JPH084498B2 - 改変rna複製酵素蛋白質及びウイルス感染防禦方法 - Google Patents

改変rna複製酵素蛋白質及びウイルス感染防禦方法

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JPH084498B2
JPH084498B2 JP62123355A JP12335587A JPH084498B2 JP H084498 B2 JPH084498 B2 JP H084498B2 JP 62123355 A JP62123355 A JP 62123355A JP 12335587 A JP12335587 A JP 12335587A JP H084498 B2 JPH084498 B2 JP H084498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、遺伝子工学の手法によってRNAウイルスの
天然型RNA複製酵素蛋白質の特定のアミノ酸残基を人為
的に他のアミノ酸残基で置換した改変RNA複製酵素蛋白
質を利用した新規なウイルス感染防禦方法に関するもの
であり、更に詳細には、RNAウイルスの天然型RNA複製酵
素蛋白質に存在する共通アミノ酸配列−Tyr−X−Asp−
Asp−のX残基を人為的に操作して他の特定のアミノ酸
残基で置換した改変RNA複製酵素蛋白質をコードする遺
伝子を含む変異クローンを利用した新規ウイルス感染防
禦方法に関するものである。
〈従来の技術〉 RNAを遺伝子とするウイルスは、真核生物に感染する
ウイルスにも多く認められており、従来、ウイルス感染
防禦の観点からRNAウイルスの自己複製機構に関する研
究報告が数多く提示されている。
RNAウイルスの中でもとりわけ大腸菌RNAファージにつ
いては、HarunaとSpiegelmanによりRNAファージQβの
感染菌からQβRNAを複製するRNA複製酵素が単離され
て、Qβレプリカーゼと命名されたことに端を発して
(Proc.Natl.Acad.Su.,USA,54,579(1965))、RNAウイ
ルスの自己複製機構の解明は急速に進展し、細菌とバク
テリオファージの分子遺伝子学の段階から、真核細胞と
ウイルスの細胞生物学の段階に移行するに至った現在に
おいても、RNAウイルスは、遺伝現象の分子レベルでの
解明に多くの実証的成果を提供するものとして貴重な研
究対象とされている。
ところで、大腸菌RNAファージは、血清学的性質、紫
外線に対する感受性、浮遊密度などの観点から、4つの
グループ(I〜IV)に大別されており、これら4つのグ
ループの各々代表的なファージを用いて、各々のRNA複
製酵素(レプリカーゼ)すなわち、f2(グループI)レ
プリカーゼ、GA(グループII)レプリカーゼ、Qβ(グ
ループIII)レプリカーゼ、及びSP((グループIV)レ
プリカーゼなどが単離され、更に、それらの構造と機能
に関する基礎研究成果として、RNAレプリカーゼ蛋白質
が、α、β、γ、δの4つのサブユニットから成ってい
ることや、サブユニットα、γ、δが宿主由来の蛋白質
であり、サブユニットβだけがRNAファージによってコ
ードされる蛋白質であること、などがすでに解明されて
いる。
これらのRNAレプリカーゼに代表されるRNA依存RNA複
製酵素は、感染宿主中において、RNAから相補的RNAを経
由して直接的にRNAを複製する機能を有することから、R
NAウイルスの自己複製機構を制御するための重要な役割
を持つものとして注目される中で、最近、多くのウイル
ス由来のRNA依存RNA又はDNA合成酵素(ポリメラーゼ)
蛋白質の一次構造の相同性が調査され、これらの酵素蛋
白質の間に、−Tyr−X−Asp−Asp−のアミノ酸配列か
ら成る共通の領域が存在することが明らかとなり、RNA
複製酵素の構造と機能の解明が分子レベルで展開される
ようになった。
(Nature,305,827−829(1983)、Nucleic Acids Rse
arch,12,7296−7282(1984)、Natnre,317,366−368(1
985)) このように、RNAウイルスの自己複製機構の解明は、
