JPH085817Y2 - ラベルプリンタの台紙送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ラベルプリンタの台紙送り装置に関す
る。

従来の技術 従来、多数のラベルが貼付された長尺状の台紙を印字
部に送り、台紙を鋭角に屈曲することにより印字後のラ
ベルを台紙から剥離し、使用済みの台紙を台紙巻取軸に
巻取るようにしたラベルプリンタが存する。

考案が解決しようとする問題点 しかし、台紙を印字部や他の機能部品の間に通してセ
ツトすることは、狭い筐体の内部が見にくく、しかも手
が入りにくいため極めて作業性が悪い。台紙のセツトを
筐体の外部において行うために、使用前の台紙を保持す
る供給軸を筐体から分離することが可能であるが、台紙
巻取軸を駆動軸に対して連結を断ち筐体から分離するこ
とは、台紙巻取軸が駆動軸に連結されるまでに回転して
しまい、台紙を張つておくことができない。この結果、
供給軸と台紙巻取軸とを筐体に対し分離するようにして
も、弛んだ台紙を屈曲した経路に通すことは困難であ
る。

この考案はこのような点に鑑みなされたもので、台紙
の交換を極めて容易に行いうるラベルプリンタの台紙送
り装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 長尺状の台紙に貼付されたラベルに印字する印字部の
一側を保持するとともに駆動軸の先端を突出させる側板
を設け、この側板に着脱自在に装着されるカセツトケー
スを設け、内周に前記駆動軸の外周との間で回転方向に
は係合し軸方向には相対的な抜き差し動作を許容する突
部と凹部とが形成され基部に拡開部が形成された内筒と
前記台紙が巻回されるとともに一端に鍔状の制動板が形
成された外筒とを嵌合固定させて台紙巻取軸を形成し、
前記カセツトケースの対向面に、前記台紙をロール状に
巻回保持する供給軸を固定的に設けるとともに前記対向
面の内側の面に前記制動板を対向させ前記対向面の外側
の面に前記拡開部を位置させて前記台紙巻取軸を軸方向
に摺動自在及び回転自在に嵌合し、前記対向面の外側の
面と前記拡開部との間に前記制動板が前記対向面に圧接
される方向に前記台紙巻取軸を付勢する付勢部材を取り
付け、前記カセツトケースに前記台紙の経路を定める案
内部を形成し、前記側板への前記カセツトケースの装着
時に前記台紙巻取軸をその付勢力に対抗して軸方向に押
圧して前記制動板を前記対向面から離反させる押圧部を
前記駆動軸の先端に設けた。

作用 したがつて、側板からカセツトケースを外し、この状
態で供給軸と台紙巻取軸とに台紙を装着する。この状態
では制動板と対向面との当接により台紙巻取軸の回転を
防止して台紙に張力を与え、案内部により台紙の経路を
定める。したがつて、台紙の交換を容易に行いうる。

実施例 この考案の一実施例を図面に示した電子料金秤に基づ
いて説明する。まず、第６図に筐体１を示す。この筐体
１は内部のロードセル（図示せず）とこのロードセルに
連結された載せ皿２とよりなる計量部３と、キーボード
４と、表示部５とを有し、前面には発行口６を有するパ
ネル７が着脱自在に取付けられている。また、筐体１の
右側にはカバー８が着脱自在に取付けられている。

また、第３図に示すように、筐体１の内部に収容され
るベース９とカバー８の内面に間隔を開けて対向する側
板10とが設けられ、この側板10には印字部11が設けられ
ているとともに駆動軸12が突出されている。

ついで、印字部11のうち、サーマルヘツドの支持構造
を第４図及び第５図に示す。側板10にはヘツドフレーム
13を螺子止めする突部10aが一体的に形成され、ヘツド
フレーム13に架設された支軸14にはサーマルヘツド15を
保持するヘツド支持体16と押圧板17とが上下回動自在に
支承されている。また、ヘツドフレーム13の右側に形成
された腕部18にはピン19が立設され、このピン19にはセ
ツトレバー20が反時計方向へ付勢されて回動自在に保持
されている。このセツトレバー20には押圧板17の右側に
立設したピン21に係合する係合部22が形成されている。
押圧板17には螺子23aがナツト23cにより抜止めされて摺
動自在に保持され、この螺子23aの下端に形成した２枚
の鍔23bにヘツド支持板16が挾持され、ヘツド支持板16
と押圧板17との間には螺子23aに巻回された圧縮発条23
が介装されている。押圧板17は圧縮発条23により上方へ
付勢されているがピン21と係合部22との係合により位置
決めされて定位置に静止する。ヘツド支持板16は圧縮発
条23によりプラテン24側に付勢されている。このプラテ
ン24は第３図に示すように、側板10と軸受板25とに回転
自在に支承されている。軸受板25の基部は図示しないバ
ーを介して側板10に保持されている。

