
の圧力で確実にロックされる。なおスライド板50を横
方向に摺動させる駆動源としては、後述するアクチュエ
ータの使用が推奨されるが、他の構成に係る機構を採用
しても、また必要に応じてマニュアル操作とするように
してもよい。
【0017】図7および図8は、本願の第2発明に係る
上糸ロック装置の好適な実施例を示すものである。その
基本構成は図2に示したところと共通しているが、スラ
イド板50は、保持板40の水平保持面44に向けて弾
力的に押圧されるのではなく、該水平保持面44から離
間する方向へ弾力的に付勢されるようになっている点で
相違している。すなわちスライド板50を水平保持面4
4に対し脱落不能に保持するガイドピン56には、図7
に示す如く、所要厚みのスペーサ62が介装されて、前
記スライド板50と水平保持面44との間に所要の間隙
を確保している。またスライド板50の裏面で、かつ夫
々の第2挿通孔52の穿設位置を回避した位置に、前記
スペーサ62より若干厚みの大きい弾性板材64が固定
されて、該弾性板材64はスライド板50と水平保持面
44とを離間方向へ弾力的に押圧している。なお弾性板
材64としては、例えば合成ゴム系の矩形板やスポンジ
系の矩形板で、摺動摩擦に対し耐久性のある材料が選定
使用される。
【0018】この第2発明の実施例の場合も、図8に示
す如く、スライド板50を水平保持面44に対して左方
向へ摺動させ、夫々に整列していた第2挿通孔52およ
び第1挿通孔48を変位させる。これにより両挿通孔5
2,48に挿通されていた上糸14は、前記水平保持面
44と弾性板材64とにより確実に挟まれ、その結果と
して該上糸14がロックされることになる。この場合
も、夫々の上糸14に対して弾性板材64が、水平保持
面44に対して弾力的に作用しているので、スライド板
50と水平保持面44との間の何れの箇所でも、該上糸
14は一定の圧力で確実にロックされるものである。
【0019】図示例に係る第1発明および第2発明で
は、保持板40に対しスライド板50を長手方向に摺動
させる構成を有するものであったが、該スライド板50
を保持板40に対して前後方向に摺動させる構成として
もよい。以下の図9、図10および図11に示す多頭式
刺繍ミシンの上糸ロック装置は、このスライド板50を
保持板40に対して前後方向に摺動させる構成を採用し
たものである。先ず図9は、本願の第3発明に係る実施
例を示すもので、前記保持板40には挿通孔15が前記
縫針16の数だけ所要間隔で長手方向に穿設され、個々
の挿通孔15に前記天秤20を経て縫針16に向かう上
糸14が挿通されている。また該保持板40には、スラ
イド板50が前後方向への摺動自在に重ね合わされてい
る。このスライド板50には、前記保持板40の挿通孔
15の全てに対応し得る長尺孔17が長手方向に穿設さ
れ、この長尺孔17に前記上糸14が挿通されるように
なっている。そして、個々のミシンヘッド10の刺繍縫
製時には、前記保持板40の各挿通孔15とスライド板
50の長尺孔17とを対応的に整列させて、各上糸14
の通過を許容する。また個々のミシンヘッド10の縫製
休止時には、保持板40に対してスライド板50を前後
方向へ摺動的に移動させて、前記挿通孔15と長尺孔1
7とを変位させる。そして、これら挿通孔15および長
尺孔17に挿通した上糸14を、前記保持板40とスラ
イド板50とで挟持することにより上糸14の動きをロ
ックすることができる。この場合も、保持板40の水平
保持面44に、所要数の通孔61を穿設した長尺板状ゴ
ム磁石60を固定しておくことにより、該保持板40と
スライド板50との長手方向の全域に亘り均等な押圧力
が得られるものである。
【0020】図10は、本願の第4発明に係る実施例を
示すもので、基本的に図9の構成と逆になっている。す
なわち保持板40には、夫々の天秤20を経て縫針16
に向かう上糸14の挿通を許容する長尺孔19が長手方
向に穿設されている。また該保持板40に前後方向への
摺動自在に重ね合わされるスライド板50には、前記長
尺孔19に対応し得る挿通孔21が、前記縫針16の数
