JPH0854B2 - プロセス風味剤の製造方法 - Google Patents

プロセス風味剤の製造方法

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JPH0854B2
JPH0854B2 JP3244728A JP24472891A JPH0854B2 JP H0854 B2 JPH0854 B2 JP H0854B2 JP 3244728 A JP3244728 A JP 3244728A JP 24472891 A JP24472891 A JP 24472891A JP H0854 B2 JPH0854 B2 JP H0854B2
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ロナルド・ピーター・ポトマン
ヘッセル・タルクスマ
ニコラス・オーフェルベーケ
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ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロセス風味剤の製造方
法に関し、前記方法はメイラード(Maillard)反応混合物
を調製すること及び前記混合物を加熱することを含む。
【0002】
【従来の技術】プロセス風味剤を製造するためにメイラ
ード反応を使用することは本技術分野において公知であ
る。使用される反応混合物の組成に応じて、そのような
反応は、ボイル又はローストされた肉、ローストされた
ナッツ、焼かれた(baked) 製品、加熱されたバター、そ
の他、のような非常に性質の異なった風味を生じること
が見出だされた。本明細書中で使用される「プロセス風
味剤(process flavour-ing )」という用語は、1984年
10月にインターナショナル・オーガナイゼーション・オ
ブ・フレーバー・インダストリー( International Or
ganisation ofFlavour Industry)(IOFI)によっ
て発行されたコード・オブ・プラクティス(Code of Pr
actice)に与えられている定義に従うものである。
【0003】欧州特許発明明細書第 0 136 428号(EP-B
0 136 428)には、食品に調理された肉又は魚の風味を
付けるための風味剤の製造方法が記載されており、この
方法は酸化脂質材料と硫黄含有化合物とを一緒にし、こ
の混合物を加熱によって反応させることを含む。この欧
州特許の第7欄には、反応混合物中に、単糖、二糖、又
は多糖類が存在すると、得られる風味の官能的品質が低
下する可能性のあることに出願人が気付いていることが
見出だされる。
【0004】Abh. Akad. Wiss. DDR, Abt. Math. Natur
wiss. Technol.(1988)、107 〜 114中に、シュレッタ
ー(Schrodter) らによって記載された、「スタディー・
オン・ジ・イフェクト・オブ・ファット・イン・ミート
・フレーバー・フォーメーション(Study on the effe
ct of fat in meat flavour formation)」という題名の
記事中には、酸化脂肪を含むメイラード反応混合物が記
載されている。記載されているその反応混合物は50重量
%の水性相を含み、この水性相は官能試験用に抽出され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術に記載されて
いるようなメイラード反応によるプロセス風味剤の製造
は、良好な品質の風味剤を製造することができるが、本
発明者らはこの方法を改良する方法を見出だした。即
ち、本発明者らは、メイラード反応混合物に穏やかに酸
化した脂肪を配合し、その後熱処理を行うと、典型的な
メイラード型の風味剤ではない風味剤も形成するという
事実のために、より強くかつそれに加えてよりバランス
