JPH08507927A - Apc遺伝子の変異決定用抗体およびアッセイ - Google Patents

Apc遺伝子の変異決定用抗体およびアッセイ

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JPH08507927A JP6521279A JP52127994A JPH08507927A JP H08507927 A JPH08507927 A JP H08507927A JP 6521279 A JP6521279 A JP 6521279A JP 52127994 A JP52127994 A JP 52127994A JP H08507927 A JPH08507927 A JP H08507927A
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Abstract

(57)【要約】 家系性のポリプ状腺腫におけるAPC遺伝子に生じる多くの変異を検出するために有用な抗体及び該抗体を用いたアッセイを開示する。これらの抗体は所定タンパク質のアミノ末端もしくはカルボキシル末端のエピトープに特異的である。多くのイムノアッセイ方法が記載されているが、これらは全て、家系性のポリプ状腺腫及び散発性結腸カルシノーマにおける多くのAPC変異は、短縮型APCタンパク質をもたらすという観察に基づくものである。一般に、APCタンパク質の大きさを測定するかまたは、カルボキシ末端−結合性抗体に対するアミノ末端−結合性抗体の相対結合性を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】 APC遺伝子の変異決定用抗体およびアッセイ発明の属する技術分野 本発明は、医療診断、特に、癌になる遺伝的素質の診断に関する。従来の技術 家族性腺腫ポリポーシス(Familial Adenomatous Po lyposis)(FAP)は、数百ないし数千個の良性の結腸腫瘍(腺腫)を 発生させる常染色体の慢性疾患である。これらの腫瘍の幾つかは、取り除かなけ れば、必ず悪性(癌)に進行する。最近、染色体5q21から腫瘍サプレッサー になる遺伝子の候補として、腺腫ポリポーシスコリ(adenomatous polyposis coli)(APC)が分離され、これはFAPの進行に 関係していた(Kinzler,K.W.ら、Science,253:661 −665,1991);Nishisho,I.ら、Science,253: 665−669,1991;Groden,J.ら、Cell,589−600 ,1991;Joslyn,G.ら、Cell,66:601−613,199 1)。さらに、150の同族のAPC遺伝子を分析したところ、APCの変異が 、FAP患者のすべてではないにしろ、そのほとんどの原因であることが分かっ た(Miyoshi,Y.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,US A,89:4452−4456,1992)。 しかしながら、FAP患者の癌は、すべての結腸癌の1%以下と思われる。大 多数の結腸癌は、遺伝的根拠が十分には認められず、それ故、散発性として分類 されている。最近の研究では、これらの散発性腫瘍の大多数に、APC遺伝子の 体細胞変異が認められることが示された(Miyoshi,Y.ら、Human Molecular Genetics,1:229−233,1992;P owell,S.M.ら、Nature,17:235−237,1992)。 さらに、これらの変異は、結腸腫瘍形成の初期に起こると思われ、直径0.5c m程に小さな腫瘍内に検出された(Powell,S.W.ら、Nature, 17:235−237,1992)。散発性腫瘍およびFAP患者において見つ かった変異の性質は驚くべきもので、変異の94%以上がAPC遺伝子生成物の 端が切り取られた形になると予想された。合わせて考察すると、上述の研究から 、APCは、結腸新生物形成の主要な態様の進行に際して、初期的且つ重要な役 割を果たしていることが示唆される。 APC遺伝子は、8,538bpのオープンリーディングフレーム(open reading frame)(ORF)を含み、他のタンパク質とはほとん ど相同性を持たない2,843のアミノ酸からなるポリペプチドをコードすると 予想される(Kinzler,K.W.ら、Science 253:661− 665,1991;Groden,J.ら、Cell 66:589−600, 1991)。APCコード領域のサイズは大きいため、患者の中の変異を同定す るには、集中的労力と費用を要する。それ故、この技術分野では、変異体APC アレレ(対立遺伝子)を持つ患者を同定するためのより迅速な費用のかからない 方法が要望されている。発明の概要 本発明の目的は、全長の、および端が切り取られた形のヒトAPCタンパク質 を検出できる抗体を提供することである。 本発明の他の目的は、全長の、端が切り取られていない形のヒトAPCタンパ ク質を検出できる抗体を提供することである。 本発明の他の目的は、組織内に生成されたAPCタンパク質のサイズを決定す ることによって、ヒトAPC遺伝子に変異体が存在するか否かを決定するための 方法を提供することである。 本発明の他の目的は、APCタンパク質の異なる部分に結合する二種類の抗体 結合量を比較することによって、体サンプル内のAPC変異の存在の有無を決定 するための免疫組織化学的方法を提供することである。 本発明の他の目的は、APC変異の存在の有無を決定するための酵素結合イム ノソルベントアッセイ法(ELISA)を提供することである。 本発明の目的は、APCタンパク質の異なる部分に結合する二種類の抗体の結 合量を比較することによって、体サンプル内のAPC変異の存在の有無を決定す るための酵素結合イムノソルベントアッセイ法を提供することである。 本発明の他の目的は、APCタンパク質の一つの抗体への反応性が失われたこ とを見つけ出すことによって、APC変異の存在を決定するための方法を提供す ることである。 本発明の目的は、酵素結合イムノソルベントアッセイを行うにあたって用いら れる固体支持体を提供することである。 本発明の他の目的は、APCタンパク質のアッセイに有用な抗体を生成するハ イブリドーマ細胞を提供することである。 本発明のこれらのおよびその他の目的は、以下に記載される一つあるいはそれ 以上の実施態様によって規定される。本発明の一つの実施態様では、APCのア ミノ末端の1103アミノ酸に含まれるエピトープと特異的に免疫反応する抗体 の調製法を提供する。 本発明の他の実施態様では、APCのカルボキシ末端の306アミノ酸に含ま れるエピトープと特異的に免疫反応する抗体の調製法を提供する。 本発明の他の実施態様では、ヒトAPC遺伝子の変異の存在の有無を決定する ための方法が提供される。その方法は以下の段階からなる:ヒトの体サンプルか らタンパク質を抽出し;該抽出夕ンパク質をポリアクリルアミドゲルで分離し; 該分離タンパク質をフィルター上にブロットし;該フィルター上にブロットした タンパク質に下記抗体を結合させるために、APCタンパク質と特異的に免疫反 応する抗体に、該フィルターを接触させ;該タンパク質に結合する該抗体の位置 を決定し;該抗体と結合したタンパク質のサイズを定量し、300kDaより小 さいサイズであれば組織サンプルにAPC変異が存在することが示唆される。 本発明の他の実施態様では、ヒトのAPC変異の存在決定法が提供される。そ の方法は次のようである:組織の第一のサンプルまたは体液を、APCのアミノ 末端、1103アミノ酸内に含まれるエピトープと特異的に免疫反応する第一の 抗体と接触させ;該第一の組織サンプルまたは体液との第一抗体の結合量を定量 し;第二の組織サンプルまたは体液を、APCのカルボキシ末端、306アミノ 酸内に含まれるエピトープと特異的に免疫反応する第二の抗体と接触させ;該第 二の組織または体液との第二抗体の結合量を定量し;定量した該第一抗体の結合 量と、定量した該第二抗体の結合量とを比較し、こうして、第二抗体より第一抗 体とより多く結合する組織または体液が見つかると、そのヒトにAPC変異が存 在することが示唆される。 本発明の他の実施態様では、酵素結合イムノソルベントアッセイ(enzym e−linked immunosorbent assay)(ELISA) が、APC変異の存在を決定するために提供される。