分子生物学、疫学などの方向から分子レベルにおいて多
角的に推進されつつあるが、現在のところ、一部のワク
チンなどの開発を除いて、RNAウイルスの感染を防禦す
る有効な方法はいまだ開発されるに至っておらず、新し
いウイルス感染防禦方法の開発が強く要請されているの
が実情である。
〈発明が解決しようとする問題点〉 このような状況を踏え、本発明者らは、RNA依存RNAポ
リメラーゼの中でも最も基礎研究が先行している大腸菌
RNAファージを中心としてその構造と機能に関して分子
レベルでの研究を積重ねた結果、前記のRNA依存RNA又は
DNA合成酵素の一次構造に共通に保有されているアミノ
酸配列が、4つのグループの大腸菌RNAファージ、すな
わち、MS2、GA、Qβ及びSPのRNA複製酵素蛋白質中にも
存在することを見出すと共に、これらの特定のアミノ酸
配列が、RNAファージの複製に重要な役割を演じている
ことを見出すに至った。
さらに具体的に説明すると、QβファージのRNA複製
酵素β−サブユニット蛋白質の一次構造には、他のRNA
ファージの場合と同様に、−Tyr−Gly−Asp−Asp−の共
通のアミノ酸配列が存在していること、そして、357番
目のGly残基を、Ala、Ser、Pro、Met又はValから選択さ
れるアミノ酸残基で置換したクローンを作製し、レプリ
カーゼ活性を調べたところ、これらの変異クローンはレ
プリカーゼ活性を示さないこと、更に、これらの変異ク
ローンでクローニングした大腸菌は、Qβ及びSPファー
ジの増殖を阻害することなどを見出すと共に、前記変異
クローンがウイルス感染の防禦に有効であるとの知見を
得て本発明を完成するに至った。
本発明は、RNAウイルスの改変RNA複製酵素蛋白質を利
用したウイルス感染防禦方法を提供せんとすることを第
一目的とするものであり、同時に、当該改変RNA複製酵
素蛋白質とその製造方法、当該改変RNA複製酵素蛋白質
をコードする遺伝子自体、及び当該遺伝子を含む変異ク
ローンを提供することをも目的とするものである。
〈問題点を解決するための手段〉 このような本発明の目的を達成するための構成は、RN
Aウイルスの天然型RNA複製酵素蛋白質に存在する共通の
アミノ酸配列−Tyr−X−Asp−Asp−のX残基を当該RNA
ウイルスにおけるX残基部分に対応するアミノ酸以外の
他のアミノ酸残基で置換した改変RNA複製酵素蛋白質を
コードする遺伝子を含む変異クローンにより宿主細胞を
クローニングして改変RNA複製酵素蛋白質を産生させる
ことを基本的要旨とするものであり、その具体的技術的
手段について、ファージQβのRNA複製酵素を例とに挙
げて以下に説明する。
(1)ファージQβのRNA複製酵素β−サブユニット蛋
白質遺伝子を含むクローンpRQ1の作成 遺伝子供与体は、感染性を有するZpQβ−32DNAを用い
た。このZpQβ−32DNAは、Taniguchi及びWeissmannによ
って作成されたQβファージのcDNAであり(Nature,27
4,223(1978))、Weissmannから入手した。また、ベク
ターは、プラスミドpBR322由来のpUC8(P.L.Biochemica
l社(現Pharmacia社)製)を用いた。このpUC8は、1acZ
領域にマルチクローニングサイトを有しており、IPTGと
X−galを含むプレートで外来遺伝子挿入の有無を判別
できる特徴をもっている。(Gene,19,259−268(198
2)、PRODUCT REFERENCE GUIDE (1984)) これらのZpQβ−32DNAとpUC8から、第1図に示す工程
に従ってRNA複製酵素蛋白質遺伝子を含むクローンを作
成し、pRQ1と命名した。
なお、EColi JA221(pRQ1)は、微工研菌寄第9372
号として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託済であ
る。
(2)部位指定的変異作製方法によるアミノ酸置換の作
製 RNA複製酵素蛋白質の特定のアミノ酸を他のアミノ酸
で置換した変異クローンプラスミドは、RNA複製酵素β
−サブユニット蛋白質遺伝子の塩基配列の一部を部位指
定的変異作製法により改変することによって作製され
