JPH08502323A - 連続デカタイジング用オートクレーブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 主として、オートクレーブ（１）内に存在する酸素の比率を減少させるよう構成された手段（１２，２３）によって構成される、同じ発明者により特許出願番号ＭＩ９１Ａ００１１１９に述べられ、また特許請求された種類の、織布をオートクレーブで連続デカタイジングするための装置。小孔のあるシリンダ（２）の周囲に沿って行われる「はさみ」圧縮作用を持続できるよう、又は、織布がこの部分で自由蒸気を受けて伸長するようにするため、外部から位置調節可能な薄板（１４）を、オートクレーブ（１）から出る直前の織布（４）の内側近くに設けるのが好ましい。さらに、中央シリンダ（５）の対向する側にあるシール手段（１９，２０）について、また前記シリンダの側面について、前記シリンダ及び前記膨張性のシール手段（１９，２０）の間に配置した減摩シート（２１，２２）について、前記シリンダ（５）の側面について、また縦方向の端部でのシール（２５，２６；２５’，２６’）について、特に好ましい実施例を述べた。

Description

【発明の詳細な説明】 連続デカタイジング用オートクレーブ装置 本発明は、オートクレーブにおいて織布を連続デカタイジングするための改良 型装置に関するものであり、さらに詳しくは、本出願人によって１９９１年４月 ２３日に提出された特許出願番号ＭＩ９１Ａ００１１１９で述べられた型式の装 置に関するものであって、その目的は、連続作業に特有の利点を保持しながら、 この重要な織布仕上げ作業を最大限に改良することである。 すでに知られているように、織布の連続デカタイジング作業における最大の問 題点は、オートクレーブにおける織布送入口及び送出口の蒸気シールである。上 述した特許出願は、装置におけるこのようなシールの問題を解決することを目的 としており、本発明もまた、専らこれと同じ分野での改良を目的としている。 一般に、デカタイジングのもう一つの基本的な問題は、織布及び／又はフェル トすなわちバッククロスに空気が含まれ、その中に酸素が含まれていると、オー トクレーブ内で蒸気を減少する作用が阻害される傾向があることである。 したがって本発明の主要な目的は、オートクレーブによる連続デカタイジング に特に適した方法での、空気による好ましくない効果をできるだけなくすことで ある。 本発明についての改良装置の上記の目的、またその他の目的、利点、特徴は、 ここで例として述べ、また非限定の目的で述べた下記のいくつかの好ましい実施 例についての詳細な説明から、また添付図面を参照することによって、よりいっ そう明らかになる。 図１は、本発明にもとづいて改良した、オートクレーブ内で織布の連続デカタ イジングを行うための装置の断面図である。 図２は、送りシリンダの対向する両面における、縦方向の蒸気シールの拡大詳 細図である。 図３は、オートクレーブのサイドシールについて、図２の矢印Ａの方向から見 た部分図である。 図４は、本発明の装置内における、図１の拡大詳細図である。 図面を参照して説明すると、すでに知られているように本発明による改良型装 置においては、オートクレーブ１内に小孔付きシリンダ２が回転可能なように取 付けられ、フェルトでライニングされている（図示せず）。オートクレーブ１を 通る閉ループ状の連続フェルトからなるバッククロス３と、破線で示したデカタ イジングされる織布４とが、ともにシリンダのまわりに巻かれる。これらのバッ ククロスと織布とは、シリンダ２の外周をほぼ完全に１回りしたあと、２個のガ イドローラ９及び１０のまわりを通過して、矢印で示したようにオートクレーブ から出る。第２のガイドローラ１０を通過して回転シリンダ２を出たこれらのバ ッククロスと織布とは、参照番号３’及び４’で示されている。 