その方法は、APCのアミ ノ末端の1103アミノ酸、またはAPCのカルボキシ末端の306アミノ酸に 含まれる、第一のエピトープと特異的に免疫反応する第一の抗体で、固体支持体 をコーティングし;コーティングした固体支持体を、体液または組織の溶解物か らなる試験サンプルのアリコートと接触させて、該第一抗体で該アリコートの成 分を該固体支持体に結合し;該試験サンプルの固体支持体結合成分を、APCの 第二のエピトープと特異的に免疫反応する第二の抗体と接触させ、該成分および 該第一抗体で該第二抗体を該固体支持体に結合し;該固体支持体に結合する第二 の抗体量を定量する:段階からなる。別法として、第一抗体を使用せずに、体液 又は組織溶解物からなる試験サンプルを直接固体支持体に結合させてもよい。 本発明の他の実施態様では、ヒトのAPC変異の存在の有無を決定する方法が 提供される。この方法は、第一の組織サンプルを、APCのカルボキシ末端の3 06アミノ酸(配列番号:2を参照のこと)に含まれるエピトープと特異的に免 疫反応する抗体と接触させ;該第一の組織サンプルへの該抗体の結合量を定量す る:段階からなり、ここで、抗体と結合しない組織は、ヒトのAPC変異を示唆 している。 本発明の他の実施態様では、先端の切り取られた形のAPCを検出する方法が 提供される。この方法は、ヒト細胞の試験サンプルを溶解し;該細胞を可溶性画 分と粒子画分に分画し;該可溶性画分を、APCのアミノ末端の1103アミノ 酸(配列番号:2を参照されたい)に含まれるエピトープと特異的に免疫反応す る抗体と接触させ;該可溶性画分と結合する全ての抗体を検出する:段階からな り、この可溶性画分と結合する抗体が存在すると、該細胞内に先端の切り取られ た形のAPCが存在することを示唆している。 本発明の他の実施態様では、APCのアミノ末端の1103アミノ酸に含まれ るエピトープ、またはAPCのカルボキシ末端の306アミノ酸に含まれるエピ トープと特異的に免疫反応する抗体を分泌する、ハイブリドーマ細胞が提供され る。 本発明のこれらのおよびその他の実施態様は、最近行われている遺伝子技術に よるよりも、より安価でより煩雑でないAPC変異の検出手段を提供する。図面の簡単な説明 図1は、ウエスタンブロット分析によるAPCタンパク質の検出について示し ている。全タンパク質溶解物(100μg)を、ポリクローナル抗NAPC(図 IA)、ポリクローナル抗MAPC(図1B)またはモノクローナルFE9(図 1C)のいずれかとウエスタンブロットを行うことによってアッセイした。タン パク質溶解物は、APCの1338にストップコドンを含む結腸癌SW480系 (列1)、およびコドン1061、1175、1211、または1309のそれ ぞれに、先端を切り取られた既知のAPC変異をもつ4種類の異なるFAPリン パ芽球細胞系(列2−5)から作成した。全長のタンパク質を“FL”、先端を 切り取られた変異体のタンパク質を“MT”で示している。 図2は、ウエスタンブロット分析による腫瘍細胞系のAPCタンパク質の検出 を示している。全タンパク質溶解物(100μg)は、モノクローナルFE9を 用いてウエスタンブロットによってアッセイした。結腸癌1例(C1)、結腸腺 腫3例(C2からC4)、前立腺癌4例(列P1からP4)、膵臓癌4例(列A 1からA4)を示している。全長のタンパク質は、“FL”、変異体の先端の切 り取られたタンパク質は“MT”で表した。先端を切り取られたタンパク質は、 標準分子量マーカーと比較して、(左から右へ)100、130、100および 135kDaのポリペプチドの位置に移動している。 図3は、正常および変異体APCタンパク質の細胞成分分画について示してい る。細胞系を分画し、各画分は、ポリクローナル抗APC抗体を用いたウエスタ ンブロットによって分析した。図3Aは、SW480細胞から得られた結果を示 し、図3Bは、APCのコドン1309で先端を切り取られた変異を含むヘテロ 接合性をもつ患者からのリンパ芽球腫細胞系から得られた結果を示す。両パネル 共同じ量で、全タンパク質溶解物(列1)、100,000Xgの不溶性“細胞 膜画分”(列2)、“核画分”(列3)および“細胞質画分”(列4)を負荷し た。全長のタンパク質は“FL”、変異体の先端を切り取られたタンパク質は“ MT”と示した。 図4は、アフィニティー精製したポリクローナル抗NAPC抗体を用いた正常 な結腸粘膜の免疫組織化学を写真で捕らえている。ポリクローナル抗NAPC抗 体での染色パターン(図4Aは低倍率、図4Bは中程度の倍率)は、正常なウサ ギ免疫グロブリン(図4Dは低倍率、図4Eは中程度の倍率)の3倍の高濃度で も認められない。このシグナルはGST−NAPC(図4F、中程度の倍率)と 事実上競合したが、3倍高濃度のGST−MDM2(図4C、中程度倍率)とは 競合しなかった。発明の詳細な説明 本発明者らは、数多くのAPC遺伝子の変異体の存在を、免疫学的方法を用い てヒト組織中に同定できることを見出だした。変異体の90%より多くが、先端 切除APCタンパク質を生じると予期されることが、FAP患者の白血球のDN A分析を用いた研究から示された(Miyoshiら、Proc.Natl.A cad.Sci.,89:4452,1992)。原発性、散発性の結腸腫瘍に 関するその他の研究では、少なくとも60%の結腸腫瘍が先端切除のAPC変異 を含んでいることが、示されている(Miyoshiら、Human Mole cular Genetics,1:229−233,1992;Powell ら、Nature,17:235−237,1992)。これらの変異は、停止 コドンを生成するポイントミューテーション、ならびに変異から直ぐ下流に停止 コドンを作り出すようなフレームシフトを生成する欠損および挿入が含まれる。 本発明にしたがって、APCのアミノ末端の1103アミノ酸に含まれるエピト ープと特異的に免疫反応する抗体は、先端切除APCタンパク質を検出し、AP C遺伝子の遺伝性および体細胞性の両変異の大多数を検出するために用いること ができる。 APCタンパク質の一部を他のタンパク質のカルボキシ末端またはその一部と 融合することからなる融合タンパク質を作ることができ、実際に作られている。 これらの融合タンパク質は、タンパク質コード領域の融合した遺伝子の発現によ って得られる。任意の他のタンパク質をAPCとの融合に用いることができる。 通常、他のタンパク質は、幾つかの望ましい性質で選択される。例えば、マルト ー ス結合タンパク質(MBP)が用いられるが、その理由は融合タンパク質がアミ ロースカラムを用いて容易に精製されるためである。また、細菌遺伝子trpE も用いるのに好都合であり、その理由はトリプトファン飢餓によって誘導されう るからである。 APCタンパク質の部分は、所望するように、他のタンパク質へ融合させるた めに選択することができる。典型的には、約100−500のアミノ酸残基から なるAPCタンパク質の大フラグメントが選択される。本発明の望ましい実施態 様では、アミノ末端セグメントおよび所望によりカルボキシ末端セグメントが選 択される。例えば、本発明の特別の実施態様では、APCアミノ酸1−220を 含む融合タンパク質が用いられる。他の実施態様では、APCアミノ酸2537 −2843(カルボキシ末端306アミノ酸)からなるペプチドが用いられる。 本発明の他の実施態様では、APCのアミノ酸221−1103からなるペプチ ドが用いられる。 融合タンパク質は、選択したフラグメント内に含まれるエピトープと特異的に 免疫反応する抗体を得るために、動物を免疫するために用いることができる。免 疫化動物の抗血清を収集し、随意にアフィニティー精製することができる。動物 を免疫するために使用された融合タンパク質、または、望ましくはAPCタンパ ク質の同部分を持つがアミノ末端タンパク質が異なる融合タンパク質のどちらか をアフィニティー試薬として用いるのが望ましい。ポリクローナル抗体のアフィ ニティー精製は、この技術分野で熟知されており、日常的な実験方法を用いて行 うことができる。 融合タンパク質は、本発明の抗体を作り出すために用いることの出来る唯一の 免疫原ではない。