の取れたプロセス風味剤を生成することを見出だした。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、プロ
セス風味剤の製造方法であって、 (a)脂肪を、脂肪のアニシジン価(anisidin
e value)が少なくとも1.5倍にまで増加する
ように、穏やかに酸化する工程、 (b)(1)還元単糖類、二糖類及び少糖類を含む還元
単糖類の先駆体、それらの熱劣化生成物、及びそれらの
混合物から成る群から選択される炭水化物成分、 (2)アミノ酸、ペプチド類を含むアミノ酸残基を有す
る化合物、及びそれらの混合物から成る群から選択され
る窒素化合物、及び、 (3)工程(a)で得られた酸化脂肪、を含有するメイ
ラード反応混合物を調製する工程(炭水化物の窒素化合
物に対する重量比率は1:20を越える)、及び (c)反応混合物を50℃より高い温度に少なくとも2
分間維持する工程、を含む方法に関する。
【0007】本発明の非常に好ましい実施態様によれ
ば、工程(b) で調製された反応混合物は、30重量%未満
の水しか含有せず、15重量%未満の水しか含有しないの
がより好ましい。本発明者らは、高濃度の水を使用する
と、得られるプロセス風味剤の品質に悪影響を与えるこ
とを見出だした。本発明は、水を本質的に全く含まない
反応混合物を使用することも包含することに注意すべき
である。
【0008】アニシジン価を測定する適切な方法は、I
UPAC、スタンダード・メソッズ・フォー・ジ・アナ
リシス・オブ・オイルズ・ファッツ・アンド・デリベイ
ティブズ(Standard Methods for the Analysis of Oil
s, Fats and Derivatives)、第6版(1979年)、ペル
ガモン・プレス(Pergamon Press)、オックスフォード、
方法 2,504、第 143頁に記載されている。
【0009】本発明の好ましい実施態様によれば、工程
(a) は得られるアニシジン価と沃素価の比率が0.05を越
える程度まで脂肪を酸化することを含む。酸化した脂肪
のアニシジン価と沃素価の比率が 0.1を越えるのがより
好ましい。この比率が 0.2を越える程度まで脂肪を酸化
するのが最も好ましい。酸化した脂肪のアニシジン価と
沃素価の比率は、脂肪が受けた酸化の程度を良好に示
す。もしアニシジン価のみに依存する場合、高濃度の飽
和脂肪酸残基を含む脂肪は、たとえ比較的高い程度にま
で酸化されていたとしても、比較的低いアニシジン価し
か与えない。
【0010】本発明の方法は脂肪の穏やかな酸化を目的
としているので、工程(a) において得られる酸化脂肪の
過酸化物価と沃素価の比率は5未満であるのが好まし
く、1未満であるのがより好ましい。一般に、工程(a)
において得られる酸化脂肪の過酸化物価と沃素価の比率
は0.01を越える。過酸化物価は脂肪中に存在する過酸化
物の量を示し、脂肪1kg当たりの酸素のミリ当量(milli
equivalent) で表される。過酸化物価を測定できる方法
は、ピー・ジー・ポウィック(P. G. Powick)によってJ.
Agric. Res. 26、323 (1923)に記載されている。
【0011】本発明の方法のもう1つの好ましい実施態
様によれば、工程(a) は脂肪のアニシジン価が少なくと
も2倍に増加する程度まで酸化することを含む。本発明
の非常に好ましい実施態様によれば、脂肪のアニシジン
価は工程(a) の穏やかな酸化によって少なくとも5倍に
増加する。
【0012】本明細書中において、「脂肪」と「油」と
いう用語は互換的に使用される。本明細書中において脂
肪という用語は、乳脂肪、動物性脂肪、及び植物性脂肪
を含む全てのグリセリド脂肪を包含する。グリセリド脂
肪という用語は、トリグリセリド、ジグリセリド、並び
にモノグリセリドを包含する。本発明の方法において使
用できる適する動物性脂肪は、鶏脂肪、鮭脂肪、ラー
ド、及び獣脂(tallow)である。また、ピーナッツ油、胡
麻油、カカオバター、及びオリーブ油のような植物性脂
