JPH08502168A - ニューロン細胞においてイオンチャンネル誘導活性をもつ栄養因子 - Google Patents

ニューロン細胞においてイオンチャンネル誘導活性をもつ栄養因子

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JPH08502168A JP6509300A JP50930094A JPH08502168A JP H08502168 A JPH08502168 A JP H08502168A JP 6509300 A JP6509300 A JP 6509300A JP 50930094 A JP50930094 A JP 50930094A JP H08502168 A JPH08502168 A JP H08502168A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、細胞の表面膜にイオンチャンネルの形成を誘導することができる、ARIAと命名された神経栄養因子を単離することに関する。神経栄養因子のアミノ酸配列は、EGF様ドメイン、ならびに、ニューロン細胞のような神経系の細胞で発現できる神経栄養因子遺伝子のエキソンの少なくとも一部分によってコードされた第2のアミノ酸配列を含む。神経栄養因子は、従来、同定されたニワトリプリオン様タンパク質とは異なり、本質的に無関係である。

Description

【発明の詳細な説明】ニューロン細胞においてイオンチャンネル誘導活性をもつ栄養因子 発明の背景 発育する軸索とそれらの標的の間における機能的接触の形成は、ニューロン回 路の樹立において必須の段階である。神経筋接合部(nmj)においては、他の 化学的シナプスにおけると同様、神経伝達物質受容体の数および分散は、シナプ ス前刺激への応答の決定における臨界因子である。神経筋接合部は、最もよく理 解される化学的シナプスである。脳における化学的シナプスについて知られてい ることの殆どは、最初にまたは最も完全に、神経−筋シナプスにおいて解析され た。nmjにおける伝達物質、アセチルコリン(ACh)は、50年以上前に同 定された。ACh受容体(AChR)は、精製された最初の受容体/イオンチャ ンネルであった。それは、4個の異なる遺伝子によってコードされた4個のサブ ユニットからなる。 NMJの形成における基本的な出来事は、神経末端と対立する筋膜におけるア セチルコリン受容体(AChR)の蓄積である。成熟接合部では、受容体は、2 0,000受容体/μm2より以上の密度で、シナプス後膜に詰め込まれている 。その局在性は、著しく、受容体の70%以上が、運動終末板、筋表面膜の0. 1%未満を含む領域に濃縮されている。 運動神経に到達する前に、ニコチン性AChRは、筋繊維の表面上に、比較的 均一に分散される。受容体の分散は、1M AChで満たされ、筋表面上の異な る点に置かれた、細胞外ミクロ電極からAChをイオン 電気導入的に適用しながら、細胞内記録電極を用いて筋膜の感受性を測定するこ とによって生理学的に位置づけできる。受容体の分散は、また、放射性ラベルも しくは蛍光色素ラベルされたα−ブンガロトキシン(BgTx)、ニコチン性A ChR(骨格筋中のAChR型)に選択的また殆ど不可逆的に結合するヘビ毒タ ンパク質を用いるか、またはその受容体の細胞外領域に対するモノクローナル抗 体によって眼でみられる。 これらのラベル技術は、筋繊維の神経支配後のAChRの分散における劇的変 化を明らかにする。神経支配部位における受容体濃度には、大きな増加があり、 シナプス外部位における受容体の濃度には減少がある。AChRは、神経−筋接 触及びシナプス伝達の開始の後わずかな時間内に、発育する接合部に蓄積し始め る。この現象は、胚の運動ニューロンおよび筋管を含む細胞培養で広範囲に研究 されてきた。個々のシナプスパートナーは、秒から数日にわたる期間において、 直接肉眼で見て観察できる。 少数のAChRおよびAChRクラスターが、神経支配を受けてない胚の筋管 および筋原細胞上に存在するけれども、内に伸びる運動神経が、先在する受容体 を捜し求めるよりも、むしろ新しい受容体クラスターを誘導することが明らかで ある。(Anderson et al.1977 J.Physiol.268: 757: Frank and Fischbach 1979 J.Cell Biol 83: 142)。少なくとも二つの過程が、発育するシナプス 接合部におけるAChRの蓄積に寄与する。まず、運動ニューロンが、神経と筋 の接触の前に、筋細胞に存在する受容体の凝集を促進するであろう。これらの受 容体は、膜の平面内に拡散し、多分、細胞骨格および/または細胞外基質の部位 に結合することによって、シナプス部位に固定化されるであろう。第二に、運 動ニューロンは、標的筋に対して、シナプスの直ぐ近傍で、新しい受容体の合成 と挿入を増大させるであろう。ニワトリのシナプス接合部においては軸索会合、 受容体パッチ(NARP)または新しく生成されたシナプスにおける大多数のA ChRが、新規に挿入される(Role et al.,1985 J.Neurosci.5: 2197)。 運動神経末端は、シナプス後受容体の性質における他の変化を誘発する。例え ば、接合部位のAChRは、その膜の平面に拡散する能力を失い、徐々にシナプ スのその部位に固定される。そのうえ、接合部位のAChRは、接合部外の受容 体よりもはるかに長い半減期をもつ。ニワトリ胚で新たに生成された終末板に見 いだされるAChRは、約24時間の半減期をもち、細胞外受容体の半減期に類 似する。シナプス生成後の時間増加につれて、接合部受容体は、ますます安定に なり、120時間以上の半減期で回転するが、一方接合部外の受容体は安定化さ れない。 また、運動神経は、骨格筋が神経支配された後、ニコチン性AChRの機能的 性質における変化を誘導する。ラット胚の筋におけるAChRチャンネルは、比 較的小さいコンダクタンス(約30pS)をもつが、長期間(約5〜10mS) 開いたままであり、それ故、スローチャンネルと呼ばれてきた。反対に、成熟終 末板の接合部受容体は、顕著に大きいコンダクタンス(約50pS)をもつが、 はるかに短い期間(通常わずか約1mS)の開放であり、ファーストチャンネル と呼ばれる。 成熟哺乳動物の神経筋接合部におけるAChRは、α2βεδの比における4 サブユニットからなる5量体のタンパク質複合体である(引用によって明細書に 組み込まれるMishina et al.1986 Nature 321: 406;Gu et al.1988 Neeuon 1: 117)。全てではないが殆どの胚AChR が、εサブユニットの代わりに、“γ”と名づけられる異なるサブユニットを含 む。α、β、δおよびγサブユニットmRNAの混合物が、アフリカツメガエル の卵母細胞中に注射される場合には、発現されたチャンネルは、胚の受容体の性 質をもつ。εサブユニットをコードしている転写物が、γ−サブユニットと置換 される場合には、得られるチャンネルは、成熟動物の受容体の性質をもつ。誕生 後最初の2週間に起き、遺伝子発現におけるスイッチに依存する、サブユニット 組成のこの変化は、ほぼ同じ時間経過で起きるACh−活性化チャンネルの性質 におけるスローチャンネルからファーストチャンネルへの切り替えを説明すると 考えられる。 AChR分散に対する神経の影響は、シナプス前神経末端によって遊離される 拡散性因子により少なくとも一部分は伝達されると思われる。例えば、骨髄移植 組織に近接している筋管は、筋管が若干の距離をおいて配置されるよりもイオン 電気導入的に適用されるAChに対して、より感受性があり、より多くの125I −BgTxを結合することが示された(Cohen and Fischbach,1977 Devel.Bio l.59: 24)。AChの局在的適用に対する応答におけるAChRクラスタリン グの欠如により、ならびにすべてのAChRがクラーレのような薬物によって阻 害される場合に受容体のクラスタリングが生じることの観察により証明されるよ うに、アセチルコリン自体はAChRのクラスタリング伸びる原因となる分子で はないようであ。 受容体挿入速度を増加しそして、初期から成熟型ニコチン性AChRへの変化 を促進することができる、推定される栄養因子の同定において進歩がなされてい る。アセチルコリン受容体誘導活性物質(ARIA) は、成熟ニワトリの脳から部分的に精製されている(Jessell et al.,1979 PNA S 76: 5397; Buc-Caron et al.,1983 Div.Biol.95: 378; Usdin and Fis chbach 1989 J.Cell Biol.103: 493)。その精製は、ラベルされてないBg Txにより全ての曝された(古い)受容体をブロックした4時間後に、新しい表 面膜AChRの出現の初速度を、125I−BgTxを用いて測定する感度の高い アッセイ法に基づいていた(Devreotes and Fambrough,1975 J.Cell Biol 65 : 335)。精製タンパク質は、AChR合成速度をピコモルの範囲のKappにつ いて数倍高めることが示された。ARIAは、タンパク質合成全体を増大すると も、表面の受容体の分解を変えるとも考えられないが、ある種のAChRサブユ ニットmRNAのレベルに影響することが分かっていた(Harris et al.,1988 PNAS 85: 7669)。 この活性物質は、SDS−PAGEによって、見掛けのMW42kdに中心の ある広いバンドとして移動するタンパク質とともに同時に移動することが証明さ れた(Usdin et al.,1986 J.Cell Biol.103: 493)。ニワトリのプリオン類 似タンパク質(Ch−PrLP)が、この活性物質標品における主要なタンパク 質であり、明らかに唯一の配列決定し得るタンパク質として出現した(Falls et al.(1990)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.55: 397)。N末端ア ミノ酸配列の解析に基づき、SDS−ポリアクリルアミドバンドにある、活性の あるタンパク質の化学的に決定された配列の部分に対応する配列をもっているオ リゴヌクレオチドが、作出され、ニワトリ胚のcDNAライブラリーからCDN Aを単離するために使用された。その単離されたcDNAは、哺乳動物プリオン タンパク質(PrPc)に相同であるニワトリのタンパク 質をコードしている。このニワトリのプリオン類似タンパク質(Ch−PrLP )は、そのアミノ酸位置の33%においてマウスPrPと同一であることが示さ れ、類似する構造のドメインを含むようであった(引用によって明細書に組み込 まれるHarris et al.1991 PNAS 88: 7664)。しかしながら、Ch−PrLP は、発現された場合に活性がなかったし、また抗Ch−PrLP抗体は、受容体 誘導活性物質を沈殿させない。 発明の概要 本発明は、細胞の表面膜にイオンチャンネルの形成を誘導することができる、 ARIAと命名された単離された神経栄養因子に関する。神経栄養因子のアミノ 酸配列は、EGF様ドメイン、ならびに、ニューロン細胞のような神経系の細胞 で発現できる神経栄養因子遺伝子のエキソンの少なくとも一部分によってコード された第2のアミノ酸配列を含む。神経栄養因子は、従来、同定されたニワトリ プリオン様ダンパク質とは異なり、本質的に無関係である。 本発明の神経栄養因子は、細胞の膜における機能的イオンチャンネル形成の誘 導を含む作用スペクトルをもつ。そのようなイオンチャンネルの例は、直接には 、アセチルコリン受容体、グルタミン酸受容体、GABA受容体およびグリシン 受容体のようなリガンド・ゲートイオンチャンネルを包含する。例えば、神経栄 養因子は、ニコチンAChRの数を増加することができ、細胞の表面膜における 受容体の蓄積に影響することができる。電圧ゲートイオンチャンネル、例えば、 電圧ゲートNa+チャンネルは、また、ARIA処理によって影響される。また 、神経栄養因子は、ムスカリンアセチルコリン受容体のような、間接的リガンド ・ゲートイオンチャンネルの機能的イオンチャンネル形成を誘導する。例 えば、本発明の神経栄養因子は、機能的なGタンパク質結合受容体の数を増加で きる。 本発明の一つの実施態様においては、神経栄養因子の一変異体のアミノ酸配列 が、図1に示される(配列番号1)。 その因子は、細胞または脳組織のようなその因子を生成する細胞又は組織から 、化学合成によって、または組み換えDNA技術によって、その天然型における それを単離することによって生成することができる。 さらに、この発明は、神経栄養因子をコードしている単離された核酸(DNA もしくはRNA)、その核酸を含むクローニングまたは発現ベクター、およびこ れらのベクターにより形質転換された細胞に関する。本発明のその他の態様は、 神経栄養因子に対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体を始めとする抗 体に向けられる。 この発明の神経栄養因子、およびヘレグリン(heregulin)およびn eu分化因子(NDF)のようなEGF様アミノ酸配列をもつ関連タンパク質は 、作動物質または拮抗物質のいずれかとして使用されて、シナプス後細胞の表面 膜において、アセチルコリン受容体のような機能的イオンチャンネルの形成に影 響を与える。 図の簡単な説明 図1A−Dは、ニワトリ脳cDNAライブラリーからクローン化されたARI Aのヌクレオチド(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列を表す。数 字を付した括弧の配列は、次のとおりである。(1)Nexl、(2)Ig様ド メイン、(3)Nex2、(4)EGF様ドメイン、(5)トランスメンブラン ・ドメイン。トランスメンブラン・ドメインのC末端に位置するアミノ酸配列は 、ARIAの細胞質部分に対 応し、一方、トランスメンブラン・ドメインのN末端に位置するアミノ酸配列は 、細胞外の部分である。Nex1は、大体アミノ酸残基1〜27を含み、Ig様 ドメインは、残基45〜108を含み、Nex2は、大体アミノ酸残基116〜 127を含み、EGF様ドメインは、残基141〜180を含み、トランスメン ブラン・ドメインは、アミノ酸残基207〜229を含む。 図2は、図1A−Dのアミノ酸配列に対応するARIAの構造ドメインおよび 主要素の概略図である。 図3は、ニワトリ(配列番号1,27,28および29)およびラット(配列 番号33)からクローン化された明白なARIA変異体のEGF様アミノ酸配列 と、同じくヘレグリン−βおよび−α(配列番号37および39)のEGF様ド メイン、Neu分化因子−βおよび−α(配列番号38および40)、ヘパリン 結合性EGF様成長因子(配列番号41)、アンフィレグリン(amphire gulin)(配列番号42)、神経鞘腫誘発成長因子(配列番号43)、上皮 成長因子(配列番号44)、および腫瘍壊死因子(配列番号45)の配列である 。 発明の詳細な説明 アセチルコリン受容体誘導活性物質(ARIA)は、多くのクロマトグラフィ ー操作を経て、SDS−ポリアクリルアミドゲルにおけるMW42,000中心 の広いバンドとして移動するタンパク質とともに、ニワトリ脳抽出物から同時精 製されることが既に分かっていた(Usdin et al.1986 J.Cell Biol.103:493 )。ニワトリプリオン様タンパク質は、クローン化され、そしてARIAの精製 標品において、唯一明らかに配列決定できるタンパク質の、化学的に決定された 配列から得られた オリゴヌクレオチドを用いて、ニワトリ脳cDNAライブラリーをスクリーニン グして同定された(Harris et al.1991 PNAS 88:7664)。 明細書に記載されるように、ARIAと名付けられた神経栄養因子は、培養筋 細胞におけるAChRの合成および蓄積を促進する能力に基づいて単離され、ク ローン化された。本発明の一態様においては、ニワトリ脳抽出物からの内生AR IAの精製は、一連の逆相、イオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィー操 作によって達成された。ごく最近、本発明者らは、ARIAが、Ch−PrLP の結合を助けない条件下で、ヘパリンカラム上に保持されることを発見した。ヘ パリン精製されたARIAから調製されたトリプシン分解画分の部分アミノ酸配 列によって、ニワトリcDNAライブラリーからのタンパク質のクローニングが できた。メッセンジャーライブラリーからクローン化された神経栄養因子のヌク レオチド配列、およびその対応するアミノ酸配列は、図1に示される。ニワトリ 脳からのヘパリン精製されたARIAタンパク質は、この大きいトランスメンブ ラン前駆体神経栄養因子の細胞外ドメイン内に含有されると信じられる。ARI Aのアミノ酸配列は、ARIA含有のクロマトグラフィー画分において、これま で同定されたch−PrLPとは完全に区別される。以下に記述するように、A RIA同族体は、また、ラットからクローン化され、ニワトリクローンと多くの ドメインの特徴を共有する。 クローン化されたcDNAは、培養哺乳動物細胞において発現され、培養筋細 胞におけるAChRレベルの増加を誘導できる。ARIAをコードしているクロ ーン化されたcDNAは、COS−7細胞中にトランスフェクションされ、形質 転換細胞によって整えられた培地は、骨格筋 細胞でのAChR合成を促進する。AChRレベルの有意な増加は、クローン化 されたcDNAに対応するタンパク質が、事実ARIAであることを示す。 ARIAにより処理された細胞においては、全タンパク質合成におけるいかな る有意な増加もなく;むしろ、ARIAは、機能的イオンチャンネル受容体、あ るいはシナプスで濃縮され、細胞膜のどこか外には一般に少量で存在するその分 子の合成および/または数に選択的に影響を与える。例えば、クローン化された ものおよび精製されたもの両方の内生形ARIAは、細胞の表面膜のニコチン性 アセチルコリン受容体の数の増加を誘導できる。培養ニワトリ、ラット、ヒトま たはマウスのいずれかの筋管にARIAを添加すると、筋管培養において、新し いα−BgTX結合部位の出現に、増加を来すことが示された。 nmjのニコチン性AChRに加えて、ARIAの作用スペクトルは、化学シ ナプスに濃縮された広範囲なイオンチャンネルおよびた他の分子の制御を含むで あろう。例えば、ARIAによって影響されるイオンチャンネルは、ニューロン のニコチン性AChRを含むリガンド・ゲートチャンネル(参照、引用によって 明細書に組み込まれるBetz 1990 Neuron 5:383)のスーパーファミリーのメン バーを含むことができる。例えば、部分精製ARIAは、AChに対する繊毛の 神経節ニューロンの応答を増加する。高度に精製されたARIAは、以下に検討 するように、AChR合成と密接に関連している繊毛神経節ニューロンの185 kDタンパク質をリン酸化する。これらの細胞は、同じようなサブユニットを含 むので、ニコチン性AChRを表す脳におけるニューロンに対するモデルである 。ニコチン性AChRのサブユニットと同じように構成され、有 意なアミノ酸の一致をもつリガンド・ゲートイオンチャンネルを形成する中枢神 経系(CNS)の他の神経伝達物質受容体、例えば、γ−アミノ酪酸(GABA )、グリシンおよびグルタミン酸に対するアミノ酸受容体は、ARIAによって 影響を受けることができる。GABAおよびグリシン受容体は、中枢ニューロン において抑制性ボタン(bouton)の下で濃縮され、グルタミン酸受容体は、軸索 接触、多分興奮性シナプスにおいて濃縮される。 ARIAによる処理によって影響されると思われるイオンチャンネルの他の例 は、電圧ゲートNa+チャンネルであり、またイオンチャンネルのリガンド・ゲ ートファミリーと同じ構造主体をもつ。この効果は、ARIAが、培養筋細胞中 で、サキシトキシン(saxitoxin,STX)結合(2倍)およびピーク 内部Na+電流を増加することができるという観察によって示唆される(参照、F alls et al.1990 Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.55:397)。