JPH08506961A - アンチセンスオリゴマー類を使用するアンドロゲン関連禿頭症の治療 - Google Patents
アンチセンスオリゴマー類を使用するアンドロゲン関連禿頭症の治療Info
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Abstract
(57)【要約】
アンドロゲン関連の脱毛の治療方法、特に、記載された方法に有用なヌクレオシドオリゴマー及びオリゴマー類を使用する男性型禿頭症の進行を減退する方法を提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
アンチセンスオリゴマー類を使用するアンドロゲン関連禿頭症の治療
関連出願への言及
本発明は、参照のためにここに引用する、1991年5月31日出願の米国特
許出願第07/707,897号の一部継続である。
発明の背景及び序論
アンドロゲンは、男性及び女性の両方において様々なレベルで循環しているこ
とが知られているステロイドホルモンである。アンドロゲンは性差異、発育、及
び生殖機能において本質的なものである。しかし、アンドロゲンは種々の禿頭症
のタイプを含む好ましくない生理学的状態においてある役目を担い得る。
禿頭症の最も一般的なタイプは、男性型禿頭症(MPB)である。この状態は
一般的なものであり、全男性の3分の2が影響を受ける。部分的な浸透度で常染
色体の優性形質として遺伝するMPBは、アンドロゲン依存性であることが知ら
れている。このことは、去勢した男性は禿頭症が進行しないという事実で立証さ
れる。
毛包は、胎内で最初に現れる。生後は新しい毛包は産生されないが、成人期に
おいて失われることはないと考えられている。しかしMPBにおいては、毛包が
徐々に小さくなる(微小化)。毛包は、周期的活性を示す。活発な髪の発育の期
間(発育期)と、比較的短い遷移相(カタゲン(catagen))によって分けられ
る休止期間(休止期)が交互する。ヒトの頭皮上の髪の発育は、各毛包が隣りと
は独立した過程にあり、毛包活性はモザイク状である。或る時期においては、毛
包の4〜24%(平均13%)は休止期であり、1%未満がカタゲンである。髪
は終末の決まった長さに達し、この長さは主として発育期の持続期間に依存する
ものであり、部分的に発育の速度に依存するものである。ヒトの頭皮において発
育期は、3年又はそれ以上を占める;しかし、休止期にある毛包のパーセントが
年令につれ増加し、次第に貧弱になる。MPBにおいては、発育期に対する休止
期の比率かさらに増加する。また、MPBにおいて影響をうけている領域の髪は
着実に短く、細くなってゆき、ついには短く(2cm未満)細い軟毛として知ら
れる色素のない髪になる。
内分泌系は毛包の活性を直接に開始又は停止するものではないが、アントロゲ
ンは上記の髪の発育の正常な周期を加速あるいは減退させる。
テストステロン(T)は主要な循環アントロゲンである。循環性のTはおもに
性ホルモン結合グロブリン(SHBG)に結合しているので、Tの利用能はその
全濃度だけではなくSHBGのレベルにも依存する。MPBにおける血漿のTの
レベルは正常であると思われるが、SHBGのレベルは低くなる傾向がある。こ
のことは、禿頭症の男性はより高い遊離テステステロンのレベルを有することを
示唆する。この示唆は、禿頭症の男性は唾液中に高いT濃度を有するということ
を実証することによって支持される。
T自身は、毛包中では最小限度の活性を有している。MPBの原因であると考
えられているより高い活性の代謝産物は、5−α−ジヒドロテストステロン(D
HT)である。DHTは酵素5−α−レダクターゼによるTの減少の後に毛包細
胞の細胞質中で形成される。禿頭症の男性は毛包中及び前頭皮の皮膚中で5−α
−レダクターゼが増加しているので、MPBの進行にこの酵素が関係し得るとい
うことが示唆されている。2つの遺伝子が報告されており、その各々は、別の5
−α−レダクターゼ酵素をコードする(Genbank locus:HUM5AR及びHUMSRDA)。
MPBに於けるアンドロゲンの作用はアンドロゲン(プライマリーDHT)の
アンドロゲン受容体(AR)への結合によって媒介される。アンドロゲンはAR
に特異的に結合し、ARは核内に位置するか又は細胞質から核へ輸送される。A
Rはステロイド/チロイド ホルモン/レチン酸受容体のサブファミリーに属し
、この活性は認識リガンドの強く特異的な結合によって制御されている。MPB
におけるARの関わりの証拠は、アンドロゲン脱毛症(女性における禿頭症パタ
ーンのタイプ)が抗アンドロゲンで治療することにより軽減し得るということの
実証を含む。スピロノラクトン、サイプロテロンアセテート、フルタミド及びシ
メチジンなどのこれらの抗アンドロゲンはARに結合し、DHT結合を拮抗的に
阻害する。さらに、禿頭皮の皮脂腺は、他の毛の生えている頭皮の皮脂腺よりも
高
い結合親和性とアンドロゲン容量を有することが分かっている。
従来は、禿頭症は植毛及び頭皮整復などの外科手術でのみ治療された。しかし
近年、禿頭症の医学的治療において幾つかの進歩がみられている。これらのうち
最も公表されているものはミノキシジル(ロガイン(Rogaine)(登録商
標))である。ミノキシジルは、高血圧症の治療に使用されていた強い血管拡張
薬である。この治療の留意すべき副作用は、身体部分の毛の発育であった。この
ことが頭皮の禿頭領域上の局所的なミノキシジルの試験へと導いた。幾つかのケ
ースにおける結果は、硬毛の増加とともに軟毛の明らかな減少であった。研究さ
れた題目の大部分は、毛髪の喪失速度の減少を報告した。しかし、すべての題目
がミノキシジルでの治療に答えるわけではなかった。ここ最近(5年以内)禿始
めた若い男性の方が、年配の男性よりも良く反応し、頭頂禿の小さい領域に最も
良く効くということが分かった。
研究は、ミノキシジルが特定の人口の、最小限に禿ている若い男性を救いはす
るけれども、禿頭症の男性の大多数は救わないであろうということを示している
。ミノキシジルの効果の理由は分かっていない。それは、この薬物の血管拡張作
用によって引き起こされた血流の増加によるものであろう。ミノキシジルの長期
間の治療の効果については分かっていない。
他の治療は、テストステロンからのDHTの産生の減少に向けられたものであ
り、それによって、サイトゾル−核結合及び/又は転座を防止することである。
局所的又は病巣内のプロゲステロンもまた、TからのDHTの産生の減少に使用
し得る。プロゲステロンはテストステロンと構造が類似しているため、テストス
テロンをDHTに変換する酵素5−α−レダクターゼに対してテストステロンと
拮抗する。
発明の概要
本発明は、アンドロゲン関連の脱毛、特に男性における脱毛を治療する方法、
さらに特に男性型禿頭症の進行を減退させる方法に関するものであり、並びにこ
れらの方法に有用な医薬組成物にも関するものである。これらの方法及び医薬組
成物は特に頭皮中のタンパク結合DHTの増加するレベルに関連する脱毛の治療
に適している。1つの態様によれば、頭皮組織中のアンドロゲン受容体結合−5
−α−ジヒドロテストステロンの量を増加させる遺伝子中の標的配列に相補性の
あるオリゴマーを用いて遺伝子又はその転写産物を抑制調節する。
男性型禿頭症のトポグラフィー学は毛包細胞のアンドロゲン受容体(「AR」
)分子の数と頭皮の種々の領域における5−α−レダクターゼ(「5−α−RE
」)の活性を取り扱わなねばならない。従って、5−α−レダクターゼ又はAR
の標的化はMPBの治療の開発において有用なものであろう。しかし、全身的な
テストステロン又はDHT活性阻害は男性においては好ましくない女性化を引き
起こし、非常に都合が悪いので、治療が頭皮のみに作用し、身体から速やかに除
去されることが絶対必要である。
アンドロゲン受容体はMPBのほかに他のタイプの脱毛に関与し得る。例えば
、アンドロゲン脱毛症は女性における脱毛のタイプであるが、抗アンドロゲンに
よる治療に反応することが示されている。従って、本発明の方法及び医薬組成物
は、他のタイプのアンドロゲン関連脱毛の治療に有用であろう。また、これらの
方法及び組成物は、局所的な(全身性に対して)AR又は5−α−REの抑制調
節が好ましいような他の状態の治療に有用なものであろう。
従って、本発明は、AR又は5−α−REの発現を阻害又は改変するオリゴマ
ー類に、処理すべき組織細胞をさらすことによって、他の組織において又は全身
的にテストステロン代謝を著しく阻害することなく、局在的及び組織に特異的な
方法でタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンのレベルを減少させる方法
にも関する。このようなオリゴマーには、AR又は5−α−REをコードする遺