しかして、側板10に対向する対向面26を有し、この対
向面26の反対側にカバー８と対向する開口面27が形成さ
れたカセツトケース28が設けられている。このカセツト
ケース28には、側板10から立設された保持部である軸29
に嵌合保持される筒部30と筒状の供給軸31とが一体的に
形成され、さらに、印字部11を逃す開口32が形成されて
いる。供給軸31はロール状に巻かれた長尺状の台紙33の
巻芯34をある程度の摩擦を持つて嵌合保持するものであ
る。すなわち、台紙33は一定の張力により引つ張らない
と供給軸31に対してスリツプしないように構成されてい
る。この台紙33には多数のラベル34aが貼付されてい
る。さらに、カセツトケース28には台紙33の経路を定め
る案内部35,36,37が形成されている。案内部35は台紙33
を押え、案内部36は台紙33を鋭角に屈曲してラベル剥離
部を兼用し、案内部37は台紙33を通してこの台紙33の向
きを反転させる角孔である。さらに、カセツトケース28
の対向面26には台紙巻取軸38が設けられている。この台
紙巻取軸38の外周にはＵ字形の紙押え39に係合する溝40
が形成されている。

第１図及び第２図に示すように、台紙巻取軸38は外筒
41と内筒42とを嵌合して螺子43により結合したものであ
る。外筒41の端部には対向面26の内側の面に対向する制
動板44が一体的に形成され、内筒42の端部には対向面26
の外側の面との間で発条45を保持する拡開部46が一体的
に形成されている。そして、モータ（図示せず）に連結
されたプーリ47が側板10に回転自在に支承されている。
プーリ47と一体的に回転する断面Ｄ字形の異形軸48は駆
動軸12に嵌合されて螺子50により結合されている。

ついで、外筒41と内筒42との組立構造及び内筒42と駆
動軸12との連結構造について説明する。まず、第７図な
いし第11図に駆動軸12の形状を示す。駆動軸12の先端に
は内筒42を押圧する押圧部49が形成され、外周にはプー
リ47側の基部から先端に向けて先細りとなるテーパー面
51とこのテーパー面51に沿う突部である４本の突条52と
が形成されている。これらの突条52はプーリ47側の基部
から先端に向かうに従い次第に幅が小さくなり、さら
に、第８図に示すＡ−Ａ線断面位置から先端にかけては
外周方向に対する突出高さも次第に低くなる。また、駆
動軸12の中心には異形軸48の断面形状に一致する異形孔
53が形成され、この異形孔53の底54には異形軸48との連
結のために螺子50を通す取付孔55が形成されている。

外筒41は第12図ないし第14図に示す通りである。すな
わち、外周には溝40が形成され、基部には制動板44が形
成され、内方には基部から先端に向けて細くなるテーパ
ー孔56が形成され、このテーパー孔56の内周面には突起
57が形成され、テーパー孔56の底58には取付孔59が形成
されている。

内筒42は第15図ないし第21図に示す通りである。すな
わち、外周には外筒41のテーパー孔56に嵌合されるテー
パー面60が形成され、基部には拡開部46が形成され、先
端部には外筒41の突起57に係合する係止孔61と外筒41の
取付孔59に嵌合されるボス62とが形成されている。ま
た、内方には駆動軸12のテーパー面51に一致するテーパ
ー孔63が形成され、このテーパー孔63の内面には凹部で
ある12本の凹条64が形成されている。これらの凹条64は
駆動軸12の突条52に噛合するように基部から先端部に向
けて幅がテーパー状に変化する。また、これらの凹条64
の間に位置する突条65は第16図のＢ−Ｂ線断面位置から
拡開部46の端面に向けて次第に突出高さが低くなる。

しかして、内筒42と外筒41とを嵌合し、突起57と係止
孔61とを係合し、ボス62を取付孔59に嵌合し、外筒41の
先端から螺子43をボス62の中心に螺合することにより台
紙巻取軸38が組立てられている。また、駆動軸12は、異
形軸48に嵌合した後に取付孔55に挿入した螺子50を異形
軸48の中心に螺合することにより保持されている。

このような構成において、台紙33を装着するときは、
筐体１からカバー８を外し、カセツトケース28を引出
す。そして、台紙33の巻芯34を供給軸31に嵌合し、引出
した台紙33を案内部35の下を通し案内部36で屈曲して案
内部37に挿入し、さらに先端を外筒41の外周に巻き付け
てその上を溝40に係合する紙押え39により固定する。こ
の状態は第２図に示す通りで、発条45の力により台紙巻
取軸38が付勢され制動板44が対向面26に圧接されるため
台紙巻取軸38の回転方向の動きが阻止される。巻芯34も
供給軸31との摩擦により回転方向の動きが阻止される。
これにより、台紙33の弛みが防止される。