同様に 、Ca++チャンネルおよびK+チャンネルを含む他の電圧ゲートイオンチャンネ ルは、それらがNa+イオンチャンネルに構造的に関連しているために、ARI Aによって影響を受ける。 また、ARIAは、ムスカリンAChRのように、Gタンパク質結合化学受容 体を通して間接的に活性化されるイオンチャンネルに影響できる。このARIA の作用は、ARIA含有脳抽出物が、心室の心筋細胞のACh応答(参照Siegel et al.1984 Develop.Biol.101:346、引用により本明細書中に組込まれる) を増加させ、その応答は、ムスカリンAChRの活性化に因るという観察によっ て支持される。 かくして、明細書に使用される用語“イオンチャンネル”は、電圧ゲ ート、直接にはリガンドゲート、そして間接的にリガンド・ゲートイオンチャン ネルを含むことを意味する。 広範囲のイオンチャンネルに特異的であり、ARIAの存在および不在におい て、機能的イオンチャンネルのレベルの決定を可能とするであろう一連の薬剤が 、現在では存在する。それ故、特定のイオンチャンネルに対する本発明の神経栄 養因子の効果は、容易に評価することができる。 ARIAは、その生物学的活性が、環境依存的である多機能タンパク質である というこの理解にたって、発明者らは、本明細書に記載のARIA遺伝子配列に 、アンチセンスRNAプローブを用いて元の位置でハイブリダイズさせることに よって、神経系におけるARIAmRNAの発現を研究し、上記の各種イオンチ ャンネルを含めて、ARIAの役割を示す発現のパターンを発見した。 ラット脳において例示すると、ARIAmRNAは、脳幹および脳半球におけ る多くのコリン作動性ニューロンに存在する。特に、ARIAmRNAは、II I,IV,V,VII,IXおよびX頭蓋神経の運動核に見出だされた。その半 球では、それは、中隔核およびブロカ(Broca)の斜のバンドに豊富にある。こ れらの観察は、さらに、ARIAが、脳皮質(新皮質および海馬)におけるAC h受容体を制御しており、そのために記憶の形成および回復を亢進するかもしれ ないという説を支持する。 ARIAmRNAは、また、脳における非コリン作動性ニューロンに存在する 。例えば、本ARIAmRNAプローブは、橋(pontine)核、他の視床および 中脳核の細胞、および小脳の顆粒細胞においてARIA メッセージを検出した。これらの発見は、他のイオンチャンネルに影響すること において、ARIAの役割と一致する。本発明者らは、また、ニワトリARIA cDNAの5’末端へのプローブを用いてニワトリにおけるARIAmRNA発 現の分布を研究した。その結果は、ラットにおいて見出だされた結果に類似する 。本発明者らは、ある種のコリン作動性およびある種のコリン非作動性ニューロ ンが、ARIAmRNAを含み、それらの多くは、ラット脳で標識されたものと 相同的構造であることを発見した。 さらになお、ARIA発現は、神経組織に限定されない。ラットおよびニワト リの両組織サンプルにおいて、ARIAmRNAレベルは、心内膜、心室を覆う 内皮細胞の単層、に非常に高い。胚においては、その内皮細胞は、心臓の初期形 成構造を構成し、次いで、その周囲には、心筋層が増殖し、またそこからは、心 臓の弁が形成される。、心内膜の機能は、まだ不明であるが、それは、下方の心 筋層の働きの重要なモジュレーターを構成することが提案された(Brutsaert, (1989)Annual Rev.Physiol.51:263-273)。心内膜によって生成されるAR IAは、心筋の成長および分化、ならびにその電気的機械的性質の変調において 、ある役割を演じると考えられる。このことは、さらに、p185(以下で検討 する)が、ARIAによる処理に応答して、E5ニワトリ胚からの筋細胞におい てリン酸化されるという観察によって支持される。 事実、発生の種々の段階の間のニワトリ脳サンプルにおける標識研究では、分 裂促進ならびに成長因子様活性物質を包含できる、イオンチャンネル誘導を超え る生物機能におけるARIAの幅広い係り合いの考えを支持する。例えば、AR IAmRNAは、ニューロンの数を増やすた めに存在する。このことは、小脳の顆粒細胞において最も明らかであり、それら が、細胞***を行う外顆粒細胞層(External Granule Cell Layer)におかれる 間、ARIAmRNAを発現する。それらは内顆粒細胞層(Internal Granule C ell Layer)、それらが、成熟脳に保持するであろう位置、に移動した直後に、 ARIAmRNAを発現し続ける。 本発明は、実質的にプリオン様タンパク質を含まない単離されたARIA、お よびクローン化されたARIA遺伝子またはその断片の発現によって生成される 組み換えARIAを、利用可能にする。用語“実質的にプリオン様タンパク質を 含まない”は、本明細書では、20%(乾物重量で)未満プリオン様タンパク質 、好ましくは5%未満のプリオン様タンパク質を含むARIA調製物を包含する として定義される。ARIAの機能型は、初めて、明細書記載のクローン化され た遺伝子を用いる精製調製物として調製することができる。“精製された”、に ついては、それは、ペプチドまたはDNAまたはRNA配列に関する場合には、 示された分子が、他のタンパク質(特に、他の栄養因子、並びにプリオン様タン パク質)のような、他の生物学的高分子を実質的に含まない状態で存在すること を意味する。明細書に使用されるような用語“精製された”は、同じ種類の存在 する生物学的高分子の、好ましくは、少なくとも乾物重量で80%、より好まし くは、95〜99重量%、最も好ましくは少なくとも99.8重量%を意味する (しかし、水、バッファーおよび他の小分子、特に5000未満の分子量をもつ 分子は、存在してもよい)。本明細書に使用される用語“純粋な”は、好ましく は、すぐ上の“精製された”と同じ数字の限定をもつ。本明細書に使用される用 語“単離された”は、高分子の天然給源に存在する、それぞれ他のペプチ ド、DNAまたはRNAから分離されたペプチド、DNAまたはRNA分子を表 す。“単離された”および“精製された”は、それらの天然状態での天然物質ま たは成分に分離された(例えば、アクリルアミドゲルにおいて)が、純粋な(例 えば、プリオン様タンパク質を欠く)物質または溶液のいずれとしても得られな い天然物質、のいずれも包含しない。 ARIAは、ポストシナプス標的細胞(例えば、筋または神経細胞)の成長の ために、細胞培養培地を補足して使用され、数種の神経細胞タイプの混合培養の ために、通常、複合操作が必要なイオンチャンネルにおける変化を試験する方法 を提供する。例えば、神経栄養因子、またはその活性断片は、ニコチン性ACh Rの合成を増加させることができ、細胞の表面膜における受容体の蓄積に影響す ることができる。神経栄養因子は、ニコチン性AChRにおいて、スローからフ ァーストチャンネルへの表現型変化を調節し、同様にその受容体のα−およびε −サブユニットをコードしているmRNAレベルを増加させることができる。か くして、本発明の神経栄養因子を用いて培養培地を増加できるので、神経支配に よって誘発された出来事をさらに明確にすることができる。 本発明の神経栄養因子は、既知の技術を用いて抗ARIA抗体を生産するため に使用される。ARIAに対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体(A b)の両方およびFabおよびF(ab)2のような抗体断片は、ARIAの作 用をブロックするために使用され、ARIAの不在または調節された存在の下で 、神経−筋および神経−神経シナプスを発生させることにおいて、軸索会合受容 体パッチ(NARP)の形成の研究を可能とする。例えば、そのような研究は、 神経および筋細胞の混合培養において実施することができる。 NARP形成に対する抗ARIA抗体の影響が、また、インタクト胚における ように、生体内でアッセイすることができる。例えば、精製モノクローナル抗体 は、E5ニワトリ胚の肢節芽中に直接注射することができる。運動軸索が、E4 .5の肢節芽に入り、AChRの最初のクラスターが、E5の後期のα−BgT xにより検出できる。かくして、この発生段階の間の抗ARIA抗体の使用は、 生体内での神経−筋シナプスの形成に対するARIAの効果の評価を可能にする 。同じようなアプローチにおいて、抗ARIAモノクローナル抗体を生成するハ イブリドーマ、または抗ARIA抗体が懸濁されている生分解性ゲルが、ARI A作用がブロックされることを意図する近接部位またはその領域内に移植される 。この天然の実験は、NARP形成に関与する他の因子の役割を解読することに 役立つ。 ARIAエピトープに特異的に結合する抗体は、また、、組織サンプルの免疫 組織化学的染色に使用して、ARIAおよびARIA同族体の発現の量およびパ ターンを評価することができる。抗ARIA抗体は、免疫沈殿および免疫ブロッ ティングに診断的に使用して、臨床試験法の一部として組織または体液における ARIAを検出しそしてそのレベルを評価することができる。例えば、そのよう な測定は、神経支配欠如のような、または無為のような兆候によって顕著な、あ るいはイオンチャンネルに欠陥があると信じる理由がある場合の、神経学的障害 の開始もしくは進行を予測評価するのに有用である。同様に、個人のARIAレ ベルをモニターする能力によって、そのような障害に苦しんでいる個人に与えら れる治療の効果を測定することができる。ARIAのレベルは、脳髄液のサンプ ルのような体液において測定できるし、また生検によっ て行われるように、組織において測定できる。抗ARIA抗体を用いる診断的ア ッセイは、脳皮質のニコチン性AChRの減少が、この痴呆性障害において生じ るので、アルツハイマー病の早期診断に役立つイムノアッセィを包含する。抗A RIA抗体を含む他のイムノアッセイは、重症性筋無力症および筋委縮性側索硬 化症の初期段階診断の試験を包含してもよい。 抗ARIA抗体のその他の応用は、λgtl1,λgtl8−23、λZAP およびλORF8のような発現ベクターにおいて構築されるcDNAライブラリ ーの免疫的スクリーニングにおいてである。正しい読み枠と方向に挿入されたコ ード配列をもつ、このタイプのメッセンジャーライブラリーは、融合タンパク質 を生産できる。例えば、λgt11は、そのアミノ末端がβ−ガラクトシダーゼ アミノ酸配列からなり、そのカルボキシ末端が外来ポリペプチドからなる、融合 タンパク質を生産するであろう。次に、ARIAの抗原エピトープは、例えば、 感染プレートから離されたニトロセルロースフィルターと、抗ARIA抗体とを 反応させるように、抗体を用いて検出できる。このアッセイによって記録された ファージは、次いで、感染プレートから単離できる。かくして、ARIAおよび ARIA同族体の存在が検出され、他の給源からクローン化される。ニワトリも しくはラットのいずれかからのARIAが、ヒトを含む他の種の筋管におけるA ChR挿入を誘導するであろうという事実は、進化上逆の給源からのARIAの 同族体間に、ある種の相同性が存在することを示唆する。かくして、ヒト以外の 種からのARIAに対して生じる抗ARIA抗体を用いて、ヒト融合タンパク質 ライブラリーをスクリーニングすることが、また、ヒトARIAのクローニング を も可能にする。 ニワトリおよびラットの両方からのARIAのクローニングにより決定された ヌクレオチド配列は、他の動物、特にヒトにおけるARIA同族体の同定に使用 するためにデザインされたプローブの作出を可能とする。例えば、実施例7に記 載のように、そのようなプローブは、既知の方法で、メッセンジャーおよびゲノ ムDNA両ライブラリーをスクリーニングするために使用して、ARIA同族体 をコードするARIA様遺伝子から直示的に生じる相同配列の存在を知ることが できる。上記のように、各技術は、ヒトARIAの同族体のクローニングを容易 にする。 さらに、ヌクレオチドプローブは、実施例9記載のようにARIAのクローン 配列から作出され、ARIAmRNAの存在について、インタクト組織および組 織サンプルの組織学的スクリーニングを可能にする。抗ARIA抗体の診断的使 用と同様に、ARIAmRNAもしくはゲノムARIA配列に向けられたプロー ブの使用は、神経学的障害の予防および治療の両評価のために使用される。抗A RIA抗体イムノアッセイと組み合わせて使用して、ヌクレオチドプローブは、 ARIAに関連するある種の異常を伴う神経学的障害について、分子ベースの決 定を容易にする。例えば、ARIA合成における変異が、ARIA代謝における 変化と区別される(異化作用の増大のように)。 また、抗体阻止実験と同様に、アンチセンス技術の使用(例えば、アンチセン ス分子のミクロ注入、またはその転写がARIAmRNAに関してアンチセンス であるプラスミドを用いるトランスフェクション)は、内因性ARIA生産を阻 害することによって、調節されたARIA環境におけるシナプス形成を研究する ために使用される。そのような技術は、 細胞培養に利用されるが、また、トランスジェニック動物の創出にも使用できる 。 本明細書に記載の神経栄養因子は、イオンチャンネルレベルまたはイオンチャ ンネル活性の変調が、治療価値をもつ多くの神経学的障害の治療(予防および/ または重篤度の軽減)に使用される。用語“神経学的障害”は、変性成長および 発生障害、並びに退行性疾病を含む、個人的な疾病もしくは異常状態を包含する 。そのような神経学的障害は、中枢神経系もしくは末梢神経系、または両方に影 響する。また、例えば、正常な年齢経過から起こるような、記憶の変調および認 識機能の低下も含まれる。ARIA作動物質もしくは拮抗物質による治療を受け 入れられる神経学的障害は、また、ARIA代謝のレベルが変化し、そのために イオンチャンネルレベルまたは活性が異常である全ての疾病を包含してもよい。 ARIAにより治療できる神経学的障害の例は、アルツハイマー病、重症性筋 無力症、およびハンチントン病およびパーキンソン病のような疾病に関連する痴 呆を包含する。 また、末梢神経系の染色体***に最終的に影響し、神経筋肉障害として顕われ る神経性および筋性疾病も包含される。例としては、筋委縮性側索硬化症、ギラ ン・バレー症候群および慢性末梢神経病、並びに進行性延髄麻痺または脊髄筋委 縮として顕在化する他の疾病のような慢性萎縮を含む。 ARIAは、また、平滑筋および内分泌組織(腺組織のような)の神経支配に 影響する障害を含む末梢神経系の自律障害の治療にも使用される。例えば、頻搏 は、通常、心臓の横紋筋におけるムスカリンAChR の異常な低レベルまたは低活性に関連し、ARIA作動物質により治療可能であ る。同じように、心室不整脈は、また、心臓のムスカリンAChRの活性によっ て影響される。高血圧は、例えば、刺激に対する交感神経系の感受性を制御する ことによって、または異常が圧覚受容器接合部または延髄路に存在する個人の治 療において、ARIA拮抗物質を用いて治療可能である。 ARIAは、また、記憶亢進剤として、特に老若の患者において有用である。 ムスカリンAChRを遮断するアトロピンおよびスコポラミンは、記憶喪失をも たらす。コリン様物質(ニコチン性、並びにムスカリン受容体を活性化する)は 、あらゆる年齢層において記憶動作を亢進する。かくして、イオンチャンネルレ ベルを増加することによって、ARIAは、記憶および認識機能を亢進するよう に作用できる。 また、ニコチンそれ自体は、認識亢進剤である。ARIAは、多くのニコチン 性受容体を増加することによって、ニコチンに対する“渇望”を排除できる。 そのような病気の治療においては、化学シナプスにおける機能的イオンチャン ネルのレベル増加が望まれる環境において、ARIA作動物質を投与することは 好ましいであろう。“作動物質”は、ARIA、適切な同族体、あるいは、通常 ARIAに関連する生物学的応答の少なくとも一つを促進することができるAR IAまたはARIA同族体ペプチドを言及する。例えば、ARIAの部分タンパ ク分解消化は、小さいペプチドを生じ、そのあるものは、ニコチン性AChR合 成を誘導できる。かくして、ARIAの断片は、ARIA作動物質として働く。 ヘレグリン、NDFおよびそれらの部分、並びに他のEGF様のタンパク質また はEGF様のドメインは、また、適切な作動物質であり得る。 その他の例では、ARIA拮抗物質、例えば、ARIAの正常作用の少なくと も一つを遮断するARIAまたはARIA同族体の変異形を、投与することが望 ましい。そのような戦略は、癲癇のように、イオンチャンネルの活性増大によっ て顕われる神経学的疾病の治療の一部でもある。かくして、ARIA拮抗物質を 用いる治療は、イオンチャンネルを下方調整することができる。ARIA拮抗物 質の存在においては、ARIAは、通常ARIAに関連する生物学的応答を仲介 する力を低下した。ARIA拮抗物質の使用と同様に、抗ARIA抗体は、機能 的イオンチャンネルのレベルを減少させるために使用できる。 本発明は、利用可能な精製および組み換えARIAを作製することによって、 作動物質または拮抗物質のいずれかの薬物のスクリーニングに使用できるアッセ イ法の開発を可能とする。突然変異誘発、および神経栄養因子の構造研究によっ て、合理的な薬物設計が、作動物質もしくは拮抗物質として、ARIAまたはそ の部分を操作するために使用され、同じく低分子の作動物質および拮抗物質の設 計を容易にする。 タンパク質の全てまたは選ばれた一部分をコードするARIAのクローニング から得られたヌクレオチド配列が、微生物もしくは真核生物細胞の過程をへて、 ARIAの組み換え型を生成するために使用される。発現ベクターのように、遺 伝子構成物中へポリヌクレオチド配列を連結し、真核(酵母、鳥、昆虫もしくは 哺乳類)または原核(細菌細胞)生物のいずれかの宿主中へ形質転換もしくはト ランスフェクションすることが、他の周知のタンパク質、例えば、インシュリン 、インターフェロン、ヒト成長ホルモン、IL−1,IL−2、およびそれに類 するもの を生産することに使用される標準操作である。同様な操作、またはその明白な改 変が、主題の本発明による微生物手段もしくは組織培養技術にょって、組み換え ARIAもしくはその部分を作製するために使用される。 組み換えARIAタンパク質は、クローン化された遺伝子もしくはその部分を 、原核細胞、真核細胞のいずれかまたは両方での発現に好適なベクター中に連結 することによって生産される。組み換えARIAの生産のための発現媒体は、プ ラスミドおよび他のベクターを包含する。例えば、ARIAの発現のための好適 なベクターは、E.コリ(E.coli)のような原核細胞での発現に対して、 タイプ:pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来 プラスミド、pBTac由来プラスミドおよびpUC由来プラスミドのプラスミ ドを含む。 多数のベクターが、酵母における組み換えタンパク質の発現のために存在する 。例えば、YEP24,YIP5,YEP51、YEP52、pYES2および YRP17が、S.セレビシエ(S.cerevisiae)中への遺伝子構築 物の導入に有用なクローニングおよび発現媒体である(例えば、引用によって明 細書に組み込まれるBroach et al.(1983)in Experimental Manipulation of Gene Expression,ed M.Inoue Academic Press,p83、参照)。これらのベクタ ーは、pBR322oriの存在でE.コリ中で、そして酵母2μプラスミドの 複製決定基によりS.セレビシエ中で複製できる。加えて、アンピシリンのよう な薬剤耐性マーカーが使用できる。 好適な哺乳動物発現ベクターは、細菌でのベクターの増殖を助ける原核生物配 列、および真核細胞で発現される一つまたは複数の真核生物転 写ユニットの両方を含む。pcDNAI/amp,pcDNAI/neo,pR c/CMV,pSV2gpt,pSV2neo,pSV2−dhfr,pTk2 ,pRSVneo,pMSG,pSVT7,pko−neoおよびpHyg由来 のベクターが、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳動物発現ベクター の例である。