JPH0841798A - 紙用複合填料 - Google Patents

紙用複合填料

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JPH0841798A
JPH0841798A JP17403594A JP17403594A JPH0841798A JP H0841798 A JPH0841798 A JP H0841798A JP 17403594 A JP17403594 A JP 17403594A JP 17403594 A JP17403594 A JP 17403594A JP H0841798 A JPH0841798 A JP H0841798A
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JP
Japan
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filler
paper
weight
polymer
composite
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JP17403594A
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English (en)
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Masanao Tajiri
政直 田尻
Hiroshi Araki
廣 荒木
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NIPPON KAMI PULP KENKYUSHO
NIPPON KAMIPARUPU KENKYUSHO KK
Original Assignee
NIPPON KAMI PULP KENKYUSHO
NIPPON KAMIPARUPU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である
重合体が、填料の表面上に付着しており、且つ該填料の
表面電位が陽性であることを特徴とする、紙用複合填
料。 【効果】 ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である
重合体が、填料の表面上に付着し、且つその填料の表面
電位が陽性である本発明の紙用複合填料を用いれば、白
色度および不透明度等の光学的性質や、破裂強さ、引裂
強さおよび裂断長等の物理的強度を同時に満足する紙が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙用複合填料に関する
ものであり、さらに詳しくは本発明は、白色度、不透明
度等の光学的性質や、破裂強さ、裂断長等の物理的強度
に優れた紙を提供することのできる紙用複合填料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、印刷あるいは筆記用に使用され
る紙には、不透明性、白色度、平滑度、筆記性、印刷適
性等の改良を目的として炭酸カルシウム、カオリン、ク
レー、タルク、二酸化チタン、ホワイトカーボン等の填
料が添加されている。また、填料は、上記のような目的
の他に、湿紙の乾燥速度を向上して乾燥エネルギーコス
トを低減させるため、さらには、増量剤として原料コス
トを低下させるためにセルロース原料を主とする紙料に
添加されている。
【0003】これら填料は、パルプ繊維間の密着を減少
させることにより散乱表面積を増加させ、あるいは屈折
率の違いによる散乱効率の増加により不透明度の向上を
もたらすが、最近、紙の軽量化、パルプの節約などに関
連して、填料をより効率的に、より多く内添する必要性
が高くなってきた。
【0004】填料を多く含有させることにより紙の不透
明度は向上するが、紙の強度が低下するため、紙中の填
料含有率には限界がある。紙の強度を高める1つの方法
として、表面サイズを行う方法があるが、サイズ剤塗布
時に紙を湿らせるため、この方法は、乾燥効率が悪くな
る、抄速が低下する、不透明度が向上しない、紙が硬く
なる、という欠点を有する。また、紙力増強剤として、
アニオン性またはカチオン性各種ポリマーを、パルプス
ラリーへ填料と共に添加する方法もあるが、この方法で
は、填料の凝集も同時に起こり、不透明度の充分な向上
が得られないなどの問題があり、また、填料のパルプへ
の接着力が弱く、紙に充分な強度を与えるに至っていな
い。さらに、特開昭62−184197号公報および特
開昭63−203894号公報には、填料とパルプ微細
繊維とを水中で混合分散させ、凝集剤で予め凝集させた
後、紙料に添加し抄造する方法が開示されている。しか
し、この方法によれば、填料の添加による紙の強度低下
を減少させることはある程度可能であるが、填料を添加
する目的の一つである紙の不透明性も低下する。これ
は、凝集剤を用いるため填料が凝集塊として存在し、填
料の分散性が著しく低下し、紙中における填料の光散乱
効果が低下するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パルプスラリー中に填
料を分散し、内添助剤を加えて抄造する従来の方法にお
いて得られた紙は、填料の量を増加すれば、それだけ不
透明度は得られるものの、繊維間に分布する填料によっ
て繊維間の結合が阻害され、それだけ強度の低下した紙
になる。また、予め填料を凝集させてから紙料に添加