だけ長手方向に所要間隔で穿設されている。そして、個
々のミシンヘッド10の刺繍縫製時には、前記保持板4
0の長尺孔19とスライド板50の複数の挿通孔21と
を対応的に整列させて、各上糸14の通過を許容する。
また個々のミシンヘッド10の縫製休止時には、前記保
持板40に対しスライド板50を前後方向へ摺動的に移
動させ、前記長尺孔19と複数の挿通孔21とを前後方
向に変位させる。そして、これらの長尺孔19と挿通孔
21とに挿通した上糸14を、前記保持板40とスライ
ド板50とで挟持することによって該上糸14の動きを
ロックし得るものである。なおスライド板50の裏面
に、所要数の通孔61を穿設した板状ゴム磁石60を固
定しておくことにより、該保持板40とスライド板50
との長手方向の全域に亘り均等な押圧力が得られる。
【0021】図11(A)は、本願の第5発明に係る実施
例を示すもので、前記ミシンヘッド10には、その上糸
通過経路に交差して臨むように保持板40が配設されて
いる。この保持板40には、前後方向への摺動自在にス
ライド板50が重ね合わせられている。保持板40の水
平保持面44には長手方向に亘って湾入部45が形成さ
れており、この湾入部45とスライド板50との間に各
天秤20を経て縫針16に向かう上糸14を挿通させる
ようにしてある。すなわち、個々のミシンヘッド10の
刺繍縫製時には、図11(B)の(a)に示すように、前記
保持板40における湾入部45とスライド板50との間
を各上糸14が自由に通過し得るようになっている。ま
た個々のミシンヘッド10の縫製休止時には、図11
(B)の(b)に示すように、前記保持板40に対しスライ
ド板50を後方へ摺動的に移動させて、前記上糸14を
前記保持板40とスライド板50とで挟持し、該上糸1
4の動きをロックすることができる。この場合も、例え
ばスライド板50の裏面に長尺の板状ゴム磁石60を固
定しておくことにより、該保持板40とスライド板50
との長手方向の全域に亘り均等な押圧力が得られる。
【0022】次に、本発明に係る上糸ロック装置のスラ
イド板50を、保持板40の水平保持面44に対して横
方向へ摺動させる機構につき説明する。図12、図1
3、図14に示す如く、スライド板50の右側端部は下
方へ折曲げられて折曲片70となっている。この折曲片
70の内側にガイド軸76が水平に固定され、このガイ
ド軸76は、前記水平保持面44の右側端部を下方へ折
曲げてなる舌片72のガイド溝74に遊挿されている。
またガイド軸76に外挿した圧縮スプリング78は、前
記折曲片70と舌片72との間に弾力的に位置し、常に
はスライド板50を図12に示す稼働位置、すなわちス
ライド板50の第2挿通孔52と水平保持面44の第1
挿通孔48とを整列させる位置に保持している。そして
図14に示す如く、前記折曲片70の外側にはブロック
体80が取付けられ、該ブロック体80の外側面に縦方
向に形成した傾斜カム面82を斜め右後方に指向させて
いる。ブロック体80は、その傾斜カム面82に対して
後述するカム体88の傾斜カム面90を強制当接させた
際に生ずる楔作用により、スライド板50をスプリング
78の弾圧力に抗して保持板40に対し摺動移動させる
ものである。
【0023】また図14に示す如く、水平保持面44か
ら垂下するよう配設した支持片84に長尺の駆動軸86
が水平に挿通され、該駆動軸86の適宜部位にカム体8
8が固定されている。すなわちカム体88は全体として
扇状に形成され、前記駆動軸86から半径方向に延出し
て、前記ブロック体80の下方位置に臨んでいる。そし
て該カム体88は、前記ブロック体80の傾斜カム面8
2と指向する側の面に傾斜カム面90が形成され、前記
駆動軸86を図14に関して矢印方向へ回動させること
により、該傾斜カム面82に傾斜カム面90が当接して
楔効果を奏するものである。なお駆動軸86は、多頭式
刺繍ミシンにおける全てのミシンヘッド10に共通的に
配設されるものであり、従って前記カム体88も該ミシ
ンヘッド10に対応して個別に設けられる。また該駆動
軸86は、その一端部において図示しない回動機構に接