これらのベクターのあるものは、pBR322のような細菌プラス ミドからの配列を用いて改変されて、原核および真核細胞の両方において、複製 および薬剤耐性選択を容易にする。あるいはまた、ウシ乳頭ウイルス(BPV− 1)またはエプスタイン・バールウイルス(pHEBo,pREP由来およびp 205)のようなウイルスの誘導体が、真核細胞におけるタンパク質の一過性発 現のために使用される。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換に使われる 種々の方法は、当業者に周知である。原核および真核生物の両方に適切な発現系 、ならびに一般的組み換え法は、、引用によって明細書に組み込まれるMolecula r Cloning A Laboratory Manual,2nd Ed.,ed.by Sambrook,Fritsch and Man iatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989)Chapters 16 and 17を参 照。 若干の例においては、バクロウイルス発現系の使用によって、組み換えARI Aを発現させることが好ましい。そのようなバクロウイルス発現系の例は、pV L由来ベクター(例えば、pVL1392,pVL1393,およびpVL94 1)、pAcUW由来ベクター(例えば、pAcUW1)およびpBlueBa c由来ベクター(例えば、pBlueBacIIIを含むβ−gal)を包含す る。 選ばれる発現系により、グリコシル化されるかまたはされないかのいずれかで ある組み換えタンパク質を得る能力を制御することができる。 ARIAの一部分の発現が望まれる場合には、発現されるべき目的の配列を含 むオリゴヌクレオチド断片に、開始コドン(ATG)を加えることが必要である 。N末端の位置におけるメチオニンが、酵素メチオニンアミノペプチダーゼ(M AP)の使用によって酵素的に開裂できることは当業者にとって周知である。M APは、E.コリ(Ben-Bassat et al.(1987)J.Bacteriol.169:751-757) およびサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimur ium )からクローン化されており、そしてその生体内活性は、組み換えタンパ ク質において証明された(Miller et al.(1987)PNAS 84:2718-1722)。それ ゆえ,N末端メチオニンの除去は、必要ならば、ARIA由来ポリペプチドをM APを生産する宿主中で発現することによって生体内で(例えば、E.コリもし くはCM89もしくはS.セレビシエ)、あるいは精製されたMAPを用いて試 験管内で(例えば、Millerらの方法)成就される。 また、ポリペプチドをコードしている配列は、異なるポリペプチドをコードし ているヌクレオチド配列を含む融合遺伝子の一部分として組み込まれることがで きる。このタイプの発現系は、ARIAの免疫原性断片を生成することが望まれ る条件下で有用である。例えば、ロータウイルスのVP6キャプシドタンパク質 は、単量体またはウイルス粒子の型のいずれかで、ARIAポリペプチドの部分 に関する免疫原性キャリヤータンパク質として使用できる。抗体が生じるべきA RIAの部分に対応するヌクレオチド配列は、後期ワクシニアウイルス構造タン パク質のコード配列を含む融合遺伝子構築物中に組み込まれて、ビリオンの部分 としてARIAの一部分を含む融合タンパク質を発現する1セットの組み換えウ イルスを生成できる。組み換えB型肝炎ビリオンが、同様にこ の役割において利用できるということは、B型肝炎表面抗原融合タンパク質を利 用する免疫原性融合タンパク質の使用によって例証された。同様に、ARIAの 一部分およびポリオウイルス・キャプシドタンパク質を含む融合タンパク質をコ ードしているキメラ構築物が一連の、ポリペプチド抗原の免疫原性を高めるため に創出される(例えば、引用によって明細書に組み込まれる欧州特許公開第0259 149号、およびEvans et al.(1989)Nature 339:385; Huang et al.(1988 )J.Viol.62:3855; Schlienger et al.(1992)J.Viol.66:2、参照)。 ARIAの目的の部分が、オリゴマーの分枝リジンコア上でのペプチドの有機 化学合成から直接得られる場合には、ペプチドに基づく免疫化のための多重抗原 ペプチド(MAP)系が利用される(例えば、引用によって明細書に組み込まれ るPosnett et al.(1988)JBC 263:1719; Nardelli et al.(1992)J.Immu nol.148:914,参照)。ARIAの抗原決定基も、また、細菌細胞によって発 現され、提供される。 免疫原性を高めるための融合タンパク質の利用に加えて、融合タンパク質も、 また、分泌を導くシグナルペプチドの使用によって、ARIAのようなタンパク 質の発現を助けるということが広く評価されている(例えば、Achstetter et al .1992 Gene 110:25,参照)。 融合タンパク質のその他の一般的使用では、融合タンパク質のポリペプチド部 分をコードしている付加的な配列をもつ融合遺伝子が創出でき、精製を容易にす るであろう。例えば、ARIAの目的の部分のN末端において、ポリー(His )/エンテロキナーゼ開裂部位配列のような、精製リーダ一配列をコードしてい る融合遺伝子は、Ni2+メタル樹脂を用いるアフィニティークロマトグラフィー により、発現されたARIA 融合タンパク質の精製を容易にさせる。次いで、精製リーダー配列は、続くエン テロキナーゼによる処理によって除去される(例えば、引用によって明細書に組 み込まれるHochuli et al. 1987 J.Chromatography 411:177;Janknecht et al.PNAS 88:8972,参照)。 融合遺伝子作製の技術は、周知である。本質的に、異なるポリペプチド配列を コードしている種々のDNA断片の結合は、慣用的方法、連結のための平滑末端 もしくはスタッガー末端の使用、適切な末端を提供するための制限酵素消化、好 適な接着末端のフィリング・イン、望ましくない結合を避けるためのアルカリホ スファターゼ処理、および酵素的連結により遂行される。あるいは、融合遺伝子 は、自動DNA合成機を用いる慣用的方法によって合成できる。 さらに、種々のARIAペプチドおよびDNA分子は、また、当業者によって 評価されるように、より詳細に説明されるこれらのペプチドおよびDNA分子と 等価であるように意図される。例えば、イソロイシンもしくはバリンによるロイ シンの、グルタミン酸によるアスパラギン酸の、セリンによるスレオニンの、分 離置換、あるいは構造的に関連するアミノ酸によるアミノ酸の同様の置換(すな わち、同類変異)は、得られる分子の生物活性に大きな影響を与えないであろう と考えるのは合理的である。同類置換は、それらの側鎖において関係のある1群 のアミノ酸の内で起きるものである。遺伝的にコードされるアミノ酸は、4群に 分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジ ン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イ ソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;およ び(4)非荷電極性=グリシン、アスパラギ ン、グルタミン、シスチン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン 、トリプトファンおよびチロシンは、時に芳香族アミノ酸として一緒に分類され る。同様な方法で、アミノ酸類は、次のように群分けされる:(1)酸性=アス パラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン; (3)脂肪族=グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン 、スレオニン、またセリンとスレオニンは、場合により脂肪族・ヒドロキシルと して別に分けられる;(4)芳香族=フェニルアラニン、チロシン、トリプトフ ァン;(5)アミド=アスパラギン、グルタミン;および(6)硫黄含有=シス テインおよびメチオニン(例えば、Biochemistry,2nd ed.Ed.by Stryer,WH Freeman and Co.:1981,参照)。ペプチドのアミノ酸配列における変化が、機能 的ARIA同族体を生じるか否かは、野生型ARIAと同様の方法で、細胞にお ける応答を生じる変異体ペプチドの力を評価することによって容易に決定される 。1個以上の置換が起きたペプチドは、同じ方法で容易に試験される。 45kDタンパク質ヘレグリン−α(HRG−α)は、mRNA由来のMDA −MB231細胞ライブラリーからクローン化されたことが近年報告されている 。その上、関連HRGをコードしている数種の相補的DNAクローンが、また同 定され、全てのHRGが、表皮増殖因子(EGF)ファミリーにおけるタンパク 質に、ある程度類似であった(引用によって明細書に組み込まれるHolmes et al .1992 Nature 256:1205)。 形質転換ラット繊維芽細胞によって分泌される44kD糖タンパク質、Neu 分化因子(NDF)と言われる、は、クローン化され、発現されたことも報告さ れている(引用によって明細書に組み込まれるWen et a l.1992 Cell 69:559)。 クローン化された神経栄養因子ARIAのアミノ酸配列は、ラットNDFおよ びヘレグリンの両方、特にヘレグリン−β1と高い配列相同性を示す。ニワトリ 脳から単離された神経栄養因子の形は、糖タンパク質として生体内に存在すると 思われ、13%SDS−ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動クロマトグラフィ ーにおいて、40kD〜45kDの範囲の見掛けの分子量をもつ。ラットNDF およびヒト・ヘレグリンのように、ニワトリおよびラットの両方で同定されたA RIAは、EGF様のドメインと同様にイムノグロブリン様ドメインを担持する 。しかしながら、ARIAは、また、細胞外ドメインのアミノ末端側半分に、ア ミノ酸残基の2伸長部、ここではNex−1およびNex−2と言われるが、を 含有し、ラットNDFおよびヒト・ヘレグリン、ならびにSDGFおよびグリア 細胞成長因子を含む他の成長因子および***促進因子、の対応するアミノ酸位置 とは配列において差があり得る。 実施例7および8に記載されるように、ニワトリARIAクローンまたはラッ トNDFクローンのいずれかで決定されたヌクレオチド配列に向けられるプロー ブを用いて、ラット脊髄mRNAが、逆転写され、CDNAがPCRによって増 幅された。1例においては、230bp断片が、増幅され、細菌融合発現系中に クローン化された。PCR断片の配列は、ニワトリから精製されたARIA、な らびにヘレグリン−βと本質的に相同性を示した。ニワトリARIAのEGF様 アミノ酸配列に対応するこの断片は、発現され、単離され、そして筋細胞培養に 適用された。このラットARIA断片は、ニワトリ脳から単離されたARIAに ついて観察されたように、p185のリン酸化を起こす。ラットARI AのEGF様ドメインは、配列においてヘレグリン−βと非常に相同的であるが 上述の主張と一致して、ニワトリARIAのNex−1およびNex−2におお よそ対応するヌクレオチドの位置において、ラットNDFおよびヘレグリンとは 配列において相違するようである。この観察を支持する証拠は、ラットNDFお よびヘレグリンメッセージの5’配列が、脊髄には存在しないことを示す、他の 反応においてラットARIAに好適に結合することを明らかにされた3’プロー ブとの結合において、NDFまたはヘレグリンの5’配列に基づいて、PCRプ ライマーが配列(特にIg−様ドメインをコードしているヌクレオチドに対して 5’)を増幅する能力の欠如を示すことである。 かくして、本発明の神経栄養因子は、EGF様のアミノ酸配列およびニューロ ン細胞、好ましくは神経細胞において発現される神経栄養因子遺伝子のエキソン の少なくとも一部分によってコードされたアミノ酸配列を含有する。その因子は 、また、イムノグロブリン様ドメイン、トランスメンブラン・ドメインおよび細 胞質体ドメインを含有する。機能的イオンチャンネルの合成の誘導に関するその 因子の生物学的活性は、タンパク質のEGF様ドメインを必要すると信じられる 。ニワトリからクローン化されたARIAの全体の“ドメイン”構造は、図2に 示され、種々のラットクローンのドメイン構造は、この描写と一致する。 マイトジェンのEGFファミリーのシステイン結合コアアミノ酸配列は、共通 配列CY1CY2CY3CY4CY5Cを有し、式中、Cは、システインであり、Y 1は、同じかまたは異なる7アミノ酸を表し、Y2は、同じかまたは異なる4〜 5アミノ酸を表し、Y3は、同じかまたは異なる10〜13アミノ酸を表し、Y4 は、いかなるアミノ酸を表してもよ く、そしてY5は、同じかまたは異なる8アミノ酸を表し、また一般に長さ36 〜40残基である。システイン残基のこの一般的配置に基づき、密接に関連する モチーフ、EGF様モチーフと言われるが、は、多数のタンパク質において同定 されている。本明細書で使用されるように、EGF様アミノ酸配列は、一般式C X1CX2CX3CX4CX5Cによって表されるようなEGF様モチーフを示す配 列であり、式中、Cは、システインであり、X1は、同じかまたは異なる4〜1 4アミノ酸を表し、X2は、同じかまたは異なる3〜8アミノ酸を表し、X3は、 同じかまたは異なる4〜14アミノ酸を表し、X4は、いかなるアミノ酸でもよ く、そしてX5は、同じかまたは異なる8〜14アミノ酸を表す。EGF様アミ ノ酸配列の例は、配列番号2,4および26−43に示される。 ニューロン細胞で発現されるアミノ酸配列は、Nex−1およびNex−2ア ミノ酸配列を含み、上述したように、NDFおよびヘレグリンと比べて、配列に おいて著しい差があり得る。Nex−1およびNex−2が、異なるスプライシ ングによって、生じているらしい。ニワトリおよびラットの両方からクローン化 されたARIA同族体の多様性によって例示されるように、神経系の細胞の集団 内で、他のエキソンが、他のARIA同族体において置換されたのかもしれない 。 さらに、本発明は、ARIAの組み合わせ変異体のセットを作出する方法を意 図し、ARIA受容体への結合において機能的である潜在的変異配列(例えば、 同族体)を同定するために特に有用である。そのような組み合わせライブラリー をスクリーニングする目的は、例えば、作動物質または拮抗物質のいずれかとし て働き得るか、あるいはまた新規の活性を全て一緒に保持する、新規のARIA 同族体を作出することであ る。例示するために、新規なEGF様ドメイン(例えば、ARIA中に天然には 存在しないもの)が、本方法によって作製され、ARIAに関連する活性の少な くとも一部分を、まだなお保有するARIA受容体へのより効率的な結合を提供 することができる。かくして、組み合わせにより得られた同族体は、自然界に存 在するARIAに比べて増加された力をもつように作出される。同様に、ARI A同族体は、本組み合わせによるアプローチによって作出され、まだいかなる生 物学的応答を誘導していないARIA受容体に、拮抗物質として作用するために 結合でき、それによって、ARIAの、またはARIA作動物質の作用を遮断す る。その上、本方法によるARIAのあるドメインを操作して、融合タンパク質 、例えば、細胞外基質から得られ、および/または細胞外基質構成分に由来する 他のタンパク質の部分を組み込んだもの、における使用により適したドメインを 提供できる。 明細書に記載のように、ARIAは、ニワトリおよびラットを含む数種の起源 からクローン化されており、いずれの種からのARIAも、ヒト筋管におけるイ オンチャンネル形成の誘導に活性があることが分かった。さらに、上記のように 、cDNA由来のアミノ酸配列が、ARIAと共通の祖先を示すように、十分類 似である他の見掛け上の栄養因子に利用できるようになる。これらの関連タンパ ク質は、EGF様ドメインとイムノグロブリン様ドメインを含む類似のドメイン 構造をもつ。興味あることには、ARIAの変異体は、EGF様ドメイン(配列 番号27および29)のC5システインの代わりに位置する終止コドンを含む脊 髄および小脳の両mRNAライブラリー由来のニワトリmRNAからクローン化 され、端を切り取ったARIAタンパク質を生じる。そのよう なARIAの端を切り取った変異体の役割は、不明であるが、そのような変異が 、ARIAの拮抗物質的変異体を生じるかも知れない。 本方法の一つの態様においては、ARIA変異体または他の関連タンパク質の 集団についてのアミノ酸配列は、好ましくは可能性の最も高い相同性を発揮する ように一列に並べられる。そのような変異体の集団は、例えば、天然に存在する ARIAおよび一つまたは複数の種からのARIA同族体、並びに細胞において ARIA様応答を誘導する能力をもつとして、知られるか、期待される、ヘレグ ニリンファミリー由来のもののような他のタンパク質のアミノ酸配列を含む。一 列に並べられた配列の各位置に現れるアミノ酸は、組み合わせ配列の退化セット を創出するために選択される。 より好適な実施態様においては、組み合わせARIAライブラリーは、各々が 、潜在的なARIA配列の少なくとも一部分を含むポリペプチドのライブラリー をコードしている遺伝子の縮重ライブラリーの方法によって生成される。合成オ リゴヌクレオチドの混合物は、潜在的ARIA配列の退化セットが、個々のポリ ペプチド(例えば、独立したEGF様のドメイン)、または、そこにARIA配 列のセットを含む大きな融合タンパク質のセット、として発現し得るように、遺 伝子配列中に酵素的に連結される。 図3に例示したように、変異体の集団の配列を解析して、興味あるアミノ酸配 列が、配列相同性に比べて一列に並べられる。特定の変異体の一列に並べられた 配列からのアミノ酸の有無が、実在でも人工的でもよい参考配列の選ばれた共通 の長さと関連している。配列の並びにおいて最高の相同性を維持するために、参 考配列と関連する変異体の配列にお ける欠失が、アミノ酸空白(*)によって表され、一方、参考配列と関連する変 異体における挿入変異は、無視され、並べられる場合に変異体の配列から除かれ る。例えば、図3は、異なる種からのARIAの種々のクローン化された型のい くつかのEGF様ドメインの一列の並びを含む。その配列は、各変異体に存在す る保存システイン残基によって一列に並べられる。図3に示されるARIAクロ ーンのEGF様ドメインのみの並び方(アラインメント)の解析により、一般式 : または [式中、Xaa(1)はAsp,またはAla;Xaa(2)はIle,または Glu:Xaa(3)はGln,またはGlu:Xaa(4)はAla,または Thr:Xaa(5)はGlu,またはGly;Xaa(6)はTyr,または Phe;Xaa(7)はMet,またはThr:Xaa(8)はPro,または Ser;Xaa(9)はAsn,またはSer;Xaa(10)はPro,また はSer;Xaa(11)はArg,またはLys;Xaa(12)はPro, またはSer,である]によって表される潜在的EGF様配列を含むポリペプチ ドの退化ライブラリーの作出が行われる。 組み合わせライブラリーの一層の拡張が、例えば、並べられた変異体の一つま たは多数の退化位置における保存変異を表すアミノ酸を含むこ とによって作られる。 そのような保存変異体の封入は、式: または [式中、Xaa(1)はAsp,Ala,Glu,Val,Leu,Ile,G ly,Ser,またはThr;Xaa(2)はIle,Glu,Asp,Gly ,Ala,Val,Leu,Ser,またはThr;Xaa(3)はGln,G lu,Asn,またはAsp;Xaa(4)はAla,Thr,Gly;,Va l,Leu,Ile,またはSer;Xaa(5)はGlu,Gly,Asp, Ala,Val,Leu,Ile,Ser,またはThr;Xaa(6)はTy r,Phe,またはTrp;Xaa(7)はMet,Thr,Ser,Gly, Ala,Val, Leu,またはIle;Xaa(8)はPro,Ser,G ly,Ala,Val,Leu,Ile,またはThr;Xaa(9)はAsn ,Ser,Gln,Gly,Ala,Val,Leu,Ile,またはThr; Xaa(10)はPro,Ser,Gly,Ala,Val,Leu,Ile, またはTr;Xaa(11)はArg,Lys,またはHis:Xaa(12) はPro,Ser,Gly,Ala,Val,Leu,Ile,またはThrで ある]によって表される潜在的イオンチャンネル誘導活性をもつライブラリーを 生じることができる。 