JPH08481U - 多点式重量計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】多重点式重量計のベースの変形による測定精度
への影響を、より簡単に、低コストで取り除くことにあ
る。 【構成】重量センサを重量計のベースに取り付けるに際
し、柔軟部材を介して自由度を持たせて取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

電子式ディジタル表示重量計に関し、特に荷重を複数のセンサの出力の合計値 として計量する多重点式重量計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近の重量計では載置台に負荷された荷重を一点に集中して、一個のセンサで 計測する方法が一般的であるが、重量計の載置台の大きさの割には高さの低い、 所謂偏平型の重量計や大型の重量計では、偏置荷重による測定誤差への対応や荷 重を一点に集中する方法、荷重伝達機構の機械的強度等に問題があり、高精度の 偏平型重量計や大型の重量計においては負荷を分散して複数のセンサに荷重し、 各センサの出力を合計する多重点式が採用されている。

【０００３】 前記多重点式重量計は、荷重の載置台への載置位置により各センサに負荷が荷 重される割合が異なり、各センサの出力特性が同一でない場合には正しい計測が できないと言う、所謂偏置荷重誤差が生じる問題を含んでおり、機械的に、また は電気的に各センサ単体の出力特性を同一にする方法が施されている。

【０００４】 一方、載置台の何処に荷重しても重量計自身が転倒したり、傾いたりせず安定 していなければならず、その為には荷重の支持点となる重量計の脚はできるだけ 離して取り付ける必要があり、センサの取り付け間隔も離れてくる。

【０００５】 脚の間隔が離れることは、脚を取り付けている重量計のベースに変形が起こり 易くなり、又荷重量や荷重位置によりベースの変形は一定ではなく、このベース の変形により、センサの固定条件が変化し、センサへの荷重が垂直力以外の力と して働くことになり、センサの出力特性を変化させ、重量計の測定精度に影響を 与える。

【０００６】 このために、ベースが変形してもセンサに影響を及ぼさない為の対策としてベ ースとは別に剛性の高いセンサ取り付け基台を設けたり、ベースの剛性を高め、 ベースの変形を防止したりしているが、完全にセンサへの影響を除去することは 出来ず、一方このために重量計自身の重量が重くなり、製作コストの上昇の原因 と成っている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、多重点式重量計のベースの変形による測定精度への影響を、 より簡単に、低コストで取り除くことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

重量センサを重量計のベースに取り付けるに際し、柔軟部材を介して自由度を 持たせて取り付ける。

【０００９】

【作用】

センサを柔軟部材を介して自由度を持たせてベースに結合しているために、ベ ースの変形は柔軟材の変形として吸収されてセンサへの影響は除去され、荷重は 安定して垂直力として正確にセンサに伝達される。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の詳細を、本考案の一実施例の図面に基づき説明する。図１は本考 案の典型的な偏平型重量計の全体像を示す斜視図であり、本体の転倒や不安定さ を無くすために脚はベースの４隅に取り付けられ、重量センサも脚位置に伴って ベースの隅の方に取り付けられている。

【００１１】 図２は図１実施例のセンサ部の拡大図である。本実施例に使用しているセンサ は薄型の重量計とするためにその詳細を図３の組立分解図で示す通り、中央起歪 部にストレンゲージを接着したビーム型ロードセルの固定端と荷重端を中央寄り に延出し、重点と起歪部と固定点が同一平面に成る位置に、起歪体が変形できる 厚みのスペーサーを介して半球状の重点を固定し、起歪体が変形出来る厚みのス ペーサーを介して、剛性の高い基台に固定されている。

【００１２】 図４は重量センサのベースへの取り付け部を拡大した断面図であり、図５はそ の組立分解図である。基台の取り付け孔にフランジ付きの、内径が取り付けボル トを通し、長さが略、基台材厚＋（フランジ厚×２）のパイプ状の柔軟な弾性材 で成形されたスペーサーを貫通し、ボルトとナットで締め付けベースに取り付け る。

【００１３】 締め付け力により、柔軟材スペーサーのフランジの略２倍の長さの部分が撓み 、基台の取り付け孔周辺は完全に柔軟な弾性材に覆われ、基台即ち重量センサは ベースに対して全方向に自由度を持って取り付けられる。

【００１４】 図６は柔軟材スペーサーの他の実施例である。柔軟な弾性材を間に挟み、ボル トを上下に構成した物である。

【００１５】 図７は更に他の柔軟材スペーサーの実施例であり、柔軟な弾性材のブロックを 基台とベースの間に接着剤で接着したものである。

【００１６】

【考案の効果】

センサとベースとの間に柔軟な弾性体のスペーサーを介することにより、ベー スの変形はセンサには伝達されず、僅かな費用で多大な効果を得、高精度の偏平 型重量計を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案が適用される偏平型重量計の斜視図

【図２】 本考案の実施例の要部の全体図

【図３】 本考案の実施例に使用されるセンサ部の組立
分解図

【図４】 本考案の実施例の拡大断面図

【図５】 本考案の実施例の要部の組立分解図

【図６】 本考案の他の実施例の要部断面図

【図７】 本考案の他の実施例の要部断面図

【符号の説明】

１ カバー ２ ベース ３ センサ ４ 脚 ５ 起歪体 ６ ストレンゲージ ７ ボルト ８ ナット ９ ワッシャ １０ 柔軟材スペーサー １１ 基台 １２ 接着剤 １３ スペーサー １４ 重点 １５ 組立ネジ １６ 固定ネジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】重量センサを柔軟部材を介して重量計のベ
   ースに自由度を持たせて取り付けたことを特徴とする多
   点式重量計。