APCタンパク質のアミノ酸配列を含む、合成、組換え、また は自然生成のペプチドを単独で、またはキーホールリンペットヘモシアニン(k eyhole limpet hemocyanin)(KLH)のような他の タンパク質と結合して用い、十分な免疫応答を作り出すことができる。免疫応答 を強める免疫原を投与するためのその他の手段には、この技術分野で既知のもの が用いられるであろう。 また、KohlerおよびMilsteinの方法に従って、免疫化動物の脾 臓細胞を骨髄腫細胞に融合させ、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ 細胞を作り出しても良い。ハイブリドーマ細胞は、本来の免疫原、または、AP Cタンパク質の同一あるいはオーバーラップした部分を含むその他の形の免疫原 を用い、適切な抗体の生成するか否かによってスクリーニングすることができる 。ハイブリドーマ細胞のクローニングおよびサブクローニングは、この技術分野 で既知なように、APCタンパク質のエピトープと特異的に免疫反応する抗体を 安定して生成する細胞系を作り出すために行われる。特異的免疫反応とは、抗体 が他のヒトのタンパク質と結合しないことを意味する。 特に本発明の実施に有用であると認められたモノクローナル抗体を表Iおよび IIに示す。APCを免疫沈降するであろう抗体のすべてが、ウエスタンブロッ トでAPCと結合するわけではない。この事は、SDSポリアクリルアミドゲル 電気泳動条件下でエピトープのコンホメーションが破壊されることによると思わ れる。免疫沈降せず、ウエスタンブロットでもAPCを検出できない他の抗体も 、免疫組織化学的に、例えばクリオスタット切片で、APCを検出することがで きる。 本発明の一つの方法では、APC変異は、試験サンプルから抽出したタンパク 質をSDS−PAGEで泳動させることによって検出される。本発明による試験 用サンプルは、任意の組織であり、新生物形成である疑いのあるものかまたは無 いもののどちらかである。また、尿、血液、血清、血漿、***物、唾液等のよう な、体液が有効である。細胞または脱落した抗原のいずれかが、そのような体液 中に検出される。細胞の溶解物もまた有効である。タンパク質はフィルター上に ブロットし、次いで、ブロットしたタンパク質を本発明による抗体の一つと接触 させる(ウエスタンブロット)。ブロットしたタンパク質に結合する抗体は、適 当な染色技術を用いて検出する。タンパク質を結合したタンパク質のサイズを決 定する。もし、抗体に結合したタンパク質が約300kDaより小さいサイズで あるならば、このことは、組織サンプル中に、“先端切除変異”、典型的には、 ナンセンス、フレームシフト欠損、またはフレームシフト挿入変異、のAPC変 異がある事を示している。その様な先端切除変異を最大数検出するために、タン パク質のアミノ末端部分のエピトープと特異的に免疫反応する抗体を用いること が望ましい。カルボキシ末端エピトープ結合抗体を用いると、組織内に実際に存 在する先端切除タンパク質を検出できない結果になる。 低分子量の先端切除タンパク質は、標準的なウエスタンブロット技術を用いて 適切に検出されると思われるが、高分子量の先端切除タンパク質および全長のA PCタンパク質は、そのサイズが大きいためにSDS−PAGEから十分にブロ ットされないであろう。そのため、ゲルマトリックスからフィルターへの移動を 増強させるような技術を用いることが望ましい。これらの例として、ゲルマトリ ックスの作成に3%の低融点アガロースを用いることがあげられる。 本発明に従って、患者を試験し、患者がAPCの生殖系列の変異を遺伝的に受 け継いでいるか否かを決定する、または体細胞変異であることを決定する事がで きる。前者の場合、適当かつ便利な組織サンプルは、末梢血液単核細胞または白 血球からなる。生殖系列変異が存在する場合には、それは体の任意の組織内で検 出される。後者(体細胞変異)の場合、試験する組織サンプルは腫瘍組織または 前新生物形成組織でなくてはならない。非腫瘍組織からなる対照タンパク質、望 ましくは隣接する非癌組織もまた試験される。 その他の本発明のAPC変異検出方法では、免疫組織化学または免疫蛍光が用 いられる。組織サンプルまたは細胞サンプルは、この技術分野で既知の任意の標 準的技術によって調製される。末梢血液単核細胞は、既知の方法で、免疫化学的 染色のために固定することができる。組織サンプルは凍結させ、マウンティング 化合物、例えばO.C.T.(Miles Laboratories)、内に 包埋することができる。次いで、この切片は、カットし、APCに特異的な抗体 と共にインキュベーションし、染色し、観察することができる。一つの方法では 、APCのアミノ末端部分に含まれるエピトープと免疫反応する抗体を用いて、 組織の第一サンプルを染色する。APCのカルボキシ末端部分に含まれるエピト ープと特異的に免疫反応する第二の抗体を用いて、同じ組織の第二サンプルを染 色する。各抗体の結合量を定量する。実際上、アミノ末端抗体がカルボキシ末端 抗体よりも多く組織サンプルと結合したならば、先端切除のAPC変異が示唆さ れる。本発明の一つの実施態様では、例えば免疫蛍光化合物または放射性分子の ような検出可能な標識で標識した抗体が用いられる。また、その様な検出可能標 識 は、アミノ末端またはカルボキシ末端抗APC抗体と免疫反応するさらなる抗体 に取り付けることもできる。本発明のその他の実施態様では、抗体は、適当な酵 素基質と接触して色の付いた反応生成物を生成する酵素に結合させることによっ て標識される。本発明の他の実施態様では、検出可能標識は、この技術分野一般 的に知られているように、アビジン:ビオチン−リガンド結合ペアを用いて抗体 に結合させる。代表的には、抗体をビオチンに結合させ、検出可能標識、例えば アルカリホスファターゼは、アビジンに結合させる。本発明の一つの態様では、 アミノ末端抗体およびカルボキシ末端抗体を同じ組織サンプルまたは細胞サンプ ルと共にインキュベーションする。その場合、抗体は異なる検出可能標識で標識 される。 酵素結合イムノソルベントアッセイ(Enzyme−linked immu nosorbent assay)(ELISA)もまた本発明の範囲内で企図 される。そのようなアッセイでは、APCのアミノ末端部分に含まれるエピトー プと特異的に免疫反応する第一の抗体でコートした、マイクロタイタープレート またはディップスティック(dipstick)の様な固体支持体が用いられる 。試験サンプルは、そのような成分が試験サンプル中に存在するならば、抗原− 抗体複合体を形成し且つ支持体上にコートした抗体に結合した試験サンプルの成 分を安定化するような条件下で、コートした固体支持体と接触させる。この技術 分野で既知の方法にしたがって、固体支持体を適当な方法で洗浄し、抗体と特異 的に結合しない試験サンプルの成分を取り除く。APCの第二のエピトープと特 異的に免疫反応する第二の抗体を加える。この様に、第一(アミノ末端)の抗体 と結合した試験サンプルの成分は二つの抗体の間に挟み込まれる。試験サンプル の支持体結合成分と特異的に結合しなかった第二の抗体は、形成された抗原−抗 体複合体を安定化させる条件下で、洗浄除去する。(第一の抗体と試験サンプル の成分を介して)固体支持体に結合する第二の抗体量は、典型的には、第二の抗 体に結合する酵素と接触させて呈色生成物を形成する発色性基質を加えることに よって、定量される。他にも、その様なELISAアッセイをおこなうためのフ ォーマットが考えられ、そのようなフォーマットは第一の抗体用いることなく固 体支持体に直接試験サンプルを結合させることを含む。 本発明の他の態様では、試験サンプルの第二のアリコートを用いて、上述のよ うに酵素結合イムノソルベントアッセイを平行して行っても良い。しかしながら 、このELISA平行実験では、異なる抗体を固体支持体にコートする。このバ ージョンでは、カルボキシ末端抗体を第一の抗体として用いる。この様にすると 、第一および第二のELISA平行実験を比べた時、第一のELISA実験より 第二の実験での結合量が実質上小さい場合には、サンプルに用いた組織のAPC 変異が示唆される。サンプルは、例えば、血液細胞または固体腫瘍の溶解物であ る。本発明の抗体を用いて行うことの出来るその他のアッセイには、免疫沈降お よびタンパク質ドットブロットが含まれる。