JPH084895B2 - 耐食性遠心力鋳鉄管の製造方法 - Google Patents

耐食性遠心力鋳鉄管の製造方法

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JPH084895B2
JPH084895B2 JP3132048A JP13204891A JPH084895B2 JP H084895 B2 JPH084895 B2 JP H084895B2 JP 3132048 A JP3132048 A JP 3132048A JP 13204891 A JP13204891 A JP 13204891A JP H084895 B2 JPH084895 B2 JP H084895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性の遠心力鋳鉄管の
製造に係る。
【0002】
【従来の技術】遠心力鋳鉄管、特にダクタイル鋳鉄管は
地中に埋設して上水,下水道の管路を形成する他、農業
用水やガス管用として広く用いられ国土形成の重要な一
翼を担って全国に活用されている。鋳鉄管は鋼管に比べ
て耐食性が高いが、地中に埋設して腐食性雰囲気に曝さ
れ、管内は絶えず流水に曝されるから、外周面には防食
塗料を塗布し、内周面にはセメントライニングを施して
万全を期している。しかしながら遠心力鋳鉄管の用途が
さらに拡大し、たとえば化学プラントや舶用管など管内
を通る流体が今までに比べて腐食的な条件をもたらす場
合も次第に増加する傾向にある。この傾向に対応して今
までより厳しい条件で使用できるためには遠心力鋳鉄管
の耐食性を向上させる必要がある。
【0003】耐食性を向上する方法は大きく分けて二つ
考えられる。一つは例えばNiのような耐食性の高い非
鉄金属を鋳鉄溶解時に加えて合金鋳鉄として溶製する方
法である。もう一つは鋳造品の必要な面(例えば鋳鉄管
の内面だけ)に耐食性の皮層を形成して腐食性雰囲気へ
鋳鉄材が直接曝露するのを防ぐ方法である。鋳造製品の
一部に特定の皮膜を形成して鋳鉄では得られない特別の
性質を具えさせる技術は従来から盛んに提案され、例え
ば特公昭53−18166号公報,特開昭57−177
850号公報,出願人自身の出願である特開昭63−1
0058号公報など多数見出される。
【0004】また、ダクタイル遠心力鋳鉄管に耐食性を
与える製造方法としては特公平2−45538号公報が
ある。この従来技術は遠心力鋳造用の金型内面に通常の
塗型用コーティングと重ねてSi冨化用のFe−Si粉
末を均一に焼き付け、金型を回転しながら注湯して、直
ちに内面にFe−Si粉末を均一に散布し溶湯内層面へ
溶解させることによって鋳鉄管の内外層面に耐食性を与
えるものである。特開昭62−235478号公報の従
来技術は、対象が鋼製のプラスチック成形機用シリンダ
であり、シリンダの内面へ被覆する披着合金は、Bを
1.0〜5.0重量%含み残部がすべてNiよりなり遠
心力によって披着した第一披着層と、該披着層より低い
融点を有するCo−Ni基、またはNi基よりなり、同
様に遠心力によって前記第一披着層の上に披着した第二
披着層の複合層を形成した二層披着層を提案している。
第一披着層はBの単独添加に限定し、その上へ第二披着
層を重ねてFeの進入を抑止し、かつ、その結果固液二
層共存温度域の拡大を防止することができたと謳ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のうち溶解成
分自体に耐食性成分を添加することは処理する溶湯量が
大量であるから、ここへ仮に1%の合金元素を加えても
添加量が大きくなり過ぎて製造原価が大幅に高騰する。
耐食性金属はNi,Cr,Cuなど鉄に比べて相当高価
であり、目に見えた耐食性向上を実現するためには最低
限5%以上の添加量が求められ経済的負担は決して小さ
くはない。次に鋳造製品の一部だけの性質を改善する技
術が多く提起されているが、引用した従来技術はいずれ