し、抄造する技術によれば、填料添加による紙の強度低
下を減少させることは可能であるが、填料を添加する大
きな目的の1つである紙の不透明性も低下させる。この
ように填料を内添することによる紙の不透明性の向上と
紙の強度は、相反する関係にあり、両立させることは非
常に困難である。本発明は、上記のような従来の課題を
解決し、紙の白色度、不透明度等の光学的性質を向上さ
せると共に紙の強度も向上させることのできる紙用複合
填料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定範囲のガラ
ス転移温度(Tg)を有する重合体が填料の表面上に付
着しており、且つその重合体が付着した複合填料の表面
電位が陽性である複合填料を用いて紙を製造すれば、紙
の白色度、不透明度等の光学的性質が向上すると共に、
填料とパルプ繊維との間の接着力が増加し、紙の強度も
向上するという驚くべき事実を見いだし、本発明を完成
することができた。
【0007】すなわち本発明は、ガラス転移温度(T
g)が30℃以下である重合体が、填料の表面上に付着
しており、且つ該填料の表面電位が陽性であることを特
徴とする、紙用複合填料を提供するものである。
【0008】また本発明は、ガラス転移温度(Tg)が
30℃以下である重合体が、填料の表面電位を陽性にで
きる重合性ビニル単量体と、他のビニル単量体との共重
合体である、前記の紙用複合填料を提供するものであ
る。
【0009】さらに本発明は、表面電位を陽性にできる
重合性ビニル単量体と共重合させるビニル単量体が、酢
酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエンおよびアクリロニトリルからなる群から
選ばれた少なくとも1種の単量体である、前記の紙用複
合填料を提供するものである。
【0010】また本発明は、重合体のTgが−50〜3
0℃である、前記の紙用複合填料を提供するものであ
る。
【0011】さらに本発明は、白水pHにおいて、表面
電位がゼータ電位として正の値である、前記の紙用複合
填料を提供するものである。
【0012】また本発明は、填料の表面上に付着する重
合体の量が、填料の重量に対して、0.5〜50重量%
である、前記の紙用複合填料を提供するものである。
【0013】さらにまた本発明は、填料が無機化合物で
ある、前記の紙用複合填料を提供するものである。
【0014】また本発明は、填料の粒子径が、0.1〜
3.0μmである、前記の紙用複合填料を提供するもので
ある。
【0015】なお、無機化合物を重合体で被覆した複合
体は既に知られている。しかしながら、このような従来
の複合体は、インキ、樹脂成形品、電子写真用トナーへ
の充填材として使用され、ビヒクルに対する親和性や、
乾燥状態に於ける粒子の流動性が要求されるため、用い
られる重合体は、疎水性で、しかも加熱に耐え得るTg
の高いものである。従って、Tgが30℃以下の重合体
が、填料の表面に付着し、且つこの填料の表面電位が陽
性である、無機または有機化合物の填料を用いて、紙の
光学的および物理的性質を向上させることは、従来技術
においては全く知られていない。
【0016】ここで本明細書において、“付着”とは、
填料の表面上に、重合体が少なくとも一部分付着してい
る状態から填料の全表面上を覆っている状態までのいか
なる状態も含むものとする。
【0017】さらに本明細書におけるTgとは、DSC
(示差走査熱量測定)により測定された値を指す。
【0018】さらにまた、本明細書において、“填料の
表面電位が陽性”とは、抄紙の際に用いる白水のpHに
おいて、填料の表面電位が正であることを意味し、一般
的にはゼータ電位が正の場合を指すことができる。
【0019】本発明の紙用複合填料は、Tgが30℃以
下の重合体が、無機または有機化合物の填料に付着して
おり、且つ填料の表面電位が陽性であることを特徴とし
ている。本発明において使用することのできる無機また
は有機化合物の填料は、紙に用いる充填剤すべてであっ
て、とくに制限するものではない。例えば、製紙用に通
常用いられている填料のほか、水に難溶あるいは不溶の
無機および有機化合物であってもよい。例えば、無機化
合物の填料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、タルク、二酸化チタン、コロイド状含水シリカ(通
称ホワイトカーボン)、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム等が挙げられる。また、有機化合物の
填料としては、現在検討されている粒子状高分子重合
体、例えば粒子径が0.2〜0.5μmの乳化重合ポリス
チレン粒子等が挙げられる。中でも好ましくは、無機化
合物の填料であり、さらに好ましくは、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、コロイド状含水シリカである。一般
的に、填料の粒子径を小さくすると白色度、不透明度は
増加する傾向にあるが、本発明における好適な填料の粒
子径は、得られる紙の白色度および不透明度の良好な向
上効果を考慮すると、例えば0.1〜3.0μm、好まし
くは0.2〜1.0μm、最適には約0.25μmである。
【0020】上記のような填料に、Tgが30℃以下の
重合体を付着させる方法は、とくに制限されるものでは
ないが、例えば、填料を分散させた水媒体中に、少なく
とも(a)ラジカル重合可能な分子中に少なくとも1個