伝子又はその遺伝子の転写部位から直近の上流の配列又は遺伝子の転写産物から
選択された標的配列と相互作用するものが含まれる。
従って、1つの態様として本発明は、毛包に存在し、タンパクと結合している
5−α−ジヒドロテストステロンのレベルを減少させることによってアンドロゲ
ン関連脱毛を治療する方法に関するものであり、好ましい態様によれば、他の組
織中でのテストステロン合成及び/又は代謝を著しく阻害することなく頭皮組織
においてアンドロゲン受容体と結合するDHTのレベルを減少させることによっ
てアンドロゲン関連脱毛を治療する方法に関する。この方法は、量、好ましくは
美容上有意の量によって、脱毛速度を減少させるに十分な量のオリゴマー又はオ
リゴマー類に頭皮細胞にさらすことを含むものである。このオリゴマー又はオリ
ゴマー類はAR又は5−α−REをコードする遺伝子又はその遺伝子の転写開始
部位から直近の上流の配列又は遺伝子の転写産物と相互作用し、それによってA
R又は5−α−REの発現を阻害又は改変する。
本発明の方法及び医薬組成物において使用するための適したオリゴマーには、
(a)細胞内に存在している標的遺伝子から転写されたRNAの配列に相補的な
配列を有するアンチセンスオリゴマー;(b)1本鎖DNA標的配列に相補的な
ヌクレオシド配列を有するアンチセンスオリゴマー;(c)2本鎖に含まれてい
る1本のRNA又はDNA鎖に相補的なヌクレオシド配列を有するアンチセンス
オリゴマー;(d)細胞内に存在する標的遺伝子の選択された2本鎖核酸配列に
相補的な配列を有する第三鎖のオリゴマー;及び(e)標的遺伝子又はその転写
産物の1本鎖核酸配列に又は2本鎖に含まれている1本鎖配列に相補的な3本鎖
オリゴマー対が含まれる。標的遺伝子は5−α−レダクターゼ及びアンドロゲン
受容体をコードするこれらの遺伝子からなる群から都合良く選択される。好まし
い態様によれば、このオリゴマーは頭皮組織に局所的に使用される。
別の態様によれば、本発明は頭皮をある量の脱毛速度を減少させるオリゴマー
にさらすことを含むアンドロゲン関連脱毛を治療する方法に関するものであって
、該オリゴマーは、アンドロゲン受容体に対応する遺伝子から転写されたRNA
配列に相補的な配列を有するアンチセンスオリゴマー又は5−α−レダクターゼ
に対応する遺伝子から転写されたRNA配列に相補的な配列を有するアンチセン
スオリゴマーから選択される。
好ましい態様によれば、オリゴマーは中性オリゴマーである。メチルホスホネ
ートオリゴマーなどの中性オリゴマーは、腎臓を通って速やかに除去される。特
に好ましいのはメチルホスホネートオリゴマーであり、これは血漿から速やかに
除去され尿中に***される。
本発明に従って好ましく使用されるオリゴマーは、中性の骨格を有するオリゴ
マーを含む。中性オリゴマーは、局所的に使用する場合、皮膚を通じての取り込
みに有利であるので部分的には好ましい。好ましいこれらのオリゴマーは実質的
には中性である。さらに好ましくは、中性オリゴマーを使用する。特に好ましい
のは、実質的に中性のメチルホスホネートオリゴマーである。特に好ましい態様
によれば、中性のメチルホスホネートオリゴマーを使用する。
定義
本明細書中に使用する次の用語は、異なる意味であると特記しない限り次の意
味を有する。
「プリン」又は「プリン塩基」なる用語は、天然に存在するアデニン及びグア
ニン塩基を含むだけではなく、9−デアザプリン誘導体及び他のプリンアナログ
などの9位で窒素原子と置き換わっている炭素原子を有するプリンのアナログ並
びに、8位置換の塩基のようなこれら塩基改変物又は6位が修飾されたグアニン
アナログ若しくはアデニンのアナログ、2−アミノプリンを含む。
「ヌクレオシド」なる用語は、ヌクレオシジル単位を含み、それと交換可能に
使用され、5炭糖及び窒素含有の塩基を含む核酸のサブユニットを意味する。こ
の用語には、ヌクレオシドの塩基としてA、G、C、T及びUを有するこれらの
ヌクレオシジル単位が含まれるばかりではなく、プソイドイソシトシン及びプソ
イドウラシル及び他の(8−置換プリンのような)修飾塩基などのピリミジン−
5−供与体/受容体塩基を含む天然に存在する塩基のアナログ及び修飾型が含ま
れる。RNAでは、5炭糖はリボースであり、DNAにおいては2’−デオキシ
リボースである。ヌクレオシドなる用語はまた、2’−O−アルキルリボースの
ような修飾された糖を有するものを含むこのようなサブユニットの他のアナログ
も含む。
[式中、Rは水素又はアルキル又はアリール基である]を意味する。適したアル
キル又はアリール基には、ホスホネートの結合を立体的に妨害しないか又は互い
に相互作用しないものが含まれる。ホスホネート基は「R」又は「S」のいずれ
かの立体配置で存在し得る。ホスホネート基はヌクレオシジル単位を連結するた
めのヌクレオシジル間リン基結合(又は連結)として使用し得る。
「ホスホジエステル」又は「ジエステル」なる用語は、基
を意味し、ホスホジエステル基はヌクレオシジル単位を連結するためのヌクレオ
シジル間リン基結合(又は連結)として使用し得る。
「非−ヌクレオシドモノマー単位」なる用語は、塩基、糖及び/又はリンの骨
格が他の化学的部分で置き換わっている、モノマー単位を意味する。
「ヌクレオシド/非−ヌクレオシドポリマー」なる用語は、ヌクレオシド及び
非−ヌクレオシドモノマー単位からなるポリマーを意味する。
「オリゴヌクレオシド」又は「オリゴマー」なる用語は、通常、長さが約4〜
約100ヌクレオシドであるが、長さが約100ヌクレオシドよりも長くなるこ
ともある、ヌクレオシド間結合によって結合しているヌクレオシド鎖を意味する
。これらは通常、ヌクレオシドモノマーから合成されるが、酵素法によっても得
られる。従って、「オリゴマー」なる用語は、ヌクレオシドモノマーを結合して
いるヌクレオシジル間結合を有するオリゴヌクレオシド鎖を意味し、オリゴヌク
レオチド、非イオン性のオリゴヌクレオシドアルキル−及びアリール−ホスホネ
ートアナログ、オリゴヌクレオチドのアルキル−及びアリール−ホスホノチオエ
ート、ホスホロチオエート又はホスホロジチオエートアナログ、オリゴヌクレオ
チドのホスホールアミデートアナログ、ホスホトリエステルのような中性リン酸
エステルオリゴヌクレオシドアナログ及び他のオリゴヌクレオシドアナログ及び
修飾オリゴヌクレオシドを含み、またヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーも
含む。この用語はまた、モノマー単位の間の1つまたはそれ以上のリン基結合が
ホルムアセタール結合、チオホルムアセタール結合、スルファメート結合又はカ
ルバメート結合などの非リン結合で置換されているヌクレオシド/非ヌクレオシ
ドポリマーも含む。その用語はまた、糖及びリンの部分が両方とも、モルホリン
塩基アナログ、又はポリアミド塩基アナログなどのように置換又は修飾されてい
る、ヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーをも含む。その用語はまた、ヌクレ
オシドの塩基、糖及びリン酸塩骨格が非ヌクレオシド部分で置換されているか、
或は非ヌクレオシド部分がヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーに挿入されて
いる、ヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーをも含む。場合により、該非ヌク
レオシド部分は、標的配列と相互作用し、又は標的細胞への取り込みを改変し得
る他の低分子を結合するのに役立ち得る。
「アルキル−又はアリール−ホスホネートオリゴマー」なる用語は、少なくと
も1つのアルキル−又はアリール−ホスホネートヌクレオシジル間結合を有する
オリゴマーを意味する。適当なアルキル−又はアリール−ホスホネート基はホス
ホネートの結合を立体的に妨害しないか又は互いに相互作用しないアルキル又は
アリール基を含む。好ましいアルキル基には、約1〜約6個の炭素原子を有する
低級のアルキル基が含まれる。適したアリール基は共役したπ電子系を有する少
なくとも1つの環を有し、場合により置換されることもあり、好ましくは約10
個以内の炭素原子を有する、炭素環アリール及び複素環アリール基が含まれる。
「メチルホスホネートオリゴマー」(又は「MP−オリゴマー」)なる用語は
、少なくとも1つのメチルホスホネートヌクレオシジル間結合を有するオリゴマ
ーを意味する。
「中性オリゴマー」なる用語は、ヌクレオシドモノマーの間に非イオン性ヌク
レオシジル間結合(すなわち、正又は負のイオン電荷を有しない結合)を有する
オリゴマーを意味し、例えばアルキル−又はアリール−ホスホネート結合、アル
キル−又はアリール−ホスホノチオエートのようなヌクレオシジル間結合、ホス
ホトリエステル結合のような中性リン酸エステル結合、特にエチルトリエステル