る。改変する部位として、QβファージのRNA複製酵素
β−サブユニット蛋白質の356番目から359番目にある配
列−Tyr−Gly−Asp−Asp−のGly残基を選定したのは、
この配列が、ほとんど全てのRNAウイルスのRNA複製酵
素蛋白質に見出される共通領域であること、しかも、
逆転写酵素蛋白質にも保存されている(但し、Glyでは
なくMet、Val又はLeu)こと故、RNA依存型ポリメラーゼ
がRNAを転写する際に重要な機能を有すると推察される
に至ったからである。
改変RNA複製酵素β−サブユニット蛋白質遺伝子を含
むヘテロデュプレックス(ヘテロ二本鎖DNA)に関して
は、前記pRQ1 DNAと17個の塩基配列から成る特定のオリ
ゴデオキシヌクレオチドを用いて、Inouye & Inouyeの
方法(1986)により、357番目のGly残基をAla、Ser、Pr
o、Mat又はVal残基で置換した変異クローンプラスミド
を作製し、各々、pVAR−A357、pVAR−S357、pVAR−P35
7、pVAR−M357及びpVAR−V357と命名した。
(3)改変RNA複製酵素β−サブユニット蛋白質遺伝子
を含む変異クローンプラスミドによる大腸菌の形質転換 前記(2)で作製した各種変異クローンプラスミドを
用いて、常法により(Maniatis T., Fritsh E.E. and S
ambrook J.編“Molecular Cloning "249−255, Cold Sp
ring Harbor Labaratory(1982)大腸菌をクローニング
して改変RNA複製酵素蛋白質を産生させた。
宿主菌としては、E. coli JA 221/F′LacIg (hsd
R, Ieu B6, Iac Y, thi, recA, Δ trp E5/F′ Iac , p
ro AB)(Robert Wood Johnson Medical School at Rutgers,New Jersey、井上より入手した)、
E. coli 594/F′LacIg (su-,gal-,strR,recA44/
F′lacIg , lac+ , proAB)を用いた。なお、594株(su
-,gal-,strR,recA44)は、東京大学医科学研究所、池
田より入手し、また、594/F′LacIg 株は、JA 221/F′
LacIg株から接合によりF′因子594株に導入して作製し
た。
以上、本発明の構成について、ファージQβのRNA複
製酵素を例として説明したが、ファージQβのRNA複製
酵素β−サブユニット蛋白質に存在する−Tyr−Gly−As
p−Asp−のアミノ酸配列は、RNAファージばかりでなく
他のウイルスのRNA依存RNAポリメラーゼにも見出される
普遍的な領域であることから、各種RNAウイルスについ
て、ファージQβの場合と同様にして変異クローンを作
製することが可能である。
なお、アミノ酸残基として示したTyrは、チロシン、G
lyはグリシン、Aspアスパラギン酸、Arはアラニン、Ser
はセリン、Proはプロリン、Metはメチオニン、Valはバ
リン、Leuはロイシンを表わす。
〈発明の効果〉 QβファージのRNA複製酵素β−サブユニット蛋白質
の357番目のアミノ酸置換体クローンは、宿主細胞にお
いて不活性なRNA複製酵素を産生して、Qβ−及びSP−R
NAファージの増殖を阻害する機能を有しており、このア
ミノ酸置換クローンを利用することにより、宿主細胞へ
のウイルス感染を高率で抑制することができる。
本発明のウイルス感染防禦方法はQβファージに限ら
ず、他の同様の構造、機能をもったRNAウイルスの場合
にも適用することが可能であり、特に植物RNAウイル
ス、動物RNAウイルスなどの感染防禦方法、すなわち、
植物、動物を対象とした新しい免疫法としても適宜に応
用できることから産業上の利用価値の高いものである。
次いで、本発明を実施例により更に詳細に説明する
が、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
〈実施例〉 (1)ファージQβのRNA複製酵素β−サブユニット蛋
白質遺伝子を含むクローンpQR1の作製 1)外来遺伝子の調整 Taniguchi Weissmannによって作製されたZpQβ−32DN