本発明の実施にあたって用いられる 抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルまたはその組み合わせのいずれか であってよい。 本発明のその他の態様では、組織サンプルは、例えば免疫組織化学的方法によ って、APCのカルボキシ末端の306アミノ酸のエピトープに特異的に結合す る能力について、分析することができる。組織サンプルが抗体と結合しない場合 、APCの先端切除および/または欠損変異が示唆される。所望するならば、隣 接する正常な組織のサンプルを対照として、同じ抗体を用いて分析してもよい。 試験サンプルが結合する能力に欠けているのに対照サンプルが抗体に結合する能 力を持っていると、APCの体細胞変異が示唆される。 本発明の他の態様では、免疫学的検出は、ヒトのAPCアレレについての情報 を得るために、細胞成分分画と一緒に行われる。全長のAPCタンパク質は粒子 画分に見出だされ、これに対して、可溶性または細胞質画分は先端を切り取られ た形のみを含んでいることが見出だされた。全長のAPCと先端を切り取られた APCが同じ細胞内に存在する場合、粒子画分に先端を切り取られた形もまた検 出されるが、これは多分APCタンパク質のオリゴマー化によるものであろう。 この様に、APCが粒子画分にのみ検出される場合、そのヒトは二種類の野生型 アレレを持つと推測される。APCが両方の形で検出される場合、そのヒトは一 つの変異体と一つの野生型アレレを持つと推測される。APCがサイトゾルのみ に認められた場合、そのヒトは二種類のAPC変異体アレレを持っていると推測 される。一つの変異体アレレは、散発性または家族性の結腸癌の素質を示唆して いる。二種類の変異体アレレは、より悪性の診断を意味している。 細胞成分の分画は、本発明に従って、典型的な細胞質細胞成分を典型的な膜関 連細胞成分から分離する任意の手段によって行うことができる。分画を行う方法 の一つは、細胞を最初に(例えば機械的にまたは浸透法によって)溶解し、次い で、核および未破壊細胞を低速遠心分離、典型的には約500xgで除去する。 上澄液を1時間100,000Xgで遠心分離し、粒子または膜関連画分をペレ ット状にする。残された上澄液は可溶性または細胞質画分であると考えられる。 上述のように、全長のAPCが粒子画分に見出だされたのに対して、先端を切り 取られたAPCは可溶性画分に見出だされる。全長のAPCが先端を切り取られ たAPCと共に細胞内に存在する場合、先端を切り取られたAPCもまた粒子画 分に見出だされる。 細胞成分の分画を行った後に、タンパク質は、ここで教示された任意の手段で 、免疫学的に分析することができる。典型的には、各々の画分のタンパク質は電 気泳動で分離し、イムノブロットする。代わりに、画分を、APCのアミノ末端 部分に結合する抗体および所望によりAPCのカルボキシ末端部分と結合する抗 体の両方を用いて、ELISAフォーマットでアッセイすることができる。 本発明による抗体分泌ハイブリドーマは、American Type Cu lture Collection(ATCC)、12301 Parklaw n Avenue,Rockville,Maryland、に寄託した。これ らは、それぞれ取得番号HB11294,HB11292、HB11296、H B11288、HB11295、HB11297、HB11298、およびHB 11293のFE9、AC4、CC1、CF11、DB1、IA1、IE1、お よびHG2として知られている抗体を含む。同じエピトープと結合する抗体を作 るその他のハイブリドーマは、例えば、抗−イディオタイプの技術を用いて、作 ることができる。抗体は、寄託した抗体とその同系列の抗原との結合を完全に阻 害する能力を試験することによって、寄託した抗体の同一エピトープへの結合に ついて、試験することができる。FE9は、APCのアミノ酸16−29からな るエピトープに結合することが分かった。AC4は、APCのアミノ酸109− 170からなるエピトープと結合する。また、これらの抗体のアイソタイプを変 換した変異体を、この技術分野で既知の方法で、作ることもできる。Spira ら、1985、“体細胞変異体によるより良いモノクローナル抗体の生成”。( ”The Generation of Better Monoclonal Antibodies Through Somatic Mutation s”)、バイオサイエンスおよび医学に於けるハイブリドーマ技術(Hybri doma Technology in the Biosciences a nd Medicine)、Springer編、77−78頁、Plenum Press,N.Y.を参照のこと。 本発明による固体支持体は、抗体が付着するであろう任意のプラスチック、紙 、またはガラスであって良い。最も典型的な固体支持体は、プラスチックミクロ タイタープレートからなる。プレコートしたペーパーシートおよびスティック並 びに小球もまた、本発明の抗体のキャリアーとして期待される。 また、本発明の抗体は、画像化薬(imaging agent)としても用 いることができる。それらをこの技術分野で既知の方法にしたがって標識し、患 者に投与して結腸内での腫瘍の存在、または転移を検出することができる。 本発明の抗体は、結腸癌の素因を示唆する生殖系列または体細胞変異の存在の 有無を決定するために有用である。また、APC変異は、胃、食道、膵臓、およ び小細胞肺癌の進行中に認められるであろう。生殖系列にAPC変異が存在する ことは、FAPとも関連し、患者が結腸癌になる可能性が高いことを示している 。体細胞APC変異は、結腸腫瘍の初期の進行に関係することが認められている 。実施例1 本実施例は、APC蛋白質の一部分に特異的な抗体を得るための、免疫化およ びスクリーニングに有用な細菌融合タンパク質の構築法について説明している。 APCタンパク質のアミノ末端部分を含む細菌融合タンパク質は、以下のAP CcDNAの一部分から構築した。ヌクレオチド−15から734を含むAPC 遺伝子フラグメントは、以下のプライマー、5'-CAAGGGTTCAAG GATG−3’、および5'-TGCTTCTGTTGCTTGAGGC−3’ (下線で示した塩基を交換してEcoRIサイトを作る);でPCR増幅するこ とによって、開始メチオニンの5´側10ヌクレオチドにEcoRIサイトを持 つように作り変えられた。EcoRIで消化した後、作り出したEcoRIサイ トからヌクレオチド660の内因性のEcoRIサイトまでに及ぶフラグメント を、pATH3のEcoRIサイト(Koerner,T.J.ら、Metho ds Enzymol.,194:477−490,1991)およびpGEX −3X(Pharmacia)にクローン化してtrpE融合体(pATH−N APC)およびグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合体(pG EX−NAPC)を得た。 融合タンパク質の第二のオーバーラップしていないセットは、ヌクレオチド6 60の内因性のEcoRIサイトから、cDMAクローニング中に導入されたヌ クレオチド3309の外因性EcoRIサイトまでに及ぶAPC EcoRIフ ラグメントから構築した。このフラグメントは、pATH3、pMAL−C2( New England Biolabs)、およびpGEX−2T(Phar macia)にクローニングして、結果としてtrpE融合体(pATH−MA PC)、マルトース結合性タンパク質(maltose binding pr otein)(MBP)融合体(MBP−MAPC)、またはGST融合体(p GEX−MAPC)を得た。融合タンパク質の第三のセットは、pATH3およ びpMAL−C2の発現ベクターにクローニングしたAPCの306のカルボキ シ末端アミノ酸を含み、それぞれ融合タンパク質trpE−XCおよびMBP− XCを得た。全長の融合タンパク質(trpE−XC)は75kDaの分子量を 持つ。 trpE融合タンパク質をコードするpATHは、温度感受性の大腸菌CAG 456で生産された(Baker,T.A.ら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA,81:6779−6783,1984)。定常期の大腸菌を 1:5に希釈し、12時間トリプトファン飢餓状態で誘導した。