結合;スルファメート、モルホリノ、ホルムアセタール、チオホルムアセタール
、及びカルバメート結合などの非リン含有ヌクレオシジル間結合を有するオリゴ
マーを含む。場合により、中性オリゴマーは、オリゴヌクレオシド又はヌクレオ
シド/非ヌクレオシドポリマーとコンジュゲーションの相手になる別の分子の間
のコンジュゲートを含んでもよい。このようなコンジュゲーションの相手は、挿
入剤、アルキル化剤、細胞表面の受容体に結合する物質、親油性の試薬、プソラ
レンなどの光架橋剤を含む核酸修飾基及び核酸の標的化した部分の開裂が可能な
基などを含み得る。このようなコンジュゲーションの相手はオリゴマーの取り込
みをさらに増強させ、オリゴマーと標的配列との相互作用を改変し、あるいはオ
リゴマーの薬動学的分布を変え得る。本質的に必要なことは、オリゴマーのコン
ジュゲートが含むオリゴヌクレオシド又はヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマ
ーが、実質的に中性でその相補的な標的配列とのハイブリダイズが可能であると
いうことである。
オリゴマーに関連して「実質的に中性」なる用語は、ヌクレオシドモノマーの
間のヌクレオシジル間結合の少なくとも80%が非イオン性結合であるようなオ
リゴマーを意味する。
「中性のアルキル−又はアリール−ホスホネートオリゴマー」なる用語は、少
なくとも1つのアルキル−又はアリール−ホスホネート結合を含む中性のヌクレ
オシジル間結合を有する中性オリゴマーを意味する。
「中性のメチルホスホネートオリゴマー」なる用語は、少なくとも1つのメチ
ルホスホネート結合を含むヌクレオシジル間結合を有する中性オリゴマーを意味
する。
「タンデムオリゴヌクレオチド」又は「タンデムオリゴマー」なる用語は、標
的核酸配列の5’−又は3’−側のいずれか一方に位置する配列に相補的であっ
て、標的配列に相補的な第二のオリゴマーとコハイブリダイズするオリゴヌクレ
オチド又はオリゴマーを意味する。タンデムオリゴマーは、標的核酸配列の二次
構造を減少させることによるなど、標的配列をこのようなオリゴマーにより近付
くことができるのを助けることによって、これらのオリゴマーと標的とのハイブ
リダ
イゼーションを改善し得る。さらに、一対のタンデムオリゴマーの内の1つは標
的核酸配列に対する第二のタンデムオリゴマーのハイブリッド安定性を、該第二
のオリゴマーの5’−又は3’−末端の一方に螺旋構造を促進させることにより
改善し得え、その逆もまた同様である。
「短鎖脂肪族アルコール」なる用語は、脂肪族(アルキル)鎖が直鎖でも分枝
鎖でもよい、約2〜約20の炭素原子を有するアルコールを意味し、第一級、第
二級及び第三級アルコール、グリコール及びポリオールが含まれる。
「フラックスエンハンサー」なる用語は、化合物の経皮的なフラックス(流動
性)を増加するのに使用される物質を意味する。フラックスエンハンサーは、典
型的には化合物の経皮的流動性を増加する化合物と組み合わせて皮膚又は粘膜に
塗布される。エンハンサーは皮膚又は粘膜のバリアを破壊することによる、又は
皮膚又は粘膜での薬物の分配挙動を変化させることにより作用すると考えられて
いる。
「3本鎖オリゴマー対」なる用語は、場合により、1つ又はそれ以上の部位で
共有結合し、RNA又はDNAなどの1本鎖標的核酸のセグメントに相補的で、
水素結合することができ、したがって1本鎖標的核酸とともに、3重螺旋構造を
形成することができる第一及び第二のオリゴマーを意味する。「第三鎖オリゴマ
ー」なる用語は、DNAの2本鎖、RNAの2本鎖又はDNA−RNAの2本鎖
などの2本鎖の核酸のセグメントとハイブリダイズすることができ、それをもっ
て3重螺旋構造を形成することができるオリゴマーを意味する。
3本鎖オリゴマー対(すなわち第一及び第二のオリゴマー)に関し、又は第三
鎖のオリゴマーに関するとき、「相補的な」なる用語は、核酸の塩基配列との水
素結合(及び塩基のペアリング又はハイブリダイズ)を形成又は認識し、3重螺
旋構造を形成することができる塩基配列を有するオリゴマーを意味する。
「実質的に相補的な」なる用語は、標的配列における各ヌクレオチドに対する
相補性は無くてもよいが、安定な2本鎖又は3本鎖の螺旋複合体を形成するに十
分な標的配列に対する結合親和性を有し、それによって標的配列を特異的に認識
し、その発現を選択的に阻害し又は抑制調節をする3本鎖オリゴマー対又は第三
鎖のオリゴマーを含むオリゴマーを意味する。
「3重」又は「トライアッド」なる用語は、標的配列の(1本鎖の場合の)一
塩基又は(2本鎖の場合の)二塩基、第二鎖及び第三鎖の一塩基(1本鎖の標的
配列の場合)又は第三鎖の一塩基(2本鎖の標的の場合)の間の3個のヌクレオ
シドの塩基の水素結合複合体を意味する。
図面の簡単な説明
第1図ははオリゴマー2と標的配列との間に形成される2本鎖及び3本鎖複合
体の熱変性プロファイルを示している。
第2図はマウスモデルに於けるトリチウム−標識4量体の血漿からのクリアラ
ンスを示している。
第3図はマウスモデルに於けるトリチウム−標識12量体の血漿からのクリア
ランスを示している。
発明の詳細な説明
本発明によれば、アンドロゲン関連脱毛によって特徴づけられる状態、特に男
性における頭皮の脱毛、及びさらに男性型禿頭症として知られている状態の進行
を阻止及び/又は減退させる方法が提供される。これらの方法は、頭皮組織に存
在する5−α−ジヒドロテストステロン−アンドロゲン受容体複合体の量を減少
させることによって脱毛の進行を減退及び/又は阻止する。この減少はアンドロ
ゲン受容体又は5−α−ジヒドロテストステロン(「DHT」)の合成の抑制調
節のいずれかによって得られ得る。DHTの合成は頭皮組織に存在する5−αレ
ダクターゼのレベルを減少させることによって抑制調節され得る。このような抑
制調節は、タンパクの活性部位に結合し、その機能を変えるオリゴマー、又はア
ンチセンスオリゴマー、第三鎖オリゴマー及び3本鎖オリゴマー対のようなオリ
ゴマーの使用によって行い得る。これらのオリゴマーのための適したヌクレオシ
ド配列は、標的遺伝子の配列から決定し得る。標的領域の好ましい配列は本明細
書に記載する。
A.好ましいオリゴマー
選択されるオリゴマーは、荷電した又は荷電していない骨格を有するものを含
む多くのタイプの内のいずれであってもよい。
好ましいオリゴマーには、アルキル−及びアリール−ホスホネートオリゴマー
、特に好ましいのはメチルホスホネートオリゴマーである。他の好ましいオリゴ
マーには、ホスホロチオエートオリゴマー、モルホリノアナログ、ホルムアセタ
ールアナログ及びペプチド核酸アナログ(「PNA」)が含まれる。
好ましくは、各オリゴマーは約4〜約40ヌクレオシドからなり、さらに好ま
しくは、約6〜30ヌクレオシドからなる。特に好ましいものは、約8〜20ヌ
クレオシドのオリゴマーである。
別の好ましい態様によれば、タンデムオリゴマーを使用する。好ましいタンデ
ムオリゴマーには、合計約20〜約40ヌクレオシドからなるものが含まれる。
選択されたヌクレオシジル間結合を有するオリゴマーは、当業者に知られた合
成法にしたがって都合よく製造し得る。例えば、市販の装置、試薬及びプロトコ
ールは、ホスホジエステル及び或る他のリン含有ヌクレオシジル間結合を有する
オリゴマーの合成のために利用可能である。Gait,M.J.,Oligon
ucleotide Synthesis:A Practical Appr
oach (IRL Press,1984年);Cohen,Jack S.
,Oligodeoxynucleotides Antisense Inh
ibitors of Gene Expression,(CRC Pres
s,Boca Raton,FL,1989年);及びOligonucleo
tides and Analogues:A Practical Appr
oach,(F.Eckatein,1991年)を参照されたい。或る非リン
含有ヌクレオシド間結合を有するオリゴマーの製造は、米国特許第5,142,0
47号に記載されており、その開示を参照のためにここに引用する。
別の好ましい態様によれば、キラリティーの純粋なオリゴマーを本発明に従い
使用する。もしくは、少なくとも1つのキラリティーの純粋なヌクレオシド間結
合を含むオリゴマーを使用でき、それは好ましいものであろう。このようなオリ
ゴマーは、Lesnikowski等,Nucleic Acids Rese
arch 18(8):2109〜2115頁(1990年)及びStec等,
Nucleic Acids Research 19(21):5883〜5
888頁(1991年)などに記載された方法を用いて製造し得る。
メチルホスホネートオリゴマーを製造するための合成法は、Lee B.L.