A 4.7μgを制限酵素BglIで切断した後、BglI切断部位
を平滑未端化にするために4種類のデオキシトリヌクレ
オチド(4dNTP)とT4DNAポリメラーゼで37℃、20分間反
応処理した。次いで、この反応液を70℃、10分間加熱処
理することによって酵素を失活させ、更に、BglIIで切
断して得られるRNA複製酵素β−サブユニット蛋白質遺
伝子(R)を含む2,178bpのDNA断片を低融点寒天ゲル電
気泳動で分離した。
2)クローニングベクターの調整 プラスミドpBR322由来のpUC8 DNA 500ngを制御酵素Ba
mHIとHincII(各々1ユニット)で、37℃、60分間反応
処理して、2,662bpのpUC8 DNA断片を調整した。
3)組換え体の作製と大腸菌の形質転換 前記1)と2)で調整した外来遺伝子50ng/10μ1と
ベクターDNA 10ng/μ1を、50mM Tris−HC1(pH7.4)、
10mM MgC12、10mM DTT(ジチオスレイトール)、1mM ス
ペルミジン、1mM ATP、T4 DNA リカーゼ1unit/10μ1中
で12.5℃、一液反応させて環化することによりクローン
(組換え体)を作製した。次いで、このDNAを用いて常
法によりE. coli K12株由来のE. coli JM 105(Neucl
eic Auids Researcch,9, 309−321(1981))を形質転
換し、0.8%バクトリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%
食塩、1.5%寒天、50Mg/mlアンピシリン(Ampicillin)
から成る平板寒天培地を用いて、Ampγ、Lacγを示す大
腸菌を選択した。この中からRNA複製酵素蛋白質遺伝子
を含むプラスミドを常法により抽出し、得られた4,840b
pのクローンをpRQ1と命名した。
(2)改変RNA複製酵素蛋白質遺伝子を含む変異クロー
ンの作製 前記(1)により作製したpRQ1 DNAを用いて、Inouye
&Inouyeの部位指定的変異作製法に従って、目的とする
RNA複製酵素β−サブユニット蛋白質の357番目のGly残
基をAla、Ser、Pro、Met又はVal残基で置換した改変RNA
複製酵素蛋白質遺伝子を含む変異クローン(組換え体)
を作製した。
1)pRQ1 DNA由来のDNA断片I pRQ1 DNA 50ng/μ1を、20mM KCl、10mM Tris−HC1
(pH8.0)、10mM MgC12、1mMジチオスレイトールを含緩
衝液中で制限酵素SmaI0.5units/μ1と37℃、2時間反
応させて得られる4,840bpのDNA断片Iを希釈してDNA濃
度150ng/μ1とした。
2)pRQ1 DNA由来のDNA断片II pRQ1 DNA 50ng/μ1を、50mMKCl、10mM Tris−HC1(p
H7.5)、10mM MgC12、1mMジチオスレイトールを含む緩
衝液中で制限酵素XhoI 0.5units/μ1、PstI 0.5units/
μ1と37℃、2時間反応させた後、改変しようとする領
域を含まない大きいDNA断片を5%アクリルアミドゲル
電気泳動で分離して、4,046bpのDNA断片IIを得た。
3)オリゴデオキシヌクレオチドの合成 改変しようとするアミノ酸残基を中心にした17個の塩
基配列から成るオリゴデオキシヌクレオチドをDNA合成
機380B型(Applied Bio Systems社製)で合成し、その
5′−端をリン酸化して成る下記のオリゴデオキシヌク
レオチドを作製した。
CT−GTT−TAC−GGA−GAC−GAT CT−GTT−TAC−GCG−GAC−GAT CT−GTT−TAC−TCT−GAC−GAT CT−GTT−TAC−CCT−GAC−GAT CT−GTT−TAC−ATG−GAC−GAT CT−GTT−TAC−GTT−GAC−GAT は天然型、はpVAR−A357、はpVAR−S337、はpV
AR−P357、はpVAR−M357、はpNAR−A357に各々対応
する。
4)ヘテロデュプレックス(ヘテロ二本鎖DNA)の作製 前記1)〜3)で作製した各DNA断片を混合し、3分