のエチレン性不飽和結合を有する単量体および(b)ラ
ジカル開始剤を存在させ、重合する方法が挙げられる。
この方法は、経済性、作業性を勘案した場合最も有利で
ある。このような方法は、すでに公知であり、例えば、
特開昭53−78285号公報、特開昭61−2477
63号公報、特開昭62−286533号公報、特開昭
63−175636号公報、特開平2−292305号
公報、特開平3−95269号公報、特公平1−189
34号公報、特公平2−55442号公報、特公平3−
57921号公報、特公平5−7063号公報、高分子
論文集第40巻259〜266頁(1983年)、高分
子論文集第50巻263〜270(1993年)等に記
載されている方法を挙げることができる。
【0021】また、填料の表面電位を陽性にする方法
も、公知の方法で行うことができ、例示として、以下に
その概略を示す。 填料に重合体を付着させる際の単量体の重合時に、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジ
メチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルメチ
ルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩型
カチオン界面活性剤およびソロミンA型、アーコベル型
等のアミン型カチオン界面活性剤を乳化剤として用いる
方法。 填料に重合体を付着させる際の単量体の重合時に、
例えばジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレートおよびこれらの第4級アン
モニウム塩、2−ヒドロキシ−3−メタクイロイルオキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド、ジアミノプロピル
アクリルアミドおよびこの第4級塩、ジアミノプロピル
メタクリルアミドおよびこの第4級塩、アクリルアミド
−3−メチルブチルジメチルアミンおよびこの第4級ア
ンモニウム塩等のカチオン性を有する重合性ビニル単量
体を一部併用する方法。 填料に重合体を付着させる際の単量体の重合時に、
前記カチオン性を有する重合性ビニル単量体を成分とし
て含むオリゴマーを乳化剤(以下、オリゴソープとい
う)として用い、このオリゴソープ存在下で非イオン性
単量体の重合成分の1成分としてアクリルアミドあるい
はメタクリルアミドを用いて乳化重合を行った後、ホフ
マン転移反応あるいはアルキルアミンとホルムアルデヒ
ドを添加し、マンニッヒ反応を行うことにより、カチオ
ン基を複合填料の表面に導入する方法等がある。上記の
ような、填料の表面電位を陽性にする方法は、1方法の
みならず、2種類以上の方法を組み合わせることができ
る。
【0022】以下、さらに具体的に説明する。上記の
(a)分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
を有する単量体は、ラジカル重合可能であり、重合後に
得られる重合体のTgが30℃以下となればいかなる単
量体であってもよい。このような単量体の典型的な例
は、ビニル系単量体であり、これには例えばエチレン、
プロピレン、アクリル酸、メタクリル酸等のビニル単量
体;アクリル酸あるいはメタクリル酸とメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコ
ール、2−エチルヘキシルアルコール、その他のアルキ
ルアルコール類とのエステル類;スチレン、α−メチル
スチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ト
リクロルスチレン、モノメチルスチレン、ジメチルスチ
レン、およびトリメチルスチレン等のスチレン系単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、メチロール化アクリルア
ミド、メチロール化メタアクリルアミド、アルコキシメ
チル化アクリルアミド、アルコキシメチル化メタアクリ
ルアミド等のアミド類;およびブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレン等のジエン系単量体等が挙げられる。こ
れら単量体は1種だけ使用してもよいし、2種以上使用
し、共重合させてもよい。好適な単量体は、酢酸ビニ
ル、アクリル酸、アクリル酸エステル、スチレン、ブタ
ジエン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0023】上記のように、填料の表面上に付着する重
合体は、Tgが30℃以下のものであるが、さらに好ま
しくはTgが−50〜30℃のものである。重合体のT
gの調節には、可塑化モノマー(Tgの低い単独重合体
を形成することのできるモノマー)を共重合することに
よる内部可塑化、可塑剤の添加による外部可塑化などの
方法がある。重合体は、低分子物質と異なり、温度によ
って明瞭な固態、液態、気態の3態は示さないが、その
物理的性質は、温度とともに顕著に変化し、低分子物質
に類似した転移現象を示す。Tg以下においては、ミク
ロブラウン運動が凍結されて、重合体はガラス状態にあ
り、高い弾性率を示す。Tg以上では、ミクロブラウン
運動が可能となるためにゴム弾性を示すようになる。本
発明の紙用複合填料を含む紙が、通常使用される温度領
域で、填料に付着させた重合体の相転移特性が、Tgと
重合体が流動性を示す見かけ上の融点との間、すなわち