肪も本発明の方法において有利に使用することができ
る。上述の脂肪が本発明の方法において使用される場
合、望ましい良好な品質のプロセス風味剤が得られる。
風味化合物は本発明のプロセス中に生成するので、精製
された本質的に風味のない油でさえも本発明の方法にお
いて成功裡に使用することができる。
【0013】本発明の好ましい実施態様によれば、工程
(a) において、少なくとも10重量%の脂肪を含有する脂
肪含有組成物が使用されるが、少なくとも30重量%の脂
肪を含有するのがより好ましい。さらに、脂肪含有組成
物が少なくとも60重量%の脂肪を含有するのが最も好ま
しい。この方法において使用される脂肪含有組成物中に
存在する脂肪は、バター脂肪、動物性脂肪、オリーブ
油、胡麻油、及びピーナッツ油からなる群から選択され
る脂肪を少なくとも60重量%含むのが好ましく、少なく
とも90重量%含むのがより好ましい。もう1つの好まし
い実施態様によれば、本発明の方法の工程(a) において
使用される脂肪は、少なくとも75重量%のトリグリセリ
ドを含み、少なくとも90重量%のトリグリセリドを含む
のがより好ましい。
【0014】本発明の好ましい実施態様によれば、穏や
かな酸化は酸化防止剤の存在下に行われる。本発明の方
法の工程(a) が、(i) 脂肪含有組成物に酸化防止剤を、
脂肪に基づいて計算して、少なくともCの濃度で添加
する工程、及び(ii)水の存在下に、50℃より高くかつ適
用された条件下での水の沸騰温度以下の温度で、0.5時
間乃至1週間の間、組成物を保持する工程を含むのが好
ましい。参考として、共に出願中でまだ公開されていな
い欧州特許出願第 8920318.6号には、Cが定義され、
適する酸化防止剤が記載されている。
【0015】本発明の方法の工程(a) 及び(b) は適宜一
緒にできることは理解されるべきである。例えば、本発
明の方法は、非酸化脂肪を含有する反応混合物を穏やか
に酸化させ、その後50℃より高い温度に少なくとも2分
間加熱する方法を包含する。本発明は、3つの処理工程
(a) 、(b) 、及び(c) が同時に行われる方法は含まな
い。工程(a) 、(b) 、及び(c) は別々にかつ連続的に行
われること、即ち、初めに工程(a) 、次に工程(b) 、そ
して最後に工程(c) の順番で行われるのが好ましい。
【0016】工程(a) において、脂肪が、脂肪の重量に
基づいて少なくとも 0.1重量%の水の存在下に、酸化さ
れるのが好ましい。通常、脂肪の20重量%未満の水が使
用される。非常に好ましい実施態様によれば、脂肪は少
なくとも 0.2重量%の水の存在下に酸化され、さらに
0.5重量%より多くの水の存在下に酸化されるのがより
好ましい。
【0017】本発明のもう1つの好ましい実施態様によ
れば、工程(a) において脂肪を50℃以上の温度において
30分間より長く維持することによって酸化する。脂肪を
50℃以上の温度において1時間より長く維持するのが好
ましい。脂肪を70℃より高い温度において1時間より長
く維持した場合に最良の結果が得られる。
【0018】工程(a) における脂肪の酸化は多くの方法
によって行うことができ、例えば、空気の存在下に55℃
の温度で十分に長い時間脂肪を保持することによって可
能である。しかしながら、このような方法においては酸
化速度はかなり遅い。従って、好ましい実施態様におい
ては、工程(a) において脂肪の酸化を少なくとも500ppm
の金属塩を含む水の存在下に行い、金属塩が、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、及びそれらの混合物から
成る群から選択されるのが好ましい。本発明の方法にお
いて使用される金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、
及びそれらの混合物から成る群から選択されるのが最も
好ましい。本発明の非常に好ましい実施態様によれば、
水は少なくとも1重量%の金属塩を含有するのが好まし