等,BiochemiStry 27巻:3197〜3203頁(1988年)
及びMiller,P.S.等,Biochemistry 25巻:5092
〜5097頁(1986年)、公開されたPCT出願WO 92/07864号
及びWO 92/07882号に記載されており、それらの開示は参考のために
ここに引用する。
ヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーであるオリゴマーもまた好ましい。適
当なオリゴマーはまた、混成のRNA、DNAアナログであるキメラオリゴヌク
レオチドも含む(Inoue等,FEBS Lett.2115巻:327(1
987年))。他の適当なオリゴマーには、キメラ骨格を有するオリゴマーが含
まれる。このようなキメラ骨格オリゴマーには、RNaseHを活性化させるこ
とのできるヌクレオシド配列及びRNaseHを活性化しないヌクレオシド配列
を含む混成ホスフェート骨格を有するオリゴマーを含み、従ってRNA分子の部
位指向性開裂を可能にする。参照のためにここに引用する米国特許第5,149,
797号を参照されたい。キメラ骨格オリゴマーにはまた、モルホリニル結合、
ホルムアセタール結合、ペプチド核酸(PNA)結合などの、リン原子を含み又
は含まないヌクレオシド間結合の混合物を有するオリゴマーも含む。中性骨格を
有するオリゴマー、例えば、開裂又は架橋部分を有するメチルホスホネートオリ
ゴマーは、ある状況では有利であることがあり得る;このようなオリゴマーは、
開裂又は架橋部分が標的ポリヌクレオチド配列の失活を促進したが、中性の構造
がヌクレアーゼ消化の速度を減少するので、インビボで長い半減期を有し得る。
本発明の一態様によれば、これらのアンチセンスオリゴマーは、選択された標
的遺伝子から転写されたRNAの部分に対し相補的な配列を有する。阻害の正確
な分子機構は確定していないが、アンチセンスオリゴマーと標的遺伝子から転写
されたRNAの間の2本鎖の形成に起因すると示唆されている。そのように形成
された2本鎖は、mRNA配列の翻訳、プロセシング又は輸送を阻害し得るか、
又は酵素RNaseHによる消化を至らしめる。
1本鎖オリゴマーはまた、2本鎖DNA標的にも結合し得、2本のDNA鎖の
内の1つと2本鎖を形成し、標的鎖の第二のDNAは、2本鎖から移動する。好
ましいのは、オリゴマーとDNA2本鎖標的のコードしている鎖による2本鎖の
形成である(「インベーディング2本鎖」)。そのように形成されたインベーデ
ィング2本鎖は転写を阻害し得る。
本発明の別の態様に従えば、5−α−レダクターゼ又はアンドロゲン受容体の
抑制調節は、オリゴマーが、2本鎖又は1本鎖の核酸の標的配列と相補的であっ
て、それと3重螺旋複合体を形成し、それ故標的化された核酸配列の発現を妨害
又は阻止するように選択された配列を有する第三鎖オリゴマー又は3本鎖オリゴ
マー対を使用する3重螺旋の形成によってなし得る。3本鎖の形成は、幾つかの
方法のうちの1つの方法で生じ得る。1本鎖オリゴマーは2本鎖のDNA又はR
NAと3本鎖を形成する;2本の分離した又は連結したオリゴマーは、1本鎖の
DNA又はRNAと3本鎖を形成する;2本の分離した又は連結したオリゴマー
は2本鎖のDNA又はRNAの内の1つと結合し、3本鎖の形成に関与しないよ
うに残りを除去してもよい。3重螺旋複合体の形成による、2又は1本鎖の核酸
の標的配列の発現を阻止又は妨害するためのオリゴマー(第三鎖オリゴマー及び
3本鎖オリゴマー対を含む)の使用は、同時係属の米国特許出願07/388,
027号、同07/751,813号、同07/772,081号及び同07/9
87,746号にさらに記載されており、参考のためにここに引用する。
概して、用いるオリゴマーは標的核酸の配列に相補的である配列を有しよう。
しかし、絶対的な相補性は必要ではないであろう;一般的に、標的核酸と安定な
2本鎖(あるいは場合次第で3重螺旋複合体)を形成するに十分な相補性を有す
るオリゴマーは適当であると考えられる。安定な2本鎖の形成は、ハイブリダイ
ズしているオリゴマーの配列、及び、長さ並びにとアンチセンスオリゴマーと標
的配列との間の相補性の程度に依存するので、より長いオリゴマーが使用される
場合は、系はより低い忠実度(相補性)を許容し得る。3重螺旋複合体を形成す
るオリゴマーについてもこのことは真実である。しかし、生理学的条件下で約4
0℃より高い融解温度を有する2重又は3重螺旋構造を形成するに十分な相補性
を有する長さの約8〜約40ヌクレオシド単位のオリゴマーは、本発明の方法に
従う使用に特に適切である。使用するオリゴマーの濃度は、治療するべき脱毛の
状態の程度、選択された個々のアンチセンスオリゴマー、3本鎖オリゴマー対又
は第三鎖オリゴマーのタイプ及び特異性を含む多くの因子に依存して変え得る。
脱毛の進行の美容上有意の減退によって示される有意の阻害は約10μMの範囲
での濃度で得られ得る;しかし、他の条件下ではより高い又はより低い濃度のオ
リゴマーが好ましいこともあろう。
オリゴマーが経皮的に投与される場合、中性のオリゴマーが好ましい。
ある好ましい態様によれば、これらのオリゴマーはポリヌクレオシド又はヌク
レオシド/非−ヌクレオシドポリマーとコンジュゲーションの相手との間のコン
ジュゲートを含み得る。適当なコンジュゲーションの相手には、アクリジンのよ
うな挿入剤、アルキル化剤、細胞表面の受容体に対する結合物質、親油性の試薬
、プソラレンなどの光架橋剤、他の架橋剤、キレート前駆体、又はo−フェナン
トロリン銅又はEDTA−鉄などの加水分解剤又は核分解剤(Nucleoly
tic agent)のような核酸の標的部分を開裂することができる基を含む
核酸修飾剤が含まれ、それらのすべてはオリゴマー内に導入し得る。
コンジュゲーションの相手はまた、酵素の使用、又は例えば非ヌクレオチド連
結基の使用によるオリゴマーの化学的修飾による、修飾ヌクレオシド又はヌクレ
オシドアナログの取り込みによってオリゴマー内に導入され得る。
1本鎖及び2本鎖の核酸配列の機能又は発現の阻止のために使用する場合、こ
れらのオリゴマーを標的核酸との反応を引き起こし、その構造を不可逆的に修飾
し得る核酸修飾基を取り込むために都合よく誘導体化又は修飾し、それをもって
非機能的にし得る。コンジュゲートは体内のオリゴヌクレオチドの薬動学又は毒
性の改変のために誘導され得る。例えば、特許第4,588,525号に従って、
開裂可能な部分を付加し得、このような開裂可能部分はコンジュゲートの局所的
な使用に特に有用である。コンジュゲートの使用の場合、局所的使用の部位で組
織の代わりに血流に入るコンジュゲートの部分は、ごく微量でしか非標的組織に
入らないより大きく荷電された化学種に開裂され、容易に***される。
参考のためにここに引用する、米国特許出願第565,299号は、プソラレ
ン誘導化オリゴマーを開示している。
上で論じたように、広範囲の核酸修飾基がこれらオリゴマーを誘導するための
コンジュゲーションの相手として使用し得る。核酸修飾基には、誘導化オリゴマ
ーが1本鎖又は2本鎖核酸セグメントと複合体を形成した後、標的核酸セグメン
ト又はその標的配列部分の架橋、アルキル化、開裂、分解、又はそうでなければ
失活又は破壊を起こし得、それによってその核酸セグメントの機能及び/又は発
現を不可逆的に阻害する基が含まれる。
オリゴマー内の核酸修飾基の場所は、変化し得、使用する個々の核酸修飾基と
標的核酸セグメントに依存し得る。従って、核酸修飾基はオリゴマーの末端かあ
るいは両末端の中間に位置し得る。複数の核酸修飾基を含んでもよい。
ある態様では、核酸修飾基は反応を起こし、従ってオリゴマーと核酸標的の間
が架橋するよう光反応する(例えば光の特定の波長、又は波長の範囲によって活
性化される)。
架橋を起こし得る核酸修飾基の例は、アミノメチルトリメチルプソラレン基(
AMT)のようなプソラレンである。AMTは、有利な光反応性を有し、架橋を
起こす前に特定の波長の光にさらすことによって活性化されなければならない。
光反応性を有するか又は有しない他の架橋剤は、これらのオリゴマーの誘導化に
使用し得る。
もしくは、核酸修飾基は、核酸セグメントに共有結合的に結合し、標的を失活
するアルキル化剤の基を含み得る。適当なアルキル化剤の基は、化学分野におい
て知られており、アルキルハライド、ハロアセトアミドなどから誘導される基を
含む。ポリヌクレオチドセグメントを開裂させ得るポリヌクレオチド修飾基は、
求核攻撃による開裂を促進する部分と同様にラジカルを生じる部分を含む。エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)又はその中性誘導体のような遷移金属キレート
複合体は、ラジカル生成に使用し得る。ラジカル媒介の開裂を行うのに使用し得
る、他の基にはフェナントロリン、ポルフィリンなどが含まれる。EDTAを使
用する場合、開裂ラジカルの生成を助けるために鉄をオリゴマーに都合良く連結
し得る。鉄−EDTAは好ましいポリヌクレオチド開裂基であるが、アゾ化合物
又はニトレン、又は他の遷移金属キレート複合体などの他の窒素含有物質は使用
し得る。さらに他の開裂剤には、求核剤及びリンヌクレオチド間結合での水の付