上記の特許出願で述べられ、また特許請求されているように、回転シリンダ５ は、可能な限りのシール状態で、バッククロス３及び織布４が送り込まれ且つバ ッククロス３’及び織布４’が送り出される通路を閉じ、そののちこれらのバッ ククロスと織布とは、前記シリンダ５で送られる。シリンダ５の両面には蒸気漏 れを防止するため、シリンダ５に対しバッククロスと織布とを押付けるよう調節 された、１対の膨張可能な「エアバッグ」ガスケットが設けられている。 本発明では、膨張可能なガスケット１９及び２０はもっぱら、鋼製コンテナ１ ７及び１８の中にそれぞれはめ込まれる。上に言及した特許出願ですでに述べら れているように、バッククロス３，３’に対しガスケット１９及び２０により摩 擦が発生するため、減摩材を挿入することが望ましいが、本発明の好ましい実施 例では、ここで用いるフェルト製バッククロスの研摩作用が一般の「バッククロ ス」より高いため、ステンレス鋼の薄板２１，２２をそれぞれ設けてある。もち ろん、例えばテフロン（登録商標）、プラスチック、金属材料などの、その他の 剛性又は半剛性の材料を用いてもよい。 さらに、ガスケット１９及び２０は、断面が円形であることが好ましいが、他 の異なる形であってもよく、また、例えば実質的に弾性材料からなる非膨張性ガ スケットで、オートクレーブのドアシールですでに知られているところの、圧縮 されるとたわみ、押圧シール作用を備えている特別な形態のものでものであって もよい。 さらに、上記の特許出願と同様、シリンダ５は完全に平坦であってもよく、又 は、周囲に織布とバッククロスとの合計厚を保持し得るような凹部を備えていて もよい。シリンダが凹部を備えていれば、薄板２１及び２２は、シール（密封部 分）の全幅にわたって完全に直線に延びる（図３参照）が、シリンダに凹部がな ければ、前記薄板は、平面性を保持するために、連続的に送られる材料厚のない その縁部でわずかに曲がるはずである。図２に非凹部シリンダ５を示す。 縦方向のシールでは、コンテナ１７及び１８内にそれぞれはめ込まれた上記膨 張性ガスケット１９及び２０が、薄板２１及び２２を押圧し、次にそれら薄板の 裏面が、バッククロス３，３’及び織布４，４’をシリンダ５に押付ける。 明らかに、蒸気漏れに対して効果的にシールを行うためには、前記縦方向のシ ールだけでは充分でなく、図３で示したように、シリンダ５の端部をシールする サイドシールもまた必要である。 上述した特許出願では、送りシリンダ５がいくつかの部分品から構成されてい て、端部が弾性材料のものであったが、それとは異なり、本出願におけるシリン ダは単片であって、その長さは側面支持部材２７，２７’の間隔より短く、また 前記シリンダ５とは別に、非回転性の弾性ゴムガスケット２５，２５’が設けら れ、これらは、テフロン（登録商標）などの潤滑材（減摩材）ディスク２６及び ２６’をそれぞれシリンダ５の端壁に押付けるよう配設されている。上記弾性ガ スケット２５及び２５’は事前圧縮の状態で取付けられ、それらの弾性を利用す ることにより、組立てたあと、支持部材２７及び２７’から、ディスク２６及び ２６’に対して直接圧力をかけることができる。このようにして、ディスク２６ 及び２６’とシリンダ５の回転端部とが強く接触する。これら２個のディスクに よる潤滑作用や、凝縮する蒸気自体による潤滑作用によって、摩擦かみ合いが最 少限に抑えられ、側面からの蒸気漏れが防止される。 さらに詳しく述べると、本発明では、すでに上に述べたように、織布とバック クロスによりオートクレーブに送られた空気に含まれている残留酸素の作用を低 下させるため、２個の特別な装置をオートクレーブ内に備えている。 図１及び図４を参照すると、第１の装置は部分的に小孔のあるタンク１２を備 えており、このタンクは、バッククロス３の全幅に等しい長さで任意の断面を備 えた管状又は箱状の形をしているが、コーナーで織布との摺動による摩耗が起こ るのを回避するためには、図４で明示したように円弧形であることが好ましい。 