JPH0841737A - フロントトップローラ用クリヤラー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントトップローラ表面の付着物を確実に
除去してフロントトップローラの研磨周期を大幅に延長
することができるフロントトップローラ用クリヤラー装
置を提供する。 【構成】 フロントトップローラ７の軸心と平行に配置
される帯板状のプレート１１と、フロントトップローラ
７と対応してプレート１１から突出して設けられ、フロ
ントトップローラ７表面と接触し得る弾性を有するパッ
ト材１２と、プレート１１をフロントトップローラ７の
接線方向に揺動させる揺動手段１５と、を備えたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紡績機のフロントトッ
プローラをクリーニングするフロントトップローラ用ク
リヤラー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、紡績機におけるドラフト装置のフ
ロントトップローラには、繊維や繊維中の不純物等がそ
の周面に付着または堆積することを防止する目的でクリ
ヤラー装置が設けられている。

【０００３】一般的なクリヤラー装置としては、図６に
示すように、フロントトップローラ５０表面に、羅紗を
被覆したクリーニングローラ５１を自重により接触さ
せ、繊維，不純物等を取り除く構成のものが知られてい
る。この種のクリーニングローラ５１は、機台５２から
延設されたバー５３によってクリーニングローラ５１の
回転軸５１ａが前側に移動しないよう規制されており、
このようなクリーニングローラ５１は、その表面に綿塵
等が付着すると取り外して清掃できるようになってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フロントトップローラ用クリーニングローラでは、フロ
ントトップローラ５０周面に対して自重で接触し、フロ
ントトップローラ５０との摩擦力によって共回りするも
のであるため、クリーニング効果が十分でなく、フロン
トトップローラ５０周面に粘着した繊維中の油材や粘着
物までも除去することができず、従ってフロントトップ
ローラ５０表面のゴムコーティング層を定期的に研磨し
なければならないという問題があった。

【０００５】本発明は以上のような従来のフロントトッ
プローラ用クリヤラー装置における課題を考慮してなさ
れたものであり、フロントトップローラ表面の付着物を
確実に除去してフロントトップローラ表面層の研磨周期
を大幅に延長することができるフロントトップローラ用
クリヤラー装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、フロントトッ
プローラの軸心と平行に配置される帯板状のプレート
と、フロントトップローラと対応してプレートから突出
して設けられ、フロントトップローラ表面と接触し得る
弾性を有するパット材と、前記プレートをフロントトッ
プローラの接線方向に揺動させる揺動手段と、を備えた
フロントトップローラ用クリヤラー装置である。

【０００７】本発明において揺動手段の一具体例として
は、プレートからフロントボットムローラの回転軸近傍
に向けて延設されたアームと、フロントボットムローラ
の回転軸に取り付けられ、該フロントボットムローラの
回転時にアームの先端部と間欠的に係合し得る係合部材
と、から構成されたものが示される。

【０００８】また、本発明において、上記プレートは、
断面Ｕ字状に折り曲げられ、フロントトップローラと対
応する部位に窓部を形成したものが好ましく、パット材
はその一部が窓部から突出するよう構成することが好ま
しい。

【０００９】

【作用】本発明では、フロントトップローラの接線方向
に揺動自在なプレートが前側に振られると、フロントト
ップローラ周面と接触しているパット材もまた前側に振
られ、フロントトップローラの回転方向に逆らってその
周面を擦った後、回転するフロントトップローラ周面と
の摩擦により元の位置に復帰し、フロントボットムロー
ラが１回転する間にプレートは１回揺動し、それによ
り、パット材はフロントトップローラ周面に付着した繊
維等を間欠的に掃き落とすようにしてクリーニングす
る。

【００１０】

【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明
を詳細に説明する。図１は、本発明のフロントトップロ
ーラ用クリヤラー装置の一実施例を示したものである。
同図はダブルエプロン式ドラフト装置に設けた例であ
り、ドラフト装置は、フロントボットムローラ１，セカ
ンドボットムローラ２，バックボットムローラ３によっ
てボットムローラ群を構成している。

【００１１】上記セカンドボットムローラ２について
は、それとフロントボットムトーラ１との間に設けたテ
ンサーバー４を取り巻いてボットムエプロン５が掛け渡
されており、このボットムエプロン５は、テンサーバー
４とテンションレバー６とによって適度にテンションが
付与され、エプロンテンション装置を構成している。