間沸湯水に浸漬した後、30℃に30分間、4℃に30分間、
氷水中に10分間保持して段階的に冷却処理することによ
り、沸湯水に浸漬して一本鎖になったDNA断片に再生化
を施した。続いて、DNAポリメラーゼ(Klenow Enzyme)
で修飾し、T4DNAリガーゼで処理してDNAの環化を行っ
た。
5)変異クローンによる大腸菌の形質転換 このようにして作製した変異クローン(組換え体)を
用いてE. coli JA 221 /F′ LacIgを形質転換し、変
異クローンの作製に際して用いたオリゴデオキシヌクレ
オチドをプローブとして変異クローンの選択を行った。
ここで得られた変異クローンを各々、pVAR−A357、pVAR
−S357、pVAR−P357、pVAR−M357、pVAR−A357と命名し
た。これらは、QβファージRNA複製酵素β−サブユニ
ット蛋白質遺伝子の357番目のGly残基を、各々、Ala、S
er、Pro、Mrt、Val残基で置換した改変蛋白質遺伝子を
含んでいる。
(3)ファージQβのRNA複製酵素の構造と機能の検討 1)遺伝子機能の発現 宿主細胞内での遺伝子機能の発現を検討すべく、大腸
菌RNAファージの各種突然変異株を大腸菌に感染させ、
そこで産生される子ファージの数を調べた結果を末尾第
1表に示す。
プラスミドpRQ1を保有する大腸菌細胞では、Qβファ
ージの成熟蛋白質遺伝子(M)、外被蛋白質遺伝子
(C)の変異株は増殖できず、RNA複製酵素蛋白質遺伝
子(R)の変異株だけが増殖できた。従って、このクロ
ーンでは、活性あるRNA複製酵素蛋白質が産生されてい
ることが証明された。
2)変異クローン(改変プラスミド)を保持している大
腸菌を指示菌としてRNAファージを感染させた場合の感
染効率 前記(2)で作製した各種の変異クローンを保持して
いる大腸菌(E. coli JA 221 /F′ LacIg)を、酵母
エキス5g/1、バクトトリプトン8g/1NaCl 5g/1から成るY
T培地中で37℃に保温しながら振盪培養し、対数増殖期
中期の菌を一定量の大腸菌RNAファージf2、GA、Qβ又
はSPと混合し、更に、2.5mlの0.6%の寒天を含むYT培地
(軟寒天培地)を加えて、ペトリ皿(直径90mm×深さ15
mm)内に予め作製しておいた1.5%の寒天を含むYT培地
から成る寒天平板培地上に重層した。寒天が固まったの
を確めた上で37℃。一夜培養し、そこに現われた溶菌斑
の数を数えた。感染効率は、対象としたプラスミドpUC8
を保有している大腸菌に感染したファージ数を1とした
場合の各大腸菌に感染したファージの数として表わし
た。末尾表2に示す結果から明らかなように、Qβ及び
SPのプラーク形性能が、357番目のアミノ酸置換体クロ
ーンで、著しく低下していることから、Qβ及びSPファ
ージの増殖が抑制されること、抑制の程度は置換される
アミノ酸の種類にも依存することが判明した。なお、f2
及びGAのプラーク形性能は、いずれのクローンでも等し
く、増殖抑制の程度も余り高くないが、これは、RNAフ
ァージのRNA複製酵素の鋳型特異性によるものと推察さ
れる。また、末尾表2に示したpVAR−A390は、390番目
のGly残基をAla残基で置換した変異クローンを意味す
る。
3)変異クローン(改変プラスミド)を保持している大
腸菌内でのQβファージの一段階増殖実験 各種変異クローンを保持している大腸菌(E. coli 5
94 /F′ LacIg)を10mMの塩化カルシウムを含む酵母エ
キス5g/lバクトトリプトン8g/l、NaCl5g/lから成るYT培
地中で、37℃に保温しながら振盪培養し、菌数が108個/
mlにまで増殖した時点で、Qβファージを107PFU/ml
(感染多重度0.1)で感染させた。菌に感染しないファ
ージを除くために、感染後10分目に遠心分離してファー
ジ感染大腸菌を沈澱させた。次いで、この大腸菌を当量
の新しいYT培地に菌懸濁し、更に、1mMのイソプロピル
−β−D−チオグラクトシド(IPTG)を含む培地で稀釈
した後、30℃で振盪培養を続けた。感染後、第2図に示
した時点で一定量を採取し、これを十分量の指示菌(E.