く、さらに3乃至40重量%の金属塩を含むのがより好ま
しい。
【0019】顕著な好ましい風味効果を得るためには、
反応混合物は少なくとも 1.0重量%の酸化脂肪を含有し
なければならない。一般に、酸化脂肪の濃度は80重量%
を越えるべきではない。揮発性風味化合物の損失及び/
又は水の蒸発を防ぐために、メイラード反応混合物の熱
処理を密閉系において有利に行うことができる。本明細
書中において密閉系という用語は、還流系及び蒸留系を
含む。
【0020】出発材料として全ての種類の反応混合物を
使用する、多くのメイラード型反応が従来技術に記載さ
れている。本発明の好ましい実施態様において、工程
(b) のメイラード反応混合物は、還元炭水化物、そのよ
うな炭水化物の先駆体、そのような炭水化物の熱劣化生
成物、及びそれらの混合物から成る群から選択される炭
水化物成分を少なくとも 0.1重量%含む。少なくとも
0.3重量%の上記の炭水化物成分がメイラード反応混合
物中に含まれている場合、特に良好な結果が得られる。
この反応混合物が少なくとも 0.8重量%の炭水化物成分
を含んでいるのが最も好ましい。ここで、炭水化物の熱
劣化生成物とは、本発明のメイラード反応混合物におい
て使用されるような窒素化合物の不存在下に、好ましく
は80乃至 180℃の範囲の温度まで炭水化物を加熱するこ
とによって形成された成分を意味する。
【0021】これらの炭水化物成分に加えて、メイラー
ド反応混合物は、一般式NHRR´を有する窒素化合物
(ここで、R及びR´は、水素、脂肪族基、又は芳香族
基を表し、ここで、R及びR´は同じでも異なっていて
もよい)を少なくとも 0.1重量%含有するのが好まし
い。反応混合物が少なくとも 0.3重量%の上記の窒素化
合物を含有するのが好ましく、また 0.8重量%より多く
を含有するのがより好ましい。
【0022】本発明の方法において使用される還元炭水
化物は、還元単糖類、及び二糖類、少糖類(oligosaccha
ride) 、及びそれらの混合物から成る群から選択される
先駆体であるのが好ましい。特に二糖類は還元単糖類の
先駆体として適宜使用できる。本発明の方法において適
切に使用できる還元単糖類の例は、グルコース、フルク
トース、(ジ)ヒドロキシアセトン、ピルブアルデヒ
ド、グリセルアルデヒド、エリトロース、ガラクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、及びラムノ
ースである。還元炭水化物の先駆体として適切に使用で
きる二糖類は、スクロース、ラクトース、マルトース、
及びトレハロースである。
【0023】本発明の方法において使用される窒素化合
物は、アミノ酸、アミノ酸残基を含む化合物、及びそれ
らの混合物から成る群から選択される。窒素化合物が、
アミノ酸、ジペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチ
ド、蛋白質、及びそれらの混合物から成る群から選択さ
れるのがより好ましい。本発明のさらに別の好ましい実
施態様によれば、前述の欧州特許第0136428号の
第5欄に定義されているような硫黄含有化合物が前記化
合物の50重量%未満、好ましくは30重量%未満を構
成する。
【0024】良好なプロセス風味剤を製造するために
は、メイラード反応を開始させ維持するのに十分に高い
温度で、知覚可能な風味を生じるのに十分な時間、反応
混合物を保持しなければならない。適切な加熱条件は、
反応混合物の組成に大きく依存する。一般に、工程(c)
において、反応混合物は60乃至 180℃の範囲の温度に少
なくとも3分間保たれなければならない。反応混合物
は、75乃至 175℃の範囲の温度に少なくとも5分間保た
れるのが好ましい。工程(b) で調製された反応混合物
は、例えば、後で熱処理を受ける食品中に適宜含有させ
ることができる。そのような熱処理は、従来的な低温殺
菌又は殺菌である。或いは、例えば反応混合物がドウ