続され、例えば図16に示す如く回動されるものであ
る。
【0024】すなわち図14において、カム体88はブ
ロック体80から僅かに離間した下方位置で待機し、該
カム体88の傾斜カム面90を前記ブロック体80の傾
斜カム面82に指向させている。そして図示しない回動
機構を付勢して、該駆動軸86を反時計方向(矢印方向)
へ回動させると、前記カム体88の傾斜カム面90がブ
ロック体80の傾斜カム面82に当接するに至る。更に
カム体88の回動が進行すると、両傾斜カム面90,8
2の間に生ずる楔効果によって、前記ブロック体80が
固定されているスライド板50は、圧縮スプリング78
の弾力に抗して左側へ摺動されることになる。つまり図
13に示す如く、スライド板50は保持板40の水平保
持面44に対し変位するので、それまで整列関係にあっ
た第2挿通孔52および第1挿通孔48も変位し、図6
に関して説明したように、上糸14をロックすることに
なる。また回動機構を逆付勢して、図14に示す駆動軸
86を時計方向に回動させれば、カム体88の傾斜カム
面90はブロック体80の傾斜カム面82から離脱して
押圧力を解除する。このため圧縮スプリング78の復帰
弾力により、スライド板50は保持板40の水平保持面
44に対し右方向へ摺動して、再び図5に示す整列状態
に復帰する。
【0025】先に述べた多頭式刺繍ミシンは、複数基の
ミシンヘッド10を並列的に配設したものであるので、
夫々のミシンヘッド10は基本的に同じ構成を有してい
る。そして前述したように、前記駆動軸86は多頭式刺
繍ミシンの全ミシンヘッド10に共通的に配設され、か
つ前記カム体88も各ミシンヘッド10毎に対応的に設
けられている。そこで図15の(A)および(B)に示す如
く、奇数のミシンヘッド10におけるカム体88の配設
角度と、偶数のミシンヘッド10におけるカム体88の
配設角度とを一定の関係で変化させておくことにより、
偶数のミシンヘッド10および奇数のミシンヘッド10
における各上糸14のロック状態を、個別に制御するこ
とが可能となる。
【0026】すなわち、図15の(A)および(B)では、
カム体88は何れもブロック体80から離間している。
例えば図15の(A)は、奇数側のミシンヘッド10にお
けるカム体88を、ブロック体80に対し最も離間させ
た状態で示してある。また図15の(B)は、偶数側のミ
シンヘッド10におけるカム体88を、ブロック体80
に対し最も離間させた状態で示してある。但し、図15
の(A)に示すカム体88より、図15の(B)に示すカム
体88の方が、対応のブロック体80から大きく離間し
ている。そして偶数のミシンヘッド10および奇数のミ
シンヘッド10の何れにおいても、上糸14はロックさ
れていない状態となっている。
【0027】次に図16の(A)は、図15の(A)に対応
するものであり、また図16の(B)は、図15の(B)に
対応するものである。図16の(A)に示すように、カム
体88を図15の(A)に示す位置から実線位置まで回動
させると、前述した図13の状態が形成されて上糸14
のロックが行なわれる。このとき図16の(B)では、カ
ム体88は図15の(B)に示す位置から実線位置まで回
動するが、ブロック体80に当接するに至っていないの
で、上糸14は未だロックされていない。
【0028】前記カム体88を、図16の実線位置から
一点鎖線の位置まで回動させると、図16(A)の奇数ヘ
ッド10ではブロック体80との当接状態が継続して、
上糸14は引続きロックされる。また図16(B)の偶数
ヘッド10では、カム体88が一点鎖線の位置まで回動
することにより、前述した図13の状態が形成されて上
糸14のロックが行なわれる。次いで、カム体88を図
16の一点鎖線位置から二点鎖線位置まで回動させる
と、図16(A)の奇数ヘッド10ではブロック体80か
ら外れて上糸14のロックは解除される。また図16
(B)の偶数ヘッド10では、カム体88がブロック体8
0に当接する状態が継続するので、上糸14は引続きロ
ックされる。このように、夫々のミシンヘッド10に設