細胞を遠心分離 で収集し、1/60容量のTEN(50mMトリス塩酸、pH8、1mM−ED TA、50mM−NaCl)に再懸濁した。リゾチームを20mg/ml加え、 培養液を氷上で15分インキュベーションした。NP−40を最終濃度が0.2 5 %になるように加えた後、サンプルを音波処理し、不溶性の融合タンパク質をペ レット状にし(12,000Xgで5分間、4℃)、TENで洗浄し、−80℃ で凍結した。 pGEXがコードするグルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質 を大腸菌JM101細胞中にて製造した。細胞は、37℃で、550nmの吸光度 (A600)が0.5になるまで増殖させ、イソプロピル−β−D−チオガラクト シド(0.5mM)を加えることによって誘導した。4時間インキュベーション したのち、細胞を遠心分離で収集し、1/30容量のMTPBS(150mM− 塩化ナトリウム、16mM−リン酸一ナトリウム、および4mMのリン酸二ナト リウム、pH7.3)に再懸濁し、音波処理した。不溶性融合タンパク質をペレ ット状にし、0.03%SDSで一回洗浄し、−80℃で凍結した。 大腸菌で発現させた、pMAL−C2がコードするマルトース結合タンパク質 である融合タンパク質MBP−XCおよびMBP−MAPCを溶解させた形で生 産し、以下の方法で精製した:細胞は37℃で吸光度(A600)が0.5になる まで増殖させた。次いで、融合タンパク質の発現は、イソプロピル−β−D−チ オガラクトシドを0.5mMになるように加えて誘導した。4時間インキュベー ションの後、細胞を遠心分離で収集し、1/10容量のSTE(150mM−N aCl、10mMトリス塩酸、pH7.4、および1mM−EDTA)に再懸濁 し、20Kのフレンチプレッシャーセル(SLM Amico,SLM Ins truments,Inc.Urbana,IL)に15,000PSIで細胞 を二度通して破砕した。不溶性物質は、16,000Xgで10分間遠心分離し 、残った可溶性物質はアミロースカラムにかけた。可溶性のMBP−XCおよび MBP−MAPCは、アミロースでカラムから溶出した。ピークのフラクション はSDS/PAGEで同定し、プールした。実施例2 本実施例は、APCタンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端のセグメン トと特異的に免疫反応するポリクローナル抗体の生産について説明している。 trpEの細菌融合タンパク質を含む不溶性の細菌ペレットをSDS−PAG Eを用いて精製した。おおよそ300μgの融合タンパク質を含むゲルスライス は、完全フロイントアジュバンド(Sigma)中でホモジナイズして第一免疫 注射に用い、不完全フロイントアジュバンド(Sigma)でホモジナイズして 追加免疫注射に用いた。2匹のニュージーランドシロウサギに、それぞれのタン パク質調製物を注射した。ウサギは2週間ごとに注射を打たれ、それぞれの追加 免疫注射から10日後に採血した。抗体は、不溶性細菌融合タンパク質であるグ ルタチオン−S−トランスフェラーゼに結合させることによって、アフィニティ ー精製した。200μgの融合タンパク質を含む細菌ペレットを融解させ、TE Nで洗浄し、ペレット状にした。1mlの抗血清をペレットに加え、氷上で1時 間インキュベーションした。次いで、抗体−不溶性タンパク質複合体をペレット 状にし、TBSで洗浄した。抗体は、500μlの0.2Mグリシン、pH2. 3中、氷上に5分間置くことによって遊離させた。残された不溶性タンパク質を ペレット状にした。抗体溶液は、70μlの1MトリスpH9.5で中和した。 ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウムを、最終濃度がそれぞれ5mg/m lおよび0.05%になるように加えた。実施例3 本実施例では、APCのアミノまたはカルボキシ末端セグメントに特異的に免 疫反応するモノクローナル抗体の生産について説明する。 メスのCB6/F1マウスは、大腸菌内で発現させ、SDS−PAGEの後、 電気的に溶出精製した20μgのtrpE−NAPCまたはtrpE−XC融合 タンパク質を3回連続して腹腔内に注射することによって免疫化した。ハイブリ ドーマは、融合させた細胞を1x106/mlの濃度で平板培養することを除い て、McKenzie,S.J.ら、Oncogene,4:543−548, 1989,に記載の方法にしたがって生成させた。マウスの試験採血試料および ハイブリドーマの抗APC反応性についてのスクリーニングは、上述した方法に したがって精製した精製GST−NAPC(Smith,D.B.ら、Gene ,67:31−40,1988)または可溶性MBP−XCを用いて、それぞれ 500ng/mlまたは3μg/mlの濃度になるようにプレート上にコートし 、抗原捕獲ELISAを用いて行った。精製GST−MDM2は、Oliner ,J.D.ら、Nature,358:80−83,1992に記載の方法にし た がって発現させて精製し、精製MBP−MAPCは負対照の抗原として用いた。 抗原/抗体複合体の検出は、西洋サワビのペルオキシダーゼとヤギ抗マウスIg Gの重鎖および軽鎖の複合体(Kirkegaard and Perry L abs,Inc.)と共にインキュベーションし、次に、McKenzie,S .J.ら、Oncogene,4:543−548,1989に記載の方法にし たがってテトラメチルベンジジンで発色させて行った。陽性ハイブリドーマは、 すべて限界希釈法によって2度サブクローン化した。APCのアミノ末端部分に 対するモノクローナル抗体は、最初に、GST−NAPCおよびtrpE−NA PCを用いてウエスタンブロットを行うことによってAPCを特異的に認識する か否かについて試験した結果、抗APC反応性を示したが、このときGST−M DM2およびtrpE−MAPCを負の対照として用いた。APCのカルボキシ 末端部分に対するモノクローナル抗体は、最初に、可溶性融合タンパク質MBP −XCを用いてELISAを行うことによってAPCを特異的に認識するか否か について試験した結果、抗APC反応性を示したが、このときMBP−MAPC を負の対照として用いた。 APCのアミノ酸1−220に含まれるエピトープと特異的に反応する10個 のハイブリドーマを分離した。APCのカルボキシ末端306のアミノ酸残基に 含まれるエピトープと特異的に反応する6個のハイブリドーマを分離した。これ らは、表1および2に示すと共に、それらのアイソタイプについても示した。 実施例4 本実施例では、ウエスタンブロットおよび免疫沈降を行うことによってAPC アミノ末端に特異的な10のモノクローナル抗体の特徴について説明している。 ウエスタンブロットを行うために、それぞれ1μgのGST−NAPC、GS T−MDM−2、trpE−NAPC、およびtrpE−MAPCを、SDS− PAGEによって分離し、ニトロセルロースに移した。ブロットは、10mlの 希釈していないハイブリドーマ上澄液によってプローブした。 ウエスタンブロットによって、どの抗体も、全長の48kDaのGST−NA PCおよび全長のtrpE−NAPCを認識することができる。GST−hMD M2またはtrpE−MAPCは認識されない。しかしながら、それらの抗体は すべて、GST−NAPCの列に何本かの低分子バンドを検出した。これらのバ ンドは全長のGST−NAPCのタンパク質の分解によるものと思われる。 免疫沈降するために、SW480細胞を、35S−メチオニンで代謝標識した。 次いで、溶解物を、ハイブリドーマの上澄液中のそれぞれの抗体12μgを用い て沈降させた。5種類の抗体、BD12、CC1、CF11、EF4、およびF E9は、SW480溶解物中の147kDaのAPCタンパク質を免疫沈降によ って検出することができる。図1C、列1を参照されたい。特性の一覧を表Iに 示す。実施例5 本実施例では、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いたウエスタン ブロットで、7種類のリンパ芽球および1つの結腸細胞系内にAPCタンパク質 を検出したことを説明している。 ポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、結腸癌細胞系のSW480から およびFAP患者から得られた7種類のEBV−不死化リンパ芽球系からのタン パク質溶解物のウエスタンブロット分析に用いられた。SW480細胞系は、A PC遺伝子アレレの一方のみを含み、そのアレレはコドン1338にナンセンス 変異をもち、その結果、予想される147kDaのタンパク質サイズを持つ(N ishisho,I.ら、Science,253:665−669,1991 )。7種類のFAP細胞系は、すべて正常なアレレならびにAPC遺伝子の既知 の先端切除変異を含む(Miyoshi,Y.ら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA,89:4452−4456,1992)。 正常なAPC遺伝子は、312kDaのタンパク質をコードすると予想される が、これに対して変異体は、27kDaから147kDaの範囲の予想に相対サ イズを持つタンパク質である。SDS−PAGEに次いで行われる標準的ウエス タンブロット技術によるタンパク質溶解物の分析では、全長のAPCタンパク質 を検出できなかった。高分子タンパク質の検出を容易にするために、タンパク質 溶解物は、変性アガロースゲルシステムで電気泳動させ、タンパク質の移送は、 キャピラリー作用で行った。増強的化学発光と組み合わせたこの移送方法は全長 のAPCタンパク質の検出を可能にした。より具体的には、電気泳動は、トリス −ホウ酸バッファー(89mMトリス塩基、89mMホウ酸、2mM−EDTA )中、0.1%SDSを含む3%の低融解点アガロースゲルを用いて行い、トリ ス−グリシンバッファー(25mMトリス塩基、191mMグリシン、0,05 %SDS)を泳動バッファーとして用いた。細胞タンパク質溶解物は、SDS− PAGE負荷用バッファー(63mMトリス塩酸、pH6.8、10%グリセロ ール、5% 2−メルカプトエタノール、2%SDS、0.025%ブロモフェ ノールブルー)中で、5分間沸騰させて調製した。タンパク質濃度は、文献の方 法(Sheffield,J.N.ら、Analytical Biochem istry,166:49−54,1987)に従って、アミドブラック染色で 定量し、100μgの全タンパク質を各列に負荷した。タンパク質は、キャピラ リ−アクションで、0.04%SDSを含むトリスバッファー溶液(0.1Mト リス塩酸、pH7.5、0.9%塩化ナトリウム)(TBS)中でポリビニルジ フ ルオライド膜(Immobilon,Millipore)へ、一晩かけて、移 送した。フィルターは、TBSで簡単にリンスし、10%の脱脂粉乳、10%ヤ ギ血清、0.1%Tween20を含むTBS溶液中で1時間固定した。5%脱 脂粉乳、0.1%Tween20を含むTBS溶液中2時間、1−2μg/ml の一次免疫抗体と共にインキュベーションした後、フィルターは0.1%Twe en20を含むTBS溶液中で30分間、溶液を3回交換して洗浄した。西洋サ ワビペルオキシダーゼを結合させたヤギ抗ウサギまたはヤギ抗マウス抗体(5% 脱脂粉乳、0.5%Tween20を含むTBS溶液中に0.05μg/ml) をフィルターと共に、45分間インキュベーションした。次いで、フィルターを 6回、各回20分間、0.1%Tween20を含むTBS中で洗浄した。ペル オキシダーゼ活性は、製造者の処方箋にしたがって、Amershamの増強化 学発光検出キットを用いて検出した。 ポリクローナル抗NAPC、抗MAPCおよびモノクローナルFE9抗体はす べて、FAP細胞系でおおよそ300kDaタンパク質を検出したが、SW48 0細胞系では認められなかった(図1)。さらに、予想されるサイズに相当する 先端切除タンパク質は、SW480および4つのFAPの列で検出された(図1 )。一つの場合には、FAP患者から新たに採血して、末梢単核細胞を分離した 。末梢単核細胞は、Histopaque1077段階勾配(Sigma)を製 造者の処方箋にしたがって用い、EDTA抗凝血血液から分離した。変異体(1 17kDa)および全長のAPCタンパク質の両方が検出され、この分析が、血 液細胞を用いて直接行うことができることを証明した。3つのFAPリンパ芽球 サンプルでは、全長のAPCタンパク質を容易に検出できたにもかかわらず、先 端切除のタンパク質は検出されなかった(データは示していない)。これらは、 コドン232、301、625でのナンセンス変異の列を含んでいた。これらの 細胞系各々からの別々の3種類の細胞溶解物は、変異によって予想されるサイズ の範囲のタンパク質を検出できるような様々な異なるゲル電気泳動条件を用いて 、抗NAPCまたはFE9で分析した。これらの結果から、先端切除APCの或 る形が、全長APCに比較して大変低いレベルで発現していることが示唆される が、これは変異体の転写物またはタンパク質が不安定であることによると思われ る。 同様の結果が、モノクローナルFE9、CF11およびEF4でも得られた。 四番目のモノクローナルCC1は、代謝標識した内因性APCを免疫沈降できる にも拘らず、ウエスタンブロットで内因性APCを検出しなかった(データには 示していない)。実施例6 本実施例では、ヒト腫瘍細胞系でAPCタンパク質の変化を検出するためにA PCに特異的な抗体を用いることについて説明している。 ヒト腫瘍に於けるAPCタンパク質の状態について決定した。正常組織の混入 による問題を避けるために、結腸、***、前立腺、子宮頸部、肺および膵臓の腫 瘍から誘導したヒト細胞系のAPCタンパク質について試験した。散発性腺腫( アデノーマ)から誘導した6の細胞系、散発性癌腫(カルシノーマ)から22、 FAP腺腫から3、およびFAP癌から1つを含む、全部で32の結腸腫瘍細胞 系について研究した。ウエスタンブロット分析では、これらの系のうちの24( 75%)が先端切除APCタンパク質を含んでいることが明らかになった(図2 )。新規のバンドが抗NAPC,抗MAPC、およびFE9抗体と反応しさえす れば、細胞系は先端切除のAPCタンパク質を含んでいると評価した。興味深い ことに、結腸系の80%(27/32)より多くが、全長のAPCタンパク質を まったく含んでいなかった。 対照的に、7つの***の、6つの前立腺の、9つの子宮頸部の、9つの膵臓の 、および9つの肺の癌腫細胞系はそれぞれ、ウエスタンブロット分析では全長の APCタンパク質のみを含んでいた(図2)。その結果、APC変異は、これら の腫瘍の進行に一役を果たしていないことが示唆されるが、ミスセンスAPC変 異および/または非常な初期の先端切除変異がこれらの腫瘍タイプに起こる可能 性がある。また、これらの結果から、APCタンパク質は、多くの異なる組織の タイプ、特に、リンパ球、肺、***、前立腺、膵臓および子宮頸部、に検出され うるレベルで発現することが、示唆される。実施例7 本実施例は、APCが細胞質に位置することを説明している。 APCの存在位置を決めるために細胞下レベルで様々な実験を行った。SW4 80細胞を用いて細胞分画を行った場合、先端切除タンパク質はサイトゾル画分 のみに見出だされた(図3A、列4)。方法は、以下の修飾を加えたが、文献の 方法(Sprottら、Analytical Biochemistry,1 66:49−54,1987)に従って、行った。細胞は、200Xgで遠心分 離して収菌し、0.5mM塩化カルシウムを含むDulbeccoのリン酸塩緩 衝液で3回洗浄した。ペレットを溶解バッファー(5mMトリス塩酸、pH7. 8、2mM−MgCl2、1mM−PMSF,0.5μg/ml ロイペプチン (Sigma)、10μg/ml トリプシンインヒビター(Sigma))に 再懸濁した。次いで、サンプルを500Xgで遠心分離し、核および未溶解細胞 をペレット状にした。ペレットは溶解緩衝液で一度洗浄し、“核フラクション” として保存した。上澄液は100,000Xgで1時間遠心分離した。得られた ペレットを“細胞膜フラクション”とし、上澄液を“サイトゾルフラクション” とした。これら3種類のフラクションは、すべてウエスタンブロット分析する前 に、SDS−PAGE泳動用緩衝液に直接溶かした。これらのフラクションは、 p53およびDCCがそれぞれ“核”および“細胞膜”フラクションに優勢に見 出だされるという所見によって確かめられる。 