(dough )組成物中に含まれる場合には、熱処理は食品
を焼くこと(baking)から成ってもよい。
【0025】メイラード反応において、炭水化物成分と
窒素化合物は約1:1のモル比で反応する。しかしなが
ら、良好なプロセス風味剤は、炭水化物成分と窒素化合
物を大きく変化する比率で使用することによって得られ
る。反応混合物は、少なくとも0.5 重量%の炭水化物成
分と少なくとも 0.5重量%の窒素化合物を含むのが好ま
しい。もう1つの好ましい実施態様によれば、反応混合
物は、炭水化物成分と窒素化合物中のアミノ酸とを20:
1乃至1:20の範囲内のモル比で含有する。ここで、窒
素化合物中のアミノ酸とは、そのような化合物中に存在
するアミノ酸残基を意味する。従って、ジペプチドは2
個のアミノ酸残基を含む。反応混合物中に炭水化物成分
とジペプチド中のアミノ酸を1:1のモル比で含有させ
るためには、前記炭水化物とジペプチドとを2:1のモ
ル比で一緒にしなければならない。
【0026】本発明は、別の面において、食品を風味付
けする方法であって、 (a)脂肪を、脂肪のアニシジン価が少なくとも1.5
倍にまで増加するように、穏やかに酸化する工程、 (b)(1)還元単糖類、二糖類及び少糖類を含む還元
単糖類の先駆体、それらの熱劣化生成物、及びそれらの
混合物から成る群から選択される炭水化物成分、 (2)アミノ酸、ペプチド類を含むアミノ酸残基を有す
る化合物、及びそれらの混合物から成る群から選択され
る窒素化合物、及び、 (3)工程(a)で得られた酸化脂肪、を含有するメイ
ラード反応混合物を調製する工程(炭水化物の窒素化合
物に対する重量比率は1:20を越える)、 (c)反応混合物を50℃より高い温度に少なくとも2
分間維持する工程、及び (d)得られたプロセス風味剤を食品の0.05乃至1
5重量%の量で添加する工程、を含む方法に関する。
【0027】本発明のこの実施態様の本質的な特徴は、
工程(d) におけるプロセス風味剤の添加が、そこに元か
ら含まれている全ての脂肪の添加を含むことである。即
ち、本発明は、前記プロセス風味剤に含まれている水性
相のみの添加に関するものではない。
【0028】本発明を以下の実施例によって説明する。
【0029】
【実施例】実施例1 400 mgの混合トコフェロール組成物[リケン・ビタミン
社(Riken Vitamin Co., Ltd.) 製、油中70%]を添加し
た、 0.7 kg のアラキド油(過酸化物価=8.5、アニシ
ジン価=1、沃素価=95)をマイクロ波オーブンを用い
て溶融させた。脱イオン水を使用して調製した16%(w/
w) 塩溶液の 175gをこのアラキド油に添加した。この
エマルジョンを、還流冷却器を備えた1リットルの3つ
首丸底フラスコ中で還流条件下( 103℃)に加熱した。
このフラスコを 115℃の油浴中に置き、混合物を連続的
に攪拌した(エマルジョンが必要)。16時間後、塩溶液
を遠心分離によってアラキド油から分離した。この穏や
かに酸化された油の過酸化物価とアニシジン価は、それ
ぞれ37と16であることが判明した。
【0030】この穏やかに酸化されたアラキド油を以下
の組成物のメイラード反応混合物に配合した: 成分 反応混合物に基づく重量% 酸化油 10.0 糖(スクロース) 6.86 アミノ酸混合物 2.85 ピーナッツバター* 80.3 *オランダ、デルフトのカルベ(Calve) 製。
【0031】使用したアミノ酸混合物は以下の組成を有
していた:
【0032】上記各成分を混合した後、反応混合物(50
g)を 150℃の油浴によって15分間加熱した。最後の5
分間は、混合物の温度は145℃であった。このようにし
て得られたプロセス風味剤を環境温度まで冷却させた。
冷却後、このプロセス風味剤を市販のピーナッツバター
(オランダ、デルフトのカルベ製)に 1.0重量%と2.5
重量%の2つの濃度で添加した。この市販のピーナッツ
バターと比較した場合、プロセス風味剤を添加されたそ