加を促進する加水分解剤も含まれる。このような試薬には、アミン、置換された
グアニジニウム基、イミダゾール基などが含まれる。
1.好ましい中性オリゴマー製剤
好ましい中性オリゴマーには、モルホリノまたはホスホールアミデート結合を
含有する中性アルキル−およびアリール−ホスホネートオリゴマー及び中性オリ
ゴマーが含まれる。中性メチルホスホネートオリゴマーが特に好ましい。明らか
にされている、テープをはぎ取った皮膚(角質層を除去したもので、粘膜モデル
として報告されている)を含む皮膚にそれらのオリゴマーが浸透する能力から見
て、メチルホスホネートヌクレオシド間結合のみを有する中性メチルホスホネー
トオリゴマーが特に好ましい。
本発明の別の態様として、細胞に入るまでは中性であるが、いったん細胞内に
入ると化学的過程かまたは生物学的過程を経て荷電したオリゴマーに変換される
オリゴマーが好ましい。そのような荷電したオリゴヌクレオチドには、そのオリ
ゴヌクレオチドのヌクレアーゼによる分解に対する安定化をもたらす他の部分が
含まれていてもよい。2’−O−メチルリボース基などの置換基、様々な塩基修
飾物、およびホスホロチオエートなどのリンの骨格のアナログは、ヌクレアーゼ
に対する抵抗性を増大させることができる。さらに、オリゴマー中のメチルホス
ホネートまたは他の中性ヌクレオシド間結合の存在は、エクソヌクレアーゼ抵抗
性をもたらす。
約6〜約40のヌクレオシドを有する中性オリゴマーが好ましく、約12〜約
20のヌクレオシドを有する中性オリゴマーがより好ましい。20を超えるヌク
レオシドを含有する中性オリゴマーを用いてもよい(より長い配列に対して相補
的であることが望ましい)が、mRNAなどの標的核酸の二次構造の発現に競合
し、溶解性および皮膚への浸透性を最大とするためには、その代わりに総数が2
0を超えるヌクレオシドのより短いタンデムオリゴマーを用いることが好都合で
あろう。これらのタンデムオリゴマーは、標的配列に対する結合特異性をも高め
ることができる。あるいはまた、それぞれのオリゴマーが同じ遺伝子かまたは異
なる遺伝子の一部である異なる標的配列に相補的な、多数の中性オリゴマーを使
用することが好都合であろう。
中性オリゴマーがアルキル−またはアリール−ホスホネートオリゴマーを含有
する場合、修飾されたリボシル部分を有するヌクレオシドモノマー単位を組み入
れるのは好都合であろう。これらの中性オリゴマー中に2’−O−アルキル−ま
たは2’−ハロ−、および特に2’−O−フルオロ−または2’−O−メチル−
リボシル部分を有するヌクレオシド単位を用いることにより、そのオリゴマーが
それに相補的な標的配列にハイブリダイズするのを好都合に改善することができ
る。
適切な製剤は、重量で約0.0001重量%〜約10重量%の中性オリゴマー
を含有する。
1つの好ましい態様として、短鎖脂肪族アルコールを約2%〜約100%含有
する中性オリゴマー製剤が提供される。適切なアルコールには、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびグリセロールが含まれる
。ある研究において、エタノールを含有する中性オリゴマー製剤は、好都合な経
皮フラックス(流量)を示すことが解っている。
特に好ましい態様において、これらの中性オリゴマー製剤は、さらにフラック
スエンハンサーを含有していてもよい。適切なフラックスエンハンサーには、当
業者に知られたものが含まれ、また、デシルメチルスルフォキシド、ジメチルス
ルフォキシド、ならびに環状ケトン、ラクトン、無水物、およびエステル[PC
T出願番号PCT/US86/02583(公開番号WO 87/03473)
に記載のものなど]が含まれる。これらのフラックスエンハンサーのいくつかは
そのオリゴマーの貯留をも増大させるので、皮膚自体内のオリゴマーの濃度を増
大させるように作用する。
したがって、皮膚に対する局所適用などの直接的(局所的)な処置を行うため
のオリゴマー製剤については、経皮フラックスを最大にするのみならず、皮膚に
おけるオリゴマーの貯留を増大させるフラックスエンハンサーを用いることが好
ましい。ある環状ケトンおよびラクトンエンハンサーも同様に、局所における貯
留を増大させることが報告されているので、それらのエンハンサーにはオリゴマ
ー製剤を局所投与するための好ましい種類のエンハンサーが含まれる。
ある態様として、本発明にはこれらのオリゴマーのリポソームによる輸送が含
まれる。薬物輸送のための様々な方法とリポソーム小胞の種類についての記載が
ある[例えば、Remington’s Pharmaceutical Sc
iences(1990)を参照のこと]。オリゴマーはリポソームに封入する
ことができる。このようなリポソーム複合体は好都合に作用して、オリゴマーの
輸送を増強させることができる。
B.好ましい標的遺伝子および標的配列
好ましい態様として、本発明は酵素5−α−レダクターゼの発現を妨げるか、
またはアンドロゲン受容体それ自体の発現を妨げるオリゴマーを用いて脱毛を抑
制するかまたは減らす方法を提供する。適切なオリゴマーには、アンチセンスオ
リゴマー、第三鎖オリゴマー、および3本鎖オリゴマー対が含まれる。
本発明の別の態様として、アンドロゲン受容体または5−α−レダクターゼを
コードしているDNA上またはそのDNAから転写されたmRNA上の標的配列
、あるいはこのmRNAの転写開始部位の直近の上流にある配列に対して相補的
なオリゴマーを投与することによって、ヒトアンドロゲン受容体または5−α−
レダクターゼ酵素の発現を抑制するかまたは妨げ、脱毛を減らす方法を提供する
。投与されるオリゴマーはアンチセンスオリゴマー、第三鎖オリゴマー、または
3本鎖オリゴマー対のいずれかであってもよい。このアンチセンスオリゴマーは
、標的遺伝子から転写されたRNAの配列か、1本鎖DNA標的遺伝子、または
2本鎖内に含まれる1本鎖RNAまたはDNAに対して相補的である。第三鎖オ
リ
ゴマーは、2本鎖の核酸配列と水素結合し、それらとの三重螺旋複合体を形成す
ることができるように選ばれた塩基配列を持っている。3本鎖オリゴマー対の第
一および第二オリゴマーは、標的遺伝子の標的とする1本鎖核酸配列か、または
その転写産物に相補的で、その配列と水素結合することができるか、あるいは2
本鎖複合体の1本鎖に相補的となるように選ばれた配列を有しており、またこの
1本鎖核酸とともに3重螺旋複合体を形成する。
この標的遺伝子はアンドロゲン受容体または酵素5−α−レダクターゼをコー
ドしているそれらの遺伝子からなる群から選ばれ、当該遺伝子の転写開始部位の
直近の上流にある標的配列を含むと考えられる。好ましくは、この標的遺伝子に
は、アンドロゲン受容体遺伝子または5−α−レダクターゼ遺伝子の−500〜
+20(転写開始部位を基準として)の配列が含まれるであろう。より好ましく
は、適切な配列には、アンドロゲン受容体遺伝子または5−α−レダクターゼ遺
伝子の−100〜+20(転写開始部位を基準として)の領域内の標的遺伝子が
含まれるであろう。
この標的にハイブリダイズするときに、一部または全部がこれらの部位の近傍
にあるかまたはこれらの部位を被うように、適当な長さの(好ましくは約8〜4
0ヌクレオシドの、より好ましくは約12〜約20ヌクレオシドの)オリゴマー
が選ばれる。標的配列がmRNAであるときの好ましい部位には、アンドロゲン
受容体遺伝子と5−α−レダクターゼ遺伝子の両方の場合に、5’非翻訳領域、
AUG開始コドンのわずかに下流の領域(好ましくはAUG開始コドンから約2
0ヌクレオシド下流以内)を含む翻訳開始領域、スプライス受容体、スプライス
供与体、および3’非翻訳領域が含まれる。
例として、アンドロゲン受容体の場合、好ましい標的部位には、ヒトアンドロ
ゲン受容体遺伝子(Genbank遺伝子座:HUMARB)のヌクレオチドの
位置を基準にして、18−50の範囲の配列が含まれるであろう。この配列の範
囲における好ましい標的には、アンドロゲン受容体遺伝子(Genbank遺伝
子座:HUMARB)のヌクレオチド位置28−44に対応する配列:
[1] TTC CCC CAC TCT CTC TC、
が含まれるであろう。この配列範囲の二番目に好ましい標的には、アンドロゲン
受容体遺伝子のヌクレオシド位置36−50に対応する配列:
[2] CTC TCT CTC ACC TC、
が含まれるであろう。好ましい3本鎖標的部位には、ヒトアンドロゲン受容体遺
伝子(Genbank遺伝子座:HUMARC4)のエクソン4の109−12
6の配列範囲が含まれるであろう。この配列範囲の好ましい標的には、ヒトアン
ドロゲン受容体遺伝子のエクソン4のヌクレオチド位置109−123に対応す
る配列:
[3] UCU CUC UUC CUU CCC、
が含まれるであろう。
したがって、本発明の好ましい態様として、5−α−レダクターゼおよびアン
ドロゲン受容体について上記を含むヌクレオチド位置によって定義される、これ
らの部位の直近の部位とハイブリダイズするか、または部分的または全体的にこ
れらの部位とハイブリダイズしこれらの部位を被う配列を有するように、適当な