全長のおよび先端切除のAPCタンパク質を含むFAPリンパ芽球腫系を分画 した場合、結果は予想に反していた。全長のAPCタンパク質は100,000 Xgの不溶性の“細胞膜フラクション”に見出だされたが、これに対して、先端 切除型は、100,000Xgフラクション中およびサイトゾルフラクション中 に存在した(図3B、列2および4)。APCの分画は、トリトンX−100処 理によって影響を受けなかったが、デオキシコール酸塩、弱イオン性界面活性剤 は全長および先端切除のAPCを完全に可溶化した(データには示していない) 。この事は、APCが細胞膜に存在するタンパク質であるわけではなく、むしろ 全長のAPCタンパク質が不溶性の凝集体と複合体を形成していることを示唆し ている。この様な分画パターンは、別の先端切除APCタンパク質を含む第二の FAPリンパ芽球腫でも再確認された。 APCの細胞内の位置をさらに確かなものにするため、アフィニティー精製し たポリクローナル抗体を使用し、凍結させた正常な結腸粘膜切片を用いて、免疫 組織化学的研究を行った。凍結させた正常な結腸粘膜サンプルをO.C.T.( Miles Laboratories,Inc.)に包埋し、12μmの切片 に切断した。切片は、直ちに、0.3%の過酸化水素を含む無水メタノール中、 室温で30分間固定した。組織は、Dulbeccoのリン酸塩バッファー(P BS)で3回洗浄した。APC抗原は、製造者の処方箋にしたがって、抗原捜査 システム(Antigen Retrieval System)(Bioge nex Laboratories)を用いて露出させた。組織は、H2Oで3 回、PBSで3回、簡単に洗浄し、ヤギ血清を用いて30分間ブロックし、次い でアフィニティー精製した抗NAPC(1.5μg/ml)または抗MAPC抗 体(1.5μg/ml)またはヤギ血清で希釈した正常なウサギの免疫グロブリ ン(4.5μg/ml)と共に、2時間インキュベーションした。組織は、PB Sで3回、5分間ずつ洗浄した。ビオチニル化したヤギの抗ウサギ抗体(Vec tor Laboratories)をヤギの血清で1:200に希釈し、これ に組織を30分間晒した。組織は、PBSで3回、それぞれ5分間ずつ洗浄した 。製造者の処方箋にしたがって、Vectastain Elite ABC System(Vector Laboratories)を用いて、免疫ペル オキシダーゼ染色を行った。DAPI染色は、0.1mg/ml−DAPIを免 疫ペルオキシダーゼ染色した組織に塗布することによって核対比染色として行い 、U.V.励起下で調べられるようにした。文献の方法(Smith D.B. ら、Gene 67:3−40、1988)に従って精製した可溶性GST融合 タンパク質を用いて、競合試験を行った。GST−NAPCおよびGST−MD M2融合タンパク質は、それぞれ最終濃度3μg/mlおよび9μg/mlで、 一次免疫抗体のインキュベーション中に含んだ。 陰窩の上皮細胞の基底面部分で濃縮された細胞質染色は抗NAPCで認められ る(図4、パネルAおよびB)が、3倍高濃度の正常なウサギのIgG(図4D および4E)では認められなかった。DAPIで対比染色した場合、最も濃いA PC特異的染色は、核への基底面で認められた。上皮細胞の染色は、陰窩の基底 部からリューミナル表面へ著しい増加を示した。同様のパターンがポリクローナ ル抗MAPC抗体でも認められた。この抗体の結合がAPCに特異的であること を確認するため、可溶性細菌GST−NAPC融合タンパク質または対照となる 無関係の融合タンパク質(GST−MDM2)を用いて競争試験を行った。シグ ナルは、NAPC融合タンパク質と十分に競合したが(図4、パネルF)、3倍 高濃度のMDM2融合タンパク質による影響は受けなかった(図4、パネルC) 。抗MAPC抗体で認められたシグナルは、予想されたように、可溶性の細菌N APC融合タンパク質とは競合しなかった。染色の同様なパターンは、(データ として示していないが)コドン625または1309のどちらかの先端切除変異 をもつ2名の個体から得たFAP結腸粘膜でも認められた。 配列表 (2)SEQ ID NO:1:の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:9606塩基 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii)分子タイプ:cDNA (iii)ハイポセチカル:NO (iv)アンチセンス:NO (vi)起源: (A)生物:ヒト (viii)ゲノム中の位置: (B)マップの位置:5q21 (ix)特性: (A)NAME/KEY:CDS (B)位置:34..8562 (xi)SEQ ID NO:1: (2)SEQ ID NO:2:の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:2843アミノ酸 (B)タイプ:核酸 (D)トポロジー:直線状 (ii)分子タイプ:タンパク質 (xi)SEQ ID NO:2:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/577 9281−4B C12N 5/00 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 キンズラー,ケネス・ダブリュー アメリカ合衆国メリーランド州21234,バ ルティモア,ハルステッド・ロード 1348 (72)発明者 ヴォーゲルスタイン,バート アメリカ合衆国メリーランド州21208,バ ルティモア,ブレトン・ウェイ 3700

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端1103アミノ酸内に含ま れるエピトープと特異的に免疫反応性である複数の抗体から実質的になる、抗体 調製物。 2.SEQ ID NO:2に示すAPCのカルボキシ末端306アミノ酸内に 含まれるエピトープと特異的に免疫反応性である複数の抗体から実質的になる、 抗体調製物。 3.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸221〜 1103内に含まれる、請求項1の抗体調製物。 4.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端220 アミノ酸内に含まれる、請求項1の抗体調製物。 5.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸16−29か らなる、請求項1の抗体調製物。 6.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸109−170 からなる、請求項1の抗体調製物。 7.抗体がポリクローナル抗体である、請求項1の抗体調製物。 8.抗体がモノクローナル抗体である、請求項1の抗体調製物。 9.抗体がポリクローナル抗体である、請求項2の抗体調製物。 10.抗体がモノクローナル抗体である、請求項2の抗体調製物。 11.抗体が、それぞれATCC受託番号HB 11294,HB 11288,HB 11296,及 びHB 11292として寄託されているFE9,CF11,CC1,及びAC4からなる群から選択 される細胞ラインにより、製造される請求項4の抗体調製物。 12.抗体が、それぞれATCC受託番号HB 11293,HB 11295,HB 11297,及 びHB 11298として寄託されているHG2,DB1,IA1,及びIE1からなる群から選択さ れる細胞ラインにより、製造される請求項2の抗体調製物。 13.ヒトの組織サンプルまたは体液からタンパク質を抽出し; ポリアクリルアミドゲル上で上記抽出夕ンパク質を分離し; 分離されたタンパク質をフィルター上にブロットし; 上記フィルターをAPCタンパク質と特異的に免疫反応する抗体と接触 させて、該抗体を該フィルター上にブロットされたタンパク質と結合させ; 該タンパク質と結合した抗体の位置を検出し; 該抗体と結合したタンパク質の大きさを決定し; かくして、約300kDa以下の大きさは、組織サンプルまたは体液中にAPC の変異が存在することを示すこととすることからなる、ヒトAPC遺伝子内の変 異の存在を調べる方法。 