ゴム状領域であることが望ましい。填料の表面上に付着
する重合体が、ゴム状領域であると、紙の強度が最も向
上するためである。填料の表面上に付着させた重合体の
Tgが30℃を超えると、紙が通常使用される温度領域
で、重合体がガラス状態になり脆くなり、そのため紙の
強度が向上せず好ましくない。
【0024】また、填料にTgが30℃以下の重合体が
付着した複合填料の表面電位を陽性にする方法におい
て、填料に重合体を付着させる際の単量体の重合時に陽
性を付与できる重合性ビニル単量体を一部併用する方法
(上記の方法)の場合の、陽性を付与できる重合性ビ
ニル単量体の具体例としては、例えば、メチルアミノエ
チルアクリレート、メチルアミノエチルメタクリレー
ト、t−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルア
クリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン酸の
アミノアルキルエステル類;メチルアミノエチルアクリ
ルアミド、メチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメ
チルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等の
エチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド
類;アミノエチルビニルエーテル、メチルアミノエチル
ビニルエーテル、ジメチルアモノエチルビニルエーテル
などのアミノアルキルビニルエーテル類;2−メチルピ
リジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニル
ピリジン、2,4−ジビニル−ビニルピリジン、1−メ
チル−2−ビニルキノリン、N−ビニル−N'−メチル
イミダゾール等の複素環式含窒素エチレン性不飽和単量
体;2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−
3−アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプ
ロピルトリエチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロ
キシ−3−アクリルオキシプロピルトリエチルアンモニ
ウムブロマイド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオ
キシプロピルトリブチルアンモニウムクロライド、2−
ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプロピルメチルエ
チルブチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−
3−メタアクリルオキシプロピルジメチルフェニルアン
モニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリ
ルオキシプロピルジメチルシクロヘキシルアンモニウム
クロライド等の第4級アンモニウム塩含有エチレン性不
飽和単量体等が挙げられる。これら単量体の1種以上の
使用量は、全単量体中1〜70重量%であり、1重量%
未満では、単量体の共重合率が低く、好ましい重合体の
カチオン化が進行しない。70重量%を超えると水性媒
体重合において安定な填料との複合体を得ることが困難
になり、また経済的にも不利である。好ましくは1〜4
0重量%である。
【0025】上記の陽性を付与できる重合性ビニル単量
体と共重合可能なビニル単量体としては、好ましいもの
として、例えばイソプレン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン系単量
体;スチレン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロ−アクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等の不飽和モノカルボン酸のエステル;ジメチルフマ
レート、ジメチルマレエート、ジエチルイタコネート等
の不飽和ジカルボン酸ジエステル;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド等の
不飽和アミドおよびその窒素置換誘導体等が挙げられ、
これらの1種以上を使用することができる。
【0026】(b)ラジカル重合開始剤は、とくに制限
するものではないが、例えば通常の乳化重合、懸濁重合
等のラジカル重合に用いられる公知のものが用いられ
る。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;過酸化水素、過酸化
ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド等の過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリル、
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、
2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、ア
ゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)塩酸