このようにして、オートクレーブに入る織布４は、その裏面のバッククロス３と は離れてタンク１２の上に載るよう構成されている。前記タンク１２は配管（ラ イン）１１を通じ、バルブ１３を介して外部に接続されている。バルブ１３が開 いているときは、オートクレーブ１内の蒸気圧により蒸気の流れが起こり、この 流れが、織布が含んでいる空気の大部分（したがって酸素の大部分）を一掃しな がら、タンク１２を通過して外側に放出され、処理される。オートクレーブ１内 でシリンダ２の内側から外側に向けてデカタイジングが行われる場合には、上記 装置で充分に織布から残留酸素を処理することができる。これに対して、デカタ イジングの蒸気流がシリンダ２の外側から内側へと向かう場合には、バッククロ ス３からも空気を排出することが必要であり、そうしなければバッククロス３の 含む酸素が織布へ運ばれるであろう。 前記目的のため同様の装置が設けられており、これは、管状又は箱状の形態の タンク２３として示され、前記装置１２のわずかに下流部に位置するが、シリン ダ２に沿った織布４の移送経路の第１部分にある。タンク２３は、管１１’によ りバルブ２４を介して外部へ接続されており、前記バルブが開くと、蒸気が該タ ンクの開口部を通ってオートクレーブを流出し、外部へ分散するようになってい る。いずれの場合にも、織布又はバッククロスが含む空気を排出するため用いる 手段は、オートクレーブ内のこの蒸気である。空気の排出は、オートクレーブ内 部圧と周囲圧との差によって発生する蒸気流により行われる。 同じ装置を異なる方法で用いて、同じ結果を得ることができる。すなわち、オ ートクレーブの内圧よりも高い圧力でオートクレーブヘ蒸気を送ることである。 これにより、外部からの蒸気流によって織布とバッククロスの両方から、空気と それに含まれている酸素が排出されるであろう。したがって図１及び図４におい ては、流入と流出という二つの可能な蒸気流の方向を示すため、蒸気流を示す矢 印が反対方向を示している。 本発明におけるもう一つの改良は、次のような考察に基づいている。即ち、織 布４’とバッククロス３’とは、オートクレーブから出る前に、第２ガイドロー ラ１０のところでシリンダ２から分かれて実質的に経路を完了したのち、シリン ダ５を通過する。この完了した経路においては、織布４は、シリンダ２のまわり を通過する間に受けた「はさみ」（サンドイッチ）作用を受けないため、自由な ままであるが、なおオートクレーブ内にあって蒸気と接触しているため、圧縮さ れることなく自由蒸気作用を受け、その結果、光沢を失う。図１及び図４を参照 すると、これを防止するため、出口部分でも連続して「はさみ」作用を受けるよ う構成された、できれば外部から作動できる装置が設けられている。 前記装置は、例えばステンレス鋼のような長い薄板１４で構成され、ローラ１ ０とシリンダ５の間の距離に実質的に等しい長さであり、１５を支点として旋回 し、また、圧縮空気手段によるばね１６のような弾性部材により、織布４’に対 して押付けられる。したがって薄板１４は、織布の近くに配置することができ、 又は実際にデカタイジングのあと自由蒸気作用がさらに望まれる場合には、図４ で破線により示したように、後方の位置１４’まで動かすことができる。 実際、強い光沢のある仕上げを望む場合には、薄板１４を織布の近くに配置し て織布を軽く圧縮することにより、蒸気が織布に接触するのを防止し、また前回 のデカタイジングで得られた効果の低下を防止できるであろうが、織布にくすん だ光沢や厚さをもたせるなどの特別な効果を望む場合には、前記薄板を織布から 離し、位置１４’に移動することが望ましく、それによって織布は、圧縮されず に自由な蒸気流を受けて膨張し、光沢を失う。 