その他の実施態様においては、ヘレグリンおよびneu分化因子(NDF)の 配列は、変異体集団に包含され、組み合わせARIAライブラリーを作出するの に使用される。いくつかの例においては、α型EGF様ドメインのC5−C6配列 が、ARIAとはるかに相違することにおいて、β型EGF様ドメイン(例えば 、HRG−βおよびNDF−β)のみを含むことが望まれる。しかしながら、各 々、図3に示されるヘレグリン、NDF)ならびにヘパリン結合EGF様成長因 子(HB−EGF)、アムフィレグリン(amphiregulin,AREG )および神経鞘腫由来の成長因子(SDGF)の封入により、一般式: または [式中、Xaa(1)はAsp,Ala,Leu,またはAsn;Xaa(2) はIle,Glu,Arg,またはAla;Xaa(3)はLys,またはGl u;Xaa(4)はGln,Glu,Tyr,またはPhe;Xaa(5)はL ys,またはGln:Xaa(6)はAla,Thr,Asp,またはAsn; Xaa(7)はPhe:Xaa(8)はVal,またはIle;Xaa(9)は Asn,またはHis:Xaa(10)はGly,またはアミノ酸空白;Xaa (11)はGlu, またはGly;Xaa(12)はTyr,Phe,Lys,またはArg;Xa a(13)はMet,Thr,またはTyr;Xaa(14)はVal,または Ile;Xaa(15)はLys;またはGlu;Xaa(16)はAsp,G lu,His,またはAsn:Xaa(17)はLeu;Xaa(18)はPr o,Ser,Arg,またはアミノ酸空白;Xaa(19)はAsn,Ser, Ala,またはアミノ酸空白;Xaa(20)はPro,またはアミノ酸空白: Xaa(21)はPro,Ser,またはGlu;Xaa(22)はArg,A la,Val,またはアミノ酸空白;Xaa(23)はTyr,Val,または アミノ酸空白;Xaa(24)はLeu,Thr,またはアミノ酸空白;Xaa (25)はArg,Lys,Ile,またはHis;Xaa(26)はPro, Ser,Gln,またはHis;Xaa(27)はAsn,Pro,またはGl n;Xaa(28)はGlu,Gly,またはAsp;Xaa(29)はPhe ,またはTyr;Xaa(30)はThr,His,またはPhe:そしてXa a(31)はAsp,Ala,またはGluである]の組み合わせライブラリー を生成する。 この文において、an amino acid gap(アミノ酸空白)は、得られるペプチドか らのそのアミノ酸位置の欠失を意味するものと理解される。例えば、上記文中、 Xaa(8)is Val,Xaa(9)is Asn,and Xaa(10)is an amino acid gap.EGF様配 列のその部分は、Xaa(10)が、グリシン残基である場合には、−Cys− Val−Asn−Gly−Gly−よりむしろ、式−Cys−Val−Asn− Gly−をもつであろう。 同様に、EGFおよびTGF−α配列の封入によって提供される退化 は、一般式: または [式中、Xaa(1)はAsp,Ala,Leu,Asn,またはPro;Xa a(2)はIle,Glu,Arg,Ala,Leu,またはAsp:Xaa( 3)はLys,Glu,またはSer;Xaa(4)はGln,Glu,Tyr ,Phe,またはHis;Xaa(5)はLys,Gln,Asp,またはTh r;Xaa(6)はAla,Thr,Asp,Asn,Gly,またはGln; Xaa(7)はPhe,またはTyr;Xaa(8)はVal,Ile,Leu ,またはPhe;Xaa(9)はAsn,またはHis;Xaa(10)はGl y,アミノ酸空白,またはAsp;Xaa(11)はGlu,Gly,Val, またはThr;Xaa(12)はTyr,Phe,Lys,Arg,またはMe t;Xaa(13)はMet,Thr,Tyr,Phe;Xaa(14)はVa l,Ile,またはLeu;Xaa(15)はLys,Glu,またはVal; Xaa(16)はAsp,Glu,His,Asn,Ala,またはGln;X aa(17)はLeu,またはGlu;Xaa(18)はPro,Ser,Ar g,またはアミノ酸空白;X aa(19)はAsn,Ser,Ala,またはアミノ酸空白;Xaa(20) はPro,またはアミノ酸空白;Xaa(21)はPro,Ser,Glu,ま たはAsp;Xaa(22)はArg,Ala,Val,アミノ酸空白,または Lys;Xaa(23)はTyr,Val,アミノ酸空白,またはPro;Xa a(24)はLeu,Thr,アミノ酸空白,またはAla;Xaa(25)は Arg,Lys,Ile,His,Asn,またはVal;Xaa(26)はP ro,Ser,Gln,His,またはVal;Xaa(27)はAsn,Pr o,Gln,Val,またはSer;Xaa(28)はGlu,Gly,または Asp;Xaa(29)はPhe,またはTyr;Xaa(30)はThr,H is,Phe,Ile,またはVal;そしてXaa(31)はAsp,Ala ,またはGlu]をもつEGF様ドメインの組み合わせライブラリーを生成する 。 しかしながら、細胞においてARIA様応答を誘導するEGFおよびTGF−α の能力が、試験され、無視できることが分かったので、そのような組み合わせラ イブラリーは、ARIA拮抗物質ならびにARIA受容体を結合できないペプチ ドの有意な集団をもつと思われる。前者は、以下に記すように、パニング(pann ing)アッセイにおいてそのような受容体を結合するその能力によって、後者か ら分離できる。 その他の実施態様において、縮重配列ライブラリーは、EGF様配列の一般的 制限内に、C1およびC2、並びにC5およびC6の間に、完全にランダムに作 られる。それは、これらの配列が、ARIA、並びにヘレグリンおよびNDFの 、ニワトリおよびラットのクローン間では、非常に異なるからである。そのよう なライブラリーは、一般式: [式中、Xaa(1)はGlu,またはGly;Xaa(2)はTyr,または Phe:Xaa(3)はMet,またはThr;Xaa(4)はPro,または Ser;Xaa(5)はAsn,またはSer;Xaa(6)はPro,または Ser;Xaa(7)はArg,またはLys;Xaa(8)はPro,または Ser;Zは、同じかまたは異なる4〜14アミノ酸を表し、そしてX5は、同 じかまたは異なる8〜14アミノ酸を表す] によって表すことができる さらにその他の実施態様においては、全ての可能なEGF様配列は、それらの 天然に存在するそれらの代わりに、ARIA中に置換され、その組み換え分子は 、活性について試験される。そのような実施態様においては、ARIAのEGF 様ドメインは、先に挙げたような一般式、CX1CX2CX3CX4CX5C[式中 、Cは、システインであり、X1は、同じかまたは異なる4〜14アミノ酸を表 し、X2は、同じかまたは異なる3〜8アミノ酸を表し、X3は、同じかまたは異 なる4〜14アミノ酸を表し、X4は、いかなるアミノ酸でもよく、そしてX5は 、同じかまたは異なる8〜14アミノ酸を表す。]によって表される。 同様にして、ARIA同族体の大部分は並べられ、潜在的ARIA同族体の組 み合わせライブラリーを創出するために使用される。例示する実施態様において は、組み合わせライブラリーは、Ig様ドメインから EGF様ドメインを通しての配列を含んで作出される。 潜在的ARIA同族体のライブラリーが、退化オリゴヌクレオチド配列から作 出される方法は、多数ある。退化遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合成機に おいて実施され、次いで、その合成遺伝子は、発現のために適切な遺伝子に連結 される。遺伝子の退化セットの目的は、一つの混合物中で、潜在的ARIA配列 の目的のセットをコードしている配列の全てを提供することである。退化オリゴ ヌクレオチドの合成は、当業者にとって公知であり、(例えば、Narang,SA(19 83)Tetrahedron 39:3; Itakura et al.(1981)Recombinant DNA,Proc 3rd Cleveland Sympos.Macromolecules,ed.AG Walton,Amsterdam: Elsevier pp 273-289;Itakura et al.(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakura et a l.(1984)Science 198:1056; Ike et al.(1983)Nucleic acid Res.11:477 、参照)そのような技術は、他のタンパク質の直接の進化に使用される(例えば 、Scott et al.(1990)Science 249:386-390; Robert et al.(1992)PNAS 89:2429-2433; Devlin et al.(1990)Science 249:404-406; Cwirla et al .(1990)PNAS 87:6378-6382;米国特許第5,223,409、5,198,346、5,096,815号 、参照)。 点突然変異によって作られる組み合わせライブラリーの遺伝子産物をスクリー ニングするため、そしてある性質を有する遺伝子産物についてcDNAライブラ リーをスクリーニングするための広範囲の技術が当業者に既知である。そのよう な技術は、一般に、ARIAおよび関連タンパク質の組み合わせ突然変異誘発に よって作られる遺伝子ライブラリーの急速スクリーニングに応用される。大きい 遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために、最も広範囲に使用される技術 は、典型的には、 複製可能な発現ベクター中へ遺伝子ライブラリーをクローニングすること、得ら れるベクターのライブラリーを用いて適切な細胞を形質転換すること、および目 的の活性の検出が、その遺伝子産物が検出された遺伝子をコードしているベクタ ーの単離を、比較的容易にする条件下で組み合わせ遺伝子を発現させること、を 包含する。以下に記載の例示アッセイの各々は、組み合わせ突然変異誘発技術に よって作られた多数の退化ARIA配列を、スクリーニングするために必要な高 度なスループット(througt-put)分析に受け入れられる。 一つの実施態様では、組み合わせライブラリーは、分泌されるようにデザイン され(例えば、ライブラリーのポリペプチドの全ては、シグナル配列を含むが、 トランスメンブレンまたは細胞質体ドメインは含まない)、そして筋細胞との混 合培養ができる真核細胞のトランスフェクションに使用される。組み合わせライ ブラリーを発現する細胞によって分泌される機能的ARIAは、近くの筋細胞に 拡散し、AChRの形成を誘導する。AChRエピトープに対する抗体を用いる 、AChR誘導の検出パターンは、勾配機能(gradient function)に類似する であろう、活性ARIA同族体を生成する細胞の単離(一般に、数回の繰り返し 選択の後)を可能にするであろう。同様に、ARIA拮抗物質は、培養培地に添 加されたARIAの影響から近接細胞を保護するための、細胞が機能的拮抗物質 を生産する能力によって、同じ方法で選択される。 例示すれば、標的細胞(例えば、ラットL6筋細胞)が、24穴ミクロタイタ ープレートで培養される。CHO細胞は、組み合わせARIA遺伝子ライブラリ ーを用いてトランスフェクションされ(例えば、下記のようにプラスミドpcD NA/amp中にクローン化される)、ミク ロタイタープレートの穴の中に適合する細胞培養挿入物(cell culture insert )(例えば、Collaborative Biomedical Products,Catalog#40446)において培 養される。細胞培養挿入物は、その挿入物中の細胞によって分泌される組み換え ARIA同族体が、挿入物の穴の空いた底を通して拡散し、ミクロタイタープレ ートの標的細胞に接触するように、その穴の中に置かれる。標的細胞において測 定可能な応答が生じるまで、ARIAの機能的形成に十分な時間を経過した後、 その挿入物が、除去され、標的細胞に対するARIAの影響が測定される。例え ば、標的細胞が筋細胞であり、ARIA同族体からの目的の活性がAChRの誘 導である場合には、次に、蛍光標識されたBgTxが、その穴中の機能的ARI Aの表示法として、標的細胞でのAChR誘導を記録するために使用される。活 性についてポジティブを記録した穴に対応する挿入物からの細胞が、分離され、 いくつかの挿入物で再培養され、その過程が、活性クローンが同定されるまで繰 り返される。 なおその他のスクリーニングアッセイにおいては、候補のARIA遺伝子産物 は、細胞またはウイルス粒子の表面に広げられ、この遺伝子産物を通してARI A結合タンパク質(ARIA受容体のような)を結合する、特定の細胞またはウ イルス粒子の能力が、パニングアッセイ(panning assay)によって検出される 。例えば、候補のARIA配列をコードしている発現ベクターは、特定のARI A結合タンパク質(ARIA受容体のような)に、通常は有意には結合しない細 胞をトランスフェクションするために使用される。例えば、その遺伝子ライブラ リーは、細菌細胞の表面膜タンパク質の遺伝子中にクローン化され、その得られ る融合タンパク質が細菌の表面に検出される(Ladner et al.WO 88/06 630; Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370-1371; Goward et al.(1 992)TIBS 18:136-140)。その他の実施態様においては、ARIAのトランスメ ンブランドメインは、組み合わせライブラリーが膜に結合されるように、候補の ARIA遺伝子中に含まれる。膜結合タンパク質の発現を評価するためのリガン ドアフィニティーまたはパニング(panning)法も、よく確立されている(Aruff o et al.(1987)PNAS 84:8573;Seed et al.(1987)PNAS 84:3365;Kiefer et al.(1990)PNAS 87:6985)。そのようなパニングアッセイは、ARIA同 族体、例えば、p185HERB4の細胞外部分、を提示する隔離細胞に働くすべて の不溶化基質を用いて実施できる。同様にして、ARIAを結合する蛍光標識分 子が、潜在的な機能的ARIA同族体を記録するために使用される。細胞は、蛍 光顕微鏡下で、肉眼で観察され、分離されるか、または細胞の形態が区別できる 場合には、蛍光活性化細胞ソーターによって分離される。 なおその他の実施態様においては、遺伝子ライブラリーは、ウイルス粒子の表 面に融合タンパク質として発現される。例えば、繊維状ファージ系において、外 来ペプチド配列は、感染性ファージの表面に発現され、それによって二つの重要 な利点を与える。第1には、これらのファージは、非常に高濃度でアフィニティ ー基質に適用できるので、多数のファージが一度にスクリーニングできる。第2 には、各感染性ファージは、その表面に組み合わせ遺伝子産物をコードしている ので、もし特定のファージが低収率でアフィニティー基質から回収される場合で も、そのファージは、別の回の感染によって増殖できる。ほとんど同一なE.コ リ繊維状ファージM13,fdおよびflの群は、最も頻繁にファージ・ディ スプレーライブラリーに使用されるが、これは、同様にファージgIIIまたは gVIIIコートタンパク質のいずれかが、ウイルス粒子の完全なパッケィジン グを破壊することなく融合タンパク質の作出に使用できるからである。(Ladner et al.PCT publication WO 90/02909; Garrard et al.PCT publication WO 92/09690; Marks et al.(1992)J.Biol.Chem.267:16007-16010; Griffth s et al.(1993)EMBO J 12:725-734; Clackson et al.(1991)Nature 352: 624-628; Barbas et al.(1992)PNAS 89:4457-4461)。 例示すれば、組み換えファージ抗体系(RPAS,Pharmacia Catalog No.27-9400 -01)は、本ARIA組み合わせライブラリーの発現およびスクリーニングにお ける使用のために、容易に改変することができる。例えば、RPASキットのp CANTAB5ファージミド(phagemid)は、ファージgIIIコート タンパク質をコードしている遺伝子を含む。ARIA組み合わせ遺伝子ライブラ リーは、gIII融合タンパク質として発現するようなgIIIシグナル配列に 隣接するファージミド中にクローン化される。連結後、ファージミドは、受容能 のあるE.コリTG1細胞を形質転換するために使用される。形質転換細胞は、 続いて、M13K07ヘルパーファージにより感染させて、ファージミドおよび その候補ARIA遺伝子挿入断片を救援する。得られる組み換えファージは、特 定の候補ARIAをコードしているファージミドDNAを含み、対応する融合コ ートタンパク質の一つまたは多数のコピーを提示する。ARIA受容体を結合で きるファージ提示された候補ARIAは、選択されるか、またはpanning によって増やされる。例えば、ファージライブラリーは、培養された骨格筋細胞 (例えば、ラットL6 細胞、ATCC CRL1458)に、4℃(エンドサイトーシスを防ぐために )で適用され、結合しないファージが細胞から洗い落とされる。次いで、結合さ れたファージが単離され、組み換えファージが、少なくとも一つの野生型gII Iコートタンパク質を発現していれば、それらは、E.コリ感染能を保持するで あろう。かくして、E.コリの再感染回数を継続し、panningが、ARI A同族体を多量に増加させ、次いで、それらは、作動物質および拮抗物質を区別 するために生物学的活性についてスクリーニングされる。 また、ARIAの作用機作は、ARIA処理に感受性の細胞に存在する185 kD(p185)タンパク質のチロシンリン酸化に強く関係すると考えられるこ とが分かった。ニワトリ、ラット、生後マウスおよびヒト筋溶解物のウエスタン ブロットが、ARIA処理された細胞から得られ、抗ホスホチロシン抗体により 現像され、ARIAが、p185のリン酸化を誘導することが示された。意義あ ることは、ARIA誘導されるp185のリン酸化は、筋細胞を含まないニワト リ繊維芽細胞には観察されない。同様なARIAによる繊毛神経節の処理では、 p185のリン酸化を生じる。 EGF,PDGFおよびインシュリンは、全てニワトリ筋タンパク質のチロシ ンリン酸化を促進するが、リン酸化されたタンパク質は、p185とは容易に区 別される。EGF,CSF1およびNGFは、何の作用もしなかった。これらの 因子のどれも、ARIAと同じバンドのリン酸化を誘導しなかった。さらに、そ の因子のどれも、細胞の表面膜におけるAChRの合成を増大しなかった。アグ リン(agrin)、AChRの凝集を促進するがAChRの合成を促進しない ことが既に知られ ているタンパク質、は、同じくp185のリン酸化には作用しなかった。 ARIA誘導されるリン酸化は、急速で、一過性であり、明瞭な抗体染色バン ドが、ARIAによる細胞処理の1分間以内に目視された。クロマトグラフィー 精製の各段階で、p185のリン酸化は、受容体挿入バイオアッセイによってA RIAポジティブと記録されるARIA画分と高度に関係していた。受容体バイ オアッセイによるポジティブな画分とp185リン酸化の間の相互関係に加えて 、両活性は、殆ど同一の用量応答曲線を示した。