塩等の脂肪族アゾ化合物類;前記の過酸化物類とアスコ
ルビン酸、多価金属塩、酸性亜硫酸ナトリウム、ジメチ
ルアニリン等の還元剤を組合わせたレドックス系等が挙
げられる。
【0027】さらに、通常用いられているn−ブチルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタンのようなメル
カプタン類、および四塩化炭素、四臭化炭素のようなハ
ロゲン化誘導体等の連鎖移動剤を重合系に添加すること
により、重合体の分子量を調整し、所望のTgの重合体
を得ることもできる。
【0028】本発明において、填料の表面上に付着する
重合体の量は、填料の重量に対して0.5重量%以上が
好ましく、実用的には、0.5〜50重量%が好まし
く、さらに好ましくは、1〜30重量%である。0.5
重量%未満であると、得られる紙の強度向上に対して効
果が小さく、50重量%を超えても、紙力の向上に対す
る効果が、50重量%よりも少ない場合と比較して大き
くならず、経済的ではない。また、本発明の紙用複合填
料を用いて紙を製造する場合、この紙用複合填料の使用
量は、要求される紙の特性に依存するが、対パルプ1〜
50重量%、好ましくは5〜30重量%使用すれば、得
られる紙の光学的特性および物理的特性を高めることが
できる。
【0029】
【作用】本発明の紙用複合填料は、填料の有する光散乱
性、および填料の表面上に付着しているTgが30℃以
下の重合体の有するパルプ繊維に対する接着性、複合填
料の表面電位が陽性であることによる分散性の向上およ
び自己定着性という特性を具備している。従って、内添
填料として本発明の紙用複合填料を用いた場合、前記の
特性が作用し、光学的性質および物理学的性質の両方が
向上した紙が得られる。また、填料表面には、填料より
も柔らかい重合体が付着しているため、本発明の複合填
料を用いて紙を製造した場合、未処理の填料を内添した
ものに比べ、抄紙機のワイヤーの摩耗を小さくする作用
もある。本発明の紙用複合填料は、填料の優れた光散乱
性、および填料を被覆している重合体の、塗料中の成分
および紙に対する接着性という2つの特性を有している
ため、各種塗料用の顔料成分としても好適に用いること
ができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0031】本発明の紙用複合填料の製造例を以下に示
す。製造例 1 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)100重量部を入れ、撹拌しながら容
器内を窒素置換した。この中にスチレン10重量部、ブ
チルアクリレート10重量部、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート3重量部添加し、65℃に昇温した。さら
に2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩
を0.55重量部添加し、窒素気流中で3時間重合させ
た。得られた複合填料を顕微鏡で観察したところ、ポリ
酢酸ビニルと思われる重合体が、二酸化チタンの表面上
のほぼ全体に付着していることが分かった。
【0032】製造例 2 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、メタク
リロイルオキシエチルジメチルドデシルアンモニウムブ
ロマイド20重量部を溶解した水溶液500重量部、二
酸化チタン(石原産業(株)製A−100、粒子径0.4
μm)100重量部を入れ、撹拌した。過硫酸カリウム
5重量部を添加し、撹拌を続けながら容器内を窒素置換
した。その後、メタクリル酸メチル3重量部、アクリル
酸エチル5重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト3重量部添加し、フラスコを恒温槽に浸し、65℃で
8時間撹拌しながら重合した。得られた複合填料を顕微
鏡で観察したところ、重合体が、二酸化チタンの表面上
に薄くほぼ全体に付着していることが分かった。
【0033】製造例 3 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコ中、ビドロ
キシプロピルセルロース(和光純薬(株)製1級試薬)の
0.08%水溶液100重量部に、二酸化チタン(石原
産業(株)製A−100、粒子径0.4μm)5重量部と水
95重量部とからなる二酸化チタン分散液を加え、55
℃に昇温し、撹拌を2時間続けた後、室温まで放冷し
た。この溶液に水100重量部を加え、容器内を窒素置
換したのち、酢酸ビニル0.3重量部、ブチルアクリレ
ート0.2重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト0.05重量部を添加した。さらに過硫酸カリウムを
0.01重量部添加し、フラスコを恒温槽に浸し、50
℃で24時間重合させた。得られた複合填料を顕微鏡観
察したところ、重合体が二酸化チタンの表面上のほぼ全
体に付着していることが分かった。
【0034】製造例 4 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)100重量部を入れ、撹拌しながら容
器内を窒素置換した。この中にスチレン2.5重量部、
ブタジエン2.5重量部、アクリル酸0.1重量部、アク
リルアミド0.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.