れぞれのピーナッツバターは実質的により強いピーナッ
ツ風味を有していた。特に2.5 重量%のプロセス風味剤
を含むサンプルは非常に顕著なピーナッツ風味を有して
いた。
【0033】実施例2 アラキド油の代わりにバター油を使用して実施例1を繰
り返した。使用したバター油は初めに 0.5のアニシジン
価と35の沃素価を有していた。穏やかな酸化後、アニシ
ジン価は3まで増加した。
【0034】この穏やかに酸化したアラキド油を以下の
組成物のメイラード反応混合物に配合した: 成分 反応混合物に基づく重量% 酸化油 68.3 ボレクM(登録商標)(1) 0.8 ラクプロダン(登録商標)(2) 13.0 グルコース 13.0 水 5.0 (1) レシチン (2) ホエー蛋白質濃縮物。
【0035】上記のメイラード反応混合物の 100gを 1
00℃に加熱し、その温度で30分間保った。加熱の間、混
合物を連続的に攪拌した。熱処理した混合物を固体を取
り除くように濾過した。このようにして得られたプロセ
ス風味剤組成物は非常に好ましく顕著な風味を有してお
り、ドウ生成物、キッチンマーガリン、その他に適宜配
合できることが判明した。
【0036】実施例3 800 mgの混合トコフェロール組成物[ヤン・デッカー(J
anDekker)製、トコミックス(Tocomix) E60 ]を含む、
1 kg の牛脂(beef tallow)(過酸化物価=10.6、アニシ
ジン価=11.4、沃素価=47)を16%(w/w) 塩溶液の 250
gとともに 2.0リットルの3つ首丸底フラスコ中で還流
条件下に24時間加熱した。このフラスコを 115℃の油浴
中に置き、混合物を連続的に攪拌した。水相と脂肪相の
分離の後、その後の反応のために水を添加する時に酸化
脂肪中に既に含まれている水の量を考慮するために、カ
ール・フィッシャー(Karl Fischer)電量法によって脂肪
の水分含有率を測定した。この穏やかに酸化された油の
過酸化物価とアニシジン価は、それぞれ29.3と20.0であ
ることが判明した。
【0037】この穏やかに酸化された牛脂を以下の組成
物のメイラード反応混合物に配合した: 成分 反応混合物に基づく重量% 酸化油 88.5 ボレク M(登録商標)(1) 0.8 ラクトース .1 aq. 4.0 D-リボース 0.5 システイン/マルトデキストリン(1:1) 1.8 ラクプロダン 80 (登録商標)(2) 2.7 水 (3) 1.7 (1) レシチン (2) ホエー蛋白質濃縮物 (3) 酸化脂肪中に元から含まれていた水も含む。
【0038】固体分(成分3、4、5、及び6)を秤量
して3つ首丸底フラスコ(250 ml)に入れ、続いてボレ
クMと脂肪を加えた。得られた反応混合物(98.3g)を
攪拌して微細な懸濁液を得た。混合物を油浴中で加熱
し、計算量の水を合計が 1.7%になるまで添加した。混
合物を攪拌しながら 100℃に1時間保持した。続いて、
2%の濾過助剤を添加して固体を濾別した。
【0039】柔らかい味の植物油中の1%の濃度で味わ
ってみた場合、熟練したパネルは、風味付けされた油が
顕著なフライされた牛脂の特徴を有していると判定し
た。
【0040】この生成物を植物性フライ用油に 0.5乃至
1%の投与量で添加すると、非常に良好な牛脂の風味が
フライ用油に付与され、これはポテトチップスを揚げる
間長時間(即ち、フライ操作10回以上)にわたって残っ
た。市販の揮発性牛脂風味剤濃縮物を使用した場合、2
回のフライ操作後に牛脂風味は消えた。
【0041】実施例4 400 mgの混合トコフェロール組成物[ヤン・デッカー
製、トコミックス E60]を含む、1 kg のラード(過酸
化物価=2.8 、アニシジン価=3.6 、沃素価=62)を16
%(w/w) 塩溶液の 250gとともに 2.0リットルの3つ首
丸底フラスコ中で還流条件下に24時間加熱した。このフ
ラスコを 115℃の油浴中に置き、混合物を連続的に攪拌
した。水相と脂肪相の分離の後、その後の反応のために