スラミン(suramin)、 それらの受容体への多くの成長因子の結合を妨害するとして知られる薬物は、新 しいα−BTX結合部位の発生ならびに同じ用量依存によるp185リン酸化の 両方をブロックした。重要なことは、スラミンが、同じ用量範囲におけるテトラ ドトキシン(TTX)に誘導されるAChR合成には作用しないことである。 ARIAは、p185の細胞外ドメインに結合すると思われるが、これは、約 400kD(p185二量体プラスARIA)および約220kD種(p185 プラスARIA)を形成する、2種のタンパク質の明らかな架橋によって証明さ れる。 p185がチロシンキナーゼであり、p185へのARIAの結合およびp1 85の最終的リン酸化が、ニコチン性AChRサブユニット発現の観察された制 御に類似の機作によるように、イオンチャンネルを最終的に制御する、ARIA 誘導カスケードにおける最初の段階の一つであることが、最も高い可能性をもつ 。 p185シグナルが、neuプロトオンコジーンタンパク質のリン酸化に関与 できるか否かを決定する目的で(Yarden et al.1988 Annu.R ev.Biochem.57:443)、全てのARIA誘導リン酸化バンドが、抗neu抗体 によって沈降される能力について試験されたが、ARIA処理細胞のneuを沈 降させるような抗Ptyr抗体の能力と同様であった。ラットneuタンパク質 を免疫沈降できる2種のモノクローナル抗体(Oncogene Science Inc.,Catalog No.OP15(Ab3)およびOP16(Ab4))が、これらの実験に使用された:Ab3(n euの細胞内ドメインに対するIgG)およびAb4(細胞外ドメインに対する IgG)。 L6細胞は、ニワトリ脳の精製ARIAを用いて1時間処理された。処理細胞 および対照細胞が、1%NP−40,150mMNaCl,1mMオルトバナジ ン酸およびプロテアーゼ阻害剤を含むトリスバッファー溶液(pH8)で溶解さ れた。不溶性成分は、遠心によって除去され、上澄液は、1)アガロースビーズ に結合された抗Ptyr、2)Ab3およびタンパク質−Gアガロースビーズ、 または3)Ab4およびタンパク質−Aアガロースビーズのいずれかとともにイ ンキュベートされた。 抗Ptyr抗体によるp185の免疫沈降は、定量的であるが、いずれかの抗 neu抗体によるneuタンパク質の免疫沈降はそうではないことを試験結果は 示唆する。従って、上澄液からneuタンパク質の定量的除去を達成するために 、抗体の新鮮なバッチを用いて、3回連続(各3時間)インキュベートした。そ の後、ビーズおよび上澄液の各バッチが、p185およびneuタンパク質の存 在について、ウエスタンブロットによって試験された。 抗Ptyrは、対照細胞からのいかなる検出可能な量のneuをも沈降させな かったが、若干のneuシグナルは、処理細胞の沈降物で検出された。しかしな がら、neuシグナルのほとんどは、上澄液に残って いるが、全てのリン酸化されたp185シグナルは、ビーズによって除去された 。 抗neu抗体を用いて、本発明者らは、上澄液からneuタンパク質を定量的 に除去することができた。どちらの場合においても興味あることは、p185シ グナルが完全には除去されないことである。Ab4の場合において、若干のp1 85シグナルは、初回のビーズによって、ごく少ない量が第2回に沈降され、そ して第3回には全く沈降しなかった。それにもかかわらず、沈降されたp185 の量は、最終の上澄液に残されたシグナルよりもはるかに少なかった。Ab3は 、処理細胞において、どんなp185シグナルの持ち込みもなしに、neuを効 果的に沈降し、実質的に全チロシンリン酸化シグナルは、上澄液に残った。 実施例1AChRバイオアッセイ 単核化細胞は、先に記載される要領で(Buc−Caron et al.、 1983 Dev.Biol. 95:378)10−12日令のニワトリヒナ の胚(E10)の胸筋から分離した。繊維芽細胞数を減らすために細胞を完全培 地中に懸濁し、そしてコーティングを施していない10mm組織培養用デッシュ (Falcon Labware社、Oxanard,.CA)中で37°Cに おいて30分間プレート培養した。未吸着細胞を回収し、そしてゼラチンコーテ ィングを施してある96ウエルマイクロテスト培養用プレート(96−well Micro Test culture plate)(Falcon La bware社)内において、ウマ血清(10% vol/vol)、グルタミン (1mM)、ペニシリン(50U/ml)、ストレプトマイシン(50 μg/ml)、およびオボトランスフェリン(40pg/ml)を補足してある 100μlのイーグル最小必須培地(Eagle’s minimal ess ential medium)中50,000/ウエルの密度でプレート培養し た。細胞には3日および5日目に100μlの培地を与えた。7日目には、60 μlの培地、もしくは10μlの検査用分画を添加してある50μlの培地を細 胞に与え、そしてAChR数を24時間後に測定した(以下を参照せよ)。アッ セイ予定のカラム分画のアリコートをSpeed−Vac遠心機(Savant Instruments、Inc.社、Hicksvills、NY)内で脱 水し、そして完全培地内に溶かした。不揮発性物質を含む試料は、Sep−pa k c18カートリッジ(Waters Associates Millipo re Corp.社、Milford、MA)内で最初に脱塩した。<1μgの 蛋白質を含む試料に10μgの、BSAを補足した。 表面のAChR数を測定するために、細胞を5nMの[125I]α−BTXを 含む完全培地内で37°Cにおいて1時間インキュベートした。2%のBSAを 含む1リットルのCa++−非含有性ハンクス平衡化塩溶液(Hank’s ba lanced salt solution)(BSS)中にそのプレートを浸 すことにより細胞を2度洗浄し、そしてその後デオキシコール酸(0.5mg/ ml)を含む150μlの1N NaOH中に溶かした。結合した[125I]α −BTXの量をガンマー計測器で測定した。10-7Mの非ラベル化α−BTXの 存在下において結合した[125I]α−BTXの量として得られる非特異的結合 を各試行から差し引いた。 表面膜内へのAChRの取り込み率をDevreotesおよびFambro ugh(1975) J.Cell.Biol 65:335(引用することに より本明細書内に取り込まれる)により記載される要領で決定した。筋肉表面に 露出される全てのレセプターを非ラベル化α−BTXで遮断した(10-7Mで3 7℃下、1時間)。細胞を完全に洗浄し、100μ1の新鮮な培地中に入れてイ ンキュベーターに戻し、そして新規の毒素結合部位数を、その時点から様々な間 隔をおいて[125I]α−BTXを添加するアッセイにより検査した。 α−BTXをクロラミン−T−触媒化反応(HunterおよびGreenw ood、1962 Nature 19:495)によりヨウ素化し、そしてモ ノヨウ化誘導体をサイズ排除(Sephadex G−10;Pharmaci a Fine Chemicals、Inc.社、Piscataway、NJ )および陽イオン交換(CM−Sephadex;Pharmacia Fin e Chemicals社)クロマトグラフィーにより精製した。既知の濃度の 非ラベル化α−BTXとの競合反応により評価したところ、モノヨウ化毒素の比 活性は様々な調製物において800および1200cpm/fモルの間の範囲に 広がっていた。 実施例2ARIAの精製 ARIAの精製は、逆相、イオン交換、およびサイズ排除クロマトグラフィー により、以下に示す段階で実施した。(1)ニワトリ成体の3000の凍結脳を ドライアイス内で押し潰し、そして−20℃下のアセトン中ですりつぶすことに より脱脂した。このスラリーをWhatma n No.54濾紙(Whatman Chemical Separatio n Inc.社、Clifton、NJ)上に回収し、ジエチルエーテル(−2 0℃)で洗浄し、そして−90℃下に保存した。抽出する際後続段階は4℃にお いて実施した。(2)残存する脳「懸濁物(mud)」を、2%のトリフルオロ 酢酸(TFA)、5%のギ酸、1Nの塩酸、0.1Mの塩化ナトリウム、0.0 1%のチオジクリコール、各1μg/mLのペプスタチン、ロイペプチン、およ びフッ化フェニルメチルスルホニル、ならびに10mMのEDTAからなる混合 液(cocktail)で酸抽出した。GSAローター(Sorvall In struments社)による6000rpm、60分間の遠心の後、上清をW hatman No.54濾紙を通して濾過した。(3)その後濾過済み抽出物 を、0.1%のTFAで予め平衡化させてあるC18樹脂上にバッチ吸着させた 。この樹脂を0.1%のTFAで洗浄し、そして樹脂に結合した物質をイソプロ ピルアルコールで溶出させた。(4)この抽出物のpHを0.1NのNaOHで 7.0に合わせ、そして遠心してすべての沈殿物を除去した。中和済み抽出物を 、25mMの4−モルホリンエタンスルホン酸(MES)(pH6)中で平衡化 させたCMセファロースカラム上でのクロマトグラフィーにかけ、そして塩化ナ トリウム(NaCl)の濃度勾配液で溶出した。(5)ARIAを含む溶出分画 のpHをTFAで3.0に合わせ、そして0.1%のTFAで平衡化させたVy dac C4逆相カラム上でのクロマトグラフィーにかけ、そしてイソプロピル アルコールの濃度勾配液で溶出した。(6)ARIA含有性分画を合わせ、そし てリン酸緩衝化食塩水(PBS)で平衡化させたヘパリン−TSKカラム上での クロマトグラフィーにかけ、 そしてNaClの濃度勾配液で溶出した。各分画を、レセプター(受容体)挿入 アッセイ(実施例1を参照せよ)によりARIAについてアッセイし、そしてま た抗−PrLP抗体を用いるウエスタンブロット分析によりCh−PrLPの存 在についてアッセイした。ARIAについては陽性を示すがCh−PrLPは陽 性でない分画を合わせた。(7)合わせた分画を、PBSで平衡化および溶出を 行うSuperdex 75 16/120ゲル濾過カラム(FPLC)上での クロマトグラフィーにかけた。(8)SuperdexカラムのARIA含有性 分画を合わせ、それを0.13%のヘプタフルオロブチル酸内で平衡化させたC 4−逆相カラム上でのクロマトグラフィーにかけ、そしてイソプロピルアルコー ルの濃度勾配液で溶出した。(9)その後ARIA含有性C4分画を合わせ、そ して0.1パーセントのTFA内で平衡化させたC18逆相カラム上でのクロマ トグラフィーにかけ、そしてTFA中のアセトニトリルの段階的濃度勾配溶出を 行った。 実施例3トリプシン断片からのPCRプライマー 実施例2のC18逆相クロマトグラフの生物活性溶出分画をレセプターバイオ アッセイによりARIAについてアッセイし、そして混入物を排除する目的で銀 染色により可視化させるSDS−PAGEによる分析を行った。適切な分画を合 わせ、そしてトリプシンで部分消化し、得られるペプチドを逆相クロマトグラフ ィーにより分離した。その後クロマトグラフ済み分画をエドマン分解法により分 析したところ、2本のクロマトグラム分画から各々単一配列が得られた。これら 各々のトリプシン断片について化学的に決定したアミノ酸配列を以下に示す。 ペプチド1: Asn-Arg-Pro-Glu-Asn-Val-Lys (配列番号5) ペプチド2: Ala-Thr-Leu-Ala-Asp-Ala-Gly-Glu-Tyr-Ala-Cys-Arg (配列番号6) これらのアミノ酸配列から、ラットのNFD(Yarden et al.) およびヒトのヘレグリン(Holmes et al.)への相同性が示された 。これらの蛋白質との配列相同性により、ペプチド1は2つのペプチドの内でよ りN−端寄りのペプチドであることが示唆された。PCRプライマーを作製する ためには、センスオリゴヌクレオチドについてはペプチド1のアミノ酸配列を基 にし、そしてアンチセンスオリゴヌクレオチドについてはペプチド2の配列を基 にした。以下に示すヌクレオチド配列を有するPCR用の一対の縮重オリゴヌク レオチドプライマーを設計した。 プライマー2S: GICCIGARAAYGTNAAG (配列番号7) プライマー2A: CKRCAIGCRTAYTCNCC (配列番号8) プライマー2Sはペプチド1のセンスコドンに相当するが、プライマー2Aは ペプチド2のアンチセンスコドンに相当する。 実施例4脊髄RNA中のARIA配列のPCR増幅 ニワトリヒナの脊髄RNAは、Chomczynski(引用することにより 本明細書内に取り込まれるChomczynskiの米国特許第4,843,1 55号;Chomczynski et al. 1 987 Anal Biochem. 162:156)のチオシアン酸グアニ ジニウム/フェノール抽出法により19−20日令のニワトリヒナの胚脊髄から 調製した。オリゴ(dT)12-18プライマーおよびモロニーマウス白血病ウイル ス(Moloney Murine Leukemia Virus)(M−M LV)の逆転写酵素(例えば、引用することにより本明細書内に取り込まれる、 Molecular Cloning.A Laboratory Manua l、Sambrook、Fritsh、およびManiatis Eds 19 89:Cold Spring Harbor Laboratory Pre ss:第5章、を参照せよ)を用いてポリアデニル化RNAを逆転写させた。基 本的には、2μlの総RNAを20μLの容量の緩衝液中で1μgのオリゴ(d T)12-18に対して30分間アニールさせた。アニール混合物を逆転写酵素緩衝 液、ジチオスレイトール(DTT、最終10mM)、および各dNTP(400 μM)で最終容量が50μLになるように希釈した。200UのM−MLV逆転 写酵素(GibCo−BRL社、Gaithersburg MD、カタログN o.8025)を添加し、そして反応物を42℃において60分間インキュベー トし、その後65℃において15分間熱による不活化を行った。 プライマー2Sおよび2Aを用いて、ニワトリヒナ脊椎のcDNAについての PCRを実施した(引用することにより本明細書内に取り込まれる、Mulli sの米国特許第4,683,202号、Norman et al.の米国特許 第4,800,159号、およびErlich et al.の米国特許第4, 965,188号を参照せよ)。簡潔に述べると、5μLの逆転写酵素混合物、 400μMの各dNTP、 1μgの各プライマー、1× Taq DNAポリメラーゼ緩衝液、および5U のTaq DNAポリメラーゼ(Boehringer−Mannheim社、 Indianapolis、IN)カタログ番号1146−165)を含む10 0μLの反応物中でPCRを実施した。PCRは、94℃で1分間、44℃で1 分間、そして72℃で1分間からなる周期40回分を通して実施した。 このPCR産物をアガロースゲル上で泳動し、そして選択されたバンドを切り 出し、そして精製した。先に記載したラットNDFとの相同性から、94ヌクレ オチドの断片がこれら2つのプライマーにより増幅されるはずであることが予測 された。逆転写済みニワトリヒナ脊髄RNAからの97ヌクレオチド分のcDN Aをアガロースゲルから単離した。TA Cloning(商標)キット(In vitrogen Corp社、San Diego CA、カタログ番号No .K2000)を用いて精製済み産物をPCR−IIベクター内に連結させた( 引用することにより本明細書内に取り込まれるClark 1988 Nucl eic Acids Res.16:9677;Grahm et al. 1 991 PNAS 88:10267;およびJarolim et al. 1991 PNAS 88:11022を参照せよ)。クローン化済み挿入断片 はジデオキシ鎖終結法により配列決定した(引用することにより本明細書内に取 り込まれるSanger et al. 1977 PNAS 74:5463 を参照せよ)。この97ヌクレオチド長の配列は、以下のようなものであること を決定した。 97塩基断片: 実施例5λgt10ニワトリ脳のcDNAライブラリーのスクリーニング 10から97までのオリゴヌクレオチドの範囲にわたるラベル化プローブが作 製されるように、ランダムオリゴヌクレオチドプライミング法(引用することに より本明細書内に取り込まれるFeinberg et al. 1983 A nal.Biochem.132:6;およびFeinbeug et al. 1984 Anal.Biochem.137:266、を参照せよ)、[α −32P]−ラベル化dCTP、およびPrimit(証票)ラベル化用キット( Stratagene社、La Jolla、CA)を用いて97量体断片を32 Pでラベル化した。その後これらの32P−ラベル化プローブを用いて、Rans cht E13ニワトリ脳のcDNA λgt10ラィブラー(引用することに より本明細書内に取り込まれるRanscht et al. 1988、J. Cell Biol. 107:1561、を参照せよ)をスクリーニングした 。 簡潔に述べると、組換えファージとプレート培養中の細菌とを混合し、そして 30℃においてインキュベートし、トップアガロース(2×YT/Mg/マルト ース)に添加し、そしてこの混合物を2×YTプレートに移した。このプレート を、肉眼では観察できるが密集まではしていないプラークが存在するようになる まで37℃においてインキュベートし、そしてその後4℃においてインキュベー トした。 ニトロセルロースフィルターを使用して各冷却プレートから二枚ずつ プラークを移し取った。これらのフィルターを変性させ、そしてその後吸引下に おいて2時間、70℃で加熱した(引用することにより本明細書内に取り込まれ るBenton et al.1977 Science 196:180、を 参照せよ)。 加熱済みフィルターを1000μLの50mM トリス−HCl(pH8)、 1MのNaCl、1mMのEDTA、および0.1%のSDS内で37℃におい て約1時間予備洗浄した。その後このフィルターを40%のホルムアルデヒド/ 6× SSC/0.2%のSDS内で、37℃において約5.75時間、100 μg/mlのサケ***DNAと予備ハイブリダイズさせた。その後、予備ハイブ リダイズさせたフィルターを40%のホルムアミド/6× SSC/0.2%の SDS内で、32P−ラベル化プローブ(先を参照せよ)および100μg/ml のサケ***DNAと37℃において一晩ハイブリダイズさせ、そして最終緊縮性 (高緊縮性)が0.1× SSC/0.1% SDSとなるように45℃下にお いて洗浄した。 その後このフィルターを−70℃においてx−線に露出し、そしてオートラジ オグラムの現像を行った。ニトロセルロースへの写し取りを行ったもともとのプ レートとオートラジオグラムとを並べてみると、λgt10プラークと銀粒子密 度との比較により陽性ハイブリッド形成の評価を行うことができた。放射性ラベ ル化プローブとのハイブリッド形成について陽性と判定されたファージをアガロ ースプレートから単離し、そして先の方法により再スクリーニングした。 二度目のスクリーニングの後に単離されたファージを、cI遺伝子内のEco RI部位を途中に含むλgt10配列に特異的なプライマーを 使用するPCR増幅に供した。単離された最長のcDANクローンは、図1に示 される配列を含む2.4kbの挿入断片であった。 実施例6組換えARIAの発現 最長のニワトリARIAクローンである2.4kbのcDANを、COS細胞 内における高レベル発現を可能にするためにSV40ウイルスの複製起点を含む 真核生物発現ベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen Corp .社、San Diego、CA;カタログ番号V460−20)の非反復Ec oRI部位内にクローン化した。この挿入断片はサイトメガロウイルスの即時型 遺伝子のエンハンサー/プロモータ領域の調節下に存在する。適切な向きおよび 逆向きの両方において2.4kbのcDNAを宿す構築物を作製した。いろいろ なラスミド構築物を作製し、細菌内で増殖させた後に転写実験に十分であるよう な大量の産物を産生させた。 