008重量部添加し、70℃に昇温した。さらに2,2'
−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.3重
量部添加し、窒素気流中で3時間重合させた。得られた
複合填料スラリーを0℃に保ち、0℃の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液(有効塩素6%)4.7gを加えてよく撹拌
した。続いて、0℃の12N水酸化ナトリウム水溶液4
0mlを加えて10時間撹拌した。得られた複合填料を顕
微鏡観察したところ、重合体が二酸化チタンの表面上の
ほぼ全体に付着していることが分かった。
【0035】製造例 5 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製T
P−121、粒子径:短径0.5μm、長径2.0μm)1
00重量部を入れ、撹拌しながら容器内を窒素置換し
た。この中にスチレン10重量部、ブチルアクリレート
10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート3重
量部添加し、65℃に昇温した。さらに2,2'−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.55重量部を
添加し、窒素気流中で3時間重合させた。得られた複合
填料を顕微鏡で観察したところ、重合体が炭酸カルシウ
ムの表面上のほぼ全体に付着していることが分かった。
【0036】比較製造例 1 (表面電位が陰性、低T
g) 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)100重量部を入れ、撹拌しながら容
器内を窒素置換した。この中にスチレン10重量部、ブ
チルアクリレート10重量部添加し、65℃に昇温し
た。さらに2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)
2塩酸塩0.55重量部を添加し、窒素気流中で3時間
重合させた。得られた複合填料を顕微鏡で観察したとこ
ろ、重合体が二酸化チタンの表面上のほぼ全体に付着し
ていることが分かった。
【0037】比較製造例 2 (表面電位が陽性、高T
g) 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)100重量部を入れ、撹拌しながら容
器内を窒素置換した。この中にスチレン20重量部、ジ
メチルアミノメタクリレート3重量部添加し、65℃に
昇温した。さらに2,2'−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)2塩酸塩0.55重量部を添加し、窒素気流中で
3時間重合させた。得られた複合填料を顕微鏡で観察し
たところ、重合体が二酸化チタンの表面上のほぼ全体に
付着していることが分かった。
【0038】比較製造例3 (表面電位が陰性、高T
g) 撹拌機、温度計、窒素ガス吹込み管、およびリービッヒ
冷却管を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水50
0重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)100重量部を入れ、撹拌しながら容
器内を窒素置換した。この中にスチレン20重量部添加
し、65℃に昇温した。さらに2,2'−アゾビス(2−
アミジノプロパン)2塩酸塩0.55重量部を添加し、
窒素気流中で3時間重合させた。得られた複合填料を顕
微鏡で観察したところ、重合体が二酸化チタンの表面上
のほぼ全体に付着していることが分かった。
【0039】複合填料のゼータ電位は、ZETASIZ
ER3(Malvern Instrument社製)を用い、HClある
いはNaOHによりpHを7.0に調整して測定した。
【0040】製造例1〜5および比較製造例1〜3の複
合填料を、メチルエチルケトンを用いて重合体を溶解
し、填料と分離した。続いて、それぞれの重合体を溶解
している溶媒を留去し、重合体の乾燥物を得、DSC
(示差走査熱量測定)によりTgを測定した。その結果
を表1に示す。次に、複合填料を105℃、20時間乾
燥させ、重量(A)を測定した。さらに続いて875
℃、5時間の加熱処理を行い、重量(B)を測定した。