【００１２】一方、上記したボットムローラ群に対向し
てその上方には、フロントトップローラ７，クレードル
用トップローラ８，バックトップローラ９が配設されて
いる。なお、フロントトップローラ７は、図示しないウ
エーチングアームの加圧力によりフロントボットムロー
ラ１３周面と接触している。

【００１３】本実施例のクリヤラー装置１０は、駆動軸
を持たないフロントトップローラ７の表面をクリーニン
グするためのものであり、その構成は、図２に示すよう
に、フロントトップローラ７の軸心と平行に配置される
帯板状のプレート１１と、フロントトップローラ７と対
応してプレート１１から突出して設けられ、フロントト
ップローラ表面７ａと接触するパット材１２と、ローラ
ースタンド１３に立設され、プレート１１の各端部を支
持するホルダーブラケット１４と、ホルダーブラケット
１４に支持されているプレート１１を、フロントトップ
ローラ７の接線方向に揺動させる揺動手段１５とから主
として構成されている。

【００１４】上記プレート１１はほぼスタッフ間の長さ
に切断された厚さ１mm程度の金属板をＵ字状に折曲げて
帯板状に形成したものであり、折り曲げ後に形成される
間隙は、パット材１２が挿入できる寸法となっている。
そしてプレート１１における屈曲部分には図３に示すよ
うに、フロントトップローラにそれぞれ対応するように
切欠き窓１１ａが形成されており、この切欠き窓１１ａ
にパット材１２を挿入すると、パット材１２に形成され
ている２つの凹溝１２ａが、プレート１１に形成された
スリット１１ｂから覗かれるようになっている。そこで
止め具１６の開口側を押し広げながらそのスリット１１
ｂに嵌着させると、止め具１６の爪１６ａが凹溝１２ａ
とそれぞれ係止され、パット材１２をプレート１１に固
定することができるようになっている。

【００１５】上記したパット材１２は、耐摩耗性及び除
電性に優れた合成ゴムからなり、切欠き窓１１ａの縁と
係止して位置決めできる楔状部１２ｂを有し、その楔状
部１２ｂの先端側にフロントトップローラ７との接触部
を有している。

【００１６】図４はパット材１２をプレート１１に組み
込んだクリアラーを背面から見た図である。同図におい
て、パット材１２はフロントトップローラ７に対応して
６個配列されており、それらパット材１２間のプレート
１１からは、アームとしての金属製のキッカープレート
１５ａが突設されている。このキッカープレート１５ａ
はその後端側に角孔（図示しない）を有し、プレート１
１に形成された切欠き窓１１ｂからキッカープレート１
５ａの後端を挿入し、止め具１６と同等の止め具１７を
用いて固定している。プレート１１がホルダーブラケッ
ト１４に装着された際、キッカープレート１５ａの先端
部はフロントボットムローラ１の回転軸１ａ近傍に至る
長さに延長されているものとする。なお、図中の符号１
８は、ホルダーブラケット１４に装着されたプレート１
１がその長手方向にずれることを防止するためのピンで
ある。

【００１７】図２において、フロントボットムローラ１
の回転軸１ａには係合部材としてのクリップ１５ｂが嵌
着され、フロントボットムローラ１の回転時にキッカー
プレート１５ａの先端部と間欠的に係合するようになっ
ている。このクリップ１５ｂは約７０゜の円弧を開口範
囲とする断面Ｃ字状のバネ材からなり、その開口部分の
一方縁に爪１５ｃが折り曲げ形成されており、フロント
ボットムローラ１の回転軸１ａに対して開口部を押し広
げて装着することにより、フロントボットムローラの回
転軸１ａに固定することができるようになっている。上
記キッカープレート１５ａ及びクリップ１５ｂは揺動手
段としてみなすことができる。

【００１８】また、ホルダーブラケット１４は、ブラケ
ット固定のためのボルト貫通孔１４ａを有するＬ字状ベ
ース１４ｂと、そのＬ字状ベース１４ｂから対向して一
体に形成されるプレート支持部１４ｃ，１４ｃとを有
し、プレート支持部１４ｃ，１４ｃは、図５に示すよう
に、プレート１１を差し込むことのできる凹状切欠き１
４ｄを有し、その凹状切欠き１４ｄ内に差し込んだプレ
ート１１がその幅方向中央部分を支点として揺動できる
よう、凹状切欠き１４ｄの右側縁及び左側縁は１３゜の
傾斜角を有する傾斜部１４ｅ及び１４ｆが形成されてい
る。