けられるカム体88とブロック体80との位置関係を変
更させ、かつ共通の駆動軸86を所要角度だけ回動させ
ることにより、奇数のミシンヘッド10と偶数のミシン
ヘッド10とにおける上糸14のロック状態およびロッ
ク解除状態を好適に制御することができる。すなわち奇
数のミシンヘッド10および偶数のミシンヘッド10に
関して、上糸14のロックを個別に行なうことができる
ので、例えば奇数のミシンヘッド10では刺繍を行な
い、偶数のミシンヘッド10はその稼働を休止させて上
糸14のロックを行なうこと、逆に偶数のミシンヘッ
ド10では刺繍を行ない、奇数のミシンヘッド10はそ
の稼働を休止させて上糸14のロックを行なうことがで
きる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る多頭
式刺繍ミシンの上糸ロック装置によれば、ミシンヘッド
に設けたスライド板と保持板とをその長手方向に均一に
押圧乃至離隔させることができ、これにより夫々の上糸
をむらなく均一にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例に係る上糸ロック装置を設
けたミシンヘッドの正面図である。
【図2】第1の発明の実施例に係る上糸ロック装置の概
略構成を分解状態で示す斜視図である。
【図3】図1に示す上糸ロック装置において、ミシンヘ
ッドを稼働させて刺繍を行なう状態で示す一部切欠正面
図である。
【図4】図1に示す上糸ロック装置において、ミシンヘ
ッドを休止させた状態で示す一部切欠正面図である。
【図5】図3に係る上糸ロック装置において、2つの通
孔を整列させた状態を示す拡大図である。
【図6】図3に係る上糸ロック装置において、2つの通
孔の整列状態を解除させた拡大図である。
【図7】本願の第2の発明に係る上糸ロック装置の概略
構成を示す正面図で、2つの通孔を整列させた状態で示
している。
【図8】本願の第2の発明に係る上糸ロック装置の概略
構成を示す正面図で、2つの通孔を変位させた状態で示
している。
【図9】本願の第3の発明に係る上糸ロック装置の概略
斜視図である。
【図10】本願の第4の発明に係る上糸ロック装置の概
略斜視図である。
【図11】本願の第5の発明に係る上糸ロック装置を概
略斜視状態および概略平面状態で示す説明図である。
【図12】本発明に係る上糸ロック装置において、スラ
イド板を横方向へ摺動移動させる機構の概略構成を示す
正面図で、該スライド板を摺動させる前の状態で示して
ある。
【図13】本発明に係る上糸ロック装置において、スラ
イド板を横方向へ摺動移動させる機構の概略構成を示す
正面図で、該スライド板を摺動させた後の状態で示して
ある。
【図14】図12に示すスライド板を横方向へ摺動移動
させる機構の詳細を概略的に示す一部拡大斜視図であ
る。
【図15】図14に示す機構を、奇数側のミシンヘッド
と偶数側のミシンヘッドとで角度を変えて配設した状態
を示す側面図である。
【図16】図15で示す機構を、夫々角度を変えて稼働
させた状態で示す概略側面図である。
【図17】従来技術に係る上糸ロック装置の概略構成を
示す斜視図である。
【図18】従来技術に係る多頭式刺繍ミシンの概略構成
を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ミシンヘッド 12 テーブル 14 上糸 15 挿通孔 16 縫針 17 長尺孔 18 針棒 20 天秤 21 挿通孔 22 刺繍縫製部 40 保持板 48 第1挿通孔 50 スライド板 52 第2挿通孔 54 長孔 56 ガイドピン 58 スプリング 60 板状ゴム磁石 62 スペーサ 64 弾性板材 78 弾性部材 80 ブロック体 82 傾斜カム面 86 駆動軸 88 カム体 90 傾斜カム面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上糸(14)が挿通される縫針(16)を下端部
    に備える針棒(18)と、該針棒(18)に対応して設けられ該
    上糸(14)の取上げを行なう天秤(20)とで刺繍縫製部(22)