そのときの重量減少分(A−B)を重合体の重量とし、
重量(B)を紙中灰分として填料の重量とした。填料の
重量あたりの重合体重量を、重合体重量比率として、重
量%で表1に示した。重合体重量比率は、下記式で表さ
れる。
【0041】
【数1】 重合体重量比率(%)=(A−B)/B×100
【0042】
【表1】
【0043】実施例 1 ブナ材晒クラフトパルプを、PFIミルを用いてフリー
ネス450mlまで叩解した。得られたパルプを0.3%
に希釈した後、撹拌しながら、製造例1に示した複合二
酸化チタンを、対パルプ10重量%添加し、紙料スラリ
ーを調製した。次に丸型シートマシンにて常法(JIS
P8209)により坪量60g/m2の手抄シートを作
成した。続いて、湿紙を3.5kg/m2で5分間、さらに
濾紙を交換して2分間圧縮、脱水後、丸型リング上で送
風乾燥した。得られた紙を20℃、60%RHの条件下
で調湿し、常法(JIS法)に従って紙質試験を実施し
た。手抄シートの白色度および不透明度の測定は、エル
レホ2000(データカラー社製)を用いて、それぞれ
SCAN−P3(Paper and Board ISO Brightness)お
よびTappiT159(Diffuse opasity of paper)
に準じて行った。
【0044】比較例 1 比較製造例1に示した複合二酸化チタンを用いること以
外は、実施例1を繰り返した。
【0045】比較例 2 比較製造例2に示した複合二酸化チタンを用いること以
外は、実施例1を繰り返した。
【0046】比較例 3 比較製造例3に示した複合二酸化チタンを用いること以
外は、実施例1を繰り返した。
【0047】比較例 4 未処理の二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)を用いること以外は、実施例1を繰り
返した。
【0048】比較例 5 未処理の二酸化チタン(石原産業(株)製A−100、
粒子径0.4μm)と、填料の定着剤として硫酸アルミニ
ウムを対パルプ2重量%添加すること以外は、実施例1
を繰り返した。
【0049】比較例 6 比較製造例1に示した複合二酸化チタンを対パルプ10
重量%、填料の定着剤として硫酸アルミニウムを対パル
プ2重量%添加すること以外は、実施例1を繰り返し
た。
【0050】実施例 2 製造例2に示した複合二酸化チタンを用いること以外
は、実施例1を繰り返した。
【0051】実施例 3 製造例3に示した複合二酸化チタンを用いること以外
は、実施例1を繰り返した。
【0052】実施例 4 製造例4に示した複合二酸化チタンを用いること以外
は、実施例1を繰り返した。
【0053】実施例 5 製造例5に示した複合炭酸カルシウムを対パルプ10重
量%用いること以外は、実施例1を繰り返した。
【0054】比較例 7 未処理の軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製TP
−121)を対パルプ10重量%と、填料の定着剤とし
て硫酸アルミニウムを対パルプ2重量%添加すること以
外は、実施例1を繰り返した。
【0055】表2に実施例1および比較例1〜6で得ら
れた紙の紙質試験結果を示す。なお、填料を全く添加せ
ずに手抄したシートの白色度は78.0%、不透明度6
8.9%であった。
【0056】
【表2】
【0057】表3に実施例2、3および4で得られた紙
の紙質試験結果を示す。
【0058】
【表3】
【0059】表4に実施例5および比較例7の結果を示
す。
【0060】
【表4】
【0061】表2の比較例1の結果から明らかなよう
に、抄紙条件のpHで表面電位(ゼータ電位)が陰性で
あり、重合体のTgが30℃以下である複合二酸化チタ
ンを用いると、抄紙の際の填料の歩留りが悪く、白色
度、不透明度の向上が著しく悪い。比較例6で示したよ
うに、比較例1で用いたものと同じ複合二酸化チタンと
定着剤として硫酸アルミニウムを用いて抄紙すると、填
料の歩留りがよくなり、白色度、不透明度という光学的
性質は向上するものの、実施例1に比べるとその向上の
程度は小さい。比較例2に示したように、表面電位が陽
性であり、重合体のTgが30℃を超えている複合二酸
化チタンを用いると、填料の歩留りがよくなり、白色
度、不透明度は向上するものの、破裂強さ、引裂強さ、
裂断長といった紙の物理的性質(強度)は低下した。比