DOTAPトランスフェクション試薬(DOTAP Transfectio n Reagent)(Boehringer−Mannheim社、Inde anapolis、IN、カタログ番号1202−375)を用いてプラスミド 構築物をサルのCOS−7細胞内にトランスフェクトさせた。簡潔に述べると、 1.7μgの特異的プラスミドを10μgのDOTAPと混合し、そして室温に おいて10分間放置した。その後この混合物を、10%のFBSを補足してある DMEM中で増殖させたCOS−7細胞の35mmデッシュに重層した。このト ランスフェクション混合物を細胞上に18時間放置した。このインキュベーショ ン後、トランスフェクション混合物を取り除き、そして培地を新鮮なME M/10%ウマ血清/2%ニワトリヒナの胚抽出物と入れ替えた。細胞を48時 間増殖させて、培地に種々の因子が分泌される条件を整えた。この条件培地を回 収し、そしてこれを、ニワトリ筋肉の初期培養物を用いるAChR取り込み速度 アッセイもしくはラットL6細胞におけるp185のリン酸化アッセイにおいて 、未希釈のままもしくは幾つかの希釈物としてのいずれかの状態で使用した。 実施例7ラットARIAのクローニングおよび発現 総RNAを、生後20日目(P20)のラットの脊髄からChomcyzns kiの方法により単離した。2μgのRNAを65℃に10分間加熱することに より1μgのオリゴ(dT)12-18に対してアニールさせ、その後この試料を氷 上に5分間おいた。逆転写用緩衝液、各dNTP(最終400μM)、DTT( 最終10mM)、RNアーゼ阻害剤、および400Uのモロニーマウス白血病ウ イルスの逆転写酵素(Gibco−BRL社、Gaithersburg、MD )を50μlの最終反応容積になるように添加した。酵素の不活化のために、こ れらの試料を42℃において1時間、そしてその後に65℃において15分間イ ンキュベートした。 ラットの脊髄由来cDNAを、ラットNDFの既述のEGF−様ドメインを挟 み込む配列に相当するプライマーを2つ組み合わせて使用するポリメラーゼ連鎖 反応に供した(Wen et al.、1992 Cell 69:559)。 最も外側に位置するオリゴヌクレオチド対は、以下に示す配列に相当し、それら は、 トNDF配列のアミノ酸162−169、 GANTSSST (配列番号11)につい ての情報をコードするセンス鎖の大半の部分を表す)、ならびにCACCACACACATGA TGCCGAC (配列番号12)(これは、アミノ酸256−262、 VGIMCVV (配列番号13)に相当するアンチセンス鎖の大半の部分を表す)である。最 も内側のオリゴヌクレオチド対は外側のオリゴヌクレオチド対を利用して作成さ れたPCR産物からの増幅を考慮して設計したが、それらはラットのNDFにつ いての配列と比較すると突然変異をも含んでおり、これらの突然変異は、制限酵 素消化後に細菌性融合蛋白質発現ベクターpMAL−p2(N.E.Biola bs社、Beverly、MA;カタログ番号800)内へのPCR産物の配向 特異的クローニングを直接行うことを考慮している。内側のオリゴヌクレオチド の配列は以下に示す、 CACGACTAGTACTAGCCATCTC (配列番号14)(これは、ラットNDFのアミノ酸 172−179についてのセンス鎖コード情報に相当するが、これには酵素Sc aI用の制限部位を作製するために突然変異が導入されており、この酵素部位に よって正確に各コドン間が開裂を受け、そして読み枠がずれないまま残る)、な らびに CGACAAGCTTCTAGTAGAGTTCC(配列番号15)(これはラットNDFのアミ ノ酸236−244についてのアンチセンス鎖コード情報に相当するが、もとも との配列と比較するとこれには突然変異が生じており、これらの突然変異により 読み枠として読み取られる(in−frame)翻訳停止コドン、ならびにpM AL−p2ベクター内へのクローニングを考慮してある制限酵素HindIII 用の部位が作製されている)である。これらのプライマーを組み合わせて使用し てPCR反応を以下の要領で実施したが、それは、 2μlの脊髄cDNA逆転写反応物、1μgの各プライマー、400μMの各d NTP、Taq DNAポリメラーゼ反応用緩衝液、および2.5UのTAQ DNAポリメラーゼ(Boehringer−Mannheim社、India napolis、IN)カタログ番号1146−165)であった。反応は以下 に示すように繰り返し、それは、94℃で10分、52℃で2分、72℃で2分 、その後に94℃で1.5分、52℃で1.5分、そして72℃で2分を39周 期分、そしてその後に94℃で2分、52℃で2分、72℃で10分からなる最 終周期を行う。産物をアガロースゲル電気泳動により分析した。 ラットNDFの配列の基づくと、外側のプライマー対については302bpの PCR産物が、そして内側のプライマー対については215bpのPCR産物が 予測された。アガロースゲル分析により、外側および内側プラィマー対について 、それぞれ317および230bpの産物が示された。ベクターpCR−IIお よびTAクローニングキット(Invitrogen Corp.社、San Diego、CA;カタログ番号K2000−01)を使用してこれらのPCR 産物をクローン化した。これらのクローンの配列分析により、両配列とも、ニワ トリにおいて同定されたARIAおよびヒトのヘレグリンβ−1配列に密接に関 連するEGF−様ドメインであることが明らかになった。内側のプライマー対は pMa1−p2内へのcDNA断片の直接クローニングを考慮した上での突然変 異を含んでいる。このベクターは一群の非反復クローニング部位に連結させてあ る大腸菌のマルトース結合蛋白質(MBP)のための遺伝子を含んでいるが、こ れは、MBPとの融合蛋白質としての新規の配列の発現ならびにその後のマルト ース樹脂上での親和性クロ マーグラフィーによるそれらの精製を考慮した上でのことである。クローニング 部位には、外来性cDNAの挿入部位の直前に位置する因子Xaプロテアーゼの ための認識配列も含まれている。この構築物には、この培養物へのイソプロピル −β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加による融合蛋白質の発現 誘導を考慮した上での融合用の誘導可能プロモーターも含まれている。 ベクターpMAL−p2においては、MBP遺伝子内に、MPB融合蛋白質を 標的としてこれをペリプラズム腔へと輸送するためのシグナル配列をコード化す る情報も含まれている。ペリプラズム蛋白質は適切なジスルフィド結合形成を有 する可能性があり、そして細胞内に閉じ込められている融合蛋白質に必要なもの と比較するとさほど苛酷でない方法により精製することが可能である。 EGF−様ドメインを含む先に記載のPCR産物の一部分をScaIおよびH ind3で消化し、そしてXmnIおよびHind3で消化することにより調製 したpMAL−p2内にクローン化した。このプラスミドをDH5−α細菌内に 形質転換させた。配列決定を行うことにより、このプラスミドはマルトース結合 蛋白質に読み枠がずれていない状態で融合されている予想配列をコード化してい ることが証明された。 融合蛋白質の産生のためには培養物をA600=0.5の密度にまで増殖させ、 その後IPTGを最終濃度0.3mMになるように添加することによる誘導を行 った。この培養物をさらに2時間インキュベートし、その後細菌を遠心により回 収した。ペレットを、30Mmのトリス−HCl(pH8.0)、20%のスク ロース、1mMのEDTAを含む緩衝液中に再懸濁させ、そしてこの緩衝液に対 して5−10分間インキュ ベートした。この細菌を再びペレット化し、冷却した5mMのMgSO4中に再 懸濁させ、そして氷水浴槽中のこの溶液中で10分間撹拌した。この細菌を遠心 により再びペレット化させ、そして溶液をデカンテーションにより取り出した。 この溶液は、放出された融合蛋白質を含む「冷却浸透圧ショック液」である。融 合蛋白質の存在は、SDSポリアクリルアミドゲル分析により確認した。 ラットのARIA融合蛋白質を含む冷却浸透圧ショック液でL6細胞およびニ ワトリヒナの筋管を処理すると、ラットL6およびニワトリヒナの筋管中のp1 85の著しいリン酸化が生じる。 先に記載の一連の実験においては、PCRは、ラットNDFのEGF−様ドメ インを取り囲むヌクレオチドの配列に相当するプライマーを使用して実施した。 記載するように、EGF−様ドメイン/pMAL融合ベクターの作製に際しては 、作製されたPCT産物によりEGF−様モチーフのβ−1形態を宿すラット脊 髄中の蛋白質の存在が示された。 次の一連のPCR実験においては、NDFに関連するcDNAの配列を増幅さ せる目的で、EGF−様ドメインの始めと翻訳停止コドンとの間、ならびにEG F−様ドメインの最後と翻訳イニシエーターのメチオニン領域との間のプライマ ーを選択した。PCR増幅の際には、オリゴヌクレオチド CATTTTACCTTTCGCTAT GAGGAG (配列番号16)(「3−AI」)(これは、Wen et al .のラットNDFのヌクレオチド1586−1609に相当するアンチセンス鎖 である)を、オリゴヌクレオチド GCGCAAACACTTCTTCATCCAC ( 配列番号17) (「4−SO」)(これは、ラットNDFのヌクレオチド82 1−842に相当する)と対形成させた。P20ラットの脊髄 由来cDNAをPCR用の鋳型として使用すると、この増幅により788bpの バンドが生じるはずであった。この反応において可視化させた産物はこのサイズ 範囲とは一致したが、約+/−20bpを下回る誤差範囲内においてこれを特定 することができなかった。 NDFの膜橋渡しドメイン(membrane spanning dome in)とそのN−末端メチオニン領域との間の増幅を考慮したプライマー対を使 用してさらに別のPCRを実施した。このオリゴヌクレオチドは以下に示す配列 に相当しており、その配列 CACCACACACATGATGCCGAC (配列番号12)(「4−AO])は、ヌクレオチド 1107−1122の間にあるラットNDFの配列のアンチセンス鎖を表す。こ のPCRに用いた第二オリゴヌクレオチドは、配列 CTCATCTTCGGCGAGATGTCTG (配列番号18)(「3−SI」)を含み、これはラットNDF配列のヌク レオチド322−343に相当し、この領域はイニシエーターのメチオニン(配 列中下線を施した)を含む。これらのオリゴヌクレオチドを用いるPCRによっ ては800bpの産物が生じるはずであった。しかしながら、我々はいずれの産 物をも増幅することができず、このことにより発表されているNDF配列のN− 末端配列は脊髄形態では存在しそうもないことが示された。融合蛋白質の項目に おいて記載されるPCRから、ヌクレオチド1107−1122(貫膜ドメイン 配列内に含まれる)に相当するオリゴヌクレオチドにより表される配列は存在す ることが判明している。 ニワトリのARIA cDNA内に見いだされた新規の配列のために、我々は 、新規の配列の内の一つである既述のNex−2を生じるニワトリの類似領域で あるイムノグロブリン(Ig)様ドメインとEGF−様 ドメンイとの間に位置するスペーサー領域配列を含むと思われるオリゴヌクレオ チドを使用して、P20ラットの脊髄cDNAからのPCRを実施した。オリゴ ヌクレオチドは、ラットのNDF配列を基にして設計し、そして、1)ヌクレオ チド670−692のセンスヌクレオチドである TGCAAAGTGATCAGCAAGTTAGG (配列番号19)(「7S」(これは、ラットNDF配列のアミノ酸112−1 18をコードする)、および、2)ラットNDF配列のヌクレオチド1107− 1122のアンチセンス鎖(「4−AO」、先を参照せよ)に相当する配列を表 す。発表されているラットNDF cDNAの配列と比較することにより、我々 は、453のPCR産物を取得することを予期していたが、アガロースゲル分析 の後には350−475bpの範囲内に含まれる2つの際立ったPCR産物を見 いだした(評定値の精度は+/−10bpであった)。 ヌクレオチド1107−1122(先の「4−AO」)のアンチセンス配列に 相当するオリゴヌクレオチドを、発表されているラットNDF配列、CAGATTGAAA GAAATGAAGAGCC (配列番号21)(「6S」)のヌクレオチド447−46 9に相当するセンス鎖オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用して、追加的PC R増幅を実施した。先のPCR増幅の結果を出した後、我々は、両者ともβ1形 態をとる691bpおよび589bpの産物(すなわち、一方はNDFに、そし てもう一方は他のARIAに相当する)を予期しており、しかもこれらの異なる スペーサー領域エキソンの内のいずれかが先に記載されるものとして表されるこ とを期待していた。アガロースゲル上で増幅済み産物を分析したところ、我々は 600と700bpとの間に測定される数多くのバンドを同 定した(+/−15bp)。 ラット脊髄ライブラリーから増幅させたPCR産物の配列分析により、ARI Aの異なる変異物が数多く存在することが示された。実例として示した数々のラ ットARIAクローンについての部分的アミノ酸配列(ヌクレオチド配列から決 定されたもの)を配列表に示した(すなわち配列番号4、および32−36)。 ラットARIAクローンの各々のコーディング領域の5’端はヘレグリン/ND F 5’配列に対するプライマーを使用しては配列決定を行うことが不可能であ ったため、この配列、すなわちNex−1はヘレグリンおよびNDFに関して特 有なものであると思われる。 今回、ラットARIAクローンについて決定されたNex−2エキソン配列は サイズが不均一であることが判明した。B1−1クローンの部分的配列決定(配 列番号3および4)により、ヘルグリンのEGF−様ドメインおよびIg−様ド メインとの間にある類似スペーサー領域とかなりの相同性を共有する一つのNe x−2配列が明らかにされている。しかしながら、ラットの脊髄ライブラリーか ら単離される他のARIAクローンは、ヘルグリンと幾分かの相同性は共有する ものの、切断されているためにニワトリARIAにおいて同定されたNex−2 配列に近いサイズになっているNex−2配列を保持している。例えば、Nex −2は、 SASANITIVESNA (配列番号32、33、および35)、もしくは TSSS(配列番号36)であることがある。興味深いことにこれらのNex− 2配列の各々は、B1−Iクローンおよびヘルグリンと比較すると、スペーサー 配列内に存在する可能性のあるN−結合型グリコシル化シグナルの内の少なくと も一つのものを欠いている。例えば、 様々なスプライシングにより生じる可能性のあるこのような特性は、ARIAと 細胞外マトリックス構成成分との相互作用を変化させるのに役立つ可能性がある 。類似する様式で考えられることであるが、ヘレグリンの5’端には存在可能な グリコサミノグリカン結合配列ならびに存在可能な核局在シグナルが含まれてい るが、これらは少なくとも配列決定を行ったニワトリARIAクローン内には存 在しておらず、そのためラットARIAからも欠損している可能性がある。 本明細書において記載される全てのPCR反応は、pMAL−p2融合発現ベ クター内へのクローニングのためのEGF−様ドメインの調製に関する項目につ いて記載されるのと同一の周期条件下で実施した。PCR反応は、P20ラット の脊髄cDNAについての5μlの逆転写反応を用いて実施した。これら全ては 1μgの適切なプライマーを使用した。 実施例8ニワトリARIAクローンの別の単離法 実施例5および7の両方において記載される方法に類似する様式において、数 々の他のニワトリARIA cDNAクローンの部分配列を、図1A−1D(配 列番号1)において示されるcDNAクローンから設計されたプライマーを使用 して取得した。EGF−様ドメインのN−末端をコード化するヌクレオチドに対 するプライマーを使用することで、脊髄と小脳の両方のmRNAライブラリーか ら単離されたクローンについてRACE PCRを実施して、EGF−様ドメイ ンから膜貫通ドメインまでの配列データを取得した。配列番号26−31は、こ れらのクローンの内の幾つかについて決定された類似アミノ酸配列を示す。脊髄 および小脳ライブラリーの各々からのクローンにおいて見いだされる顕著な特徴 は、EGF−様ドメイン内の停止コドンの存在であった。例えば、クローンC− 119(配列番号27)およびS−39(配列番号29)の各々は、EGF−様 ドメインのC5システインについてのコドンの代わりに停止コドンを有している (図3を参照せよ)。このような変異体の役割は未だに完全には解明されていな いものの、これらの変異体は、全EGF−様ドメインを保持するARIAに対し て拮抗的に作用するARIAの可溶性形態(例えば、膜貫通ドメインもしくはサ イトプラズムドメインではない)である可能性がある。 実施例9ARIA配列に特異的なヌクレオチドプローブとのインサイチューハイブリッド 形成 組織は液浸(胚の場合)もしくは灌流(成体の場合)のいずれかによりPBS 中の4%パラホルムアルデヒドで固定化した。その後組織をゆっくりと脱水させ 、そしてパラフィン中に包埋した。組織切片(7−9μm)をゼラチン様顕微鏡 用スライドグラス(gelatinizedglass microscope slide)上に回収した。切片の処理に使用した方法、ハイブリッド形成法 、および洗浄法は、Ssasson et al.(1988)Develop ment 104:155−164において記載されているものであった。ハイ ブリッド形成は52℃において約16時間、シリコン処理済みカバーグラス下に おいて、50%の脱イオン化ホルムアミド、0.3Mの塩化ナトリウム、20m Mのトリス−HCl(pH7.4)、 mMのEDTA、10mMのNaP O4(pH8)、10%の硫酸デキストラン、1×デ ンハート溶液、50μg/mlの全イーストRNA中において、3×104cp m/μlの35S−ラベル化RNAプローブを用いて実施した。ハイブリッド形成 後、50℃おける5×SSC、10mMのジチオスレイトール中でカバーグラス を浮かせながら外し、そして65℃において50%のホルムアミド、2×SSC 、10mMのジチオスレイトール中で洗浄した。その後スライドグラスを洗浄用 緩衝液中ですすぎ、RNAse A(20μg/ml、SIGMA社)で処理し 、そして2×SSC中37℃において15分間、その後に0.1×SSC中にお いて15分間洗浄した。切片を迅速に脱水し、NTB−2 Kodak乳剤を使 用してオートラジオグラフィー用に処理し、4℃において4−28時間露出させ 、そして顕微鏡下での明視野および暗視野の両方を使用して調査した。 ハイブリッド形成用プローブとしてニワトリヒナのARIA cDNA(配列 番号1)のヌクレオチド15−344に相当する329ヌクレオチド断片を使用 してニワトリARIAのmRNAを同定した。ラットプローブは、類似した方法 により実施例7に記載されるPCR合成済みcDNA(配列番号3)から取得し た。基となるラットB1−1をSph Iで開裂して2つの断片を生じたが、そ のうちの一つ(「Igプローブ」)はB1−1クローンの5’末端からIg−様 ドメインをコード化する配列の末端までに相当する。第二断片(「EGFプロー ブ」)は、スペーサードメインの始まりから伸びて、そして基となるPCRプラ イマーにより特定される貫膜領域の配列内で終了している。 先に記載される引用文献および刊行物の全ては、引用することにより本明細書 に取り込まれる。等価物 当業者は、日常的に行う単なる実験により本明細書において記載される本発明 の具体的な態様の多くの等価物を認識するであろうし、そうでなければ確認する ことが可能であろう。このような等価物は以下に示す請求の範囲に含まれること が意図される。 