    を構成し、この刺繍縫製部(22)を並列的に複数配設して
    なるミシンヘッド(10)を、テーブル(12)の上方に並列的
    に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシンにおい
    て、 前記ミシンヘッド(10)の上糸通過経路に交差して臨むよ
    う配設され、夫々の天秤(20)を経て縫針(16)に向かう上
    糸(14)の挿通を許容する第1挿通孔(48)を、前記縫針(1
    6)の数だけ長手方向に穿設した保持板(40)と、 この保持板(40)に長手方向への摺動自在に重ね合わさ
    れ、前記複数の第1挿通孔(48)に個別に対応する第2挿
    通孔(52)を同じ数だけ長手方向に穿設したスライド板(5
    0)とからなり、 個々のミシンヘッド(10)の刺繍縫製時には、前記保持板
    (40)の第1挿通孔(48)とスライド板(50)の第2挿通孔(5
    2)とを対応的に整列させて各上糸(14)の通過を許容し、 個々のミシンヘッド(10)の縫製休止時には、前記保持板
    (40)に対しスライド板(50)を長手方向へ摺動的に移動さ
    せて前記第1挿通孔(48)と第2挿通孔(52)とを変位さ
    せ、両挿通孔(48,52)に挿通した上糸(14)を前記保持板
    (40)とスライド板(50)とで挟持することにより該上糸(1
    4)の動きをロックするようにしたことを特徴とする多頭
    式刺繍ミシンの上糸ロック装置。
  2. 【請求項2】 前記スライド板(50)に摺動方向に沿って
    長孔(54)を穿設し、この長孔(54)に遊挿したガイドピン
    (56)を前記保持板(40)に固定すると共に、該ガイドピン
    (56)とスライド板(50)との間にスプリング(58)を介挿し
    て、該スライド板(50)を保持板(40)に対し摺動自在に弾
    圧するようにした請求項1記載の多頭式刺繍ミシンの上
    糸ロック装置。
  3. 【請求項3】 前記保持板(40)またはスライド板(50)に
    板状ゴム磁石(60)を固定し、該板状ゴム磁石(60)により
    該スライド板(50)と保持板(40)とを相対的に磁気吸着す
    るようにした請求項1記載の多頭式刺繍ミシンの上糸ロ
    ック装置。
  4. 【請求項4】 前記保持板(40)の両端側にスペーサ(62)
    を夫々固定して該保持板(40)とスライド板(50)との間に
    所要の間隙を確保し、この間隙に前記スペーサ(62)より
    厚みの大きい弾性板材(64)を介在させて、該スライド板
    (50)を保持板(40)から離間させる方向に弾力付勢するよ
    うにした請求項1記載の多頭式刺繍ミシンの上糸ロック
    装置。
  5. 【請求項5】 上糸(14)が挿通される縫針(16)を下端部
    に備える針棒(18)と、該針棒(18)に対応して設けられ該
    上糸(14)の取上げを行なう天秤(20)とで刺繍縫製部(22)
    を構成し、この刺繍縫製部(22)を並列的に複数配設して
    なるミシンヘッド(10)を、テーブル(12)の上方に並列的
    に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシンにおい
    て、 前記ミシンヘッド(10)の上糸通過経路に交差して臨むよ
    う配設され、夫々の天秤(20)を経て縫針(16)に向かう上
    糸(14)の挿通を許容する挿通孔(15)を、前記縫針(16)の
    数だけ長手方向に穿設した保持板(40)と、 この保持板(40)に前後方向への摺動自在に重ね合わさ
    れ、前記挿通孔(15)の全てに対応し得る長尺孔(17)を長
    手方向に穿設したスライド板(50)とからなり、 個々のミシンヘッド(10)の刺繍縫製時には、前記保持板
    (40)の挿通孔(15)とスライド板(50)の長尺孔(17)とを対