長さの(好ましくは約8〜40ヌクレオシドで、より好ましくは約12〜約25
ヌクレオシド、特に約12〜約20ヌクレオシドの)ヌクレオシドが選ばれる。
アンチセンスオリゴマーを用いる場合、このオリゴマーの配列は、この標的領
域にハイブリダイズできるようにこの標的領域の配列と逆相補性のものである。
第三鎖のオリゴマーを用いる場合、このオリゴマーは2本鎖核酸標的との配列
特異的な水素結合相互作用を形成するように選ばれる。
3本鎖オリゴマー対を用いる場合、第一および第二オリゴマーは、1本鎖核酸
と配列特異的な水素結合相互作用を形成し、三重螺旋構造を形成するように選ば
れる。
本発明の理解を助けるために、以下の実施例を含め、一連の実験の結果を記載
する。本発明に関する以下の実施例は、当然ながら、本発明を特に限定するもの
とは解釈すべきではなく、当業者の予測範囲内にある、今回明らかになっている
かまたは将来開発されるであろう本発明におけるそのような変更は、以下の請求
項に示すごとく本発明の範囲内にあるものと考えられる。
実施例1 オリゴリボヌクレオシドの製造
以下の方法を用いてオリゴリボヌクレオチドを合成する:
5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−tert−ブチルジメチルシリル
−3’−O−N,N−ジイソプロピル−β−シアノエチルホスールアミジト・ヌ
クレオシド(MilliporeまたはPennisula Laborato
riesのいずれかより購入)を用いて、オリゴリボヌクレオチドを合成した。
本合成は、より立体的に妨げられた2’−O−tert−ブチルジメチルシリル
RNAモノマーが反応するための適当な時間を与えるように、結合時間を12分
に延長した以外は、標準的Milligenホスホールアミジト法を用いるMi
lligen 8750自動化合成装置を使用して1μモルの規模で実施した。
本合成は、Pennisula Laboratoriesより購入した2’−
O−tert−ブチルジメチルシリルリボヌクレオシドを結合させたコントロー
ル−ポア(control−pore)ガラス上で開始した。他のすべてのオリ
ゴヌクレオチド合成試薬は、Milligenの標準プロトコールの記載に従っ
た。
合成後、このオリゴヌクレオチドは無菌、無RNアーゼ条件下で取り扱った。
水は0.5%ジエチルピロカーボネートで一夜処理した後、オートクレーブにか
けて滅菌した。すべてのガラス容器は300℃で少なくとも4時間乾熱処理した
。
最初に、支持体に結合したオリゴマーを3/1水酸化アンモニウム/エタノー
ルで55℃にて15時間処理することにより、このオリゴヌクレオチドを脱保護
して支持体から離脱させた。次に、オリゴヌクレオチドを含有する上清をデカン
トし、蒸発乾燥させた。次に、得られた残留物をテトラヒドロフラン(含水率5
%またはそれ以下)中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム0.6mLで室温
にて24時間処理した。2Mトリエチルアンモニウムアセテート水溶液(pH7
)0.6mLを加えて、本反応を減衰させた。無菌水を用いて本溶液をBio−
Rad 10DGカラムに通すことにより、この反応混合物の脱塩を行った。次
に、
脱塩したオリゴヌクレオチドを乾燥させた。
このオリゴリボヌクレオチドの精製は、標準法を用いる15%19/1ポリア
クリルアミド/ビス−アクリルアミドおよび7M尿素を含有するポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(PAGE)によって行った[Manitis,T.らの、M
olecular Cloning: A Laboratory Manua
l、184−185頁(Cold Spring Harbor 1982)を
参照のこと]。ゲルは幅20cm×長さ40cm×厚さ6mmであった。オリゴ
リボヌクレオチド(60 OD単位)を1.25%ブロモフェノールブルーを含
有する200μLの水に溶解させ、ゲル上に載せた。このゲルを300Vで一夜
泳動させた。UVバックシャドーイング(backshadowing)によっ
て生成物のバンドを可視化して切り取り、0.5M酢酸ナトリウムを用いて生成
物を一夜溶出させた。製造業者提供のプロトコールを用い、Waters C1
8 Sep−Pakカートリッジを用いて生成物の脱塩を行った。次に、この生
成物をキネージング(kinasing)により32P標識し、PAGEによって
分析した。
実施例2 熱変性プロファイル
熱変性分析により、2つのMPオリゴマーと相補性RNAオリゴマーとの間に
形成された3本鎖複合体の安定性を検討した。分析を行うための溶液を以下の通
りに調製した:10mMリン酸カリウム、0.1M塩化ナトリウム、0.03%
カリウムサルコシレート、0.1mM EDTA(pH7.2)中に2.4μM
MPオリゴマー、1.2μM RNAオリゴマー(MP:RNAモル比2:1)
(最終濃度=1mL)。各溶液を80℃に加熱し、約4時間かけて4℃に冷却し
た。次に、この溶液を水晶製キュベット(光路長1cm)に移し、IBM互換P
Cコンピュータに接続した温度調節モジュールを備えたVarian Mode
l 3E分光光度計に置いた。1.5℃/分の速度で5℃から80℃まで温度を
変化させて、吸光度を260nmで連続的に測定した。A260対温度のプロット
から、この実施例に記載したそれぞれのオリゴマーセットについて、1つの一相
性転移が明らかとなった。
各複合体の半分が1本鎖に解離する融解温度(Tm)は、オリゴマー1および
オリゴマー2についてそれぞれ45.8℃および42.3℃であった(表I参照
)。MPオリゴマー2とその標的の比2:1および1:1における完全な融解曲
線を図1に示す。このように、生理的温度(ヒト皮膚で37℃以下)においてM
Pオリゴマー濃度が2.4μMを超える場合は、これらのオリゴマーは十分にハ
イブリダイズされるであろう。
図1に、オリゴマー2と標的配列との間に形成された2本鎖および3本鎖複合
体の熱変性プロファイルを示す。
実施例3 血清からのメチルホスホネートオリゴマーのクリアランス
マウス血清からのメチルホスホネートオリゴマーのクリアランスを2つのオリ
ゴマーを用いて測定した:3H−テトラマー(1689−3)3H−(dT)4お
よび12−マー(量体)(2054−2)3H−C2−(TC)6(C2は第一級
アミンとの2−炭素非ヌクレオチドリンカー(linker)を表す)。
9−10週齢の雌のBALB/Cマウス(Jacson Laborator
y)の尾静脈に200μLのリン酸緩衝生理食塩水中の27nM(3×105d
pm)のオリゴマーを注射した。
眼から出血させることにより、表示した時間に試料を採取した。200μLの
ヘパリン処理眼出血用毛細管中に試料100μLを採取した。施術中、マウスを
メトファン(メトシキフルラン)で軽く麻酔し、各マウスからの採血は7〜8回
以下とした。血液をポリプロピレン製微量遠心管に移し、遠心して細胞を除去し
た。血清の部分標本20μLを取り、5mLのシンチレーション液(Scint
iVerse BD)と混合した。液体シンチレーションカウンター中で放射活
性量を測定した。
マウスにおける2つのオリゴマーの血漿中半減期は約8〜10分であることが
わかった。図2および3に、4−マー(図2)および12−マー(図3)の血漿
からのクリアランスのプロットを示す。
実施例4 透過性および組織濃度試験のための皮膚試料の調製
A.無毛マウス皮膚
無毛マウス(雄のHRS/J系、8〜10週齢、20〜25g)をCO2チャ
ンバー内で屠殺し、約5cm2の全層皮膚(真皮および表皮)を腹部から切除し
た。皮下脂肪を除去後、皮膚を生理食塩水ですすぎ、1時間以内に使用した。
透過性試験を行うために、セロハンテープを用いて無毛マウスから角質層を除
去した。最近屠殺した動物の皮膚にテープを静かに貼りつけた後、体からひき剥
した。新しいテープ片を用いて、この操作を12〜15回繰り返した。
B.ヒト死体皮膚
Stanford University Medical Centerを
介して、剖検時にヒト死体皮膚を得た。皮膚採取器を用いて、死後24時間以内
の74歳の男性の大腿部から皮膚を切除した。Van Keuren光波ミクロ
メーターを用いて測定した皮膚の厚さは125〜450pmの範囲であった。皮
膚をリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)ですすぎ、拭き取り乾燥させ、空気を
排出させて三重に密封された袋中で6カ月間凍結させた。使用前に、皮膚を溶か
してPBSですすいだ。
実施例5 透過性試験
9のガラス製Franz拡散セルを含む拡散コンソールを、透過性試験に用い
た。自動調温装置で調節された水をセル本体を取り囲むジャケット(被い)中に
循環させて、Franzセルを37℃に維持した。上皮側が上側(ビークル側)
を向くように、セル本体とセルの蓋との間に各皮膚を挟んで載せた。次に、ビー
クルを加える前に、1時間皮膚を平衡化させた。ばく露される表面は2.0cm2
であった。受容体にアジ化ナトリウム0.05%を含む0.01Mリン酸緩衝