ついで、ピン19を中心としてセツトレバー20を時計方
向へ回動し、ピン21と係合部22との係合を解除し、支軸
14を中心に押圧板17を上方へ回動する。これによりヘツ
ド支持板16が螺子23aの鍔23bにより持ち上げられ、サー
マルヘツド15とプラテン24との間に間隔が開く。この状
態で軸29に筒部30を嵌合すると、台紙33は案内部35,36
の間に位置する部分がサーマルヘツド15とプラテン24と
の間に簡単に通される。また、内筒42のテーパー孔63の
底が駆動軸12の押圧部49に押圧されるため、台紙巻取軸
28は発条45を圧縮しながら軸方向へ変位し、第１図に示
すように制動板44がカセツトケース28の対向面26から離
反する。ついで、カセツトケース28の開口面27を筐体１
に取付けたカバー８により閉止する。この状態で、モー
タによりプーリ47を駆動すると駆動軸12が回転し、この
回転は突条52と凹条64との噛合により台紙巻取軸38に伝
達される。

なお、台紙33は使用するラベル34aの幅に応じて変化
する。したがつて、これに対応してカセツトケース28も
異なる台紙33毎に複数種設け、第３図に示すように、カ
セツトケース28の対向面26の干渉又は接近動作を検出す
る機械式又は光電変換式の複数のスイツチ66を側板10に
設け、これらのスイツチ66を選択的に動作させるよう
に、例えばカセツトケース28の対向面26にラベル34aの
種類に応じてスイツチ66の何れかに対抗する開口（図示
せず）を形成する。これにより、スイツチ66が４個なら
側板10へのカセツトケース28の装着時にラベル34aの種
類により変化する４ビツトのデジタル信号が得られ、し
たがつて、台紙33及びラベル34aの種類を自動的に検出
することができる。

なお、台紙巻取軸38を押圧して制動板44を対向面26か
ら離反させる押圧部は、プーリ47の側面や側板10に形成
しても良い。

考案の効果 この考案は上述のように構成したので、側板からカセ
ツトケースを外した状態で台紙を広い作業空間において
カセツトケースにセツトすることができ、また、この状
態では制動板と対向面との当接により台紙巻取軸の回転
を防止して台紙に張力を与え、案内部により台紙の経路
を定めることができ、側板にカセツトケースを装着した
状態では押圧面により台紙巻取軸を押圧し制動板をカセ
ツトケースの対向面から離反させて台紙巻取軸の制動作
用を停止するとともに台紙巻取軸を駆動軸に連結するこ
とができ、したがつて、台紙の交換を容易に行うことが
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は側板
にカセツトケースを装着して駆動軸と台紙巻取軸とを連
結した状態を示す水平断面図、第２図は側板からカセツ
トケースを外した状態を示す水平断面図、第３図は側板
とカセツトケースとの取付関係を示す分解斜視図、第４
図は印字部を拡大して示す斜視図、第５図は印字部を拡
大して示す側面図、第６図は電子料金秤の筐体を縮小し
て示す斜視図、第７図ないし第11図は駆動軸を示すもの
で、第７図は側面図、第８図は縦断側面図、第９図は背
面図、第10図は第８図におけるＡ−Ａ線部の縦断正面
図、第11図は正面図、第12図ないし第14図は外筒を示す
もので、第12図は縦断側面図、第13図は背面図、第14図
は正面図、第15図ないし第21図は内筒を示すもので、第
15図は側面図、第16図は縦断側面図、第17図は背面図、
第18図は正面図、第19図は第16図におけるＢ−Ｂ線部の
縦断背面図、第20図は第16図におけるＣ−Ｃ線部の縦断
背面図、第21図は第19図における凹条と突条との断面形
状を拡大して示す一部の縦断背面図である。 10……側板、11……印字部、12……駆動軸、26……対向
面、28……カセツトケース、29……軸（保持部）、31…
…供給軸、33……台紙、34a……ラベル、35〜37……案
内部、38……台紙巻取軸、49……押圧面、52……突条
（突部）、64……凹条（凹部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺状の台紙に貼付されたラベルに印字す
   る印字部の一側を保持するとともに駆動軸の先端を突出
   させる側板を設け、この側板に着脱自在に装着されるカ
   セツトケースを設け、内周に前記駆動軸の外周との間で
   回転方向には係合し軸方向には相対的な抜き差し動作を
   許容する突部と凹部とが形成され基部に拡開部が形成さ
   れた内筒と前記台紙が巻回されるとともに一端に鍔状の
   制動板が形成された外筒とを嵌合固定させて台紙巻取軸
   を形成し、前記カセツトケースの対向面に、前記台紙を
   ロール状に巻回保持する供給軸を固定的に設けるととも
   に前記対向面の内側の面に前記制動板を対向させ前記対
   向面の外側の面に前記拡開部を位置させて前記台紙巻取
   軸を軸方向に摺動自在及び回転自在に嵌合し、前記対向
   面の外側の面と前記拡開部との間に前記制動板が前記対
   向面に圧接される方向に前記台紙巻取軸を付勢する付勢
   部材を取り付け、前記カセツトケースに前記台紙の経路
   を定める案内部を形成し、前記側板への前記カセツトケ
   ースの装着時に前記台紙巻取軸をその付勢力に対抗して
   軸方向に押圧して前記制動板を前記対向面から離反させ
   る押圧部を前記駆動軸の先端に設けたことを特徴とする
   ラベルプリンタの台紙送り装置。