明らかに、薄板１４は、すでに知られた多数の異なる方法で織布４’に近づけ るか、又は遠ざけて配置してもよく、また１５を支点として旋回せず、２個の部 材を織布へ近づけ、また遠ざけることにより調節するのがよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． オートクレーブ（１）内に、加圧蒸気の環境下において回転可能な小 孔付きシリンダ（２）を有し、該シリンダの周りに、デカタイジングするためバ ッククロス（３）とともに２個のガイドローラ（９，１０）の間を通って外部か ら送り込まれる織布（４）と、デカタイジングされてバッククロス（３’）とと もに送り出される織布（４’）とが、該シリンダを包み込むように配置されてい る、織布の連続デカタイジングを行うための改良型装置であって、 前記バッククロス及び織布（３，４；３’，４’）を送り込みまた送り出すた めの通路が、回転シリンダ（５）と１対のガスケット（１９，２０）とによって 閉じられていて、該ガスケットとバッククロスとの間には減摩材（２１，２２） が挟持されており、前記シリンダ（５）の両端部にはサイドシール手段が設けら れ、また、少なくとも１個の管状又は箱状をなす部材（１２，２３）を備え、こ れらの部材は、それぞれの材料（４，３）に接触してオートクレーブ内から外部 へ向かうか又はその逆に向かう蒸気流を受ける実質的に平坦な小孔付きの表面を 有し、それぞれの材料の移送経路の入口部分に位置し、関連する材料のほぼ全幅 にわたる長さを持ち、配管（１１，１１’）によりバルブ（１３，２４）を介し て外部へ接続されていることを特徴とする連続デカタイジング用オートクレーブ 装置。 ２． 前記部材（１２，２３）のうちの少なくとも一つが、オートクレーブ （１）の内圧よりも高い圧力で、それぞれ配管（１１，１１’）及びバルブ（１ ３，２４）を介して外部の蒸気発生源に接続されていることを特徴とする請求項 １記載の装置。 ３． 前記シリンダ（５）の外周に、長さが１対の材料（３，４）の幅と少 なくとも等しくかつ深さが前記材料の合計厚よりわずかに浅い凹部を設け、それ によってシリンダ（５）と前記減摩材（２１，２２）との間で前記材料をわずか に圧縮可能としたことを特徴とする請求項１又は２記載の装置。 ４． 前記減摩材（２１，２２）が、凹部を持たないシリンダ（５）の両端 部においてわずかにたわむ鋼製薄板によって構成されていることを特徴とする請 求項１又は２記載の装置。 ５． 前記ガスケット（１９，２０）が膨張可能な管状をなしていて、１対 の材料（３，４；３’，４’）の幅に少なくとも等しい長さを有し、それぞれ剛 性の管状コンテナ（１７，１８）内にはめ込まれていることを特徴とする請求項 １乃至４のいずれかに記載の装置。 ６． 前記シリンダ（５）が、該シリンダが取付けられている支持部材（２ ７）相互間の距離よりも短く、蒸気のサイドシールを行うため、前記支持部材と シリンダの両端部との間にガスケット手段（２５，２６：２５’，２６’）が設 けられていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の装置。 ７． 前記ガスケット手段が、前記支持部材（２７，２７’）に接触する弾 性ガスケット（２５，２５’）と、回転シリンダ（５）の各端部と弾性ガスケッ ト（２５，２５’）の間に位置する潤滑材製の薄いディスク（２６，２６’）と を有することを特徴とする請求項５に記載の装置。 ８． ガイロドーラ（１０）とシリンダ（５）との間における、１対の材料 （３’，４’）が蒸気の作用を受ける側に、これらの材料と少なくとも等しい幅 と、これら１対の材料の表面をできるだけ覆い得る長さとを有する薄板（１４） を、織布（４’）に当接して「はさみ」作用を施す位置と、織布から離間する位 置とに、位置調節自在に配設してあることを特徴とする請求項１乃至７のいずれ かに記載の装置。 ９． 実質的に明細書に記載し、かつ図に示したような、連続デカタイジン グ用オートクレーブ装置。