生理食塩水(pH7.4)等張生理食塩水を加えて、微生物の増殖を抑制した。
Franzセルを閉じて、受容体相の薬物濃度を最大とした。セルの容量は6
.2mLであった。テフロンコートした撹拌棒を用いて600rpmでセルを撹
拌した。
セルキャップを通して、薬物/ビークル混合物を皮膚上にピペットで移した[
2.0cm2に全量0.2mLのビークルを加えた(0.1nK.cm2)]。ビ
ークルを添加後のある時間に、注射針をサイドアームから受容体溶液中に挿入し
、300μLを回収した。除去した容量を等量の新しい生理食塩水で置き換えた
。この溶液の効果は薬物フラックス計数値で表した。
透過性の結果を表11に示す。
実施例6 オリゴマーのクロマトグラフィーによる分析
HPLCによって、受容体溶液中の14−マー(メチルホスホネートヌクレオ
シド間結合のみを有する14ヌクレオシドの中性メチルホスホネートオリゴマー
)および14−マー−IA(内部のアニオン性ヌクレオシド間結合を有する14
ヌクレオシドのメチルホスホネートオリゴマー)を測定した。2つの510型ポ
ンプ、481型UV検出器、710B型WISPサンプルプロセッサー、および
Digitalコンピュータ350型マイクロプロセッサー/プログラマーから
な
るWaters840システムを用いて、これらの分析を行った。
A.14−マー
14−マーを分離するために用いたカラムは、3.9mm×15cm 4μm
のWaters Nova−Pak C18であった。
B.14−マー−IA
14−マー−IAの測定にあたって、HPLCの条件を幾分変更した。さらに
、以下に記載したように、勾配溶出プロファイルを用いた。
実施例7 皮膚に貯留したオリゴマーの組織濃度測定
予備実験を行い、透過性試験の結論における皮膚試料中に貯留した14−マー
−オリゴマーの量を測定した。皮膚を少量の水で数秒すすいだ後、少量のアセト
ニトリルで約10秒洗浄し、皮膚表面から固形の薬物を除去した。次に、分析を
行うまで皮膚を凍結した(数週間まで)。皮膚を溶かし、ドナー(donor)
ビークルにばく露されていない領域を切除して廃棄した。水和した皮膚試料の重
量を測定した後、Polytron Homogenizerを用いて0.01
Mリン酸ナトリウム中で約2分間ホモジナイズした。次に、ホモジネートを室温
で15分間、8000gで遠心分離した。上清を取り、HPLC分析によって直
接分析した(条件は下記を参照のこと)。
クロマトグラフィーの条件は、下記のいくつかの小さな変更はあるが、透過性
試験の14−マーに関する既述の条件と同様であった。
この試料に1.8μg/mLの14−マーの溶液40μLを加えることにより
、組織ホモジネート中にオリゴマーが存在することを確認した。
遠心後に、ホモジナイズおよび再遠心した後に得られたペレットを再懸濁する
ことにより、最初の試料から回収された総14−マーの1〜3%が放出された。
これらの結果は、この14−マーが最初の抽出工程において効率的に分離された
ことを示唆する。
異なるビークルを用いた透過性実験後に皮膚から分離されたオリゴマー量を表
IIIに示す。
実施例8 ヒト皮膚におけるオリゴマーのフラックスおよび貯留量の測定
皮膚採取器で厚さ約5−200μmに切り取ったヒト皮膚を用いた。この皮膚
を密閉したガラス製Franz拡散セル(実施例5に記載)中に入れた。
オリゴマーおよび場合によりエンハンサー(100μL/cm2)を含むビー
クルを皮膚表面に載せた(ばく露面積2cm2)。
皮膚から拡散したオリゴマー量と皮膚内に残っているオリゴマー量をHPLC
によって測定した(実施例5を参照)。
結果を表IVに要約する。エタノール単独は、有効な浸透エンハンサーである
ことがわかった。エタノールにDMS(デシルメチルスルホキシド)を加えると
、エタノール単独に比べて、一般に6−、10−、および14−マーの浸透速度
(および蓄積量、すなわち、24時間にわたって浸透した量)が増加した。メタ
ノール/DMSビークルに水を加えると、6−マーのフラックス(および蓄積量
)が
さらにいっそう増大したが、10−および14−マーのフラックス(および蓄積
量)は減少した。
プロピレングリコールにDMSを加えると、ヒト皮膚を通過する6−マーのフ
ラックス(および蓄積量)が増大したが、フラックス(および蓄積量)の等級順
位はエタノール/DMSビークルに比べてかなり低かった。ヒト皮膚から角質層
を除去すると、無毛マウスの皮膚において観察されたものほど劇的な増大ではな
かったものの、6−マーのフラックス(および蓄積量)が大きく増大した。
10−および14−マーについて無毛マウス皮膚とヒト皮膚からの蓄積量に関
するデータを比較すると、蓄積量は無毛マウス皮膚の方が大きかったが、おおむ
ね等級順位内であった。
全体的に、浸透速度と分子量との逆の関係が認められた(すなわち、分子量が
大きくなると、蓄積量が減少した)。
一般的に、生組織(皮膚層)および角質層のいずれにおいてもオリゴマーの最
大の貯留は、エタノール/水/DMSビークルにおいて観察された。角質層に貯
留したオリゴマーの真皮に貯留したオリゴマーに対する比は、約10:30(注
:角質層より組織の方がはるかに生存性が高いため、貯留しているオリゴマーの
大多数が真皮中に存在した)。皮膚のテープのひき剥し(角質層を除去するため
)は、全皮膚を用いる真皮における貯留に比べて、真皮における大量の6−マー
の貯留をもたらさなかった。
表Vは、様々なビークル/エンハンサーの組み合せにおける14−マーで処理
後の真皮対角質層の14−マーの貯留を示す。Kumarらの記述した超音波処
理[Pharm.Res.6:740−741(1989)]により、分析前に
角質層と真皮を分離させた。
6−マーの二番目の値は、異なる皮膚ドナーを用いた時間試験から得られ、その
他、最初の3つのエンハンサーのデータは同じドナーから得られた。
最後の3つのエンハンサーのデータは同じ実験の異なるドナーから得られた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 アーノルド,ライル・ジョン,ジュニア
アメリカ合衆国92064カリフォルニア、ポ
ウェイ、ボールダー・マウンテン・ロード
15638番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 他の組織に於けるテストステロン代謝を著しく妨害することなく頭皮組 織中に存在するタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンのレベルを減少さ せることによるアンドロゲン関連脱毛を減少させる方法であって、 該方法は、アンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼをコードする遺伝子又 はその転写産物又は該遺伝子の転写開始部位から直近の上流の標的配列と相互作 用しそのためアンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼの発現を阻害又は改 変する、有効量のオリゴマー又はオリゴマー類に、頭皮細胞をさらすことを含む 方法。 2. オリゴマー又はオリゴマー類が、(a)1本鎖RNA又はDNA、(b )2本鎖DNA又はRNA、(c)DNA/RNA2本鎖、又は(d)2本鎖の 中に含まれた1本鎖RNA又はDNA、を含む標的配列を特異的に認識し、該オ リゴマーは標的配列の転写又は翻訳を阻害する請求項1に記載の方法。 3. 脱毛の速度が、少なくとも約10%減少する請求項2に記載の方法。 4. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、実質的に中性である請求項2に記載 の方法。 5. タンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンが、アンドロゲン受容体 結合5−α−ジヒドロテストステロンを含む請求項4に記載の方法。 6. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、約8〜約40ヌクレオシドを含む請 求項5に記載の方法。 7. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、タンデム群当たり合計約20〜約4 0ヌクレオシドのタンデムオリゴマーを含む請求項5に記載の方法。 8. 他の組織中のテストステロン代謝を著しく妨害することなく頭皮組織中 に存在するタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンのレベルを減少させる ことによるアンドロゲン関連脱毛を減少させる方法であって、 該方法は、頭皮細胞中のタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンを減少さ せるに充分なの量のオリゴマー又はオリゴマー類に頭皮細胞をさらし、脱毛の速 度を減少させることを含んでなり、 該オリゴマー又はオリゴマー類が、(a)1本鎖RNA又はDNA、(b)2本 鎖DNA又はRNA、(c)DNA/RNA2本鎖、又は(d)2本鎖の中に含 まれた1本のRNA又はDNA鎖から選択される核酸標的配列を特異的に認識し 、該オリゴマー又はオリゴマー類が核酸標的配列の転写又は翻訳を特異的に妨害 し、該核酸標的配列はアンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼをコードす る遺伝子、又はその転写産物又はその遺伝子の転写開始部位から直近の上流の配 列を含む方法。 