JPH08508451A - カートンブランク裁断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 シート材料（５）からカートンブランクを打ち抜く裁断装置（１０、１０ａ）は、相対移動自在に設けられた上下打ち抜き枠（１２、１４）を有する。上下枠間にシート材料を配したとき、そのシート材料から複数のブランクを打ち抜けるように、上枠（１２）は下枠（１４）に対して上下動自在になっている。下枠は、シート材料をせん断する裁断刃（Ｗ１−Ｗ６、Ｒ１、Ｒ２）を有し、上枠はシート材料から打ち抜かれる各カートンブランク（Ｂ１〜Ｂ４）に対応する型板（Ｐ１−Ｐ４）を有する。各型板は、打ち抜かれるカートンブランクの形状に実質的に等しい輪郭を有する。また、各型板はこれに対応するカートンブランクおよびシート材料の他の部分に対して位置調整が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 カートンブランク裁断装置 技術分野 本発明は、板紙をカートンブランクに切り分ける裁断装置に係り、特に、相対 移動自在な上下枠を有するタイプの裁断装置の改良に関する。 背景技術 本発明の裁断装置は、固定された下枠と、その下枠に対して上下に往復動自在 な上枠とを有する。この装置を使用するには、上枠が上昇位置にあるときに板紙 または他の材料から成るシートを上枠と下枠の間に供給し、次いでシートを下枠 の上に支持しながら上枠を下降させる。シートは下降する上枠により下方に押さ れ、上下両枠の相互作用によりせん断されて複数のカートンブランクに切り分け られる。この工程をくり返し行うと、下枠の下にカートンブランクの山ができる 。これらの山は適当なタイミングで他の場所に移し、次の山が積まれ易いように する。このような装置は、通常、一時間に５０００ないし８０００シートを取り 扱うことができる。 シートの特定箇所には切り取り線が設けられ、これら切り取り線によりカート ンブランクの輪郭が描かれている。切り取り線は、通常、刻み目および／または ミシン目を連ねてなるものである。従って、シートからカートンブランクを切り 離すのは容易である。シートをせん断する手段として、例えば複数の切断刃が下 枠に取り付けられている。ブランクの形状が単なる矩形のとき、切断刃としては 、例えば、下枠の縦方向部材同士および横方向部材同士の間にきつく縦横に張り 渡した複数の切断用ワイヤが用いられる。上枠を下枠の近くまで下降させると、 上枠の型板が上下両枠の間のシートに当接してこれを下方へ押すので、シートは 切断用ワイヤの間を通過する。この時、切断用ワイヤがシートの切り取り線に沿 ってシートを切断するので、その結果、シートは所定数のカートンブランクに切 り分けられる。次いで、上枠をさらに下降させると、型板は切断用ワイヤが張ら れ た箇所を通り過ぎて更に下方へ移動し、切断されたカートンブランクは装置下方 に配されたパレットの上、あるいは前のバッチのカートンブランクの上に重ねら れる。 単なる矩形ではなくもっと複雑な形のカートンブランクを切り出したい場合は 、下枠の少なくとも一部を、スチールの切断刃で形成する。このような切断刃は シートに設けられた切り取り線に沿ってカートンブランクがシートから切り離さ れるような適当な形状に折り曲げられたものである。 公知の裁断装置では、上枠が複数の位置調整可能なアームを備えている。この ようなアームは上枠の支持バーに固定され、シートの打ち抜かれる部分、即ちカ ートンブランクとなる部分に作用するように配置されている。これらアームはカ ートンブランクとなる部分に均一に当接させなければならないので、そのような 均一な当接状態を得るために、同様なアームを無数に設ける必要がある。しかし ながら、そのような無数のアームを有する装置のセッティングあるいは運転準備 には時間と労力がかかりすぎる傾向がある。 無数のアームを使用した装置に代わる手段の一つとして、シートとほぼ同じ大 きさの単一の上側打ち抜き板を用意し、この打ち抜き板にこれと一体の複数の抜 き型部分を設け、これら抜き型部分をシートのカートンブランク部分に押し当て るようにする方法がある。 