【００１９】上記構成を有する本実施例の動作を以下に
説明する。ドラフト装置が運転を開始してフロントボッ
トムローラ１及びフロントトップローラ７が回転する
と、フロントボットムローラ１の回転軸１ａに装着され
ているクリップ１５ｂの爪１５ｃがキッカープレート１
５ａ先端と係合し、キッカープレート１５ａ先端を矢印
Ａ方向に押す。キッカープレート１５ａが矢印Ａ方向に
押されると、プレート１１は矢印Ｂ方向（図１参照）に
振れ、フロントトップローラ７ａ周面を、その回転方向
に逆らって擦りながら移動する。次いでクリップ１５ｂ
の爪１５ｃは回転軸１ａの回転につれてキッカープレー
ト１５ａ先端との係合が解除される。このとき、プレー
ト１１はその左側面が傾斜部１４ｆと当接するため、振
れ幅が所定の範囲に規制されることになる。次いで、フ
ロントトップローラ７と再度接触するパット材１２は、
フロントトップローラ７の矢印Ｃ方向に回転につれて矢
印Ｂ方向と反対方向に振れ、元の位置に復帰する。この
ようにして、フロントボットムローラ１が１回転する間
にプレート１１は１回揺動動作し、フロントトップロー
ラ７周面を強制的に１回クリーニングする。フロントボ
ットムローラ１が回転している間は、上記クリーニング
動作が繰り返し実行される。

【００２０】このような構成によれば、従来のように自
重でフロントトップローラに接触させてクリーニングを
行うクリヤラーとは異なり、フロントボットムローラの
回転軸を駆動源として積極的に且つ相当な押圧力を持っ
てフロントトップローラ周面をクリーニングすることが
できる。フロントトップローラの表面に粘着する繊維中
の油材や粘着物まで除去することができるようになる。
風綿巻き付き及び風綿堆積がなくなるため、クリヤラー
の掃除における省力効果が大きくなる。従来のようなク
リヤラーローラのようにブロー道を塞ぐことがないた
め、ニューマブローの効果が良くなる。クリヤラー装置
を極めて簡単な構成で実現することができ、しかも着脱
が容易であるという長所がある。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のクリヤラー装置によれば、フロントトップローラ
表面の付着物を確実に除去してフロントトップローラの
研磨周期を大幅に延長することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のクリヤラー装置をドラフト装置に適用
した一実施例を示す側面図である。

【図２】同実施例に係るクリヤラー装置の構成を示す要
部斜視図である。

【図３】同実施例に係るパット材の分解斜視図である。

【図４】同実施例に係るクリヤラーの全体図である。

【図５】同実施例に係る支持部材の形状を示す説明図で
ある。

【図６】従来のフロントトップローラ用クリヤラー装置
を示す側面図である。

【符号の説明】

１ フロントボットムローラ ２ セカンドボットムローラ ３ バックボットムローラ ４ テンサーバー ５ ボットムエプロン ６ テンションレバー ７ フロントトップローラ ８ クレードル用トップローラ ９ バックトップローラ １０ クリヤラー装置 １１ プレート １２ パット材 １３ ローラースタンド １４ ホルダーブラケット １５ 揺動手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントトップローラの軸心と平行に配
   置される帯板状のプレートと、 前記フロントトップローラと対応して前記プレートから
   突出して設けられ、前記フロントトップローラ表面と接
   触し得る弾性を有するパット材と、 前記プレートを、前記フロントトップローラの接線方向
   に揺動させる揺動手段と、 を備えたことを特徴とするフロントトップローラ用クリ
   ヤラー装置。
2. 【請求項２】 前記揺動手段は、前記プレートから前記
   フロントボットムローラの回転軸近傍に向けて延設され
   たアームと、 前記フロントボットムローラの回転軸に取り付けられ、
   該フロントボットムローラの回転時に前記アームの先端
   部と間欠的に係合し得る係合部材と、 から構成される請求項１記載のフロントトップローラ用
   クリヤラー装置。
3. 【請求項３】 前記プレートは、断面Ｕ字状に折り曲げ
   られ、前記フロントトップローラと対応する部位に窓部
   を形成したものであり、前記パット材はその一部が窓部
   から突出するものである請求項１記載のフロントトップ
   ローラ用クリヤラー装置。