14.抗体が、SEQ ID NO:2に示すアミノ末端1103アミノ酸内に存 在するエピトープに結合する、請求項13の方法。 15.SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸16-29が、該エピトー プを含む、請求項13の方法。 16.抗体が、それぞれATCC受託番号HB 11294,HB 11288,HB 11296,及 びHB 11292として寄託されているFE9,CF11,CC1,及びAC4からなる群から選択 される細胞ラインにより、製造される請求項13の方法。 17.抗体がポリクローナル抗体である、請求項13の方法。 18.抗体がモノクローナル抗体である、請求項13の方法。 19.組織サンプルが腫瘍である、請求項13の方法。 20.体液が末梢血の単核細胞を含む、請求項13の方法。 21.第一の組織サンプルまたは体液を、SEQ ID NO:2に示すAP Cのアミノ末端1103アミノ酸内に含まれるエピトープと特異的な免疫反応性をも つ第一の抗体と接触させ; 第一のサンプルに対する第一の抗体の結合量を調べ; 第二の組織サンプルまたは体液を、SEQ ID NO:2に示すAP Cのカルボキシ末端306アミノ酸内に含まれるエピトープと特異的に免疫反応性 をもつ第二の抗体と接触させ; 第二のサンプルに対する第二の抗体の結合量を調べ; 第一の抗体の結合量と第二の抗体の結合量を比較し; かくして、第二の抗体より第一の抗体の結合量が実質的に多いサンプルが見つか ったときは、ヒトにおけるAPCの変異を示唆することとする、ヒトにおけるA PC変異の存在を調べる方法。 22.第一及び第二の組織サンプルが腫瘍組織である、請求項21の方法。 23.第一及び第二の体液サンプルが末梢血単核細胞を含む、請求項21の方 法。 24.第一及び第二の組織サンプルが腫瘍組織の溶解物である、請求項21の 方法。 25.第一及び第二のサンプルが同一サンプルであり、そして第一及び第二の 抗体が異なる検出可能なタグで標識されている、請求項21の方法。 26.第一抗体、第二抗体、第一抗体に結合する抗体、及び第二抗体に結合す る抗体からなる群から選択される抗体に連結した酵素により生じる呈色反応生成 物により、抗体の結合を調べる請求項21の方法。 27.第一抗体、第二抗体、第一抗体に結合する抗体、及び第二抗体に結合す る抗体からなる群から選択される抗体に連結した蛍光化合物により、抗体の結合 を調べる請求項21の方法。 28.第一抗体が、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸109-170 内に含まれるエピトープと免疫反応性である、請求項21の方法。 29.第一抗体が、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸16-29内 に含まれるエピトープと免疫反応性である、請求項21の方法。 30.第一抗体が、それぞれATCC受託番号HB 11294,HB 11288,HB 11296 ,及びHB 11292として寄託されているFE9,CF11,CC1,及びAC4からなる群から 選択されるハイブリドーマにより製造される請求項21の方法。 31.第二抗体が、それぞれATCC受託番号HB 11293,HB 11295,HB 11297 ,及びHB 11298として寄託されているHG2,DB1,IA1,及びIE1からなる群から選 択されるハイブリドーマにより製造される請求項21の方法。 32.酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)である請求項21の 方法。 33.免疫組織化学的アッセイ法である請求項21の方法。 34.第一の組織サンプルまたは体液を、SEQ ID NO:2に示すAP Cのカルボキシ末端306アミノ酸内に含まれるエピトープと特異的な免疫反応性 をもつ抗体と接触させ; 第一の組織サンプルに対する該抗体の結合量を調べ; かくして、該抗体を結合しない組織はヒトにおけAPCの変異を示唆することと する、ヒトにおけるAPC変異の存在を調べる方法。 35.さらに、第一組織に隣接する正常組織からなる第二の組織サンプルを抗 体と接触させ; 該抗体の第二組織サンプルに対する結合量を調べ; かくして、第一組織が該抗体と結合しない場合に該抗体が第二組織サンプルと結 合することは、第一組織中での体細胞APC変異を示唆することとする、請求項 34の方法。 36.SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端1103アミノ酸内に含 まれるエピトープと特異的に免疫反応性である第一の抗体でコートした固体支持 体からなる、ELISAを実施するために用いる固体支持体。 37.エピトープがSEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端220 アミノ酸内に含まれる、請求項36の固体支持体。 38.抗体がそれぞれATCC受託番号HB 11294,HB 11288,HB 11296,及び HB 11292として寄託されているFE9,CF11,CC1,及びAC4からなる群から選択さ れる細胞ラインにより製造される、請求項36の固体支持体。 39.SEQ ID NO:2に示すAPCのカルボキシ末端306アミノ酸内 に含まれるエピトープと特異的に免疫反応性である第一の抗体でコートした固体 支持体からなる、ELISAを実施するために用いる固体支持体。 40.抗体がそれぞれATCC受託番号HB 11293,HB 11295,HB 11297,及び HB 11298として寄託されているHG2,DB1,IA1,及びIE1からなる群から選択され る細胞ラインにより製造される、請求項39の固体支持体。 41.SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端1103アミノ酸内に含 まれるエピトープと特異的に免疫反応性である抗体を分泌するハイブリドーマ細 胞。 42.SEQ ID NO:2に示すAPCのカルボキシ末端306アミノ酸内 に含まれるエピトープと特異的に免疫反応性である抗体を分泌するハイブリドー マ細胞。 43.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ末端22 0アミノ酸内に含まれる、請求項45のハイブリドーマ細胞。 44.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸16−29 からなる、請求項45のハイブリドーマ細胞。 45.エピトープが、SEQ ID NO:2に示すAPCのアミノ酸109−1 70からなる、請求項45のハイブリドーマ細胞。 46.それぞれATCC受託番号HB 11294,HB 11288,HB 11296,及びHB 112 92として寄託されているFE9,CF11,CC1,及びAC4からなる群から選択される細 胞ラインにより製造される抗体と同じエピトープに結合する抗体を分泌する、請 求項45のハイブリドーマ細胞。 47.それぞれATCC受託番号HB 11293,HB 11295,HB 11297,及びHB 112 98として寄託されているHG2,DB1,IA1,及びIE1からなる群から選択される細胞 ラインにより製造される抗体と同じエピトープに結合する抗体を分泌する、請求 項46のハイブリドーマ細胞。 48.ヒトから得られた試験細胞サンプルを溶解し; 該細胞を可溶性及び不溶性フラクションに分離し; 上記可溶性フラクションを、SEQ ID NO:2に示すAPCのア ミノ末端1103アミノ酸内に含まれるエピトープと特異的に免疫反応性である抗体 と接触させ; 該可溶性フラクションと結合する抗体を検出し; かくして可溶性フラクションに結合する抗体の存在を試験細胞中に切断型のAP Cが存在することの指標とする、切断型APCの検出方法。 49.さらに、不溶性フラクションを該抗体と接触させ; 該不溶性フラクションと結合する抗体を検出し; かくして不溶性フラクションに結合する抗体の不存在を、該試験細胞中に完全長 のAPCが存在しないことの指標とする、請求項48の方法。
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