この方法は無数のアームを使用する方法に比べて、たしかにセッティング時間 は短縮されるものの、抜き型部分の位置の調整が難かしく、特に現場での位置調 整に関しては全く不可能であるという欠点がある。 本発明は、公知の装置の長所を備えるだけでなく、上述した位置調整に関する 短所をも取り除いた新しいカートンブランク裁断装置の提供を目的とする。 発明の開示 本発明のカートンブランク裁断装置は、相対移動自在に設けられ、間に配され たシートから複数のブランクを打ち抜くように協同する第１および第２の打ち抜 き枠を有する。第１の打ち抜き枠は、シートをせん断する裁断刃を有し、第２の 打ち抜き枠はシートから打ち抜かれる各カートンブランクに対応する型板を有す る。各型板は、打ち抜かれるカートンブランクの形状に実質的に等しい輪郭を有 するとともに、対応するカートンブランクおよびシートの他の部分に対する位置 の調整が可能である。 第１の打ち抜き枠は下枠であり、第２の打ち抜き枠は上枠であるのが好ましい 。またこの場合、上枠は下枠に対して上下に往復動自在とするのが好ましい。 図面の簡単な説明 第１図は裁断装置の上枠および下枠を板紙シートとともに示した概略斜視図、 第２図は打ち抜き装置により裁断されたカートンブランクの山を第１図の板紙シ ートおよび下枠とともに示した概略斜視図、第３図は第１図の上枠に取り付けら れたものとは異なる形状の型板を有する上枠を上から見た概略平面図である。た だし、第３図は、型板が板紙シートおよび下枠と重なった状態で裁断刃で切断さ れた瞬間を示す。 発明を実施するための最良の形態 第１図、第２図に基づいて説明すると、裁断装置１０は上枠１２と下枠１４と を有する。第１図に矢印Ｒで示すように、上枠１２は下枠１４に対して上下に往 復動自在であり、この上下運動により板紙シート５をカートンブランクＢ１−Ｂ ８に切り分ける。裁断される板紙シート５は矢印Ｆで示す方向から上下枠１２、 １４の間に供給され、下枠１４に支持される。 上枠１２はほぼ長方形であり、一対の主縦方向部材１６と、一対の主横方向部 材１８と、四本の中間横方向部材２０、２２、２４、２６とを有する。主横方向 部材１８は上枠１２の前縁またはグリップ縁部となる。中間横方向部材２０、２ ２、２４、２６は主縦方向部材１６に対して摺動自在に取り付けられている。中 間横方向部材２０、２２は型板Ｐ１、Ｐ３、Ｐ５、Ｐ７を支持し、中間横方向部 材２４、２６は型板Ｐ２、Ｐ４、Ｐ６、Ｐ８を支持している。全ての型板Ｐ１〜 Ｐ８はコネクタ「Ｌ」により各々の中間横方向部材に対して摺動自在に取り付け られており、固定用ねじ「Ｓ」により所望の位置に固定することができる。 固定用ねじを中心にして型板Ｐ１−Ｐ８を多少回転させることも可能である。 上枠１２内における型板Ｐ１〜Ｐ８の縦方向への移動は中間横方向部材２０、２ ２、２４、２６を主縦方向部材１６に対して摺動させることによりなされる。従 って、各型板は、それが打ち抜くカートンブランクおよび板紙シートのその他の 部分に対してその位置を調整することができる。型板は２５ミリメートルの厚さ の合板から作られ、その下面はスポンジ面となっている。このスポンジ面、即ち クッション面は、裁断された（打ち抜かれた）カートンブランクをよりうまく山 積みさせる作用があるだけでなく、カートンブランクの印刷面を保護する作用も ある。各型板は通常、少なくとも一つの孔または窓を有し、これにより板紙シー ト５が型板のクッション面に吸い付けられにくいようになっている。また、窓は 、装置の検査時や現場での型板位置調整時等に型板をより見易くする効果がある 。 下枠１４もほぼ長方形であり、主縦方向部材２８と主横方向部材３０とを有す る。ただし、下枠１４は上枠１２と異なり、縦方向および横方向裁断刃を有する 。本実施例にあっては、裁断刃は縦方向裁断用鋼線またはワイヤＷ１〜Ｗ５およ び横方向裁断用鋼線またはワイヤＷ６である。これら裁断用ワイヤＷ１〜Ｗ６は 型板が裁断用ワイヤの間の空間を通過するとき板紙シート５をその切り取り線に 沿って裁断するように配されている。