水を添加する時に酸化脂肪中に既に含まれている水の量
を考慮するために、カール・フィッシャー電量法によっ
て脂肪の水分含有率を測定した。この穏やかに酸化され
た油の過酸化物価とアニシジン価は、それぞれ22.5と1
5.7であることが判明した。
【0042】この穏やかに酸化された牛脂を以下の組成
物のメイラード反応混合物に配合した: 成分 反応混合物に基づく重量% 酸化油 89 ボレク M(登録商標)(1) 0.8 ラクトース .1 aq. 4.0 D-リボース 0.5 システイン/マルトデキストリン(1:1) 0.9 メチオニン 0.4 ラクプロダン 80 (登録商標)(2) 2.7 水 1.7 (1) レシチン (2) ホエー蛋白質濃縮物。
【0043】固体分(成分3、4、5、6、及び7)を
秤量して3つ首丸底フラスコ(250ml) に入れ、続いて
ボレクMと脂肪を加えた。得られた反応混合物(98.3
g)を攪拌して微細な懸濁液を得た。混合物を油浴中で
加熱し、計算量の水を合計が 1.7%になるまで添加し
た。混合物を攪拌しながら 100℃に1時間保持した。続
いて、2%の濾過助剤を添加して固体を濾別した。
【0044】柔らかい味の植物油中の1%の濃度で味わ
ってみた場合、熟練したパネルは、生成物が良好なフラ
イされたベーコンの特徴を有していると判定した。
【0045】実施例5 500 mgの混合トコフェロール組成物[ヤン・デッカー
製、トコミックス E60]を含む、1 kg のチキン脂肪
(過酸化物価=4.5 、アニシジン価=3.4 、沃素価=8
6)を16%(w/w) 塩溶液の 250gとともに 2.0リットル
の3つ首丸底フラスコ中で還流条件下に24時間加熱し
た。このフラスコを 115℃の油浴中に置き、混合物を連
続的に攪拌した。水相と脂肪相の分離の後、その後の反
応のために水を添加する時に酸化脂肪中に既に含まれて
いる水の量を考慮するために、カール・フィッシャー電
量法によって脂肪の水分含有率を測定した。この穏やか
に酸化された油の過酸化物価とアニシジン価は、それぞ
れ62.4と29.2であることが判明した。
【0046】この穏やかに酸化された牛脂を以下の組成
物のメイラード反応混合物に配合した: 成分 反応混合物に基づく重量% 酸化油 88.5 ボレク M(登録商標)(1) 0.8 ラクトース .1 aq. 4.0 D-リボース 0.5 システイン/マルトデキストリン(1:1) 1.8 ラクプロダン 80 (登録商標)(2) 2.7 水 1.7 (1) レシチン (2) ホエー蛋白質濃縮物。
【0047】固体分(成分3、4、5、及び6)を秤量
して3つ首丸底フラスコ(250 ml)に入れ、続いてボレ
クMと脂肪を加えた。得られた反応混合物(98.3g)を
攪拌して微細な懸濁液を得た。混合物を油浴中で加熱
し、計算量の水を合計が 1.7%になるまで添加した。混
合物を攪拌しながら 100℃に1時間保持した。続いて、
2%の濾過助剤を添加して固体を濾別した。
【0048】柔らかい味の植物油中の1%の濃度で味わ
ってみた場合、熟練したパネルは、生成物が良好なフラ
イドチキンの特徴を有していると判定した。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス風味剤の製造方法であって、 (a)脂肪を、脂肪のアニシジン価が少なくとも1.5
    倍にまで増加するように、穏やかに酸化する工程、 (b)(1)還元単糖類、二糖類及び少糖類を含む還元
    単糖類の先駆体、それらの熱劣化生成物、及びそれらの
    混合物から成る群から選択される炭水化物成分、 (2)アミノ酸、ペプチド類を含むアミノ酸残基を有す
    る化合物、及びそれらの混合物から成る群から選択され
    る窒素化合物、及び、 (3)工程(a)で得られた酸化脂肪、 を含有するメイラード反応混合物を調製する工程(炭水
    化物の窒素化合物に対する重量比率は1:20を越え
    る)、及び (c)反応混合物を50℃より高い温度に少なくとも2