配列表 (1)一般情報: (i)出願者: (A)氏名:President and Fellows of Har vard College (B)街路名:17 Quincy Street (C)市:Cambridge (D)州:MA (E)国:USA (F)郵便番号(ZIP):02138 (G)電話番号:(617)227−7400 (F)テレファックス:(617)227−5941 (ii)発明の名称:神経指向性因子 (iii)配列数:45 (iv)コンピューター解読可能形態: (A)メディウムの種類:フロッピーディスク (B)コンピューター:IPM PC compatible (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウエアー:ASCII(text) (v)現在の出願情報: 出願番号: (vi)以前の出願情報: (A)出願番号:米国特許第07/953,742号 (B)提出日:1992年9月29日 (2)配列番号1についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:2351 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iv)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位値:23..1831 (xi)配列:配列番号1 (2)配列番号2についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:602 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白質 (xi)配列:配列番号2 (2)配列番号3についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:693 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iv)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位値:1..693 (xi)配列:配列番号3 (2)配列番号4についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:231 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白質 (xi)配列:配列番号4 (2)配列番号5についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:7 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号5 (2)配列番号6についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:12 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号6 (2)配列番号7についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:15 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号7 (2)配列番号8についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:16 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号8 (2)配列番号9についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:97 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号9 (2)配列番号10についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号10 (2)配列番号11についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:8 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号11 (2)配列番号12についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号12 (2)配列番号13についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:7 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号13 (2)配列番号14についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号14 (2)配列番号15についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号15 (2)配列番号16についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:24 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号16 (2)配列番号17についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号17 (2)配列番号18についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号18 (2)配列番号19についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号19 (2)配列番号20についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:12 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号20 (2)配列番号21についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号21 (2)配列番号22についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:40 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (xi)配列:配列番号22 (2)配列番号23についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:40 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (xi)配列:配列番号23 (2)配列番号24についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:26 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (xi)配列:配列番号24 (2)配列番号25についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:12 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (xi)配列:配列番号25 (2)配列番号26についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長当:113 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (xi)配列:配列番号26 (2)配列番号27についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号27 (2)配列番号28についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:91 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号28 (2)配列番号29についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号29 (2)配列番号30についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:81 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号30 (2)配列番号31についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:83 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号31 (2)配列番号32についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:90 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号32 (2)配列番号33についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:165 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号33 (2)配列番号34についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:106 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号34 (2)配列番号35についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:109 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列 配列番号35 (2)配列番号36についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:100 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号36 (2)配列番号37についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:45 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号37 (2)配列番号38についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:45 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号38 (2)配列番号39についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:45 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号39 (2)配列番号40についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:45 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号40 (2)配列番号41についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:41 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号41 (2)配列番号42についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:41 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号42 (2)配列番号43についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:40 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号43 (2)配列番号44についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:42 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号44 (2)配列番号45についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:41 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (xi)配列:配列番号45
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年4月29日 【補正内容】 請 求 の 範 囲 1.細胞の表面膜におけるイオンチャンネルの形成を誘導し、そして神経細胞内 において発現可能な神経栄養因子遺伝子のエキソンによりコード化されるEGF −様アミノ酸配列および第二アミノ酸配列を含む、単離された神経栄養因子。 2.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[式中、C はシステインであり、X1 は同じであることも異なることもできる4から14ま でのアミノ酸を表し、X2 は同じであることも異なることもできる3から8まで のアミノ酸を表し、X3 は同じであることも異なることもできる4から14まで のアミノ酸を表し、X4 はいずれかのアミノ酸であり、そしてX5 は同じである ことも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す]により表される、 請求の範囲1の神経栄養因子。 3.EGF−様アミノ酸配列が、式 Cys−Xaa(1)−Xaa(2)−Lys−Xaa(3)−Lys−Xa a(4)−Phe−Cys−Val−Asn−Gly−Gly−Xaa(5)− Cys−Xaa(6)−Xaa(7)−Val−Lys−Asp−Lys−Xa a(8)−Xaa(9)−Pro−Xaa(10)−Arg−Tyr−Leu− Cys−Xaa(11)−Cys−Xaa(12)−Asn−Glu−Phe− Thr−Gly−Asp−Arg−Cys [式中、Xaa(1)はAsp,Ala,Glu,Val,Leu,Ile,G ly,Ser)もしくはThrを表し、Xaa(2)はIle, Glu,Asp,Gly,Ala,Val,Leu,Ser、もしくはThrを 表し、Xaa(3)はGln,Glu,Asn もしくはAspを表し、Xaa (4)はAla,Thr,Gly,Val,Leu,Ile,もしくはSerを 表し、Xaa(5)はGlu,Gly,Asp,Ala,Val,Leu,Il e,Ser、もしくはThrを表し、Xaa(6)はTyr,Phe,もしくは Trpを表し、Xaa(7)はMet,Thr,Ser,Gly,Ala,Va l,Leu、もしくはIleを表し、Xaa(8)はPro,Ser,Gly, Ala,Val,Leu,Ile、もしくはThrを表しXaa(9)はAsn ,Ser,Gln,Gly,Ala,Val,Leu,Ile)もしくは、Th rを表し、Xaa(10)はPro,Ser,Gly,Ala,Val,Leu ,Ile、もしくはThrを表し、Xaa(11)はArg,Lys、もしくは Hisを表し、Xaa(12)はPro,Ser,Gly,Ala,Val,L eu,Ile、もしくはThrを表す] により表される、請求の範囲1の神経栄養因子。 4.EGF−様アミノ酸配列が、 [式中、Xaa(1)はGluもしくはGlyを表し、Xaa(2)はAsn、 もしくはSerを表し、そしてXaa(3)はPro、もしくはSerを表す] と相同であるかあるいは実質的に類似している、請求の範囲3の神経栄養因子。 5.EGF−様アミノ酸配列が、 と相同であるかあるいは実質的に類似している、請求の範囲3の神経栄養因子。 6.神経栄養因子が、EGF−様アミノ酸配列中で切断されており、そのEGF −様アミノ酸配列が式 [式中、Xaa(1)はAsp,Ala,Glu,Val,Leu,Ile,G ly,Ser、もしくはThrを表し、Xaa(2)はIle,Glu,Asp ,Gly,Ala,Val,Leu,Ser、もしくはThrを表し、Xaa( 3)はGln,Glu,Asn もしくはAspを表し、Xaa(4)はAla ,Thr,Gly,Val,Leu,Ile,もしくはSerを表し、Xaa( 5)はGlu,Gly,Asp,Ala,Val,Leu,Ile,Ser、も しくはThrを表し、Xaa(6)はTyr,Phe,もしくはTrpを表し、 Xaa(7)はMet,Thr,Ser,Gly,Ala,Val,Leu、も しくはIleを表し、Xaa(8)はPro,Ser,Gly,Ala,Val ,Leu,Ile、もしくはThrを表しXaa(9)はAsn,Ser,Gl n,Gly,Ala,Val,Leu,Ile、もしくは、 Thrを表し、Xaa(10)はPro,Ser,Gly,Ala,Val,L eu,Ile、もしくはThrを表し、Xaa(11)はArg,Lys、もし くはHisを表し、Xaa(12)はPro,Ser,Gly,Ala,Val ,Leu,Ile、もしくはThrを表す] により表される、請求の範囲1の神経栄養因子。 7.第二アミノ酸配列が、 およびそれらの組み合わせ物からなる群より選択されるアミノ酸配列と相同であ るかあるいは実質的に類似している、請求の範囲1の神経栄養因子。 8.一般的なポリペプチドが式、 Nex1−B−C−(EGF−様配列) [式中、Nex−1は神経細胞内に通常に発現される神経栄養因子遺伝子の5’ エキソンによりコード化されるアミノ酸配列であり、Bは配列番号1のアミノ酸 残基1−86および配列番号36のアミノ酸残基1−63からなる群より選択さ れるアミノ酸配列であり、Cは配列番号4のアミノ酸残基87−145、配列番 号33のアミノ酸残基75−99、および配列番号36のアミノ酸残基64−8 2からなる群より選択されるアミノ酸配列であり、そしてEGF−様配列は配列 番号4のアミノ酸残基146−185により表される] により表される、請求の範囲1の神経栄養因子。 9.配列番号4、32、33、35、および36からなる群からのアミ ノ酸配列を含む、請求の範囲8の神経栄養因子。 10.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲1の神経栄養因子。 11.直接的リガンドゲートイオンチャンネルがコリン作動性レセプターである 、請求の範囲10の神経栄養因子。 12.コリン作動性レセプターがニコチン性アセチルコリンレセプターである、 請求の範囲11の神経栄養因子。 13.直接的リガンドゲートイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、 グルタミン酸作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、お よびそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲10の神経栄 養因子。 14.イオンチャンネルが電位ゲートイオンチャンネルである、請求の範囲1の 神経栄養因子。 15.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲1の神経栄養因子。 16.間接的リガンドゲートイオンチャンネルがムスカリン性アセチルコリンレ セプターである、請求の範囲15の神経栄養因子。 17.細胞が筋肉細胞である、請求の範囲1の神経栄養因子。 18.細胞が神経細胞である、請求の範囲1の神経栄養因子。 19.神経栄養因子が糖蛋白質である、請求の範囲1の神経栄養因子。 20.その因子が鳥類の遺伝子から得られる蛋白質である、請求の範囲1の神経 栄養因子。 21.その因子が哺乳類の遺伝子から得られる蛋白質である、請求の範囲1の神 経栄養因子。 22.請求の範囲1の神経栄養因子をコード化する単離されたDNA。23.請 求の範囲22のDNAを含む発現ベクター。 24.請求の範囲23の発現ベクターで形質転換させた細胞。 25.