これら裁断用ワイヤは下枠１４の主縦方向 部材同士および主横方向部材同士の間にきつくかけ渡され、その張力はテンショ ンブロック「ｔ」によって調整可能である。 第３図に示される裁断装置１０ａは、単なる矩形ではなくもっと複雑な形状の カートンブランクを裁断する構成となっている。この図の例ではすでに外形が所 望の形状に形成された一枚の板紙シートから四枚のカートンブランクが打ち抜か れ、切り屑は生じない。点描されたブランク型板Ｐ１〜Ｐ４は打ち抜かれるカー トンブランクとほぼ同じ形状を呈する。これらブランク型板Ｐ１〜Ｐ４は、裁断 装置の上枠１２により支持されている。型板Ｐ１〜Ｐ４は全て同じ構成である。 例えば型板Ｐ１は「＋」印の位置で上枠の中間横方向部材２４、２６に移動自在 に取り付けられている。各型板には一対の孔または窓Ａ１、Ａ２が形成されてい る。これら窓は当該型板にカートンブランクが吸い付けられない様にするだけで なく、型板の位置調整をも容易にする効果がある。各型板は対応するカートンブ ランクより一回り小さく形成されている。従って、型板とカートンブランクを重 ねた場合、型板の周縁はカートンブランクの周縁より５〜２５ミリメートル内側 に来るようになる。これら型板の上枠に対する上下方向の位置を正しく調整する ために、必要であれば、上枠にスペーサを設けてもよい。ただし、型板はシート から打ち抜くカートンブランクに合わせて、どのような形状あるいは大きさとし ても良い。 裁断装置の下枠１４は、スチールブレード（２０ｍｍｘ３ｍｍ）製の縦方向お よび横方向裁断刃Ｒ１、Ｒ２を有する。これら裁断刃の上面は斜めに切られてそ こに刃が形成されている。裁断刃Ｒ１、Ｒ２はその交差箇所で互いに熔接されて いる。これらの裁断刃は板紙シートを複数のブランクに分断する。 下枠の一端に符号Ｅ１で示されるのは、いわゆるグリップ縁部である。このグ リップ縁部Ｅ１は、下枠の主横方向部材１８に設けられる端ブロックで形成され る。この端ブロックは厚さ１８ミリメートルの合板で作られ、その自由端縁はそ の近傍の板紙シートの縁から約１ミリメートル外側に離れるように位置決めされ ている。 グリップ縁部Ｅ１には複数のいわゆるジョギングガイドＧが取り付けられてい る。各ジョギングガイドＧは、その一部がグリップ縁部Ｅ１（合板）に嵌め込ま れて固定され、その内面が板紙シートの一端縁を当接させる案内面として機能す る。ジョギングガイドＧはその名の示すとおり、カートンブランクを下方へ案内 するだけでなく、積み上げられたカートンブランクを振動またはわずかに揺動さ せてカートンブランクが整然と積み上げられるようにする。同様なジョギングガ イドＧは上枠の後縁部および両側縁部にも取り付けられている。下枠の後縁部お よび両側縁部には、さらに横ガイドＧＬが取り付けられている。これら横ガイド ＧＬは合板’から作られ、打ち抜かれたカートンブランクの側縁に当接して横方 向の動きを制限するようになっている。これらジョギングガイドおよび横ガイド は、カートンブランクの落下経路を形成し、カートンブランクがより整然と積み 上げられるように補助する働きをする。 従って、裁断刃の間の空間を通過する上枠の型板と刃の協同作用により、シー トにせん断力が加えられる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． シート材料からカートンブランクを打ち抜く裁断装置において、相対移動 自在に設けられ、間にーされたシート材料から複数のブランクを打ち抜くために に協同する第１および第２の打ち抜き枠を有し、第１の打ち抜き枠は、シート材 料をせん断する裁断刃を有し、第２の打ち抜き枠はシート材料から打ち抜かれる 各カートンブランクに対応する型板を有し、各型板は打ち抜かれるカートンブラ ンクの形状に実質的に等しい輪郭を有するとともに、対応するカートンブランク およびシート材料の他の部分に対して位置調整可能であることを特徴とするカー トンブランク裁断装置。 ２． 第１の打ち抜き枠は下枠であり、第２の打ち抜き枠は上枠であり、上枠は 下枠に対して上下に往復動自在であることを特徴とする請求の範囲第１項記載の 装置。