もTe,V,Bなど鋳鉄中の遊離炭素をセメンタイト化
するのに有効な成分を対象としているので、鋳鉄を部分
的に硬化して耐摩耗性を向上させるという目的でしかな
い。鋳鉄の耐食性を飛躍的に向上するうえでは含有炭素
の白銑化を利用するだけではなお相当な隔たりが残され
ていると言わざるを得ない。また遠心力鋳鉄管を対象と
した従来技術は確かに適切に実施すればSi冨化層が内
外面に形成できると考えられるが、周知のとおりFe−
Si自身が脱酸剤として溶湯に添加し、接種という特別
の技術用語もあるくらいであるから、高温下での酸素と
の親和力が高く添加する場合の添加のタイミングが非常
に狭い範囲に限られるのではないかという懸念がある。
この難しさのため僅かなタイミングのずれによって内面
に形成される冨Si層の層厚を一定に保つことができ
ず、耐食性についてかなりのばらつきを避けることが難
しいのではないかと考えられる。また確かにSiは鋳鉄
に対してフェライト化成分でありSiがフェライト中へ
固溶したシリコフェライトは有名な耐食(耐熱)材料で
あるが、出発成分がSi2.3%であったものを部分的
にSi3.0%程度に増加した程度で耐食性がどれほど
向上できるかについては詳かでない。さらに、プラスチ
ック成形機用シリンダの内面耐食性強化に係る従来技術
については、Ni基に少量のBだけを単独添加して温度
調整を図るとともに、取り敢えずは母材からのFeとの
交流を断つという点に主眼が置かれている。しかし、本
願が対象とするダクタイル鋳鉄管に関しては、鋳造時に
母材である溶融状態の鋳鉄、および添加材料間に起こる
反応を主体において成分構成を選び、粉末状態 で添加す
る添加材の溶融とともに相互の界面間の反応を促進させ
て、完全一体化した合金層を形成する方が、むしろ耐食
性の向上の点では優先すると判断される。本発明は以上
に述べた課題を解決するために、内面へ耐食性を格段
に、かつ確実に具えた耐食性遠心鋳鉄管を比較的容易
に、かつ比較的経済的に製造する方法の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐食性遠心
力鋳鉄管の製造方法は、遠心力鋳造用金型を高速で回転
しつつ低くとも1300℃以上の溶融ダクタイル鋳鉄を
注湯し、注湯完了後直ちにNiをベースとし、該Niと
共晶関係にあるCr、および該共晶点をさらに低温側へ
誘導するB、Siなどの高くとも1200℃以下に共晶
点を持つように他成分を配合した粉体を鋳造体の内面全
長に亘って均等に散布し、ダクタイル鋳鉄管内面に高率
でNiを固溶したオーステナイト相をマトリックスと
し、析出したCr炭化物で強化した耐食性の合金層
鉄側組織と連続して一体的に形成することによって前記
の課題を解決した。
【0007】
【作用】遠心力鋳造法における鋳鉄溶湯の鋳込み温度は
通常1350℃前後を管理目標として決められているの
でここでは1300℃以上の注湯を前提とし、少なくと
もこの温度よりは100℃は低い溶融点をもつ添加粉体
を要件とする。Ni単独の溶融点は1455℃であり、
Cr単独のそれは1880℃と耐食性金属は一般に13
00℃以上であるが、例えばNiとCrは1345℃付
近に共晶点があり、これにCやSiを増加して行くと共
晶線は低温側へ流れ複合した三元または四元状態図はま
だ詳細が確認されてはいないが、実験的に確かめた結果
ではNiを主体にCr,Si,Cなどを添加調整した場
合、十分1200℃以下の溶融点をもつ粉体を得ること
ができる。すなわち金型へ1300℃以上の溶湯を鋳込
んだ時、金型に接する溶湯(鋳造品の外周面に相当す
る)は保有熱を奪われて急速に凝固を始めるが、溶湯の
内面側はまだ完全な溶融状態にあるから、ここへ全長に
亘って均一に金属粉体を散布すると、粉体は溶湯の熱を
受けて直ちに溶解し、鋳造品内面で一体的に耐食性の高
い合金層を形成する。
【0008】
【実施例】本発明の実施例と比較例を説明する。図1に
おいて遠心力鋳造用の金型は直径250mm,長さ500
mmの試験用の金型1を使用し、金型内面には珪藻グし、