coli A/λ及び2.5mlの0.6%の寒天を含むYT培地と混
合し、ペトリ皿(直径90mm×深さ15mm)内に予め作製し
ておいた1.5%の寒天を含むYT培地から成る寒天平板培
地上に重層した。寒天が固まったことを確認した後、こ
のペトリ皿を37℃で一夜保温した。この平板培地上に現
われた溶菌斑の数から大腸菌内で増殖したファージの数
を算出した。第2図にその結果を示す。
なお、採取した試料を直ちに指示菌と供に接種した場
合は、○、△、□で示し、また、採取した試料をクロロ
ホルム処理して菌体を破壊した後、指示菌と共に接種し
た場合は、●、▲、■で示した。
更に、○は、pRQ1、△は、pVAR−P357、□はpVAR−P3
57をそれぞれ保持している大腸菌中でのQβファージの
増殖を意味する。
第2図のQβ野生株の一段増殖実験結果の比較から、
不活性なRNA複製酵素蛋白質を産生している細胞でのフ
ァージ感染中心数(白抜き)及び産生される全子孫ファ
ージ(黒塗り)は、いずれも活性なRNA複製酵素産生細
胞に比べて著しく減少していることが判明した。
ファージQβのRNA複製酵素の構造と機能に関する以
上の知見から、357番目のアミノ酸置換による不活性な
QβRNA複製酵素蛋白質により、Qβ RNA及びSP DNAの
合成が著しく抑制されることが確認されたが、RNAウイ
ルスのRNA依存RNA複製酵素蛋白質に存在する共通のアミ
ノ酸配列−Tyr−X−Asp−Asp−のX残基を他のアミノ
酸残基で置換した改変RNA依存RNA複製酵素蛋白質をコー
ドする遺伝子を含む変異クローンを利用した本発明のRN
Aウイルスの感染防禦方法は、RNAファージのみならず、
同様の植物ウイルス、動物ウイルスの新しい感染防禦方
法、すなわち従来の免疫法とは異る新しい免疫手法とし
て多角的に利用し得る普遍的な技術として位置づけられ
るものであり、その産業上の利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、QβファージのRNA複製酵素蛋白質遺伝子の
クローンの作製工程を示し、第2図は、Qβファージ野
生株による一段増殖実験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 8828−4B 15/09 //(C12N 1/21 C12R 1:19)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】QβファージのRNA複製酵素β−サブユニ
    ット蛋白質の356番目から359番目のアミノ酸配列−Tyr
    −Gly−Asp−Asp−のGly残基をAla、Ser、Pro、Met又は
    Valから選択されるアミノ酸残基で置換した改変RNA複製
    酵素蛋白質をコードする遺伝子又は当該遺伝子を含む変
    異クローンプラスミド。
  2. 【請求項2】pVAR−A357又はpVAR−S357から選択される
    特許請求の範囲第1項記載の変異クローンプラスミド
JP62123355A 1987-05-20 1987-05-20 改変rna複製酵素蛋白質及びウイルス感染防禦方法 Expired - Lifetime JPH084498B2 (ja)

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