    分間維持する工程、を含む方法。
  2. 【請求項2】 工程(b) の反応混合物が、30重量%未
    満、好ましくは15重量%未満の、水しか含有しない、請
    求項1の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a) が得られるアニシジン価と沃素
    価の比率が0.05を越える程度まで脂肪を酸化することを
    含む、請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 反応混合物が少なくとも 1.0重量%の酸
    化脂肪を含む、請求項1乃至3のいずれか1請求項の方
    法。
  5. 【請求項5】 工程(a) において、脂肪が、脂肪の重量
    に基づいて少なくとも 0.1重量%、好ましくは少なくと
    も 0.2重量%、の水の存在下に酸化される、請求項1乃
    至4のいずれか1請求項の方法。
  6. 【請求項6】 工程(a) において、脂肪を50℃以上の温
    度に30分間より長く保持することによって酸化する、請
    求項1乃至5のいずれか1請求項の方法。
  7. 【請求項7】 工程(b) のメイラード反応混合物が、少
    なくとも 0.1重量%、好ましくは少なくとも 0.3重量
    %、の炭水化物成分を含む、請求項1乃至6のいずれか
    1請求項の方法。
  8. 【請求項8】 還元炭水化物が還元単糖類であり、先駆
    体が二糖類である、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 工程(b) のメイラード反応混合物が、少
    なくとも 0.1重量%、好ましくは少なくとも 0.3重量
    %、の窒素化合物を含む、請求項1乃至8のいずれか1
    請求項の方法。
  10. 【請求項10】 窒素化合物が、アミノ酸、ジペプチ
    ド、オリゴペプチド、ポリペプチド、蛋白質、及びそれ
    らの混合物から成る群から選択される、請求項9の方
    法。
  11. 【請求項11】 工程(c) において、反応混合物を60乃
    至 180℃の範囲の温度で少なくとも3分間保つ、請求項
    1乃至10のいずれか1請求項の方法。
  12. 【請求項12】 反応混合物が、炭水化物成分と窒素化
    合物中のアミノ酸とを20:1乃至1:20の範囲内のモル
    比で含有する、請求項1乃至11のいずれか1請求項の方
    法。
  13. 【請求項13】 工程(a) において脂肪の酸化を、アル
    カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びそれらの混合物
    から成る群から選択される金属塩を少なくとも500ppm含
    む水の存在下に行う、請求項1乃至12のいずれか1請求
    項の方法。
  14. 【請求項14】 食品を風味付けする方法であって、 (a)脂肪を、脂肪のアニシジン価が少なくとも1.5
    倍にまで増加するように、穏やかに酸化する工程、 (b)(1)還元単糖類、二糖類及び少糖類を含む還元
    単糖類の先駆体、それらの熱劣化生成物、及びそれらの
    混合物から成る群から選択される炭水化物成分、 (2)アミノ酸、ペプチド類を含むアミノ酸残基を有す
    る化合物、及びそれらの混合物から成る群から選択され
    る窒素化合物、及び、 (3)工程(a)で得られた酸化脂肪、 を含有するメイラード反応混合物を調製する工程(炭水
    化物の窒素化合物に対する重量比率は1:20を越え
    る)、 (c)反応混合物を50℃より高い温度に少なくとも2
    分間維持する工程、及び (d)得られたプロセス風味剤を食品の0.05乃至1
    5重量%の量で添加する工程、を含む方法。
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