較例4に示したように、未処理の二酸化チタンで表面電
位が陰性であると、抄紙の際の填料歩留りは著しく悪
く、光学的性質は向上しない。また、定着剤を用いて歩
留りを向上させた比較例5から分かるように、白色度、
不透明度はある程度向上するものの、大きな向上ではな
く、さらに紙の強度は大きく低下してしまう。これらに
比べ、実施例1〜4に示される本発明のTgが30℃以
下の重合体がその表面上に付着し、且つその重合体が付
着した複合填料の表面電位が陽性であるような複合二酸
化チタンを用いて得られた紙は、白色度、不透明度とい
った光学的性質が著しく向上し、さらに破裂強さ、引裂
強さ、裂断長といった紙の強度も向上した。紙の光学的
性質が向上したことは、本発明の紙用複合填料の表面電
位が陽性であることに起因する填料の歩留り(自己定着
性)と、填料の紙料中、および紙中における分散性が改
善されたためであると考えられる。また、紙の強度が向
上したのは、本発明の複合填料の表面上に付着したTg
が30℃以下である重合体に起因する複合填料とパルプ
繊維の間に結合力が生じているためであると考えられ
る。さらに表4に示すように、填料として炭酸カルシウ
ムを用いた場合も、上記と同様の結果であった。すなわ
ち、Tgが30℃以下の重合体がその表面上に付着し、
且つその重合体が付着した複合填料の表面電位が陽性で
あるような複合炭酸カルシウムを用いて得られた紙は、
白色度、不透明度といった光学的性質が著しく向上し、
さらに破裂強さ、引裂強さ、裂断長といった紙の強度も
向上した。このように、Tgが30℃以下の重合体がそ
の表面上に付着し、且つその重合体が付着した複合填料
の表面電位が陽性であるような本発明の複合填料を、紙
の製造に用いれば、紙の光学的性質の著しい向上と共
に、物理的強度の向上も提供することができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、ガラス
転移温度(Tg)が30℃以下である重合体が、填料の
表面上に付着し、且つその填料の表面電位が陽性である
本発明の紙用複合填料を用いれば、白色度および不透明
度等の光学的性質や、破裂強さ、引裂強さおよび裂断長
等の物理的強度を同時に満足する紙が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度(Tg)が30℃以下で
    ある重合体が、填料の表面上に付着しており、且つ該填
    料の表面電位が陽性であることを特徴とする、紙用複合
    填料。
  2. 【請求項2】 ガラス転移温度(Tg)が30℃以下で
    ある重合体が、填料の表面電位を陽性にできる重合性ビ
    ニル単量体と、他のビニル単量体との共重合体である、
    請求項1に記載の紙用複合填料。
  3. 【請求項3】 表面電位を陽性にできる重合性ビニル単
    量体と共重合させるビニル単量体が、酢酸ビニル、アク
    リル酸、アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエンお
    よびアクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくと
    も1種の単量体である、請求項2に記載の紙用複合填
    料。
  4. 【請求項4】 重合体のTgが−50〜30℃である、
    請求項1に記載の紙用複合填料。
  5. 【請求項5】 白水のpHにおいて、表面電位が、ゼー
    タ電位として正の値である、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の紙用複合填料。
  6. 【請求項6】 填料の表面上に付着する重合体の量が、
    填料の重量に対して、0.5〜50重量%である、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の紙用複合填料。
  7. 【請求項7】 填料が無機化合物である、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の紙用複合填料。
  8. 【請求項8】 填料の粒子径が、0.1〜3.0μmであ
    る、請求項7に記載の紙用複合填料。
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