C3.2%,Si1.7%の鋳鉄成分へMgを圧添した
ダクタイル溶融鋳鉄3を1320℃で40Kg鋳造した。
鋳造後直ちにNiを主成分とし全体の溶融温度が106
0℃となるように調整した低融点金属の粉体4を2Kg、
トラフ5を反転して鋳造体の内面全長に亘って均等に散
布した。表1はこの実施例で使用した低融点金属の粉体
と比較のために他は同条件で同時に鋳造したFe−Cr
粉体の成分である。
【0009】
【表1】
【0010】図2は実施例、図3は比較例の表面付近の
断面を拡大した顕微鏡写真(倍率40)であり、図
白い部分がNi20〜50%を含むオーステナイト相
で、母相上にCr炭化物が析出している。左方の黒い部
分が鋳鉄材のパーライト相であり、その境界に細かいセ
メンタイトが析出している。写真の倍率から計算してオ
ーステナイト相の合金層は約1.5〜2mmである。図
は全面に無数の空洞が重なり合い、また左方の黒い鋳
鉄材と完全に溶着しておらず、簡単に剥離するような状
態であり、Fe−Crの粉末が鋳造品の内面に一体的な
耐食性合金膜を形成したとは到底言い難い。なおこの実
施例で使用した低溶融金属の粉体は表1に示した成分よ
りなる自溶合金の一種で、Niろうと命名して既に市販
されているものを採用したが、溶融点が1200℃以下
の耐食性金属を主体とする配合材であれば問うところで
はない。
【0011】
【発明の効果】本発明は以上述べたように単に遠心力鋳
造時に若干の後工程を加えるだけで鋳鉄管の内面にきわ
めて耐食性の高い皮層を一体的に形成するので、耐食性
遠心力鋳鉄管をきわめて容易に製造することができる。
特に従来のセメントライニングでは対応できなかった酸
化性雰囲気での耐食性に有効であり、軽度の内面手入れ
の後露出したままの内周面が耐酸性の特徴を発揮する。
より具体的に従来技術との差を述べると、本発明で得ら
れる合金層はNi20〜50%(他にCr、B、Si、
残りFe)を固溶するオーステナイト相をマトリックス
とするが、鋳造時に母材である溶融状態の鋳鉄、および
該Niとの共晶反応を主体において成分構成を選ぶこと
によって、粉末状態で添加する合金材の溶融温度を必要
なレベルまで低下し、かつ、溶融後は相互の界面間の反
応を重視して完全一体化した合金層の形成に成功したも
のである。 本発明は低溶融点の好ましい成分と凝固前後
における鋳鉄特有の挙動を活用して、富Niのオーステ
ナイト相(γ鉄)を基地として鋳鉄溶湯から進入したC
と披着金属に含まれるCrによって強固な炭化物を析出
し、母材(鋳鉄)と合金層とが一体化した連続組織を形
成していることを特徴とし、相互の原子置換によって完
全無欠な合金層を披着した点が際立った効果に繋がるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例の金属組織を示す顕微鏡写真で
ある。
【図3】比較例の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 遠心力鋳造用金型 3 溶融鋳鉄 4 粉体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心力鋳造用金型を高速で回転しつつ低
    くとも1300℃以上の溶融ダクタイル鋳鉄を注湯し、
    注湯完了後直ちにNiをベースとし、該Niと共晶関係
    にあるCr、および該共晶点をさらに低温側へ誘導する
    B、Siなどの高くとも1200℃以下に共晶点を持つ
    ように他成分を配合した粉体を鋳造体の内面全長に亘っ
    て均等に散布し、ダクタイル鋳鉄管内面に高率でNiを
    固溶したオーステナイト相をマトリックスとし、析出し
    たCr炭化物で強化した耐食性の合金層を鋳鉄側組織と
    連続して一体的に形成することを特徴とする耐食性遠心
    力鋳鉄管の製造方法。
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