9. 該標的配列が(a)1本鎖RNA又はDNA、又は(b)2本鎖に含ま れる1本鎖のRNA又はDNAであるとき、オリゴマー又はオリゴマー類はアン チセンスオリゴマーか又は3本鎖オリゴマー対である請求項8に記載の方法。 10. 該標的配列が(a)2本鎖DNA又はRNA、又は(b)DNA/RN A2本鎖であるとき、オリゴマーは第三鎖オリゴマーである請求項8に記載の方 法。 11. 該オリゴマー又はオリゴマー類が実質的に中性である請求項8に記載の 方法。 12. タンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンが、アンドロゲン受容体 結合5−α−ジヒドロテストステロンを含む請求項11に記載の方法。 13. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、約8〜約40ヌクレオシドからなる 請求項12に記載の方法。 14. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、タンデム群当たり、合計約20〜約 40ヌクレオシドのタンデムオリゴマーを含む請求項12に記載の方法。 15. 他の組織中のテストステロン代謝を著しく妨害することなく頭皮組織中 に存在するタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンのレベルを減少させる ことによるアンドロゲン関連脱毛を治療する方法であって、 該方法は頭皮細胞中のタンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンを減少させ るに充分な量のオリゴマーに頭皮細胞をさらすことからなり、該オリゴマー又は オリゴマー類が、(a)細胞中に存在する標的遺伝子から転写されたRNAの配 列に相補的な配列を有するアンチセンスオリゴマー;(b)1本鎖DNA標的配 列に相補的なヌクレオシド配列を有するアンチセンスオリゴマー;(c)2本鎖 内に含まれる1本のRNA又はDNA鎖に相補的なヌクレオシド配列を有するア ンチセンスオリゴマー;(d)細胞中に存在する標的配列の選択された2本鎖核 酸配列に相補的な配列を有する第三鎖オリゴマー;及び(e)標的遺伝子又はそ の転写産物の1本鎖核酸配列、又は2本鎖のうちの1本鎖に相補的な3本鎖オリ ゴマー対から選択され、 該標的遺伝子は5−α−レダクターゼ及びアンドロゲン受容体をコードする遺伝 子又は該遺伝子の転写開始部位から直近の配列からなる群から選択される方法。 16. 該オリゴマーが実質的に中性である請求項15に記載の方法。 17. 脱毛の速度が少なくとも約10%減少する請求項15に記載の方法。 18. 該タンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンが、アンドロゲン受容 体結合5−α−ジヒドロテストステロンからなる請求項15に記載の方法。 19. 該オリゴマーが該標的遺伝子の転写産物の5’−非翻訳領域、翻訳開始 領域、3’−非翻訳領域、スプライス供与体部位又はスプライス受容体部位に対 応する配列に相補的である、請求項18に記載の方法。 20. 該オリゴマーが実質的に中性である請求項19に記載の方法。 21. 該タンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンが、アンドロゲン受容 体結合5−α−ジヒドロテストステロンからなる請求項20に記載の方法。 22. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、約8〜約40ヌクレオシドからなる 請求項21に記載の方法。 23. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、タンデム群当たり、合計約20〜約 40ヌクレオシドのタンデムオリゴマーからなる請求項21に記載の方法。 24. 該オリゴマーが、約12〜約25ヌクレオシドからなる請求項20に記 載の方法。 25. (a)アンドロゲン受容体に対する遺伝子から転写されたRNAの配列 に相補的な配列を有するアンチセンスオリゴマー、又は(b)5−α−レダクタ ーゼに対する遺伝子から転写されたRNAの配列に相補的な配列を有するアンチ センスオリゴマー、から選択されたオリゴマーの脱毛速度を減少させる用量に毛 包をさらすことからなるアンドロゲン関連脱毛を治療する方法。 26. 該オリゴマーが実質的に中性である請求項25に記載の方法。 27. 該オリゴマーが該RNAの転写産物の5’−非翻訳領域、翻訳開始領域 、3’−非翻訳領域、スプライス供与体部位又はスプライス受容体部位に相補的 である請求項26に記載の方法。 28. 該オリゴマーが、約12〜約25ヌクレオシドからなる請求項27に記 載の方法。 29. アンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼ又はその遺伝子産物又は 該遺伝子の転写開始部位からすぐ上流の標的配列に対する遺伝子コーディングに 相互作用するオリゴマー又はオリゴマー類の効果的な用量で選択された組織の細 胞をさらすことからなる、他の組織中の又は全身のテストステロン代謝を著しく 妨害することなく、選択された組織中のタンパク結合5−α−ジヒドロテストス テロンのレベルを減少させる方法。 30. オリゴマー又はオリゴマー類が、(a)1本鎖RNA又はDNA、(b )2本鎖DNA又はRNA、(c)DNA/RNA2本鎖、又は(d)2本鎖に 含まれた1本のRNA又はDNA鎖からなる標的配列を特異的に認識し、該オリ ゴマーは標的配列の転写又は翻訳を防害する請求項29に記載の方法。 31. 脱毛の速度が少なくとも約10%減少する請求項30に記載の方法。 32. 該オリゴマー又はオリゴマー類が実質的に中性である請求項30に記載 の方法。 33. 該タンパク結合5−α−ジヒドロテストステロンが、アンドロゲン受容 体結合5−α−ジヒドロテストステロンからなる請求項32に記載の方法。 34. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、約8〜約40ヌクレオシドからなる 請求項33に記載の方法。 35. 該オリゴマー又はオリゴマー類が、タンデム群当たり、合計約20〜約 40ヌクレオシドのタンデムオリゴマーからなる請求項33に記載の方法。 36. アンドロゲン関連脱毛の速度を減少させるに有効な量のオリゴマー及び 薬学的に許容し得る担体を含有する医薬組成物であって、 該オリゴマーが、(a)細胞中に存在する標的遺伝子から転写されたRNAの配 列に相補的な配列を有するアンチセンスオリゴマー;(b)1本鎖DNA標的配 列に相補的なヌクレオシド配列を有するアンチセンスオリゴマー;(c)2本鎖 内に含まれた1本のRNA又はDNA鎖に相補的なヌクレオシド配列を有するア ンチセンスオリゴマー;(d)細胞中に存在する標的遺伝子の選択された2本鎖 核酸配列に相補的な配列を有する第三鎖オリゴマー;及び(e)標的遺伝子又は その転写産物の1本鎖核酸配列、又は2本鎖のうちの1本鎖に相補的な3本鎖オ リゴマー対から選択され、 該標的遺伝子は、5−α−レダクターゼ及びアンドロゲン受容体をコードする遺 伝子又は該遺伝子の転写開始部位から直近の配列をコードする遺伝子からなる群 から選択される医薬組成物。 37. 該オリゴマーが、実質的に中性なオリゴマーである請求項36に記載の 組成物。 38. フラックスエンハンサーをさらに含有する請求項37に記載の組成物。 39. アンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼの発現の阻害又は改変に 効果的な量の、アンドロゲン受容体又は5−α−レダクターゼをコードする遺伝 子、又はその転写産物、又は該遺伝子の転写開始部位から直近の標的配列と相互 作用するオリゴマー又はオリゴマー類、及び薬学的に許容し得る担体を含有する 医薬組成物。 40. 該オリゴマーが又はオリゴマー類が、実質的に中性である請求項39に 記載の組成物。 41. フラックスエンハンサーをさらに含有する請求項40に記載の組成物。 42. 該標的配列が、 [1] (a) TTC CCC CAC TCT CTC TC、 [2] (b) CTC TCT CTC ACC TC、及び [3] (c) UCU CUC UUC CUU CCC から選択される請求項40に記載の組成物。 43. 該オリゴマーが、 [4] (a) GAG AGA GAG TGG GGG AA、及び [5] (b) GAG GTG GAG AGA GAG から選択されるヌクレオシド配列を有する請求項40に記載の組成物。
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