細胞の表面膜内のイオンチャンネルの形成を誘導し、そして配列番号2、 4、32、33、35、および36からなる群より選択されるアミノ酸配列を有 する神経栄養蛋白質、もしくはいずれかのその機能的断片、あるいはそれに実質 的に類似するアミノ酸配列。 26.請求の範囲25の神経栄養蛋白質をコード化する単離されたDNA。 27.請求の範囲26のDNAを含む発現ベクター。 28.請求の範囲27の発現ベクターで形質転換させた細胞。 29.細胞の表面膜内にイオンチャンネルの形成を誘導することが可能なポリペ プチドをコード化する、配列番号1および3からなる群より選択されるヌクレオ チド配列もしくはその断片を有する単離されたDNA。30.請求の範囲29の DNAを含む発現ベクター。 31.請求の範囲30の発現ベクターで形質転換させた細胞。 32.EGF−様アミノ酸配列を有するイオンチャンネル誘導性蛋白質もしくは ポリペプチドで細胞を処理することを含む、細胞の表面膜におけるイオンチャン ネルの形成を誘導する方法。 33.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲32の方法。 34.直接的リガンドゲートイオンチャンネルがコリン作動性レセプターである 、請求の範囲33の方法。 35.コリン作動性レセプターがニコチン性アセチルコリンレセプター である、請求の範囲34の方法。 36.直接的リガンドゲードイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、 グルタミン酸作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、お よびそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲33の方法。 37.イオンチャンネルが電位ゲートイオンチャンネルである、請求の範囲32 の方法。 38.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲32の方法。 39.間接的リガンドゲートイオンチャンネルを作動させるレセプターがムスカ リン性アセチルコリンレセプターである、請求の範囲38の方法。 40.細胞が筋肉細胞である、請求の範囲32の方法。 41.細胞が神経細胞である、請求の範囲32の方法。 42.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[式中、 Cはシステインであり、X1 は同じであることも異なることもできる4から14 までのアミノ酸を表し、X2 は同じであることも異なることもできる3から8ま でのアミノ酸を表し、X3 は同じであることも異なることもできる4から14ま でのアミノ酸を表し、X4 はいずれかのアミノ酸であり、そしてX5 は同じであ ることも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す]により表される 、請求の範囲32の方法。 43.イオンチャンネル誘導性蛋白質が、配列番号2、4、32、33、35、 もしくは36のポリペプチド、ヘルグリン、Neu分化因子、お よびそれらの機能的活性部分を含む群より選択される、請求の範囲32の方法。 44.イオンチャンネル誘導性蛋白質がシナプス後部細胞内の約185kDaの 膜貫通蛋白質のリン酸化を誘導する、請求の範囲32の方法。 45.EGF−様アミノ酸配列を有するイオンチャンネル誘導性蛋白質もしくは ポリペプチドを細胞の表面膜におけるイオンチャンネルの形成を誘導するのに十 分な量で用いて標的細胞を処理することを含む、ニューロンと標的細胞との間の シナプス連結部の形成を亢進させる方法。 46.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[式中、 Cはシステインであり、X1 は同じであることも異なることもできる4から14 までのアミノ酸を表し、X2 は同じであることも異なることもできる3から8ま でのアミノ酸を表し、X3 は同じであることも異なることもできる4から14ま でのアミノ酸を表し、X4 はいずれかのアミノ酸であり、そしてX5は同じであ ることも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す]により表される 、請求の範囲45の方法。 47.イオンチャンネル誘導性蛋白質が、配列番号2、4、32、33、35、 もしくは36のポリペプチド、ヘルグリン、Neu分化因子、およびそれらの機 能的活性部分を含む群より選択される、請求の範囲45の方法。 48.イオンチャンネル誘導性蛋白質が細胞内の約185kDaの膜貫通蛋白質 のリン酸化を誘導する、請求の範囲45の方法。 49.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲45の方法。 50.直接的リガンドゲートイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、 グルタミン作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、およ びそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲49の方法。 51.イオンチャンネルが電位ゲードイオンチャンネルである、請求の範囲45 の方法。 52.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲45の方法。 53.間接的リガンドゲートイオンチャンネルを作動させるレセプターがムスカ リン性アセチルコリンレセプターである、請求の範囲52の方法。 54.標的細胞が筋肉細胞である、請求の範囲45の方法。 55.標的細胞が神経細胞である、請求の範囲45の方法。、56.標的細胞が 腺細胞である、請求の範囲45の方法。 57.シナプス連結部の形成の亢進を機能的シナプス結合の異常に関わる神経学 的疾患に苦しむ個体において成し遂げる、請求の範囲45の方法。 58.神経学的疾患が神経筋疾患である、請求の範囲57の方法。 59.神経学的疾患が自律神経疾患である、請求の範囲57の方法。 60.神経学的疾患が中枢神経系疾患である、請求の範囲57の方法。 61.請求の範囲1の神経栄養因子および薬剤学的に許容される担体を含む、治 療用組成物。 62.請求の範囲1の神経栄養因子に特異的に結合する抗体。 63.請求の範囲1の神経栄養蛋白質に特異的に結合する抗体。 64.以下に示す、 (a)適切な宿主細胞を、融合コート蛋白質を提示するファージ粒子のライブ ラリーをコード化する複製可能ファージベクターのライブラリーで形質転換させ ること[ただし、各々の該ファージベクターは該融合コート蛋白質をコード化す るキメラコート蛋白質遺伝子を含み、該キメラ遺伝子はARIAポリペプチド候 補物をコード化する第一遺伝子およびファージコート蛋白質の少なくとも一部分 をコード化する第二遺伝子を含み、該第一遺伝子は一つもしくは複数のコドン位 置において突然変異を生じており、そのため該ファージベクターライブラリーは 突然変異を生じたARIAポリペプチドの大多数のものをコード化する]、 (b)該融合コート蛋白質を初めとする該ファージ粒子を形成するのに適する 条件下において該形質転換済み宿主細胞を培養すること、ならびに (c)ARIA結合性蛋白質に結合することが可能なARIAポリペプチド候 補物を提示するファージ粒子に相当する該ファージベクターのいずれかのものを 選択すること、 を含む、新規のARIA相同物ならびに該新規のARIA相同物をコード化する 遺伝子を作製するための方法。 65.該線維状バクテリオファージがM13、fd、およびflからなる群より 選択され、そして該ファージコート蛋白質がgene−III蛋白質である、請 求の範囲64の方法。 66.該形質転換済み宿主細胞を該ファージ粒子の形成を誘導するのに適するヘ ルパーファージと共に培養する、請求の範囲64の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/485 8318−4H 16/22 8318−4H C12N 5/10 C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9358−4B // A61K 39/395 D 9284−4C 9455−4C A61K 37/02 ADS (72)発明者 ローゼン,ケネス・エム アメリカ合衆国マサチユセツツ州02132ウ エストロクスバリー・ブイエフダブリユー パークウエイ1461 (72)発明者 コーフアス,ガブリエル アメリカ合衆国マサチユセツツ州02146ブ ルツクライン・ナンバー1・ブラウンスト リート119

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞の表面膜におけるイオンチャンネルの形成を誘導し、そして神経細胞内 において発現可能な神経栄養因子遺伝子のエキソンの少なくとも一部分によりコ ード化されるEGF−様アミノ酸配列および第二アミノ酸配列を含む、単離され た神経栄養因子。 2.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[式 中、Cはシステインであり、X1は同じであることも異なることもできる4から 14までのアミノ酸を表し、X2は同じであることも異なることもできる3から 8までのアミノ酸を表し、X3は同じであることも異なることもできる4から1 4までのアミノ酸を表し、X4はいずれかのアミノ酸であり、そしてX5は同じで あることも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す]により表され る、請求の範囲1の神経栄養因子。 3.EGF−様アミノ酸配列が、 と相同であるかあるいは実質的に類似している、請求の範囲1の神経栄養因子。 4.EGF−様アミノ酸配列が、 と相同であるかあるいは実質的に類似している、請求の範囲1の神経栄養因子。 5.第二アミノ酸配列が、 およびそれらの組み合わせ物からなる群より選択されるアミノ酸配列と相同であ るかあるいは実質的に類似している、請求の範囲1の神経栄養因子。 6.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求の 範囲1の神経栄養因子。 7.直接的リガンドゲートイオンチャンネルがコリン作動性レセプターである、 請求の範囲6の神経栄養因子。 8.コリン作動性レセプターがニコチン性アセチルコリンレセプターである、請 求の範囲7の神経栄養因子。 9.直接的リガンドゲートイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、グ ルタミン酸作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、およ びそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲6の神経栄養因 子。 10.イオンチャンネルが電位ゲートイオンチャンネルである、請求の範囲1の 神経栄養因子。 11.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲1の神経栄養因子。 12.間接的リガンドゲートイオンチャンネルを作動させるレセプター がムスカリン性アセチルコリンレセプターである、請求の範囲11の神経栄養因 子。 13.細胞が筋肉細胞である、請求の範囲1の神経栄養因子。 14.細胞が神経細胞である、請求の範囲1の神経栄養因子。 15.神経栄養因子が糖蛋白質である、請求の範囲1の神経栄養因子。 16.その因子が鳥類の遺伝子から得られる蛋白質である、請求の範囲1の神経 栄養因子。 17.その因子が哺乳類の遺伝子から得られる蛋白質である、請求の範囲1の神 経栄養因子。 18.請求の範囲1の神経栄養因子をコード化する単離されたDNA。 19.請求の範囲18のDNAを含む発現ベクター。 20.請求の範囲19の発現ベクターで形質転換させた細胞。 21.細胞の表面膜内のイオンチャンネルの形成を誘導し、そして図1に示され るアミノ酸配列を有する神経栄養蛋白質、もしくはいずれかのその機能的断片、 あるいはそれに実質的に類似するアミノ酸配列。 22.請求の範囲21の神経栄養蛋白質をコード化する単離されたDNA。 23.請求の範囲22のDNAを含む発現ベクター。 24.請求の範囲23の発現ベクターで形質転換させた細胞。 25.細胞の表面膜内にイオンチャンネルの形成を誘導することが可能なポリペ プチドをコードする、図1に示されるヌクレオチド配列もしくはその断片を有す る単離されたDNA。 26.請求の範囲25のDNAを含む発現ベクター。 27.請求の範囲26の発現ベクターで形質転換させた細胞。 28.EGF−様アミノ酸配列を有するイオンチャンネル誘導性蛋白質もしくは ポリペプチドで細胞を処理することを含む、細胞の表面膜におけるイオンチャン ネルの形成を誘導する方法。 29.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲28の方法。 30.直接的リガンドゲートイオンチャンネルがコリン作動性レセプターである 、請求の範囲29の方法。 31.コリン作動性レセプターがニコチン性アセチルコリンレセプターである、 請求の範囲30の方法。 32.直接的リガンドゲードイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、 グルタミン酸作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、お よびそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲29の方法。 33.イオンチャンネルが電位ゲートイオンチャンネルである、請求の範囲28 の方法。 34.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲28の方法。 35.間接的リガンドゲートイオンチャンネルを作動させるレセプターがムスカ リン性アセチルコリンレセプターである、請求の範囲34の方法。 36.細胞が筋肉細胞である、請求の範囲28の方法。 37.細胞が神経細胞である、請求の範囲28の方法。 38.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[ 式中、Cはシステインであり、X1は同じであることも異なることも できる4から14までのアミノ酸を表し、X2は同じであることも異なることも できる3から8までのアミノ酸を表し、X3は同じであることも異なることもで きる4から14までのアミノ酸を表し、X4はいずれかのアミノ酸であり、そし てX5は同じであることも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す ]により表される、請求の範囲28の方法。 39.EGF−様アミノ酸配列が、 と相同であるか、あるいは実質的に類似する、請求の範囲28の方法。 40.イオンチャンネル誘導性蛋白質が更に、 およびそれらの組み合わせ物からなる群より選択されるアミノ酸配列に相同であ るかあるいは実質的に類似する第二アミノ酸配列を含む、請求の範囲28の方法 。 41.イオンチャンネル誘導性蛋白質が、図1の神経栄養因子、ヘルグリン、N eu分化因子、およびそれらの機能的活性部分からなる群より選択される、請求 の範囲28の方法。 42.イオンチャンネル誘導性蛋白質がシナプス後部細胞内の約185 kDaの膜貫通蛋白質のリン酸化を誘導する、請求の範囲28の方法。 43.EGF−様アミノ酸配列を有するイオンチャンネル誘導性蛋白質もしくは ポリペプチドを細胞の表面膜におけるイオンチャンネルの形成を誘導するのに十 分な量で用いて標的細胞を処理することを含む、ニューロンと標的細胞との間の シナプス連結部の形成を亢進させる方法。 44.EGF−様アミノ酸配列が式CX1 CX2 CX3 CX4 CX5 C[ 式中、Cはシステインであり、X1は同じであることも異なることもできる4か ら14までのアミノ酸を表し、X2は同じであることも異なることもできる3か ら8までのアミノ酸を表し、X3は同じであることも異なることもできる4から 14までのアミノ酸を表し、X4はいずれかのアミノ酸であり、そしてX5は同じ であることも異なることもできる8から14までのアミノ酸を表す]により表さ れる、請求の範囲43の方法。 45.EGF−様アミノ酸配列が、 と相同であるか、あるいは実質的に類似する、請求の範囲43の方法。 46.イオンチャンネル誘導性蛋白質が更に、 およびそれらの組み合わせ物からなる群より選択されるアミノ酸配列に相同であ るかあるいは実質的に類似する第二アミノ酸配列を含む、請求の範囲43の方法 。 47.イオンチャンネル誘導性蛋白質が、図1の神経栄養因子、ヘルグリン、N eu分化因子、およびそれらの機能的活性部分からなる群より選択される、請求 の範囲43の方法。 48.イオンチャンネル誘導性蛋白質が細胞内の約185kDaの膜貫通蛋白質 のリン酸化を誘導する、請求の範囲43の方法。 49.イオンチャンネルが直接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲43の方法。 50.直接的リガンドゲートイオンチャンネルが、アセチルコリンレセプター、 グルタミン作動性レセプター、GABAレセプター、グリシンレセプター、およ びそれらの組み合わせ物からなる群より選択される、請求の範囲49の方法。 51.イオンチャンネルが電位ゲードイオンチャンネルである、請求の範囲43 の方法。 52.イオンチャンネルが間接的リガンドゲートイオンチャンネルである、請求 の範囲43の方法。 53.間接的リガンドゲートイオンチャンネルを作動させるレセプターがムスカ リン性アセチルコリンレセプターである、請求の範囲52の方法。 54.標的細胞が筋肉細胞である、請求の範囲43の方法。 55.標的細胞が神経細胞である、請求の範囲43の方法。 56.標的細胞が腺細胞である、請求の範囲43の方法。 57.シナプス連結部の形成の亢進を機能的シナプス結合の異常に関わる神経学 的疾患に苦しむ個体において成し遂げる、請求の範囲43の方法。 58.神経学的疾患が神経筋疾患である、請求の範囲57の方法。 59.神経学的疾患が自律神経疾患である、請求の範囲57の方法。 60.神経学的疾患が中枢神経系疾患である、請求の範囲57の方法。 61.請求の範囲1の神経栄養因子および薬剤学的に許容される担体を含む、治 療用組成物。 62.請求の範囲1の神経栄養因子に特異的に結合する抗体。 63.請求の範囲15の神経栄養蛋白質に特異的に結合する抗体。 64.以下に示す、 (a)適切な宿主細胞を、融合コート蛋白質を提示するファージ粒子のライブ ラリーをコード化する複製可能ファージベクターのライブラリーで形質転換させ ること[ただし、各々の該ファージベクターは該融合コート蛋白質をコード化す るキメラコート蛋白質遺伝子を含み、該キメラ遺伝子はARIAポリペプチド候 補物をコード化する第一遺伝子およびファージコート蛋白質の少なくとも一部分 をコード化する第二遺伝子を含み、該第一遺伝子は一つもしくは複数のコドン位 置において突然変異を生じており、そのため該ファージベクターライブラリーは 突然変異を生じたARIAポリペプチドの大多数のものをコード化する]、 (b)該融合コート蛋白質を初めとする該ファージ粒子を形成するのに適する 条件下において該形質転換済み宿主細胞を培養すること、ならびに (c)ARIA結合性蛋白質に結合することが可能なARIAポリペ プチド候補物を提示するファージ粒子に相当する該ファージベクターのいずれか のものを選択すること、 を含む、新規のARIA相同物ならびに該新規のARIA相同物をコード化する 遺伝子を作製するための方法。 65.該線維状バクテリオファージがM13、fd、およびflからなる群より 選択され、そして該ファージコート蛋白質がgene−III蛋白質である、請 求の範囲64の方法。 66.該形質転換済み宿主細胞を該ファージ粒子の形成を誘導するのに適するヘ ルパーファージと共に培養する、請求の範囲64の方法。
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