    応的に整列させて各上糸(14)の通過を許容し、 個々のミシンヘッド(10)の縫製休止時には、前記保持板
    (40)に対しスライド板(50)を前後方向へ摺動的に移動さ
    せて前記挿通孔(15)と長尺孔(17)とを変位させ、これら
    挿通孔(15)および長尺孔(17)に挿通した上糸(14)を前記
    保持板(40)とスライド板(50)とで挟持することにより該
    上糸(14)の動きをロックするようにしたことを特徴とす
    る多頭式刺繍ミシンの上糸ロック装置。
  6. 【請求項6】 上糸(14)が挿通される縫針(16)を下端部
    に備える針棒(18)と、該針棒(18)に対応して設けられ該
    上糸(14)の取上げを行なう天秤(20)とで刺繍縫製部(22)
    を構成し、この刺繍縫製部(22)を並列的に複数配設して
    なるミシンヘッド(10)を、テーブル(12)の上方に並列的
    に複数配設するよう構成した多頭式の刺繍ミシンにおい
    て、 前記ミシンヘッド(10)の上糸通過経路に交差して臨むよ
    う配設され、夫々の天秤(20)を経て縫針(16)に向かう上
    糸(14)の挿通を許容する長尺孔(17)を長手方向に穿設し
    た保持板(40)と、 この保持板(40)に前後方向への摺動自在に重ね合わさ
    れ、前記長尺孔(17)に対応し得る挿通孔(21)を前記縫針
    (16)の数だけ長手方向に穿設したスライド板(50)とから
    なり、 個々のミシンヘッド(10)の刺繍縫製時には、前記保持板
    (40)の長尺孔(17)とスライド板(50)の複数の挿通孔(21)
    とを対応的に整列させて各上糸(14)の通過を許容し、 個々のミシンヘッド(10)の縫製休止時には、前記保持板
    (40)に対しスライド板(50)を前後方向へ摺動的に移動さ
    せて前記長尺孔(17)と複数の挿通孔(21)とを前後方向に
    変位させ、これら長尺孔(17)および挿通孔(21)に挿通し
    た上糸(14)を前記保持板(40)とスライド板(50)とで挟持
    することにより該上糸(14)の動きをロックするようにし
    たことを特徴とする多頭式刺繍ミシンの上糸ロック装
    置。
  7. 【請求項7】 スライド板(50)の一端部に設けたブロッ
    ク体(80)と、夫々のミシンヘッド(10)に共通的に配設し
    た駆動軸(86)に設けたカム体(88)と、該スライド板(50)
    を原位置への復帰方向に常時付勢する弾性部材(78)とか
    ら摺動付勢機構を構成し、この摺動付勢機構(80,88,78)
    における前記駆動軸(86)を所要角度だけ回動させること
    により、前記カム体(88)に形成した傾斜カム面(90)を前
    記ブロック体(80)に形成した傾斜カム面(82)に強制当接
    させ、両傾斜カム面(90,82)の間に生ずる楔作用によっ
    て該スライド板(50)を弾性部材(78)の弾圧力に抗して摺
    動移動させるようにした請求項1〜6の何れかに記載の
    多頭式刺繍ミシンの上糸ロック装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005073448A1 (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha ミシン

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005073448A1 (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha ミシン
DE112005000258B4 (de) * 2004-01-29 2008-12-18 Tokai Kogyo Mishin K.K., Kasugai Nähmaschine mit Mehrkopfsticknähmaschine

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